JP2009511461A - 自動化放射性標識方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、123I−標識放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法を、該方法で使用するための使い捨てカセットと共に提供する。123I−標識放射性医薬品の製造における自動合成装置の使用も記載される。また、123I−標識放射性医薬品の製造における本発明のカセットの使用も記載される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、123I−標識放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法を、該方法で使用するための使い捨てカセットと共に提供する。123I−標識放射性医薬品の製造における自動合成装置の使用も記載される。
陽電子放出断層撮影法(PET)用の陽電子放出型放射性同位体を含む放射性医薬品を製造するための自動化方法は十分に確立されている[D.Alexoff,in“Handbook of Radiopharmaceuticals”,M.J.Welch&C.S.Redvanly(Eds.),pages 283−305,Wiley(2003)]。
国際公開第02/051447号には、予め計量された量の化学試薬を含む使い捨てモジュールを組み込んだ放射性医薬品製造用の自動合成装置が記載されている。かかる装置は、半減期の短い陽電子放出型放射性同位体11C、13N、15O及び18Fに関して特に有用であるといわれている。
自動化放射性医薬品調剤(APD)を検討する努力も行われてきた[Solanki,Hosp.Pharmac.,(4),94−98(2000)]。
123I−標識放射性医薬品に関しては、通常のアプローチは、放射性医薬品製造段階を手動で実施することである。しかし、Luurtsema et al[App.Rad.Isotop.,55,783−788(2001)]は、123I−標識及び131I−標識α−メチルチロシン(IMT)のための自動化標識方法について報告している。Luurtsema et alはカセットアプローチを使用せず、期待された良好な標準化が123Iについては実現しなかったこと、及び自動化合成における変動がさらなる最適化を要求することを報告している。かかる最適化は、新しい放射性医薬品ごとに必要であるとされている。
自動化は操作員が受ける放射線量を低減させる可能性を有すると認識されているものの、先行技術の自動化プロセスは同等の手動プロセスよりはるかに遅く、そのためにあまり魅力的でないことも報告されてきた[Solanki,Hosp.Pharmac.,(4),94−98(2000)]。したがって、速く、融通性が高く、ばらつきが少なく、かつ大きいバッチサイズを効率よく生成できる自動化アプローチに対するニーズが存在している。
国際公開第02/051447号パンフレット D. Alexoff, in "Handbook of Radiopharmaceuticals", M. J. Welch & C. S. Redvanly(Eds.), pages 283-305, Wiley(2003). Solanki, Hosp. Pharmac., 7(4), 94-98(2000). Luurtsema et al, App. Rad. Isotop., 55, 783-788(2001).
本発明は、123I−標識放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法を、該方法で使用するための使い捨てカセットと共に提供する。本方法は、商業的に入手できるが、現在では主として短寿命のPET用放射性医薬品の製造に使用されているカセット式「自動合成装置」と共に使用するため特に適している。本方法は、複数の病院又は単一の大病院の仕事を扱う放射線薬局のように、多数の単位患者用量が定期的に要求される場合に特に有用である。これはただ1回の放射化学純度(RCP)測定を可能にし、したがって品質管理(QC)プロセスを一層効率的にする。
123Iの製造のためには高エネルギーサイクロトロン(30MeV)が好ましいが、これは放射性同位体の製造がユーザーの現場から遠く離れた場所で行われることを意味する傾向がある。これはまた、通常の123I−放射性医薬品製造では、最終ユーザーへの123I−標識放射性医薬品の輸送中に放射性崩壊によってかなりの損失が生じることも意味している。生成物の製造時に高い放射能レベルが必要であることは、(特に123I−標識放射性医薬品が溶液状態で輸送される場合には)安定性の問題も存在し得ることを意味している。本発明では、最終ユーザーが本発明の自動装置及びカセットを用いて最終ユーザーの現場で123I−標識放射性医薬品を製造できる可能性があるのでかかる問題は回避される。
123I放射性医薬品製造プロセスの自動化に対する関心がほとんど存在しなかったように思われる1つの可能な理由は、123Iの半減期(13.2時間)が11C(20.4分)及び18F(109.6分)に比べて長く、さらには99mTc(6時間)に比べても長いので、時間的プレッシャーが少ないことにある。別の理由は、恐らくは先行技術のアプローチの信頼性であって、かかるアプローチが商業的製造に関する取締り機関のGMP(医薬品の製造及び品質管理に関する基準)要件を満足できるか否かにある。
本発明はまた、例えば、非水性溶媒を使用する必要があるため、或いは望ましくない非生体適合性不純物を除去する必要があるため、通常の水溶液アプローチによる製造に適さない無菌123I−標識放射性医薬品の製造を可能にする。本発明はまた、インサイチュでの123I−標識二官能性中間体の製造を含む複雑な合成も可能にする。
本発明のカセットは、所定の123I−標識放射性医薬品製造のために必要な非放射性化学薬品を含んでいる。これらのカセットは、先行技術のアプローチよりも本方法の融通性を高める。123I−標識放射性医薬品の製造におけるカセットの使用も記載される。
本発明はまた、123I−標識放射性医薬品製造のためのカセット式自動合成装置の使用も提供する。
第1の態様では、本発明は、生体適合性キャリヤー媒質中に123I−標識生物学的標的分子を含む無菌123I−標識放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法であって、
(i)反応器並びに下記非放射性試薬(A)〜(B)及び任意には(C)〜(G)の独立したアリコートをそれぞれ無菌状態で含む使い捨ての無菌カセットを用意する段階、
A.生物学的標的分子又はそれの前駆体。
B.生体適合性キャリヤー媒質である1種以上の溶媒を含む、試薬A及び試薬C〜G(存在する場合)を溶解するのに適した溶媒。
C.ヨウ化物イオンを求電子性ヨウ素化化学種に酸化できる酸化剤。
D.127I−ヨウ化物の供給材料。
E.生物学的標的分子と結合できる非放射性の二官能性誘導体化試薬。
F.前記求電子性ヨウ素化化学種をヨウ化物イオンに還元できる停止試薬。
G.求核ハロゲン化反応用触媒。
(ii)適当な容器に入れた123I−ヨウ化物の無菌供給材料を用意する段階、
(iii)段階(iv)、(v)又は(vi)によって生物学的標的分子を放射性ヨウ素化する段階、
(iv)任意には試薬Cの存在下において、試薬A及び(ii)からの123I−ヨウ化物のアリコートをマイクロプロセッサー制御下で前記反応器に移送し、次いで任意には放射性ヨウ素化反応を停止させるために試薬Fを使用しながら、前記反応器内で混合して123I−標識生物学的標的分子を得る段階、
(v)別法として、任意には試薬Cの存在下において、試薬E及び(ii)からの123I−ヨウ化物のアリコートをマイクロプロセッサー制御下で前記反応器に移送し、次いで任意には放射性ヨウ素化反応を停止させるために試薬Fを使用しながら、前記反応器内で混合して123I−標識二官能性誘導体化試薬を得ることで二官能性誘導体化試薬を放射性ヨウ素化し、次いで前記123I−標識二官能性誘導体化試薬との結合によって生物学的標的分子を放射性ヨウ素化する段階、
(vi)別法として、試薬Aがハロゲン交換反応に適する場合には、任意には試薬Gの存在下において、試薬A及び(ii)からの123I−ヨウ化物のアリコートをマイクロプロセッサー制御下で前記反応器に移送し、次いで任意には前記放射性ヨウ素化反応を促進するために加熱を使用しながら、前記反応器内で混合して123I−標識生物学的標的分子を得る段階、
(vii)段階(iv)〜(vi)の123I−標識生物学的標的分子生成物が既に生体適合性キャリヤー媒質中にある場合にはそれを直接に段階(viii)で使用し、さもなければ、段階(iv)〜(vi)の生成物を生体適合性キャリヤー媒質に溶解するか、或いは段階(iv)〜(vi)で使用した溶媒を除去してから残留物を生体適合性キャリヤー媒質に再溶解する段階、並びに
(viii)段階(vii)からの生成物を直接に使用するか、或いは任意には精製、pH調整、希釈、濃縮及び終末滅菌からなる追加プロセスの1以上を施して所望の123I放射性医薬品組成物を得る段階
を含んでなる方法を提供する。
「生体適合性キャリヤー媒質」は、組成物が生理学的に許容できるようにして(即ち、毒性又は過度の不快感なしに哺乳動物体に投与できるようにして)、123I−標識生物学的標的分子を懸濁又は溶解する流体(特に液体)である。生体適合性キャリヤー媒質は、好適には、無菌の無発熱原性注射用水、(遊離には注射用の最終生成物が等張性又は非低張性になるように平衡させ得る)食塩水のような水溶液、或いは1種以上の張度調整物質(例えば、生体適合性対イオンを有する血漿陽イオンの塩)、糖(例えば、グルコース又はスクロース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えば、グリセロール)又は他の非イオン性ポリオール物質(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)の水溶液のような注射可能なキャリヤー液体である。生体適合性キャリヤー媒質はまた、エタノールのような生体適合性有機溶媒からなっていてもよい。かかる有機溶媒は、親油性化合物又は配合物を可溶化するために有用である。好ましくは、生体適合性キャリヤー媒質は無発熱原性注射用水、等張食塩水又はエタノール水溶液である。静脈内注射用生体適合性キャリヤー媒質のpHは、好適には4.0〜10.5の範囲内にある。
「生物学的標的分子」という用語は、線状ペプチド又は環状ペプチド或いはこれらの組合せであり得る3〜100マーのペプチド又はペプチド類似体、酵素の基質又は拮抗剤又は阻害剤、合成レセプター結合化合物、オリゴヌクレオチド或いはオリゴDNA又はオリゴRNAフラグメントを意味する。生物学的標的分子は合成品又は天然品であり得るが、好ましくは合成品である。
本発明で使用するための好適なペプチドには、以下のものがある。
−ソマトスタチン、オクトレオチド及び類似体。
−STレセプターに結合するペプチド(ここで、STとは大腸菌(E.coli)及び他の微生物によって産生される耐熱性毒素をいう。)。
−ラミニンフラグメント、例えば、YIGSR、PDSGR、IKVAV、LRE及びKCQAGTFALRGDPQG。
−白血球集積部位を標的化するためのN−ホルミルペプチド。
−血小板第4因子(PF4)及びそれのフラグメント。
−例えば、血管形成を標的化し得るRGD(Arg−Gly−Asp)含有ペプチド[R.Pasqualini et al.,Nat Biotechnol.1997 Jun;15(6):542−6];[E.Ruoslahti,Kidney Int.1997 May;51(5):1413−7]。
−α−抗プラスミン、フィブロネクチン、β−カゼイン、フィブリノーゲン又はトロンボスポンジンのペプチドフラグメント。α−抗プラスミン、フィブロネクチン、β−カゼイン、フィブリノーゲン又はトロンボスポンジンのアミノ酸配列は、以下の参照文献中に見出すことができる。α−抗プラスミン前駆体[M.Tone et al.,J.Biochem,102,1033(1987)]、β−カゼイン[L.Hansson et al,Gene,139,193(1994)]、フィブロネクチン[A.Gutman et al,FEBS Lett.,207,145(1996)]、トロンボスポンジン1前駆体[V.Dixit et al,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,83,5449(1986)]、R.F.Doolittle,Ann.Rev.Biochem.,53,195(1984)。
−アンギオテンシンII:Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe(E.C.Jorgensen et al,J.Med.Chem.,1979,Vol 22,9,1038−1044)及び[Sar,Ile]アンギオテンシンII:Sar−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Ile(R.K.Turker et al.,Science,1972,177,1203)のようなアンギオテンシンの基質又は阻害剤であるペプチド。
−アンギオテンシンI:Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu。
好ましくは、本発明のペプチドは抗プラスミン又はアンギオテンシンIIペプチドからなる。抗プラスミンペプチドは、N末端から見て下記のアミノ酸配列を含む。
(i)α−抗プラスミン、即ちNH−Asn−Gln−Glu−Gln−Val−Ser−Pro−Leu−Thr−Leu−Thr−Leu−Leu−Lys−OH、或いは下記のように1以上のアミノ酸が交換、追加又は除去されたその変異体。
NH−Asn−Gln−Glu−Gln−Val−Ser−Pro−Leu−Thr−Leu−Thr−Leu−Leu−Lys−Gly−OH、
NH−Asn−Gln−Glu−Ala−Val−Ser−Pro−Leu−Thr−Leu−Thr−Leu−Leu−Lys−Gly−OH、又は
NH−Asn−Gln−Glu−Gln−Val−Gly−OH。
(ii)カゼイン、即ちAc−Leu−Gly−Pro−Gly−Gln−Ser−Lys−Val−Ile−Gly。
「環状ペプチド」という用語は、ペプチド又はジスルフィド結合或いは合成非ペプチド結合(例えば、チオエーテル、ホスホジエステル、ジシロキサン又はウレタン結合)であり得る共有結合によって2つの末端アミノ酸が互いに結合した5〜15のアミノ酸の配列を意味する。「アミノ酸」という用語は、光学的に純粋なもの(即ち、単一の鏡像異性体、したがってキラルなもの)又は鏡像異性体の混合物であり得るL−又はD−アミノ酸、アミノ酸類似体又はアミノ酸模倣体を意味する。好ましくは、本発明のアミノ酸は光学的に純粋なものである。「アミノ酸模倣体」という用語は、アイソスター(即ち、天然化合物の立体構造及び電子構造を模倣するように設計されたもの)である天然アミノ酸の合成類似体を意味する。かかるアイソスターは当業者にとって公知であり、特に限定されないが、デプシペプチド、レトロ−インベルソペプチド、チオアミド、シクロアルカン又は1,5−二置換テトラゾールがある[M.Goodman,Biopolymers,24,137(1985)を参照されたい。]
本発明の合成ペプチドは、P.Lloyd−Williams,F.Albericio and E.Girald;Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins,CRC Press,1997に記載されているように、通常の固相合成で得ることができる。
好適な酵素の基質、拮抗剤又は阻害剤には、グルコース及びグルコース類似体(例えば、フルオロデオキシグルコース)、脂肪酸、或いはエラスターゼ、アンギオテンシンII又はメタロプロテイナーゼ阻害剤がある。好ましい非ペプチドのアンギオテンシンII拮抗剤はロサルタンである。
好適な合成レセプター結合化合物には、エストラジオール、エストロゲン、プロゲスチン、プロゲステロン及び他のステロイドホルモン、ドーパミンD−1又はD−2レセプターリガンド及びトロパンのようなドーパミン輸送体用リガンド、並びにセロトニンレセプター用のリガンドがある。
本発明の好ましい生物学的標的分子は、トロパンのようなドーパミン輸送体リガンド、脂肪酸、ドーパミンD−2レセプターリガンド、ベンズアミド、アンフェタミン、ベンジルグアニジン、イオマゼニル、ベンゾフラン(IBF)及び馬尿酸である。好ましいトロパン誘導体は、123I−CIT(Dopascan(商標))、123I−CIT−FP(DaTSCAN(商標))、及び123I−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(1−ヨードプロプ−1−エン−3−イル)ノルトロパンのE異性体(Altropane(商標))である。Dopascan(商標)及びDaTSCAN(商標)は特に好ましい。上記その他のトロパン剤は、Morgan and Nowotnik[Drug News Perspect.,12(3),137−145(1999)]によって記載されている。好ましい脂肪酸は123I−BMIPP及び123I−IPPAである。好ましいアンフェタミン誘導体は123I−IMPである。好ましいベンジルグアニジンは、m−ヨードベンジルグアニジン(MIBG)、即ち123I−MIBGである。
「前駆体」は、通常の化学形態の123I放射性同位体(特に123I−ヨウ化物)との化学反応が部位特異的に起こり、最小数の段階(理想的にはただ1つの段階)で反応を実施でき、かつ格別の精製の必要なしに(理想的にはいかなる追加の精製も必要なしに)所望の放射性生成物が得られるように設計された、生物学的標的分子の非放射性誘導体からなる。かかる前駆体は合成品であり、良好な化学純度で簡便に得ることができる。「前駆体」は、任意には生物学的標的分子のある種の官能基に対する保護基(PGP)を含むことができる。好適な前駆体及びそれの製造方法は、Bolton,J.Lab.Comp.Radiopharm.,45,485−528(2002)に記載されている。
「保護基」(PGP)という用語は、望ましくない化学反応を阻止又は抑制するが、分子の残部を変質させない十分に温和な条件下で問題の官能基から脱離させ得るのに十分な反応性を有するように設計された基を意味する。脱保護後には所望の生成物が得られる。保護基は当技術分野で公知であり、アミン基に関してはBoc(ここでBocはtert−ブチルオキシカルボニルである)、Fmoc(ここでFmocはフルオレニルメトキシカルボニルである)、トリフルオロアセチル、アリルオキシカルボニル、Dde[即ち、1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)エチル]及びNpys(即ち、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル)から適宜に選択され、カルボキシル基に関してはメチルエステル、tert−ブチルエステル及びベンゼンエステルから適宜に選択される。ヒドロキシル基に関しては、好適な保護基は、メチル、エチル又はtert−ブチル、アルコキシメチル又はアルコキシエチル、ベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリチル(Trt)、又は(tert−ブチル)ジメチルシリルのようなトリアルキルシリルである。チオール基に関しては、好適な保護基はトリチル及び4−メトキシベンジルである。さらに他の保護基の使用は、‘Protective Groups in Organic Synthesis’,Theorodora W.Greene and Peter G.M.Wuts(Third Edition,John Wiley&Sons,1999)に記載されている。好ましくは、前駆体は保護基を含まない。これは、保護基を除去するために追加の段階が通例必要となるからである。
好ましい前駆体は、求電子又は求核ヨウ素化を受ける誘導体或いは標識アルデヒド又はケトンとの縮合を受ける誘導体からなるものである。第1のカテゴリーの例は下記の(a)〜(f)である。
(a)トリアルキルスタンナン(例えば、トリメチルスタンニル又はトリブチルスタンニル)、トリアルキルシラン(例えば、トリメチルシリル)或いは有機ホウ素化合物(例えば、ボロネート又はオルガノトリフルオロボレート)のような有機金属誘導体。
(b)ハロゲン交換用の非放射性アルキル/アリールブロミド又はヨージド。
(c)求核ヨウ素化用のアルキル/アリールトシレート、メシレート又はトリフレート。
(d)求電子ヨウ素化に向けて活性化された芳香環(例えば、フェノール類)。
(e)求核ヨウ素化に向けて活性化された芳香環(例えば、アリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、アリールトリアルキルアンモニウム塩又はニトロアリール誘導体)。
(f)求核ヨウ素化に適した電子不足芳香環(例えば、馬尿酸エステル及び2−ヨードベンジルグアニジン)。
前駆体は、好ましくは、(放射性ヨウ素交換を可能にするための)非放射性ハロゲン原子(例えば、アリールヨージド又はブロミド)、活性化前駆体アリール環(例えば、フェノール基)、有機金属前駆体化合物(例えば、トリアルキルスズ、トリアルキルシリル又は有機ホウ素化合物)、或いはトリアゼンのような有機前駆体又は求核置換のための良好な脱離基(例えば、ヨードニウム塩)からなる。有機分子中に放射性ヨウ素を導入するための前駆体及び方法は、Bolton[J.Lab.Comp.Radiopharm.,45,485−528(2002)]によって記載されている。タンパク質中に放射性ヨウ素を導入するための前駆体及び方法は、Wilbur[Bioconj.Chem.,(6),433−470(1992)]によって記載されている。好適なボロネートエステル有機ホウ素化合物及びそれの製法は、Kabalaka et al[Nucl.Med.Biol.,29,841−843(2002)及び30,369−373(2003)]によって記載されている。好適なオルガノトリフルオロボレート及びそれの製法は、Kabalaka et al[Nucl.Med.Biol.,31,935−938(2004)]によって記載されている。
放射性ハロゲン(特にヨウ素)が結合できる好適な前駆体アリール基の例を以下に示す。
Figure 2009511461
いずれも、芳香環上への容易な放射性ヨウ素置換を可能にする置換基を含んでいる。放射性ヨウ素を含む代わりの置換基は、(例えば、下記式のような)放射性ハロゲン置換による直接ヨウ素化で合成できる。
Figure 2009511461
飽和脂肪族系に結合したヨウ素原子はインビボでの代謝を受けやすく、したがって放射線ヨウ素の損失を招きやすいことが知られているので、放射性ヨウ素原子は好ましくはベンゼン環のような芳香環への直接共有結合により又はビニル基を介して結合される。
「前駆体」は、任意には、第2の実施形態に関して後述されるように固体担体マトリックスに共有結合した状態で供給できる。
「カセット」という用語は、合成装置の可動部分の機械的運動がカセットの外側から(即ち、外部から)カセットの動作を制御するようにして、(後記に定義するような)自動合成装置上に着脱自在かつ交換可能に装着し得るように設計された装置部分を意味する。好適なカセットは直線状に並んだ弁の列を含み、その各々は倒立隔壁密封バイアルの針穿刺又は気密連結継手によって試薬又はバイアルを装着することができるポートに結合している。各弁は、自動合成装置の対応する可動アームとかみ合うはめ込み型継手を有している。かくして、カセットを自動合成装置に装着した場合、アームの外部回転が弁の開閉を制御する。自動合成装置の追加の可動部分は、注射器のプランジャー先端をつかみ、それによって注射器外筒を上昇又は降下させるように設計されている。
カセットは融通性の高いものであって、通例は試薬を装着することができる複数の位置、及び試薬のシリンジバイアル又はクロマトグラフィー用カートリッジ(例えば、SPE)を装着するために適した複数のポートを有している。カセットは常に反応器を含んでいる。かかる反応器は好ましくは1〜10cm、最も好ましくは2〜5cmの容積を有しており、カセット上の様々なポートからの試薬又は溶媒の移送を可能にするため、カセットの3以上のポートが反応器に連結されるように構成されている。好ましくは、カセットは直線状に並んだ15〜40の弁、最も好ましくは20〜30の弁を有しており、25の弁が特に好ましい。カセットの弁は好ましくはそれぞれ同一であり、最も好ましくは三方弁である。本発明のカセットは放射性医薬品製造のために適するように設計されており、したがって製薬グレードの材料であって理想的には放射線分解にも耐える材料で製造されている。
「二官能性誘導体化試薬」という用語はそれの通常の意味を有しており、即ち2つの異なる官能基を有する非放射性化合物である。一方の官能基は放射性ヨウ素による放射性標識に適しており、他方は生物学的標的分子との結合で共有結合を得るために適している。放射性ヨウ素による放射性標識に適した官能基は、好適には上述のような「前駆体」基からなる。結合のために適した官能基には、アミン、チオシアネート、マレイミド及び活性エステルがある。かかる二官能性試薬は、生物学的標的分子上の適当な対応官能基と反応して所望の複合体を形成することができる。生物学的標的分子上の好適な官能性には、
(アミン官能化二官能性試薬とのアミド結合形成のための)カルボキシル、
(カルボキシル官能化又は活性エステル官能化試薬とのアミド結合形成のための)アミン、
(アミン官能化試薬のN−アルキル化のための)ハロゲン、メシレート及びトシレート、並びに
(マレイミド官能化試薬との反応のための)チオール
がある。
アミドカップリングは、(例えば、固相ペプチド合成法を用いて)直接に実施でき、或いはBOP[即ち、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム]又はN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCI)のような適当な活性化剤の存在下で実施できる。かかるカップリングは、当技術分野で公知の通り、適当な中間体(例えば、生物学的標的分子のカルボキシル基の活性化エステル)を経由して実施することもできる。別法として、二官能性試薬のペンダントアミン基をまずイソチオールシアネート基(−NCS)又はイソシアネート基(−NCO)に転化させることもでき、これらの基はそれぞれチオ尿素結合及び尿素結合の形成によってアミン含有生物学的標的分子への結合を可能にする。別法として、二官能性試薬のペンダントアミン基を二酸と反応させることで、リンカー基を介して末端カルボキシル基を導入することもできる。カルボキシル官能基を有する二官能性試薬を同様に使用することで、アミド結合を介してアミン含有生物学的標的分子に直接結合できる。二官能性試薬はまた、生物学的標的分子上のチオール基と反応して安定なチオエーテル結合を形成するように設計された基を有することもできる。かかる基の例は、(無水マレイン酸を対応するアミンと反応させ、次いで無水酢酸と共に加熱することで製造できる)マレイミド及び(アクリリルクロリドをアミンと反応させることで製造できる)アクリルアミドである。
「活性エステル」という用語は、良好な脱離基であり、したがって生物学的標的分子上に存在する求核基(例えば、アミン)との一層容易な反応を可能にするカルボン酸のエステル誘導体を意味する。好適な活性エステルは、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ペンタフルオロフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、p−ニトロフェノール及びヒドロキシベンゾトリアゾールである。
好適な二官能性誘導体化剤は、Finn[“Chemistry Applied to Iodine Radionuclides”,Chapter 13,pages 423−440 in“Handbook of Radiopharmaceuticals”,Welch&Redvanly(Eds.),Wiley(2002)]及びWilbur[Bioconj.Chem.,(6),433−470(1992)]によって記載されている。好ましい誘導体化剤には、
Bolton−Hunter[Bolton et al,Biochem.J.,133,529−539(1973)]、
N−スクシンイミジルp−ヨードベンゾエート[Zalutsky et al,App.Rad.Isot.,38,1051−55(1987)]、
N−スクシンイミジル3−OH−4−ヨードベンゾエート[Vaidyanathan et al,Bioconj.Chem.,,724−9(1997)]、及び
N−クロロ−ヨードチラミン[Holowaka et al,Anal.Biochem.,117,390−7(1981)]
がある。
「ヨウ化物イオンを求電子性ヨウ素化化学種に酸化できる酸化剤」という用語は、ヨウ化物イオンをヨードニウム(I)又は類似の正に帯電したヨウ素化学種に酸化する化合物を意味する。好ましくは、酸化剤は放射性ヨウ素化すべき化合物(即ち、試薬A又は試薬E(二官能性誘導体化剤))に対して最小限の影響しか及ぼさないように選択される。好適なかかる酸化剤は当技術分野で公知であって、過酸化水素、クロラミンT、ヨードゲン、過酢酸及びラクトペルオキシダーゼがある。好ましいかかる酸化剤は、過酢酸及び過酸化水素である。また、電解槽を用いて酸化を実施できることも想定されており、これは本発明のカセットの追加の特徴をなすことができる。かかる電解槽は、化学酸化剤を添加する必要なしに、制御された酸化条件を与えるという利点を有する。
「停止試薬」という用語は、活性の放射性ヨウ素化化学種と反応することで生物学的標的分子又はそれの前駆体に対してもはや反応性をもたない化学種を生成することにより、放射性ヨウ素化反応を停止させる化合物を意味する。好適なかかる試薬は当技術分野で公知であって、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液がある。停止試薬はまた、残留する過剰の酸化剤を中和して、酸化分解を受けやすいことがある123I−標識生成物を保護する機能も有する。
試薬B、即ち試薬A〜B及び試薬C〜G(存在する場合)用の溶媒は、上記に定義したような「生体適合性キャリヤー媒質」であってもよいし、或いは試薬を可溶化しかつ本発明の反応を実施するために適した有機溶媒であってもよい。かくして、本方法は水性媒質に限定されないので多大な融通性を有する。
「求核ハロゲン化反応用触媒」という用語は、かかる反応を促進するために役立ち、反応時間を短縮すると共に恐らくは一層低い反応温度の使用を可能にする化合物を意味する。かかる触媒は当技術分野で公知であって、通例は銅イオンCu(I)又はCu(II)(好ましくはCu(I))を含む[Eeersls et al,J.Lab.Comp.Radiopharm.,48(4),241−257(2005)、Bolton,ibid.,45,485−528(2002)及びPrabhakar et al,Appl.Rad.Isotop.,50(6),1011−1014(1999)]。かかる触媒は、非活性化前駆体を使用する場合に特に有用である。
「マイクロプロセッサー制御」という用語は、それの通常の意味を有する。即ち、本明細書中で使用する「マイクロプロセッサー」という用語は集積回路チップ上に含まれるコンピュータープロセッサーをいい、かかるプロセッサーはメモリー及び関連する回路を含んでいてもよい。マイクロプロセッサーは、コンピューターを駆動する基本命令に応答してそれを処理する論理回路を用いて算術演算及び論理演算を実行するように設計されている。マイクロプロセッサーはまた、選択された機能、計算方法、スイッチングなどを実行又は制御するようにプログラムされた命令も含み得る。マイクロプロセッサー及び関連するデバイスは、特に限定されないが、Cypress Semiconductor Corporation(サンホゼ、米国カリフォルニア州)、IBM Corporation、Applied Microsystems Corporation(レドモンド、米国ワシントン州)、Intel Corporation及びNational Semiconductor社(サンタクララ、米国カリフォルニア州)を含む複数の供給源から商業的に入手できる。本発明に関しては、マイクロプロセッサーは、例えば化学薬品の移送、加熱、濾過などを含むプログラム可能な一連の再現可能な段階を提供する。本発明のマイクロプロセッサーはまた、好ましくはバッチ製造データ(例えば、使用した試薬、反応条件、放射性物質など)を記録する。この記録データは、放射性医薬品製造に関するGMPコンプライアンスを証明するために有用である。マイクロプロセッサーはまた、以下に記載するように、好ましくは所定の製造作業のための反応条件の容易な選択を可能にするためバーコードリーダーに結合されている。
本発明の123I放射性同位体は、当技術分野で公知のようにサイクロトロンで製造され、通例は水性媒質中におけるヨウ化物の化学形態で得られる。123I−ヨウ化物(ii)は任意には非放射性127I−ヨウ化物をキャリヤーとして含んでいてもよいが、非放射性127I−ヨウ化物は上述のようにカセットの試薬として含まれることが好ましい。
本発明の方法を無菌製造条件下で(即ち、クリーンルーム内で)実施することで、所望の無菌で非発熱性の放射性医薬品生成物を得ることができる。しかし、基本構成部分、特にカセット及び付属する試薬並びに放射性医薬品に接触する装置部分(例えば、バイアル及び移送管)は無菌であることが好ましい。これらの部品及び試薬は、無菌濾過或いは(例えば、γ線照射、オートクレーブ処理、乾熱又は(例えば、エチレンオキシドによる)化学処理を用いる)終末滅菌をはじめとする、当技術分野で公知の方法によって滅菌できる。非放射性の構成部分を予め滅菌した場合には、123I放射性医薬品に関して最小数の操作を実施すれば済むので好ましい。しかし、予防策として、本自動化方法の段階(viii)中に少なくとも無菌濾過を含めることが好ましい。
前駆体、酸化剤、停止試薬並びに他のかかる試薬及び溶媒は、それぞれが適当なバイアル又は容器に入った状態で供給される。かかるバイアル又は容器は、注射器又はカニューレによる溶液の添加及び抜取りを許しながら、無菌保全性及び/又は放射能安全性、さらに任意には不活性ヘッドスペースガス(例えば、窒素又はアルゴン)の維持を可能にする密封容器からなっている。好ましいかかる容器は、気密クロージャーを(通例はアルミニウムからなる)オーバーシールと共にクリンプ加工した隔壁密封バイアルである。クロージャーは、無菌保全性を維持しながら皮下注射針による1回又は数回の穿刺に適したもの(例えば、クリンプ加工した隔壁シールクロージャー)である。かかる容器は、(例えば、ヘッドスペースガスの交換又は溶液のガス抜きのために)所望される場合にはクロージャーが真空に耐え得ると共に、外部大気ガス(例えば、酸素又は水蒸気)の侵入を許すことなしに減圧のような圧力変化にも耐え得るという追加の利点を有している。反応器は、かかる容器及びそれの好ましい実施形態から適宜に選択される。反応器は、好ましくは生体適合性プラスチック(例えば、PEEK)から製造される。
本発明の方法の123I−標識放射性医薬品組成物生成物は好適には上述のような密封容器に入れて供給され、かかる容器は1回分又は複数回分の患者用量を含み得る。かくして、臨床的状況に合わせ、製剤の実用寿命中に様々な時間間隔で1回分の患者用量又は「単位用量」を臨床グレードの注射器中に抜き取ることができる。好ましい複数用量容器は、複数の患者用量にとって十分な放射能を含む(例えば、10〜30cmの容積を有する)単一のバルクバイアルからなる。単位用量注射器は1人の患者のみに対して使用するように設計され、したがって好ましくはヒトへの注射に適した使い捨てのものである。充填済みの単位用量注射器には、施術者を放射線量から保護するための注射器シールドを任意に設けることができる。好適なかかる放射性医薬品注射器シールドは当技術分野で公知であり、好ましくは鉛又はタングステンからなっている。本発明の方法は、好ましくはさらに123I−標識放射性医薬品組成物を単位患者用量に分注する段階を含む。
本発明の段階(viii)が精製段階を含む場合、これは下記のものの1以上を含み得る。
(i)不要の不溶物又は粒状物質を除去するための濾過。
(ii)クロマトグラフィー。
クロマトグラフィーは、通常の順相法又は逆相法、イオン交換法或いはサイズ排除法に関係するものであり得る。それは、好適にはHPLC、SPE(固相抽出)又は「フラッシュ」クロマトグラフィーカートリッジの形態を取る。場合によっては、所望の生成物は移動相に比べ固定相に対してはるかに高い親和性を有するため、カラムマトリックスの上部に本質的に固定化される。したがって、固定相より移動相に対して高い親和性を有する不純物は、適宜に遮蔽された廃棄物容器に溶出させることができる。次に、洗浄後、生成物が固定相より高い親和性を示す別の溶離剤系を用いて精製生成物を簡単に溶出させることができる。かかるクロマトグラフィーは、以後の製剤が以前の製剤からの物質で汚染されるリスクをなくすため、好ましくは使い捨てカラムを用いて実施される。かかるクロマトグラフィーカートリッジは、Waters社及びVarian社をはじめとする一定範囲の供給業者から商業的に入手できる。
本発明の段階(viii)がpH調整段階を含む場合、これはpH調整剤を用いて実施できる。「pH調整剤」という用語は、再構成されたキットのpHがヒト又は哺乳動物への投与のために許容し得る範囲(およそpH4.0〜10.5)内にあることを保証するために有用な化合物又は化合物の混合物を意味する。好適なかかるpH調整剤には、トリシン、リン酸塩又はTRIS[即ち、トリス(ヒドロキシルメチル)アミノメタン]のような製剤学的に許容し得る緩衝剤、酢酸のような製剤学的に許容し得る酸、及び炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム又はこれらの混合物のような製剤学的に許容し得る塩基がある。
本発明の段階(vii)が溶媒除去段階及び再溶解段階を含む場合、溶媒は下記のような各種の技法で除去できる。
(i)クロマトグラフィー。
(ii)減圧又は真空の適用。
(iii)加熱或いは溶液中又は溶液上でのガスバブリングによる蒸発。
(iv)共沸蒸留。
クロマトグラフィー技法は上述のような固定化を応用するものであって、好ましい方法である。かかる溶媒除去技法は、有機溶媒中での反応による123I−標識放射性医薬品の製造を可能にしながら最終の放射性医薬品はやはり生体適合性キャリヤー媒質中に供給されるという点で重要である。これは、水性媒質中に難溶であるか、水性媒質中で加水分解を受けやすいか、或いは恐らくその両方である前駆体又は中間体に対して特に有用である。その例は、BZM(123I−IBZMの前駆体)及びトリアルキルスズ前駆体(特にトリブチルスズ又はトリメチルスズ前駆体)である。したがって、前駆体が水性媒質中に難溶であるか又は水性媒質中で加水分解を受けやすい場合、使用する溶媒は好ましくは有機溶媒、最も好ましくは水混和性の有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はアセトン)である。好ましいかかる溶媒は、アセトニトリル、エタノール、DMF及びDMSOである。
精製方法はまた、123I−標識放射性医薬品からの過剰の非放射性前駆体の除去を含み得る。これは、前駆体も生物学的に活性である場合(例えば、インビボで所定のレセプターに対して親和性を有するペプチドの場合)に特に重要である。即ち、それは前駆体がインビボで興味の対象となる生物学的標的部位に対して123I−標識放射性医薬品と競合する可能性を除去するからである。このような精製は以下のようにして達成できる。粗生成物をHPLCプレカラム上に装填する。切換弁を通して極性不純物を洗浄廃棄するが、これは主カラムを物理的に保護すると共に精製を向上させる。次いで、弁を通して生成物及び親油性不純物を主カラムに移送する。クロマトグラフィーにより、生成物を分離して捕集する。対応するUV信号を定量化すれば、続いて比放射能を計算できる。任意には、生成物画分をSPEカラムで処理することで有機溶媒含有量の調整が可能である。
高効率の分離をもたらす分離カラム用の好適な材料は当技術分野で公知であって、イオン交換樹脂、シリカ、アルミナ及び逆相カラムがある。好ましくは、分離カラムは1回使用型(即ち、使い捨て)のものとして設計されている。最も好ましくは、SPEカラム又は(一定範囲の供給業者から商業的に入手できる)フラッシュクロマトグラフィーカートリッジである。
本発明の方法は、実験室用ロボット機器又は自動合成装置を用いて実施できる。「自動合成装置」という用語は、Satyamurthy et al[Clin.Positr.Imag.,(5),233−253(1999)]によって記載されたような単位操作の原理に基づく自動化モジュールを意味する。「単位操作」という用語は、複雑なプロセスが一連の簡単な操作又は反応に還元されることを意味し、これは一定範囲の材料に適用できる。かかる自動合成装置は本発明の方法にとって好ましく、GE Healthcare社、CTI Inc.、Ion Beam Applications S.A.(Chemin du Cyclotron 3,B−1348 Louvain−La−Neuve,ベルギー)、Raytest社(ドイツ)及びBioscan社(米国)をはじめとする一定範囲の供給業者[Satyamurthy et al,上記]から商業的に入手できる。
市販の合成装置はまた、放射性医薬品製造の結果として生じる液体放射性廃棄物用の適当な容器を提供する。自動合成装置は通例は放射線遮蔽を備えていないが、それは適宜に構成された放射能作業セル内で使用するように設計されているからである。放射能作業セルは、操作員を潜在的な放射線量から保護するために適した放射線遮蔽をもたらすと共に、化学薬品蒸気及び/又は放射性蒸気を除去するための換気をもたらす。本発明の好適な自動合成装置は、123I−標識放射性医薬品の所定バッチの製造を実施するために必要なすべての試薬、反応器及び機器を含む使い捨て又は1回使用のカセットを含むものである。かかるカセットは下記の第2の実施形態で説明する。かかるカセットは、単にカセットを交換するだけで、自動合成装置が相互汚染のリスクを最小限に抑えながら各種の123I−標識放射性医薬品或いは18F−標識及び他の放射性同位体標識放射性医薬品を製造できる融通性を有することを意味する。カセットアプローチは下記の利点を有する。即ち、装置構成が単純化されてオペレーターエラーのリスクが低減すること、GMPコンプライアンスが向上すること、マルチトレーサーの使用が可能になること、製造作業間の変更が迅速になること、カセット及び試薬の作業前自動診断検査が行えること、実施すべき合成に対して化学試薬の自動バーコードクロスチェックが行えること、試薬が追跡可能であること、使い捨てであるために相互汚染、不正改造及び誤用のリスクがないことがある。上述の通り、カセットアプローチは融通性が高いので、異種の放射性医薬品を製造するたびに全く新しい自動合成装置を設計し直さなければならないという先行技術の問題を解消する。
本発明の方法は、ほぼ任意の数の単位患者用量にとって十分な放射能を有する所定の123I−標識放射性医薬品のバッチを製造するために使用できることが想定されている。用量の上限に対する唯一の制約は、反応器の容積及び(例えば、123I−標識放射性医薬品の放射線分解なしに)達成できる放射能濃度である。バッチ当たりの単位患者用量の数は、好適には1〜200、好ましくは3〜100、最も好ましくは5〜50である。市販の自動合成装置は反応体及び生成物の放射能含有量及び濃度の自動化測定のための検出器を含んでいるので、用量はそのようにして測定できる。
次いで、本方法の追加の特徴としてバッチを(上述のような)適当な放射性医薬品容器又は臨床グレードの注射器に入った複数の単位用量に分注することができる。或いは、手動で又は注射器充填装置のような独立した自動化方法を用いて複数用量のバッチを独立した作業として分注することもできる。好ましい態様では、この分注は同じ自動化プロセスの一部として実施される。最も好ましくは、分注は放射性医薬品容器内に行われる。このようにして複数の用量を製造できることは、同じ123I−標識放射性医薬品の多数の独立した患者用量が同じ日に必要となる患者集団を扱う放射線薬局において特に有用であることを意味する。
試薬A又はE、123I−ヨウ化物(ii)及び/又は本発明の123I−標識放射性医薬品粗生成物はさらに、放射線防護剤、抗菌防腐剤、pH調整剤又は賦形剤のような追加成分を任意に含むことができる。「放射線防護剤」という用語は、水の放射線分解から生じる含酸素遊離基のような高反応性遊離基を捕捉することで分解反応(例えば、レドックス過程)を阻止する化合物を意味する。本発明の放射線防護剤は、好適には、アスコルビン酸、p−アミノ安息香酸(即ち、4−アミノ安息香酸)、ゲンチジン酸(即ち、2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、及び上述したような生体適合性陽イオンを有するこれらの塩から選択される。
「抗菌防腐剤」という用語は、潜在的に有害な微生物(例えば、細菌、酵母又はかび)の増殖を阻止する薬剤を意味する。抗菌防腐剤はまた、用量に応じ、多少の殺菌性を示すこともある。本発明の抗菌防腐剤の主な役割は、再構成後の放射性医薬品組成物(即ち、放射性診断薬生成物そのもの)中におけるこのような微生物の増殖を阻止することである。しかし、抗菌防腐剤は、再構成前の本発明の非放射性キットの1種以上の成分中における潜在的に有害な微生物の増殖を阻止するためにも任意に使用できる。好適な抗菌防腐剤には、パラベン類(即ち、メチル、エチル、プロピル又はブチルパラベン或いはこれらの混合物)、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾール、セトリミド及びチオメルサールがある。好ましい抗菌防腐剤はパラベン類である。
「賦形剤」という用語は、製造及び凍結乾燥中における材料の取扱いを容易にすることができる製剤学的に許容し得る増量剤を意味する。好適な賦形剤には、塩化ナトリウムのような無機塩、及びスクロース、マルトース、マンニトール又はトレハロースのような水溶性糖又は糖アルコールがある。
第2の態様では、本発明は、第1の実施形態の方法で使用するのに適した使い捨ての無菌カセットであって、反応器、段階(iv)〜(vi)の移送及び混合並びに段階(vii)の操作を実施するための手段、並びに第1の実施形態の方法の段階(viii)の任意の追加プロセスを実施するための手段を含んでなるカセットを提供する。カセット部品及び試薬(A)〜(G)並びにこれらの好ましい態様は第1の実施形態に記載した通りであり、無菌で非発熱性の状態にある。
カセット部品及び試薬(A)〜(G)は、上述した滅菌方法で滅菌できる。1つの好ましい方法は、試薬(A)〜(G)を完備したカセット装置を製造し、γ線照射又はオートクレーブ処理(最も好ましくはオートクレーブ処理)による終末滅菌を実施することである。特に好ましい方法は、上述したような好適な容器内に無菌状態の各試薬を用意し、次いでクリーンルーム環境において試薬を完備したカセットを組み立てて所望の無菌製品を得ることである。
カセットは、所定の123I−標識放射性医薬品組成物の製造のために必要な各種の非放射性化学薬品及び試薬を含んでいる。カセットは、使い捨てであるばかりでなく交換可能でもあるように設計されている。これは、比較的高価な自動合成装置に投資した後には、ユーザーは単に必要な消耗品としてカセットを購入すればよいことを意味している。様々な特定の123I放射性医薬品を製造するためそれぞれに異なる生物学的標的分子(又はそれの前駆体)を含む一定範囲のカセットを所定の自動合成装置と共に使用することも想定されている。
カセットの試薬A(上記に定義したような生物学的標的分子又は前駆体)は、任意には固体担体マトリックスに共有結合した状態で供給できる。そのようにすれば、所望の放射性医薬品生成物は溶液状態で生成される一方、出発原料及び不純物は固相に結合したままに保たれる。したがって、カセットは適宜に改造された自動合成装置に挿入できるカートリッジを含み得る。カートリッジは、固体担体に結合された試薬Aとは別に、不要のヨウ化物イオンを除去するためのカラム、及び反応生成物を蒸発させかつ必要に応じて生成物を処方するために連結された適当な容器を含むことができる。自動化方法のために必要な試薬及び溶媒並びに他の消耗品を、放射能濃度、容量、デリバリー時間などに関する顧客の要求条件に合わせるように合成装置を運転させるためのソフトウェアを保存したコンパクトディスクと一緒に含めることもできる。好都合には、カセットのすべての構成部分が作業間汚染の可能性を最小限に抑えるために使い捨てであり、しかも無菌で品質保証されたものである。製造作業に先立ってカセットを容易に製造及び品質管理できることはカセットアプローチの利点であり、製造に関する信頼性及び再現性を付与するために役立つと期待される。
カセットの試薬のバイアル及び容器は、任意には、操作員が存在する材料を識別するのが容易であるように色分けすることができる。しかし、これは日常的な製造のためには必要でない。操作員は単に供給されたままの予備装填カセットを使用するからである。カセットの各種容器は、好ましくは、一層容易なマイクロプロセッサー制御、品質保証及びバッチ記録の保存を可能にするためにコンピューター読取り可能なフォーマット(例えば、バーコード)で明確に識別される。
第3の態様では、本発明は、123I−標識放射性医薬品の製造のための、第2の実施形態のカセットを受け入れるように改造された自動合成装置の使用を提供する。
「自動合成装置」は第1の実施形態に関して上記に定義した通りのものであって、第2の実施形態の交換可能な使い捨てカセットと連係して働く。この自動合成装置は、好ましくは第1の実施形態の方法(それの好ましい実施形態を含む)を実施するために使用される。好ましくは、123I−標識放射性医薬品は第1の実施形態に関して(上記に)定義した通りである。
第4の態様では、本発明は、123I−標識放射性医薬品組成物の製造における第2の実施形態のカセットの使用を提供する。好ましくは、カセットは第1の実施形態に記載した方法で使用される。かかる方法及び放射性医薬品並びにこれらの好ましい実施形態は、第1の実施形態に記載した通りである。カセット及びそれの好ましい実施形態は、第2の実施形態に記載した通りである。
以下の非限定的な実施例で本発明を例証する。実施例1は、123I−標識CIT−FPが本発明を用いていかに製造できるかを予測的に記述するものである。
実施例1: 123 I−標識FP−CIT(DaTSCAN(商標))の製造
前駆体CIT−FP及びトリメチルスズ前駆体は、Baldwin et al[Nucl.Med.Biol.,22,211−219(1995)]の方法によって製造される。
DaTSCAN(商標)の製造に使用される成分は下記の通りである。
1.I−123ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム溶液。
2.I−127ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム溶液。
3.0.2M酢酸ナトリウム溶液。
4.トリメチルスズ前駆体のエタノール溶液。
5.30%H水溶液。
6.25%HSO水溶液。
7.30%NaS水溶液。
すべての非放射性成分(即ち、上記品目2〜7)は試薬としてカセットに保存するために満足すべき貯蔵寿命を有すると共に、一部の成分(例えば、5、6)は一緒に保存することも可能であり得ると予想される。しかし、前駆体(4)は恐らく冷蔵条件を必要とする。そのため、前駆体(4)は製造直前にカセット中に導入するか、或いはカセット全体を0〜5℃に保存する。成分はカセットのプラスチック表面と適合性を有し、またバイアル及び容器の容量に適合した体積を有すると予測される。
下記の10段階手順を使用する。
(i)123I−ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム溶液を127I−ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム溶液で希釈する。
(ii)0.2M酢酸ナトリウム溶液を添加する。
(iii)(ii)からの溶液をトリメチルスズ前駆体のエタノール溶液に添加する。
(iv)次に、30%H水溶液及び25%HSO水溶液を添加して放射性ヨウ素化を開始させ、0.7〜1.3cmの反応容積を有するカセット反応器内において反応を周囲温度で10分間実施する。
(v)次に、停止試薬として30%NaS水溶液を用いて放射性ヨウ素化を停止させる。
(vi)次に、溶離剤としてエタノール/酢酸ナトリウム水溶液を用いるRP−HPLCで生成物を精製する。
(vii)123I−FP−CIT生成物をSPEカラム上に装填し、カラムを水及び0.05M NaOHで洗った後、溶離剤としてエタノールを用いて生成物を溶出する。

Claims (20)

  1. 生体適合性キャリヤー媒質中に123I−標識生物学的標的分子を含む無菌123I−標識放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法であって、
    (i)反応器並びに下記非放射性試薬(A)〜(B)及び任意には(C)〜(G)の独立したアリコートをそれぞれ無菌状態で含む使い捨ての無菌カセットを用意する段階、
    A.生物学的標的分子又はそれの前駆体。
    B.生体適合性キャリヤー媒質である1種以上の溶媒を含む、試薬A及び試薬C〜G(存在する場合)を溶解するのに適した溶媒。
    C.ヨウ化物イオンを求電子性ヨウ素化化学種に酸化できる酸化剤。
    D.127I−ヨウ化物の供給材料。
    E.生物学的標的分子と結合できる非放射性の二官能性誘導体化試薬。
    F.前記求電子性ヨウ素化化学種をヨウ化物イオンに還元できる停止試薬。
    G.求核ハロゲン化反応用触媒。
    (ii)適当な容器に入れた123I−ヨウ化物の無菌供給材料を用意する段階、
    (iii)段階(iv)、(v)又は(vi)によって生物学的標的分子を放射性ヨウ素化する段階、
    (iv)任意には試薬Cの存在下において、試薬A及び(ii)からの123I−ヨウ化物のアリコートをマイクロプロセッサー制御下で前記反応器に移送し、次いで任意には放射性ヨウ素化反応を停止させるために試薬Fを使用しながら、前記反応器内で混合して123I−標識生物学的標的分子を得る段階、
    (v)別法として、任意には試薬Cの存在下において、試薬E及び(ii)からの123I−ヨウ化物のアリコートをマイクロプロセッサー制御下で前記反応器に移送し、次いで任意には放射性ヨウ素化反応を停止させるために試薬Fを使用しながら、前記反応器内で混合して123I−標識二官能性誘導体化試薬を得ることで二官能性誘導体化試薬を放射性ヨウ素化し、次いで前記123I−標識二官能性誘導体化試薬との結合によって生物学的標的分子を放射性ヨウ素化する段階、
    (vi)別法として、試薬Aがハロゲン交換反応に適する場合には、任意には試薬Gの存在下において、試薬A及び(ii)からの123I−ヨウ化物のアリコートをマイクロプロセッサー制御下で前記反応器に移送し、次いで任意には前記放射性ヨウ素化反応を促進するために加熱を使用しながら、前記反応器内で混合して123I−標識生物学的標的分子を得る段階、
    (vii)段階(iv)〜(vi)の123I−標識生物学的標的分子生成物が既に生体適合性キャリヤー媒質中にある場合にはそれを直接に段階(viii)で使用し、さもなければ、段階(iv)〜(vi)の生成物を生体適合性キャリヤー媒質に溶解するか、或いは段階(iv)〜(vi)で使用した溶媒を除去してから残留物を生体適合性キャリヤー媒質に再溶解する段階、並びに
    (viii)段階(vii)からの生成物を直接に使用するか、或いは任意には精製、pH調整、希釈、濃縮及び終末滅菌からなる追加プロセスの1以上を施して所望の123I放射性医薬品組成物を得る段階
    を含んでなる方法。
  2. 存在する試薬(A)〜(G)が、前記123I−標識放射性医薬品組成物の単一バッチを製造するのに適した量である、請求項1記載の方法。
  3. さらに、123I−標識放射性医薬品組成物を単位患者用量に分注する段階を含む、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 生物学的標的分子が、トロパン、脂肪酸、ドーパミンD−2レセプターリガンド、グアニジン、アンフェタミン及び馬尿酸から選択される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 生物学的標的分子が、CIT、CIT−FP、IBZM、MIBG、BMIPPA又はIBFである、請求項4記載の方法。
  6. さらに、凍結乾燥試薬を含むキットの適当な非放射性溶媒による自動化再構成を行うことで無菌溶液状態の試薬Aを用意する段階を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  7. さらに、固相担体に結合した試薬Aを用意する段階を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  8. 前駆体が、トリアルキルスズ誘導体、トリアルキルシラン誘導体、求電子付加に適した芳香環又はハロゲン交換に適した誘導体からなる、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 段階(vii)に追加の精製プロセスが含まれていて、この精製プロセスは非標識試薬Aを除去して試薬Aを含まない123I−標識放射性医薬品組成物を得ることを含む、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
  10. 段階(viii)に追加の精製プロセスが含まれていて、この精製プロセスは過剰の123I−ヨウ化物を除去することを含む、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 当該方法が自動合成装置を用いて実施される、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
  12. 自動合成装置が、請求項1の段階(i)のカセットを交換可能に受け入れ、請求項1の段階(iii)、(iv)、(v)及び(vi)のプロセスを実施するように構成されている、請求項11記載の方法。
  13. 自動合成装置が、請求項1の段階(ii)の123I−ヨウ化物の容器を受け入れるように構成されている、請求項10又は請求項11記載の方法。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の使い捨ての無菌カセットであって、カセット部品及び試薬が無菌で非発熱性の状態にあるカセット。
  15. さらに、請求項1の段階(iv)〜(vi)の移送及び混合並びに段階(vii)の操作を実施するための手段、並びに段階(viii)の任意の追加プロセスを実施するための手段を含む、請求項14記載のカセット。
  16. 試薬Aが請求項6乃至請求項8に定義されたようにして供給される、請求項14又は請求項15記載のカセット。
  17. 123I−標識放射性医薬品組成物の製造のための、請求項11乃至請求項13のいずれか1項のいずれか1項記載の自動合成装置の使用。
  18. 製造が請求項1乃至請求項10記載の方法で実施される、請求項17記載の使用。
  19. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の123I−標識放射性医薬品の製造における請求項14乃至請求項16のいずれか1項記載のカセットの使用。
  20. 製造が請求項1乃至請求項13記載の方法で実施される、請求項19記載の使用。
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