JPH07318694A - 11c標識メチル化合物の注射製剤の自動合成装置および自動合成方法 - Google Patents

11c標識メチル化合物の注射製剤の自動合成装置および自動合成方法

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JPH07318694A
JPH07318694A JP6110086A JP11008694A JPH07318694A JP H07318694 A JPH07318694 A JP H07318694A JP 6110086 A JP6110086 A JP 6110086A JP 11008694 A JP11008694 A JP 11008694A JP H07318694 A JPH07318694 A JP H07318694A
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JP6110086A
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English (en)
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Jii Kooku Deibuitsudo
ジー.コーク デイヴィッド
Hirotake Yamato
裕武 大和
Kazuyoshi Yajima
一賀 矢嶋
Nobuyasu Hayashi
伸宜 林
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SEITAI KINOU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SEITAI KINOU KENKYUSHO KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/0006Controlling or regulating processes
    • B01J19/004Multifunctional apparatus for automatic manufacturing of various chemical products

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 定常的かつ連続的に遠隔操作による全自動で
11C標識メチル化合物の注射製剤を得る。 【構成】 11C核種原料生成装置で生成される11C二酸
化炭素から、第一反応フラスコF1で11Cヨウ化メチル
を生成し、これを酸捕集管11および乾燥管12を通し
て無水化した後、第二反応フラスコF2で被標識化合物
と反応させて11C標識メチル化合物を生成し、ついで、
クロマトグラフィー装置13を通して第三反応フラスコ
F3へ導入して、11C標識メチル化合物の等張生理食塩
水溶液を生成し、ついでpH調節フラスコF4へ導入し
てpHおよび溶液の量を調節し、その後、パイロジェン
吸着体器23および滅菌フィルター器24を通してバイ
アル等の注射液容器25に充填している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射性医薬品の11C標
識メチル化合物の注射製剤の自動合成装置および自動合
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医学、薬学、生化学などの分野におい
て、従来より、ポジトロン断層撮影診断法(Positron
Emission Tomography; PET)は、生体機能の定量
的生理学的画像を得るためのユニークな手段として汎用
されている。11C、13N、あるいは15O等のポジトロン
放出核種は、殆どあらゆる生物学的に活性なトレーサー
中にそれらの化学的挙動に影響を与えることなく導入で
きるため、PETは医学、薬学、生化学などの広範な研
究および臨床応用に有用な技術として用いられている。
【0003】PETにおいて用いられるポジトロン放出
核種のうち、11Cによる被標識化合物の標識化は、通
常、11Cヨウ化メチルを標識化剤として用いて行われて
いるが、11Cの半減期が20.4分と短いので、該標識
化化合物を必要に応じて、その都度、使用現場で迅速に
合成することが必須となっている。さらに、必要量の薬
液を得るには、通常、比較的高いレベルの放射能を有す
る原料から出発することが必要となる。従って、PET
用放射性医薬品を製造するためには、遮蔽機能を持った
施設の中に設置された合成装置を、遠隔操作により自動
運転できるようにすることが、安全性、信頼性の点から
必須条件となり、しかも、放射性出発原料の量が微量で
あるために、効率的な合成を行えることが前提条件とな
る。
【0004】この種の放射性物質を含む化合物の製造装
置として、従来、小型携帯用自動合成装置(特開昭59
−216830)が提案されている。上記自動合成装置
では、コンピュータ制御による遠隔操作で、放射性標識
原料、試薬および熱媒体を所要の容器およびラインに自
動送給して、放射性物質を含む化合物を自動合成するよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来提案されている装置および、その他の現在提供されて
いる自動合成装置では、実際上、反復して、再現性よく
PET用放射性標識化合物の合成に適用できることが実
証されておらず、かつ、再使用の前に手動での洗浄が必
要となっており、非常に手数がかかると共に、専門のオ
ペレーターを必要とするなど、種々の欠点を有し、実用
化には至っていない。近時、PETが研究の範囲を越え
てルーチンの臨床上の手段になりつつある現在、多種類
の標識化合物を臨床応用が可能な形でルーチン的に、反
復して、再現性よく供給できる信頼性のある自動合成装
置への要望が強まっている。
【0006】本発明者らは、上記した従来の問題を解消
すべく鋭意研究し、PET用の11C標識放射性医薬品の
うち、11C核種より11C標識メチル化合物の注射用製剤
を製造する自動合成装置において、最終目的物が定常的
に得られるように信頼性を高めると共に、装置の運転の
みならず洗浄作業をも自動化して装置の運転効率を高
め、同時に、装置の維持管理の省力化、簡素化を図る
と、同時に、1台で多様な標識化合物の製造に対応でき
る装置を開発した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記開発した
11C標識メチル化合物の注射製剤の自動合成装置を提供
するもので、請求項1で、11C核種原料を生成する装置
と、上記生成装置から供給される11C核種より11Cヨウ
化メチルを生成する第一反応フラスコと、上記第一反応
フラスコより11Cヨウ化メチルが順次導入される酸捕集
管および乾燥管と、上記乾燥管より導入される無水11
ヨウ化メチルを被標識化合物と反応させて11C標識メチ
ル化合物を生成する第二反応フラスコと、上記第二反応
フラスコで得られた11C標識メチル化合物が導入され、
目的物の単離と精製を行う自動注入・分取高速液体クロ
マトグラフィー装置と、上記クロマトグラフィー装置か
ら導入される11C標識メチル化合物を含む溶出液を濃縮
して目的化合物を採取した後に等張生理食塩水を供給し
て、11C標識メチル化合物の等張生理食塩水溶液を生成
する第三反応フラスコと、上記第三反応フラスコから導
入される11C標識メチル化合物の等張生理食塩水溶液の
液量およびpHを調節するpH調節用フラスコと、上記
pH調節用フラスコから導入されるpH調節された11
標識メチル化合物の等張生理食塩水溶液を通過させるパ
イロジェン吸着体および滅菌フィルターと、上記パイロ
ジェン吸着体および滅菌フィルターを通過して得られた
11C標識メチル化合物を受容する注射液容器と、上記反
応フラスコに供給される試料、溶媒およびpH調節液、
更に搬送用流体、洗浄溶媒、熱媒体の貯溜容器と、上記
反応フラスコを含む各機器、装置および貯溜容器の間に
設けられたフローライン、該フローラインに介設したバ
ルブ、センサーおよびポンプからなる搬送手段と、上記
搬送手段を遠隔操作で動作させて、上記化合物および洗
浄剤を自動搬送するための制御手段とを備えていること
を特徴とする11C標識化合物の注射製剤の自動合成装置
を提供している。
【0008】自動合成装置は、大きく分けて、合成シス
テム、制御システムおよびサービスシムテムからなる。
上記制御システム、即ち、制御手段は、コンピュータお
よびインターフェイスを備え、コンピュータはCRTモ
ニターに接続され、インターフェイスは主電源供給部に
接続されている。上記合成システムは、上記第一、第二
及び第三反応フラスコ、クロマトグラフィー装置、pH
調整フラスコ、滅菌フィルターおよびパイロジェン吸着
体、注射用容器、原料、試薬および溶媒の貯留容器、搬
送手段等を含む。上記サービスシステムは、上記洗浄溶
媒貯留容器を含む洗浄溶媒供給ユニットの他、減圧ユニ
ット、排気−排水ユニット、熱、冷媒体循環ユニット、
窒素、アルゴンガス供給ユニット等より構成される。
【0009】上記第一、第二、第三の各反応フラスコに
は、上記貯留容器から試薬、溶媒等を定量測定管を通し
て定量し、フローラインを通して供給しており、各フロ
ーラインには上記制御装置で開閉動作されるソレノイド
バルブが設けられている。上記各反応フラスコは、上記
試薬、溶媒等の貯留容器から試薬、溶媒の供給を受け
る。これら反応フラスコの容器本体の外周部に加熱ある
いは/および冷却用のジャケットを取り付け、容器本体
とジャケットの間の空間に上記熱、冷媒体を循環させ或
いはヒータで加熱することにより反応液を加熱、冷却す
ることができるようにしている。また、各フラスコの容
器本体内に内部撹拌子を入れると共に、フラスコを外部
撹拌器の上に設置し、フラスコの容器本体内の反応液を
十分に撹拌することができるようにしている。また、各
フラスコの容器本体内部をフローラインを通じて減圧ユ
ニットに接続し、容器本体内部を減圧下に加熱すること
により反応液を濃縮することができるようにしている。
【0010】上記11C核種原料生成装置で生成する11
核種原料は11C二酸化炭素であり、上記第一反応フラス
コは、11C二酸化炭素、金属水素化物の無水溶媒溶液、
ヨウ化水素酸溶液の供給管、11Cヨウ化メチル出口用管
を備え、上記第二反応フラスコは、11Cヨウ化メチル、
被標識化合物の溶液、塩基溶液および酸溶液の供給管、
反応生成物出口用管を備え、上記第三反応フラスコは、
クロマトグラフィー溶出液の導入管、バブリング用気体
の導入管兼11C標識メチル化合物溶液の出口管、排気管
および等張生理食塩水の供給管を備えている。(請求項
2)
【0011】詳しくは、上記第一反応フラスコは、その
容器本体の上部に、11C核種原料の導入管と、11Cヨウ
化メチルの出口管と、上記貯溜容器より供給されるヨウ
化水素水溶液および生成した11Cヨウ化メチル移送用の
アルゴンガスの供給管と、減圧導入管と連通させてお
り、さらに、金属水素化物の無水溶媒溶液添加用のセプ
タム付き側管を有し、かつ、これら複数の管と連通させ
た上部より下端部にむけて漸次小径とし、上記11C核種
の導入管には容器本体の下端近傍まで達する導入用細管
を嵌合しており、さらに、容器本体の外周を加熱・冷却
用ジャケットで囲み、該ジャケット内の熱媒体を上記制
御手段により遠隔操作で制御する構成としている。
【0012】さらに、上記第一フラスコの容器本体を、
加熱媒体用内筒と冷却媒体用外筒の2重ジャケットで囲
み、上記加熱媒体用内筒にはシリコンオイル等からなる
加熱媒体を充填していると共にヒータを内蔵し、該ヒー
タを上記制御手段により作動して上記加熱媒体を所要時
に所要温度に加熱している一方、上記冷却媒体用外筒
に、冷却媒体貯溜槽から所要温度に設定した冷却媒体を
上記制御手段により所要時に循環させる構成とし、さら
に、上記2重ジャケットで容器本体が囲まれている第一
反応フラスコをスターラーの上面に載置して、容器本体
内部の撹拌が行える構成としている。
【0013】上記第一フラスコと、上記第二フラスコと
を接続するフローラインには、上記酸捕集管と乾燥管と
を介設している。上記酸捕集管は酸捕集充填剤を充填し
ていると共に、上記乾燥管は乾燥剤を充填しており、酸
捕集管の出口と乾燥管の入口を管を介して連通し、か
つ、酸捕集管の入口と乾燥管の出口とを6方バルブの異
なるポートに管を介して連通し、さらに、該6方バルブ
の他のポートを上記第一反応フラスコおよび第二反応フ
ラスコと夫々管を介して連通し、上記6方バルブを上記
制御手段により開閉して、上記第一反応フラスコから11
Cヨウ化メチルを6方バルブを通して酸捕集管、乾燥管
を通した後に、6方バルブを通して第二反応フラスコへ
と導入する構成としている。(請求項3) 上記酸捕集管に充填する酸捕集剤としてソーダライムま
たは水酸化ナトリウム担持体を用いることが好ましい。
(請求項4) また、上記乾燥管に充填する乾燥剤として五酸化リンま
たはその担持体を用いることが好ましい。(請求項5)
【0014】上記第二反応フラスコは標識化反応用のフ
ラスコであって、容器本体の上部に、無水11Cヨウ化メ
チル導入兼標識反応生成導出用の管と、被標識化合物の
溶液を上記貯溜容器から導入する管と、塩基溶液を上記
貯溜容器から導入する管と、減圧排気管を容器本体の上
部と連通させて形成し、かつ、容器本体の外周をジャケ
ットで囲み、該ジャケット内の熱媒体の温度を上記制御
手段で遠隔制御により制御する構成としている。
【0015】上記第二反応フラスコにおいて、容器本体
を囲むジャケットは熱媒体循環管と接続し、冷却時には
冷媒をジャケット内に導入する一方、該ジャケット内に
ヒータを内蔵し、加熱時は該ヒータを上記制御手段で作
動して熱媒体を任意の温度に加熱する構成としている。
上記熱媒体の加熱温度は、11Cヨウ化メチルの捕集時に
は低く、続く標識反応段階では高く、2段階の温度とな
るように上記制御手段で設定していることが好ましい。
【0016】さらに、上記第二反応フラスコの容器本体
は、上記複数の管と連通した上部に対して下部を内方へ
小径とし、かつ、その内部に撹拌子を挿入していると共
に、該第二反応フラスコをスターラの上面に載置して、
容器本体内部の撹拌を行える構成としている。
【0017】上記第二反応フラスコと第三反応フラスコ
との間に、フローラインを介して接続する高速液体クロ
マトグラフィー装置(HPLC)は、クロマトグラフィ
ー用カラム(分取用)、HPLCポンプ、溶離液貯溜容
器、六方ロータリーバルブ、吸引シリンジ移送ポンプ、
紫外線吸収検出器、放射性同位元素検出器等を備え、精
製ユニットを構成するもので、上記シリンジポンプを遠
隔操作して、第二反応フラスコの内容物をHPLCカラ
ムに注入できるようにしている。
【0018】上記第二反応フラスコから11C標識メチル
化合物を上記高速液体クロマトグラフィー装置へ注入す
る配管上に、複数の光センサーを所要の間隔をあけて介
設し、複数の光センサーからの検出信号により気泡ある
いは液の白濁による誤動作を防止する構成としている。
(請求項6) 上記光センサーは、光検知部位に減光板を装着したもの
である。
【0019】上記第三反応フラスコは、濃縮と11C標識
メチル化合物溶液を調製するためのものであり、その容
器本体の上部に、上記クロマトグラフィーからの溶離液
を導入する管、バブリング用気体の導入兼11C標識メチ
ル化合物溶液の出口用の管、上記貯溜容器より生理食塩
水を導入する管、および排気管を連通させて形成し、か
つ、該容器本体をジャケットで囲み、該ジャケット内部
に熱媒体を充填すると共にヒータを内蔵し、該ヒータを
上記制御装置で遠隔操作して熱媒体を所要温度に加熱す
る構成としている。
【0020】上記第三反応フラスコの容器本体は、上記
複数の管と連通させた円筒状の上部と、丸底球形状とし
た下部と、上記上部と下部の境界に内方へ突出させた液
跳ね返り防止用の突起を備えた形状としている。(請求
項8) さらに、上記第三反応フラスコの容器本体では、その上
端中央の管に、バブリング用気体導入兼標識メチル化合
物溶液の出口管を貫通させて、該管の先端を底部近傍に
配置すると共に、該管の先端外周に撹拌子支持板を取り
付け、該撹拌子支持板上に回転自在に撹拌子を載置し、
かつ、上記出口管の下端外周に側孔を形成している一
方、上記ジャケット内部にも撹拌子を収容し、さらに、
該第三反応フラスコをスターラ上に載置して、上記容器
本体内部およびジャケット内部の撹拌子を回転させる構
成としている。(請求項9)
【0021】上記第一反応フラスコ、第二反応フラスコ
および第三反応フラスコにおいて、容器本体を囲むジャ
ケットは、各容器本体に連通させて形成した管の分岐部
分を囲むようにしている。(請求項10)
【0022】上記第三反応フラスコから11C標識メチル
化合物の等張生理食塩水溶液が導入される上記pH調節
フラスコは、容器本体の上端中央にpH電極挿入用の開
口を形成していると共に、第三反応フラスコから11C標
識メチル化合物溶液の等張生理食塩水溶液を導入する管
と、希塩基水溶液を上記貯溜容器より導入する管と、排
気管とを容器の上部に連通させて形成し、さらに、pH
および液量調節後の11C標識メチル化合物溶液の等張生
理食塩水溶液の出口管を底部に連通させて形成し、か
つ、容器本体の周壁外面の所要位置に液面センサーを設
置し、該液面センサーからの容器本体の内溶液の容量を
検出する信号により、上記制御装置による遠隔操作で上
記内容液を所定量に調節している。(請求項11)
【0023】上記pH調節フラスコで得られたpH調節
後の11C標識メチル化合物の等張生理食塩水溶液が導入
される上記パイロジェン吸着体は、カラム内部にハード
ゲルタイプのパイロジェン吸着体が充填されており、該
パイロジェン吸着体を通過させた後、該カラムの下端出
口にメンブレンフィルターからなる滅菌フィルターを取
り付けたケースを通過させるようにしている。上記ケー
スの出口に注射針を取り付け、該注射針の先端をバイヤ
ル等からなる注射用容器の入口に挿入している。(請求
項12)
【0024】上記試料、溶媒、pH調節液の貯溜容器と
上記各反応フラスコを接続するフローラインには、上記
貯溜容器から反応フラスコへ送液する溶液を定量するた
めに光センサーを用いた定量測定管を取り付け、該定量
測定管からの検出信号により、上記貯溜容器と各反応フ
ラスコとを連通するラインに介設したソレノイドバルブ
を上記制御装置により開閉動作させる構成としている。
【0025】上記貯溜容器と反応フラスコ等の各機器お
よび装置を接続するフローラインを通して、溶液を搬送
する搬送用流体として、加圧ガスおよび負圧ガスを用
い、加圧ガスとしてN2ガス、アルゴンガス等の不活性
ガスを用いると共に、負圧ガスはバキュームポンプで発
生させている。かつ、上記第二反応フラスコからクロマ
トグラフィーへの送液およびクロマトグラフィーからカ
ラムを通して第三反応フラスコへの送液をシリンジポン
プにより行う構成としている。
【0026】上記窒素、アルゴンガスは、供給ユニット
から供給しており、該供給ユニットは、窒素ボンベ、ア
ルゴンガスボンベ、レギュレーター、フローメーター等
より構成され、フローラインを通じて各フラスコに窒素
ガス、アルゴンガスを供給している。このように、原
料、試薬および溶媒などの送液を、窒素ガスあるいはア
ルゴンガスをフローラインに導入することにより、効率
的に行うことができる。この方法は、低沸点の化合物を
反応フラスコから別の反応フラスコに移送するのにも適
している。上記バキュームポンプは、ダイヤフラム式ポ
ンプ、油圧回転式真空ポンプ等からなり、該バキューム
ポンプで発生される負圧は、フローラインを通して、任
意のフラスコ内部を減圧にしている。
【0027】上記フローラインに介設したバルブ、ポン
プおよびセンサーを上記制御手段のコンピュータに接続
して、該コンピュータに予め入力されているプログラム
と上記センサーからの検出信号に応じて、上記バルブお
よびポンプを全自動で遠隔動作する構成としている。上
記制御手段は、自動制御/手動制御切り換えスイッチお
よび、コンピュータのデジタル出入力状態およびアナロ
グ出入力状態を表示するランプとスイッチとを備えて、
装置の作動状況を表示させる構成としている。
【0028】本発明の自動合成装置は、自動洗浄を可能
としており、上記各反応フラスコを含む全ての機器、さ
らに、機器を接続するフローラインに洗浄溶媒を自動送
給している。この洗浄溶媒として、アセトン、メタノー
ル、水を用い、上記洗浄溶媒貯溜タンクからの上記溶媒
を、上記フローラインに介設したバルブを、プログラム
による自動操作で、あるいは必要に応じて遠隔からのス
イッチ操作による手動で、開閉動作で送液して、フロー
ラインおよび各反応フラスコを含む上記各機器の洗浄を
行う構成としている。
【0029】上記第一および第二反応フラスコの接液面
および接ガス面をシリコン化している。(請求項13)
【0030】上記自動合成装置を遮蔽室内に設置すると
共に、該装置のフローラインにマスフローコントローラ
を設置して、装置内の漏れの有無を検出できる構成とし
ている。(請求項14) さらに、上記11C核種原料の生成装置と第一反応フラス
コとを連通する配管および、上記クロマトグラフィー装
置と第三反応フラスコとを連通する配管に、放射性同位
元素検出器を介設していると共に、上記注射用容器内の
製剤化液の放射能の量を測定するキュリーメータを設置
している。(請求項7)
【0031】さらに、本自動合成装置では、排気−排水
ユニットを備え、上記負圧発生用ポンプのダイヤフラム
式ポンプあるいは油圧式真空ポンプ等の使用により生ず
る廃液を廃液貯留容器内に溜め、また、ポンプの排気ガ
スを、冷却されたトラップに捕集し、これらが外部に直
接放出されない構成としている。
【0032】上記反応フラスコを加熱・冷却する熱冷媒
体は、熱媒体循環ユニットより各反応フラスコに循環さ
せており、例えばフロリナートFC77(Fluorinert
FC77)等よりなる熱媒体を用い、該熱媒体の貯留容
器、熱媒体の温度制御用サーモスタット、上記貯溜容器
から熱媒体を各フラスコに供給するためのポンプ等から
上記熱媒体循環ユニットを構成している。
【0033】さらに、本発明は、11C標識メチル化合物
の注射製剤の自動合成方法を提供するもので、該方法
は、生成装置で生成される11C二酸化炭素を、金属水素
化物の無水溶媒が供給されている第一反応フラスコに導
入して、上記11C二酸化炭素を吸着させると同時に還元
し、ついで、該第一反応フラスコにヨウ化水素酸溶液を
注入して加熱し、11Cヨウ化メチルを生成させると同時
に気化させ、ついで、上記ヨウ化メチルを上記第一反応
フラスコより酸捕集管と乾燥管に通過させて、完全に無
水の11Cヨウ化メチルとし、ついで、上記無水の11ヨウ
化メチルを第二反応フラスコに導入し、該反応フラスコ
に導入する被標識化合物の溶液と反応させ、11C標識メ
チル化合物を生成し、ついで、上記11C標識化合物の溶
液を第二反応フラスコより高速液体クロマトグラフィー
装置に導入した後、該高速液体クロマトグラフィーから
11C標識化合物を含む溶出液を第三反応フラスコに移送
し、上記第三反応フラスコで加熱すると共に気体のバブ
リングを行い、さらに、減圧して溶媒を除去し、その
後、該第三反応フラスコに等張生理食塩水を供給して、
11C標識メチル化合物の等張生理食塩水溶液を調製し、
ついで、上記第三反応フラスコより、上記11C標識メチ
ル化合物の等張生理食塩水溶液をpH調節用フラスコに
移送し、pHを調節し、さらに、要すれば、等張生理食
塩水を追加して所定の液量とし、ついで、上記pH調節
用フラスコで得られたpHが調節された11C標識メチル
化合物の等張生理食塩水溶液をパイロジェン吸着体およ
び滅菌フィルターを通過させた後、注射用容器に導入
し、かつ、上記全工程を遠隔操作による自動制御で行っ
ている。(請求項15)
【0034】上記11C標識メチル化合物の自動合成は、
請求項1に記載の自動合成装置を用いて行っている。
(請求項16) 上記方法で生成される11C標識メチル化合物は、3−N
11Cメチルスピペロン、11Cラクロプライド、11Cメ
チオニンである。(請求項17)
【0035】
【作用】請求項1に記載の自動合成装置において、生成
装置で生成される11C二酸化炭素からなる11C核種原料
は、第一反応フラスコへ導入される。該第一反応フラス
コにはセムタム付き側管より金属水素化物の無水溶媒溶
液を供給しておき、これに上記11C二酸化炭素を吸収さ
せると同時に還元し、ついで、貯溜容器からヨウ化水素
酸溶液を注入して加熱し、11Cヨウ化メチルを生成さ
せ、同時に気化させる。これを上記酸捕集管と乾燥管に
通過させて、完全に無水の11Cヨウ化メチルを得る。こ
の無水の11ヨウ化メチルを第二反応フラスコに導入し
て、被標識化合物、必要であれば塩基を含む溶液と反応
させ、さらに、必要であれば、反応液を第二反応フラス
コ内において、適宜、酸溶液により中和等の処理する。
ついで、上記第二反応フラスコで得られた11C標識メチ
ル化合物の溶液を高速液体クロマトグラフィー装置に導
入した後、11C標識メチル化合物を含む溶出液を第三反
応フラスコに移送する。第三反応フラスコで、適宜加熱
すると共に気体を導入してバブリングを行い、さらに、
減圧して溶媒を除去し、目的物を採取する。ついで、該
第三反応フラスコに等張生理食塩水を供給して、11C標
識メチル化合物の等張生理食塩水溶液を調製する。つい
で、第三反応フラスコより、上記11C標識メチル化合物
の等張生理食塩水溶液をpH調節用フラスコに移送し、
必要であれば希塩基水溶液を供給して、pHを調節した
後、得られた溶液をパイロジェン吸着体および滅菌フィ
ルターを通過させ、注射液容器に11C標識メチル化合物
溶液を導き、11C標識メチル化合物の注射用製剤を製造
している。
【0036】本発明の上記請求項1にかかわる自動合成
装置では、3個の反応フラスコを含めて、多様な11C標
識メチル化合物の製造に必要な全ての機器、装置を備
え、しかも、これらを遠隔操作で自動制御しているた
め、臨床応用が可能な形でルーチンに、反復、再現し
て、11C標識メチル化合物の注射製剤を供給することが
出来る。特に、本発明に係る自動合成装置では、装置内
に配置されたセンサーおよびソレノイドバルブ等を全
て、コンピュータに接続し、コンピュータによる自動制
御下に作動させる構成としたため、上記コンピュータに
予めプログラムを入力しておくと、人手を介さずに、簡
単かつ、迅速に、しかも高精度で、11C標識メチル化合
物の注射製剤を得ることが出来る。
【0037】特に、上記迅速かつ高精度に、11C標識メ
チル化合物の注射製剤を得る事が出来ることは、本発明
に係る自動合成装置がPETで用い得る放射性核種で標
識された化合物の自動合成装置である点において、通常
の自動合成装置とは異なる特徴を有している。即ち、小
型加速器から得られる放射性核種(11C核種)および、そ
れを含む放射性原料化合物(11C二酸化炭素)は、ピコモ
ルオーダーの極微量であり、しかも、超短半減期のもの
であるので、必要量の目的化合物を得るにはすべての操
作をなるべく短時間内に、しかも、高精度で確実にロス
なく行わなければならない。この特殊な要求を本発明の
自動合成装置は、請求項1あるいは請求項2から請求項
13に記載の構成とすることにより、満たすことを可能
としている。
【0038】具体的には、第一、第二、第三反応フラス
コ、pH調節用フラスコの容器本体に、複数の管を突設
しているため、所要の溶液を迅速にフラスコに導入ある
いはフラスコから導出することが出来る。また、上記各
フラスコの容器本体の形状を改良しているため、容器本
体内での反応が迅速に行えると共に微量の溶液の容器へ
の付着を減少させている。かつ、反応時に容器本体に突
設した管からの反応液が出るのを防止している。例え
ば、第三反応フラスコにおいて、液跳ね返りを防止用突
起を設けているため、気体によるバブリング時に液が管
から出るのが防止できる。(請求項8の作用)
【0039】さらに、上記第一、第二、第三反応フラス
コの容器本体をジャケットで囲み、その内部に熱媒体を
導入し、あるいは、内部にヒータを内蔵して、容器本体
および容器本体内部の溶液を加熱、冷却する構成として
いるため、反応時に迅速に所要の温度に設定でき、反応
フラスコ内での滞留時間の短縮を図ることができる。
【0040】さらに、第二および第三反応フラスコで
は、その容器本体内部および/あるいは容器本体に撹拌
手段を設けているため、反応フラスコ内部の溶液の反
応、溶媒溜去を迅速かつ均一に行わせることができる。
(請求項9の作用)
【0041】さらに、第一および第二反応フラスコの接
液面および接液ガス面はシリコン化しているため、溶液
の付着を防止できる。(請求項13の作用) かつ、溶液の送給をアルゴンガス、N2ガス等の加圧ガ
スでおこなっているため、送液時における溶液のチュー
ブあるいは機器への付着量を減少できる。
【0042】一方、自動合成される注射製剤が、反復性
よく再現され、かつ、高品質に保持される機能は、下記
の構成により達成される。第一反応フラスコから第二反
応フラスコの間に介設した酸捕集管および乾燥管を通過
させているため、11Cヨウ化メチルを完全に無水化する
ことができる。(請求項3、4、5の作用) 第二反応フラスコから高速液体クロマトグラフィー装置
へのフローラインに複数の光センサーを介設しているた
め、11C標識メチル化合物の溶液が高速液体クロマトグ
ラフィーに送給される時に、上記溶液中に含まれる気泡
や反応液の白濁によるセンサーの誤作動を防止できる。
(請求項6の作用) pH調節用フラスコでpH調節された11C標識メチル化
合物の等張生理食塩水溶液をパイロジェン吸着体および
滅菌フィルターに通過させているため、注射液容器に導
入される注射製剤が高品質に保持される。(請求項12
の作用) さらに、試料、溶媒等の貯溜容器から反応フラスコへ送
給する溶液を定量測定管で定量すると共に、pH調節用
フラスコには液面センサーを設置し、これら、測定管あ
るいはセンサーからの検出信号で、バルブを開閉してい
るため、所定量の送液が確実に行える。
【0043】また、本発明の自動合成装置は、放射性物
質を含む化合物の注射製剤を製造する点に特徴を有し、
装置内部に設置した放射性同位元素検出器およびキュリ
ーメータにより確実に放射能の発生および放射能の量を
測定できる。(請求項7の作用) さらに、マスフローコントローラを設置し、装置内流体
の漏れがないことを確かめているため、装置の正常な動
作が保証される。(請求項14の作用)
【0044】また、本自動合成装置では、上記放射性物
質の自動合成装置である点より、また、装置の効率の良
い利用のために、洗浄を自動化している点に特徴を有す
る。即ち、洗浄溶媒として、アセトン、メタノール、水
等を各部へ自動送給しているため、人手を介さずに、迅
速に洗浄することができる。さらに、各反応フラスコか
ら突出した管の分岐部をジャケットと囲んでいるため、
該管の分岐部を乾燥させて、該分岐部に溜まりやすい水
溶液を完全に乾燥除去することができる。(請求項10
の作用)
【0045】
【実施例】以下、本発明に係わる11C標識メチル化合物
の注射製剤の自動合成装置を図面に示す実施例により詳
細に説明する。図1(A)(B)は自動合成装置部の正
面図および背面図であって、該装置は放射性物質の漏れ
を防ぐため、遮蔽壁Aの内部に設置しており、遮蔽壁A
の外部に設置した制御部Bと自動合成装置内に設けてい
るソレノイドバルブV等の制御機器とを制御回線で接続
している。
【0046】上記自動合成装置部は、洗浄ユニットC、
貯溜ユニットD、11C核種原料生成装置E、反応ユニッ
トF、冷媒(熱媒体)ユニットG等を備え、図2および
図3に示す構成からなる。尚、上記11C核種原料生成装
置Eは図1には図示されておらず、図1の自動合成装置
部に、11C核種原料導入部80を通して導入している。
【0047】図2、図3おいて、2重細線が上記遮蔽壁
Aを示す。尚、図2および図3は装置全体を2分割して
示しており、※1−※1〜※6−※6とが連続される。
上記洗浄ユニットCには、洗浄溶媒となるアセトンタン
クC1、メタノールタンクC2、水タンクC3を備えて
いる。さらに、該装置には、搬送用のN2ガスボンベC
4、アルゴガスボンベC5、N2/C02タンクC6を設
置している。上記洗浄溶媒用のタンクC1〜C3は、図
2、図3に示すように、ソレノイドバルブV3,V3
4、V35を介設した配管L1に接続する一方、上記搬
送用ガスボンベC4、C5はソレノイドバルブV2を介
設した配管L2に接続し、これら配管L1、L2を反応
ユニットFに接続している。
【0048】上記11C核種原料生成装置Eは、小型加速
器1、ターゲットチャンバー2、C02トラップ3を備
え、図1に示す自動合成装置部とは別の厚いコンクリー
ト壁で遮蔽された別室に格納されており、生成した11
核種原料を配管を介して上記 11C核種原料導入部80に
導入している。反応ユニットFは、第一反応フラスコF
1、第二反応フラスコF2、第三反応フラスコF3、p
H調節用フラスコF4を備えている。貯溜ユニットDは
上記各反応フラスコに送られる反応試薬の溶液、反応基
質の溶液をいれたパイレックスガラス製の貯溜容器R1
〜R6を備えている。貯溜容器R1は配管L3を介して
第一反応フラスコF1に、貯溜容器R2,R3、R4は
夫々配管L4、L5、L6を介して第二反応フラスコF
2に、貯溜容器R5は配管L7を介して第三反応フラス
コF3に、貯溜容器R6は配管L8を介してpH調節用
フラスコF4に接続している。
【0049】上記第一反応フラスコF1と第二反応フラ
スコF2は配管L20、21を介して接続されており、
上記配管L20に6方ロータリーバルブ10を介設し、
該6方ロータリーバルブ10に酸捕集管11と乾燥管1
2を取り付けている。さらに、第二反応フラスコF2は
上記配管L21、L22を介して高速液体クロマトグラ
フィー装置(HPLC)13と接続している。上記高速
液体クロマトグラフィー装置(以下、HPLC装置と称
す)13は、6方ロータリーバルブ14、溶離液貯溜容
器16、HPLCポンプ17、吸引移送用のシリンジポ
ンプ18、クロマトグラフィー用カラム(以下、HPL
Cカラムと称す)19、紫外線吸収検出器20、放射性
同位元素検出器21、エアーフィルター31を備えてい
る。
【0050】上記HPLC装置13は、配管L23を介
して第三反応フラスコF3と接続し、該第三反応フラス
コF3は配管L24を介してpH調節フラスコF4と接
続している。該pH調節フラスコF4は配管L25を介
して、パイロジェン吸着器23と接続し、該パイロジェ
ン吸着体器23は滅菌フィルター器24を介してバイア
ル等からなる注射液容器25と接続している。
【0051】さらに、上記冷却ユニットGは第一反応フ
ラスコF1と第二反応フラスコF2へ冷却媒体を循環供
給するため、図1に示すように、コールドバス5、クー
ラー7、クーラー制御ボックス9およびクーラーポンプ
63(図2に示す)を備えている。さらに、自動合成装
置部は、各配管および上記反応フラスコに減圧を供給す
るための減圧ユニットH等を備えている。
【0052】上記した配管および以下に記載する配管は
全てテフロンチューブ管を用いており、また、第一およ
び第二反応フラスコF1、F2の接液面および接ガス面
をシリコン化して、液およびガスの付着を低減し、収率
を高めている。また、これら配管に介設するバルブは全
てソレノイドバルブからなり、図2、図3中、ソレノイ
ドバルブV1〜V63において、●側のポートは常閉を
示し、▲の頂点側のポートは共通、無印は常開を示す。
以下、ソレノイドバルブはバルブと略す。
【0053】以下に上記各部の構成を詳細に説明する
と、まず、貯溜容器R1〜R5と反応フラスコF1〜F
3を接続する配管L3〜L7には、夫々貯溜容器R1〜
R5の下端出口部にバルブV11,V12,V13,V
14,V18を設け、これらのバルブと光センサーPS
1、PS2、PS3、PS4、PS8とで定量管を構成
し、かつ、貯溜容器R1〜R5をバイパスしてV11、
V12、V13、V14、V18に接続するバイパス配
管L9〜L13を設け、貯溜容器R1〜R5の溶液をそ
れぞれ所定の容量を計量して反応フラスコへ圧送するよ
うにしている。上記貯溜容器R1〜R6の溶液はアルゴ
ンガスにより圧送するようにしており、よって、上記ア
ルゴンガスタンクC5に接続した配管L2にマスフロー
コントローラMF1を介して配管L15を接続し、該配
管L15を上記各貯溜容器R1〜R6にバルブV22、
V24、V26、V28、V38、V19を介して接続
すると共に、上記バイパス配管L9〜L13とバルブV
10、V23、V25、V27、V43を介して接続し
ている。
【0054】上記貯溜容器から反応フラスコへの溶液の
供給は、例えば、貯溜容器R1から第一反応フラスコF
1への送液では、まず、第一反応フラスコF1に接続し
た配管L20に介設したバルブV15を開いて第一反応
フラスコF1を開口し、次いで、バルブV11とV22
とを開け、貯溜容器R1内の液を配管L3を通して流下
させる。光センサーPS1から液の検出信号が出ると、
バルブV11、V22を閉じ、バルブV22の上流側の
バルブV10を開け、V10を通してアルゴンボンベC
5から圧送されるアルゴンガスを貯溜容器のバイパス配
管L9を通してバルブV11に送り、光センサーPS1
と貯溜容器R1の間の配管L3内に計り取られた量の液
を第一反応フラスコF1に圧送する。また、貯溜貯槽R
2から第二反応フラスコF2への送液も、同様にして、
第二反応フラスコF2に接続した配管L17に介設した
バルブV29を開として第二反応フラスコF2の出口を
開け、貯溜容器R2からの液を、バルブV12とV24
を光センサーPS2が液を検出するまで開けることによ
り秤量し、次いで、バルブV23を開けて計った所定量
の溶液を第二反応フラスコF2に導入する。同じ操作を
繰り返すことにより、所望の量の溶液を注加できる。
【0055】貯溜容器R6から配管L8を通してpH調
節用フラスコF4へ送給する溶液は、後述する如く、p
H調節用フラスコF4の外周壁に取り付けた液面センサ
ー29で検出し、所要量に達すると、貯溜容器R6の両
端出口に設置したバルブV19を閉じて、制御してい
る。
【0056】上記第一反応フラスコF1は、図4から図
6に示す構造で、パイレックスガラス製の容器本体10
0を加熱用の内部ジャケット101で内部熱媒体充填用
空間102をあけて囲むと共に、該内部ジャケット10
1を外部熱媒体充填用空間103をあけて冷却用の外部
ジャケット104で囲んでいる。容器本体100は図示
のように細長い形状で、膨らんだ上部105より下端に
向けて漸次縮小する下部106を備え、上部105より
5本の管107〜111を放射状に突出させている。
【0057】内部ジャケット101は、容器本体100
と上記管107〜111の分岐部分を囲んでおり、その
上面に熱媒体導入口112を備え、該導入口112より
内部熱媒体充填用空間102にシリコンオイルからなる
熱媒体113を充填している。また、該空間102の内
部のシリコンオイル中にニクロム線からなるヒータ11
4を収容し、該ヒータ114と接続したタングステン・
ターミナル115を導管116内を通して外部ジャケッ
ト104より取り出し、電源(図示せず)と接続してい
る。上記ヒータ114は所要時にオンして、シリコンオ
イルが一定の設定温度になるように加熱している。上記
外部ジャケット104には熱媒体取入管118と取出管
117を突設し、外部熱媒体充填用空間103に、冷媒
循環ユニットGから配管L19を通して、熱媒体を循環
させている。該熱媒体は、冷却した冷媒のフルオリナー
ト[Fluorinert]FC77からなる。
【0058】上記容器本体100から分岐した5本の管
107〜111の内、管107は貯溜容器R1からの上
記配管L3と接続し、ヨウ化水素水溶液を導入してい
る。管108は6方バルブ10と接続する配管L20と
接続し、該管108を11Cヨウ化メチルの出口管として
いる。管109は容器本体100の中心部に設けてお
り、上記11C核種原料生成装置Eからの配管L26と接
続し、11C二酸化炭素および11Cヨウ化メチル移送用の
アルゴンガスの導入管としている。即ち、配管L26に
接続した細管120を管109を貫通させて、容器本体
100の一段と小型化した下部106を通して底部近傍
まで導入している。上記第一反応フラスコF1と生成装
置Eとを接続する配管L26には放射性同位元素検出管
(RID)6を介設すると共に、バルブV9、V9aを
介設している。上記バルブV9には配管L27、バルブ
V5を介して配管L15を接続している。
【0059】さらに、管110には、減圧ユニットHの
バキュームポンプ8と接続する配管L28を取り付け、
減圧導入管としている。上記配管L28とバキュームポ
ンプ8との間にはバルブV40、V29、V30、V3
1、V42、V32、V33、V36、V61を介設し
ており、バルブV61、V33を開くことにより、容器
本体100の内部に負圧を導入して減圧できるようにし
ている。さらに、配管L28のバルブV40の下流に、
エアーフィルタ32を介してソーダライム充填したトラ
ップ33を設置している。最後の管111はセプタムの
ついた管であり、該管111より容器本体100に金属
水素化合物の無水溶媒溶液をセプタムを通して導入し、
導入後は、管111をセプタムで閉鎖している。
【0060】上記第一反応フラスコF1は、その外部ジ
ャケット104をスターラ119上に載置し、外部ジャ
ケット104の内部および内部ジャケット101の内部
の熱媒体、および容器本体100の内部溶液を撹拌でき
るようにしている。
【0061】第一反応フラスコF1においては、まず、
そのセプタム管111から金属水素化物を容器本体10
0に注入しておき、管109を通して、小型加速器1の
ターゲットからヘリウムガスと共に導出された11C二酸
化炭素を上記金属水素化物の溶液中に捕集し、これを還
元して11Cメタノールを得、次いで、管107から導入
するヨウ化水素酸を反応させてヨウ化メチルを製造する
反応がなされる。
【0062】上記第一反応フラスコF1内で、11C二酸
化炭素の捕集効率を高めるために、11C二酸化炭素の含
有気体を導入する前に、金属水素化物の溶液を冷却して
おくことが好ましく、そのため、外部ジャケット104
の内部に冷却用熱媒体を循環させておくことが好まし
く、また、その際、容器本体100の内部を乾燥状態に
保つためバルブV5を開けてアルゴンガスタンクC5か
ら乾燥アルゴンを導入し、フラッシュすることが好まし
い。
【0063】上記第一反応フラスコF1の11C二酸化炭
素の導入用配管L26に設置した放射性同位元素検出器
6が放射能を検出したら、バルブV9、V9aを開け、
第一反応フラスコF1へ導出する。其の際、放射能を帯
びたガスが少しでも漏れるのを防ぐために、第一反応フ
ラスコF1の容器本体100を、減圧管110、バルブ
V40を介してソーダライムを充填したトラップ33に
向けて開いている。上記放射性同位元素検出器6を監視
し、放射能のピークの間、ガスを集めることにより11
二酸化炭素を第一反応フラスコF1に捕集する。捕集終
了後、第一反応フラスコF1のヒーター114のスイッ
チを入れ、バルブV33を開けて容器本体100の内部
を減圧し、減圧下に所定温度に所定時間加熱して溶媒を
留去している。
【0064】次いで、冷却媒体循環ユニットGの冷却ポ
ンプのスイッチを入れて外部ジャケット104の内部の
冷却媒体充填用空間103に冷却媒体を導入して冷却す
る。ついで、バルブV15とV29を開けたのち、バル
ブV11とV22を開け、貯溜容器R1よりヨウ化水素
酸水溶液を光センサーPS1が入になって検出するまで
採取し、次いでバルブV10を開け、計り取った量を第
一反応フラスコF1に注ぎ込む。その後、再びヒーター
114のスイッチを入れ、加熱することにより反応させ
11Cヨウ化メチルを製造する。其の際、必要であれ
ば、新たなヨウ化水素酸水溶液を再度添加し反応を繰り
返してもよい。次いで、生成した11Cヨウ化メチルを、
バルブV5を開けることにより、アルゴンガスにより管
108を通して酸捕集管11、乾燥管12へと移送して
いる。
【0065】上記酸捕集管11及び乾燥管12は、図7
に分解して示す構成からなり、配管L20に介設した6
方バルブ10のポート10aと10bに夫々一端11
a、12aを接続すると共に、他端11b、12bは連
通管40で接続している。酸捕集管11には例えばソー
ダライムや水酸化ナトリウム担持体などの固形の酸捕集
剤を充填している。一方、乾燥管12には五酸化リンや
五酸化リン担持体などの乾燥剤を充填している。かつ、
酸捕集管11の入口部および出口部、乾燥管12の入口
部及び出口部には脱脂綿を充填するか、図のように、グ
ラスフィルター41を取り付けてもよい。
【0066】上記酸捕集管11には、配管L20より6
方ロータリーバルブ10のポート10cに流入した11
ヨウ化メチル含有アルゴンガスが、バルブ10内の通路
10d、ポート10aを経て導入され、連通管40をへ
て乾燥管12を通り、バルブ10のポート10bより、
通路10e、ポート10fを通り、配管L20、バルブ
V15、配管L21をへて第二反応フラスコF2に導入
している。其の際、上記酸捕集管11、乾燥管12内
で、11Cヨウ化メチル含有アルゴンガス中の酸(ヨウ化
水素ガス)と水を完全に除くことができる。よって、含
水溶媒中での標識化反応ばかりでなく、無水溶媒中での
標識化反応をも本装置を用いて行うことが可能となる。
【0067】上記6方ロータリーバルブ10には、図2
に示すように、上記酸捕集管11および乾燥管12の接
続ポートと対向したポート10gと10hに、他の一対
の酸捕集管11’と乾燥管12’を連通して、一方を使
用した後に、他方を使用することにより、連続運転を可
能としている。
【0068】上記第二反応フラスコF2は、図8、図9
に示す構造で、パイレックスガラス製の容器本体200
をジャケット201で熱媒体充填用空間202をあけて
囲んでいる。容器本体200は図示のように細長い形状
で、上部205が下部206に段状に大径化しており、
かつ、小径の下部206の底部は円錐形状としている。
上部205より5本の管207〜211を放射状に突出
させている。
【0069】上記ジャケット201は、容器本体200
と上記管207〜211の分岐部分を囲んでおり、その
上面に撹拌子導入口212を備えている。また、下部に
熱媒体取入管213を、上部に熱媒体取出管214を突
設しており、熱媒体充填空間202に冷媒ユニットGよ
り熱媒体(フルオリナートF77)を循環させることが
できるようにしている。上記熱媒体充填空間202には
上記撹拌子導入口212から入れた撹拌子215を収容
していると共に、ニクロム線からなるヒータ216を収
容し、該ヒータ216と接続したタングステン・ターミ
ナル217を導管内を通してジャケット201より取り
出し、スイッチを介して電源(図示せず)と接続してい
る。上記ヒータ216は所要時にオンして、冷媒を加熱
することにより、内容物を任意に設定した温度に加熱し
ている。また、第一反応フラスコF1と同様にジャケッ
ト201をスターラ220上に載置して、上記撹拌子2
15を撹拌させるようにしている。
【0070】上記容器本体200から分岐した5本の管
207〜211の内、管207、208、209は配管
L4、L5,L6を介して貯溜容器R2、R3、R4に
夫々接続し、被標識化合物の溶液および塩基溶液等を容
器本体200に導入している。中央の管210は配管L
21と接続しており、該配管L21の先端に細管221
を取り付け、該細管221を容器本体200の底部近傍
まで延在させている。配管L21および細管221を通
して、無水11Cヨウ化メチルを導入すると共に、容器本
体200の内部で生成された11C標識メチル化合物を含
む反応生成物の溶液を導出している。残りの配管211
は配管L17を介して、上記バキュームポンプ8と接続
する配管L28に接続し、減圧導入管としている。
【0071】上記配管L21には光センサーPS7を介
設すると共に、該配管L21と高速液体クロマトグラフ
ィー装置13の6方ロータリバルブ14を接続する配管
L22には、図3に示すように、所要の間隔をあけて2
個の光センサーPS5とPS6を介設している。
【0072】上記第二反応フラスコF2では、まず、貯
溜容器から被標識化合物の溶液を容器本体200に導入
し、これを冷却し、11Cヨウ化メチルを導入して、被標
識化合物で捕集した後に、加温して、標識反応を行わ
せ、次いで、酸水溶液を添加して反応生成物の水性溶液
を得、高速液体クロマトグラフィー装置13へ供給して
いる。
【0073】詳しくは、まず、貯溜容器R2から、被標
識化合物の溶液を、バルブV24、V12を開け、光セ
ンサーPS2を用いて計量し、バルブV23を開けて、
第二反応フラスコF2に送る。11Cヨウ化メチルの捕集
効率を高めるために、11Cヨウ化メチルを移送前に、熱
媒体取入管213と接続した配管L35のバルブ62を
開いて短時間冷却媒体をジャケット201の内部に導入
して、被標識化合物を冷却する。次いで、バルブV5、
V15、V29を開けることにより、11Cヨウ化メチル
含有アルゴンガスを導入する。所定時間後、バルブV1
5を閉じ、貯溜容器R3から上記と同様にして、バルブ
V13とV26を光センサーPS3がオンになるまで開
け、次いで、バルブV25を開けて、塩基溶液を容器本
体200に入れる。ついで、バルブV29を閉じること
により容器本体200を密閉し、適宜、ヒータ216を
オンして反応温度に加熱する。また、この時、次工程の
ための準備として、HPLCポンプの運転を開始してお
くのがよい。
【0074】上記した貯溜容器R1〜R4から第一およ
び第二反応フラスコF1、F2への送液、後述する貯溜
容器R5から第三反応フラスコF3への送液では、10
0〜200μlの容量の液体を正確かつ確実に送る必要
がある。また、上記第二反応フラスコF2から高速液体
クロマトグラフィー装置13への標識反応生成物の溶液
の送液では、溶液中の気泡や白濁を液切れと誤って判断
することがないようにする必要がある。そのため、ま
ず、光センサーPS1〜PS8として、前記した信頼性
の高い図10および図11に示す構成の光センサーを用
いている。
【0075】上記光センサーPS1〜PS8は、黒い塩
化ビニルからなる減光板30を設け、該減光板30に透
明のテフロンチューブからなる配管Lを貫通させる貫通
孔30aを形成している。該減光板30には貫通孔30
aと直交させて測光孔30bを設け、配管Lが正確に光
路の中心を横切るように設定した。該減光板30は、表
示ランプ31を設けた通常の光センサー本体32の比較
的幅の広い(約5mm)くぼみとなっている測光部32aに
密嵌して嵌め込んで固定している。上記光センサーPS
では、配管Lに液が通過して、測光部30bで液の通過
を検出した時、オン信号を出力するものであり、該セン
サーは直流24Vで作動させることができ、必要な電気
回路も簡単になっている。上記光センサーPS1〜PS
4、PS8では、液体を検知すると、信号が直接コンピ
ュータに送られる。同時に、その信号はリレーを働か
せ、貯溜容器R1〜R5の底にあるソレノイドバルブの
電気を切る。こうすることにより再現性の良い送液を達
成することができた。また、洗浄工程に入った際には、
前記の24Vの電源を切るリレー操作により光センサー
の作動スイッチを切っておくこともできる。
【0076】上記配管L21およびL22に介設する光
センサーPS5〜PS7も、該光センサーの検出信号で
バルブの切り替えを行うものであるが、特に、光センサ
ーPS5とPS6とを所定の短い間隔をあけて設置して
いる点に特徴を有する。即ち、本装置では、光センサー
からの信号によりバルブを切り替える手法を用いている
が、この方式は、第二反応フラスコF2からHPLCの
注入ループへの送液において、送液する溶液が白濁して
いたり、気泡が存在していると、光センサーが流路内の
気泡や濁りを液切れと誤って判断し、バルブの誤動作を
生じる問題がある。この問題を上記したように複数(実
施例では2個)の光センサーPS5とPS6を短い間隔
で設置する方法で解決している。
【0077】即ち、両方の光センサーPS5とPS6と
の両方が液を感知するか、感知しなくなることをもって
送液の完了を検知している。この方法の採用により、気
泡を液切れと誤って判断する事態はほとんど避けること
ができ、装置の運転の安定性を著しく高めることができ
た。また、本方法により、反応液が多少濁っている場合
にも、光センサーを用いて配管内の液の有無を正確に判
断することができ、反応液が2相になるような場合にも
本発明の装置を用いることができる。尚、本実施例で
は、2個の光センサーPS5とPS6を所定間隔で並設
しているが、3個並設してもよい場合もあり、光センサ
ーの個数は限定されない。
【0078】上記高速液体クロマトグラフィー装置13
は精製ユニットを構成し、図12に示すように、6方ロ
ータリーバルブ14を備え、該6方ロータリーバルブ1
4のポート14aと14bの間に注入用ループ14xを
設け、ポート14cを上記配管L22に、ポート14d
を溶離液貯溜容器16にHPLCポンプ17を介して接
続した配管L33に、ポート14eをモータ駆動の吸引
シリンジ移送ポンプ18にバルブV6、V36、V45
を介して接続した配管L36に、ポート14fをクロマ
トグラフィー用カラム(HPLCカラム)19、紫外線
吸収検出器20、放射性同位元素検出器21に接続した
配管L23に接続している。上記配管L36にはバルブ
V45を介してエアーフィルター31を接続している。
【0079】上記高速液体クロマトグラフィー装置13
では、第二反応フラスコF2で所定時間の反応させた
後、加熱を止め、室温に冷却し、酸水溶液を添加された
反応混合物を配管L21、L22を通して、注入用ルー
プ14xに吸引し、ついで、HPLCカラム19へ注入
し、HPLCカラム19により目的の標識化合物を単離
している。詳しくは、バルブV45とV29を開け、シ
リンジポンプ18でHPLC溶離液を注入用ループ14
xを通じて押し込み、注入用ループ14xと第二反応フ
ラスコF2との間の配管L22を溶離液で満たす。すな
わち、光センサーPS7が第二反応フラスコF2のすぐ
上部で液体を検知した後、さらに所要時間、シリンジポ
ンプ18の駆動を続け、配管L22内を完全にHPLC
溶離液で満たしてから、バルブV45を閉じて溶離液の
押し込みを止める。
【0080】第二反応フラスコF2内の反応混合物に対
しては、貯溜容器R4から希酸水溶液を加えることによ
り中和する。即ち、バルブV14とV28を光センサー
PS4のスイッチが入るまで開け、次いでV27を開
け、計量された量の酸を第二反応フラスコF2に注ぎ込
む。ついで、第二反応フラスコF2内の撹拌を止め、バ
ルブV45を開けて第二反応フラスコF2中の反応混合
物をシリンジポンプ18で吸引して光センサーPS6、
PS5で配管L22のテフロンチューブ内に溶液が残っ
ていないことを検知するまで吸引し、注入用ループ14
xに溜め、上記光センサーPS5およびPS6により溶
液がなくなったことを検出すると、6方ロータリーバル
ブ14を切り替える。
【0081】上記注入操作においては、いかにHPLC
カラム19への空気の注入を避けつつ、反応液を確実に
自動で注入するかが重要な問題である。本装置では、ま
ず、シリンジポンプ18を動作して、シリンジポンプ1
8から第二反応フラスコF2までの配管の中の空気を溶
離液で置換する。その後、シリンジポンプ18を吸引に
切り替えて、第二反応フラスコF2内の反応液を全量H
PLC注入ループ14x内へ引き込む。ついで、6方ロ
ータリーバルブ14をモーター駆動で切り替え、溶離液
とともに反応液をHPLCカラム19へ注入する。該カ
ラム19からの溶出液は紫外線検出器20および放射線
同位元素検出器21により監視されている。これら検出
器20、21により、目的物を含む溶出液が検出される
と、バルブV16を開動作して、第三反応フラスコF3
へと導出して、該溶出液を自動的に第三反応フラスコF
3に捕集している。
【0082】なお、本装置では、図示していないが、キ
ャリブレーション用とHPLC流路系、すなわち、HP
LCカラムを切り替えるための2つの手動の6方ロータ
リーバルブを設置し、5本のHPLCカラムと1本のバ
イパス管(洗浄工程で使用できる)を連結できるようにし
ている。
【0083】上記第三反応フラスコF3は、図13、1
4、15に示す構造で、ガラス製の容器本体300をジ
ャケット301で熱媒体充填用空間302をあけて囲ん
でいる。容器本体300は図示のように細長い円筒状の
上部303に、丸底の球形状の下部304を備え、上部
303と下部304の境界部分に内方へ突出させた液跳
ね返り防止用の突起305を形成し、液撥ねによる生成
物の損失が最小となるようにしている。即ち、突起30
5を後述する減圧導入管との連結管308より下部に設
けることにより、減圧導入管より液が直接廃液側に失わ
れるのを防いでいる。上部303の上端は管挿入用の開
口とし、かつ、上部303の外周部より3本の管306
〜308を放射状に分岐させて突出させ、上記上端開口
に嵌合する管309と併せて4本の管と連続させる構成
としている。
【0084】上記ジャケット301は、容器本体300
と上記管306〜309の分岐部分を囲んでおり、その
上面に撹拌子導入口310と熱媒体充填用空間302に
シリコンオイルからなる熱媒体311を供給するための
セプタム用開口312を設けている。よって、熱媒体充
填用空間302にはシリコンオイルからなる熱媒体31
1が充填されていると共に、撹拌子313が収容されて
いる。かつ、ニクロム線からなるヒータ314を収容
し、該ヒータ314のタングステン・ターミナル315
をジャケット301の外部へ取り出し、スイッチを介し
て電源(図示せず)と接続している。上記ヒータ314
は所要時にオンして、熱媒体を一定温度に加熱してい
る。
【0085】また、該第三反応フラスコF3も他の反応
フラスコと同様にジャケット301をマグネテック・ス
ターラ330上に載置して、上記撹拌子313を撹拌さ
せるようにしている。さらに、上記容器本体300の上
端開口に嵌合するテフロンチューブ製の管309を容器
本体300の底部まで延在させ、その先端の下端外周部
にテフロン製の円盤からなる撹拌子支持板331を固定
し、該撹拌子支持板331上に撹拌子332を回転自在
に搭載し、上記マグネットスターラ330により撹拌子
332が上記撹拌子313と同様に回転されるようにし
ている。上記管309は底面まで延在させているため、
その先端部に切り込み318が付けられており、減圧下
に容器本体300の内容液を次のpH調節用フラスコF
3へ輸送する際、管309が底面に密着させられること
なく、容器本体300内の液がスムースに吸引できるよ
うになっている。また、この容器本体300の先端開口
より挿入する管309は、コネクタ316を介してネジ
式で固定しているが、該コネクター内の空所は留去中特
に乾きにくいので、ここでテフロンで被覆したテフロン
ディスク(セプタム)317を挿入し、これを介して管3
09を通すことにより、液の付着を最小限に抑えてい
る。
【0086】上記管309は配管L24を介してpH調
節用フラスコF4と接続している。容器本体300から
分岐した他の管306はHPLCカラム19からの溶出
液の導入する配管L23と接続し、管307は生理食塩
水の貯溜容器R5からの配管L7と接続し、管308は
バキュームポンプ8と接続する配管L27とバルブV3
0を介して合流する配管L38と接続し、容器本体30
0を真空引きして減圧するようにしている。上記管30
6〜309は、他のフラスコ同様、容器本体300から
の分岐部は全てジャケット301で囲んでおり、乾燥を
早めると同時に、HPLC溶離液の留去に要する時間を
大幅に短縮することで、目的物の放射化学収率の向上を
図っている。
【0087】上記第三反応フラスコF3は、該フラスコ
において、11C標識メチル化合物を含有するHPLC溶
離液から溶媒を加熱および減圧下に留去し、得られた生
成物を生理食塩水に溶解させて、11C標識メチル化合物
の生理食塩水溶液を調製する操作を行うものである。即
ち、HPLCカラム19で分離した目的物を含む溶離液
は、第三反応フラスコF3において、N2ガスタンクC
4より窒素を導通してバブリングを行うと共に、熱媒体
をヒータ314で加熱して、上記溶離液を加熱すること
により、またさらに、減圧下で加熱するなどの操作によ
り濃縮乾固している。
【0088】次いで、ヒーター314を切ると共に真空
引きを停止した後、生理食塩水を貯溜容器R5から加え
て残留物を溶かす。即ち、バルブV18とV38を光セ
ンサーPS5が検出するまで開けて計量された量(例:
5mL)の生理食塩水を、バルブV43を開けて第三反応
フラスコF3の容器本体300に送り込み、次いで、マ
グネティックスターラー330による撹拌とN2ガスの
バブリングにより溶解を促進させる。其の際、真空引き
を短時間行い、N2ガスのバブリングをより激しくして
生成物がよく溶けるようにしてもよい。
【0089】上記pH調整フラスコF4は図16および
図17に示す構造で、容器本体400は透明なガラス製
で縦長の円筒形状としており、上端近傍が縮径して、上
端開口401に連続している。上端開口401よりpH
測定器50に接続したpH測定用電極51を挿入し、電
極51をフラスコ本体400の底部近傍まで延在させて
いる。また、容器本体400の上端近傍の肩部から4本
の管402〜405を突設している。
【0090】管402は上記第三フラスコF3と配管L
24を介して接続し、第三フラスコF3で得られた11
標識メチル化合物の生理食塩水溶液を、フラスコ本体の
空所401へ供給している。管403は配管L40、バ
ルブV37を介して配管L7と接続し、貯溜容器R5よ
り生理食塩水を添加出来るようにしている。管404は
配管L8と接続し、貯溜容器R6より、バルブV19を
介して中和用溶液をフラスコ本体401へ供給してい
る。管405は配管L41、バルブV31を介して配管
L28と接続してバキュームポンプ8と接続している。
さらに、容器本体400の底面から管406を突設し
て、配管L25と接続し、バルブV20を介してパイロ
ジェン吸着体23と接続している。さらに、バルブV2
0より分岐配管L42、バルブV42を介して配管L2
8と接続し、バルブV32、33、61を介して廃液タ
ンク62へと連通している。さらに、容器本体400の
周壁外面には、液面センサー29を取り付けていると共
に、底部外面にマグネテックスターラ440を設置し、
容器本体400内の溶液を撹拌している。
【0091】上記pH調節フラスコF4では、まず、バ
ルブV42、V33を開け、バキュームポンプ8のスイ
ッチを入れて、容器本体400内を空にし、バルブV
2、V43、V31、V17およびV33を開けて、第
三フラスコF3で得られた11C標識メチル化合物の生理
食塩水溶液を供給している。ついで、中和用の炭酸ナト
リウム溶液を貯溜容器R6から、バルブV19を開ける
ことにより添加してpHを7.0±1.0の範囲内に調
整している。次いで、必要であれば、バルブV18とV
38を短時間開け、次にV43とV37を開けることに
より貯溜容器R5から生理食塩水を少しずつ加え、液面
を液面センサー29の位置まで供給することにより、容
器本体400中の最終容積を所定の量に調整している。
【0092】上記パイロジェン吸着器23、滅菌フィル
ター器24、注射液容器(バイヤル)25は図18に示
す構成からなる。pH調節フラスコF4と接続した配管
L25をパイロジェン吸着体器23のケース500の上
端より挿入し、ケース500内に充填したパイロジェン
吸着体501および、その下部に配置したグラスフィル
ター502を通して、ケース500の底面に接続した管
503へ注射溶液を取り出している。滅菌フィルター器
24は、ケース504の上端に上記管503をに接続
し、該ケース504の内部にメンブレンフィルター50
5を備え、該メンブレンフィルター505を通した後、
ケース504の下端に接続した注射針506に供給して
いる。注射針506は注射液容器25の内部に上端より
挿入されており、かつ、注射液容器25には別の注射針
507を上端より挿入されており、該注射針507にメ
ンブレンフィルター508を取り付けて、出口からの菌
等の侵入を防止している。
【0093】上記パイロジェン吸着体器23、滅菌フィ
ルター器24および注射液容器25には、バルブV2、
V20、V37、V43およびV7を開けることによ
り、pH調節フラスコF4中の液を供給し、パイロジェ
ン吸着体501、メンブレンフィルター505を通して
濾過した後、注射液容器25へ捕集している。該注射液
容器25は、その放射能の量を測るため、キュリーメー
ター60内に置かれている。
【0094】本装置では、洗浄ユニットCとして、上記
したように、洗浄溶媒となるアセトン、メタノール、水
を貯溜しているタンクC1、C2、C3を備えると共
に、窒素、アルゴンからなる不活性ガスのタンクC4、
C5を備えている。洗浄溶媒を移送するため、および装
置内の乾燥のために、油回転式ポンプのバキュームポン
プ8、ダイヤフラム式バキュームポンプ61を備え、さ
らに、これらバキュームポンプと装置各部分を繋ぐ上記
各配管L、ソレノイドバルブV、廃液タンク62および
排気用のエアーフィルター63〜64を備えている。本
発明の装置においては、その洗浄を、第二フラスコF2
より上流側の装置部分については反応液のHPLC注入
直後から行い、一方、第二フラスコF2より下流側の装
置部分については最終生成物が捕集された直後から始め
ることができる。
【0095】すなわち、酸捕集管11および乾燥管12
を保持してしいる6方ロータリーバルブ10を流れがバ
イパスを通って流れるように回し、光センサーPS1を
切り、バルブV33を廃液タンク62へ開けることによ
り第一フラスコF1と貯溜容器R1とを洗浄し、バルブ
V33とV59をダイヤフラムポンプ61へ、バルブV
5、V10、V11およびV22を流れが反応フラスコ
F1あるいは貯溜容器R1に通じるように適宜開ける。
第二反応フラスコF2(必要であれば酸捕集管11およ
び乾燥管12も同時)は、バルブV15とV29を開
け、洗浄溶媒を第一フラスコF1から通すことにより洗
浄できる。次いで、さらに適宜の溶媒(例: アセトンな
ど)を用いて洗浄を繰り返す。第三反応フラスコF3と
pH調節フラスコF4は同様にして適宜の溶媒により
(例: メタノールと水など)で、バルブV43、V37お
よびV17を流れがそれらに向くように適宜開けること
で洗浄できる。次いで、流れがバルブV30、V31、
V42を通ってポンプ8、61に向くように変え、装置
を減圧下に乾燥させる。HPLCカラム19は、残留物
を除去し、不純物の蓄積を防ぐために、溶媒を供給して
洗浄し、次いで、水を供給して洗浄している。
【0096】遮蔽壁Aの外部に設置する制御装置Bは、
監視用モニターと、プリンタ端末を備えたコンピュータ
により操作員が制御している。制御装置Bは図19のブ
ロック図に示す構成からなり、コンピュータ70はI/
Oユニット71を介して上記自動合成装置内の各ユニッ
トのソレノイドバルブ、リレー、光センサー、液面セン
サーの電器機器と接続し、信号を交信して制御してい
る。詳しくは、合わせて64個までのソレノイドバルブ
(電磁弁)とリレーとにデジタル信号を出力し、合わせ
て11個のセンサー(光センサー、液面センサー)から
のデジタル信号を受信している。また、pHメータ、真
空計、マスフローコントローラ、UV検出器、RI検出
器(放射性同位元素検出器)、熱電対、第二反応フラス
コの温度計の9個の機器からのアナログ信号を受信し、
かつ第二反応フラスコの温度設定、マスフローコントロ
ーラの設定についてのアナログ信号を出力している。こ
れら出力信号はコンピュータ70から予め入力されたプ
ログラムに基づいて出力され、また、入力信号をコンピ
ュータ70に入力している。
【0097】制御装置Bは24ボルトおよび12ボルト
の直流電源装置を備え、該電源を上記各ユニットの電器
機器に配線で接続している。また、監視用としてデジタ
ル出力ボードおよびアナログボードを備え、デジタル出
力ボードは光センサー、液面センサーの検出状態を示す
16個の表示ランプを備えている。アナログボードで
は、各反応フラスコの熱媒体の温度、搬送用のガス圧、
放射能、pHおよびUV検出器の検出状態等を示してい
る。
【0098】 第一〜第三反応フラスコF1〜F3の温
度制御用に、それぞれ電圧可変整流器の付いた3つの恒
温制御器が用いられている。第一反応フラスコF1([11
C]ヨウ化メチル合成用)と第三反応フラスコF3(製剤
用)の温度調節は決められた温度までの加熱を行う単純
な入/切機能のみによる局所制御方式を採っているが、
反応フラスコ2(標識化反応用)の温度は合成反応中にコ
ンピュータから遠隔操作で自由に設定できるようになっ
ている。よって、第二反応フラスコF2の温度を[11C]
ヨウ化メチルの捕集時には低く、続く標識反応段階では
反応を促進させるため昇温することを可能としている。
また、HPLC注入用シリンジポンプ18のモーターの
制御用スイッチ、各反応フラスコ用のスターラーの制御
ボックスおよびpH調節用フラスコF4用のpHメーター
があり、また、pH調節フラスコF4用の液面センサー
制御用ボックスと真空ポンプのモーター制御器、装置の
自動、手動の切り替えスイッチや装置とコンピュータ7
0とをインターフェイスを介して、種々様式に繋ぎ変え
ることができるように接続するためのスクリューレス端
末を備えている。
【0099】次に、上記自動合成装置における11C標識
メチル化合物の注射製剤の製造工程を説明する。最終精
製物までの操作は、概略的には、貯溜ユニットDの貯溜
容器への原料、試薬、溶媒供給→生成装置Eでの11C核
種原料の生成→生成物の反応ユニットF(第一反応フラ
スコF1→第二反応フラスコF2)への供給→生成物の
HPLC装置への供給→濃縮フラスコとなる第三反応フ
ラスコF3への供給→pH調節フラスコF4への供給→
パイロジェン吸着体装置・滅菌フィルター装置への供給
→最終精製物を注射容器への取り出しと進行する。
【0100】本自動合成装置は、前記の如く、全ユニッ
トに配置されたセンサーおよびソレノイドバルブ等を全
て、コンピュータに接続し、全ユニットをコンピュータ
による自動制御下に作動させる構成としており、コンピ
ュータに入力したプログラムに従って自動的に製造され
る。
【0101】製造開始時には、まず、装置の事前点検を
行う。本発明の装置の事前点検では、自動ないしは手動
で、ソレノイドバルブ、6方ロータリバルブの初期位置
および作動の良否、ポンプ等の作動の良否が点検され、
最後に、放射能の漏れ試験により放射能の漏れのないこ
とが確認される。例えば、手動点検の場合、まず、六方
ロータリーバルブの位置を点検し、もし必要なら正しい
初期位置に直す。同様にシリンジポンプの位置を点検す
る。各貯溜容器からの配管上の光センサーが切であるこ
とを確かめる。漏れ試験のためすべての出口を閉め、ア
ルゴンの流路を開とし、マスフローコントローラーの検
出結果をモニターで監視し、もし漏れが検出されれば漏
れの箇所を同じくマスフローコントローラーの読みをみ
ながら点検し、漏れがなくなるまで補修する。
【0102】上記事前点検終了後、まず、第1段階とし
11Cヨウ化メチルを得る。11Cヨウ化メチルの製造
は、公知の11C核種原料生成装置Eで得られた11C二酸
化炭素を、第一反応フラスコF1に送り、金属水素化物
(リチウム、アルミニウム、ヒドリド等)により還元
し、得られた金属メチラートをヨウ化水素酸水溶液と反
応させ、11Cヨウ化メチルを製造する。ついで、得られ
11Cヨウ化メチルを酸捕集管11および乾燥管12で
無水の11Cヨウ化メチルとし、第二反応フラスコF2に
送る。
【0103】次に、第2段階で、得られた11Cヨウ化メ
チルを第二反応フラスコF2に導き、下記の反応式によ
11Cメチル基を有する目的の11C標識メチル化合物を
製造する。
【0104】R−X 式中、Rは置換基を有していてもよい有機残基を、Xは
水酸基、エノール化し得るカルボニル、アミドおよびイ
ミド性カルボニルあるいは式 SR' (式中、R'は水素原子または置換されていてもよい有機
残基を表わす。)で表わされるメルカプト基または置換
メルカプト基、あるいは式 NR'R" (式中、R'およびR"はそれぞれ水素原子、置換されて
いてもよい有機残基またはNR'R"が一緒になって含窒
素複素環基またはアミドおよびイミド性窒素原子を表わ
す。]で表わされるメチル化可能な被標識原料化合物と
要すれば塩基の存在下に反応させることにより、式 R−X−[11C]CH3 (式中、記号は上記と同意義を表わす。) あるいは式 R−X+−[11C]CH3- (式中、Rは上記と同意義を、X+は上記と同意義である
X中の硫黄原子または窒素原子がスルホニウム基または
アンモニウム基に変換された基を表わし、Y-はそれら
のオニウム基の対陰イオンを表わす。)で表わされる[11
C]メチル基を有する目的の11C標識メチル化合物を製
造する。
【0105】R−Xは表わされる被標識化合物として
は、ヨウ化メチルでメチル化し得る化合物であれば特に
制限はなく、例えば脂肪族ないし芳香族の水酸基置換体
(例:アルコール、フェノール類)、同メルカプトないし
置換メルカプト基置換体(例:メルカプタン、スルフィ
ド、ジスルフィド類)同1級ないし3級アミノ基置換体
(例: アミン類)、アミドないしイミド基を有する脂肪
族、芳香族ないし複素環基などが挙げられる。
【0106】11Cヨウ化メチルによるメチル化反応は溶
媒中で行うことが好ましい。用い得る溶媒としては、例
えばケトン類(例: アセトン等)、エーテル類(例: テト
ラヒドロフラン等)、芳香族炭化水素(例: トルエン
等)、ハロゲン化芳香族炭化水素(例: ジクロロベンゼン
等)または極性の非プロトン性溶媒(例: ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド
等)が挙げられる。また、本発明の装置を用いて、11
ヨウ化メチルによるメチル化反応により製造できる化合
物の具体例としては、例えば、3−N−[11C]メチルス
ピペロン、L−[N−メチル−11C]テプレニル、[N
−メチル−11C]フルマゼニル(Ro15−1788)、m
−[N−メチル−11C]ヒドロキシエフェドリン、[N−
メチル−11C]MQNB、S−[N−メチル−11C]ノミ
フェンシン、[N−メチル−11C]Sch23390、[N
−メチル−11C]PK11195、[N−メチル−11C]
スコポラミン、[O−メチル−11C]ラクロブライド、
[O−メチル−11C]ヨードスルピライド、[O−メチル
11C]エチクロプライド、[O−メチル−11C]IBZ
M、[O−メチル−11C]ヨードプライド、[O−メチル
11C]エピデプライド、[O−メチル−11C]イオキシ
プライド、[O−メチル−11C]NCQ115、[3−[11
C]メトキシベンゾジアゼピン類(例: 3−[11C]オキサ
ゼパム、3−[11C]ロラゼパム、3−[11C]フェマゼパ
ムなど)、[11C]プラゾシン、[11C](−)およぴ(+)コ
カイン、[S−メチル−11C]メチオニン、などが挙げら
れる。
【0107】反応温度は被標識化合物の種類にもよる
が、−20〜150℃、好ましくは0〜100℃、より
好ましくは20〜80℃の範囲から選ぶことができる。
反応時間は20分以下、好ましくは15分以下の範囲か
ら選択するのがよい。反応を塩基の存在下に行う場合、
塩基としては液状であるか、反応溶媒に溶解し得るもの
であれば特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム
水溶液(例: 0.5〜10規定の水酸化ナトリウム水溶
液、約5規定程度が好ましい)、テトラブチルアンモニ
ウム ヒドロキシド水溶液等が好ましい。塩基の使用量
はメチル化原料に対し、約10〜20モル当量用いるの
がよい。
【0108】上記第二反応フラスコF2で得られた11
標識メチル化合物を、第3段階で、HPLC装置13に
注入して11C標識メチル化合物を含む溶出液を、濃縮フ
ラスコとして作用する第三反応フラスコF3に捕集し、
溶媒を除いて目的物を採取する。ついで、目的物を等張
生理食塩水で溶解し、11C標識メチル化合物の等張生理
食塩水溶液を調整し、その後、pH調節フラスコF4へ
送り、pH調節および容量調節後、得られた液をパイロ
ジェ吸着体および滅菌フィルターを通したのち、注射液
容器25に取り出して、注射用製剤を得ている。
【0109】上記各工程を以下に詳細に説明する。ま
ず、11C二酸化炭素を生成する11C核種原料生成装置E
は周知の装置であり、11C核種原料は小型加速器1(住
友重機械(株)製HM−18)で加速したプロトンの核反
応、14N(p,α)11Cにより生成され、得られたピコモル
量の11Cはターゲットチャンバー2内で、あるいはCu
O触媒上を通すことによって迅速に酸化され、11C二酸
化炭素となる。得られた11C二酸化炭素はホットラボの
反応ユニットFの第一反応フラスコF1へ送られ、ここ
において11C陽電子[ポジトロン]放出核種原料で標識さ
れた注射製剤がコンピュータで制御されて全自動で遠隔
操作により行われる。
【0110】第一反応フラスコF1内には、予めセプタ
ム管111を通して注入しておいた金属水素化物の溶液
中に、上記11C核種原料生成装置Eからヘリウムガスと
共に配管L26を通して導入された11C二酸化炭素を捕
集する。上記金属水素化物で還元して11Cメタノールを
得る。其の際、11C二酸化炭素の捕集効率を高めるため
に、11C二酸化炭素含有気体を導入する前に、金属水素
化物の溶液を冷却しておくのが好ましく、よって、冷媒
ユニットGからの冷媒を外部ジャケット104の内部に
循環させ、かつ、容器本体100の内部を乾燥状態に保
つため、バルブV5を開けて乾燥アルゴンで容器本体1
00の内部をフラッシュしている。
【0111】11C核種原料生成装置Eと第一反応フラス
コF1を接続する11C二酸化炭素の導入管(配管L2
6)上に設置した放射性同位元素検出器6が放射能を検
出したら、バルブV9/V9aを開け、気流を第一反応
フラスコF1に向ける。放射能を帯びたガスが少しでも
漏れるのを防ぐために、第一反応フラスコF1の管11
0と連通する出口側のバルブV40をソーダライムを充
填したトラップ32へ向けて開けておく。上記の放射性
同位元素検出器6を監視し、放射能のピークの間、ガス
を集めることにより11C二酸化炭素を捕集する。捕集終
了後、第一反応フラスコF1のヒータ114のスイッチ
を入れ、バルブV33を開けて減圧下に所定温度に所定
時間加熱して溶媒を留去する。次いで、冷却ポンプのス
イッチを入れて、冷媒を外部ジャケット104の内部に
循環させて冷却する。
【0112】ついで、バルブV15とV29を開けると
共に、バルブV11とV22を開け、貯溜容器R1より
ヨウ化水素酸水溶液を光センサーPS1が入になるまで
採取し、次いでバルブV10を開け、計り取った量を第
一反応フラスコF1に管109より注ぎ込み、再びヒー
タ114のスイッチを入れ、加熱することにより反応さ
せて11Cヨウ化メチルを製造する。必要であれば、新た
なヨウ化水素酸水溶液を再度添加し反応を繰り返しても
よい。次いで、生成した11Cヨウ化メチルを、バルブV
5を開けることにより、アルゴンガス気流下に6方バル
ブ10を通して、酸捕集管11および乾燥管12を通し
て第二反応フラスコF2に移す。
【0113】11Cヨウ化メチル含有のアルゴンガスは、
ソーダライムや水酸化ナトリウム担持体などの固形の酸
捕集剤が充填された酸捕集管11および、五酸化リンや
五酸化リン担持体などの乾燥剤を充填された乾燥管12
を通過する。このとき、11Cヨウ化メチル含有アルゴン
ガス中の酸(ヨウ化水素ガス)と水を完全に除くことがで
きる。かくして、含水溶媒中での標識化反応ばかりでな
く、無水溶媒中での標識化反応も行うことが出来るよう
になった。
【0114】第二反応フラスコF2では、予め貯溜容器
R2から、上記と同様にしてバルブV24、V12を開
け、光センサーPS2を用いて計量した被標識化合物の
溶液をバルブV23を開けて容器本体200に配管L
4、管207を通して供給している。さらに、11Cヨウ
化メチルの捕集効率を高めるために、11Cヨウ化メチル
を移送する前に上記被標識化合物溶液を短時間冷却する
ため、バルブV62を開き、ジャケット201の内部に
冷媒を循環させる。
【0115】次いで、バルブV5、V15、V29を開
けることにより、配管L20より11Cヨウ化メチル含有
アルゴンガスを容器本体200内に導入する。所定時間
後、バルブV15を閉じ、貯溜容器R3から上記と同様
にして(バルブV13とV26を光センサーPS3がオ
ンになるまで開け、次いでバルブV25を開ける。)管
208より容器本体200内に塩基溶液を加える。つい
で、バルブV29を閉じることにより容器本体200を
密閉したのち、ヒータ216のスチッチをオンして、適
宜の反応温度に加熱する。(温度は温度コントローラー
で設定している)。なお、この時、次工程のための準備
として、HPLCポンプ17の運転を開始しておく。
【0116】上記のように、第二反応フラスコF2で
は、まず、冷却した被標識化合物の溶液中に11Cヨウ化
メチルを捕集し、その後、加温下に標識反応を行わせ、
次いで、同じく加温下に溶媒を留去し、残留物に適宜の
溶媒を注加し反応生成物を溶解させ、室温に冷却したの
ち、11C標識メチル化合物を次のHPLC装置13へ供
給している。
【0117】HPLC装置13では、注入用ループ14
xを有するHPLC装置の六方ロータリーバルブ14を
充填位置に回し、バルブV45とV29を開け、HPL
C溶離液を注入用ループ14xを通じてシリンジポンプ
18で押し込み、注入用ループ14xと第二反応フラス
コF2との間の配管L22を溶離液で満たす。すなわ
ち、光センサーPS7が第二反応フラスコF2のすぐ上
部で液体を検知した後、さらに所要時間シリンジポンプ
18の駆動を続け、配管L24内が完全にHPLC溶離
液で満されてからバルブV45を閉じて溶離液の押し込
みを止め、第二反応フラスコF2内の反応混合物に貯溜
容器R4から希酸水溶液を加えることにより中和し(バ
ルブV14とV28を光センサーPS4のスイッチが入
るまで開け、次いでバルブV27を開け、計量された量
の酸を第二反応フラスコF2に注ぎ込む。)、第二反応
フラスコF2内の撹拌を止め、バルブV45を開けて第
二反応フラスコF2中の反応混合物をシリンジポンプ1
8で吸引して光センサーPS6が配管L24のテフロン
チューブ内に溶液が残っていないことを検知するまで吸
引、注入用ループに充填する。
【0118】ついで、HPLC装置13の6方ロータリ
ーバルブ14を注入側に回し、同時に第三反応フラスコ
F3のヒータ314のスイッチに入れ、次の留去工程に
備えている。上記注入操作において、いかにHPLCカ
ラム19への空気の注入を避けつつ、反応液を確実に自
動で注入するかが大きな問題である。本装置では、前記
のようにシリンジポンプ18にHPLC溶離液を満たし
ておき、まず、シリンジポンプ18を作動して、シリン
ジポンプ18から第二反応フラスコF2までの配管L2
4の中の空気を溶離液で置換した後、シリンジポンプ1
8を吸引に切り替えて反応液を全量HPLC注入ループ
14x内へ引き込む方式を採用し、この操作を自動で行
わせるために、光センサーからの信号によりバルブを切
り替える手法を用いている。
【0119】この方式では、第二反応フラスコF2から
HPLC注入ループ14xへの送液において、光センサ
ーが流路内の気泡や濁りを液切れと誤って判断すること
によるバルブの誤動作をいかに回避するかが重要であ
る。これを解決するため、配管L24上に複数個の光セ
ンサーPS5、PS6を設置している。即ち、2個の光
センサーPS5、PS6が共に液を感知するか、感知し
なくなることをもって送液の完了を検知する方法であっ
て、この方法の採用により、気泡を液切れと誤って判断
する事態はほとんど避けることができ、装置の運転の安
定性を著しく高めることができる。また、この方法によ
り、反応液が多少濁っている場合にも光センサーを用い
て配管内の液の有無を正確に判断することができ、反応
液が2相になるような場合にも本発明の装置を用いるこ
とができる。
【0120】上記のようにして、反応液を注入ループ1
4x内に充填後、HPLC装置13の6方ロータリーバ
ルブ14をモーター駆動で切り替え、溶離液とともに反
応液をHPLCカラム19へ注入する。該カラム19か
らの溶出液は紫外線検出器20および放射線同位元素検
出器21により監視されており、目的物を含む溶出液が
検出されると、バルブV16を開き、溶出液は自動的に
第三反応フラスコF3に捕集する。
【0121】上記HPLCカラム19で分離した目的物
を含む溶離液は、第三反応フラスコF3において、バブ
リング状態で導入する窒素下で、ヒータにより加熱する
ことにより、またさらに、減圧下に加熱するなどの操作
により濃縮乾固される。次いで、ヒータ314とバキュ
ームポンプ8を切った後、生理食塩水を貯溜容器R5か
ら加えて残留物を溶かす。すなわち、バルブV18とV
38を光センサーPS8がつくまで開けて計量された量
(例: 5mL)の生理食塩水を、バルブV43を開けて第
三反応フラスコF3に送り込む。次いで、マグネティッ
クスターラー330による撹拌とN2ガスのバブリング
により溶解を促進させる。バキュームポンプ8を短時間
作動させ、N2ガスのバブリングをより激しくして生成
物がよく溶けるようにしてもよい。
【0122】ついで、第三反応フラスコF3で得られた
11C標識メチル化合物の生理食塩水溶液をpH調節フラ
スコF4に移す。即ち、バルブV42、V33を開け、
バキュームポンプ8のスイッチを入れて容器本体400
の内部を空にし、バルブV2、V43、V31、V17
およびV33を開けて、第三反応フラスコF3、11C標
識メチル化合物の生理食塩水溶液を容器本体400に導
入すると共に、貯溜容器R6より中和用の炭酸ナトリウ
ム溶液をバルブV19を開けることにより添加して、p
Hを7.0±1.0の範囲内に調整する。次いで、必要
であれば、バルブV18とV38を短時間開け、次にバ
ルブV43とV37を開けて、貯溜容器R5から生理食
塩水を少しずつ加えて液面を液面センサー29の位置ま
で供給し、pH調節フラスコF4中の最終容積を所定の
量に調整する。
【0123】上記pH調節済みの11C標識メチル化合物
の生理食塩水溶液をバルブV2、V20、V37、V4
3およびV7を開けることにより、pH調節フラスコF
4よりパイロジェン吸着体器23を通して濾過し、つい
で、滅菌フィルター器24を通して滅菌し、注射液容器
25に捕集する。該注射液容器25内の注射製剤は、キ
ュリーメーターにより放射能の量が測定される。
【0124】
【実験例1】3−N−[11C]メチルスピペロンの自動合成 (1)リチウム アルミニウム ヒドリド(LAH)上、新た
に蒸留したテトラヒドロフラン(THF)18mLに2.
0mLの1.0M LAH/THF溶液(AldrichChemic
als Ltd.製)を加えて0.1M LAH/THF溶液
を調製した。次いで、装置の貯溜容器に以下のように充
填した。 貯溜容器R1: 約0.5mLの57%ヨウ化水素酸水溶
液 貯溜容器R2: 約0.5mLのスピペロンを1,2−ジク
ロロベンゼンとジクロロメタンとの70:30v/v混合
液に溶かした溶液(0.83×10-3M) 貯溜容器R3: 約0.5mLのテトラブチルアンモニウム
ヒドロキシドの10%水溶液 貯溜容器R4: 約0.5mLの1M 塩酸/テトラヒドロ
フラン(THF)の56:44v/v混合液(0.56M) 貯溜容器R5: 約10mL等張生理食塩水/エタノール
(100:5v/v) 貯溜容器R6: 約5mLの炭酸ナトリウム水溶液(0.1
M) 次いで、酸捕集管11にソーダライムを、乾燥管12に
五酸化リンを充填し、それらの管が付いている六方ロー
タリーバルブ10を流路がそれらの管を通るように設定
した。アルゴン配管上の乾燥管12を2〜3gの五酸化
リンで満たし、HPLC装置13の溶離液をクエン酸ハ
イドロジェンジナトリウム溶液(0.04M)とメタノー
ル(52.5:47.5v/v)から調製し、減圧下超音波
照射により脱ガスした。3−N−メチルスピペロンの標
準サンプルを溶離液に溶かし、手動で注入(約500μ
L; 50nmol)し、保持時間が約10分であることを次
のクロマト条件下で確かめた: カラム、Capcell pak SG120(15×150mm+
150×30mmプレカラム); 流速9.5mL/min; 波
長254nm。
【0125】(2)装置の状態が合成反応を行うのに適で
あることを自動または手動にて点検した。手動点検の場
合、まず、6方ロータリーバルブ10、14の位置を点
検し、必要なら正しい初期位置に直した。同様に、シリ
ンジポンプ18の位置を点検した。貯溜容器の下流の光
センサーが切であることを確かめた。漏れ試験のためす
べての出口を閉め、アルゴンの流路を開とし、マスフロ
ーコントローラーの読みをモニターし、漏れが検出され
れば漏れの箇所を同じくマスフローコントローラーの読
みを見ながら点検することにより漏れがなくなるまで補
修した。
【0126】(3)第一反応フラスコF1を−LAH/T
HF溶液(100μL、100μmolLAH)を注入する
前に約−20℃に冷却し、バルブV5を開いて乾燥アル
ゴンでフラッシュした。11C核種原料生成装置Eにおい
て、ターゲットが照射されている間、第一反応フラスコ
F1を最長40分まで冷却を続けた。
【0127】(4)上記ターゲットチャンバー2の内容物
は低温トラップ内に払い出され、11C二酸化炭素は、液
体アルゴン中に浸けられたコイル中に捕集される。第一
反応フラスコF1への移送の開始は、上記コイルを液体
アルゴンから上げ、ヘリウムガス(20mL/min)でフラ
ッシュし始めた時になる。第一反応フラスコF1の入口
配管上に設置した放射性同位元素検出器6が放射能を検
出したら、バルブV9/V9aを開け、気流をF1に向
けた。放射能を帯びたガスが少しでも漏れるのを防ぐた
めに、第一反応フラスコF1からバルブV40を開いて
ソーダライムを充填したトラップ33へ向けて開口し
た。20〜40分のターゲット照射(N2 14.7kg/c
m2; 15μA)について放射能のピークを2〜3.5分
間集めた。11C二酸化炭素の捕集の間に、スピペロン溶
液を第二反応フラスコF2に注入した。すなわち、第二
反応フラスコF2の出口をバルブV29を開とすること
により開け、貯溜容器R2からの液をバルブV12とV
24を光センサーPS2が入(オン)になるまで開けるこ
とにより秤量し、次いで、バルブV23を開け、計った
容量分の溶液を第二反応フラスコF2に注ぎ入れた。同
じ操作を3回繰り返し、全量で300μL、1mgを注加
した。
【0128】(5)11C二酸化炭素を第一反応フラスコF
1に捕集後、バルブV3を開いてTHFを留去し、ヒー
タ114のスイッチを入れ、130℃に2分間加熱し、
次いで、冷却ポンプのスイッチを入れ、約45℃に冷却
した。バルブV15とV29を開け、ヨウ化水素酸水溶
液(150μL)をバルブV11とV22を開けることに
より貯溜容器R1から光センサーPS1が入になるまで
採取し、次いでバルブV10を開け、計り取った量を第
一反応フラスコF1に注ぎ込んだ。直ちに、11Cメタノ
ールが生成されてくるので、これをさらに130℃に加
熱することによりヨウ化水素酸水溶液と反応させて、11
Cヨウ化メチルに変換した。再び、ヨウ化水素酸水溶液
(150μL)を加えた後、バルブV5を開き、生成した
11Cヨウ化メチルを10mL/minのアルゴンガス気流下
で酸捕集管11および乾燥管12を通して第二反応フラ
スコF2に移した。スピペロン溶液中への11Cヨウ化メ
チルの捕集効率を高めるために、11Cヨウ化メチル移送
前にバルブ62を開き、外部ジャケット202内に冷却
媒体を循環させ、第二反応フラスコF2を短時間冷却し
た。ヨウ化メチルの移送を3分間で停止し、次いで、バ
ルブV15を閉じ、テトラブチルアンモニウムヒドロキ
シド10%水溶液(200μl)を貯溜容器R3から第二
反応フラスコF2に、バルブV13とV26を光センサ
ーPS3がオンになるまで開け、計量した容積分をバル
ブV25を開け、第二反応フラスコF2に注ぎ込んで添
加した。バルブV29を閉じることにより第二反応フラ
スコF2を密閉し、反応温度(65℃)に加熱した。ま
た、この時に、次工程のための準備として、HPLCポ
ンプ17の運転を開始しておいた。
【0129】(6)第二反応フラスコF2で4分間反応さ
せた後、反応混合物のHPLCカラムへの注入工程に移
った。即ち、注入用ループ14xを保持した6方ロータ
リーバルブ14を充填位置に回し、バルブV45とV2
9を開け、HPLC溶離液を注入用ループ14xを通じ
てシリンジポンプ18で押し込み、注入用ループ14x
と第二反応フラスコF2との間の配管L21、L22を
溶離液で満たした。即ち、光センサーPS7が第二反応
フラスコF2のすぐ上部で液体を検知した後、短時間
(3秒)待って配管L21、L22が完全に満たされるよ
うにした。次いで、バルブV45を閉じることにより溶
離液の押し込みを止め、第二反応フラスコF2内の反応
混合物を貯溜容器R4から希塩酸水溶液(1M)/THF
(56:44v/v)を加えることにより中和した。即ち、
バルブV14とV28を光センサーPS4のスイッチが
入るまで開け、次いでバルブV27を開け、計量された
量(100μL)の酸を第二反応フラスコF2に注ぎ込ん
だ。第二反応フラスコF2内の撹拌を止め、バルブV4
5を開けて、第二反応フラスコF2中の反応混合物をシ
リンジポンプ18で光センサーPS6。PS5が配管L
22内に溶液が残っていないことを検知するまで吸引
し、注入用ループ14xに充填した。ついで、HPLC
装置13の6方ロータリーバルブ14を注入側に回し、
同時に第三反応フラスコF3のヒーターのスイッチを入
れ、次の留去工程に備えた。
【0130】(7)配管L23上のUV検出器20および
放射性同位元素検出器21を監視して、コンピュータに
検出値を出力し、約10分後に溶出する3−N−[11C]
メチルスピペロンのピークをバルブV16を開けて、第
三反応フラスコF3内に集めた。第三反応フラスコF3
にバルブV2、V30、V43、V37およびV17を
開いて窒素ガスを導入してバブリングし、溶離液の捕集
と留去が同時に始まるようにした。バブリングV16を
閉じて捕集を止め、第三反応フラスコF3内で留去を、
バルブV33を開いて、減圧下で継続した。同時に、第
三フラスコF3内への配管が空であることを確認し、ま
た生成物が突沸により失われるのを防止するためにバル
ブV39を開け、HPLCポンプ17を停止させた。
【0131】(8)第三反応フラスコF3中に9分間置き
乾固まで溶媒を除いた後、ヒータ314とバキュームポ
ンプ8を切り、生理食塩水を貯溜容器R5から加えた。
すなわち、バルブV18とV38を光センサーPS8が
つくまで開けて計量された量(5mL)の生理食塩水を、
バルブV43を開けて第三反応フラスコF3に流し込ん
だ。次いで、生成物を、撹拌とN2ガスのバブリングに
より、生理食塩水中に溶解させた。バキュームポンプ8
を短時間(2秒間)作動させ、N2ガスのバブリングをよ
り激しくして生成物がよく溶けるようにした。次いで、
バルブV42、V33を開け、バキュームポンプ8のス
イッチを入れてpH調節フラスコF4内を空にし、次い
で、バルブV2、V43、V31、V17、V33を開
き、上記反応生成物の生理食塩水溶液をpH調節フラス
コF4に移すと共に、、炭酸ナトリウム溶液(0.1M)
を貯溜容器R6から、バルブV19を1秒間ずつ繰り返
し開けることにより添加し、pHを7.0±1.0の範
囲内に調製した。次いで、pH調節フラスコF4中の最
終容積を生理食塩水をR5から加えることにより10±
1mLに調製した。これは、液面センサー29の位置を
設定し、バルブV18とV38を1秒間開け、次いで、
バルブV43とV37を開け、生理食塩水を少しずつp
H調節フラスコF4に流し込むことで行った。こうして
得られた生成物の溶液をバルブV2、V20、V37、
V43およびV7を開けることによりパイロジェン吸着
体器23、0.22μmの除菌フィルター器24を通し
て密栓したバイヤル瓶からなる注射液容器25中に濾過
した。該バイヤル瓶を、放射能の量を測るため、キュリ
ーメーター内に置いた。
【0132】(9)装置の洗浄を、第二反応フラスコF2
以前の装置部分については、反応液のHPLC注入直後
から、第二反応フラスコF2以後の装置部分については
最終生成物が捕集された直後から始めた。酸捕集管11
および乾燥管12を保持している6方ロータリーバルブ
10を流れがバイパスを通って流れるように回し、光セ
ンサーを切り、バルブV3を廃液タンク側へ開けること
により第一反応フラスコF1と貯溜容器R1とを洗浄
(水洗)し、バルブV33とV59をダイヤフラムポンプ
61へ、バルブV5、V10、V11およびV22を流
れが反応フラスコあるいは貯槽に通じるように適宜開け
た。酸捕集管11および乾燥管12と第二反応フラスコ
F2は、バルブV15とV29を開け、洗浄溶媒(水)を
第一反応フラスコF1から通すことにより洗浄した。
尚、第二反応フラスコF2は貯溜容器管からそれぞれバ
ルブV23、V25およびV27を経て洗浄してもよ
い。次いで、さらに適宜の溶媒(例: アセトンなど)を用
いて洗浄を繰り返した。第三反応フラスコF3とpH調
節フラスコF4は同様にして適宜の溶媒により(例: メ
タノールと水など)で、バルブV43、V37およびV
17を流れがこれらフラスコF3、F4に向くように開
けることで洗浄した。次いで、流れがバルブV30、V
31、V42を通ってバキュームポンプ8に向くように
変え、減圧下に乾燥させた。HPLCカラム19は、残
留物(例: ジクロルベンゼンなど)を除去し、不純物の蓄
積を防ぐために、溶媒(例: 水(約3分間、9.5mL/m
in)、90%メタノール(約12分間、9.5mL/mi
n)、次いで、再び水(約3分間、9.5mL/min))で洗
った。
【0133】(10)照射終了時(EOB)から注射製剤製
造までの総合成時間は約40分であった。下記の表1に
上記実施例に従って5回実施し、各実施例で得られた3
−N−[11C]メチルスピペロン(NMSP)の量と比活性
を示す。
【0134】
【表1】
【0135】表1において、 a)EOSにおけるNMSP量 HPLCによる分離時のUV吸収ピーク面積から計算し
た値(合成終了時)。 b)EOFにおけるNMSP量 製剤後の生成物のHPLCの際のUV吸収ピーク面積か
ら計算した値(照射終了から18時間後)。 c)EOSにおけるRI量 HPLCで分離した生成物をキュリーメーター内に置い
たフラスコ中に集めて測定した放射能の量。 d)EOFにおけるRI量 pH調節フラスコF4から生成物を直接キュリーメータ
ー内のバイヤル瓶に集め測定した放射能の量。 e)EOSにおける比活性 HPLC分離後に得られた生成物の比活性。 f)EOFにおける比活性 得られた無菌製剤の比活性。 g)放射化学収率11 C二酸化炭素の期待値に基づき計算した崩壊分を補正
した推定放射化学収率。
【0136】
【実験例2】ラクロプライドの自動合成 (1)リチウム アルミニウム ヒドリド(LAH)上、新た
に蒸留したテトラヒドロフラン(THF)18mLに2.
0mLの1.0M LAH/THF溶液(Aldrich Che
micals Ltd.製)を加えて0.1M LAH/THF
溶液を調製した。貯溜容器には以下のように充填した。 貯溜容器R1: 約0.5mLの57%ヨウ化水素酸水溶
液 貯溜容器R2: 約0.5mLのデスメチルラクロプライ
ドをジメチルスルホキシドに溶かした溶液(7.97×
10-3M) 貯溜容器R3: 約0.2mLの5M水酸化ナトリウム水
溶液の1.5%ジメチルスルホキシド溶液 貯溜容器R4: 約0.2M塩酸水溶液 貯溜容器R5: 約10mLの等張生理食塩水/エタノー
ル(100:5v/v) 貯溜容器R6: 約5mLの炭酸ナトリウム水溶液(0.
1M) 次いで、酸捕集管11にソーダライムを、乾燥管12に
五酸化リンを充填し、それらの管が付いている6方ロー
タリーバルブ10を流路がそれらの管を通るように設定
した。アルゴン配管上の乾燥管を2〜3gの五酸化リン
で満たし、アセトニトリルと0.01Mのリン酸(2
4.5:75.5v/v)とから調製したHPLC溶離液を
減圧下超音波照射により脱気した。ラクロプライドの標
準サンプルを溶離液に溶かし、手動で注入(約500μ
L: 50nmol)し、保持時間が約10分であることを次
のクロマト条件下で確かめた。 カラム、Capcell pak SG120(15×150mm+
15×30mmプレカラム); 流速9.5mL/min; 波長
254nm。
【0137】(2)まず、装置の状態が合成反応を行うの
に適であることを自動または手動にて点検した。該点検
は前記実施例1と同一であるため、説明を省略する。
【0138】(3)第一反応フラスコF1を−LAH/T
HF溶液(100μL、10μmolLAH)を注入する前
に、約−20℃に冷却し、バルブV5を開き、乾燥アル
ゴンでフラッシュした。
【0139】(4)0.00947%の二酸化炭素を含有
する窒素ガスタンクC4から、11C核種原料生成装置E
内において、液体アルゴン中に浸けられたコイルを通じ
上記混合気体を流量20cm3/分で4分間流し、二酸化
炭素を該コイル中に捕集した。二酸化炭素の捕集の間
に、デスメチルラクロプライド溶液を第二反応フラスコ
F2に注入した。すなわち、第二反応フラスコF2の出
口をバルブV29を開とすることにより開け、貯溜容器
R2からの液をバルブV12とV24を光センサーPS
2が入(オン)になるまで開けることにより秤量し、次い
でバルブV23を開け、計った容量分の溶液を第二反応
フラスコF2に注ぎ入れた。同じ操作を3回繰り返し、
全量で300μL、1mgを注加した。
【0140】(5)11C二酸化炭素を第一反応フラスコF
1に捕集後、バルブV33を開いてTHFを留去し、ヒ
ータ114のスイッチを入れ、130℃に2分間加熱
し、次いで、冷却ポンプのスイッチを入れ、冷却媒体を
外部ジャケット内に循環させ、約45℃に冷却した。つ
いで、バルブV15とV29を開け、ヨウ化水素酸水溶
液(150μL)をバルブV11とV22を開けることに
より貯溜容器R1から光センサーPS1が入になるまで
採取し、次いでバルブV10を開け、計り取った量を第
一反応フラスコF1に注ぎ込んだ。直ちに、メタノール
が生成されてくるので、これをさらに130℃に加熱す
ることによりヨウ化水素酸水溶液と反応させてヨウ化メ
チルに変換した。再びヨウ化水素酸水溶液(150μL)
を加えた後、生成したヨウ化メチルを、バルブV5を開
いて、10mL/minのアルゴンガス気流下に酸捕集管1
1、乾燥管12を通して第二反応フラスコF2に移し
た。ヨウ化メチルの移送を3分間で停止し、次いで、バ
ルブV15を閉じ、水酸化ナトリウム水溶液のジメチル
スルホキシド溶液を貯溜容器R3から第二反応フラスコ
F2に、バルブV13とV26を光センサーPS3がオ
ンになるまで開け、計量した容積分を第二反応フラスコ
F2に注ぎ込んだ。バルブV29を閉じて、第二反応フ
ラスコF2を密閉し、ヒータにより反応温度(85℃)に
加熱した。また、この時に、次工程のための準備とし
て、HPLCポンプの運転を開始しておいた。
【0141】(6)第二反応フラスコF2内で5分間反応
させた後、反応混合物のHPLCカラム19への注入工
程に移った。すなわち、注入用ループ14xを保持した
6方ロータリーバルブ14を充填位置に回し、バルブV
45とV29を開け、HPLC溶離液を注入用ループ1
4xを通じてシリンジポンプ18で押し込み、注入用ル
ープ14xと第二反応フラスコF2との間の配管L22
を溶離液で満たした。すなわち、光センサーPS7が第
二反応フラスコF2のすぐ上部で液体を検知した後、短
時間(3秒)待って配管L22が完全に満たされるように
した。次いで、バルブV45を閉じることにより溶離液
の押し込みを止め、第二反応フラスコF2内に貯溜容器
R4から希塩酸水溶液(0.2M)を、バルブV14とV
28を光センサーPS4のスイッチが入るまで開け、次
いでバルブV27を開け、計量された量(100μL)の
酸をF2に注ぎ込んみ、反応混合物を中和した。第二反
応フラスコF2内の撹拌を止めた。ついで、バルブV4
5を開けて第二反応フラスコF2中の反応混合物をシリ
ンジポンプ18で光センサーPS6。PS5が配管L2
2内に溶液が残っていないことを検知するまで吸引し、
次いで、注入用ループ14xに充填した。HPLCの6
方ロータリーバルブ14を注入側に回し、同時に第三反
応フラスコF3のヒータ314のスイッチを入れ、次の
留去工程に備えた。
【0142】(7)配管L23上のUV検出器20および
放射性同位元素検出器21を監視し、コンピュータに出
力する一方、約13分後に溶出するラクロプライドのピ
ークを、バルブV16を開けて、第三反応フラスコF3
内に集めた。第三反応フラスコF3に、バルブV2、V
30、V43、V37およびV17開いて窒素ガスを導
入してバブリングし、溶離液の捕集と留去が同時に始ま
るようにした。ついで、バルブV16を閉じて捕集を止
め、バルブV33を開いて、留去を排気下に継続した。
同時に、第三反応フラスコF3内への配管が空であるこ
とを確認し、また、生成物が突沸により失われるのを防
止するためにバルブV39を開け、HPLCポンプ17
を停止させた。
【0143】(8)第三反応フラスコF3中に9分間置き
乾固まで溶媒を除いた後、ヒータ314とバキュームポ
ンプ8を切り、生理食塩水を貯溜容器R3から加えた。
すなわち、バルブV18とV38を光センサーPS5が
つくまで開けて計量された量(5mL)の生理食塩水を、
バルブV43を開けて第三反応フラスコF3に流し込ん
だ。次いで、バキュームポンプ8を短時間(2秒間)作動
させ、N2ガスのバブリングをより激しくして生成物が
よく溶けるように、生成物を撹拌とN2ガスのバブリン
グにより生理食塩水中に溶解させた。次いで、バルブV
42、V33を開け、真空ポンプ8のスイッチを入れて
pH調節フラスコF4内を空にし、次いで、バルブV
2、V43、V31、V17、V33を開いて、第三反
応フラスコから上記反応生成物の生理食塩水溶液をpH
調節フラスコF4に移した。次いで、炭酸ナトリウム溶
液(O、1M)を貯溜容器R6から、バルブV19を1秒
間ずつ繰り返し開けることにより添加し、pHを7.0
±1.0の範囲内に調製した。その後、pH調節フラス
コF4中の最終容積を生理食塩水を貯溜容器R5から加
えることにより10±1mLに調製した。即ち、液面セ
ンサー29の位置を設定し、バルブV18とV38を1
秒間開け、次いで、バルブV43とV37を開け、生理
食塩水を少しずつpH調節フラスコF4に流し込むこと
で行った。こうして得られた生成物の溶液をバルブV
2、V20、V37、V43およびV7を開けて、パイ
ロジェン吸着体器23、滅菌フィルター器24を通し
て、密栓したバイヤル瓶からなる注射容器25中に濾過
し、11mLの最終薬剤を得た。
【0144】収量は149nmol、収率は45%。総合成
時間は約40分であった。
【0145】(9)装置の洗浄は、実施例1と同様に行っ
た。
【0146】
【実験例3】[O−メチル−11C]ラクロプライドの自動合成 (1) リチウム アルミニウム ヒドリド(LAH)上新
たに蒸留したテトラヒドロフラン(THF)18mLに2.
0mLの1.0MLAH/THF溶液(AldrichChemical
s Ltd.製)を加えて0.1MLAH/THF溶液を調
製した。次いで、装置の貯溜容器に以下のように充填し
た。 貯溜容器R1: 約0.5mLの57%ヨウ化水素酸水溶液 貯溜容器R2: 約0.5mLのデスメチルラクロプライド
をジメチルスルホキシドに溶かした溶液(7.97×10
-3M) 貯溜容器R3: 約0.2mLの5M水酸化ナトリウム水溶
液の1.5%ジメチルスルホキシド溶液 貯溜容器R4: 約5mLの炭酸ナトリウム水溶液 貯溜容器R5: 約10mLの等張生理食塩水/エタノー
ル(100:5v/v) 貯溜容器R6: 約5mLの炭酸ナトリウム水溶液(0.
1M) 次いで、酸捕集管11にソーダライムを、乾燥管12に
五酸化リンを充填し、それらの管が付いている六方ロー
タリーバルブ10を流路がそれらの管を通るように設定
した。アルゴン配管上の乾燥管12を2−3gの五酸化
リンで満たし、HPLC装置13の溶離液をアセトニト
リルと0.01Mのリン酸(24.5:75.5v/v)から調
製し、減圧下超音波照射により脱ガスした。ラクロプラ
イドの標準サンプルを溶離液に溶かし、手動で注入(約
500μL;50nmol)し、保持時間が約10分であるこ
とを次のクロマト条件下で確かめた: カラム,Capcell Pak SG120(15×150mm+
15×30mmプレカラム);流速9.5mL/min; 波長2
54nm。
【0147】(2) 装置の状態が合成反応を行うのに適
であることを自動または手動にて点検した。手動点検の
場合、まず、6方ロータリーバルブ10,14の位置を
点検し、もし必要なら正しい初期位置に直した。同様
に、シリンジポンプ18の位置を点検した。貯溜容器の
下流の光センサーが切であることを確かめた。漏れ試験
のためすべての出口を閉め、アルゴンの流路を開とし、
マスフローコントローラーの読みをモニターし、もし漏
れが検出されれば漏れの箇所を同じくマスフローコント
ローラーの読みを見ながら点検することにより漏れがな
くなるまで補修した。
【0148】(3) 第一反応フラスコF1(図2)を−L
AH/THF溶液(100μL,10μmolLAH)を注入
する前に約−20℃に冷却し、乾燥アルゴンでフラッシ
ュした。11C核種原料生成装置Eにおいて、ターゲット
が照射されている間、第一反応フラスコを最長40分ま
で冷却を続けた。
【0149】(4) 上記ターゲットチャンバー2の内容
物は低温トラップ内にはらい出され、11C二酸化炭素
は、液体アルゴン中に浸けられたコイル中に捕集され
る。第一反応フラスコF1への移送の開始は、上記コイ
ルを液体アルゴンから上げ、ヘリウムガス(20mL/mi
n)でフラッシュし始めた時になる。第一反応フラスコF
1の入口配管上に設置した放射性同位元素検出器6が放
射能を検出したら、バルブV9/V9aを開け、気流を
F1に向けた。放射能を帯びたガスが少しでも漏れるの
を防ぐために、第一反応フラスコF1からバルブV40
を開いてソーダライムを充填したトラップへ向けて開口
した。40分のターゲット照射(N2 14.7kg/cm2;
15μA)について放射能のピークを4分間集めた。11
C二酸化炭素の捕集の間に、デスメチルラクロプライド
溶液を第二反応フラスコF2に注入した。すなわち、第
二反応フラスコF2の出口をバルブV29を開とするこ
とにより開け、貯溜容器R2からの液をバルブV12と
V24を光センサーPS2が入(オン)になるまで開ける
ことにより秤量し、次いで、バルブV23を開け、計っ
た容量分の溶液を第二反応フラスコF2に注ぎ入れた。
同じ操作を3回繰り返し、全量で300μL,1mgを注
加した。
【0150】(5) 11C酸化炭素を第一反応フラスコF
1に捕集後、バルブV3を開いてTHFを溜去し、ヒー
ターのスイッチを入れ、130℃に2分間加熱し、次い
で、冷却ポンプのスイッチを入れ、約45℃に冷却し
た。バルブV15とV29を開け、ヨウ化水素酸水溶液
(150μL)をバルブV11とV22を開けることによ
り貯溜容器R1から光センサーPS1が入になるまで採
取し、次いでバルブV10を開け、計り取った量を第一
反応フラスコF1に注ぎ込んだ。ただちに11Cメタノー
ルが生成されてくるので、これをさらに130℃に加熱
することによりヨウ化水素酸水溶液と反応させて11Cヨ
ウ化メチルに変換した。再びヨウ化水素酸水溶液(15
μL)を加えた後、バルブV5を開き、生成した11Cヨ
ウ化メチルを10mL/minのアルゴンガス気流下で酸捕
集管11および乾燥管12を通して第二反応フラスコF
2に移した。ヨウ化メチルの移送を3分間で停止し、次
いで、バルブV15を閉じ、5M水酸化ナトリウム水溶
液の1.5%ジメチルスルホキシド溶液(200μl)を貯
溜容器R3から第二反応フラスコF2に、バルブV13
とV26を光センサーPS3がオンになるまで開け、計
量した容積分をバルブV25を開け、第二反応フラスコ
F2に注ぎ込んで添加した。バルブV29を閉じること
により第二反応フラスコF2を密閉し、反応温度(85
℃)に加熱した。また、この時に、次工程のための準備
として、HPLCポンプ17の運転を開始しておいた。
【0151】(6) 第二反応フラスコF2で4分間反応
させた後、反応混合物のHPLCカラムへの注入工程に
移った。即ち、注入用ループ14xを保持した6方ロー
タリーバルブ14を充填位置に回し、バルブV45とV
29を開け、HPLC溶離液を注入用ループ14xを通
じてシリンジポンプ18で押し込み、注入用ループ14
xと第二反応フラスコF2との間の配管L21,22を溶
離液で満たした。即ち、光センサーPS7が第二反応フ
ラスコF2のすぐ上部で液体を検知した後、短時間(3
秒)待って配管L21,22が完全に満たされるようにし
た。次いで、バルブV45を閉じることにより溶離液の
押し込みを止め、第二反応フラスコF2内の反応混合物
を貯溜容器R4から希塩酸水溶液(0.2M)を加えるこ
とにより中和した。即ち、バルブV14とV28を光セ
ンサーPS4のスイッチが入るまで開け、次いでバルブ
V27を開け、計量された量(100μL)の酸を第二反
応フラスコF2に注ぎ込んだ。第二反応フラスコF2内
の攪拌を止め、バルブV45を開けて第二反応フラスコ
F2中の反応混合物をシリンジポンプ18で光センサー
PS6、PS5が配管L22内に溶液が残っていないこ
とを検知するまで吸引し、注入用ループ14xに充填し
た。次いで、HPLC装置13の6方ロータリーバルブ
14を注入側に回し、同時に第三反応フラスコF3のヒ
ーターのスイッチを入れ、次の溜去工程に備えた。
【0152】(7) 配管L23上にUV検出器20およ
び放射性同位元素検出器21を監視して、コンピュータ
に検出値を出力し、約10分後に溶出する[O−メチル
11C]ラクロプライドのピークをバルブV16を開け
て、第三反応フラスコF3内に集めた。第三反応フラス
コF3にバルブV2,V30,V43,V37およびV1
7を開いて窒素ガスを導入してバブリングし、溶離液の
捕集と溜去が同時に始まるようにした。バルブ16を閉
じて捕集を止め、第三反応フラスコF3内で、溜去を減
圧下で継続した。同時に、第三反応フラスコF3内への
配管が空であることを確認し、また生成物が突沸により
失われるのを防止するためにバルブV39を開け、HP
LCポンプ17を停止させた。
【0153】(8) 第三反応フラスコF3中に9分間置
き乾固まで溶媒を除いた後、ヒーター314とバキュー
ムポンプを切り、生理食塩水を貯溜容器R5から加え
た。すなわち、バルブV18とV38を光センサーPS
8がつくまで開けて計量された量(5mL)の生理食塩水
を、バルブV43を開けて第三反応フラスコF3に流し
込んだ。次いで、生成物を、攪拌とN2ガスのバブリン
グにより生理食塩水中に溶解させた。バキュームポンプ
8を短時間(2秒間)作動させ、N2ガスのバブリングを
より激しくして生成物がよく溶けるようにした。次い
で、バルブV42,V33を開け、バキュームポンプ8
のスイッチを入れてpH調節フラスコF4内を空にし、
次いで、バルブV2、V43、V31、V−17、V−
33を開き、上記反応生成物の生理食塩水溶液をpH調
節フラスコF4に移すと共に、炭酸ナトリウム溶液(0.
1M)を貯溜容器R6から、バルブV19を1秒間ずつ
繰り返し開けることにより添加し、pHを7.0±1.0
の範囲内に調整した。次いで、pH調節フラスコF4中
の最終容積を生理食塩水をR5から加えることにより1
0±1mLに調整した。これは、液面センサー29の位
置を設定し、バルブV18とV38を1秒間開け、次い
で、バルブV43とV37を開け、生理食塩水を少しず
つpH調節フラスコF4に流し込むことで行った。こう
して得られた生成物の溶液をバルブV2,V20,V3
7,V43およびV7を開けることによりパイロジェン
吸着体器23、0.22μmの除菌フィルター器24を通
して密栓したバイヤル瓶からなる注射液容器25中に濾
過した。該バイヤル瓶を、放射能の量を測るため、キュ
リーメーター内に置いた。
【0154】(9) 装置の洗浄を、第二反応フラスコF
2以前の装置部分については反応液のHPLC注入直後
から、第二反応フラスコF2以後の装置部分については
最終生成物が捕集された直後から始めた。酸捕集管11
及び乾燥管12を保持している6方ロータリーバルブ1
0を流れがバイパスを通って流れるように回し、光セン
サーを切り、バルブV3を廃液タンクへ開けることによ
り第一反応フラスコF1と貯溜容器R1とを洗浄(水洗)
し、バルブV33とV59をダイヤフラムポンプ61
へ、バルブV5,V10,V11およびV22を流れが反
応フラスコあるいは貯槽に通じるように適宜開けた。酸
捕集管11及び乾燥管12と第二反応フラスコF2は、
バルブV15とV29を開け、洗浄溶媒(水)を第一反応
フラスコF1から通すことにより洗浄した。尚、第二反
応フラスコF2は貯溜容器管からそれぞれバルブV2
3,V25およびV27を経て洗浄してもよい。次い
で、さらに適宜の溶媒(例: アセトンなど)を用いて洗浄
を繰り返した。第三反応フラスコF3とpH調節フラス
コF4は同様にして適宜の溶媒により(例: メタノール
と水など)で、バルブV43、V37およびV17を流
れがこれらフラスコF3、F4に向くように開けること
で洗浄した。次いで、流れがバルブV30、V31、V
42を通ってバキュームポンプ8に向くように変え、減
圧下に乾燥させた。HPLCカラム19は、残留物(例:
アセトニトリルなど)を除去し、不純物の蓄積を防ぐた
めに、溶媒(例: 水(約3分間、9.5mL/min)、90%
メタノール(約12分間、9.5mL/min)、ついで再び
水(約3分間、9.5mL/min))で洗った。
【0155】(10) 照射終了時(EOB)から注射製剤
製造の総合成時間は約40分であった。表2に、得られ
た[O−メチル−11C]ラクロプライド(RAC)の量と比
活性を示す。本実験例3は3回行っており、表2に第1
回から第3回の結果を示す。
【0156】
【表2】
【0157】表2において、 a) EOSにおけるRAC量 HPLCによる分離時のUV吸収ピーク面積から計算し
た値(合成終了時)。 b) EOSにおけるRI量 HPLCで分離した生成物を放射性同位元素検出器の検
出ピーク面積から計算した値(合成終了時)。 c) EOFにおけるRI量 pH調節フラスコF4から生成物を直接キュリーメータ
ー内のバイヤル瓶に集め測定した放射能の量 d) EOSにおける比活性 HPLC分離後に得られた生成物の比活性 e) 放射化学収率11 C二酸化炭素の取り高に基づき計算した崩壊分を補正
した放射化学収率
【0158】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項1から請求項14に係わる11C標識メチル化合
物の注射製剤の自動合成装置によれば下記に列挙する効
果が得られる。 (一)まず、請求項1に記載の装置により、請求項15
に記載の11C標識メチル化合物の注射製剤を遠隔操作に
より全自動で合成することが出来る。特に、コンピュー
タに入力したプログラムに従って全自動で合成している
ため、被標識原料の反応性に応じて、反応条件に関する
プログラムの設定値を変更するだけで、多種類の11標識
メチル化合物の注射製剤が臨床応用が可能な形でルーチ
ンに、反復して再現性よく供給することが出来る。ま
た、自動合成であり、人手による操作を介さないため、
短時間で合成することができ、11C核種原料が超短半減
期のものである場合には、ロスなく効率よく合成するこ
とが出来る。さらに、本装置では、合成後に、装置の洗
浄を自動で行うことができ、大幅な労力の削減が可能と
なる。この洗浄工程の自動化により、洗浄を合成工程の
終了直後から開始できるため、装置を連続的、反復運転
が可能となり、装置の生産性を高めることが出来る。
【0159】特に、第一反応フラスコから第二反応フラ
スコには、6方ロータリーバルブを介して乾燥管と酸捕
集管とを介設して、第一反応フラスコで生成した11Cヨ
ウ化メチルを通過させているため、過剰の酸および水の
痕跡量も除去され、完全に無水化することが出来る。し
かも、6方ロータリーバルブを介設しているため、第一
反応フラスコのヨウ化メチルの出口から酸捕集管および
乾燥管への流路を自動切り替えすることができ、これに
より、11Cヨウ化メチルの製造部分を自動操作で他の部
分と切り離すことが可能となる。よって、11Cヨウ化メ
チルの製造工程が終了した直後から、この部分の洗浄を
開始することができ、装置の連続運転が保証される。
(請求項3、4、5の効果)
【0160】また、第二反応フラスコからクロマトグラ
フィー装置へ注入する配管上に、複数の光センサーを所
要の間隔をあけて介設し、複数の光センサーからの検出
信号により気泡あるいは液の白濁による誤動作を防止す
る構成としているため、気泡を液切れと判断することを
確実に回避できると共に、反応液が多少濁っていても光
センサーを用いて液の存在不存在を正確に判断でき、本
装置の信頼性、安定性を著しく高めることが出来る。
(請求項6の効果)
【0161】また、所要箇所に放射性同位元素検出器を
介設していると共に、注射液容器内の製剤化液の放射能
の量を測定するキュリーメータを設置しているため、確
実かつ迅速にに放射能の発生および放射量を測定でき、
装置の信頼性、安全性が高められる。(請求項7の効
果) さらに、フローライン(配管)の所要箇所にマスフロー
コントローラを設置して、使用前には必ずラインにヘリ
ウム等を流してラインの漏れを検出しているため、合成
工程における各液体、ガスの搬送を確実に行うことがで
き、装置の信頼性が高い。(請求項14の効果)
【0162】また、本装置では、第三反応フラスコの容
器本体において、液跳ね返り防止用の突起を備えて、排
気側へ液が流出するのを防止すると共に、第一反応フラ
スコおよび第二反応フラスコの接液面および接ガス面は
シリコン化して、液の付着を防止しているため、微量の
反応生成液の損失を低減して、安定的に収率よく製造す
ることが出来る。(請求項8、12の効果)
【0163】また、第三反応フラスコでは、スターラ上
にジャケットを介して載置し、ジャケット内の撹拌子お
よび容器本体の内部の撹拌子の両方を撹拌できるように
しているため、容器本体内部の液を均一に効率よく撹拌
し、迅速に乾固させることが出来る。(請求項9の効
果) さらに、第一反応フラスコ、第二反応フラスコおよび第
三反応フラスコにおいて、容器本体を囲むジャケット
で、各容器本体に連通させて形成した管の分岐部分を囲
むようにしているため、ジャケット内部に導入され加熱
される媒体により、管の分岐部分が乾燥でき、この分岐
部分に溜まりやすい水溶液を完全に除去することが出来
る。(請求項10の効果)
【0164】また、pH調節フラスコは、容器本体の周
壁外面の所要位置に液面センサーを設置し、該液面セン
サーからの容器本体の内容液の容量を検出する信号によ
り、上記制御装置による遠隔操作で、生理食塩水を供給
して、フラスコ内の内容液を所定量に調節し、この所定
量のpH調節後の11C標識メチル化合物の等張生理食塩
水溶液がパイロジェン吸着体および、滅菌フィルターを
通して、注射液容器へと導入されるため、注射液容器に
は、所定量で、かつ、パイロジェンおよび菌が除去され
た注射製剤を導入することが出来る。(請求項11、1
2の効果)
【0165】本装置では、さらに、洗浄と点検を全体自
動で行えるようにして、定常的かつ連続的な運転を保証
している。本装置のように複雑な装置においては、洗浄
と点検に時間がかかると共に、運転者から隔離された場
所で行う必要があるが、本装置は洗浄および点検も全自
動で行えうことができ、よって、洗浄および点検時間の
短縮化が図り、定常的かつ連続的な運転が可能となって
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明装置の正面図、(B)は背面
図である。
【図2】 本発明装置の構成の一半側を示す図面であ
る。
【図3】 本発明装置の構成の他半側を示す図面であ
る。
【図4】 第一反応フラスコを右側から見た断面図であ
る。
【図5】 第一反応フラスコを左側から見た断面図であ
る。
【図6】 第一反応フラスコの平面図である。
【図7】 酸捕集管および乾燥管の6方ロータリーバル
ブへの取付状態を示す図面である。
【図8】 第二反応フラスコの断面図である。
【図9】 第二反応フラスコの平面図である。
【図10】 光センサーの構造と電源への接続状態を示
す図面である。
【図11】 光センサーの遮蔽板の斜視図である。
【図12】 クロマトグラフィー装置部分の拡大図であ
る。
【図13】 第三反応フラスコを右側から見た断面図で
ある。
【図14】 第三反応フラスコを左側から見た断面図で
ある。
【図15】 第三反応フラスコの平面図である。
【図16】 pH調節フラスコの側面図である。
【図17】 pH調節フラスコの平面図である。
【図18】 パイロジェン吸着体、滅菌フィルターと注
射容器の取付状態を示す正面図である。
【図19】 制御部のブロック図である。
【符号の説明】
C 洗浄ユニット D 貯溜ユニット E 11C核種原料生成ユニット F 反応ユニット G 冷媒循環ユニット F1 第一反応フラスコ F2 第二反応フラスコ F3 第三反応フラスコ F4 pH調節フラスコ R1〜R6 貯溜容器 C1〜C6 タンク PS1〜PS8 光センサー MF1、MF2 マスフローコントローラ V1〜V64 ソレノイドバルブ 1 小型加速器 8 バキュームポンプ 10、14 6方ロータリバルブ 11 酸捕集管 12 乾燥管 13 クロマトグラフィー装置 19 HPLCカラム 20 紫外線吸収検出器 6、21 放射性元素検出器 23 パイロジェン吸着器 24 滅菌フィルター器 25 注射液容器 100、200、300、400 フラスコの容器本体 119、220、330、440 スターラー

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 11C核種原料を生成する装置と、 上記生成装置から供給される11C核種原料より11Cヨウ
    化メチルを生成する第一反応フラスコと、 上記第一反応フラスコより11Cヨウ化メチルが順次導入
    される酸捕集管および乾燥管と、 上記乾燥管より導入される無水11Cヨウ化メチルを被標
    識化合物と反応させて11C標識メチル化合物を生成する
    第二反応フラスコと、 上記第二反応フラスコで得られた11C標識メチル化合物
    が導入され、目的物の単離と精製を行う自動注入・分取
    高速液体クロマトグラフィー装置と、 上記クロマトグラフィー装置から導入される11C標識メ
    チル化合物を含む溶出液を濃縮して目的化合物を採取し
    た後に等張生理食塩水を供給して、11C標識メチル化合
    物の等張生理食塩水溶液を生成する第三反応フラスコ
    と、 上記第三反応フラスコから導入される11C標識メチル化
    合物の等張生理食塩水溶液の液量およびpHを調節する
    pH調節用フラスコと、 上記pH調節用フラスコから導入されるpHが調節され
    11C標識メチル化合物の等張生理食塩水溶液を通過さ
    せるパイロジェン吸着体および滅菌フィルターと、 上記パイロジェン吸着体および滅菌フィルターを通過し
    て得られた11C標識メチル化合物を受容する注射液容器
    と、 上記各反応フラスコに供給される試料、溶媒およびpH
    調節液の貯溜容器、更に搬送用流体、洗浄溶媒、熱媒体
    の貯溜タンクと、 上記反応フラスコを含む各機器、装置および貯溜容器の
    間に設けられたフローライン、該フローラインに介設し
    たバルブ、センサーおよびポンプからなる搬送手段と、 上記搬送手段を遠隔操作で動作させて、上記化合物およ
    び洗浄剤を自動搬送するための制御手段とを備えている
    ことを特徴とする11C標識メチル化合物の注射製剤の自
    動合成装置。
  2. 【請求項2】 上記11C核種原料生成装置で生成する11
    C核種原料は11C二酸化炭素であり、 上記第一反応フラスコは、11C二酸化炭素、金属水素化
    物の無水溶媒溶液、ヨウ化水素酸溶液の供給管、11Cヨ
    ウ化メチル出口用管を備え、 上記第二反応フラスコは、11Cヨウ化メチル、被標識化
    合物の溶液、塩基溶液および酸溶液の供給管、11C標識
    メチル化合物の出口用管を備え、 上記第三反応フラスコは、クロマトグラフィー溶出液の
    導入管、バブリング用気体の導入管兼11C標識メチル化
    合物溶液の出口管、排気管および等張生理食塩水の供給
    管を備えている請求項1に記載の自動合成装置。
  3. 【請求項3】 上記酸捕集管は酸捕集充填剤を充填して
    いると共に、上記乾燥管は乾燥剤を充填しており、酸捕
    集管の出口と乾燥管の入口を管を介して連通し、かつ、
    酸捕集管の入口と乾燥管の出口とを6方ロータリーバル
    ブの異なるポートに管を介して連通し、さらに、該6方
    ロータリーバルブの他のポートを上記第一反応フラスコ
    および第二反応フラスコと夫々管を介して連通し、上記
    6方ロータリーバルブを上記制御手段により開閉して、
    上記第一反応フラスコから11Cヨウ化メチルを6方ロー
    タリーバルブを通して酸捕集管、乾燥管を通した後に、
    6方ロータリーバルブを通して第二反応フラスコへと導
    入する構成としている請求項1に記載の自動合成装置。
  4. 【請求項4】 上記酸捕集管に充填する酸捕集剤として
    ソーダライムまたは水酸化ナトリウム担持体を用いてい
    る前記請求項のいずれか1項に記載の自動合成装置。
  5. 【請求項5】 上記乾燥管に充填する乾燥剤として五酸
    化リンまたはその担持体を用いている前記請求項のいず
    れか1項に記載の自動合成装置。
  6. 【請求項6】 上記第二反応フラスコから11C標識メチ
    ル化合物を上記高速液体クロマトグラフィー装置へ注入
    する配管上に、複数の光センサーを所要の間隔をあけて
    介設し、複数の光センサーからの検出信号により気泡あ
    るいは液の白濁による誤動作を防止する構成としている
    前記請求項のいずれか1項に記載の自動合成装置。
  7. 【請求項7】 上記11C核種原料の生成装置と第一反応
    フラスコとを連通する配管および、上記クロマトグラフ
    ィー装置と第三反応フラスコとを連通する配管に、放射
    性同位元素検出器を介設していると共に、上記注射液容
    器内の製剤化液の放射能の量を測定するキュリーメータ
    を設置している前記請求項のいずれか1項に記載の自動
    合成装置。
  8. 【請求項8】 上記第三反応フラスコの容器本体は、上
    記複数の管と連通させた円筒状の上部と、丸底球形状と
    した下部と、上記上部と下部の境界に内方へ突出させた
    液跳ね返り防止用の突起を備えた形状としている前記請
    求項のいずれか1項に記載の自動合成装置。
  9. 【請求項9】 上記第三反応フラスコの容器本体は、そ
    の上端中央の管に、バブリング用気体導入兼標識メチル
    化合物溶液の出口管に貫通させて、該管の先端を底部近
    傍に配置すると共に、該管の先端外周に撹拌子支持板を
    取り付け、該撹拌子支持板上に回転自在に撹拌子を載置
    し、かつ、上記出口管の下端外周に側孔を形成している
    一方、 上記ジャケット内部にも撹拌子を収容し、さらに、該第
    三反応フラスコをスターラー上に載置して、上記容器本
    体内部およびジャケット内部の撹拌子を回転させる構成
    としている前記請求項のいずれか1項に記載の自動合成
    装置。
  10. 【請求項10】 上記第一反応フラスコ、第二反応フラ
    スコおよび第三反応フラスコにおいて、容器本体を囲む
    ジャケットは、各容器本体に連通させて形成した管の分
    岐部分を囲むようにしている前記請求項のいずれか1項
    に記載の自動合成装置。
  11. 【請求項11】 上記pH調節フラスコは、容器本体の
    上端中央にpH電極挿入用の開口を形成していると共
    に、第三反応フラスコから11C標識メチル化合物溶液の
    等張生理食塩水溶液を導入する管と、希塩基水溶液を上
    記貯溜容器より導入する管と、排気管とを容器の上部に
    連通させて形成し、さらに、pH調節後の11C標識メチ
    ル化合物溶液の等張生理食塩水溶液の出口管を底部に連
    通させて形成し、かつ、 容器本体の周壁外面の所要位置に液面センサーを設置
    し、該液面センサーからの容器本体の内容液の容量を検
    出する信号により、上記制御手段による遠隔操作で上記
    内容液を所定量に調節している前記請求項のいずれか1
    項に記載の自動合成装置。
  12. 【請求項12】 上記パイロジェン吸着体は、pH調節
    フラスコで得られたpH調節後の11C標識メチル化合物
    の等張生理食塩水溶液が導入されるカラム内部に充填さ
    れていると共に、該カラムの下端出口にメンブレンフィ
    ルターからなる滅菌フィルターを取り付けたケースを連
    続させ、 上記ケースの出口に注射針を取り付け、該注射針の先端
    をバイヤル等からなる注射液容器の入口に挿入している
    前記請求項のいずれか1項に記載の自動合成装置。
  13. 【請求項13】 上記第一および第二反応フラスコの接
    液面および接ガス面をシリコン化している前記請求項の
    いずれか1項に記載の自動合成装置。
  14. 【請求項14】 上記自動合成装置を遮蔽室内に設置す
    ると共に、該装置のフローラインにマスフローコントロ
    ーラを設置している前記請求項のいずれか1項に記載の
    自動合成装置。
  15. 【請求項15】 11C核種原料生成装置で生成される11
    C二酸化炭素を、金属水素化物の無水溶媒が供給されて
    いる第一反応フラスコに導入して、上記11C二酸化炭素
    を吸着させると同時に還元し、ついで、該第一反応フラ
    スコにヨウ化水素酸溶液を注入して加熱し、11Cヨウ化
    メチルを生成させると同時に気化させ、 ついで、上記ヨウ化メチルを上記第一反応フラスコより
    酸捕集管と乾燥管に通過させて、完全に無水の11Cヨウ
    化メチルとし、 ついで、上記無水の11ヨウ化メチルを第二反応フラスコ
    に導入し、該反応フラスコに導入する被標識化合物の溶
    液と反応させ、11C標識メチル化合物を生成し、 ついで、上記11C標識化合物の溶液を第二反応フラスコ
    より高速液体クロマトグラフィー装置に導入した後、該
    高速液体クロマトグラフィーから11C標識化合物を含む
    溶出液を第三反応フラスコに移送し、 上記第三反応フラスコで加熱すると共に気体のバブリン
    グを行い、さらに、減圧して溶媒を除去し、その後、該
    第三反応フラスコに等張生理食塩水を供給して、11C標
    識メチル化合物の等張生理食塩水溶液を調製し、 ついで、上記第三反応フラスコより、上記11C標識メチ
    ル化合物の等張生理食塩水溶液をpH調節用フラスコに
    移送し、pHおよび液量を調節し、 ついで、上記pH調節用フラスコで得られたpHが調節
    された11C標識メチル化合物の等張生理食塩水溶液をパ
    イロジェン吸着体および滅菌フィルターを通過させた
    後、注射用容器に導入し、 かつ、上記全工程を遠隔操作による自動制御で行ってい
    11C標識メチル化合物の注射用製剤の自動合成方法。
  16. 【請求項16】 上記11C標識メチル化合物の自動合成
    を、請求項1に記載の自動合成装置を用いて行っている
    請求項15に記載の自動合成方法。
  17. 【請求項17】 上記方法で生成される11C標識メチル
    化合物が3−N−11Cメチルスピペロン、11Cラクロプ
    ライド、11Cメチオニンである請求項15および請求項
    16のいずれか1項に記載の自動合成方法。
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