JP2005242190A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度であり粒状性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供すること。
【解決手段】支持体上に、各々少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層からなる青感性感光ユニット、緑感性感光ユニット及び赤感性感光ユニット、並びに少なくとも1層の非感光性層からなるハロゲン化銀カラー写真感光材料において、少なくとも1種の下記化合物(ア)と少なくとも1種の下記化合物(イ)を含むことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料
化合物(ア):ClogPが4.5未満の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
化合物(イ):ClogPが4.5以上の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
【選択図】 なし

Description

本発明は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料に関する。
更に詳しくは、高感度で粒状性に優れ、さらに高温高湿条件下での潜像保存性の優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の分野において、粒状性を損なうことなく高感度化することは長年の課題である。一般的に写真感度はハロゲン化銀乳剤粒子のサイズによって決まる。乳剤粒子が大きいほどより写真感度が増加する。しかし、粒状性はハロゲン化銀粒子のサイズの増加とともに悪化するため、感度と粒状性はトレードオフの関係となる。当業界において粒状性を悪化させることなく、感度を増加させることは、写真感光材料の画質向上を行う上で最も基本的かつ重要な課題である。
ヘテロ原子を最低3個有する化合物をハロゲン化銀写真感光材料に含有させることにより、粒状性を悪化させずに感度増加を行う技術が、これまでに開示されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
しかしながら、上記の方法により感度の増加は見られるが、その効果は十分ではない。
特開2000−194085号公報 特開2003−156823号公報
本発明の目的は、高感度であり粒状性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、下記ハロゲン化銀カラー写真感光材料により粒状性を損なうことなく感度の増加が著しく向上することがわかった。
また、本発明を用いることにより新たな効果を感光材料に付与できることも見出された。すなわち、本発明を用いると処理依存性が好ましく改良できるという予期せぬ効果も得られる。
すなわち、本発明は、次のハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。
(1) 支持体上に、各々少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層からなる青感性感光ユニット、緑感性感光ユニット及び赤感性感光ユニット、並びに少なくとも1層の非感光性層からなるハロゲン化銀カラー写真感光材料において、少なくとも1種の下記化合物(ア)と少なくとも1種の下記化合物(イ)を含むことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
化合物(ア):ClogPが4.5未満の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
化合物(イ):ClogPが4.5以上の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
(2) 該化合物(ア)、(イ)が下記の要件を満足することを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
化合物(ア):ClogPが−2以上3以下の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
化合物(イ):ClogPが6以上16以下の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
(3) 該化合物(ア)、(イ)が下記の要件を満足することを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
化合物(ア):ClogPが−1以上1以下の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
化合物(イ):ClogPが7.5以上15以下の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
(4) 該化合物(ア)が環の構成原子として1個〜3個のヘテロ原子を有する複素環化合物であり、かつ、現像主薬酸化体と反応しない化合物であり、化合物(イ)が環の構成原子として1個〜3個のヘテロ原子を有する複素環化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(5) 該化合物(ア)、(イ)が環の構成原子として1個または2個のヘテロ原子を有する複素環化合物であり、かつ、現像主薬酸化体と反応しない化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置換基でも良い。
このような置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
更に詳しくは、Wは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととする。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、複素環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、ベンゼン環等と縮合していてもよく、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族の複素環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環基でも良い。)、
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくはアンモニオ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基、例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、
アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、ホスフォ基、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基、例えば、トリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイド)、を表わす。
また、2つのWが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
上記の置換基Wの中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、が挙げられる。
より具体的には、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
本発明において用いる特定のClogPを持つ複素環化合物について説明する。
ClogPは化合物の親疎水性の尺度として用いる。
通常、親疎水性は、化合物のオクタノール/水分配係数(logP)により求めることができる。具体的には、下記文献(1)記載のフラスコ・シェーキング法で実測して求めることができる。
文献(1):構造活性相関懇話会(代表)藤田稔夫編、化学の領域増刊122号「薬物の構造活性相関−ドラッグデザインと作用機作研究への指針」、南江堂、1979年刊、第2章第43頁〜203頁。特に第86頁〜89頁にフラスコ・シェーキング(Flask shaking)法が記載されている。
しかしlogPが3以上の場合、測定が困難な場合があるので、本発明ではlogPを計算するためのモデルを使用し規定する。本発明では、この計算値によるlogP(以下、ClogPと称する)を用いて規定する。
本発明では、Hansch-LeoのCLOGPプログラム(米国Daylight Chemical Information Systems社)(バージョンはアルゴリズム=4.01、フラグメントデータベース=17(*3))を使用して、上記ClogPを算出する。
本発明の化合物において複数の互変異性体をとり得る場合、これらの各々の異性体についてClogPを計算することができ、これらの値の少なくとも1つが特定の範囲内にあるならば、その化合物は本発明の範囲内にある。
また、上記のプログラムのデータベースに分子のフラグメントがない場合は、上記の親疎水性の実測によりデータを補ってClogPを求めることができる。
本発明の化合物はpH=4での状態を基準としてClogPを計算する。本発明の化合物にカルボキシル基がある場合、そのカルボキシル基は、この状態で解離していないものとする。
本発明の化合物の重要な特徴は親疎水性にあり、写真効果を最大にするために、水への分配とハロゲン化銀乳剤との相互作用を制御する必要がある。
本発明においては、少なくとも1つのClogPが4.5未満の複素環化合物と少なくとも1つのClogPが4.5以上の複素環化合物を含むことを特徴とする。このような化合物を併用することにより、写真効果を最大にすることができる。本発明においては、これらの化合物を少なくとも2つ以上含有するが、3つ以上含有する場合も好ましい。
ClogPが4.5未満の複素環化合物として、好ましくはClogPが−5〜4.5未満の場合であり、さらに好ましくはClogPが−2〜3の場合であり、特に好ましくはClogPが−1〜1の場合であり、最も好ましくは−0.5〜0.5の場合である。ClogPが4.5以上の複素環化合物として、好ましくはClogPが4.5〜18の場合であり、さらに好ましくはClogPが6〜16の場合であり、さらに好ましくはClogPが7.5〜15の場合であり、さらに好ましくはClogPが9〜14の場合であり、特に好ましくは10〜13の場合であり、最も好ましくは10.5〜11.5の場合である。
上記の好ましい複素環化合物同士を各々組み合わせた場合に、さらに好ましい写真効果を示す。
複素環化合物とはヘテロ原子を1個以上持つ環状化合物を意味する。以下で、ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環で現像主薬酸化体と反応しない化合物を(H−1)、ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環で現像主薬酸化体と反応する化合物を(H−2)、ヘテロ原子を3個以上持つ複素環で現像主薬酸化体と反応する化合物を(H−3)、ヘテロ原子を3個以上持つ複素環で現像主薬酸化体と反応しない化合物を(H−4)と称して、各々について説明する。
上記複素環の種類(H-1)〜(H-4)とClogPの好ましい組合せについて述べる。本発明においては、少なくとも1つのClogPが4.5未満の複素環化合物と少なくとも1つのClogPが4.5以上の複素環化合物を含めば、いかなる複素環を用いても良いが、ClogPが4.5未満の複素環化合物として好ましくは(H-1)、(H-4)であり、さらに好ましくは(H-1)である。ClogPが4.5以上の複素環化合物として好ましくは(H-1)、(H-2)、(H-3)であり、さらに好ましくは(H-1)、(H-3)であり、特に好ましくは(H-1)である。
以上に述べた好ましい複素環化合物同士を各々組み合わせた場合に、さらに好ましい写真効果を示す。
すなわち、本発明において特に好ましい組合せは、ClogPが4.5未満の(H-1)とClogPが4.5以上の(H-1)の併用、ClogPが4.5未満の(H-1)とClogPが4.5以上の(H-3)の併用、又は、ClogPが4.5未満の(H-1)とClogPが4.5以上の(H-1)及び(H-3)の3つの化合物の併用であり、最も好ましい組合せはClogPが4.5未満の(H-1)とClogPが4.5以上の(H-1)及び(H-3)の3つの化合物の併用である。(ClogPについての好ましい範囲については、前述の通り)。
以下で、本発明において用いるヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物(H-1)及び(H-2)について説明する。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。「ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環」における、ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。
多環複素環の場合、全ての環系に含まれるヘテロ原子の数が1個又は2個のもののみが含まれ、例えば1,3,4,6−テトラアザインデンのヘテロ原子の数は4個であり含まれない。
これらの要件を満たす、いかなる複素環化合物を用いても良いが、ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、またはホウ素原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、またはセレン原子であり、特に好ましくは、窒素原子、硫黄原子、または酸素原子であり、最も好ましくは窒素原子または硫黄原子である。
複素環の環員数はいずれでも良いが、好ましくは3〜8員環であり、さらに好ましくは5〜7員環であり、特に好ましくは5または6員環である。
複素環としては、飽和であっても不飽和であっても良いが、好ましくは少なくとも1つの不飽和の部分を有する場合であり、さらに好ましくは少なくとも2つの不飽和の部分を有する場合である。別の言い方をすると、複素環としては、芳香族、擬似芳香族、及び非芳香族のいずれでも良いが、好ましくは芳香族複素環、及び擬似芳香族複素環である。
これらの複素環として具体的には、ピロール環、チオフェン環、フラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、及び、これらにベンゾ縮環したインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、アクリジン環、及び、これらが一部又は全部飽和したピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリン環等が挙げられる。
代表的な複素環の例を以下に示す。
Figure 2005242190
ベンゼン環が縮環した複素環として、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2005242190
一部又は全部飽和した複素環として、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2005242190
その他に、以下の複素環も可能である。
Figure 2005242190
これらの複素環には、「ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環」の定義に反しない限り、いかなる置換基が置換していても縮環していても良く、置換基としては前述のWが挙げられる。また、複素環に含まれる3級窒素原子が置換されて4級窒素となっても良い。なお、複素環の別の互変異性構造を書くことができるどのような場合も、化学的に等価である。
ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環において、遊離チオール基(−SH)及びチオカルボニル基(>C=S)が置換していない場合が好ましい。
上記の複素環のうち、好ましくは(aa−1)〜(aa−4)である。(aa−2)においては、ベンゼン環が縮環している(ab−25)が、さらに好ましい。
なお、ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物は、酸化現像主薬と反応しても反応しなくても、いずれでも良いが、酸化現像主薬と反応しない複素環化合物を好ましく用いることができる。
すなわち、酸化現像主薬と直接に化学反応又はレドックス反応を顕著に生じない(5〜10%未満)ものが好ましく、さらに、カプラーではなく、かつ酸化現像主薬と反応して色素又はいずれか他の生成物を生成しないものが好ましい。
以上のように(H-1)と(H-2)のうち、(H-1)のほうが好ましい。
ここで、酸化現像主薬と直接に化学反応又はレドックス反応を顕著に生じない化合物とは、以下に記載する方法により求めた反応性(CRV)が所定の値以下であることをいう。
本発明の化合物と酸化現像主薬との反応性(CRV)は以下の方法で求めたものとする。
評価感材(A)を白色光に曝し、発色現像工程の処理時間を1分30秒に変えた以外は実施例1に記載の処理方法と同じ方法で処理する。この感材のイエロー濃度測定、マゼンタ濃度測定、およびシアン濃度測定を行い、本発明の化合物を含有しない感材の場合のイエロー濃度、マゼンタ濃度、およびシアン濃度との差をそれぞれ求める。
上記の方法で求めたイエロー濃度差、マゼンタ濃度差、シアン濃度差のうち最大の値をCRV値とする。このCRV値が0以上0.05未満になる場合、「酸化現像主薬と反応しない」という。この値が0.05以上になる場合、「酸化現像主薬と反応する」という。
評価感材(A)
(支持体) セルローストリアセテート
(乳剤層) Em−C 銀として 1.07 g/m2
ゼラチン 2.33 g/m2
トリクレジルホスフェート 0.62 g/m2
本発明の化合物 3.9×10-4mol/m2
(保護層)
ゼラチン 2.00 g/m2
H−1 0.33 g/m2
B−1(直径1.7μm) 0.10 g/m2
B−2(直径1.7μm) 0.30 g/m2
B−3 0.10 g/m2
上記評価感材(A)で用いた乳剤Em−Cの特性および各化合物の構造式は、後掲の実施例1の欄に示した。
ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物として、さらに好ましくは下記一般式(I)で表わされる化合物である。
Figure 2005242190
一般式(I)中、Z1は式中の窒素原子を含むヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環を形成する基を表わす。X1は硫黄原子、酸素原子、窒素原子(N(Va)),又は炭素原子(C(Vb)(Vc))を表わす。Va,Vb,Vcは水素原子又は置換基を表わす。X2はX1と同義である。n1は0,1,2,又は3である。n1が2以上の時、X2は繰り返されるが同一である必要はない。X3は硫黄原子、酸素原子、又は窒素原子を表わす。X2とX3の間の結合は単結合、又は2重結合であり、それに応じて、X3はさらに置換基を有しても電荷を有していても良い。
ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物として、特に好ましくは下記一般式(II)で表わされる化合物である。
Figure 2005242190
一般式(II)中、Z1、及びX1は一般式(I)と同義である。X4は硫黄原子(S(Vd))、酸素原子(O(Ve))、又は窒素原子(N(Vf)(Vg))を表わす。Vd,Ve,Vf,及びVgは水素原子、置換基、又は負電荷を表わす。V1,及びV2は水素原子、又は置換基を表わす。
以下、一般式(I)及び一般式(II)について詳細に説明する。
1によって形成される複素環として好ましくは、前述の(aa-1)〜(aa-18)、(ab-1)〜(ab-29)、(ac-1)〜(ac-19)及び(ad-1)〜(ad-8)で挙げた複素環が挙げられ同様のものが好ましい。「ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環」の定義に反しない限り、これらに、さらに置換基(例えば前述のW)が置換していても縮環していてもよい。
1として好ましくは、硫黄原子、酸素原子、又は窒素原子であり、さらに好ましくは硫黄原子、又は窒素原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。Va,Vb,Vcで表わされる置換基としては前述のWが挙げられ、置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、及び複素環基である。X2として好ましくは炭素原子である。n1として好ましくは0,1,2であり、さらに好ましくは2である。X3として好ましくは酸素原子である。X3は、X2とX3の間の結合が単結合であるか2重結合であるかによって、その価数が変わる。例えば、X2とX3の間の結合が2重結合でX3が酸素原子の場合、X3はカルボニル基を表わし、X2とX3の間の結合が単結合でX3が酸素原子の場合、X3は例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、負電荷を持つ酸素原子等を表わす。
4として好ましくは酸素原子である。Vd,Ve,Vf,及びVgで表わされる置換基としては、前述のWで示したものが挙げられる。Vd,Ve,及びVfとVgのうち少なくとも一つは水素原子、又は負電荷を表わす場合が好ましい。V1,及びV2で表わされる置換基としては前述のWが挙げられる。V1,及びV2のうち少なくとも一つは、水素原子以外の置換基である場合が好ましい。
置換基として具体的には、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、弗素原子)、アルキル基(炭素数1〜60。例えば、メチル、エチル、プロピル、iso −ブチル、t−ブチル、t−オクチル、1−エチルヘキシル、ノニル、シクロヘキシル、ウンデシル、ペンタデシル、n−ヘキサデシル、3−デカンアミドプロピル)、アルケニル基(炭素数2〜60。例えば、ビニル、アリル、オレイル)、シクロアルキル基(炭素数5〜60。例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、1−インダニル、シクロドデシル)、アリール基(炭素数6〜60。例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル)、アシルアミノ基(炭素数2〜60。例えば、アセチルアミノ、n−ブタンアミド、オクタノイルアミノ、2−ヘキシルデカンアミド、2−(2’,4’−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、ベンゾイルアミノ、ニコチンアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜60。例えば、メタンスルホンアミド、オクタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、ウレイド基(炭素数2〜60。例えば、デシルアミノカルボニルアミノ、ジ−n−オクチルアミノカルボニルアミノ)、ウレタン基(炭素数2〜60。例えば、ドデシルオキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルコキシ基(炭素数1〜60。例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、n−オクチロキシ、ヘキサデシロキシ、メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(炭素数6〜60。例えば、フェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−オクチルフェノキシ、ナフトキシ)、アルキルチオ基(炭素数1〜60。例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜60。例えば、フェニルチオ、4−トデシルオキシフェニルチオ)、アシル基(炭素数1〜60。例えば、アセチル、ベンゾイル、ブタノイル、ドデカノイル)、スルホニル基(炭素数1〜60。例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、トルエンスルホニル)、シアノ基、カルバモイル基(炭素数1〜60。例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数0〜60。例えば、N,N−ジメチルスルファモイル)、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アルキルアミノ基(炭素数1〜60。例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ、オクチルアミノ、オクタデシルアミノ)、アリールアミノ基(炭素数6〜60。例えば、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ)、複素環基(炭素数0〜60。好ましくは、環構成のヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、イオウ原子から選択されるものであって、ヘテロ原子以外に炭素原子をも環構成原子として含むものがさらに好ましく、環員数3〜8、より好ましくは5〜6であり、例えば、前述のWで示した基)、アシルオキシ基(炭素1〜60。例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ミリストイルオキシ、ベンゾイルオキシ)が好ましい。
上記の中でアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基は置換基を有するものも含み、この置換基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基が挙げられる。
これらの置換基のうち、好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられ、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。特に好ましくは、分岐のアルキル基である。
これらの置換基の炭素数の総和に特に制限はないが、好ましくは8〜60、さらに好ましくは10〜57、特に好ましくは12〜55、最も好ましくは16〜53である。
一般式(I)、及び一般式(II)で表わされる化合物を固定する場合は、後述の固定する方法(1)〜(7)に適した化合物である場合が好ましく、さらに好ましくは(1)、(2)、又は(3)の方法であり、特に好ましくは(1)、又は(2)の方法であり、最も好ましくは(1)と(2)の方法を同時に用いる場合である。すなわち、特定のpKaとバラスト基を併せもつ化合物を、最も好ましく用いることができる。
本発明の化合物は、本発明の化合物の電荷を中和するために必要なときは、必要な陽イオン又は陰イオンを必要な数含むことができる。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H)、アルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリ−ルスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリ−ルジスルホン酸イオン(例えば1、3−ベンゼンスルホン酸イオン、1、5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2、6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。また、CO2 -、SO3 -は、対イオンとして水素イオンを持つときはCO2H、SO3Hと表記することも可能である。
本発明の化合物の好ましいものは、前述の個々の好ましいものの組合せ(特に個々の最も好ましいものの組合せ)である。
次に、発明の実施の形態の説明で詳細に述べた本発明のヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物のうち、特に好ましい具体例を示す。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ClogP値を合わせて示す。
Figure 2005242190
Figure 2005242190
上述したように本発明のヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物は、現像主薬酸化体と反応しない方が好ましいが、反応するもの(すなわち(H-2))としては以下の一般式のものが挙げられる。
Figure 2005242190
一般式(III-1)〜(III-4)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立してハメットの置換基定数σp値が0.2以上、1.0以下の電子吸引性基を表す。R4は、水素原子又は、置換基を表す。ただし、式中に2つのR4がある場合には、それらは同じであっても異なっていてもよい。X5は、水素原子、若しくは置換基を表す。R1、R2、R3、R4、X5は、各々、後述するR11、R12、R13、R14、X11と同様のものが挙げられ同様のものが好ましい。
次に、ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物で現像主薬酸化体と反応する化合物(H-2)のうち、特に好ましい具体例を示す。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ClogP値を合わせて示す。
Figure 2005242190
なお、上記の他に、特願2002−338304号に記載の化合物(67)、(68)、(84)を好ましく用いることができる。
ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物として、エドワード・シー・テーラー(Edward C.Taylor),アーノルド・ワイスバーガー(Arnold Weissberger)編、「ザ・ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリック・コンパウンズ(The Chemistry of Heterocyclic Compounds)−ア・シリーズ・オブ・モノグラフズ(A Series of Monographs)」第1〜59巻、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社刊、ロバート・シー・エルダーフィールド(Robert C.Elderfield)編、「ヘテロサイクリック・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds)」第1〜6巻、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社刊、などに記載の化合物のうちヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物を用いることができる。また、ヘテロ原子を1個又は2個のみ持つ複素環化合物は、これらに記載の方法に基づいて合成することができる。
合成例:(b-3)の合成
Figure 2005242190
(a)7.4g、(b)13.4g、アセトニトリル100ミリリットル(以下、「mL」とも表記する)、ジメチルアセトアミド10mLを氷冷下、内温10℃以下で撹拌し、トリエチルアミン6.1mLを滴下した。
さらに、室温下2時間撹拌後に、反応溶液に酢酸エチル200mLを加えて、希NaOH水溶液で洗浄分液、希塩酸で洗浄分液、さらに飽和食塩水で洗浄分液し、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧下濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製し、(c)16.2gを得た。(収率96%) (c)14.8g、NaOH2.8g,エタノール50mL、水5mLを室温下2時間撹拌後に、水200mLを加えて、ヘキサンで洗浄分液しヘキサン層を除いた。水層に酢酸エチル200mLと希塩酸を加えて分液して水層を除き、さらに飽和食塩水で洗浄分液し、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒が30mLになるまで減圧下濃縮した。濃縮物にヘキサンを加えて撹拌し、析出した結晶を吸引ろ過でろ別し乾燥後、無色結晶(b−3)を13.2g得た(収率:96%)(融点:75〜77℃)。
本発明において用いるヘテロ原子を3個以上持つ複素環化合物(H-3)及び(H-4)について説明する。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。本発明の複素環はヘテロ原子を3個以上持つ複素環化合物である。「ヘテロ原子を3個以上持つ複素環」における、ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。
多環複素環の場合、全ての環系に含まれるヘテロ原子の数が3個以上のものは本発明に含まれ、例えば1H−ピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアゾールのヘテロ原子の数は4個であり、本発明のヘテロ原子を3個以上持つ複素環に含まれる。
ヘテロ原子の数の上限は特にないが、好ましくは10個以下であり、さらに好ましくは8個以下、特に好ましくは6個以下、最も好ましくは4個以下である。
これらの要件を満たす、いかなる複素環化合物を用いても良いが、ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、及び硫黄原子であり、特に好ましくは、窒素原子である。
複素環の環員数はいずれでも良いが、好ましくは3〜8員環であり、さらに好ましくは5〜7員環であり、特に好ましくは5、及び6員環であり、最も好ましくは5員環である。
複素環としては、飽和であっても不飽和であっても良いが、好ましくは少なくとも1つの不飽和の部分を有する場合であり、さらに好ましくは少なくとも2つの不飽和の部分を有する場合である。別の言い方をすると、複素環としては、芳香族、擬似芳香族、及び非芳香族のいずれでも良いが、好ましくは芳香族複素環、及び擬似芳香族複素環である。
また、複素環としては縮環した多環複素環が好ましく、特に2環性の複素環が好ましい。
なお、ヘテロ原子を3個以上持つ複素環化合物は、酸化現像主薬と反応しても反応しなくても、いずれでも良いが、酸化現像主薬と反応する複素環化合物を好ましく用いることができる。
以上のように、ヘテロ原子を3個以上持ち酸化現像主薬と反応する複素環化合物(H-3)とヘテロ原子を3個以上持ち酸化現像主薬と反応しない複素環化合物(H-4)のうち(H-3)が好ましい。
以下で(H-3)について詳細に説明する。
本発明のヘテロ原子を3個以上持つ複素環として特に好ましくは、下記の一般式(M)もしくは一般式(C)で表される化合物を用いる場合である。
Figure 2005242190
一般式(M)中、R101は、水素原子または、置換基を表す。Z11は、窒素原子を2から4個含む5員のアゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、該アゾール環は、置換基(縮合環を含む)を有してもよい。X11は、水素原子、若しくは置換基を表す。
一般式(C)中、Zaは、−NH−または、−CH(R3)−を表し、Zb及びZcは、それぞれ独立して−C(R14)=、または、−N=を表す。但し、Zaが−NH−の場合は、Zb及びZcのうち少なくとも一つは−N=であり、Zaが−CH(R13)−の場合は、Zb及びZcの両方とも−N=である。R11、R12及びR13は、それぞれ独立してハメットの置換基定数σp値が0.2以上、1.0以下の電子吸引性基を表す。R14は、水素原子又は、置換基を表す。ただし、式中に2つのR14が存在する場合には、それらは同じであっても異なっていてもよい。X11は、水素原子、若しくは置換基を表す。
以下、本化合物について詳細に説明する。式(M)で表される骨格のうち好ましい骨格は、1H-ピラゾロ[1,5-b][1,2,4]トリアゾール、1H−ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアゾールであり、それぞれ式(M−1)及び式(M−2)で表される。
Figure 2005242190
式中、R15、R16は、置換基を表し、X11は、水素原子若しくは、置換基を表す。
式(M−1)若しくは(M−2)における置換基R15、R16、X11について詳しく説明する。
15は、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、弗素原子)、アルキル基(炭素数1〜60。例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、1−エチルヘキシル、ノニル、シクロヘキシル、ウンデシル、ペンタデシル、n−ヘキサデシル、3−デカンアミドプロピル)、アルケニル基(炭素数2〜60。例えば、ビニル、アリル、オレイル)、シクロアルキル基(炭素数5〜60。例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、1−インダニル、シクロドデシル)、アリール基(炭素数6〜60。例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル)、アシルアミノ基(炭素数2〜60。例えば、アセチルアミノ、n−ブタンアミド、オクタノイルアミノ、2−ヘキシルデカンアミド、2−(2’,4’−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、ベンゾイルアミノ、ニコチンアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜60。例えば、メタンスルホンアミド、オクタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、ウレイド基(炭素数2〜60。例えば、デシルアミノカルボニルアミノ、ジ−n−オクチルアミノカルボニルアミノ)、ウレタン基(炭素数2〜60。例えば、ドデシルオキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルコキシ基(炭素数1〜60。例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、n−オクチロキシ、ヘキサデシロキシ、メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(炭素数6〜60。例えば、フェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−オクチルフェノキシ、ナフトキシ)、アルキルチオ基(炭素数1〜60。例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜60。例えば、フェニルチオ、4−トデシルオキシフェニルチオ)、アシル基(炭素数1〜60。例えば、アセチル、ベンゾイル、ブタノイル、ドデカノイル)、スルホニル基(炭素数1〜60。例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、トルエンスルホニル)、シアノ基、カルバモイル基(炭素数1〜60。例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数0〜60。例えば、N,N−ジメチルスルファモイル)、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アルキルアミノ基(炭素数1〜60。例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ、オクチルアミノ、オクタデシルアミノ)、アリールアミノ基(炭素数6〜60。例えば、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ)、複素環基(炭素数0〜60。好ましくは、環構成のヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、イオウ原子から選択されるものであって、ヘテロ原子以外に炭素原子をも環構成原子として含むものがさらに好ましく、環員数3〜8、より好ましくは5〜6であり、例えば、後述するXの項で例示した基)、アシルオキシ基(炭素1〜60。例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ミリストイルオキシ、ベンゾイルオキシ)が好ましい。
上記の中でアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基は置換基を有するものも含み、この置換基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基が挙げられる。
これらの置換基のうち、好ましいR15としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられ、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。特に好ましくは、分岐のアルキル基である。
16は、R12について例示した置換基が好ましく、さらに好ましい置換基として、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。
より好ましくは、アルキル基、置換アリール基であり、もっとも好ましい基は、置換アリール基であり、一般式(M−3)、(M−4)で表される化合物が好ましい。
一般式(M)中のR101、X11、及びZ11を含むアゾール環上の置換基の炭素数の総和に特に制限はないが、乳剤粒子への吸着性を高め、感度/粒状比の改良効果を高める上で13以上60以下が好ましく、20以上50以下がさらに好ましい。
Figure 2005242190
式中、R15、X11は、一般式(M-1)、(M−2)と同義であり、R17は、置換基を表す。R17の置換基としては、R15の例として先に列挙した置換基が好ましい挙げられる。置換基としてさらに好ましくは、置換アリール基、置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられる。この場合の置換基としては、R15の例として先に列挙した置換基が好ましい。
11は、水素原子若しくは置換基を表し、置換基としては、R15の例として先に列挙した置換基が好ましい。X11の置換基としてより好ましくは、アルキル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基若しくは、現像主薬の酸化体との反応で離脱する基を表し、該基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、アルコキシ基(エトキシ、メトキシカルボニルメトキシ、カルボキシプロピルオキシ、メタンスルホニルエトキシ、パーフルオロプロポキシ等)、アリールオキシ基(4−カルボキシフェノキシ、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ、4−メタンスルホニル−3−カルボキシフェノキシ、2−メタンスルホニル−4−アセチルスルファモイルフェノキシ等)、アシルオキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ等)、アシルアミノ基(ヘプタフルオロブチリルアミノ等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド等)、アルコキシカルボニルオキシ基(エトキシカルボニルオキシ等)、カルバモイルオキシ基(ジエチルカルバモイルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ等)、アルキルチオ基(2−カルボキシエチルチオ等)、アリールチオ基(2−オクチルオキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチリルアミノフェニルチオ等)、複素環チオ基(1−フェニルテトラゾリルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ等)、複素環オキシ基(2−ピリジルオキシ、5−ニトロ−2−ピリジルオキシ等)、5員もしくは6員の含窒素複素環基(1−トリアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ベンゾトリアゾリル、2−フェニルカルバモイル−1−イミダゾリル、5,5−ジメチルヒダントイン−3−イル、1−ベンジルヒダントイン−3−イル、5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4−ジオン−3−イル、プリン等)、アゾ基(4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ等)等を挙げることができる。
11の置換基として特に好ましくは、アルキル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルもしくは、アリールチオ基、カップリング活性に窒素原子で結合する5員若しくは、6員の含窒素ヘテロ環基であり、特に好ましくは、アルキル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、置換アリールオキシ基、置換アリールチオ基、アルキルチオ基または、1−ピラゾリル基である。
前記一般式(M−1)、(M−2)で表される、本発明に好ましく使用される化合物は、R11、R12を介して二量体以上の多量体を形成してもよく、また、高分子鎖に結合していてもよい。本発明において、好ましくは、一般式(M-1)であり、更に一般式(M−3)がより好ましい。
次に、一般式(C)について説明する。本発明の一般式(C)において具体的には、下記一般式(bc−3)〜(bc−6)で表わされる。
Figure 2005242190
式中、R11〜R14、及びX11は、一般式(C)におけるそれぞれと同義である。
本発明において、一般式(bc−3)、(bc−4)で表される化合物が好ましく、特に(bc−3)で表される化合物が好ましい。
一般式(C)において、R11、R12及びR13で表わされる置換基は、ハメットの置換基定数σp値が、0.20以上1.0以下の電子吸引性基である。好ましくは、σp値が、0.2以上0.8以下の電子吸引性基である。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammetにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に記載あるが、例えば、J.A.Dean編「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGaw-Hill)や「化学の領域増刊」、122号、96〜103頁、1979年(南江堂) Chemical Review,91巻、165頁〜195頁、1991年に詳しい。
本発明においてR11、R12及びR13は、ハメットの置換基定数値によって規定されるが、これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなくその値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲に含まれる限り包含される事は勿論である。
σp値が0.2以上1.0以下の電子吸引性基である具体例として、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、等が挙げられる。これらの置換基のうち更に置換基を有する事が可能な基は、後述するR4で挙げるような置換基を更に有していてもよい。
11、R12及びR13として好ましくは、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基,スルホニル基であり、より好ましくは、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基である。
11とR12の組み合わせとして好ましくは、R11がシアノ基で、R12がアルコキシカルボニル基の時である。
14は、水素原子もしくは置換基を表し、置換基としては、上記のR15に列挙した置換基が挙げられる。
14の好ましい置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、が挙げられ、より好ましくは、アルキル基、置換アリール基であり、もっとも好ましい基は、置換アリール基である。この場合の置換基として、上記に挙げた置換基が挙げられる。
11は、一般式(M)と同じである。
以下に本発明に好ましく使用される(H-3)に含まれるカプラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ClogP値を合わせて示す。
Figure 2005242190
なお、上記の他に、特願2002−338304号に記載の化合物(1)〜(63)、(70)〜(80)、(82)、(83)、(86)〜(106)、(108)〜(110)を好ましく用いることができる。
本発明の化合物は、例えば、特開昭61−65245号、特開昭61−65246号、特開昭61−147254号、特開平8−122984号等に記載の合成方法に準じて容易に合成出来る。
次に、(H-4)について詳細に説明する。
前述したように、本発明におけるヘテロ原子を3個以上持つ複素環化合物は、酸化現像主薬と反応する場合が好ましいが、酸化現像主薬と反応しない複素環化合物を用いることも可能である。これらについて、以下で説明する。
これらの複素環として具体的には、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラアザインデン環、ペンタアザインデン環、プリン環、テトラゾール環、ピラゾロトリアゾール環等が挙げられる。
代表的な複素環の例を以下に示す。
本発明の6/5二環複素環化合物の例として、テトラアザインデン環、ペンタアザインデン環、及びヘキサアザインデン環がある。
Figure 2005242190
上記の構造に準じて窒素原子の位置を番号付けすると、テトラアザインデン環として(1,3,4,6)及び(1,3,5,7)(以上、プリン類として知られている)、(1,3,5,6)、(1,2,3a,5),(1,2,3a,6),(1,2,3a,7),(1,3,3a,7),(1,2,4,6),(1,2,4,7),(1,2,5,6)及び(1,2,5,7)などを用いることができる。これらの化合物は、イミダゾ−、ピラゾロ−、若しくはトリアゾロ−ピリミジン環、ピリダジン環、又はピラジン環の誘導体として表現することもできる。ペンタアザインデン環として、(1,2,3a,4,7),(1,2,3a,5,7),(1,3,3a,5,7)などを用いることができる。ヘキサアザインデン環として、(1,2,3a,4,6,7)などを用いることができる。さらに好ましくは1,3,4,6−テトラアザインデン環、1,2,5,7−テトラアザインデン環、1,2,4,6−テトラアザインデン環、1,2,3a,7−テトラアザインデン環、及び1,3,3a,7−テトラアザインデン環である。
下記に好ましい例を具体的に示す。
Figure 2005242190
これらのテトラアザインデン環、ペンタアザインデン環、及びヘキサアザインデン環の場合、イオン化可能な置換基、例えば、ヒドロキシ基、チオール基、1級アミノ基、又は2級アミノ基が、環原子に環窒素への共役を生じて複素環の互変異性体を形成できるように結合されていない場合が好ましい。
その他に、下記の複素環が挙げられる。
Figure 2005242190
上記の複素環の一部又は全部が飽和した複素環を用いても良いが、前述したように、好ましくは飽和していない場合である。
これらの複素環には、「ヘテロ原子を3個以上持つ複素環」の定義に反しない限り、いかなる置換基が置換していても縮環していても良く、置換基としては前述のWが挙げられる。また、複素環に含まれる3級窒素原子が置換されて4級窒素となっても良い。なお、複素環の別の互変異性構造を書くことができるどのような場合も、化学的に等価である。
本発明の複素環において、遊離チオール基(−SH)及びチオカルボニル基(>C=S)が置換していない場合が好ましい。
上記の複素環のうち、好ましくは(ca−1)〜(ca−11)である。
なお、ここで述べた複素環化合物は酸化現像主薬と反応しない化合物である。すなわち、酸化現像主薬と直接に化学反応又はレドックス反応を顕著に生じない(5〜10%未満)ものが好ましく、さらに、カプラーではなく、かつ酸化現像主薬と反応して色素又はいずれか他の生成物を生成しないものが好ましい。
次に、ヘテロ原子を3個以上持つ複素環化合物で酸化現像主薬と反応しない化合物(H-4)の具体例を示す。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ClogP値を合わせて示す。
Figure 2005242190
なお、上記の他に、特開2003−156823号に記載の化合物HET-1、HET-2、HET-4〜HET-16、HET-18〜HET-22、HET-24、HET-25、HET-27〜HET-43を好ましく用いることができる。
Figure 2005242190
本発明の化合物として、上記の具体例以外に、特開2000−194085号公報の具体例に記載された、本発明に該当する化合物を好ましく用いることができる。
本発明の化合物として、エドワード・シー・テーラー(Edward C.Taylor),アーノルド・ワイスバーガー(Arnold Weissberger)編、「ザ・ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリック・コンパウンズ(The Chemistry of Heterocyclic Compounds)−ア・シリーズ・オブ・モノグラフズ(A Series of Monographs)」第1〜59巻、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社刊、ロバート・シー・エルダーフィールド(Robert C.Elderfield)編、「ヘテロサイクリック・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds)」第1〜6巻、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社刊、などに記載の化合物のうち本発明に該当する化合物を用いることができる。また、本発明の化合物は、これらに記載の方法に基づいて合成することができる。
以上で述べた、本発明の化合物の置換基としては、当業者が使用する特定用途の所望の写真特性を得るためのいかなる置換基を選定することも可能である。それらは、例えば、疎水性基(バラスト基)、可溶化基、ブロッキング基、放出又は放出可能性基が含まれる。一般的に、これらの基は炭素数として好ましくは1〜60、さらに好ましくは1〜50である。
本発明の化合物の感材中での移動を制御するため、分子中に高分子量の疎水性基もしくはバラスト基を含んだりポリマー主鎖を含んでもよい。
代表的なバラスト基における炭素数は、好ましくは8〜60、さらに好ましくは10〜57、特に好ましくは12〜55、最も好ましくは16〜53である。これらの置換基としては、置換又は未置換の炭素数8〜60、好ましくは10〜57、さらに好ましくは13〜55、特に好ましくは16〜53、最も好ましくは20〜50のアルキル、アリール基、又は複素環基が挙げられる。また、これらは分岐を含んでいる場合が好ましい。代表的な、それらの基上の置換基には、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アニリノ、カルボンアミド、カルバモイル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルホンアミド、及びスルファモイル基が含まれ、それらの置換基は一般的に炭素数1〜42である。例えば、前述のWが挙げられる。また、このような置換基は、さらに置換されていてもよい。
バラスト基について、さらに詳細に説明する。具体的には、アルキル基(炭素数1〜60。例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、1−エチルヘキシル、ノニル、シクロヘキシル、ウンデシル、ペンタデシル、n−ヘキサデシル、3−デカンアミドプロピル)、アルケニル基(炭素数2〜60。例えば、ビニル、アリル、オレイル)、シクロアルキル基(炭素数5〜60。例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、1−インダニル、シクロドデシル)、アリール基(炭素数6〜60。例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル)、アシルアミノ基(炭素数2〜60。例えば、アセチルアミノ、n−ブタンアミド、オクタノイルアミノ、2−ヘキシルデカンアミド、2−(2’,4’−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、ベンゾイルアミノ、ニコチンアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜60。例えば、メタンスルホンアミド、オクタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、ウレイド基(炭素数2〜60。例えば、デシルアミノカルボニルアミノ、ジ−n−オクチルアミノカルボニルアミノ)、ウレタン基(炭素数2〜60。例えば、ドデシルオキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルコキシ基(炭素数1〜60。例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、n−オクチロキシ、ヘキサデシロキシ、メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(炭素数6〜60。例えば、フェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−オクチルフェノキシ、ナフトキシ)、アルキルチオ基(炭素数1〜60。例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜60。例えば、フェニルチオ、4−トデシルオキシフェニルチオ)、アシル基(炭素数1〜60。例えば、アセチル、ベンゾイル、ブタノイル、ドデカノイル)、スルホニル基(炭素数1〜60。例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、トルエンスルホニル)、シアノ基、カルバモイル基(炭素数1〜60。例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数0〜60。例えば、N,N−ジメチルスルファモイル)、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アルキルアミノ基(炭素数1〜60。例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ、オクチルアミノ、オクタデシルアミノ)、アリールアミノ基(炭素数6〜60。例えば、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ)、複素環基(炭素数0〜60。好ましくは、環構成のヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、イオウ原子から選択されるものであって、ヘテロ原子以外に炭素原子をも環構成原子として含むものがさらに好ましく、環員数3〜8、より好ましくは5〜6であり、例えば、前述のWで示した基)、アシルオキシ基(炭素1〜60。例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ミリストイルオキシ、ベンゾイルオキシ)が好ましい。
上記の中でアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基は置換基を有するものも含み、この置換基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子が挙げられる。
これらの置換基のうち、好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられ、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。特に好ましくは、分岐のアルキル基である。
これらの置換基の炭素数の総和に特に制限はないが、好ましくは8〜60、さらに好ましくは10〜57、特に好ましくは12〜55、最も好ましくは16〜53である。
ハロゲン化銀写真感光材料中に、本発明の化合物を含有させる場合、保存時は特定の層に固定可能であり、写真処理の適当な時期(好ましくは現像処理時)に拡散する化合物を用いることができる。保存時に本発明の化合物の拡散を防いで固定するために、いかなる化合物・方法を用いても良いが、好ましくは、以下の化合物・方法が挙げられる。
(1)特定のpKaを持つ化合物を、後述する高沸点有機溶媒等とともに乳化分散して添加することにより、現像時にのみ本発明の化合物を解離させてオイルから溶出させる方法。
本発明の化合物のpKaは、好ましくは5.5以上の場合であり、さらに好ましくは6.0以上10.0以下、特に好ましくは6.5以上8.4以下、最も好ましくは6.9以上8.3以下の場合である。
解離基としては、いかなるものでも良いが、好ましくは、カルボキシル基、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、スルホンアミド基、スルファモイル基、フェノール性水酸基が挙げられ、さらに好ましくはカルボキシル基、−CONHSO2−基、−CONHCO−基、−SO2NHSO2−基であり、特に好ましくはカルボキシル基、−CONHSO2−基である。
(2)本発明の化合物にバラスト基を入れて耐拡散性にする方法。
(3)ブロッキング基を用いる方法。写真処理過程の求核反応、求電子反応、酸化反応、還元反応等の化学反応により性質の変化(例えば拡散性となる)化合物を用いることができ、これらに関する化学、及び写真分野で公知のいかなる方法を利用することもできる。
一例として、求核反応について詳しく説明する。求核反応は、いかなる条件で起こることも可能であるが、塩基、又は加熱により促進され、特に塩基の存在下で促進される。塩基としては、いかなるものでも良いが無機塩基および有機塩基からた選ぶことができ、例えば、トリエチルアミンなどの3級アミン、ピリジンなどの芳香族複素環アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのOHアニオンを持つ塩基などが挙げられる。特に、本発明においては、写真処理のうち、現像液のような高pHの写真処理により、求核反応が促進されるため、好ましく用いることができる。
ここでいう求核剤とは、求核剤の攻撃を受けて脱離する基を形成する原子群中に含まれるカルボニル炭素などの電子密度の低い原子を攻撃して、電子を与えるか共有する性質を有する化学種を表す。求核剤はいかなる構造を有していてもよいが、好ましい例としては水酸化物イオンを与える試薬(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、亜硫酸イオンを与える試薬(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム)、ヒドロキシルアミドイオンを与える試薬(例えばヒドロキシアミン)、ヒドラジドイオンを与える試薬(例えば、抱水ヒドラジン、ジアルキルヒドラジン類)、ヘキサシアノ鉄(II)酸イオンを与える試薬(例えば、黄血塩)、シアン化物イオン、スズ(II)イオン、アンモニア、アルコキシイオンを与える試薬(例えば、ナトリウムメトキシド)などが挙げられる。求核剤の攻撃を受けて脱離する基としては、Can.J.Chem.44巻2315頁(1966年)、特開昭59−137,945、特開昭60−41,034などに記載された逆マイケル型反応を利用する基、Chem.Lett.585頁(1988年)、特開昭59−218,439、特公平5−78,025などに記載された求核反応を利用する基、エステル結合あるいはアミド結合の加水分解反応を利用する基などを挙げることができる。
上記の機能を付与するため、本発明の化合物は、写真処理過程で本発明の化合物を放出するブロック基で置換されていても良い。ブロック基としては公知のものが使用できる。例えば、特公昭48-9968号、特開昭52-8828号、同57-82834号、米国特許第3,311,476号及び特公昭47-44805号(米国特許第3,615,617号)等に記載されているアシル基、スルホニル基等のブロック基、特公昭55-17369号(米国特許第3,888,677号)、同55-9696号(米国特許第3,791,830号)、同55-34927号(米国特許第4,009,029号)、特開昭56-77842号(米国特許第4,307,175号)、同59-105640号、同59-105641号及び同59-105642号等に記載されている逆マイケル反応を利用するブロック基、特公昭54-39727号、米国特許第3,674,478号、同3,932,480号、同3,993,661号、特開昭57-135944号、同57-135945号(米国特許第4,420,554号)、同57-136640号、同61-196239号、同61-196240号(米国特許第4,702,999号)、同61-185743号、同61-124941号(米国特許第4,639,408号)及び特開平2-280140号等に記載されている分子内電子移動によりキノンメチド又はキノンメチド類似の化合物の生成を利用するブロック基、米国特許第4,358,525号、同4,330,617号、特開昭55-53330号 (米国特許第4,310,612号)、同59-121328号、同59-218439号及び同63-318555号(欧州公開特許第0295729号)等に記載されている分子内求核置換反応を利用するブロック基、特開昭57-76541号(米国特許第4,335,200号)、同57-135949号(米国特許第4,350,752号)、同57-179842号、同59-137945号、同59-140445号、同59-219741号、同59-202459号、同60-41034号(米国特許第4,618,563号)、同62-59945号(米国特許第4,888,268号)、同62-65039号(米国特許第4,772,537号)、同62-80647 号、特開平3-236047号及び同3-238445号等に記載されている5員又は6員環の環解裂反応を利用するブロック基、特開昭59-201057号(米国特許第4,518,685号)、同61-43739号(米国特許第4,659,651号)、同61-95346号(米国特許第4,690,885号)、同61-95347号(米国特許第4,892,811号)、特開昭64-7035号、同4-42650号(米国特許第5,066,573号)、特開平1-245255号、同2-207249号、同2-235055号(米国特許第5,118,596号)及び同4-186344号等に記載されている共役不飽和結合への求核剤の付加反応を利用するブロック基、特開昭59-93442号、同61-32839号、同62-163051号及び特公平5-37299号等に記載されているβ-脱離反応を利用するブロック基、特開昭61-188540号に記載されているジアリールメタン類の求核置換反応を利用したブロック基、特開昭62-187850号に記載されているロッセン転位反応を利用したブロック基、特開昭62-80646、同62-144163及び同62-147457号等に記載されているチアゾリジン-2-チオンのN-アシル体とアミン類との反応を利用したブロック基、特開平2-296240号(米国特許第5,019,492号)、同4-177243号、同4-177244号、同4-177245号、同4-177246号、同4-177247号、同4-177248号、同4-177249号、同4-179948号、同4-184337号、同4-184338号、WO92/21064号、特開平4-330438号、WO93/03419号及び特開平5-45816号等に記載されている2個の求電子基を有して二求核剤と反応するブロック基、特開平3-236047号及び同3-238445号を挙げることができる。これらのブロック基のうち、特に好ましいものは特開平2-296240号(米国特許第5,019,492号)、同4-177243号、同4-177244号、同4-177245号、同4-177246号、同4-177247号、同4-177248号、同4-177249号、同4-179948号、同4-184337号、同4-184338号、WO92/21064号、特開平4-330438号、WO93/03419号及び特開平5-45816号等に記載されている2個の求電子基を有して二求核剤と反応するブロック基である。また、これらのブロック基は、米国特許第4,409,323号又は同4,421,845号に記載された電子移動反応を利用して開裂反応を起こさせるタイミング基を含む基であっても良く、この場合、タイミング基の電子移動反応を引き起こす末端がブロックされているのが好ましい。
(4)本発明の化合物の部分構造を含む2量体、又は3量体以上のポリマー化合物を用いる方法。
(5)水に不溶性の本発明の化合物(固体分散物)を用いて固定する方法。(1)で述べたのと同様に、本発明の化合物が特定のpKaを持つ場合が、現像時にのみ本発明の化合物が溶解するので好ましい。水に不溶性の染料固体(固体分散物)を用いた例が、特開昭56−12639号、同55−155350号、同55−155351号、同63−27838号、同63−197943号、欧州特許第15,601号等に開示されている。
固体分散する詳細な方法については後述する。
(6)本発明の化合物と反対の電荷を持つポリマーを媒染剤として共存させ、本発明の化合物を固定する方法。染料を固定した例が、米国特許2,548,564号、同4,124,386号、同3,625,694号等に開示されている。
(7)本発明の化合物を、ハロゲン化銀などの金属塩に吸着させて固定する方法。染料を固定した例が、米国特許第2,719,088号、同2,496,841号、同2,496,843号、特開昭60−45237号等に開示されている。
本発明の化合物に用いることができるハロゲン化銀への吸着基としては、特開平2003-156823号明細書の16頁右1行目〜17頁右12行目に記載の基が代表的なものである。
吸着性基として好ましくは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、およびベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、および5−メルカプトテトラゾール基である。
吸着性基として、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する場合もまた特に好ましい。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素テロ環基など)の好ましい例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が挙げられる。
また、窒素またはリンの4級塩構造も吸着性基として好ましく用いられる。窒素の4級塩構造としては具体的にはアンモニオ基(トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基など)または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。リンの4級塩構造としては、フォスフォニオ基(トリアルキルフォスフォニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)フォスフォニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)フォスフォニオ基、トリアリール(またはヘテロアリール)フォスフォニオ基など)が挙げられる。より好ましくは窒素の4級塩構造が用いられ、さらに好ましくは4級化された窒素原子を含む5員環あるいは6員環の含窒素芳香族ヘテロ環基が用いられる。特に好ましくはピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基が用いられる。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
4級塩の対アニオンの例としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、BF4 、PF6 、Ph4B等が挙げられる。分子内にカルボキシレート基等に負電荷を有する基が存在する場合には、それとともに分子内塩を形成していても良い。分子内にない対アニオンとしては、塩素イオン、ブロモイオンまたはメタンスルホネートイオンが特に好ましい。
以上のうち、本発明の化合物を固定する方法として好ましくは、(1)特定のpKaを持つ化合物を用いる方法、(2)バラスト基を持つ化合物を用いる方法、(3)ブロッキング基を持つ化合物を用いる方法、(5)固体分散物を用いる方法であり、これらに適した化合物を用いることが好ましい。さらに好ましくは(1)、(2)、又は(3)の方法・化合物であり、特に好ましくは(1)、又は(2)の方法・化合物である。最も好ましくは(1)と(2)の方法を同時に用いる場合であり、すなわち、特定のpKaとバラスト基を併せもつ本発明の化合物を最も好ましく用いることができる。
本発明の化合物は、本発明の化合物の電荷を中和するために必要なときは、必要な陽イオン又は陰イオンを必要な数含むことができる。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H)、アルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリ−ルスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリ−ルジスルホン酸イオン(例えば1、3−ベンゼンスルホン酸イオン、1、5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2、6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。また、CO2 -、SO3 -は、対イオンとして水素イオンを持つときはCO2H、SO3Hと表記することも可能である。
本発明の化合物の好ましいものは、前述の個々の好ましいものの組合せ(特に個々の最も好ましいものの組合せ)である。
なお、本発明の化合物が分子内に不斉炭素を複数個有する場合、同一構造に対して複数の立体異性体が存在するが、本明細書では可能性のある全ての立体異性体を示しており、本発明においては複数の立体異性のうち1つだけを使用することも、あるいはそのうちの数種を混合物として使用することもできる。
本発明の化合物は1種を用いても複数を併用しても良く、用いる化合物の数と種類は任意に選ぶことができる。
また、本発明の化合物に、さらに特開2000−194085号公報、特開2003−156823号公報に記載されたヘテロ原子を最低3個有する化合物を併用しても良い。
本発明の化合物は1つのまたは複数の任意の高感度化効果を有する方法や高感度化効果を有する化合物と併用することもできる。このときも用いる方法や含有させる化合物の数と種類は任意に選ぶことができる。
本発明では、本発明の化合物をハロゲン化銀写真感光材料(好ましくはハロゲン化銀カラー写真感光材料)に作用させることができればよく、その添加場所等に制限はなく、ハロゲン化銀感光性層、非感光性層のいずれに用いてもよい。
ハロゲン化銀感光性層に用いる場合、感光性層が感度の異なる複数の層に分かれている場合、どの感度の層に用いてもよいが、最も高感度の層に用いることが好ましい。
非感光性層に用いる場合には赤感性層と緑感性層又は緑感性層と青感性層の間に位置する非感光性層に用いることが好ましい。非感光性層とはハロゲン化銀乳剤層以外の全ての層を示し、ハレーション防止層、中間層、イエローフィルター層、保護層などが挙げられる。
本発明のClogPが4.5未満の化合物とClogPが4.5以上の化合物は同一層に用いることもできるが、異なる層に添加することもできる。
本発明の化合物が水溶性拡散性の化合物の場合、保護層などの非感光性層に添加し、乳剤層に拡散させて感度増大効果を発揮させることも好ましい。この場合、感光性層に添加する場合に比べ、塗布液製造時の経時などにより生じるカブリなどのハロゲン化銀乳剤への悪影響を防げる点で好ましい。
好ましい添加層の組み合わせ方法としては例えば、ClogPが4.5未満の化合物とClogPが4.5以上の化合物を乳剤層に添加する方法、ClogPが4.5未満の化合物を非感光性層に添加し、ClogPが4.5以上の化合物を乳剤層に添加する方法などが挙げられる。
本発明の化合物を感光材料中に添加する方法に特に規定はないが、高沸点有機溶媒等とともに乳化分散して添加する方法、固体分散して添加する方法、溶液形態で塗布液に添加する方法(例えば、水又はメタノールなどの有機溶媒、もしくは混合溶媒に溶解して添加)、ハロゲン化銀乳剤の調製時に添加する方法などがあるが、本発明の化合物を固定して用いる場合は、乳化分散、及び固体分散により感材に導入することが好ましく、さらに好ましくは乳化分散により感材に導入する場合である。
本発明の化合物のうち、水溶性のものは水に溶解して添加することが好ましく、油溶性のものは乳化分散により感材に添加することが好ましい。
乳化分散法としては、高沸点有機溶媒(低沸点有機溶媒の併用も可)に溶解し、ゼラチン水溶液に乳化分散してハロゲン化銀乳剤に添加する水中油滴分散法が用いられる。
水中油滴分散法に用いられる高沸点有機溶媒の例は米国特許第2,322,027号等に記載されている。また、ポリマー分散法の1つとしてラテックス分散法の具体例が米国特許第4,199,363号、西独特許(OLS)第2,541,274号、特公昭53−41091号、欧州特許出願公開第0,727,703号、同第0,727,704号等の各明細書に記載されている。さらに、有機溶媒可溶性ポリマーによる分散法が国際公開第WO88/723号パンフレットに記載されている。
水中油滴分散法に用いることのできる高沸点有機溶媒としては、フタル酸エステル類(例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等)、リン酸またはホスホン酸エステル類(例えば、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル等)、脂肪酸エステル類(例えば、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、クエン酸トリブチル等)、安息香酸エステル類(例えば、安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸ドデシル等)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジメチルオレインアミド等)、アルコールまたはフェノール類(例えば、イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノール等)、アニリン類(例えば、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリン等)、塩素化パラフィン類、炭化水素類(例えば、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン等)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)酪酸等)などが挙げられる。また、補助溶媒として沸点が30℃以上160℃以下の有機溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド等)を併用してもよい。高沸点有機溶媒は本発明の化合物に対して、質量比で0〜10倍量、好ましくは0〜4倍量、用いるのが好ましい。
また、乳化分散物状態での保存時の経時安定性改良、乳剤と混合した塗布用最終組成物での写真性能変化抑制・経時安定性改良等の観点から必要に応じて乳化分散物から、減圧蒸留、ヌードル水洗あるいは限外ろ過などの方法により補助溶媒の全て又は一部を除去することができる。
この様にして得られる親油性微粒子分散物の平均粒子サイズは、0.04〜0.50μmが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.30μmであり、最も好ましくは0.08〜0.20μmである。平均粒子サイズは、コールターサブミクロン粒子アナライザーmodelN4(商品名、コールターエレクトロニクス社)等を用いて測定できる。
また、固体微粒子分散法としては、本発明の化合物の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えば、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1〜1000ppmの範囲である。感光材料中のZrの含有量が銀1g当り0.5mg以下であれば実用上差し支えない。水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることができる。
本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小さく、凝集のない固体分散物を得る目的で、水分散液を高速流に変換した後、圧力降下させる分散法を用いることができる。このような分散法を実施するのに用いられる固体分散装置およびその技術については、例えば『分散系レオロジーと分散化技術』(梶内俊夫、薄井洋基著、1991、信山社出版(株)、p.357〜p403)、『化学工学の進歩 第24集』(社団法人 化学工学会東海支部 編、1990、槙書店、p.184〜p185)等に詳しい。
本発明の化合物の添加量はこれをハロゲン化銀カラー写真感光材料に添加することで、添加しない場合よりも当該感光材料の感度を増大させる量であればよい。ここで、感度を増大とは、S0.2が0.02以上増加することを示す。S0.2とは、実施例1に記載の現像処理方法にて現像した感光材料においてかぶり+0.2の濃度を与える露光量の逆数の対数値を示す。この値が本発明の化合物を含有しない場合に比較して含有する場合に0.02以上高いことを示す。本発明の化合物の添加量は、0.1〜1000mg/m2が好ましく、1〜500mg/m2がより好ましく、5〜100mg/m2が特に好ましい。感光性ハロゲン化銀乳剤層に用いる場合は、同一層中の銀1モル当たり1×10-5〜1モルが好ましく、1×10-4〜1×10-1モルがさらに好ましく、1×10-3〜5×10-2モルが特に好ましい。本発明の化合物は2種以上を併用して用いてもよい。この場合、それらの化合物は、同一層に添加しても別層に添加してもよい。
本発明の化合物のpKaは以下の方法によって求めたものである。0.01ミリモルの本発明の化合物を溶解したテトラヒドロフラン/水の6:4(質量比)の溶液100mLに1Nの塩化ナトリウム0.5mLを加え、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら、0.5Nの水酸化カリウム水溶液で滴定する。横軸を水酸化カリウム水溶液の滴下量、縦軸をpH値とする滴定曲線の変曲点の中央の位置のpHをpKaとした。なお、複数の解離サイトを有する化合物の場合には、複数の変曲点が存在し、複数のpKaを求めることができる。また、紫外・可視吸収スペクトルをモニターし、吸収の変化を調べることで変曲点を判定することもできる。
従来の技術の項でも述べた通り、一般的に写真感度はハロゲン化銀乳剤粒子のサイズによって決まる。乳剤粒子が大きいほどより写真感度が増加する。しかし、粒状性はハロゲン化銀粒子のサイズの増加とともに悪化するため、感度と粒状性はトレードオフの関係となる。
上記のハロゲン化銀乳剤粒子のサイズを増大させることに加え、カプラ−を高活性化する、現像抑制剤放出カプラ−(DIRカプラ−)の量を低下させるなどの方法により感度を増加させることが可能であるが、これらの手法により感度を増加させた場合、同時に粒状性が悪化することになる。これらの、乳剤粒子のサイズ変更、カプラーの活性調節、DIRカプラ−量の調節などの手法は感度と粒状性のトレードオフの関係において、感度を増加しながら、粒状性を悪化させるための、または感度を低下させながら粒状性を良化させるための「調節手段」に過ぎない。
本発明は、感度増加に見合う粒状悪化を伴う感度増加方法ではない。
本発明は、粒状悪化を伴わない感度の増加方法、または粒状性の悪化に比較して感度の増加が大きい感度の増加方法を提供する。本発明においては、感度の増加と粒状性の悪化が同時に起こる場合には、上記の「調節手段」を用いて粒状性を合わせた上で感度を比較し、実質的な感度増加が見られる。
本発明の感光材料において、「1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物」を含有する場合が好ましい。
これらの化合物として好ましくは以下のタイプ1、2から選ばれる化合物である。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
まずタイプ1の化合物について説明する。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
またタイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(1)(特開2003-114487号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(2)(特開2003-114487号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(3)(特開2003-114488号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(4)(特開2003-114488号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(5)(特開2003-114488号に記載の一般式(3)と同義)、一般式(6)(特開2003-75950号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(7)(特開2003-75950号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(8)(特願2003-25886号に記載の一般式(1)と同義)、または化学反応式(1)(特願2003-33446号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物のうち一般式(9)(特願2003-33446号に記載の一般式(3)と同義)で表される化合物が挙げられる。またこれらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
Figure 2005242190
一般式(1)及び(2)中、RED1、RED2は還元性基を表す。R1は炭素原子(C)とRED1とともに5員もしくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、もしくはヘキサヒドロ体に相当する環状構造を形成しうる非金属原子団を表す。R2、R3、R4は水素原子または置換基を表す。Lv1、Lv2は脱離基を表す。EDは電子供与性基を表す。
Figure 2005242190
一般式(3)、(4)及び(5)中、Z1は窒素原子とベンゼン環の2つの炭素原子とともに6員環を形成しうる原子団を表す。R5、R6、R7、R9、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は水素原子または置換基を表す。R20は水素原子または置換基を表すが、R20がアリール基以外の基を表すとき、R16、R17は互いに結合して芳香族環または芳香族ヘテロ環を形成する。R8、R12はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m1は0〜3の整数を表し、m2は0〜4の整数を表す。Lv3、Lv4、Lv5は脱離基を表す。
Figure 2005242190
一般式(6)および(7)中、RED3、RED4は還元性基を表す。R21〜R30は水素原子または置換基を表す。Z2は−CR111R112-、-NR113-、または-O-を表す。R111、R112はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。R113は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。
Figure 2005242190
一般式(8)中、RED5は還元性基でありアリールアミノ基またはヘテロ環アミノ基を表す。R31は水素原子または置換基を表す。Xはアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、またはヘテロ環アミノ基を表す。Lv6は脱離基でありカルボキシ基もしくはその塩または水素原子を表す。
Figure 2005242190
一般式(9)で表される化合物は脱炭酸を伴う2電子酸化が起こった後に、さらに酸化される事で化学反応式(1)で表される結合形成反応を起こす化合物である。化学反応式(1)中、R32、R33は水素原子または置換基を表す。Z3はC=Cとともに5員または6員のヘテロ環を形成する基を表す。Z4はC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。一般式(9)中、R32、R33、Z3は化学反応式(1)中のものと同義である。Z5及びZ6はC-Cとともに5員または6員の環状脂肪族炭化水素基またはヘテロ環基を形成する基を表す。
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開2003-140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特願2003-33446号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特願2003-33446号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許出願明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
Figure 2005242190
一般式(10)中、RED6は1電子酸化される還元性基をあらわす。YはRED6が1電子酸化されて生成する1電子酸化体と反応して、新たな結合を形成しうる炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環部位を含む反応性基を表す。QはRED6とYを連結する連結基を表す。
Figure 2005242190
一般式(11)で表される化合物は酸化される事で化学反応式(1)で表される結合形成反応を起こす化合物である。化学反応式(1)中、R32、R33は水素原子または置換基を表す。Z3はC=Cとともに5員または6員のヘテロ環を形成する基を表す。Z4はC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Z5及びZ6はC-Cとともに5員または6員の環状脂肪族炭化水素基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。一般式(11)中、R32、R33、Z3、Z4は化学反応式(1)中のものと同義である。
タイプ1、2の化合物のうち好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、または「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。ハロゲン化銀への吸着性基とは特開2003-156823号明細書の16頁右1行目〜17頁右12行目に記載の基が代表的なものである。分光増感色素の部分構造とは同明細書の17頁右34行目〜18頁左6行目に記載の構造である。
タイプ1、2の化合物として、より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を少なくとも1つ有する化合物」である。さらに好ましくは「同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物」である。吸着性基が単一分子内に2個以上存在する場合には、それらの吸着性基は同一であっても異なっても良い。
吸着性基として好ましくは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、およびベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、および5−メルカプトテトラゾール基である。
吸着性基として、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する場合もまた特に好ましい。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素ヘテロ環基など)の好ましい例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が挙げられる。
また窒素またはリンの4級塩構造も吸着性基として好ましく用いられる。窒素の4級塩構造としては具体的にはアンモニオ基(トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基など)または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。リンの4級塩構造としては、ホスホニオ基(トリアルキルホスホニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基、トリアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基など)が挙げられる。より好ましくは窒素の4級塩構造が用いられ、さらに好ましくは4級化された窒素原子を含む5員環あるいは6員環の含窒素芳香族ヘテロ環基が用いられる。特に好ましくはピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基が用いられる。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
4級塩の対アニオンの例としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、BF4 、PF6 、Ph4B等が挙げられる。分子内にカルボキシレート基等に負電荷を有する基が存在する場合には、それとともに分子内塩を形成していても良い。分子内にない対アニオンとしては、塩素イオン、ブロモイオンまたはメタンスルホネートイオンが特に好ましい。
吸着性基として窒素またはリンの4級塩構造有するタイプ1、2で表される化合物の好ましい構造は一般式(X)で表される。
Figure 2005242190
一般式(X)においてP、Rはそれぞれ独立して増感色素の部分構造ではない窒素またはリンの4級塩構造を表す。Q1、Q2はそれぞれ独立して連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NRN−、−C(=O)−、−SO2−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、またはこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRNは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Sはタイプ(1)または(2)で表される化合物から原子を一つ取り除いた残基である。iとjは1以上の整数であり、i+jが2〜6になる範囲から選ばれるものである。好ましくはiが1〜3、jが1〜2の場合であり、より好ましくはiが1または2、jが1の場合であり、特に好ましくはiが1、jが1の場合である。一般式(X)で表される化合物はその総炭素数が10〜100の範囲のものが好ましい。より好ましくは10〜70、さらに好ましくは11〜60であり、特に好ましくは12〜50である。
タイプ1および2の化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
本発明のタイプ1およびタイプ2の化合物は乳剤調製時、感材製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することも出来る。添加位置として好ましくは、粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時、塗布前である。
本発明のタイプ1およびタイプ2の化合物は水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高くまたは低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高くまたは低くして溶解し、これを添加しても良い。
本発明のタイプ1およびタイプ2の化合物は乳剤層中に使用するのが好ましいが、乳剤層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。本発明の化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10-9〜5×10-2モル、更に好ましくは1×10-8〜2×10-3モルの割合でハロゲン化銀乳剤層に含有する。
本発明において分光増感色素で光吸収率を向上させる技術、特に増感色素の多層吸着技術と併用することが好ましい。多層吸着とは、ハロゲン化銀粒子表面上に色素発色団が一層より多く吸着(又は積層)していることを意味する。
具体的には、例えば、分子間力を利用することで増感色素をハロゲン化銀粒子表面へ一層飽和被覆量より多く吸着させたり、2つ以上の別々に共役していない色素発色団が共有結合で連結された色素、所謂連結色素をハロゲン化銀粒子に吸着させる方法などが挙げられ、以下に示した多層吸着関連特許の中に記載されている。
特開平10-239789号、特開平11-133531号、特開2000-267216号、特開2000-275772号、特開2001-75222号、特開2001-75247号、特開2001-75221号、特開2001-75226号、特開2001-75223号、特開2001-255615号、特開2002-23294号、特開平10-171058号、特開平10-186559号、特開平10-197980号、特開2000-81678号、特開2001-5132号、特開2001-166413号、特開2002-49113号、特開昭64-91134号、特開平10-110107号、特開平10-171058号、特開平10-226758号、特開平10-307358号、特開平10-307359号、特開平10-310715号、特開2000-231174号、特開2000-231172号、特開2000-231173号、特開2001-356442号、欧州特許第985965A号、欧州特許第985964A号、欧州特許第985966A号、欧州特許第985967A号、欧州特許第1085372A号、欧州特許第1085373A号、欧州特許第1172688A号、欧州特許第1199595A号、欧州特許第887700A1号。
更に、特開平10-239789号、特開2001-75222号、特開平10-171058号に示した特許に記載されている技術と併用することが好ましい。
本発明の方法を適用することのできる感光材料は、支持体上にそれぞれ少なくとも1層の青感性、緑感性および赤感性ハロゲン化銀乳剤層並びに非感光性層が設けられていればよい。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る青感性、緑感性および赤感性の各感光性層と、非感光性層を少なくとも1層有するハロゲン化銀写真感光材料である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、独国特許第 1,121,470号あるいは英国特許第 923,045号明細書に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-112751号、同62-200350号、同62-206541号、同62-206543号の各公報に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができる。
また特公昭55-34932号公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-25738号、同62-63936号の各公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもできる。
また特公昭49-15495号公報に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-202464に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。
また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよい。
ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。
本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22〜23頁、I. 乳剤製造(Emulsion preparation and types)、および同No.18716 (1979年11月),648頁、同No.307105(1989年11月),863〜865頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chimie et Phisique Photographiques, Paul Montel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry,Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikman, et al., Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Press, 164) などに記載された方法を用いて調製することができる。
米国特許第3,574,628号、同 3,655,394号および英国特許第1,413,748号の各明細書に記載された単分散乳剤も好ましい。
また、アスペクト比が約3以上であるような平板状粒子が特に好ましく本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and Engineering)、第14巻 248〜 257頁(1970年);米国特許第4,434,226号、同 4,414,310号、同 4,433,048号、同 4,439,520号および英国特許第 2,112,157号の各明細書に記載の方法により簡単に調製することができる。
本発明の感度/粒状比を改良させる化合物は、平均アスペクト比8以上の平板状粒子と同一層に用いた場合に特に大きな効果を示すこともわかった。平均アスペクト比8以上100以下が好ましく、12以上50以下がさらに好ましい。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
上記の乳剤は転位を有することが好ましい。特に平板状粒子においてはフリンジに転位を有することが好ましい。転位を導入する方法としては沃化アルカリ等の水溶液を添加して高沃化銀層を形成する方法や、AgI微粒子を添加する方法、特開平5−323487号公報に記載の方法などを用いることができる。
上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭63-264740号公報に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製方法は特開昭59-133542号公報に記載されている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このような工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同No.18716および同No.307105に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
米国特許第 4,082,553号明細書に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第 4,626,498号明細書、特開昭 59-214852号公報に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用することが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいい、その調製法は、米国特許第 4,626,498号明細書、特開昭 59-214852号公報に記載されている。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、粒子形状は規則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性(ハロゲン化銀粒子の質量または粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感光せずに、その現像処理において実質的に現像されないハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされていないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μmが好ましく、0.02〜0.2μmがより好ましい。
微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイド銀を含有させることができる。
本発明の感光材料の塗布銀量は、8.0g/m2以下が好ましい。
本発明に使用できる写真用添加剤もRDに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105
1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁
2.感度上昇剤 648頁右欄
3.分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868頁
強色増感剤 〜649 頁右欄
4.増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁
5.光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁
フィルター 〜650 頁左欄
染料、紫外
線吸収剤
6.バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874頁
7.可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁
潤滑剤
8.塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876頁
表面活性剤
9.スタチック 27頁 650 頁右欄 876 〜877頁
防止剤
10.マット剤 878 〜879頁
本発明の感光材料には種々の色素形成カプラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に好ましい。
イエローカプラー: 欧州特許出願公開第 502,424A号明細書に記載 の式(I),(II)で表わされるカプラー; 欧州特許出願公開第 513,496A 号明細書に記載の式(1),(2) で表わされるカプラー (特に18頁のY-28); 欧州特許出願公開第 568,037A号明細書に記載のクレーム1の式(I) で表わされるカプラー; 米国特許第 5,066,576号明細書のカラム1の45〜55行に記載の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開平4-274425号公報の段落0008に記載の一般式(I) で表わされるカプラー; 欧州特許出願公開第498,381A1号明細書の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD-35); 欧州特許出願公開第447,969A1号明細書の4頁に記載の式(Y) で表わされるカプラー(特に、Y-1(17頁),Y-54(41 頁)); 米国特許第4,476,219号明細書のカラム7の36〜58行に記載の式(II)〜(IV)で表わされるカプラー(特にII-17,19(カラム17),II-24(カラム19))。
マゼンタカプラー; 特開平3-39737号公報に記載のL-57(11 頁右下),L-68(12 頁右下),L-77(13 頁右下); 欧州特許第456,257号明細書に記載の〔A-4 〕-63(134 頁),〔A-4 〕-73,-75(139 頁); 欧州特許第486,965号明細書に記載のM-4,-6(26 頁),M-7(27頁); 欧州特許出願公開第571,959A号明細書に記載のM-45(19 頁);特開平5-204106号公報に記載の(M-1)(6 頁);特開平4-362631号公報の段落0237に記載のM-22。
シアンカプラー: 特開平4-204843号公報に記載のCX-1,3,4,5,11,12,14,15(14 〜16頁);特開平4-43345号公報に記載 のC-7,10(35 頁),34,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁);特開平6-67385号公報 の請求項1に記載の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプラー。
ポリマーカプラー: 特開平2-44345号公報に記載 のP-1,P-5(11頁)。
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、米国特許第4,366,237号、英国特許第2,125,570号、欧州特許第96,873B号、独国特許第3,234,533号の各明細書に記載のものが好ましい。
発色色素の不要吸収を補正するためのカプラーは、欧州特許出願公開第456,257A1号明細書の5 頁に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該欧州特許出願公開明細書に記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202 頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、米国特許第4,833,069号明細書に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム8)、CC-13(カラム10) 、米国特許第4,837,136号明細書に記載の(2)(カラム8)、国際公開第WO92/11575号パンフレットに記載のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマスキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ましい。
現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:欧州特許出願公開第378,236A1号明細書の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV)で表わされる化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), 欧州特許出願公開第436,938A2号明細書の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-49(51 頁))、欧州特許出願公開第568,037A号明細書の式(1) で表わされる化合物(特に(23)(11 頁))、欧州特許出願公開第440,195A2号明細書の5 〜6頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-(1) );漂白促進剤放出化合物:欧州特許出願公開第310,125A2号明細書の5 頁の式(I),(I')で表わされる化合物(特に1 頁の(60),(61)) 及び特開平6-59411号公報の請求項1の式(I) で表わされる化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合物:米国特許第4,555,478号明細書のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色素放出化合物:米国特許第4,749,641号明細書のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:米国特許第4,774,181号明細書のクレーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:米国特許第4,656,123号明細書のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされる化合物(特にカラム25の(I-22)) 及び欧州特許出願公開第450,637A2号明細書の75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: 米国特許第4,857,447号明細書のクレーム1の式(I)で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19)。
カプラー以外の添加剤としては、以下のものが好ましい。
油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272号公報に記載のP-3, 5, 16, 19, 25, 30, 42, 49, 54, 55, 66, 81, 85, 86, 93(140〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: 米国特許第4,199,363号明細書に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー: 米国特許第4,978,606号明細書のカラム2の54〜62行に記載の式(I) で表わされる化合物(特にI-(1),(2),(6),(12)(カラム4〜5)、米国特許第4,923,787号明細書のカラム2の5〜10行に記載の式(特に化合物1(カラム3); ステイン防止剤: 欧州特許出願公開第298321A号明細書の4頁30〜33行に記載の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤: 欧州特許出願公開第298321A号明細書に記載のA-6, 7, 20, 21, 23, 24, 25, 26, 30, 37, 40, 42, 48, 63, 90, 92, 94, 164 (69〜118頁), 米国特許第5,122,444号明細書のカラム25〜38に記載のII-1〜III-23, 特にIII-10, 欧州特許出願公開第471347A号明細書の8 〜12頁に記載のI-1 〜III-4,特にII-2, 米国特許第5,139,931号明細書のカラム32〜40に記載のA-1 〜48, 特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素材: 欧州特許出願公開第411324A号明細書の5 〜24頁に記載のI-1 〜II-15,特にI-46; ホルマリンスカベンジャー: 欧州特許出願公開第477932A号明細書の24〜29頁に記載のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845号公報の17頁に記載のH-1,4,6,8,14, 米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23に記載の式(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-214852号公報の8頁右下に記載の式(6) で表わされる化合物(H-1〜76),特にH-14, 米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139号公報に記載 のP-24,37,39(6〜7 頁); 米国特許第5,019,492号明細書 のクレーム1に記載の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: 米国特許第4,923,790号明細書のカラム3 〜15に記載のI-1 〜III-43, 特にII-1,9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: 米国特許第4,923,793号明細書のカラム6 〜16に記載のI-1 〜(14), 特にI-1,60,(2),(13), 米国特許第4,952,483号明細書 のカラム25〜32に記載の化合物1〜65, 特に36: 化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開平5-40324号公報に記載の化合物50; 染料: 特開平3-156450号公報の15〜18頁に記載のa-1〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36, b-5,27〜29頁のV-1 〜23, 特にV-1, 欧州特許出願公開第445627A 号明細書の33〜55頁に記載のF-I-1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, 欧州特許出願公開第457153A号明細書の17〜28頁に記載のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, 国際公開第 88/04794号パンフレットの8〜26頁に記載のDye-1 〜124 の微結晶分散体, 欧州特許出願公開第319999A号明細書の6〜11頁に記載の化合物1〜22, 特に化合物1, 欧州特許出願公開第519306A号明細書の式(1) ないし(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),米国出願第4,268,622号明細書に記載の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜10), 米国出願第4,923,788号明細書に記載の式(I) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335号公報に記載の式(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101〜427(6〜9頁), 欧州特許出願公開第520938A号明細書に記載の式(I) で表わされる化合物(3) 〜(66)(10 〜44頁)及び式(III) で表わされる化合物HBT-1 〜10(14 頁), 欧州特許出願公開第521823A号明細書に記載の式(1) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
本発明は、一般用もしくは映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に適用することができる。また、特公平2-32615号、実公平3-39784号の各公報に記載されているレンズ付きフィルムユニット用に好適である。
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄、および同No.307105の879頁に記載されている。
本発明における特定写真感度は、特開昭63−236035号公報に記載される方法により決定される。この測定方法は、JIS K 7614−1981に準じたものであり、異なる点は現像処理をセンシトメトリ用露光後30分以上6時間以内に完了させる点、及び現像処理がフジカラー標準処理処方CN−16による点にある。その他は実質的にJIS記載の測定方法と同一である。
本発明の感光材料は、支持体に最も近い感光性ハロゲン化銀層からこの写真感光材料の表面までの厚みが24μm以下であることが好ましく、22μm以下が更に好ましい。また膜膨潤速度T1/2は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。T1/2は、発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたとき、膜厚がその1/2に到達するまでの時間と定義する。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、T1/2は、エー・グリーン(A.Green)らのフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング (Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定できる。T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって調整することができる。また、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚により計算できる。
本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性コロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は150〜500%が好ましい。
本発明の感光材料は、前述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.18716の651左欄〜右欄、および同No.307105の880〜881頁に記載された通常の方法によって現像処理することができる。
次に、本発明に使用されるカラーネガフィルム用の処理液について説明する。
本発明に使用される発色現像液には、特開平4-121739号公報の第9頁右上欄1行〜第11頁左下欄4行に記載の化合物を使用することができる。特に迅速な処理を行う場合の発色現像主薬としては、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)アミノ〕アニリンが好ましい。
これらの発色現像主薬は発色現像液1リットル(以下、リットルを「L」とも表記する。)あたり0.01〜0.08モルの範囲で使用することが好ましく、特には0.015〜0.06モル、更には0.02〜0.05モルの範囲で使用することが好ましい。また発色現像液の補充液には、この濃度の1.1〜3倍の発色現像主薬を含有させておくことが好ましく、特に1.3〜2.5倍を含有させておくことが好ましい。
発色現像液の保恒剤としては、ヒドロキシルアミンが広範に使用できるが、より高い保恒性が必要な場合は、アルキル基やヒドロキシアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシアルキル基などの置換基を有するヒドロキシルアミン誘導体が好ましく、具体的にはN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキルアミン、N,N−ジ(カルボキシエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。上記の中でも、特にN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。これらはヒドロキシルアミンと併用してもよいが、好ましくはヒドロキシルアミンの代わりに、1種または2種以上使用することが好ましい。
保恒剤は1Lあたり0.02〜0.2モルの範囲で使用することが好ましく、特に0.03〜0.15モル、更には0.04〜0.1モルの範囲で使用することが好ましい。また補充液においては、発色現像主薬の場合と同様に、母液(処理タンク液)の1.1〜3倍の濃度で保恒剤を含有させておくことが好ましい。
発色現像液には、発色現像主薬の酸化物のタール化防止剤として亜硫酸塩が使用される。亜硫酸塩は1Lあたり0.01〜0.05モルの範囲で使用するのが好ましく、特には0.02〜0.04モルの範囲が好ましい。補充液においては、これらの1.1〜3倍の濃度で使用することが好ましい。
また、発色現像液のpHは9.8〜11.0の範囲が好ましいが、特には10.0〜10.5が好ましく、また補充液においては、これらの値から0.1〜1.0の範囲で高い値に設定しておくことが好ましい。このようなpHを安定して維持するには、炭酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸塩、ホウ酸塩などの公知の緩衝剤が使用される。
発色現像液の補充量は、感光材料1m2あたり80〜1300mLが好ましいが、環境汚濁負荷の低減の観点から、より少ない方が好ましく、具体的には80〜600mL、更には80〜400mLが好ましい。
発色現像液中の臭化物イオン濃度は、通常、1Lあたり0.01〜0.06モルであるが、感度を保持しつつカブリを抑制してディスクリミネーションを向上させ、かつ、粒状性を良化させる目的からは、1Lあたり0.015〜0.03モルに設定することが好ましい。臭化物イオン濃度をこのような範囲に設定する場合に、補充液には下記の式で算出した臭化物イオンを含有させればよい。ただし、Cが負になる時は、補充液には臭化物イオンを含有させないことが好ましい。
C=A−W/V
C:発色現像補充液中の臭化物イオン濃度(モル/L)
A:目標とする発色現像液中の臭化物イオン濃度(モル/L)
W:1m2の感光材料を発色現像した場合に、感光材料から発色現像液に溶出する臭化物イオンの量(モル)
V:1m2の感光材料に対する発色現像補充液の補充量(L)
また、補充量を低減した場合や、高い臭化物イオン濃度に設定した場合、感度を高める方法として、1−フェニル−3−ピラゾリドンや1−フェニル−2−メチル−2−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンに代表されるピラゾリドン類や3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールに代表されるチオエーテル化合物などの現像促進剤を使用することも好ましい。
本発明における漂白能を有する処理液には、特開平4-125558号公報の第4頁左下欄16行〜第7頁左下欄6行に記載された化合物や処理条件を適用することができる。
漂白剤は酸化還元電位が150mV以上のものが好ましいが、その具体例としては特開平5-72694号、同5-173312号の各公報に記載のものが好ましく、特に1,3−ジアミノプロパン四酢酸、特開平5-173312号第7頁の具体例1の化合物の第二鉄錯塩が好ましい。
また、漂白剤の生分解性を向上させるには、特開平4-251845号、同4-268552号、欧州特許第588,289号、同591,934号、特開平6-208213号の各明細書及び公報に記載の化合物第二鉄錯塩を漂白剤として使用することが好ましい。これらの漂白剤の濃度は、漂白能を有する液1Lあたり0.05〜0.3モルが好ましく、特に環境への排出量を低減する目的から、0.1モル〜0.15モルで設計することが好ましい。また、漂白能を有する液が漂白液の場合は、1Lあたり0.2モル〜1モルの臭化物を含有させることが好ましく、特に0.3〜0.8モルを含有させることが好ましい。
漂白能を有する液の補充液には、基本的に以下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。これにより、母液中の濃度を一定に維持することができる。
R=CT×(V1+V2)/V1+CP
R:補充液中の成分の濃度
T:母液(処理タンク液)中の成分の濃度
P:処理中に消費された成分の濃度
1:1m2の感光材料に対する漂白能を有する補充液の補充量(mL)
2:1m2の感光材料による前浴からの持ち込み量(mL)
その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させることが好ましく、特にコハク酸、マレイン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカルボン酸を含有させることが好ましい。また、特開昭53-95630号公報、RDNo.17129、米国特許第3,893,858号明細書に記載の公知の漂白促進剤を使用することも好ましい。
漂白液には、感光材料1m2あたり50〜1000mLの漂白補充液を補充することが好ましく、特には80〜500mL、さらには100〜300mLの補充をすることが好ましい。
さらに漂白液にはエアレーションを行うことが好ましい。
定着能を有する処理液については、特開平4-125558号公報の第7頁左下欄10行〜第8頁右下欄19行に記載の化合物や処理条件を適用することができる。
特に、定着速度と保恒性を向上させるために、特開平6-301169公報に記載の一般式(I)と(II)で表される化合物を、単独あるいは併用して定着能を有する処理液に含有させることが好ましい。またp−トルエンスルフィン酸塩をはじめ、特開平1-224762号公報に記載のスルフィン酸を使用することも、保恒性の向上の上で好ましい。
漂白能を有する液や定着能を有する液には、脱銀性の向上の観点からカチオンとしてアンモニウムを用いることが好ましいが、環境汚染低減の目的からは、アンモニウムを減少或いはゼロにする方が好ましい。
漂白、漂白定着、定着工程においては、特開平1-309059号公報に記載のジェット撹拌を行うことが特に好ましい。
漂白定着また定着工程における補充液の補充量は、感光材料1m2あたり100〜1000mLであり、好ましくは150〜700mL、特に好ましくは200〜600mLである。
漂白定着や定着工程には、各種の銀回収装置をインラインやオフラインで設置して銀を回収することが好ましい。インラインで設置することにより、液中の銀濃度を低減して処理できる結果、補充量を減少させることができる。また、オフラインで銀回収して残液を補充液として再利用することも好ましい。
漂白定着工程や定着工程は複数の処理タンクで構成することができ、各タンクはカスケード配管して多段向流方式にすることが好ましい。現像機の大きさとのバランスから、一般には2タンクカスケード構成が効率的であり、前段のタンクと後段のタンクにおける処理時間の比は、0.5:1〜1:0.5の範囲にすることが好ましく、特には0.8:1〜1:0.8の範囲が好ましい。
漂白定着液や定着液には、保恒性の向上の観点から金属錯体になっていない遊離のキレート剤を存在させることが好ましいが、これらのキレート剤としては、漂白液に関して記載した生分解性キレート剤を使用することが好ましい。
水洗及び安定化工程に関しては、上記の特開平4-125558号公報、第12頁右下欄6行〜第13頁右下欄第16行に記載の内容を好ましく適用することができる。特に、安定液にはホルムアルデヒドに代わって欧州特許第504,609号、同 519,190号の各明細書に記載のアゾリルメチルアミン類や特開平4-362943号公報に記載のN−メチロールアゾール類を使用することや、マゼンタカプラーを二当量化してホルムアルデヒドなどの画像安定化剤を含まない界面活性剤の液にすることが、作業環境の保全の観点から好ましい。
また、感光材料に塗布された磁気記録層へのゴミの付着を軽減するには、特開平6-289559号公報に記載の安定液が好ましく使用できる。
水洗および安定液の補充量は、感光材料1m2あたり80〜1000mLが好ましく、特には100〜500mL、さらには150〜300mLが、水洗または安定化機能の確保と環境保全のための廃液減少の両面から好ましい範囲である。このような補充量で行う処理においては、バクテリアや黴の繁殖防止のために、チアベンダゾール、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3オン、5−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オンのような公知の防黴剤やゲンタマイシンのような抗生物質、イオン交換樹脂等によって脱イオン処理した水を用いることが好ましい。脱イオン水と防菌剤や抗生物質は、併用することがより効果的である。
また、水洗または安定液タンク内の液は、特開平3-46652号、同3-53246号、同-355542号、同3-121448号、同3-126030号の各公報に記載の逆浸透膜処理を行って補充量を減少させることも好ましく、この場合の逆浸透膜は、低圧逆浸透膜であることが好ましい。
本発明における処理においては、発明協会公開技報、公技番号94-4992号に開示された処理液の蒸発補正を実施することが特に好ましい。特に第2頁の(式−1)に基づいて、現像機設置環境の温度及び湿度情報を用いて補正する方法が好ましい。蒸発補正に使用する水は、水洗の補充タンクから採取することが好ましく、その場合は水洗補充水として脱イオン水を用いることが好ましい。
本発明に用いられる処理剤としては、上記公開技報の第3頁右欄15行から第4頁左欄32行に記載のものが好ましい。また、これに用いる現像機としては、第3頁右欄の第22行から28行に記載のフィルムプロセサーが好ましい。
本発明を実施するに好ましい処理剤、自動現像機、蒸発補正方式の具体例については、上記の公開技報の第5頁右欄11行から第7頁右欄最終行までに記載されている。
本発明に使用される処理剤の供給形態は、使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63-17453号公報には低酸素透過性の容器に収納した液剤、特開平4-19655号、同4-230748号の各公報には真空包装した粉末あるいは顆粒、同4-221951号公報には水溶性ポリマーを含有させた顆粒、特開昭51-61837号、特開平6-102628号の各公報には錠剤、特表昭57-500485号公報にはペースト状の処理剤が開示されており、いずれも好ましく使用できるが、使用時の簡便性の面から、予め使用状態の濃度で調製してある液体を使用することが好ましい。
これらの処理剤を収納する容器には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどが、単独あるいは複合材料として使用される。これらは要求される酸素透過性のレベルに合わせて選択される。発色現像液などの酸化されやすい液に対しては、低酸素透過性の素材が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンとナイロンの複合材料が好ましい。これらの材料は500〜1500μmの厚さで、容器に使用され、酸素透過性を20mL/m2・24hrs・atm以下にすることが好ましい。
次に本発明に使用されるカラー反転フィルム用の処理液について説明する。
カラー反転フィルム用の処理については、アズテック有限会社発行の公知技術第6号(1991年4月1日)第1頁5行〜第10頁5行、及び第15頁8行〜第24頁2行に詳細に記載されており、その内容はいずれも好ましく適用することができる。
カラー反転フィルムの処理においては、画像安定化剤は調整浴か最終浴に含有される。このような画像安定化剤としては、ホルマリンのほかにホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、N−メチロールアゾール類があげられるが、作業環境の観点からホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムかN−メチロールアゾール類が好ましく、N−メチロールアゾール類としては、特にN−メチロールトリアゾールが好ましい。また、カラーネガフィルムの処理において記載した発色現像液、漂白液、定着液、水洗水などに関する内容は、カラー反転フィルムの処理にも好ましく適用できる。
上記の内容を含む好ましいカラー反転フィルムの処理剤として、イーストマンコダック社のE−6処理剤及び富士写真フイルム(株)のCR−56処理剤をあげることができる。
次に、本発明に用いられる磁気記録層について説明する。
本発明に用いられる磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。
本発明で用いられる磁性体粒子は、γFe2O3などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3、Co被着マグネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着γFe2O3などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積ではSBETで20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。
強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104〜3.0×105A/mであり、特に好ましくは4.0×104〜2.5×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6-161032号公報に記載された如くその表面にシランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開平4-259911号、同5-81652号の各公報に記載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
磁性体粒子に用いられるバインダーは、特開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用することができる。上記の樹脂のTgは-40℃〜300℃、質量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリプロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1molの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、例えば特開平6-59357号公報に記載されている。
前述の磁性体を上記バインダ−中に分散する方法は、特開平6-35092号公報に記載されている方法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好ましく併用も好ましい。特開平5-088283号公報に記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜3μmである。磁性体粒子とバインダーの質量比は好ましくは0.5:100〜60:100からなり、より好ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開平5-341436号公報等に記載の塗布液が好ましい。
磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持たせてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、その表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用するバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有する感材については、米国特許第5,336,589号、同 5,250,404号、同 5,229,259号、同 5,215,874号、欧州特許第466,130号の各明細書に記載されている。
次に本発明に好ましく用いられるポリエステル支持体について記すが、後述する感材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細については、公開技報、公技番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載されている。本発明に用いられるポリエステルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜100モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン−2,6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約5,000ないし200,000である。本発明のポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
次に、ポリエステル支持体は、巻き癖をつきにくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましくは0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えばSnO2やSb2O5等の導電性無機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又、端部にローレットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。
このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset等ポリエステル用として市販されている染料または顔料を練り込むことにより目的を達成することが可能である。
次に、本発明では支持体と感材構成層を接着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に、下塗法について述べると、単層でもよく2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤として含有させてもよい。
また、本発明においては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げることができる。
帯電防止剤として最も好ましいものは、ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V2O5の中から選ばれた少なくとも1種の体積抵抗率が107Ω・cm以下、より好ましくは105Ω・cm以下である粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。
感材への含有量としては、5〜500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバインダーの量の比は1/300〜100/1が好ましく、より好ましくは1/100〜100/5である。
本発明の感材には滑り性がある事が好ましい。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.25以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmのステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表す(25℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
本発明に使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。
本発明の感材にはマット剤が有る事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは両者を併用することである。例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ましい。また、マット性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=9/1(モル比)、0.3μm))、ポリスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)が挙げられる。
次に、本発明で用いられるフィルムパトローネについて記載する。本発明で使用されるパトローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。
好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止されたパトローネは特開平1-312537号、同1-312538号の各公報に記載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは現在135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの容積は、30cm3以下好ましくは25cm3以下とすることが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの質量は5g〜15gが好ましい。
更に本発明で用いられる、スプールを回転してフィルムを送り出すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向に回転させることによってフィルム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらは米国特許第4,834,306号、同 5,226,613号の各明細書に開示されている。本発明に用いられる写真フィルムは現像前のいわゆる生フィルムでもよいし、現像処理された写真フィルムでもよい。又、生フィルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、異なるパトローネでもよい。
本発明のカラー写真感光材料は、アドバンスト・フォト・システム(以下、APシステムという)用ネガフィルムとしても好適であり、富士写真フイルム(株)(以下、富士フイルムという)製NEXIA A、NEXIA F、NEXIA H(順にISO 200/100/400)のようにフィルムをAPシステムフォーマットに加工し、専用カートリッジに収納したものを挙げることができる。これらのAPシステム用カートリッジフィルムは、富士フイルム製エピオンシリーズ(エピオン300Z等)等のAPシステム用カメラに装填して用いられる。また、本発明のカラー写真感光材料は、富士フイルム製フジカラー写ルンですスーパースリムのようなレンズ付きフィルムにも好適である。
これらにより撮影されたフィルムは、ミニラボシステムでは次のような工程を経てプリントされる。
(1)受付(露光済みカートリッジフィルムをお客様からお預かり)
(2)デタッチ工程(カートリッジから、フィルムを現像工程用の中間カートリッジに移す)
(3)フィルム現像
(4)リアタッチ工程(現像済みのネガフィルムを、もとのカートリッジに戻す)
(5)プリント(C/H/P 3タイプのプリントとインデックスプリントをカラーペーパー〔好ましくは富士フイルム製SUPER FA8 〕に連続自動プリント)
(6)照合・出荷(カートリッジとインデックスプリントをIDナンバーで照合し、プリントとともに出荷)
これらのシステムとしては、富士フイルムミニラボチャンピオンスーパーFA-298/FA-278/FA-258/FA-238 及び富士フイルムデジタルラボシステム フロンティアが好ましい。ミニラボチャンピオンのフィルムプロセサーとしてはFP922AL/FP562B/FP562B,AL/FP362B/FP362B,AL が挙げられ、推奨処理薬品はフジカラージャストイットCN-16L及びCN-16Qである。プリンタープロセサーとしては、PP3008AR/PP3008A/PP1828AR/PP1828A/PP1258AR/PP1258A/PP728AR/ PP728A が挙げられ、推奨処理薬品はフジカラージャストイットCP-47L及びCP-40FAII である。フロンティアシステムでは、スキャナー&イメージプロセサー SP-1000及びレーザープリンター&ペーパープロセサー LP-1000Pもしくはレーザープリンター LP-1000Wが用いられる。デタッチ工程で用いるデタッチャー、リアタッチ工程で用いるリアタッチャーは、それぞれ富士フイルムのDT200/DT100 及びAT200/AT100が好ましい。
APシステムは、富士フイルムのデジタルイメージワークステーションAladdin 1000を中心とするフォトジョイシステムにより楽しむこともできる。例えば、Aladdin 1000に現像済みAPシステムカートリッジフィルムを直接装填したり、ネガフィルム、ポジフィルム、プリントの画像情報を、35mmフィルムスキャナーFE-550やフラットヘッドスキャナーPE-550を用いて入力したりし、得られたデジタル画像データを容易に加工・編集することができる。そのデータは、光定着型感熱カラープリント方式によるデジタルカラープリンターNC-550ALやレーザー露光熱現像転写方式のピクトログラフィー3000によって、又はフィルムレコーダーを通して既存のラボ機器によりプリントとして出力することができる。また、Aladdin 1000は、デジタル情報を直接フロッピーディスクやZip ディスクに、もしくはCDライターを介してCD-Rに出力することもできる。
一方、家庭では、現像済みAPシステムカートリッジフィルムを富士フイルム製フォトプレイヤーAP-1に装填するだけでTVで写真を楽しむことができるし、富士フイルム製フォトスキャナーAS-1に装填すれば、パソコンに画像情報を高速で連続的に取り込むこともできる。また、フィルム、プリント又は立体物をパソコンに入力するには、富士フイルム製フォトビジョンFV-10/FV-5が利用できる。更に、フロッピーディスク、Zip ディスク、CD-Rもしくはハードディスクに記録された画像情報は、富士フイルムのアプリケーションソフトフォトファクトリーを用いてパソコン上で様々に加工して楽しむことができる。パソコンから高画質なプリントを出力するには、光定着型感熱カラープリント方式の富士フイルム製デジタルカラープリンターNC-2/NC-2Dが好適である。
現像済みのAPシステムカートリッジフィルムを収納するには、フジカラーポケットアルバムAP-5ポップL 、AP-1ポップL、AP-1ポップKG又はカートリッジファイル16が好ましい。
以下に本発明の実施例を示す。但し、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製した。
1)第1層及び下塗り層
厚さ90μmのポリエチレンナフタレート支持体について、その各々の両面に、処理雰囲気圧力2.66×10Pa、雰囲気気体中のH2O分圧75%、放電周波数30kHz、出力2500W、処理強度0.5kV・A・分/m2でグロー放電処理を施した。この支持体上に、第1層として下記組成の塗布液を特公昭58−4589号公報に記載のバー塗布法を用いて、5mL/m2の塗布量で塗布した。
導電性微粒子分散液(SnO2/Sb25粒子濃度 50 質量部
10%の水分散液.1次粒子径0.005μmの2次凝集体でその平均粒径が0.05μm)
ゼラチン 0.5 質量部
水 49 質量部
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 0.16質量部
ポリ(重合度20)オキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.1 質量部
さらに、第1層を塗設後、直径20cmのステンレス巻芯に巻付けて、110℃(PEN支持体のTg:119℃)で48時間加熱処理し熱履歴させてアニール処理をした後、支持体をはさみ第1層側と反対側に乳剤用の下塗り層として下記組成の塗布液をバー塗布法を用いて、10mL/m2の塗布量で塗布した。
ゼラチン 1.01 質量部
サリチル酸 0.30 質量部
レゾルシン 0.40 質量部
ポリ(重合度10)オキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.11 質量部
水 3.53 質量部
メタノール 84.57 質量部
n−プロパノール 10.08 質量部
さらに、後述する第2、第3層を第1層の上に順に塗設し、最後に、後述する組成のカラーネガ感光材料を支持体に対して反対側に重層塗布することによりハロゲン化銀乳剤層付き透明磁気記録媒体を作製した。
2)第2層(透明磁気記録層)
(i)磁性体の分散
Co被着γ−Fe23磁性体(平均長軸長:0.25μm、SBET:39m2/g、Hc:6.56×104A/m、σS :77.1Am2/kg、σr :37.4Am2/kg)1100質量部、水220質量部及びシランカップリング剤〔3−(ポリ(重合度10)オキシエチニル)オキシプロピル トリメトキシシラン〕165質量部を添加して、オープンニーダーで3時間良く混練した。この粗分散した粘性のある液を70℃で1昼夜乾燥し水を除去した後、110℃で1時間加熱処理し、表面処理をした磁気粒子を作製した。
さらに以下の処方で、再びオープンニーダーにて4時間混練した。
上記表面処理済み磁気粒子 855 g
ジアセチルセルロース 25.3 g
メチルエチルケトン 136.3 g
シクロヘキサノン 136.3 g
さらに、以下の処方で、サンドミル(1/4Gのサンドミル)にて2000rpm、4時間微細分散した。メディアは1mmφのガラスビーズを用いた。
上記混練液 45 g
ジアセチルセルロース 23.7 g
メチルエチルケトン 127.7 g
シクロヘキサノン 127.7 g
さらに、以下の処方で、磁性体含有中間液を作製した。
(ii)磁性体含有中間液の作製
上記磁性体微細分散液 674 g
ジアセチルセルロース溶液 24280 g
(固形分4.34%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1)
シクロヘキサノン 46 g
これらを混合した後、ディスパ−にて撹拌し、「磁性体含有中間液」を作製した。
以下の処方で本発明のα−アルミナ研磨材分散液を作製した。
(a)スミコランダムAA−1.5(平均1次粒子径1.5μm, 比表面積1.3m2/g) 粒子分散液の作製
スミコランダムAA−1.5 152g
シランカップリング剤KBM903(信越シリコーン社製) 0.48g
ジアセチルセルロース溶液 227.52g
(固形分4.5%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1)
上記処方にて、セラミックコートしたサンドミル(1/4Gのサンドミル)を用いて800rpm、4時間微細分散した。メディアは1mmφのジルコニアビーズを用いた。
(b)コロイダルシリカ粒子分散液(微小粒子)
日産化学(株)製の「MEK−ST」を使用した。
これは、メチルエチルケトンを分散媒とした、平均1次粒子径0.015μmのコロイダルシリカの分散液であり、固形分は30%である。
(iii)第2層塗布液の作製
上記磁性体含有中間液 19053 g
ジアセチルセルロース溶液 264 g
(固形分4.5%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1)
コロイダルシリカ分散液「MEK−ST」[分散液b] 128 g
(固形分30%)
AA−1.5分散液[分散液a] 12 g
ミリオネートMR−400(日本ポリウレタン(株)製) 希釈液 203 g
(固形分20%、希釈溶剤:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1)
メチルエチルケトン 170 g
シクロヘキサノン 170 g
上記を混合・撹拌した塗布液をワイヤーバーにて、塗布量29.3mL/m2になるよう
に塗布した。乾燥は110℃で行った。乾燥後の磁性層としての厚みは1.0μmだった。
3)第3層(高級脂肪酸エステル滑り剤含有層)
(i)滑り剤の分散原液の作製
下記のア液を100℃加温溶解し、イ液に添加後、高圧ホモジナイザーで分散し、滑り剤の分散原液を作製した。
ア液
下記化合物 399 質量部
613CH(OH)(CH210COOC50101
下記化合物 171 質量部
n−C50101O(CH2CH2O)16
シクロヘキサノン 830 質量部
イ液
シクロヘキサノン 8600 質量部
(ii)球状無機粒子分散液の作製
以下の処方にて、球状無機粒子分散液[c1]を作製した。
イソプロピルアルコール 93.54 質量部
シランカップリング剤KBM903(信越シリコーン社製)
化合物1−1:(CH3O)3Si−(CH23−NH2
5.53 質量部
化合物1 2.93 質量部
Figure 2005242190
シーホスタKEP50 88.00 質量部
(非晶質球状シリカ、平均粒子径0.5μm、日本触媒(株)製)
上記処方にて10分間撹拌後、更に以下を追添する。
ジアセトンアルコール 252.93 質量部
上記液を氷冷・攪拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONIFIER450(BR
ANSON(株)製)」を用いて3時間分散し、球状無機粒子分散液c1を完成させた。
(iii)球状有機高分子粒子分散液の作製
以下の処方にて、球状有機高分子粒子分散液[c2]を作製した。
XC99-A8808(東芝シリコーン(株)製、球状架橋ポリシロキサン粒子、平均粒径0.9μm)
60 質量部
メチルエチルケトン 120 質量部
シクロヘキサノン 120 質量部
(固形分20%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1)
氷冷・攪拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONIFIER450(BRANSO
N(株)製)」を用いて2時間分散し球状有機高分子粒子分散液c2を完成させた。
(iv)第3層塗布液の作製
前述、滑り剤分散原液542gに下記を加え第3層塗布液とした。
ジアセトンアルコール 5950 g
シクロヘキサノン 176 g
酢酸エチル 1700 g
上記シーホスタKEP50分散液[c1] 53.1 g
上記球状有機高分子粒子分散液[c2] 300 g
FC431 2.65 g
(3M(株)製、固形分50%、溶剤:酢酸エチル)
BYK310 5.3 g
(BYKケミジャパン(株)製、固形分含量25%)
上記第3層塗布液を第2層の上に10.35mL/m2の塗布量で塗布し、110℃で乾
燥後、更に97℃で3分間後乾燥した。
4)感光層の塗設
次に、前記で得られたバック層の支持体に対して反対側に、下記の組成の各層を重層塗布し、カラーネガフィルム試料101を作成した。
(感光層の組成)
各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。
(試料101)
第1層(第1ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.112
ヨウ臭化銀乳剤粒子 銀 0.012
(平均粒径0.07μm、沃化銀含有率2モル%)
ゼラチン 0.890
ExM−1 0.045
ExC−1 0.004
ExC−3 0.002
Cpd−2 0.001
F−8 0.001
HBS−1 0.050
HBS−2 0.002
第2層(第2ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.050
ゼラチン 0.452
ExF−1 0.005
F−8 0.002
固体分散染料 ExF−7 0.110
HBS−1 0.070
第3層(中間層)
ExC−2 0.050
Cpd−1 0.092
ポリエチルアクリレートラテックス 0.220
HBS−1 0.120
ゼラチン 0.700
第4層(低感度赤感乳剤層)
Em−C 銀 0.500
Em−D 銀 0.330
ExC−1 0.180
ExC−2 0.012
ExC−3 0.070
ExC−4 0.120
ExC−5 0.015
ExC−6 0.010
ExC−8 0.055
ExC−9 0.024
ExY−3 0.010
Cpd−2 0.025
Cpd−4 0.023
Cpd−7 0.015
UV−2 0.054
UV−3 0.080
UV−4 0.020
HBS−1 0.260
HBS−5 0.035
ゼラチン 0.985
第5層(中感度赤感乳剤層)
Em−B 銀 0.935
ExC−1 0.135
ExC−2 0.075
ExC−3 0.020
ExC−4 0.100
ExC−5 0.010
ExC−6 0.010
ExC−8 0.015
ExC−9 0.003
ExY−3 0.005
Cpd−2 0.034
Cpd−4 0.025
Cpd−7 0.020
HBS−1 0.110
ゼラチン 0.850
第6層(高感度赤感乳剤層)
Em−A 銀 1.350
ExC−1 0.280
ExC−3 0.035
ExC−6 0.028
ExC−8 0.115
ExC−9 0.025
ExY−3 0.018
Cpd−2 0.065
Cpd−4 0.080
Cpd−7 0.034
HBS−1 0.340
HBS−2 0.130
ゼラチン 1.350
第7層(中間層)
Cpd−1 0.095
Cpd−6 0.370
固体分散染料ExF−4 0.030
HBS−1 0.050
ポリエチルアクリレートラテックス 0.095
ゼラチン 0.910
第8層(赤感層へ重層効果を与える層)
Em−E 銀 0.310
Cpd−4 0.032
ExM−2 0.120
ExM−3 0.014
ExM−4 0.010
ExY−1 0.015
ExY−3 0.005
ExY−4 0.040
ExC−7 0.020
HBS−1 0.215
HBS−3 0.005
HBS−5 0.035
ゼラチン 0.605
第9層(低感度緑感乳剤層)
Em−I 銀 0.343
Em−J 銀 0.325
Em−H 銀 0.064
ExM−2 0.245
ExM−3 0.050
ExM−4 0.120
ExY−1 0.012
ExY−3 0.008
ExC−7 0.010
HBS−1 0.085
HBS−3 0.010
HBS−4 0.070
HBS−5 0.530
Cpd−5 0.010
Cpd−7 0.020
ゼラチン 1.410
第10層(中感度緑感乳剤層)
Em−G 銀 0.440
ExM−2 0.050
ExM−3 0.020
ExM−4 0.010
ExY−3 0.004
ExC−6 0.016
ExC−7 0.012
ExC−8 0.010
HBS−1 0.064
HBS−3 0.003
HBS−4 0.020
HBS−5 0.020
Cpd−5 0.004
Cpd−7 0.010
ゼラチン 0.420
第11層(高感度緑感乳剤層)
Em−F 銀 0.870
Em−H 銀 0.120
ExC−6 0.004
ExC−8 0.010
ExM−1 0.020
ExM−2 0.025
ExM−3 0.030
ExY−3 0.010
ExY−4 0.010
Cpd−3 0.006
Cpd−4 0.008
Cpd−5 0.010
Cpd−7 0.022
HBS−1 0.155
HBS−3 0.005
HBS−4 0.020
HBS−5 0.037
ポリエチルアクリレートラテックス 0.090
ゼラチン 0.985
第12層(イエローフィルター層)
Cpd−1 0.080
固体分散染料ExF−2 0.070
固体分散染料ExF−5 0.006
油溶性染料ExF−6 0.006
HBS−1 0.035
ゼラチン 0.630
第13層(低感度青感乳剤層)
Em−O 銀 0.100
Em−M 銀 0.320
Em−N 銀 0.210
ExC−1 0.020
ExC−7 0.015
ExY−1 0.003
ExY−2 0.350
ExY−3 0.008
ExY−4 0.045
ExY−5 0.405
Cpd−2 0.103
Cpd−3 0.006
HBS−1 0.210
HBS−5 0.065
ゼラチン 1.430
第14層(高感度青感乳剤層)
Em−K 銀 0.780
Em−L 銀 0.110
ExY−2 0.080
ExY−3 0.010
ExY−4 0.072
ExY−5 0.090
Cpd−2 0.070
Cpd−3 0.001
Cpd−7 0.032
HBS−1 0.125
ゼラチン 0.670
第15層(第1保護層)
ヨウ臭化銀乳剤粒子 銀 0.380
(平均粒径0.07μm、沃化銀含有率2モル%)
UV−1 0.210
UV−2 0.125
UV−3 0.195
UV−4 0.023
UV−5 0.208
F−11 0.009
S−1 0.086
HBS−1 0.170
HBS−4 0.052
ゼラチン 2.220
第16層(第2保護層)
H−1 0.400
B−1(直径1.7μm) 0.050
B−2(直径1.7μm) 0.145
B−3 0.050
S−1 0.200
ゼラチン 0.650
更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするために、W−1ないしW−13、B−4ないしB−6、F−1ないしF−19及び、鉛塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
有機固体分散染料の分散物の調製
第12層の固体分散染料ExF−2を次の方法で分散した。
ExF−2のウエットケーキ(17.6質量%の水を含む)2.800kg
オクチルフェニルジエトキシメタンスルホン酸ナトリウム
(31質量%水溶液) 0.376kg
F−15(7%水溶液) 0.011kg
水 4.020kg
計 7.210kg
(NaOHでpH=7.2に調整)
上記組成のスラリーをディゾルバーで攪拌して粗分散した後、アジテータミルLMK−4を用い、周速10m/s、吐出量0.6kg/min、0.3mm径のジルコニアビーズ充填率80%で分散液の吸光度比が0.29になるまで分散し、固体微粒子分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.29μmであった。
同様にして、ExF−4およびExF−7の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径はそれぞれ、0.28μm、0.49μmであった。ExF−5は欧州特許出願公開第549,489A号明細書の実施例1に記載の微小析出(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均粒径は0.06μmであった。
本発明の実施例で用いた増感色素を以下に示す。
Figure 2005242190
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Figure 2005242190
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Figure 2005242190
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Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
以下、本発明の実施例で用いた他の化合物を示す。
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
Figure 2005242190
乳剤は表4記載の分光増感色素を最適量添加され、最適に金増感、硫黄増感、セレン増感されている。
上記のハロゲン化銀カラー写真感光材料を試料101とする。
(試料102〜116の作成)
試料101の第4、5、6、8、9、10、11、13及び14層の各々に表5に表わされるように本発明の化合物を添加した以外は試料101と同様にして作製した。
試料101〜116を富士フイルム(株)製ゼラチンフィルターSC−39と連続ウェッジを通して1/100秒間露光した。
露光後の試料を以下に記載の方法で処理した。
(処理方法)
工程 処理時間 処理温度
発色現像 3分15秒 38℃
漂 白 3分00秒 38℃
水 洗 30秒 24℃
定 着 3分00秒 38℃
水 洗(1) 30秒 24℃
水 洗(2) 30秒 24℃
安 定 30秒 38℃
乾 燥 4分20秒 55℃
次に、処理液の組成を記す。
(発色現像液A) (単位g)
ジエチレントリアミン五酢酸 1.0
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0
亜硫酸ナトリウム 4.0
炭酸カリウム 30.0
臭化カリウム 1.4
ヨウ化カリウム 1.5mg
ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4
4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ]−
2−メチルアニリン硫酸塩 4.5
水を加えて 1.0L
pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05
(漂白液) (単位g)
エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.03
臭化アンモニウム 140.0
硝酸アンモニウム 30.0
アンモニア水(27%) 6.5mL
水を加えて 1.0L
pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 6.0
(定着液) (単位g)
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5
亜硫酸アンモニウム 20.0
チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/L)
295.0mL
酢酸(90%) 3.3
水を加えて 1.0L
pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 6.7
(安定液) (単位g)
p−ノニルフェノキシポリグリシドール
(グリシドール平均重合度10) 0.2
エチレンジアミン四酢酸 0.05
1,2,4−トリアゾール 1.3
1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
ピペラジン 0.75
ヒドロキシ酢酸 0.02
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(ダイセル化学 HEC SP−2000)
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.05
水を加えて 1.0L
pH 8.5
赤感性層、緑感性層、青感性層の感度はそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー色像濃度が、最低濃度+0.8を与える露光量の逆数の対数で示し、試料101に対する差で示した。
粒状性は、カブリ+0.8の濃度におけるシアン、マゼンタ、イエロー色像のRMS粒状度を求めて評価した。試料101を100とした時の相対値でを示した。
尚、実質的な感度増加を評価するために、感度の増加とともにRMS粒状度が変化する場合は、第4、5、6、8、9、10、11、13、14層のExY−3の量を調節し、RMS粒状度が合うようにして比較した。
処理依存性は上記(発色現像液A)のかわりに下記(発色現像液B)を用いて処理した場合の感度と、(発色現像液A)を用いた場合の感度の差で示した。この値が0に近いほど処理依存性が小さく好ましい。
(発色現像液B) (単位g)
ジエチレントリアミン五酢酸 0.4
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0
亜硫酸ナトリウム 3.3
炭酸カリウム 37.6
臭化カリウム 2.4
ヨウ化カリウム 2.4mg
ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0
4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ]−
2−メチルアニリン硫酸塩 3.8
水を加えて 1.0L
pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 9.9
Figure 2005242190
表5より、本発明の感光材料は粒状性を損なうことなく高感度であり、かつ処理依存性にも優れることが明らかである。

Claims (5)

  1. 支持体上に、各々少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層からなる青感性感光ユニット、緑感性感光ユニット及び赤感性感光ユニット、並びに少なくとも1層の非感光性層からなるハロゲン化銀カラー写真感光材料において、少なくとも1種の下記化合物(ア)と少なくとも1種の下記化合物(イ)を含むことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    化合物(ア):ClogPが4.5未満の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
    化合物(イ):ClogPが4.5以上の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
  2. 該化合物(ア)、(イ)が下記の要件を満足することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    化合物(ア):ClogPが−2以上3以下の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
    化合物(イ):ClogPが6以上16以下の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
  3. 該化合物(ア)、(イ)が下記の要件を満足することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    化合物(ア):ClogPが−1以上1以下の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
    化合物(イ):ClogPが7.5以上15以下の複素環化合物であり、該化合物を添加することで、添加しない場合よりも該ハロゲン化銀カラー写真感光材料の感度を増大させる化合物
  4. 該化合物(ア)が環の構成原子として1個〜3個のヘテロ原子を有する複素環化合物であり、かつ、現像主薬酸化体と反応しない化合物であり、化合物(イ)が環の構成原子として1個〜3個のヘテロ原子を有する複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 該化合物(ア)、(イ)が環の構成原子として1個または2個のヘテロ原子を有する複素環化合物であり、かつ、現像主薬酸化体と反応しない化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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