本発明の目的は、家禽の脚部または翼部を切り身にし、または骨を除去する装置であって、脚部または翼部の位置、特に骨除去中に係合している部分を保持可能な装置を提供することである。
本発明の目的は、肉がより多く得られる、家禽の脚部または翼部を切り身にし、または骨を除去する装置を提供することである。
本発明の第1の態様は、家禽の脚部または翼部を切り身にし、または骨を除去する装置であって、脚部または翼部の端部を位置合わせする第1のホルダ手段と、第1のホルダ手段と協働する第2のホルダ手段と、を備える第1のホルダを有し、第2のホルダ手段は、第1のホルダ手段に対して脚部または翼部の軸線方向に移動可能である、装置を提供する。第1のホルダ手段によって、切り身処理または骨除去処理の際に端部を位置決めすることが可能であり、上記協働によって位置合わせが処理中に維持される。さらに、軸線方向の移動によって、第1のホルダを小さい構造とすることができる。
さらに、本発明の他の態様は、家禽の脚部を切り身にし、または骨を除去する装置であって、脚部を処理経路に沿って動かす脚部用ホルダ組立体と、処理経路に沿って配置されたブレードと、を有し、ホルダ組立体は、脚部の両端部を保持する第1のホルダと第2のホルダとを有し、第1の及び第2のホルダは、脚部がブレードに沿って移動するときに脚部の骨の軸線を中心に脚部を回転させるようにされた装置を提供する。回転させることで、切り身処理または骨除去処理のために、脚部の筋肉や腱を全周にわたって切り離すことができる。構造が簡単な実施態様では、ホルダ組立体は、脚部がブレードに沿って移動するときに脚部の骨の軸線を中心に脚部を段階的に回転させるようにされている。段階的な回転によって、処理経路に沿った停止部分または段階的な動きを用いた簡単な回転ステップを行うことができる。
一実施態様では、第2のホルダ手段は、脚部または翼部の端部を第1のホルダ内に配置可能な非作動位置から、端部がホルダ内に収容されている作動位置へ、第1のホルダ手段に対して移動可能である。その場合、脚部または翼部は、処理の開始時または最後に配置することが可能で、その後の処理中には、脚部または翼部は同じ位置に保持される。
一実施態様では、骨を切り身処理または骨除去処理中に、第1のホルダ手段は脚部または翼部の端部を常に保持するようにされている。端部の位置を常に保持するため、脚部または翼部の全体を処理中に保持することができる。
第2のホルダ手段が前端部で第1のホルダ手段を脚部または翼部の方向に通過させるようにされている場合、第2のホルダ手段は、それ自体が処理中に補助部分または処理部分としての役割を果たすことができる。その結果、第2のホルダ手段は、保持に関して第1のホルダ手段と協働することに加えて、追加の機能を得る。一実施態様では、第2のホルダ手段は前端部で第1のホルダ手段を通過させた後も作動したままであるようにされている。
前端部が切断エッジを有している場合、前端部は特に切断ツールとして作動することができる。その一実施態様では、第2のホルダ手段は円柱ブレードを含んで形成されており、第1のホルダ手段の少なくとも一部分は円柱ブレード内に位置している。第1のホルダ手段は円柱ブレード内に位置しているため、脚部または翼部の端部を円柱ブレード内に案内し続け、それらを引っ張ることさえできる。その結果、円柱ブレードは保持している骨の肉を全周にわたって切断することができる。脚部または翼部は伸ばされたままにすることができる。
一実施態様では、第1の及び第2のホルダ手段は、脚部または翼部の端部を、脚部または翼部の径方向に関してぴったりと収容するようにされている。ぴったりとした収容によって、保持された端部の径方向への曲がり、つまり肘関節または膝関節の自然な方向への曲がりに対してさらに抵抗することができる。
第1のホルダ手段が、脚部または翼部の関節に隣接する狭い部分の周りに少なくとも部分的に係合する第1の把持手段と、脚部または翼部を第1のホルダ手段内に配置し、次いで狭い部分を把持手段に接触させる配置開口と、を有している場合、肉の使用可能な部分を、脚部または翼部の広い領域にわたって、切り身処理または骨除去処理のために露出させることができる。
一実施態様では、第1の把持手段は、脚部または翼部の関節に隣接する狭い部分にぴったりと嵌るように接触する、少なくとも1つの湾曲した第1の把持部材を有している。その結果、第2のホルダ手段が作動する前であっても、端部をある程度安定した状態で第1のホルダ内に配置することができる。
さらなる発展態様において、第1の把持手段は、脚部または翼部の関節に隣接する狭い部分に接触する、好ましくはU字型の、互いに対向する2つの第1の把持部材を有し、互いに対向する端部を備えた第1の把持部材は、関節に隣接する狭い部分に適合した大きさの配置開口の一部を定めている。
簡単な実施態様では、第1のホルダ手段は第1の中空円柱を有し、配置開口及び把持手段は、中空円柱の端部の円柱壁に設けられた凹部によって形成されている。
コンパクトな実施態様では、装置は、第1の中空円柱の周囲に、好ましくはぴったりと嵌るように配置されている円柱ブレードを有している。
装置が、第1のホルダに隣接する肉に係合し、その後前記第1のホルダから離れる方向に前記肉を剥ぎ取るようにされている第1の剥ぎ取り手段を有している場合、肉を脚部または翼部の骨に達する位置まで取り除くことができる。
一実施態様では、第1のホルダ手段は、骨除去処理中に、脚部または翼部の軸線方向に同じ高さに維持されている。
第1のホルダ及び/または第1のホルダ手段が、好ましくはくるぶし関節を上向きにして、脚部または翼部を鉛直に維持するようにされている場合、脚部または翼部を、外観を見ながら、たとえば手作業で第1のホルダ内に配置することができる。
さらなる発展態様において、本装置は第1のホルダの方向に肉を剥ぎ取るようにされている第2の剥ぎ取り手段を有し、第1及び第2の剥ぎ取り手段は、好ましくは、第1及び第2の剥ぎ取り手段の間で肉を圧縮し、または肉を押付け、その後肉を膝関節の位置で骨部分から剥ぎ取るようにされている。骨部分から剥ぎ取ることによって、しなやかな薄膜や脂肪組織部分を剥ぎ取り中に骨部分から剥がすことができる。肉を切断する円柱ブレードは、肉が押し付けられていると、より滑らかに動く。ブレードと共に回転する肉は、剥ぎ取り手段の間で押し付けることで抑えることができる。
一実施態様では、装置は第1の及び/または第2の剥ぎ取り手段の剥ぎ取り動作の後で、膝関節包に切り込みを入れるように処理経路に沿って配置されている膝関節包カッターを有している。膝関節包は、膝の上を延びており、部分的に腱からなる。膝関節包カッターは、腱が確実に切断されるように、例えば第2のホルダ手段の切断エッジを補完するように作動することができる。
一実施態様では、膝関節包カッターは肉保持部とブレードとを有し、第1の及び/または第2の剥ぎ取り手段と肉保持部との間にブレードの侵入空間を形成するように、肉保持部は、第1の及び/または第2の剥ぎ取り手段から剥ぎ取られた肉を局所的に保持するようにされている。肉保持部は、ブレードが周囲の肉を損傷させずに膝関節包だけに切り込むように、肉をブレードから遮断することができる。周囲の肉を間違った箇所で切断することは好ましくない。
一実施態様では、肉保持部はガイドエッジを備えた第1の肉案内面を有し、第1の肉案内面は、剥ぎ取られた肉を膝関節に向けて骨に対して動かすために、搬送方向に延びかつ骨の軸線に対して傾斜している。肉案内面は、剥ぎ取り後、剥ぎ取り方向に戻ってくる肉を保持することができ、肉が既に剥ぎ取られているためほとんど力を必要とせずに保持することができる。
第1の肉案内面が第1の及び/または第2の剥ぎ取り手段の剥ぎ取り面上でガイドエッジによって支持されるように配置されている場合、剥ぎ取られた肉を剥ぎ取り手段から第1の肉案内面へ円滑に搬送することができる。その場合、肉案内面がガイドエッジの幅方向にわたって、肉保持部の固定された支持部にヒンジ止めされていれば、肉案内面は、剥ぎ取り手段に従ってもよい。
一実施態様では、肉保持部は、実質的に搬送方向と平行に延びる第2の肉案内面を有し、第2の肉案内面は、剥ぎ取られた肉をブレードの周囲に案内するように、ブレードに近接配置されている。搬送方向と平行に延びる第2の肉案内面は、円形ブレードの形態であるブレードの平坦面を、肉にぶつからないように遮断することができる。
コンパクトな実施態様では、ブレードは、第1の及び/または第2の剥ぎ取り手段の剥ぎ取り面上を移動するように、剥ぎ取り面に近接してまたは接触して配置されている。
一実施態様では、膝関節包カッターは骨の一方の側から膝関節包に切り込むように配置されている。
別の態様では、本発明はさらに、家禽の脚部または翼部を切り身にし、または骨を除去する装置であって、脚部または翼部の端部用のホルダを有し、ホルダは脚部または翼部の端部用の通過開口が配置されているプレートを有し、通過開口は少なくとも部分的に半球形状である、装置を提供する。半球形状によって、内部に膝関節または肘関節を少なくとも部分的に収容するのに適したホルダとなり、その結果、ホルダの軸線方向への移動時または移動後に、脚部が通路にくっついたり、詰まることに対処することができる。
プレートが通過開口の方向に径方向を向いたスロットを有し、閉じ片がスロット内に収容されており、閉じ片がプレート及び通過開口に対して相補形状にされており、閉じ片がスロット内を通過開口に対して移動可能である場合、通過開口の大きさは、例えば通過開口を通して関節を配置することによって調整することができる。
一実施態様では、通過開口の内側は、切断エッジまたは掻き取りエッジによって少なくとも部分的に画定されており、切断エッジまたは掻き取りエッジは好ましくは、独立に配置可能なブレードの一部分を構成している。切断エッジまたは掻き取りエッジは、肉が骨から適切に離れることを保証し、外観上損傷がない肉を得ることができる。鈍くなった切断エッジまたは掻き取りエッジは、独立に配置可能なブレードを交換することによって、簡単に交換することができる。そのため、骨除去装置の他の部品は、永続的に使用することができる。
通過開口の最小寸法が、関節と膝関節の間の骨の部分よりも大きく、膝関節の大きさよりも小さい場合、通過開口の内側縁部を肉の剥ぎ取りに用いることができる。
装置が脚部または翼部の骨から全周にわたって肉を切り離す円柱ブレードを有し、円柱ブレードがプレートと接触して肉を切断するように配置されている場合、例えば剥ぎ取られた肉の部分を骨の部分から分離することができる。その一実施態様では、円柱ブレードの直径は通過開口の最大直径よりも大きい。
本発明の他の態様は、家禽の部位を処理する装置、特に脚部または翼部を切り身にし、または骨を除去する装置であって、処理経路に沿って吊り下げられている円形ブレードを有し、円形ブレードは、円形ブレード用の駆動軸から一定距離だけ離れかつ駆動軸と平行に配置されている被駆動軸に取り付けられており、駆動軸と被駆動軸とは回転可能に連結旋回アームに接続され、かつ互いに駆動伝達部に接続されており、駆動伝達部内の摩擦によって、旋回アームを押し、それによって円形ブレードを処理経路の方向に押す位置合わせ力が発生する、装置を提供する。圧縮ばねなどの、円柱ブレード用の追加の圧縮手段または配置手段は、この吊り下げ装置では不必要であろう。
本発明を、添付の図面に示す多くの例示的な実施態様に基づいて説明する。
図1A,1Bに示す本発明の一実施形態に係る骨除去装置1は、複数の脚6上に配置され、上側と下側にエンドレス循環チェーンコンベヤ5を備えるフレーム2を有している。無端循環チェーンコンベヤ5のチェーンホイール(不図示)は、複数の鉛直軸3によって同期駆動されている。骨除去装置1は、搬送方向Aに水平方向搬送トラックに沿って搬送するためのチェーンコンベヤ5に取り付けられた、数個の骨除去ユニット50を有している。図1Aは、複数の骨除去装置50のうち、1つだけを示している。
搬送トラックに沿って、湾曲経路4a〜4dが、骨除去ユニット50の動作のために内側に配置され、横長のカッター130が外側に配置されている。骨除去装置の外側には、好ましくは膝関節包カッター300が対向配置されている。コンベヤトラックは、搬送方向Aに見て順次、取付区間81、収容ないし把持区間82、横方向切断区間83、及び係合区間84を、反対側には剥ぎ取り区間85、全周切断区間86、解放区間87、及び復帰区間88を有している。他の実施形態では、作業員が様々な一連の処理ステップ全体を常に監視できるように、取付区間81、収容ないし把持区間82、横断方向切断区間83、係合区間84、剥ぎ取り区間85、及び全周切断区間86が機械の同じ側を延びている。
図2A,2Bに示す骨除去ユニット50は、チェーンに取り付けられた2つの鉛直ガイド52と、ガイド52に固定された上部支持部51と、上部支持部51に取り付けられたくるぶし関節ホルダ60と、全周カッター70と、剥ぎ取り器150と、腰関節ホルダ90と、を有している。
腰関節ホルダ90(第2のホルダ)の一部は図3A〜3Dにも示している。腰関節ホルダ90は、作動ローラ95によってガイドバー52に沿って鉛直方向に可動なキャリッジ94と、キャリッジ94に取り付けられた水平支持部92と、支持部92内に回転可能に軸受支持された鉛直軸99を備える金属ベース98と、方向Kへベースを回転させる(図8F参照)軸99に取り付けられた回転ブロック93と、を有している。合成材料からなる支持ブロック100がベース98上に取り付けられている。支持ブロック100は水平方向に延びる複数の平行な通路を有し、合成材料からなるスライドブロック103の金属ガイド104が摺動可能に通路内に収容されている。合成材料からなる取り付けプレート110が載置された金属支持プレート117がスライドブロック103に取り付けられている。合成材料からなる取り付けプレート110は、支持ブロック100上に設けられた金属支持プレート118の上に支持されている。取り付けプレート110は、合成材料からなり相補形状の細長い閉じ片109を受け入れる、摺動方向Zに延びるスロット121を有している。閉じ片109は、支持プレート118の細長い隆起部119に取り付けられている。取り付けプレート110と閉じ片109には、協働して半球状凹部を形成する凹部91が形成されており、凹部は中央部で、軸99と同一直線上にある貫通開口108となっている。支持プレート117,118には、凹部91の下側で内側に突き出している刃先、つまり掻き取りエッジ116,167が備えられている。
腰関節ホルダ90と高さが固定されたくるぶし関節ホルダ60との間の距離を様々な鶏の脚200に応じて調整するために、腰関節ホルダ90の作動ローラ95用の湾曲経路4Dは、その高さが完全に調整可能であることが好ましい。
ベース98は、摺動ブロック103の下方の第2のヒンジアーム101にヒンジ112によって接続された第1のヒンジアーム120を有している。第1のヒンジアーム120は、ヒンジ112から離れた位置に設けられた作動ローラ111を有している。スライドブロック103は、引きばね141によって支持ブロック100の方にあらかじめ偏位されている。図3A,3Bに示すように、2つのヒンジアーム101,120は、開位置では、互いに直線状となってストッパ114に当たった安定状態にある。ローラ111を作動させ、第1のヒンジアーム120を方向Jに上向きに動かすと、ヒンジアーム101,120は、図3Cに示すように内側に折れ曲がり、それによって、腰関節ホルダ90は図3Dに示すように、強制的に閉位置となる。こうして、取り付けプレート110は閉じ片109を、方向Zにスロット121内により深く、ぴったりと収容する。
図4A,4Bに示すように、くるぶし関節ホルダ60は、鉛直方向に設けられ上部支持部51内に回転可能に軸受支持された、中空の金属チューブ69を有している。チューブ69の下端部には、壁に凹部62が形成されている。この凹部62は、チューブ69の直径の半分に等しい深さを持つ直線部分66につながる傾斜部分65を有している。この凹部62によって、2つの水平方向に延びる取付爪63(第1のホルダの第1のホルダ手段)が下側に形成されている。取付爪63の内側は面取り64されている。取付爪63はU字形状をなしており、鶏の脚のくるぶし関節に隣接する狭い部分が自由に通過できるように、両端部の位置に通過開口67が維持されている。取付爪63はC字形状であってもよい。凹部62の高さは、鶏の脚のくるぶし関節の大きさよりも高い。チューブ69の上端部には、腰関節ホルダ90の回転ブロック93に対応する回転ブロック61が、鉛直軸線を中心に方向Bにチューブ69を回転させるように取り付けられている。
図4A,4Bに示すように、円形カッター70は、ガイド52の周囲を鉛直方向Cに摺動可能なキャリッジ73と、キャリッジ73を摺動させる作動ローラ79と、キャリッジ73に取り付けられた支持部72と、支持部72内に軸受によって回転可能に取り付けられている円柱ブレード71(第1のホルダの第2のホルダ手段)と、を有している。円柱ブレード71は、くるぶし関節ホルダ60のチューブ69の周囲に配置されている。円柱ブレード71は腰関節ホルダ90に面している側に円状の均等な切断エッジ74を有している。切断エッジ74は、円柱ブレード71を全周にわたって外側から斜めに鋭利化することによって形成されている。あるいは、切断エッジ74は全周にわたって内側から鋭利化されてもよい。円柱ブレード71の直径は、取り付けプレート110内の半球形状凹部91の上縁部より大きい。円柱ブレード71は、その上部に、コンベアトラックに沿って固定配置されている歯車ラック(不図示)と係合可能な歯車75を有しており、円柱ブレード71は鉛直軸線を中心に方向Dに回転することができる。
剥ぎ取り器150は図5A,5Bに示すように、鉛直方向Eにガイドバー52に沿って摺動可能なキャリッジ151と、キャリッジ151の摺動用の第1の作動ローラ159と、キャリッジ151に取り付けられた支持部152と、支持部152の端部の下方で共通のヒンジ153を中心に水平面内でヒンジ運動可能な2つの板状の剥ぎ取り爪154と、を有している。各剥ぎ取り爪154は、共通のヒンジ153から離れた位置に作動アーム156用のヒンジ155を有しており、2つの作動アーム156は、支持部152に沿って水平方向に可動な中央作動アーム157のヒンジ点140で連結されている。この作動アーム157は、第2の作動ローラ158を備える移動機構161によって水平方向に移動可能であって、作動ローラ158の方向F(図2Bを参照)への上向きの動きによって、剥ぎ取り爪154が図5Aの開位置から図5Bの閉位置へ互いに向けて動く。剥ぎ取り爪154の両端部は、鉛直方向の剥ぎ取り力によって鉛直方向に互いに離れる方向に動く剥ぎ取り爪154に抵抗するように、閉位置で両端部プレート164が互い違いとなるように形状が設定されている。剥ぎ取り爪154は、端部プレート164の後ろに、仕上げ処理された内側エッジを備えた半円形の凹部160を有している。
図6A,6Bは横長のカッター130の一部を示している。横長のカッター130は水平方向のビーム139を有し、ビーム139には全部で4つの鉛直駆動軸134が取り付けられている。駆動軸134は、その上部に、ベルト138と接触している第1のプーリー137を備えており、ベルト138は、電気モータ(不図示)によって4つの駆動軸134を同じ方向に回転させる。4つの駆動軸134は、その下部で、旋回アーム132に軸受支持されており、旋回アーム132の上方には第2のプーリー135が駆動軸134の周りに配置されている。駆動軸134と平行にかつ駆動軸134から離れた位置に設けられた第2の軸が旋回アーム132内に軸受支持されており、この第2の軸は、その上側に第3プーリー133を、その下側に水平方向に配置された円形ブレード140を備えている。合成材料からなるベルト136が第2のプーリー135及び第3プーリー133の周りに配置されている。円形ブレード140は、駆動軸134の方向Sへの回転によって、同じ方向Sに回転し、同時に、ベルト136のまたはベルト136内の摩擦、及び/または、旋回アーム134内の軸受の構成によって、コンベアトラックの方向に動かされる。コンベアトラックを向いた駆動力は、例えば切断の結果減速した後の(再度の)加速時に、円形ブレード140の質量慣性によっても発生することがある。
膝関節包カッター300は、図7A,7Bに示すように、膝関節202の位置にある膝蓋骨(詳細には示していない)を覆う膝関節包210に切り込みを入れ、または切断することを目的としている。膝関節包は、大腿の位置で筋肉組織に変化する数個の腱からなる。
膝関節包カッター300は、鉛直のU字型部302に接続された取り付け部分301と、U字型部302の端部に設けられた水平支持部303と、合成材料からなる掻き取りエッジ340を備えた細長い第1の板状持ち上げトラック306と、下側で第2の持ち上げトラック305に接続されており、上側で支持部303を貫通して延びている2つの鉛直バー304と、を有している。第1の板状持ち上げトラック306は、水平に延びる細長い第2の板状持ち上げトラック305とヒンジ接続されている。鉛直バー304は、上側で、中間片311によって水平バー309に接続されている。
鉛直バー308が、水平バー309の端部を貫通して延びている。鉛直バー308の上部には、水平バー309に載置された停止部310が設けられており、下部はヒンジ307によって第1の持ち上げトラック305に接続されている。第1の持ち上げトラック306と第2の持ち上げトラック305との間の角度は、停止部310を鉛直バー308に沿って摺動させることによって調整可能であり、その結果、鉛直バー308の位置を方向W2に調整することができる。停止部310によって、第1の持ち上げトラック306の端部を、方向Xに上向きに動かすことができる。第1の持ち上げトラック306及び第2の持ち上げトラック305の鉛直方向W1の高さは、鉛直バー304を摺動させることによって同時に調整可能である。鉛直バー304は、調整ねじ305によって水平支持部303内に固定される。
膝関節包カッター300は、第2の持ち上げトラック305の下に位置している水平円形ブレード319を有している。円形ブレード319は、旋回アーム321内に軸受支持された鉛直軸320に取り付けられている。鉛直駆動軸322が旋回アーム321内に軸受支持されており、伝達部326によって電気モータ324に接続されている。軸320,322にはプーリー323,325が設けられている。合成材料からなるベルト136がプーリー323,325の周りに配置されている。円形ブレード319は、駆動軸322の方向Uへの回転によって、同じ方向Uに回転し、同時に、ベルト136またはベルト136内の摩擦、及び/または、旋回アーム321内の軸受の構成によって、コンベアトラックの方向に動かされる。そして、円形ブレード319の切断エッジ318が第2の持ち上げトラック305から鉛直方向に突き出ている。コンベアトラックを向いた駆動力は、例えば切断の結果減速した後の(再度の)加速時に、円形ブレード319の質量慣性によっても発生することがある。骨除去装置1による鶏の脚の骨除去処理を図8A〜8Lに示す。この処理で、鶏の脚の大腿骨と下腿骨とが、つまり脚全体の骨が除去される。あらかじめ、この鶏の脚の肉には、長さ方向に骨まで内部に切り込みが入れられており、その結果、肉は処理後に概ね正方形の外形となる。
処理が開始されると、骨除去ユニット50は、図8Aに示すように、搬送方向Aに取付区間81に沿って移動し、取付区間内81で腰関節ホルダ90が開かれる。円柱ブレード71はチューブ69の凹部62の上方にあり、剥ぎ取り爪154は円柱ブレード71の切断エッジ74の上方で開位置にある。鶏の脚200はここでは傾斜姿勢となり、腰関節205を斜め下向きにして、方向Nの向きで腰関節ホルダ90まで動かされる。その後、図8Bに示すように、取り付けプレート110内の開口108の背後で腰関節205が方向Pの向きに引っ掛けられ、その後、鶏の脚200は方向Qの向きに立てられ、くるぶし関節ホルダ60の取付爪63の前面に来る。その後、膝関節202を伸ばすように鶏の脚200がわずかに上向きに引かれる。これによって、図8Cに示すように、くるぶし関節208を方向Rに向けて凹部62に配置することができる。鶏の脚200を解放することによって、図8Dに示すように、くるぶし関節208が落下し、取付爪63に当たる。膝関節202は、開いたままの取り付けプレート110内の形態的に閉じた収容によって、伸びたままである。通過開口108を通り搬送方向Aを横切る概念的な鉛直平面内に関する対称性によって、骨除去ユニット50は、左右の両方の脚に適している。このとき、膝関節包210は、膝関節202のガイド52の反対側にある。
その後、骨除去ユニット50は把持区間82に沿って移動する。円柱ブレード71は、湾曲経路4a〜4dに沿ってチューブ69上を下向きに移動し、取付爪63は円柱ブレード71内に収容される。その結果、くるぶし関節108は、円柱ブレード71内の取付爪63の背後に収容される。この区間では、取り付けプレート110が閉じ片109に向かって移動し、その結果、腰関節205は取り付けプレート110及び閉じ片109の下側に収容される。その後、腰関節ホルダ90が数センチメートル下降し、その結果、膝関節202がさらに伸ばされる。
把持後、横方向切断区間83を通る。ここでは、図8Eに示すように、骨除去ユニット50は円形ブレード140に沿って移動する。円形ブレード140は、ここでは、搬送方向Aとは逆の方向Sに刃先が回転する。円形ブレード140は、くるぶし関節208の背後にある腱及び筋肉を骨まで切り込むように配置されている。円形ブレード140は弾性的に懸架されており、わずかな押付け力しかかからないため、骨には円形ブレード140の刃先が軽く接触するだけである。図8Fに示すように、回転ブロック61,93が、コンベアトラックに沿った静止歯8によって方向B,Kとに1/4ずつ回転し、その結果、骨の周囲が1回で1/4以上切断される。
横方向の切断後に、骨除去ユニット50は係合区間84を通る。係合区間84では、図8Gに示すように、開位置にある剥ぎ取り爪154を、くるぶし関節208の下の横方向切断部の高さまで、下向きに方向Eに動かす。その後、剥ぎ取り爪154を閉じ、処理された刃先160を骨に接触させる。
続く剥ぎ取り区間85では、図8Hに示すように、剥ぎ取り爪154が方向Eに向かってさらに下方に動かされ、取り付けプレート110が方向Gに向かって上方に動かされる。円柱ブレード71は、剥ぎ取り爪154に続いて方向Cに向かって短い距離を動く。剥ぎ取り爪154と取り付けプレート110の相互移動によって、肉がくるぶし関節108と、腰関節205とから膝関節202に向けて剥ぎ取られ、腰関節205は腰関節ホルダ90内に開口108を通してより深く収容され、くるぶし関節208は取付爪63の背後に収容されたままである。その後、図8Jに示すように、肉が剥ぎ取り爪154によって取り付けプレート110に押し付けられ、骨から離される。剥ぎ取り区間85の最後で剥ぎ取り爪154が開き、その後、図8Kに示すように、円柱ブレード71は剥ぎ取り爪154の間を通って、取り付けプレート110と閉じ片109とに強制的に押し付けられる。このとき、膝関節202は取り付けプレート110と閉じ片109の中の半球状凹部91内に位置している。押し付けたときに肉が引っ張られるため、円柱ブレード71による全周にわたる切断は円滑に進む。回転する円柱ブレード71に沿った肉の回転は、剥ぎ取り爪154の保持力によって防止される。剥ぎ取り爪154は円柱ブレード71の通過の際に開くため、引っ張られている肉は円柱ブレード71の経路から引き離される。
その後、円柱ブレード71は、コンベアトラックに沿った静止歯車ラック(詳細には示していない)上の歯車75との係合によって、全周切断区間86の間に方向Dに回転し、その結果、膝関節202の周りの最後に残った肉片が切り離される。
その後の解放区間87で、円柱ブレード71と剥ぎ取り爪とが初期位置まで引き上げられる。腰関節ホルダ90が開き、引き下げられ、その結果、つながったままの2つの骨が肉の上方でくるぶし関節ホルダ60によって保持される。これを図8Lに示す。その後、コンベアトラックに沿って配置されている弾性スライダ180が肉を腰関節ホルダ90から掻き出し、骨はスライダ180上の2つの直立した弾性フラップ181の間の開口182を通過することができる。スライダ180の背後には、収容方向とは反対方向にくるぶし関節をくるぶし関節ホルダ60から押し出す、横長の静止バー(不図示)が配置されている。
図8M〜8Qは、骨除去装置1の、膝関節包カッター300が使用された代替構成の剥ぎ取り区間85′及び全周切断区間86′を示している。代替構成の剥ぎ取り区間85’は、剥ぎ取り爪154が図8Gに示すように閉じた後で開始される。円形カッター70、剥ぎ取り器150、及び腰関節ホルダ90の鉛直方向の移動は、局部的にその目的に適応している湾曲経路4によって制御される。
代替構成の剥ぎ取り区間85′では、図8Mに示すように、剥ぎ取り爪154が方向Eにさらに下降し、取り付けプレート110が方向Gに上昇する。剥ぎ取り爪154と取り付けプレート110との相互移動によって、肉がくるぶし関節108及び腰関節205から膝関節202に向けて剥ぎ取られ、腰関節205は腰関節ホルダ90内に開口108を通してより深く収容され、くるぶし関節208は取付爪63の背後に収容されたままである。そして、図8Nに示すように、肉は剥ぎ取り爪154によって取り付けプレート110に押し付けられ、両方の骨から剥ぎ取られる。
図8Pに示すように、剥ぎ取り爪154は代替構成の剥ぎ取り区間85′の最後で開き、開位置で方向Mに上向きに戻る。同図に示すように、高さ方向にほぼ半分の位置にある剥ぎ取り爪154と、取り付けプレート110と、取付爪63は静止している。剥ぎ取り爪154はこのように肉から離れている。剥ぎ取り爪154が方向Mに上昇すると同時に、くるぶし関節ホルダ90は方向Lに再度下降し、その結果、膝関節200は取り付けプレート110の十分に上方で、くるぶし関節ホルダ60によって再び保持される。
図8Pに示す下方の腰関節ホルダ90の位置は、その後の代替構成の全周切断区間86′で、取り付けプレート110が膝関節包カッター300の下向きに傾斜して吊り下げられている第1の持ち上げトラック306の自由な掻き取りエッジ340の下になるのに十分である。図8P,8Qに示すように、腰関節ホルダ90は、取り付けプレート110が搬送方向Aに動いて掻き取りエッジ340の下に達すると、方向Tに上昇する。骨除去ユニット50が方向Aに連続的に移動しながら、膝関節包カッター140側の肉の部分が方向Vに第1の持ち上げトラック306上を滑る。その結果、この肉の部分は取り付けプレート110の上に保持され、骨に付いたままの膝関節包210に、腰関節ホルダ90の上面で水平方向に、自由に接近することができるようになる。この肉の部分が第1の持ち上げトラック306上を上昇している間、剥ぎ取り爪154は、くるぶし関節208の位置をくるぶし関節ホルダ60内に保持するために短時間閉じられる。
腰関節ホルダ90の方向Tへの上昇は、図8Qに示すように、取り付けプレート110が鉛直方向にわずかな隙間を残して円形ブレード319の下に達するまで続く。このとき、第1の持ち上げトラック306は、第2の持ち上げトラック305と一直線かつ実質的に水平になっており、膝関節202は取り付けプレート110の上面の上方に吊り下げられている。骨除去ユニット50の方向Aへの移動によって、円形ブレード319は取り付けプレート110上方すれすれの高さを移動し、膝関節202の下の膝関節包210を切断する。円形ブレード319は、骨との接触中に、膝関節包210と膝関節包210の下にある骨に方向Uへのわずかな圧力を作用させながら往復運動をする。
肉が第2の持ち上げトラック305上を滑り出すとすぐに、円柱ブレード71が下降し、切断エッジ74がその少し前に再び開いた剥ぎ取り爪154を最終的に通過する。円形ブレード319が膝関節包210とその位置にある骨から離れた直後に、円柱ブレード71と剥ぎ取り爪154とが共にそれぞれ方向CとEに下降し、その結果、剥ぎ取り爪154が肉に拘束力を及ぼし、円柱ブレード71が取り付けプレート110に接触する。前述のように、そして図8Kに示すように、円柱ブレードは方向Dに回転し、膝関節202の周りの最後の肉片を全周にわたって切り離す。その後、前述のように解放区間87を通過する。
図9A,9Bは骨除去ユニット50の代替構成の腰関節ホルダ90′を示している。対応する部分にはダッシュの付いた参照番号を付している。
代替構成の腰関節ホルダ90′の金属ベース98′には、その下側に、2つのローラ171がキャリッジ94の反対方向を向いて設けられており、ローラは搬送方向に互いに隣接して配置されている。搬送中は、2つのローラは搬送方向Aに延びている支持ストリップ163に接触して回転することが可能である。このストリップはフレーム2に固定されており、その結果、フレームは、円柱ブレード71が切断力を取り付けプレート110に作用させている間に、水平方向支持部92の外側へのたわみ及び膨張に抵抗することができる。
腰関節ホルダ90′はキャリッジ94′上にガイド128を有しており、このガイドを通して押付けバー126が延びている。押付けバー126は、端部にCブラケット129を有しており、Cブラケット129は、ベース98の回転を阻止するように、圧縮ばね161によってベース98の凸状の壁169の1つに押し付けられて保持されている。押付けバー126は、Cブラケット129の反対側のフレーム2の位置で支持ストリップ164に当たって回転可能なローラ127を有しており、これによって押付けバー126、したがってCブラケットは凸壁から離れ、ベース98′が例えば横断切断区間83で一時的に回転することができる。
腰関節ホルダ90′は、支持ブロック100′上の金属支持プレート118′に支持される、合成材料からなる取り付けプレート110′を有している。取り付けプレート110′の下側のスリット形状の凹部内には、交換可能な長いブレード166が固くねじ止めされている。ブレード166は、切断エッジつまり掻き取りエッジ116′が形成されているテーパー状の端部を有している。金属支持プレート118′上には、合成材料からなる閉じ片109′を上部に備えた交換可能な長いブレード170も固くねじ止めされている。このブレードの切断エッジつまり掻き取りエッジ167′は閉じ片91′から突き出ている。
腰関節ホルダ90′は、摺動ブロック103′とベース98′のブラケット125とに取り付けられている引きばね141′を両側に有している。引きばね141′はガイド104′と平行に延びており、ガイド104′を通る水平面内に位置している。引きばね141′は、摺動ブロック103′を方向Z′に、支持ブロック100′の方向にあらかじめ偏位させている。摺動ブロック103′の下側には、フレーム2に固定された支持ストリップ164に当たって回転可能なローラ162が取り付けられており、その結果、腰関節ホルダ90′は例えば鶏の脚200を配置するときに、一時的に開くことができる。