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生物活性ガラス
本発明は、ストロンチウムを具える生物活性ガラス、上記生物活性ガラスの製造プロセス、及び、医薬における上記生物活性ガラスの使用に関する。
生物学的活性のある(又は生物活性)材料は、生体組織に移植される場合に、前記材料と周囲の組織との間に界面結合を形成するものがある。さらに詳しくは、生物活性ガラスは、生物活性ガラスと骨などの生体組織との間の強力な結合を形成する、生物学的活性を誘導するように設計される一群の面−反応ガラス−セラミックである。ケイ酸塩ガラスの生物活性は、1969年にソーダ−カルシア−ホスホ−シリカガラスで最初に観察され、カルシウム塩、リン、ナトリウム塩及びケイ素を具える生物活性ガラスの発展につながった。SiO(40〜52%)、CaO(10〜50%)、NaO(10〜35%)、P(2〜8%)、CaF(0〜25%)及びB(0〜10%)を具えていた。SiO−P−CaO−NaO生物活性ガラスの特定の例は、Bioactive glass(登録商標)として製造されている。
生物活性ガラスの生物活性は、生理学的条件下で、ガラスの表面の一連の複雑な生理化学反応の結果である。体液に暴露されると、陽イオン交換が生じ、ガラスからの中間Na及びCa2+は溶液からの陽子によって置換され、表面シラノール基及び非化学量論的水素結合複合体を形成する。界面pHはよりアルカリ性となり、表面シラノール基の濃度が上昇し、シラノール種の重合がシリカリッチ表面層に集中する。ガラス溶液界面でのアルカリ性pHは、炭酸化ヒドロキシアパタイト(HCA)層の沈殿及び結晶化に好ましい。これは、シリカ表面で行われるネットワーク溶解プロセス中で、溶液にCa2+及びPO 3−イオンを放出することによって、補助される。HCAクリスタライト(crystallite)は、核形成し、ムコポリサッカライド、コラーゲン及び糖タンパク質など、界面代謝物に結合する。成長しているHCA及びSiO層内に有機生物学的成分を組み込むことは、生体組織への結合を刺激する。生物活性ガラス溶解のイオン性生成物は、細胞マトリックスの付着を促進する骨代謝関連遺伝子がコードするプロダクト(遺伝子産物)など、骨芽細胞代謝及び骨ホメオスタシスに関連したプロセスにおいて周知の役割を有する遺伝子を上方制御することによって、骨芽細胞の増殖を誘導し、骨芽細胞の成長及び分化を刺激することが示されている。
ガラス表面のヒドロキシカルボネートアパタイト(HCA)の発達速度が、インビトロの生物活性指数を提供する。この指数の使用は、ヒドロキシアパタイト形成の最小レートが、硬い組織との結合を達成させることに必要であるという研究に基づいている(例えば、Hench、Bioactive Ceramics、 in Bioceramics:Material Characteristics Versus In Vivo Behavior(P. Ducheyne & J.E.Lemons,Eds.,1988)、54〜71頁、参照)。生物活性は、体内の相対的移植(relative implantation)部位で発見された流体成分を最小にする非生物学的溶液を使用することによって、効果的に、試験可能である。研究は、Kokubo T,J. Biomed.Mater.Res. 1990;24;721−735に記載されるように、疑似体液(SBF)、及び、Tris緩衝溶液を含む各種溶液を用いて行われてきた。トリス緩衝は、人体のプラズマのイオン濃度にほぼ等しいイオン濃度を有する一方、SBFは単純な有機緩衝溶液である。SBFに暴露されたガラスの上のHCA層の析出は、生物活性の認知された試験である。ガラス粒子がSBFに暴露されるとき、HCA層の開発率は、フーリエ変換赤外分析、誘導結合プラズマ発光分析(Inductively Coupled Plasma Emission)、ラマン分光又はX線粉末回析(例えば、Warren、Clark&Hench、Quality Assurrance of Bioactive glass.sup.(R) Powders.23 J.Biomed.Mat.Res.−App.Biomat.201(1989)参照)の使用によって、続けられる。
Hench、Bioactive Ceramics、 in Bioceramics:Material Characteristics Versus In Vivo Behavior(P. Ducheyne & J.E.Lemons,Eds.,1988)、54〜71頁 Kokubo T,J. Biomed.Mater.Res. 1990;24;721−735 Warren、Clark&Hench、Quality Assurrance of Bioactive glass.sup.(R) Powders.23 J.Biomed.Mat.Res.−App.Biomat.201(1989)
HCAの化学的性質が、置換に役立ち、例えば、ヒドロキシル基を、フッ化物及び塩化物など炭酸塩又はフッ化物と置換すること、となる。形成するHCA層は、構造的及び化学的に等しい骨の骨塩相(mineral phase)であり、生物活性ガラス表面と生体組織との間の中間結合の形成を可能にする。ヒドロキシカルボネートアパタイトは生物活性があり、骨の内殖(ingrowth)及び骨結合を支持する。
生物活性ガラスは、従って、一般的な外科、頭蓋顔面、顎顔面及び歯周修復、ならびに、骨組織工学用足場(scaffold)用合成骨グラフト材料の調整において医療用用途を発見した。生物活性ガラスは、骨などの硬い組織及び柔らかい結合組織を含む生体組織と相互作用可能である。
生物活性ガラスは、従来のメルトクエンチ法などのガラス製造方法と、より近年では、ゾルゲル技術を用いて生物活性ガラスの製法を説明している米国特許第5,074,916号及び第6,482,444号に記載されているゾルゲル技術と、の両方を使用することで製造されてきた。
Bioactive glass(登録商標)の発達によって、オリジナルの組成の多数のバリエーションができた。多数の生物活性シリカガラスは、45重量%の二酸化ケイ素(SiO)、及び、5:1のカルシウム(Ca)対リン(P)のモル比を意味する、「45S5」と呼ばれる製剤をベースにしている。しかしながら、これらの組成比のバリエーション、及び、三酸化二ホウ素(B)及びカルシウムフッ化物(CaF)など他の組成物を含有することで、溶解率、及び、生物活性レベルを含む生物活性ガラスの特性の修正をすることができる。
現在入手可能な生物活性ガラス組成は、多くの限定がある。ほとんどの生物活性ガラス組成は、酸化ナトリウム(NaO)を含み、更に酸化カリウムを含む場合もある。上記化合物が溶融温度を低下させるので、上記化合物を生物活性ガラスに組み込むことはこのガラスの製造に有利である。融点を下げることで、より低いエネルギレベルで生物活性ガラスを製造することができ、製造装置の損傷が低減される。
しかしながら、生物活性ガラス中に高濃度のアルカリ金属、ナトリウム及びカリウムの存在は、インビボで、生物活性ガラスの有用性を低下させることがある。特に、アルカリ金属の高い含有率を有する生物活性ガラスをベースにした生物活性ガラスの組成物は、浸透による水分取り込みの影響を受けやすく、その結果、ポリマーマトリックスは膨張し、分解され、分解性ポリマ組成物の場合、分解レベルの上昇を示すことがある。生物活性ガラスなどは、アルカリ金属が存在すると、生物活性ガラスの熱膨張係数の増大によって、金属プロテーゼ用のコーティングとしての使用には不適当になる。さらに、高濃度のアルカリ金属の存在がガラス転移温度(Tg)と生物活性ガラスの結晶化開始温度との差を低減するので、高濃度のアルカリ金属は、生物活性多孔性足場の製造の使用に適していない生物活性ガラスが形成され、これにより、ガラス焼結(sinter)中に結晶化され、生物活性が概ね連続的に低下する。
比較的低濃度のアルカリ金属を有する代替の生物活性ガラスは、当分野で周知である。特に、生物活性ガラスは、54モル%以上のSiO及び10モル%のNaOを具えることを開示している。しかしながら、このようなガラスなどは、生物活性にカルシウムフッ化物の添加が必要である。12モル%未満のNaOを含むガラスは、米国特許第5,120,340号及びEP0802890で報告されているが、これらのガラスは、生物活性の低下を示す。このことは、当分野で報告されている低アルカリ金属含有量のガラスは、ネットワークコネクティビティ(ネットワーク結合度)を上昇する可能があり、かつガラスの生物学的活性に有害な影響を有する比較的高濃度の二酸化ケイ素を具えるのが一般的である。
従って、インビボ用途の生物活性ガラスの適応性を増大させるために、新しいガラス組成を提供するのが、例えば、比較的低濃度のNaO及びKOの組成物及び適正レベルの生物活性など、新規な生物活性ガラス組成物を提供するのが望ましい。従って、適正レベルの生物活性を有し、配合(formulate)可能であり広範囲の用途に使用される生物活性ガラスの組成物に対する要望がある。
特に、本願の目的は、生物活性を向上した生物活性ガラスの提供である。本発明の生物活性ガラスは、これにより、アパタイト形成の速度が増加し、傷を回復し、疾患組織及び損傷組織の早期修復及び再構築する。
本発明の第1の面は、従って、ストロンチウム(Sr)及び二酸化ケイ素(SiO2)を具える生物活性ガラスを提供する。
本発明の内容では、SBFに暴露される際、結晶HCA層の析出が3日以内に生じる場合、ガラスは生物活性であるとみなされる。いくつかの好適な実施例において、HCA析出は、24時間以内で生じる。
ストロンチウムは、骨代謝において各種影響がある向骨性(bone−seeking)微量元素である。特に、ストロンチウムは、骨粗鬆症において脊骨密度を改善し、骨梁(trabecular bone)量を増加させ、骨形成面積の範囲を増大させることが示されている。しかしながら、ストロンチウムは、当分野では、経口投与用の製薬組成物として提供され、これまでは、おそらく、ストロンチウムが放射性のある物質であるという間違った観点から、生物活性ガラスに組み込まれることはなかった。
本発明者らは、ストロンチウムを生物活性ガラスに組み込むことで、ガラスの生物活性特性が変わり、ガラスの分解速度及びヒドロキシカーボネートアパタイトの析出が増大することを思いがけず発見した。従って、第1の様態の生物活性ガラスは、特に、骨や歯などの組織のダメージの予防及び/又は治療に使用されるのが好ましい。
上述したように、従来の生物活性ガラスは、カルシウム酸化物(CaO)を具える。本発明者らは、Srの供給源を具える生物活性ガラスを提供することで、生物活性ガラスが体液に暴露されるとき、生物活性ガラス表面のヒドロキシカルボネートアパタイトの析出速度が、従来の生物活性ガラスと比べると大幅に上昇することを発見した。Srの供給源を具える生物活性ガラスを使用することで、最終的なヒドロキシカルボネートアパタイト中のCa2+イオンの割合が置換されることとなり、混合Sr2+/Ca2+ヒドロキシカルボネートアパタイトが提供されると考えられる。このSr2+置換ヒドロキシカルボネートアパタイトは、未置換のヒドロキシカルボネートアパタイトよりも低い溶解度生成物であり、ヒドロキシカルボネートアパタイト析出速度の上昇となる。しかしながら、より重要な第2の機構は、ヒドロキシカルボネートアパタイトの析出速度をさらに上昇させる。1.08×10−10mのイオン寸法を有するストロンチウム陽イオンは、(0.99×10−10mと比較して)カルシウムよりも寸法が大きい。生物活性ガラス中のカルシウム陽イオンをストロンチウム陽イオンで置換することは、ネットワーク中のストロンチウム原子と非架橋酸素間の相互作用が低減する結果、ガラスネットワークが膨張することとなる。生物活性ガラスネットワークのこのような膨張は、生物活性ガラスの分解性能を上昇させ、生物活性及びヒドロキシカルボネートアパタイト析出の速度を上昇させる。従って、ストロンチウムは、ネットワーク修正剤(modifier)として作用し、ガラスネットワーク構造を変更させ、改良するか又はガラスに対する有益な特性を提供する。本発明の第1の面の生物活性ガラスは、従って、骨などの組織との結合を形成する生物活性ガラスでの、上記速度を上昇させる。さらに、ストロンチウム原子は、骨形成を増加させる骨芽細胞における直接刺激性効果を有する。
本発明の第1の面の目的に関して、生物活性ガラスは、ストロンチウム供給源、好ましくは、Sr2+供給源を具える。ストロンチウムは、ストロンチウム酸化物(SrO)の形態で、又は、ストロンチウム酸化物供給源として設けられる。ストロンチウム酸化物供給源は、限定するものではないが、炭酸ストロンチウム(SrCO)、硝酸ストロンチウム(SrNO)、酢酸ストロンチウム(Sr(CHCO)及び硫酸ストロンチウム(SrSO)を具える、ストロンチウム酸化物(SrO)を形成するように分解されるストロンチウムのいかなる形状でもよい。ストロンチウムは、さらに、ストロンチウムフッ化物(SrF)、ストロンチウムリン酸塩(Sr(PO)及びストロンチウム珪酸塩として、組み込まれてもよい。
生物活性ガラスは、0.05〜40%、0.1〜40%、より好ましくは、0.1〜17%、0.2〜17%、さらに好ましくは、0.1〜2%又は0.2〜2%、さらに好ましくは0.3〜2%、さらに好ましくは、0.4〜1.5%、好ましくは6〜30%、より好ましくは7〜18%、より好ましくは8〜17%、より好ましくは10〜13%の濃度(モルパーセント)のストロンチウムを具えることができる。
従って、好ましくは、本発明の生物活性ガラスは、少なくとも0.1%、好ましくは少なくとも0.2%又は少なくとも2%(例えば、0.1〜40%、0.1〜17%又は0.2〜17%、より好ましくは0.1〜2%、又は0.2〜2%、より好ましくは、0.3〜2%又は0.4〜1.5%、より好ましくは6〜30%、7〜18%、8〜17%又は10〜13%)を具える。
ストロンチウムは、SrOとして提供される場合、生物活性ガラス中のSrOのモル比は、好ましくは0.2〜45%である。より好ましくは、生物活性ガラスのSrOのモル比は、0.2〜40%、0.3〜40%、2〜40%、3〜40%、3〜25%又は3〜15%である。
生物活性ガラスのSrO内容物は、ヒドロキシカルボネートアパタイト(HCA)形成の速度を変えるために使用することができる。代謝組織修復の速度は、組織と生物活性材料との間にいかに結合が速やかに行われるかを決定する。従って、生物活性材料と周囲の組織との間の相性は、材料の生物活性速度(HCAが形成される速度)が、身体の代謝修復速度と適合する場合、最大となる。特に、生物活性ガラスの分解速度が、組織内殖速度に適合することが望ましい。しかしながら、個人の修復速度又は組織内殖速度は、他の因子がある中で年齢及び疾患の状態によって変化することがあり、単一の理想的な生物活性速度の同定を不可能である。従って、ガラスのSrO内容物を変化させることによって、ヒドロキシカルボネートアパタイト形成速度、及び、生物活性ガラスの分解速度を変化させるのに有用である。SrでCaの置換を上昇させることで、ガラスネットワークを膨張させ、HCA形成速度を加速させる。ヒドロキシカルボネートアパタイト形成速度は、ガラスのSiO内容物次第である。
生物活性ガラスは、付加的に、1又はそれ以上の追加組成物を具えることができる。これらの組成物は、カルシウム、リン酸、マグネシウム、亜鉛、ホウ素又はフッ素、ならびに、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属を具える。
好ましくは、これらの組成物は、分解して酸化物を形成する、限定するものではないが、酸化ナトリウム(NaO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、珪酸ナトリウム、酸化カリウム(KO)、炭酸カリウム(KCO)、硝酸カリウム(KNO)、硫酸カリウム(KSO)、ケイ酸カリウム、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カルシウム(CaCO)、硝酸カルシウム(Ca(NO)、硫酸カルシウム(CaSO)、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、硝酸マグネシウム(Mg(NO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、ケイ酸マグネシウム、酸化亜鉛(ZnO)、炭酸亜鉛(ZnCO)、硝酸亜鉛(Zn(NO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、及びケイ酸亜鉛、を含む化合物として、及び、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又は亜鉛を含む化合物として、提供される。
生物活性ガラスの組成物の正確なモル分率が、生物活性ガラスの物理学的及び生物学的特性に影響を与えることを理解されたい。生物活性ガラスの様々な使用は、様々な特性を必要とし、従って、生物活性ガラスの特性は、各組成物のモル比を調整することによって、特別に意図された用途に調整できる。
好ましくは、限定するものではないが、酸化ナトリウム(NaO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、硫酸ナトリウム(NaSO)及びケイ酸ナトリウムを含むナトリウム供給源を具える。ナトリウムは、生物活性ガラス構造内でネットワーク修正剤として作用する。
従来から、ヒドロキシカルボネートアパタイトの析出に関して提案される機構は、ナトリウムイオンの存在に対応する。ナトリウムイオンは、外部流体中の陽子と交換され、アルカリ性のpHとなると理解されたい。このアルカリ性pHによって、ガラスネットワークのSi−O−Siの結合のアルカリ加水分解可能である。しかしながら、本発明者らによる近年の仕事から、ナトリウムイオンは、生物活性があるために、生物活性ガラスに存在している必要がないことが示された。生物活性ガラス中のナトリウムイオンの所望の濃度は、対象となる用途に関連している。上述したように、多くのように関して、低濃度のナトリウムを有する生物活性ガラスを生成するのが望ましい。
45S5などの通常存在する生物活性ガラスにおいて、NaOのモル比は、約25%である。本発明の生物活性ガラス中のストロンチウム含有率は、ガラスの生物活性を維持しつつ、モル比の低いナトリウムを使用することができる。特に、本発明のガラス中において、ストロンチウムでカルシウムを置換することで、ガラスネットワークを膨張させ、ガラスの分解を促進し、生物活性を上昇させる。
好ましくは、生物活性ガラスは、0〜30%、0〜25%、3〜25%、5〜25%、3〜15%、又は、3〜6%のモル比で、ナトリウムイオンの供給源を具える。好ましくは、ナトリウムイオンの供給源は、酸化ナトリウムである。
好ましくは、生物活性ガラスは、限定するものではないが、酸化カリウム(KO)、炭酸カリウム(KCO)、硝酸カリウム(KNO)、硫酸カリウム(KSO)、ケイ酸カリウム、を含むカリウム供給源を具える。ナトリウムと同様に、カリウムは、生物活性ガラス構造内で、ネットワーク修正剤として作用する。上述したように、カリウム含有率の低い生物活性ガラス組成物を提供することが有利である。
好ましくは、生物活性ガラスは、0〜30%、0〜25%、3〜25%、5〜25%、0〜7%、又は、3〜7%のモル比で、カリウムイオン供給源を具える。好ましくは、カリウムイオン供給源は、酸化カリウムである。
好ましくは、ナトリウム及びカリウム供給源の混合モル比は、0〜30%である。好ましくは、生物活性ガラス中のNaO及びKOの混合モル比は、0〜30%である。より好ましくは、生物活性ガラスのナトリウム及びカリウム供給源の混合モル比(例えば、NaO及びKO)は、0〜28%又は5〜28%である。所定の用途に関して、生物活性ガラス中のナトリウム及びカリウムの供給源(例えば、NaO及びKO)の混合モル比は、0〜15%、又は、5〜15%である。ある好適な実施例において、ガラスには、ナトリウム及びカリウムがない。
本発明の生物活性ガラスは、限定するものではないが、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カルシウム(CaCO)、硝酸カルシウム(Ca(NO)、硫酸カルシウム(CaSO)、ケイ酸カルシウム又は酸化カルシウム供給源を含むカルシウム供給源を具えるのが好ましい。本発明の目的に関して、酸化カルシウム供給源は、分解して酸化カルシウムを形成するあらゆる化合物を含む。生物活性ガラス表面からCa2+イオンの放出は、ガラス表面のリン酸カルシウムリッチな層の形成を支援する。生物活性ガラスによるカルシウムイオンの供給は、リン酸カルシウムリッチな層の形成速度を上昇させる。しかしながら、体液自体がカルシウムイオンを含むので、生物活性ガラスによるカルシウムイオンの提供なしでも、リン酸カルシウムリッチな層は形成可能であることを理解されたい。従って、本発明の目的に関して、カルシウムを含まない生物活性ガラスを使用可能である。好ましくは、Caのモル比は、0〜50%、又は、0〜40%である。より好ましくは、生物活性ガラスは、0〜40%、0〜30%又は5〜30%のモル比のカルシウムイオン供給源(好ましくはCaO)を具える。
本発明の生物活性ガラスは、Pを具える。生物活性ガラスの表面からのリン酸イオンの放出は、ヒドロキシカルボネートアパタイトの形成を支援する。ヒドロキシカルボネートアパタイトは、体液自体がリン酸イオンを含むので、イオンアクティブガラスによるリン酸イオンの供給なしで形成される一方、生物活性ガラスによるリン酸イオンの提供は、ヒドロキシカルボネートアパタイトの形成速度を上昇させる。さらに、Pの提供は、ガラスの粘度−温度相関に関する有益な効果を有し、作動温度範囲を上昇させ、これはガラスの製造及び形成に有利である。好適には、Pのモル比は、0〜14%である。より好適には、Pのモル比は、0〜8%である。より好適には、Pのモル比は、少なくとも0.5又は1%、好ましくは1〜2%である。
本発明の生物活性ガラスは、限定するものではないが、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、硝酸マグネシウム(Mg(NO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、ケイ酸マグネシウム、及び、分解して酸化マグネシウムを形成するあらゆる化合物を含むマグネシウム供給源を具える。近年のデータは、マグネシウムは、中間酸化物として部分的に作用し、ネットワーク修正剤として部分的に作用することができることを示唆している。マグネシウムイオンは、形成されたヒドロキシカルボネートアパタイトクリスタルの寸法を減少させ、ガラスの熱膨張係数を低下させる。このことが有利なのは、例えば、Ti6Al14Vなどの金属合金を具えるものに限定しないが、金属プロテーゼ上のコーティングなどのコーティングとして、生物活性ガラスを使用することが意図される場合である。生物活性ガラスコーティングの熱膨張係数を低下させる能力によって、コーティングの熱膨張係数を、金属プロテーゼの熱膨張係数に適合させることが可能となり、冷却中に基質からコーティングが剥離(debond)するのを防ぐ。特に、生物活性ガラスコーティングの熱膨張係数は、当分野で使用される医療用合金に適合可能である。
好ましくは、マグネシウムの供給源(好ましくはMgO)のモル比は、0〜20%、0〜12%、2〜30%、3〜30%又は10〜20%である。好ましくは、少なくとも2%又は3%が存在している。一部又は全マグネシウムは、酸化マグネシウムとして提供可能である。酸化マグネシウムの存在は、アパタイト結晶寸法を抑制するように作用し、もろい骨の形成を低減する。
本発明の生物活性ガラスは、限定するものではないが、酸化亜鉛(ZnO)、炭酸亜鉛(ZnCO)、硝酸亜鉛(Zn(NO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、及びケイ酸亜鉛、分解して酸化亜鉛を形成するあらゆる化合物を含む亜鉛供給源を具えるのが好ましい。亜鉛は、生物活性ガラス内に予め組み込まれていない。しかしながら、本発明者らは、本発明の生物活性ガラスに亜鉛を組み込むことで、傷の回復が促進され、損傷した骨組織の修復及び再構築が支援されることを発見した。さらに、亜鉛イオンの提供は、形成されるヒドロキシカルボネートアパタイト結晶の寸法を低下させ、熱膨張係数を低下させる。このことが有利なのは、上述のようにコーティングとして生物活性ガラスを使用することが意図される場合である。さらに、亜鉛は、生物活性ガラス構造内でネットワーク修正剤として作用可能である。好ましくは、亜鉛供給源のモル比(ZnO)は、0〜10%、0〜5%、0〜3%である。好ましくは、少なくとも2%が存在し、より好ましくは、2〜3%が存在している。
本発明の生物活性ガラスは、ホウ素、好適にはB、を具えることが好ましい。Pと同様に、Bは、生物活性ガラスの粘性−温度相関に関して有益な効果を有し、作動温度範囲を上昇させ、これは、ガラスの製造及び形成に有利であると考えられている。さらに、Bは、生物活性ガラスの遷移温度と結晶化開始温度との間のプロセスウィンドウの寸法を増加させ、結晶化せずに生物活性ガラス粉末の焼結を可能にすると考えられている。
本発明の生物活性ガラスは、フッ素を具えることが好ましい。好ましくは、フッ素は、1又はそれ以上のフッ化カルシウム(CaF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化ナトリウム(NaF)又はフッ化カリウム(KF)の形状で提供される。フッ化物は、骨芽細胞を刺激し、ヒドロキシカルボネートアパタイト析出速度を増加させる。フッ化物及びストロンチウムは、この点に関し共同作用的に機能する。更に、フッ化物は、アパタイト格子中の水酸化物イオンを予め置換することによって、天然の生物学的形状に非常に類似した、さらなる混合型アパタイト構造の形成を促進する。混合アパタイトは、熱力学的により安定しており、従って、溶解度及び再吸収性は低い。又、フッ化物は、生物活性ガラスの溶解温度を低下するために使用可能である。好ましくは、フッ化物は、0〜50%、より好ましくは0〜25%のモル比で提供される。好ましくは、フッ化物(好適にはCaF)の供給源は、0〜10%又は1〜7%のモル比で提供される。好ましくは、少なくとも1%が存在する。
本発明の第1の側面は、40〜60%のSrO、CaO、MgO、NaO、及びKOの混合モル比を具える生物活性ガラスを提供する。より好ましくは、SrO、CaO、MgO、NaO、及びKOの混合モル比は、45〜55%である。
一実施例において、生物活性ガラスは、銀を付加的に具えてもよい。好ましくは、銀は酸化銀として提供される。好ましくは、銀は、1%、0.75%、0.5%又は0.25%までのモル比で提供される。銀を含むことで抗菌特性を有する生物活性ガラスを提供可能なことが有利である。
アルミニウムは、神経毒性があり、例えば1ppm未満でも、極めて低濃度でさえ、インビボの骨石灰化の阻害剤である。従って、好ましくは、本発明の生物活性ガラスはアルミニウムフリーである。
好ましくは、例えば、Feなどの酸化鉄(III)、及び、FeOなどの酸化鉄(II)など、鉄ベースの酸化物がない。
生物活性ガラスは、例えば、溶融法(melt−derived)又はゾルゲル法で作製した生物活性ガラスは、周知の技術を用いて、さらに焼結可能である。溶融法及びゾルゲル法の双方のガラスは、1又はそれ以上の上述した添加物(Na、K、Ca、P、Mg、Zn、B、F又はAg供給源)を具える。
上述したように、本発明の第1の側面において、生物活性ガラスは、二酸化ケイ素(SiO)を具える。生物活性ガラス中の二酸化ケイ素の好適なモル比は、生物活性ガラスの製造方法に部分的に関連する。
生物活性ガラスは、当分野の周知な従来の溶融技術(melt technique)によって製造可能である。溶融法で作製した生物活性ガラスは、適宜なカーボネート又は酸化物の粒子(グレイン)を混合及びブレンドすることによって調整し、この混合物を、約1250〜1500℃の温度で溶融及びホモジナイズするのが好ましい。次いで、溶融混合物を、脱イオン水などの適宜な液体に注ぐことによって混合物を冷却し、ガラスフリットを得る。
溶融法で作製したガラスは、優勢なQ(predominantly Q)構造、すなわち、2つの他のケイ素と結合した2つの架橋酸素と、2つの非架橋酸素と、を有するケイ素からなる珪酸塩構造を有する。上述したように、従来の溶融法で作製した生物活性ガラスは、溶融又はホモジナイズを補助するために、NaO及びKOなどのアルカリ金属酸化物を必要とし、上記アルカリ金属酸化物を組み込むことは相当不利である。しかしながら、ストロンチウムを溶融法で作製したガラスに組み込むことで、より低濃度のNaO及びKOを使用でき、また、ヒドロキシカルボネートアパタイト析出速度を上昇させることが可能となる。
ゾルゲル法によるセラミック及びガラス材料の製造は、長い間周知であり、米国特許第5,074,916号、及びHench&West「ゾルゲル法、90 Chem. Rev.33(1990)」に記載されている。このゾルゲル法は、ガラス前駆体(溶液中の金属アルコキシド)をソル(液体中のコロイド粒子の分散体)に混合し、続いて、約200〜900℃の温度で加水分解、ゲル化、焼成(fire)させることを含む。混合物は、混合物がゲル化する前に、型に鋳造され、ここで、コロイド状ソル粒子は、互いに結合し、硬質で多孔性の3次元ネットワークを形成し、これをエージングし、乾燥し、化学的に安定化させ、及び/又は、密度を高め、幅広い物理特性を有する構造体をつくることができる。これらステップの全ては、通常600〜800℃の溶融法プロセスと比べて、比較的低温で実行することができる。
ゾルゲル法で作製した生物活性ガラスは、溶融法で作製したガラスよりも高いSiOモル比を有する生物活性特性を保持する。米国特許第5,074,916号に記載されるように、このことは、小さな孔(約1.2〜2.0nm)及びゾルゲル法粉末の広い表面積の存在によるものと考えられ、これによって、ヒドロキシアパタイト結晶の核形成部位の面密度は大きくなり、周知の溶融法で作製した生物活性ガラス組成物に必要な量よりも比較的に低いCaO及びPの部分的濃度、及び、比較的に高いSiO濃度を有する、ヒドロキシアパタイト層をより高速で構築することが可能となる。本発明のゾルゲル法で作製した生物活性ガラスの孔の直径は、1.2〜10nmが好ましく、表面積は、少なくとも40m/gが好ましい。
本発明の生物活性ガラスの製造方法は、生物活性は維持されるものの、溶融法又はゾルゲル法によって、使用されるSiOのモル比に影響を与える。
SiOは、生物活性ガラスのアモルファスネットワークを形成し、ガラス中のSiOのモル比は、そのネットワーク結合度(Network Connectivity:NC)に影響を与える。ネットワーク結合度は、ガラス構造中でのネットワーク形成要素あたりの架橋結合の平均値である。NC(ネットワーク結合度)は、粘度、結晶化速度及び分解性などのガラス特性を決定する。NCが2.0の場合、リニア(直鎖状)珪酸塩鎖は、無限のモル質量が存在する。NCが2.0未満になると、モル質量及び珪酸塩鎖の長さは急速に低下する。NCが2.0より大きいと、ガラスは、3次元ネットワークとなる。
生物活性のある溶融法で作製したガラスに関して、NCは、2.6以下、より好ましくは2.4以下でなければならない。第1の側面の生物活性ガラスは、従って、2.6又はそれ未満、好ましくは、2.4又はそれ未満のネットワーク結合度を有する。
好ましくは、溶融法バイオガラス中のSiOのモル比は、30〜60%である。より好ましくは、溶融法で作製した生物活性ガラスのSiOのモル比は、40〜57%である。
第1の側面の好適な実施例において、溶融法で作製した生物活性ガラス中のSiO、P及びBの混合モル比は、60%を超えない。値が60%より高い場合、溶融法で作製した生物活性ガラスのネットワーク結合度は、高くて好ましくなく、好ましくないほど生物活性は低レベルとなる。
好ましくは、ゾルゲル法で作製した生物活性ガラス中のSiOのモル比は、50〜95%である。より好ましくは、ゾルゲル法で作製した生物活性ガラス中のSiOのモル比は、60〜94%、60〜86%、70〜86%である。
本発明の生物活性ガラスは、ゾルゲル法で作製した生物活性ガラスであり、上述したように添加物(Na、K、Ca、P、Mg、Zn、B、F又はAg供給源)を具える場合、例えば、硝酸塩又は酢酸塩など、添加物の可溶性形状を使用するすることが好ましい。
SiO含有率を変化させることで、ヒドロキシカルボネートアパタイト析出物速度の範囲が得られる。逆に、実際、又は、仮定のインビボ溶液に暴露する時間を変化させることで、許容されるSiO比率の範囲を使用することが可能となる。
本発明の好適な実施例において、生物活性ガラスはゾルゲル法で作製したガラスであり、その組成物は、アルカリ金属フリーである。
意図した使用に応じて、第1の側面の生物活性ガラスは、粒子形状でもよく、あるいは、ディスク形状又はモノリシック形状の固体を具えていてもよい。特に、このガラスは、ペレット、シート、ディスク、フォーム、繊維など、必要とされる形状又は形態で提供可能である。
いくつかの実施例において、本発明の生物活性ガラスの組成物は、ガラス遷移温度(Tg)と結晶化開始温度(Tc)との間の大きなギャップに由来する大きなプロセスウィンドウを有する上記ガラスを提供するように調整される。結晶化が阻害されている間に、大きなプロセスウィンドウによって(例えばガラスを繊維にドローするなど)処理して実行することができるので、このようなガラスは、繊維内にドローして、焼結するのに特に適している。
粒子形状において、好適な粒径は、問題となる生物活性ガラスの用途に関連しているが、しかしながら、好適な粒径の範囲は、1200ミクロン未満、好ましくは1〜1000ミクロン、より好ましくは50〜800ミクロン、さらに好ましくは100〜700ミクロンである。原則として、ゾルゲル法で作製したガラスの粒径は、溶融法で作製したガラスの粒径よりも小さい。必要とされる粒径の範囲は、ガラスの用途及び生物活性に関連している。例えば、複合物(コンポジット)用又は焼結生物活性ガラス用のフィラーは、45ミクロン又はそれ未満の粒径で提供される。コーティングに使用されるガラス粒子は、粒径が38ミクロン未満及び平均粒径が5〜6ミクロンで提供可能である。粉末などの粒子形状において、生物活性ガラスは、セメント、ペースト又はコンポジットに含まれてもよい。生物活性ガラスは、限定するものではないが、アクリル(acrylic)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリレート(Bis GMA)及びポリ乳酸を含む物質中に(例えば、フィラーとして)含まれてもよい。この生物活性ガラス粉末は、焼結され、生物活性コーティングを形成するか、足場として利用される多孔性固体を形成する。さらに、生物活性ガラスは、分解可能なポリマ足場に組み込むこともできる。生物活性ガラスは、顆粒形状でもよい。
本発明の第2の側面は、Sr及びSiO、選択的に、1又はそれ以上のNa、K、Ca、P、Mg、Zn、B又はF、を混合するステップを具える、本発明の生物活性ガラスの製造方法を提供する。本発明の生物活性ガラスの製造方法は、上述したように、当分野で周知の技術を用いて、メルトクエンチ法又はゾルゲル法でもよい。
本発明の第3の側面は、医薬用、好ましくは、組織損傷の予防及び/又は治療用の本発明の第1の側面の生物活性ガラスに関連している。
本発明の目的に関し、上記組織は、骨組織、柔組織を含む軟骨、ならびに、エナメル及び象牙質などの石灰化した歯の組織を含む歯の組織、であってもよい。
第3の側面の組織は、動物組織、より好ましくは哺乳類又はヒトの組織であってもよい。第3の側面の生物活性ガラスは、従って、ヒト、あるいは、犬、猫、馬、羊、牛又は豚などの動物用に提供されるのが好ましい。
本文全体に亘り、予防及び/又は治療は、あらゆる損傷またはあらゆる医学的疾患をいくらか和らげる効果を意味し、損傷自体の予防及び治療、ならびに、損傷の制御を含む。用語「治療」は、疾患、病気、シンドローム、症状、痛み又はこれらの1又はそれ以上の組み合わせの改善を意味する。用語「制御(control)」は、例えば、症状の改善を必要としないほどに病気の進行を停止することによって、症状が悪くなる、すんわち悪化するのを防ぐことを意味する。用語「防ぐ」は、症状が起きない、又は、症状の開始が遅れる、あるいは、始まった症状の重症度を低減することを意味する。
特に、用語「予防及び/又は治療」は、組織の修復及び/又は再構築を含む。本発明の目的に関して、用語「修復」は、例えば、生物学的プロセスのインビボ刺激によって、組織を正常状態に回復させることを意味する。用語「再構築」は、組織の再構築を意味し、足場(scaffold)、モデルなどの外部構成要素の組織に一時的又は永続的に組み込むことを含む。
第3の側面の生物活性ガラスは、組織への損傷を予防又は治療することを提供する。本発明の目的に関して、損傷は、機械的損傷でもよく、外来性因子によって生じたものでもよく、又は、内在的生物学的プロセスの結果であってもよい。機械的損傷の例は、外傷(trauma)、手術、加齢による摩耗などによって生じた損傷を含む。外来性因子によって生じた損傷の例は、薬物、毒、又は、例えば、透析関連のアミロイド症などの治療措置(化学療法又は放射線治療など)によって生じた損傷、例えば骨髄炎など、細菌、ウィルス又は真菌感染などの病気によって生じた損傷、骨形成不全及び低アルカリホスファターゼ症などの遺伝的症状、栄養失調、加齢に関する疾患、骨粗鬆症や骨肉腫及びユーイング肉腫を含む骨癌などの変性疾患又は症状、を含む。内在性生物学的プロセスの結果として生じた損傷は、自己免疫疾患を含む。
特に、組織に対する損傷は、変形性関節症、歯周病などによって生じたもの、又は、それらに由来するものであってもよい。
生物活性ガラスからSr2+の放出によって、それを必要とする領域に、ストロンチウムを局在化し、標的化して放出することが可能となる。このことは、生物活性ガラスが、例えば骨粗鬆症の骨の治療中に、HCA析出の局在化した上昇から利益をうけるような損傷組織に適用される場合に、特に有用である。この点に関し、本発明の生物活性ガラスは、ストロンチウムを具える経口投与された製薬的組成物よりも特に有益である。生物活性ガラスからのSr2+の放出速度は、生物活性ガラスの組成物又は表面積を調整することで制御可能である。溶融法で作製したガラス及びゾルゲル法で作製したガラスの両方が、Sr2+を局在化し、標的化した放出に使用可能である。
第3の側面の生物活性ガラスの提供によって、損傷組織の修復及び再構築が可能となる。特に、体液中の生物活性ガラスの出現によって、作用を必要とする部位でのHCA層が形成され、組織再生のインビボ機構が活性化されると考えられる。損傷組織への生物活性ガラスの適用によって、生物活性ガラス及び周囲環境でのHCA析出を刺激することが示唆される。第3の側面の生物活性ガラスは、従って、HCA析出の開始及び/又は刺激によって、損傷組織を修復させ、これによって、損傷組織の再生が開始及び/又は刺激される。
第3の側面の生物活性ガラスは、生物活性ガラスを組織に組み込まずに、組織修復を開始及び/又は刺激することによって、損傷を予防及び/又は治療することができる。代替としては、又は、これに加えて、生物活性ガラスは、組織に組み込まれることもでき、このように生物活性ガラスを組織に組み込むことによって、組織の再構築を可能にする。生物活性ガラスを組織に組み込むことは、永久的でも一過性であってもよい。この目的のために、第3の側面の生物活性ガラスは、プロテーゼなどのインプラントの生物活性コーティングを形成するために使用可能である。生物活性コーティングによって、インプラントと周囲組織との間にHCA層の形成が可能になり、周囲組織にインプラントを効率的に結合させることができる。代替としては、生物活性ガラス自体は、骨の代替物又は骨の自家移植片の伸長として使用可能である。
第3の生物活性ガラスは、骨形成を促進するために使用可能である。より好適には、生物活性ガラスは、アパタイト析出速度を増加させ、骨が形成されるように使用される。生物活性ガラスは、骨折などの破断の修復に使用可能である。特に、プレートスクリュー、ピン及びネイルなどの骨折固定具(Fracture Fixation Devices)として使用される。生物活性ガラスは、骨折部位及びその周囲でHCA析出及び骨形成を刺激する。
第3の側面の生物活性ガラスは、歯のキャビティの組織損傷を治療するために使用可能である。本発明の第3の側面の好適な特徴において、生物活性ガラスは、歯周病の治療用に使用される。特に、生物活性ガラスは、歯周病によって歯を支持する骨が崩壊してしまう部位で、HCA析出及び骨形成を促進するために使用される。生物活性ガラスは、さらに、歯のキャビティの予防又は治療に使用可能である。好適には、生物活性ガラスは、フィラーとして使用され、歯のキャビティを治療し、及び/又は、さらなる歯の劣化を予防する。生物活性ガラスの表面のHCA層の形成によって、生物活性ガラスと、エナメルや骨を含む石灰化した歯の組織と、の間に強い結合を形成可能である。生物活性ガラスは、唾液が体液の組成と同様のイオン性組成を有するので、歯の石灰化(ヒドロキシカルボネートアパタイトの析出)を更に促進するために使用可能である。生物活性ガラスは、アパタイト形成を促進して歯の石灰損失を阻ぐために、ビスグリシジルジメタクリレート及び関連する樹脂などの歯の組成のフィラーとして使用可能であり、これにより歯のカリエスを予防する。生物活性ガラスは、歯の知覚過敏を治療するのにも使用可能である。より好適には、生物活性ガラスは、HCA析出速度を増加させ、象牙細管が表面閉鎖されるように、使用可能である。例えば、このような生物活性ガラスは、練り歯磨き、デントリフィス(dentrifice)、チューインガム又は口内洗浄剤に組み込むことができる。
本発明の第3の好適な特徴において、生物活性ガラスは、椎骨形成法(vertebroplasty)又は亀脊形成法(kyphnoplasty)に使用される。生物活性ガラスは、ポリマ又はセメントに組み込まれ、最小の浸襲手術工程によって脊椎空間内に注入され、骨粗鬆症骨折や、骨粗鬆症に関連する脊椎崩壊を予防し、脊柱が湾曲するようになり、又は、椎骨までの高さを回復する。
生物活性ガラスを投与することで、生物活性ガラスの表面での物理化学反応に起因して、生物活性ガラスが反応する部位で、pHが上昇することになる。酸性条件下で繁殖する、ヒトの肌の表面でみつかる細菌は、生物活性ガラスによって生成されるアルカリ条件下によって阻害される。さらに、Sr2+は、限定するものではないが、Staphylococcus aureus、Streptococcus mutans及びActinomyces viscosusを含む細菌を阻害する。
本発明の第3の側面の好適な特徴部において、第3の側面の生物活性ガラスは、従って、組織損傷に関連した細菌感染の予防及び/又は治療に使用される。好ましくは、細菌感染は、Straphylococcus aureusによって生じたものである。
本発明の第4の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具えるコーティングを提供する。
金属及びTi6Al4Vなどの金属合金、クロムコバルト合金、プラスチック及びセラミック、などのインプラント材料の優れた機械的強度と、生物活性ガラスの生体適合性と、を組み合わせて、上記コーティングを、体内に挿入するインプラントをコーティングするために使用可能である。生物活性ガラスコーティングは、限定するものではないが、エナメル化又は光沢化(グレージング)、溶射、プラズマ溶射、溶融ガラス中での高速浸漬、ポリマ結合材を有する溶媒中のガラス粒子スラリへのディッピングを含む方法によって、金属インプラント表面に適用可能である。例えば、金属合金Ti6Al4Vを具えるプロテーゼは、ボンドコート層を適用して、又は、適用せずに、プラズマ溶射によって生物活性ガラスをコーティング可能である。
生物活性ガラスは、骨の内殖及び骨結合を支持できる、プロテーゼの表面のヒドロキシカルボネートアパタイト層の形成を可能にする。これによって、インプラント表面と隣接組織との間の境界結合の形成が可能となる。このプロテーゼは、骨、あるいは、臀部、あご、肩、肘又は膝プロテーゼなどの関節、を交換するために提供されるのが好ましい。提供される第4の側面のプロテーゼは、関節交換手術に使用可能である。本発明の第4の側面の生物活性コーティングは、全人口股関節置換手術(total hip arthroplasty)の大腿骨部材などの整形外科用部材、又は、骨折固定具のボーンスクリュー又はネイル、をコーティングするのに使用可能である。
マグネシウムイオン及び亜鉛イオンを本発明の生物活性ガラスに組み込むことで、熱膨張係数(TEC)を低下させ、これは、生物活性ガラスがコーティングとしての使用が意図される場合、有利である。マグネシウムイオン及び亜鉛イオンは、TECを上昇させるが、CaO又はSrOに置換される場合、低下させる。生物活性ガラスコーティングの熱膨張係数を低下する能力によって、コーティングの熱膨張係数を、プロテーゼの熱膨張係数に適合させることが可能となり、冷却中のコーティングのクラッキングが防止される。
従って、好ましくは、コーティングとして使用される生物活性ガラスは、マグネシウム及び亜鉛イオンを含む複数の成分を備える。複数成分の組成物は、混合エントロピーを増大させ、周知の結晶相の化学量論を避け、結晶化を生じさせずに焼結を促進する。最適な焼結温度は、加熱速度の範囲を超えて、示差走査熱分析を行うこと、及び、結晶化開始温度をゼロ加熱まで推定(extrapolating)することによって得られる。ガラス遷移温度と、推定された結晶化開始温度と、の温度差が大きくなるにつれ、プロセスウィンドウも大きくなる。
好ましくは、本発明の生物活性ガラスは、Ti6Al4V又はクロムコバルト合金用コーティングとして提供される。好ましくは、このコーティングは、結晶化開始温度以下の温度で合金に塗布(put down)される。好ましくは、コーティング用の生物活性ガラスは、フル密度で焼結され、生物活性を保持するために、優勢なQ珪酸塩構造を有する。
本発明のコーティングは、本発明の生物活性ガラスの1又はそれ以上の層を具えることができる。例えば、単一の層コーティング又は2層コーティングが提供される。1又はそれ以上の層のコーティングは、本発明の生物活性ガラスを具える。代替としては、コーティングは、2層又は複数層コーティングでもよく、ここで、少なくとも1つの層は、本発明の第1の側面のSr含有生物活性ガラスを具え、少なくとも1つの層は、Sr含有生物活性ガラスを具えなくてもよい。クロムコバルト合金を伴って使用される2層コーティングは、好ましくは、化学的に安定で非生物活性であるベース層と、本発明による生物活性ガラスを具える1又はそれ以上のトップ層と、を具える。
2層コーティングは、2層の生物活性ガラスを具える。例えば、生物活性がより低く、より化学的に安定なベース層と、生物活性がより高く化学的安定性の低いトップ層と、を提供することが好ましい。反応性の低いベース層が体内で長時間コーティングされていることを確実にする一方で、より反応性の高いトップ層によって、最適な生物活性が骨結合を促進する。両方の層が、本発明の生物活性ガラスを具えていてもよい。代替としては、2層は、ベース層が、例えば、ストロンチウムを具えない当分野で周知のガラスなど、反応性の低い生物活性ガラスを具え、さらに、トップ層が、反応性のより高い本発明の生物活性ガラスを具えるように、提供されてもよい。
2層コーティングは、イオンがプロテーゼから周囲の液体及び/又は組織に溶解するのを防ぐように提供可能である。クロムコバルトの2層コーティングが特に好ましいのは、コバルト、ニッケル及びクロムの酸化物が保護酸化物層からガラス内にたくさん溶解することが可能で、次いで、これらがガラスから放出可能であるからである。この理由のために、化学的に安定なベースコーティングガラス組成物が好適である。
単一層コーティングは、実験例6に記載されるプロセスを用いて製造可能である。2層コーティングは、例えば、実験例7及び8に記載されるように、2つのステッププロセスを用いて製造可能である。好ましくは、コーティングは、50〜300ミクロンの厚さである。
コーティングとして使用される生物活性ガラスは、約49〜50%のSiO、約0.5〜1.5%のP、約8〜30%のCaO、約8〜17%のSrO、約3〜7%のNaO、約3〜7%のKO、約3%のZnO、約7〜16%のMgO、約0〜6%のCaFである。より好ましくは、コーティングは、約50%のSiO、約1%のP、約9〜29%のCaO、約9〜16%のSrO、約3〜7%のNaO、約3〜7%のKO、約3%のZnO、約7〜16%のMgO、約0〜6%のCaFである。
本発明の第5の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える手術用デバイスを提供する。特に、手術用デバイスは、体内に挿入され、より好ましくは、組織損傷部位に挿入され、挿入は、永久的でも一過性でもよい。手術用デバイスは、組織損傷の予防及び/又は治療において使用される。
特に、第5の側面は、第1の側面の生物活性ガラスを具える生物活性多孔性足場を提供する。好ましくは、この生物活性多孔性足場は、組織エンジニアリングに使用される。組織培養液に暴露され細胞を播種するとき、多孔性足場は、骨組織のインビトロ合成に使用可能である。このような足場(scaffold)の生物活性特性によって、骨組織と足場との間に強い境界を形成し、骨芽細胞の増殖を誘導可能である。他の利用では、生物活性多孔性足場に形成された骨組織は、骨折の危険が上昇している領域、又は、骨組織形成能力が減少あるいは消失した領域内に、挿入可能である。特に、このような骨組織は、損傷した骨又は疾患にかかった骨を置換するために使用可能である。
本発明の第6の側面は、体臭の予防及び治療に使用される本発明の生物活性ガラスを提供する。より好適には、生物活性ガラスは、デオドラントとして、又は、デオドラント内に使用される。本発明の生物活性ガラスは、肌周辺のpHを上昇させ、Sr2+を放出し、pHの上昇及びSr2+の放出は、体臭生成に関連する細菌に対する抗菌作用を有するとされる。
本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える組成物を提供する。組成物は、組織損傷を予防及び/又は治療するように提供されるのが好ましい。
本発明の第7の側面は、生物活性ガラス粒子の形状で生物活性ガラスを具えることができる。この生物活性ガラス粒子は、単独で提供されてもよく、限定するものではないが、エリスロマイシン及びテトラサイクリンなどの抗生物質、アシクロビル及びガンシクロビルなど抗ウィルス剤、回復促進剤、コルチコステロイド及びヒドロコルチゾンなど抗炎症剤、免疫抑制剤、塩基性繊維芽細胞増殖因子などの増殖因子、血小板由来増殖因子、骨形成タンパク質、副甲状腺ホルモン、成長ホルモン及びインシュリン様増殖因子I、抗代謝剤、ゾレドロン酸など抗異化剤、ビスホスホネート、細胞接着分子、骨形成タンパク質、血管新生剤、抗凝固剤及びベンゾカインやリドカインなどの局部麻酔約、ペプチド、タンパク質、ポリマ又はポリサッカライド結合ペプチド、ポリマ又はポリサッカライド結合ペプチド又は調節ペプチドを含む追加材料と組み合わせて、提供されてもよい。
本発明の第7の側面の組成物は、生物活性ガラス繊維の形状の生物活性ガラスを具えることができる。このような生物活性ガラス遷移は、例えば、柔組織の修復を促進するために使用可能であり、ここで、柔組織は、例えば靱帯を具えてもよい。
本発明の第7の側面の組成物は、上述した追加材料から選択される治療因子の送達するビークルでもよい。
好適な特徴において、この組成物は、限定するものではないが、プロテーゼ用インプラント、ステント及びプレートを含むインプラントされる材料に組み込まれ、材料に抗菌特性及び抗炎症特性を付与する。
さらなる好適な特徴において、組成物は、例えば、肌移植の使用に関して、傷又は火傷を治療するための局所適用組成物を具えてもよく、ここで、この組成物は、ドナー組織の適用前に移植部位に適用されるか、ドナー組織自体に適用されるか、あるいは、手術部位での手術後の癒着、炎症及び感染を最小にするように手術部位に適用するために、手術に使用されてもよい。
好適な特徴において、組成物は、第1の側面の生物活性ガラスを具える骨セメントである。好ましくは、生物活性ガラスは、アクリル(acrylic)と組み合わせて提供される。好ましくは、骨セメントは、損傷した骨組織の修復及び再構築に使用される。より好ましくは、骨セメントは、インプラントを固定し、頭蓋骨手術の回復中に関節の人工部材をアンカリングし、椎骨を結合するために使用される。より好ましくは、骨セメントは、椎骨形成法で使用され、ここで、骨セメントは骨形成を促進する。好ましくは、骨セメントは、骨置換パーツの形態で使用される。骨置換パーツは、限定するものではないが、外耳の耳フレーム、中耳のきぬた骨(incus)、槌骨(malleus)及びあぶみ骨(stape)、頭蓋骨、喉頭及び硬口蓋を含む。骨置換パーツは、外科手術中に作製されても、工業的に予め製造されてもよい。骨セメントは、安定化剤、消毒剤、色素、X線造影剤及び他のフィラーを付加的に含んでもよい。
本発明の第7の側面は、付加的に又は代替的に、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える骨代替物を提供する。好ましくは、骨代替物は、損傷組織の予防及び/又は治療において使用され、より好ましくは、損傷組織の再構築に使用される。
本発明の第7の側面は、付加的に又は代替的に、第1の側面の生物活性ガラスを具えた、骨自家移植体を伸長するための多孔性骨組みを含む粉末又はモノリシック形状の材料を提供する。骨自家移植体は、患者から採った健康な骨を壊れた骨(骨折)又は骨のホール(欠損)の間又はその周囲の空間に置換することを含む。これは、移植用に入手可能な骨のストックの量に限界があるので、有利である。
本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える分解性ポリマ複合体(コンポジット)を提供する。好ましくは、生物活性ガラスは、分解性ポリマ複合体の製造において使用されるポリ乳酸と組み合わせて使用される。分解性ポリマ複合体は、破断の予防及び/又は治療、より好ましくは骨折の予防及び/又は治療に使用される。
本発明の生物活性ガラスは、分解性ポリエステルのフィラーとして提供可能である。特に、生物活性ガラスは、ポリ乳酸又はポリグリコリド、あるいはこれらのコポリマのフィラーとして提供可能である。従って、生物活性ガラスは、骨スクリュー、破断固定プレート、多孔性骨組み用の生物活性成分を提供する。本発明の生物活性ガラスの使用は、生物活性が、当分野で周知であるように、ポリエステルの特徴である自己触媒分解を防ぐので、分解性ポリエステル中のフィラーとしての使用に特に好ましい。エステルを加水分解するとアルコール及び酸が形成されるので、自己触媒分解が生じる。エステルの加水分解が、酸触媒されるとき、酸の生成は、ポジティブフィードバックを引き起こす。
代替として又は付加的に、本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える歯科用複合材料を提供する。好ましくは、この生物活性ガラスは、ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリレート(BisGMA)と組み合わせて提供される。第7の側面の歯科用複合材料は、損傷組織の予防及び/又は治療に提供され、ここで、損傷組織は、好ましくは、歯の組織、より好ましくは、エナメルや象牙質などの石灰化した歯の組織を具える。より好ましくは、第7の側面の歯科用複合材料は、歯のキャビティの予防及び/又は治療に提供される。好ましくは、歯科用複合材料は、歯のキャビティを満たすのに使用される。
本発明の第7の側面は、付加的に又は代替として、第1の側面の生物活性ガラスを具える練り歯磨きを提供する。好ましくは、練り歯磨きは、増加したヒドロキシカルボネートアパタイト析出を介して歯の石灰化を促進することによって虫歯を予防及び/又は治療する。好ましくは、練り歯磨きは、知覚過敏を治療又は予防する。より好ましくは、練り歯磨きは、ヒドロキシカルボネートアパタイトによって、象牙質細管を表面閉鎖する。
本発明の第7の側面は、付加的に又は代替的に、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具えるデオドラントを提供する。好ましくは、デオドラントは、体臭の予防及び治療に使用される。
本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える、インプラント材料及び/又は歯周病治療用材料を提供する。生物活性ガラスは、好ましくは、約46〜50%のSiO、約0.5〜1.5%(好ましくは約1%)のP、約0〜2%のB、約0〜23%のCaO、約0.5〜24%(好ましくは2〜24%)のSrO、約6〜27%(好ましくは7〜27%)のNaO、約0〜13%のKO、約0〜2%のZnO、約0〜2%のMgO、及び、約0〜7%のCaFを具える。
本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性を具える焼結した多孔性骨組みを提供する。この生物活性ガラスは、好ましくは、 約47〜50%のSiO、約0.5〜1.5%(好ましくは約1%)のP、約0〜2%のB、約8〜27%のCaO、約3〜15%のSrO、約5〜7%のNaO、約4〜7%のKO、約3%のZnO、約3%のMgO、及び、約0〜9%のCaFを具える。
本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える複合材料用フィラーを提供する。生物活性ガラスは、好ましくは、約50%のSiO、約0.5〜1.5%(好ましくは約1%)のP、約19〜22%のCaO、約19〜22%のSrO、約3〜7%のNaO、約0〜3%のKO、約0〜2%のZnO、約0〜2%のMgOを具える。
本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える歯科充填剤用のフィラーを提供する。この生物活性ガラスは、好ましくは、約50%のSiO、約0.5〜1.5%(好ましくは約1%)のP、約10%のCaO、約19%のSrO、約3%のNaO、約3%のKO、約2%のZnO、約2%のMgO、及び、約10%のCaFを具える。
本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具えるポリ酸セメントを提供する。生物活性ガラスは、好ましくは、約49〜54%のSiO、約0〜1.5%(好ましくは約1%)のP、約7〜10%のCaO、約8〜19%のSrO、約7%のNaO、約3%のZnO、約10〜20%のMgOを具える。
本発明の第7の側面は、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える練り歯磨き又はデオドラントを提供する。生物活性ガラスは、好ましくは、約50%のSiO、約0.5〜1.5%(好ましくは約1%)のP、約16〜20%のSrO、約26%のNaO、約3%のZnO、約0〜4%のCaFを具える。
代替としては、本発明の第7の側面が、本発明の第1の側面の生物活性ガラスを具える練り歯磨きを提供する場合、生物活性ガラスは、好ましくは、約50%のSiO、約0.5〜1.5%(好ましくは約1%)のP、約16%のSrO、約26%のNaO、約3%のZnO、約4%のCaFを具える。
本発明の第8の側面は、本発明の第1の側面に期待される生物活性ガラスを、組織損傷の予防及び/又は治療を必要としている患者に、投与するステップを具える組織損傷の予防及び/又は治療方法を提供する。好ましくは、組織は、骨、又は、エナメルや象牙質など石灰化した歯の組織を含む歯の組織を具える。より好ましくは、本発明は、骨折、歯のキャビティ、歯周病、知覚過敏の歯、及び/又は、脱塩(demineralised)した歯の治療を提供する。
本発明の生物活性ガラスは、従来の方法で投与してもよい。この生物活性ガラスは、局所的に投与できる。局所適用の例は、例えば、歯又は肌など身体へのクリーム、ローション、軟膏、粉末、ゲル、又はペーストの適用を含む。特に、生物活性ガラスは、虫歯、歯周病、知覚過敏などで苦しむ患者の歯に適用するための生物活性ガラスを具えた練り歯磨きとして提供可能である。
生物活性ガラスは、手術的に又は非経口的に投与できる。手術又は非経口投与の例は、デバイスの挿入によって、インジェクションによって、又は、インプラント、組織置換、組織再構築などの手術工程によって、生物活性ガラスを組織に投与することを含む。特に、生物活性ガラスは、骨折又は骨の損傷領域に導入可能である。
また、生物活性ガラスは、経口投与も可能である。経口投与に関して、組成物は、例えば、溶液、シロップ、懸濁液又はエマルジョン、タブレット、カプセル、及び、キャンディーなど、液体又は固体として製剤化可能である。経口投与又は非経口投与による生物活性ガラスの投与は、反応が必要とされる部位に生物活性ガラスを直接提供する。代替としては、生物活性ガラスは、例えば、体循環を用いることによって反応部位に送達可能である。生物活性ガラスは、例えば、消化管損傷の予防及び/治療を必要とする患者に、経口投与可能である。
本発明の側面の各々の好適な特徴の全ては、必要な変更を加えて他の全ての側面に適用される。
本発明は、様々な方法で実施することができ、多くの特定の実施例は、添付の図面を参照して本発明を例示するために、記載される。
図1は、480分間、SBFに浸漬後、表1(Srあり及びSrなしの生物活性ガラス)に記載されるガラス1及び7のX線回析パターンを示す。低い方のトレースがガラス1で、高い方のトレースがガラス7である。「*」がマークされたピークは、HCAに適合する回析線である。HCA形成は、ストロンチウム含有ガラスでより明確にみられる。さらに、ストロンチウム含有ガラスは、炭酸カルシウム(「+」でマークされたピーク)を引き起こし、SBF中のリン酸塩の全ては、HCA形成に使用される。 図2は、5つの異なるガラスサンプルに関して(表1に示されるように、例1、2、3、5及び7)(CaをSrで0、2.5、10、50及び100%置換に対応する)、5分及び480分後、0.075gのガラスサンプルから50mlトリス緩衝液(37℃でpH7.4)へのストロンチウム及びカルシウムの放出(ppm)を示す。 図3は、珪酸ネットワークの提案されたモデルを示す。 図4は、0、2.5%、10%、50%又は100%ストロンチウム(7日後の総タンパク質(mg)をノーマライズした、表1に示される例1、2、3、5及び7)を具える生物活性ガラスを用いて培養した細胞のホスファターゼ活性(pNp/分)を示す。 図5は、28日目での0、2.5%、10%、50%、又は、100%ストロンチウム(表1に示される例1、2、3、5及び7)を具える生物活性ガラスでの成長した細胞の石灰化を示す。 図6は、0〜480分の間、SBF中で培養した後、表1に示されるガラス7の一連のFTIRスペクトルを示す。最も低いトレースは、未反応のガラスを示し、図6で上に行くにしたがって、トレースは、5、15、30、60、120、240及び480分間、それぞれ反応させたガラスを示す。 図7は、0、0.1、0.3、1、5、7及び14日間、SBFで培養後、表1に示されるガラス12の一連のFTIRスペクトルが示される。 図8は、1、3、7及び14日間、SBFで培養した後、表1に示されるガラス29の一連のFTIRスペクトルを示す。 図9は、表4に示されるガラス43について実行されたトリス緩衝液溶解アッセイの結果を示す。 図10は、表4に示されるガラス43について実行されたSBF溶解アッセイの結果を示す。
本発明は、1又はそれ以上の以下の非限定的な実施例に関して、例示される。
実験例
ガラス特性を判定するために使用される試験は、以下の通りである。
以下に記載される実験例にわたり、モル比値は、当分野における標準的実施に従って計算した。
溶解実験
45μm未満のガラス粉末、0.075mgを、pH7.25で50mlの溶液(水、トリス緩衝液又はSBF)に浸漬し、特段の指定のない限り、5、15、30、60、120、240及び480分間、1Hzのオービタルシェーカに配置した。ろ過溶液を、次いで、誘導結合プラズマ(ICP)分光器で分析し、ケイ素、カルシウム、ナトリウム及びカリウム濃度を測定した。
トリス緩衝溶液の調製
トリス−ヒドロキシメチルアミノメタン緩衝液を作製するために、USBiomaterial社(SOP−006)の標準調製法を用いた。7.545gのTHAMを、約400mlの脱イオン水で充填したメスシリンダ(フラスコ)に移した。THAMを溶解した後、22.1mlの2N HCLをフラスコに加え、次いで、脱イオン水で1000mlとし、37℃でpH7.25に調節した。
疑似体液(SBF)の調製を、Kokubo,T et al.,J.Biomed. Mater.Res.,1990.24:p.721−734の方法に従って行った。
表Aに示される試薬を、順番に、脱イオン水に加え、1リットルのSBFを作製した。全ての試薬を、700mlの脱イオン水に溶解し、37℃に温めた。pHを測定し、塩酸を加えてpHを7.25にして、脱イオン水で1000mlまで体積を増やした。
Figure 2009539755
生物活性を測定するためのパウダーアッセイ
ガラス粉末を50mlのトリス緩衝溶液又はSBFに加え、37℃で撹拌した。一連の時間間隔で、サンプルを取り出し、イオン種の濃度を、周知の方法(例えば、Kokubo 1990)に従って、誘導結合プラズマ発光分析器を用いて測定した。
さらに、X線粉末回析及びフーリエ変換赤外線分光法(FTIR)で、HCA層の形成に関してガラス表面を観察する。X線回析パターンでの25.9、32.0、32.3、33.2、39.4及び46.9の2θ値で特徴付けられるヒドロキシカルボネートアパタイトピークの様相は、HCA層の形成を示唆する。これらの値は、格子(lattice)中の炭酸置換物及びSr置換物によって、ある程度シフトすることがある。P−Oベンド(bend)シグナルの出現は、FTIRスペクトルでの566及び598cm−1の波長でのHCA層の析出を示す。
実験例1:ストロンチウム含有ガラスの組成物
以下の表1は、多数の溶融法で作製した生物活性ガラス組成物を挙げ、これらのうちストロンチウムを具えるものは、本発明のガラスである。組成物の値はモル比である。
Figure 2009539755
Figure 2009539755
表1に示されるように、生物活性ガラスの組成物は、所定の用途の使用に特に適している。例えば、ガラス組成物12〜18、28〜34、ならびに、これらで、インプラント材料、歯周病治療、コーティング剤の形態で使用されるものは、プロセスウィンドウが大きいので、焼結して、繊維にドローイングするのに特に有用であることを発見した。
実験例2:粉末形状及びモノリシック形状の生物活性ガラス
表1のガラス5の調製:
石英状の59.35gのシリカ、3.04gの五酸化リン、23.08gの炭酸カルシウム、34.07gの炭酸ストロンチウム、55.93gの炭酸ナトリウムを混合し、白金るつぼ中に配置し、1390℃で1.5時間溶解し、次いで、脱塩水(demineralised)に注ぎ、顆粒状のガラスフリットを得た。このフリットを振動ミルのグラウンドで乾燥させ、粉末を得た。粉末は、45ミクロンメッシュの篩を介して篩分けした。45ミクロン未満の粉末を0.075g、50mlの疑似体液に移した。表面での炭酸カルシウムアパタイト(HCA)層の形成能力は、生物活性材料の認識されているテストである。ガラスは、X線粉末回析及びフーリエ変換赤外線分光法によって、6時間未満でその表面にHCAが形成されるのが観察された。
対応する合成方法を、表1に記載されるガラス1〜7の調製に実施し、これらのガラスに関する実験は、炭酸アパタイトの形成速度が、カルシウムの代わりにストロンチウムを増加するにつれ増加したことを示した。図1に示されるように、480分間SBFに浸漬した後のガラス1(Srなし)及びガラス7(Srあり)のX線回析パターンは、HCA形成が、ストロンチウム含有ガラスでより明確になることを示す。
SBF中のリン酸全てがHCA形成に使用されると、ストロンチウム含有ガラスは、炭酸カルシウムも析出する(「+」で表されるピーク)。
さらに、ガラス1、2、3、5及び7のトリス緩衝液溶解実験の結果は、図2に示される。さらに、図6は、0〜480分間、SBF中で培養した後のガラス7の一連のFTIRスペクトルを示す。最も低いトレースは、未反応のガラスを示し、図6を上がると、トレースは、それぞれ、5、15、30、60、120、240及び480分間、反応させたガラスを示す。所定時間に亘り、HCA層形成のP−Oベンドシグナルの様相が観察される。
実験例3:骨組み(Scaffold)
表1のガラス12の調製:
石英状の59.35gのシリカ、3.04gの五酸化リン、54.54gの炭酸カルシウム、8.86gの炭酸ストロンチウム、13.99gの炭酸ナトリウム、18.24gの炭酸カリウム、4.88gの酸化亜鉛、2.42gの酸化マグネシウムを混合し、白金るつぼに移し、1440℃で1.5時間溶融し、次いで、脱塩水に注ぎ、顆粒状のガラスフリットを得た。このガラスフリットを、振動ミルのグラウンドで乾燥させ、粉末を得た。この粉末を45ミクロンメッシュの篩を介して篩い分けした。次いで、粉末を、50体積%の約200ミクロン懸濁重合化ポリ(メタクリル酸メチル)粉末で混合し、プレスした。最終的なペレットを、3℃/分で700℃まで加熱して、10分間保持することによって、焼成(fire)させた。最終的な材料は、X線回析で試験するとアモルファス状であり、多孔質の相互結合固体からなっていた。ペレットは、疑似体液に配置した場合、3日以内でペレット表面にHCAが形成されたのが観察された。
このことは、0、0.1、0.3、1、5、7及び14日間、SBFで培養した後、ガラス12の一連のFTIRスペクトルが記載されている図7に示す。所定時間に亘り、HCA層形成を示すP−Oベンドシグナルの様相が観察された。
実験例4:生物活性ガラスのTECは、Ti6Al4V合金に適合する。
表1のガラス29の調製:
石英状の59.35gのシリカ、3.04gの五酸化リン、32.62gの炭酸カルシウム、48.15gの炭酸ストロンチウム、6.96gの炭酸ナトリウム、9.12gの炭酸カリウム、4.88gの酸化亜鉛、5.84gの酸化マグネシウムを混合し、白金るつぼに移し、1440℃で、1.5時間溶解し、次いで、脱塩水に注ぎ、顆粒状ガラスフリットを得た。このフリットを、次いで、振動ミルのグラウンドで乾燥させ、粉末を得た。この粉末は、45ミクロンメッシュ篩を介して篩い分けされる。次いで、Ti6Al4Vのコーティングは、アルコール中のガラス粉末を分散させ、上記金属に対して懸濁液をコーティングし、3℃/分の速度で加熱した880℃で、酸素のない環境下で焼成させ、15分間保持し、室温まで冷却した。このコーティングは、クラックがなく、金属に十分に結合していることがわかり、疑似体液中に置かれると、3日以内にその表面にHCAを形成することがわかった。
このことは、1、3、7及び14日間、SBFで培養した後、ガラス29の一連のFTIRスペクトルが記載されている図7に示されている。所定時間に亘り、HCA層形成を示すP−Oベンド(bend)シグナルの様相が観察される。
TECを決定するために、小さなフリットサンプルを、25mmロッド形状に鋳造し、ガラス遷移温度、軟化点、及びTECを、膨張計を用いて測定した。これらの値は、591℃、676℃及び11×10−6−1であることがわかった。
ネットワーク結合度の計算
ネットワーク結合度は、Hill、J.Mater.Sci.Letts.,15,1122−1125(1996)に記載される方法に従って計算可能であるが、リンは、別個のオルトリン酸塩相として存在すると考えられており、ガラスネットワークの一部ではない。
実験例5:細胞培養結果
表1のガラス1、2、3、5及び7を調製した。これらのガラスにおいて、0、2.5%、10%、50%、又は、100%のカルシウムが、ストロンチウムによって置換された。これは、以下の表2に記載される:
Figure 2009539755
細胞培養結果
SAOS−2細胞(骨肉腫細胞株由来骨芽細胞)を、10%FBS、1%L−グルタミン(2mM)、1%抗生物質/抗真菌物質を含むDMEM培地で培養し、アルカリホスファターゼ(ALP)活性、石灰化、細胞生存率(MTS)アッセイを決定するために、0%、2.5%、10%、50%、又は、100%ストロンチウムを含む本発明の生物活性ガラス、又は、コントロールの細胞株に、シーディングし(10,000細胞/cm)、細胞培養前に、37℃、5%の二酸化炭素中で、十分に添加されたDMEM培地で、生物活性ガラスを一晩培養した。
ALP活性の判定
生物活性ガラスを用いて7日間培養後、ALP活性は、Ball et al,Biomaterials,2001,22(4):337−347に記載されるように測定される。所定時間に亘り、ALP活性(mM)を、DCタンパク質アッセイ(Bio−Rad、英国)で測定する際にサンプル中のタンパク質、mgあたりで計算した。ストロンチウムなしと比べて、2.5%及び50%のストロンチウムを具える生物活性ガラスで培養するとき、骨芽細胞様細胞を観察して、より大幅にALPが生じた。ALP活性の増大は、骨芽細胞から成熟ミネラル化表現型への分化に関連している。
複合体フォーム足場上の骨芽細胞の石灰化
石灰化の活性部位を特定するために、テトラサイクリンラベルを、Holy et al,Biomed.Mater.Res.,2000,51(3):376−382に記載されるように適用した。SAOS細胞を、27日間、ストロンチウム含有生物活性ガラスで(上述のように)培養した。次いで、固定し、蛍光顕微鏡を用いて分析する前に、テトラサイクリン(1μM)を24時間加えた。石灰化の増大が、2.5%及び50%のストロンチウムを具える生物活性ガラスで観察された。このことは、生物活性ガラス組成物(2.5%及び50%)で観察されるアルカリフォスファターゼ活性の増大に一致する。
細胞生存率
MTT細胞生存率アッセイ(Gerlie et al,J.Immunol.Meth.94(1−2):57−63、1986、Sigma(cat.5655−500MG)から入手可能な試薬を用いる):チアゾイルブルーテトラゾリウム(Thiazolyl Blue Tetrazolium)臭化物)は、ストロンチウムを具える生物活性ガラスが細胞増殖をかなり刺激することを明らかにした。
実験例6:ゾルゲル法で作製したガラスの製造
実験工程
本発明によるガラスは、当分野で周知のゾルゲル技術で調製可能である。本発明によるガラスを形成するために、米国特許第5,074,916号に記載されている方法を修正し、この修正した方法を以下に記載する。
本発明のガラスは、ゾルゲル調製技術を用いて、リン酸塩含有ガラスであるアルコキシリン酸塩、好ましくは、トリエチルリン酸塩(「TEP」)及び硝酸ストロンチウム、選択的に硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、及び/又は、硝酸マグネシウムに関して、アルコキシシラン、好ましくは、テトラエチルオルトシラン(「TEOS」)から、調製可能である。以下の化合物を、ストロンチア−カルシア(calcia)−珪酸塩ゲルガラスの処理に使用した:TEOS、Si(OC、98%の硝酸ストロンチウム及び硝酸カルシウム4水化物、Ca(NO・4HO、ACS試薬。脱イオン(DI)水をpH5.5で簡易精製器から得て、硝酸を触媒として使用した。
2N HNOをDI水に加え、5分間ゆっくり撹拌した。次いで、TEOSを30分間かけて少量加えた。この混合物を1時間保持し、確実に加水分解及び凝縮工程を完了させた。次いで、硝酸ストロンチウム及び硝酸カルシウムを、この混合物に加え、溶解した。1時間後に流し込みと鋳造を行った。このソルを室温で調製し、ゲル化用のテフロン(登録商標)モールド内に鋳造した。
ウェットゲルのエージング及び乾燥の両方を、プログラム可能なオーブンで行った。ゲルのエージングは、60℃で72時間行った。これらのモールドを、ゲル化期間後、オーブンに移し、このオーブンを5℃/分の加熱速度で60℃まで加熱するようにプログラムした。ゲルの乾燥は、スクリューフタを緩めガスを気化させて、ゲルを以下の表3に記載の3段スケジュールでゲルを加熱することで、同一のジャー(jar)で行った。
Figure 2009539755
リン酸塩含有ガラスに対して、水とTEOS+TEPとのモル比(すなわち、HO/(TEOS+TEP)、以後「R比」とする)を、3〜10(好ましくは8)の間に維持し、完全な加水分解、合理的なゲル時間(1〜2日)、合理的なエージング及び乾燥時間(2〜4日)を行い、より高濃度のモノリシック形状のシリカ組成物調製すべきである。R比の範囲によって、コーティング(低いR比)、モノリシック形状の材料(中程度のR比)、及び粉末(高いR比)の調製が促進されることは周知である。
ガラス組成物(TEOS、硝酸及び水)を混合し、TEOS及び水は最初は混合しないが、10〜20分後、溶液は透明になる。
60分後、Pが組み込まれる場合、TEPを撹拌溶液に加える。硝酸ストロンチウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛及び/又は硝酸マグネシウムを、組み込む場合、さらに60分混合した後、加える。この期間の後、フッ素がゲルガラスに組み込まれる場合、アンモニウムフッ化物を加えることができる。
次いで、溶液をさらに1時間撹拌し、その後、20分間静止状態を維持した。この期間で、上記物質はソルに合体し、その後、鋳造用コンテナに入れられる。このコンテナは、テープでシールされ、ゲル化及び60℃で54時間のエージングのために、オーブンに移される。
次いで、サンプルをエージングチャンバから取り出し、取り外し可能なカバーを有するガラスコンテナに移し、このコンテナを乾燥用オーブンに入れた。このスケジュールを正確に実行することは粉末形成に重要ではないが、モノリシック形状の材料を生成するためには、乾燥スケジュールはきっちりと実行しなければならない。モノリシック形状の材料を生成することができる乾燥スケジュールの適宜な調節は、十分に当分野の当業者の範囲内である。
乾燥ゲルを、石英るつぼに移し、さらに、焼成(calcination)熱処理する。焼成を、乾燥窒素ガスがゆっくり流れる炉で行った。窒素を、HCAが形成し結晶化するのを避けるために用いるか、熱処理中にPフリーの組成物中に炭酸ストロンチウム/カルシウムを混合した。
ストロンチウムを含有する生物活性ガラス組成物が本発明によるガラスである、例示的なゾルゲル法で作製した生物活性ガラス組成物は、以下の表4に詳細に示される。
Figure 2009539755
表4に示されるガラス43及び44を、SBFアッセイを用いて生物活性を試験した。HCA層の形成を、8時間後、X線回析で観察した。混合Ca/Srガラス(ガラス44)は、ガラス43よりも高い生物活性があることを示し、よりたくさんアパタイトを生成した。表面の混合Ca/Srアパタイトの形成に起因して、X線回析により、2θ値が約32で、ダウンシフトしたダブレット回析ピークが観察された。
さらに、溶解実験をガラス43で行った。トリス緩衝液及びSBFの溶解アッセイの結果が、図9及び図10に示される。これらのアッセイは、極めて高速の反応速度を示し、ガラス表面の混合Ca/Srアパタイトの形成を支持し、これはX線回析データと一致する。
実験例7:単一層コーティングの生成
上記表1に示されるガラス28〜32を、メルトクエンチ技術を用いて調製した。平均粒径が5〜6ミクロンで、38ミクロン未満の粒径を有するように調製されたガラスを、重量比が1:10で、このガラスと、分子量が50,000〜100,000の1%ポリ(メチルメタクリレート)クロロホルムを混合することによって、Ti6Al4V合金シートでコーティングした(例えば、Ti6Al4V股関節(hip)インプラント用のモデルとして作用する)。この合金シート(プロテーゼの大腿骨ステム)を、クロロホルムガラス懸濁液に浸漬し、ゆっくり引き上げ、クロロホルムを蒸発させた。次いで、このシート(又はプロテーゼ)を、750℃まで2〜60℃/分で加熱し、30分間保持し、室温に冷却する前に、真空下で焼結させる。コーティングシートは、50〜300ミクロンの厚さの浸漬された領域の上に光沢のある生物活性コーティングを有する。疑似体液に移されると、コーティングは、3日以内で、ヒドロキシカルボネートアパタイト層の沈積が確認される。この技術を、Al及びジルコニアなど、他の合金及びセラミックに適用することができる。
実験例8:Ti6Al4Vの二層コーティングの生成
最適な生物活性は、骨結合を促進するのに必要とされる。しかしながら、体内で長期間経た後、Ti6Al4Vがコーティングされたままであることも望ましい。この理由に関しては、ベースガラス層の反応性が低く、トップコート層の反応性が高いことが望ましい。この文脈において、反応性の低いガラスは、生物活性がより低く、化学的安定性がより高く、反応性が高いガラスは、生物活性がより高く、化学的安定性がより低い。このようなコーティングは、以下にまとめた2ステッププロセスによって製造可能である。
平均粒径が5〜6ミクロンで粒径が38ミクロン未満の以下の表5から得られるガラス(本発明の生物活性ガラスではない)を、重量比が1:10で、このガラスと、50,000〜100,000分子量の1%ポリメチルメタクリレートを含むクロロホルムを混合することによって、Ti6Al4V合金でコーティングする。プロテーゼの大腿骨ステムを、クロロホルムガラス懸濁液中に浸漬し、ゆっくり引き上げ、クロロホルムを蒸発させた。
Figure 2009539755
このプロセスを、上記表1から得た第2のガラスを用いて繰り返した。次いで、このプロテーゼを、750℃まで、2〜60℃/分で加熱し、30分間保持し、室温まで冷却する前に、真空下で焼成させる。
コーティングされたプロテーゼは、50〜300ミクロンの厚さの浸漬領域の上に光沢のある生物活性コーティングを有する。
実験例9:クロムコバルト合金の二層コーティングの生成
クロムコバルトの二層コーティングは、コバルトニッケル及びクロムが、保護的酸下層から、ガラスから放出される可能があるガラスにたくさん溶解することができるので、特に望ましい。この理由に関して、化学的に安定なベースコーティングガラス組成物が好ましい。
平均粒径が5〜6ミクロンで、38ミクロン未満の粒径を有する、表6(本発明の生物活性ガラスではない)から得られるガラス組成物を、重量比1:10で、このガラスと、50,000〜100,000分子量の1%ポリメチルメタクリレートを含むクロロホルムと混合することによって、クロムコバルト合金股関節インプラントでコーティングする。プロテーゼの大腿骨ステムを、クロロホルムガラス懸濁液に浸漬し、ゆっくり引き上げ、クロロホルムを蒸発させた。
Figure 2009539755
次いで、このプロセスを、表7から得られる組成物を有する生物活性ガラスで繰り返した。
Figure 2009539755

Claims (19)

  1. SrSiO とを含む、溶融法で作製した生物活性ガラスであって、該ガラスが:
    40%ないし57%のモル比のSiO と;
    0.2%ないし45%のモル比のSrOと;
    0.5%ないし8%のモル比のP と;
    5%ないし30%のモル比のCaOと;
    0%ないし30%のモル比のNa Oと;
    0%ないし30%のモル比のK Oと;
    を含むことを特徴とする生物活性ガラス。
  2. 請求項1に記載の生物活性ガラスが、5%ないし28%の混合モル比のNa OとK Oとを含むことを特徴とする生物活性ガラス。
  3. 請求項1に記載の生物活性ガラスが、Na、K、Mg、Zn、B、F又はAgの1以上の供給源を更に含むことを特徴とする生物活性ガラス
  4. 請求項3に記載の生物活性ガラスにおいて、前記FがCaF 、SrF 、MgF 、NaF又はKFの1以上として提供され、CaF 、SrF 、MgF 、NaF及びKFの混合モル比が0%ないし50%であることを特徴とする生物活性ガラス。
  5. 請求項3又は4に記載の生物活性ガラスが:
    %ないし40%のモル比のMgO;
    %ないし10%のモル比のZnO;
    %ないし15%のモル比のB
    1以上含むことを特徴とする生物活性ガラス
  6. 請求項5に記載の生物活性グラスにおいて、該ガラスが:
    (a)約46%ないし50%のSiO と;
    約0.5%ないし1.5%のP と;
    約0%ないし2%のB と;
    5%ないし23%のCaOと;
    約0.5%ないし24%のSrOと;
    約6%ないし27%のNaと;
    約0%ないし13%のKと;
    約0%ないし2%のZnOと;
    約0%ないし2%のMgOと;
    約0%ないし7%のCaF
    を含むか、あるいは:
    (b)約49%ないし50%のSiO と;
    約0.5%ないし1.5%のP と;
    約8%ないし30%のCaOと;
    約8%ないし17%のSrOと;
    約3%ないし7%のNaと;
    約3%ないし7%のKと;
    約3%のZnOと;
    約7%ないし16%のMgOと;
    約0%ないし6%のCaF
    含むことを特徴とする生物活性グラス
  7. 請求項1ないし6のいずれに記載の生物活性ガラスにおいて、SiO、P 及びB 混合モル比が60%を超えず、かつあるいは、SrO、CaO、MgO、Na及びK混合モル比40%ないし60%であることを特徴とする生物活性ガラス
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の前記生物活性ガラスが、粒子形状であるか、繊維として提供されるか、あるいはディスク形状又はモノリシック形状の固体を含むことを特徴とする生物活性ガラス
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の生物活性ガラスの製造プロセスであって、Sr及びSiO、及び、選択的にNa、K、Ca、P、Mg、Zn、B、F又はAgの1以上を混合するステップを具えることを特徴とする製造プロセス
  10. 請求項1ないし8のいずれかに記載の生物活性ガラスが、組織の損傷の予防及び/又は治療に用いられるか、骨の代替物として用いられるか、骨の自家移植体の伸長に用いられるかあるいは歯周病、歯のキャビティ、脱塩化した歯、歯の知覚過敏、椎骨形成法、骨折の予防及び/又は治療のために用いられることを特徴とする生物活性ガラス
  11. 請求項10に記載の生物活性ガラスにおいて、前記組織が骨又は歯の組織であることを特徴とする生物活性ガラス。
  12. 請求項10又は11に記載の生物活性ガラスにおいて、前記予防及び/又は治療がヒドロキシカルボネートアパタイト析出の速度を増加させるステップを具えることを特徴とする生物活性ガラス。
  13. 請求項1ないし8のいずれか記載の生物活性ガラスを含むことを特徴とするインプラントコーティング。
  14. 請求項13に記載のコーティングにおいて、当該コーティングが2以上の層を具え、少なくとも1層が請求項1ないし8のいずれか記載の生物活性ガラスを含むことを特徴とするコーティング
  15. 請求項13又は14に記載のコーティングでコーティングすることを特徴とするインプラント。
  16. 請求項15に記載のインプラントが、関節置換手術に用いられることを特徴とするインプラント
  17. 請求項1ないし8のいずれか記載の生物活性ガラスを含むことを特徴とする組成物。
  18. 請求項17に記載の組成物が、組織損傷の予防及び/又は治療に用いられることを特徴とする組成物
  19. 請求項17又は18に記載の組成物において、当該組成物が骨セメント、歯科用複合材料、分解性ポリマ、生物活性多孔性足場練り歯磨き、デオドラント、骨代替物、粉末、生物活性ガラス充填したアクリル生物活性ガラス充填したポリ乳酸、生物活性ガラス充填したBis GMA若しくは歯科用複合材料、生物活性ガラス顆粒若しくは焼成した生物活性ガラス又はインプラントコーティングであることを特徴とする組成物
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