JP2009508170A5 - - Google Patents

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JP2009508170A5
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マイクロリソグラフィ露光システムの光学系
本発明は、光学系に関し、詳細にはマイクロリソグラフィ露光システムの照明系又は投影レンズに関する。
マイクロリソグラフィは、集積回路、LCD、その他の微細構造装置のような微細構造構成要素の製造に使用される。マイクロリソグラフィプロセスは、照明系と投影レンズを含むいわゆるマイクロリソグラフィ露光システムで実施される。照明系によって照射されるマスク(又は、レチクル)の像が、投影レンズを介して、レジストで覆われた基板(一般に、1つ又は複数の感光層を支持し、投影レンズの像平面内に配置されるシリコンウェーハ)上に投影されて、ウェーハ上の感光層上に電気回路のパターンが転写される。
投影レンズの像平面に作成された像の適切な干渉コントラストを得るには、入射平面に対して垂直にそれぞれ偏光されている光線を二光線束干渉させると有利である。この点に関して、システムの瞳平面内の個々の直線偏光ビームの電界ベクトルの振動面が、光学軸から出る半径と垂直な向きを有する、いわゆる接線偏光分布を有することが好ましい。
更に、マイクロリソグラフィ露光システムの解像度と光学性能を高める様々な試みのために、比較的高い屈折率を有する材料で作成した光学部品を使用する必要性が高まっている。本明細書では、屈折率の値は、使用される波長で、193nmでn≒1.56のSiO2の屈折率を超える場合に「高い」と見なされる。そのような材料は、例えば、スピネル(spinell)(193nmでn≒1.87)、サファイア(193nmでn≒1.93)、酸化マグネシウム(193nmでn≒2.02)である。しかしながら、これらの材料が、一軸性複屈折(例えば、193nmでΔn≒−0.01を有する光学的一軸性サファイア)又は固有複屈折(intrinsic birefringence)(「IBR」。例えば、193nmでIBR≒52nm/cmのスピネル、193nmでIBR≒70nm/cmの酸化マグネシウム、又はガーネット(M1)3(M2)712(ここで、M1は、例えばY、Sc又はLu、M2は、例えばAl、Ga、In又はTl、IBRが20nm/cm〜80nm/cmの範囲)のいずれかの作用を示し、透過光線の偏光分布を妨げるリターデーションを引き起こすという事実から問題が起こる。更に、例えば、使用される光学部品の応力複屈折や反射境界面で生じる位相ずれなどから他の乱れが起こる。
従って、そのような乱れを少なくとも部分的に補償するための対応策が必要である。当該技術分野では多数の手法が知られており、以下の引用は、網羅的でもなくまた本出願の関連性を宣言することなく示される。
特許文献1は、偏光状態の局所的な乱れを補償することができる装置を提供するために、偏光分布の乱れが少なくとも部分的に補償されるように光ビームの断面全体にわたって不規則に変化する厚さを有する、少なくとも1つの複屈折自由形態(free-form)光学要素(主軸を有するそのような要素の少なくとも2つが互いに対して回転されることが好ましい)を使用することを開示している。
特許文献2は、偏光分布の乱れを補償するための補償装置を開示しており、その補正装置は、厚さが局所的に不規則な2つの複屈折補正要素を含む補正部材を有する。補正要素の配置、厚さ、複屈折特性は、厚さの局所的不規則性を考慮しない場合に、乱れを補償する箇所でのみ偏光に影響を及ぼすように、複屈折効果を互に打ち消し合うように選択される。
更に、特許文献3は、水晶、サファイア、MgF2、LaF3などの少なくとも2つの異なる一軸性結晶材料が対物レンズ内にある、マイクロリソグラフィ投影レンズを開示している。
複屈折の影響を補償しかつ/又は偏光状態の乱れを防ぐ更に他の試みには、例えば、形態複屈折(form-birefringent)層による偏光への様々な影響を使用するレンズのクロッキング(例えば、特許文献4又は特許文献5)や、露光ビームの対応する部分を特定の方向にそれぞれ偏光する複数の複屈折タイルを含むモザイクタイル構造の挿入(例えば特許文献6を参照)がある。
米国特許第6,252,712 B1 WO2005/001527 A1 WO2005/059645 A2 米国特許第2004/0105170 A1 WO02/093209 A2 米国特許第6,191,880号
本発明の目的は、マイクロリソグラフィ露光システムの要件に従って高精度に製造することができる単純な構造で任意の望ましい偏光分布を有効に作成することができる光学系、詳細にはマイクロリソグラフィ露光システムの照明系又は投影レンズを提供することである。より詳細には、本発明は、特に比較的高い屈折率と比較的強い複屈折性を有する1つ又は複数の光学要素の存在による(例えば、一軸性材料又は強力な固有の複屈折を示す材料の存在による)偏光状態の局所的な乱れを有効に補償することができる光学系を提供する。更に他の態様として、本発明は、第1の(例えば、円又は直線)偏光分布を第2の(例えば、接線)偏光分布に変換する光学系を提供する。
本発明の一態様による光学系、特にマイクロリソグラフィ露光システムの照明系又は投影レンズは、光学系軸と、それぞれが光学的一軸性材料で作成され且つ非球面を有する3つの複屈折要素から成る少なくとも1つの要素グループとを有し、
前記グループの第1の複屈折要素の光学結晶軸が第1の向きを有し、
前記グループの第2の複屈折要素の光学結晶軸が第2の向きを有し、前記第2の向きは、前記第1の向きの回転から出てくるように記述することができ、前記回転は、光学系軸のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致せず、
前記グループの第3の複屈折要素の光学結晶軸が第3の向きを有し、前記第3の向きは、前記第2の向きの回転から出てくるように記述することができ、前記回転は、光学系軸のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致しない。
本発明の意味において、用語「複屈折」又は「複屈折要素」は、直線偏光複屈折と円偏光複屈折の両方を含む(即ち、例えば結晶水晶に見られるような光学活性)。
好ましい実施態様によれば、要素グループの3つの複屈折要素は、第2の複屈折要素が、光学系軸に沿って即ち光伝搬方向に、第1の要素に続く次の複屈折光学要素であり、第3の複屈折要素が、光学系軸に沿って即ち光伝搬方向に、第2の要素に続く次の複屈折光学要素であるという意味で連続している。換言すると、グループの要素は、光学系内に光学系軸に沿って連続又は互い隣り合った関係で配列される。更に、3つの要素は、(複屈折又は非複屈折)光学要素を間に挟むことなく互いに直接隣接していることが好ましい。
本発明によれば、偏光状態の局所的乱れの望ましい補償を達成するために3つの複屈折要素の組み合わせが使用される。その複屈折要素のそれぞれは、非球面を有し、従ってその厚さプロファイルから生じる複屈折効果が様々な強さを有する。本発明は、3つの要素と、厚さプロファイル及びそれぞれの結晶軸の向きの適切な変化とのそのような組み合わせにより、主に任意の望ましいリターデーション分布を達成することができ、また、このリターデーションを使用して、例えば一軸性媒体、二軸性媒体、固有複屈折を有する媒体、又は応力誘起複屈折を有する媒体を使用することによって生じる強いリターデーションを示す光学系内の1つ又は複数の光学要素の存在による既存のリターデーション分布を少なくともある程度補償することができるという認識に基づく。
本発明の基礎となる理論的考察に従って、
Figure 2009508170
を備えた、一般的な形を有する非吸収性(=ユニタリ)ジョーンズ行列をポアンカレ球の回転によって次のように記述することができる。
Figure 2009508170
ここで、ポアンカレ球の面上にある点は特定の偏光状態を示す。本発明の概念は、ポアンカレ球の回転を基本回転に分割することができ、またその基本回転も特定のジョーンズ行列に対応するという事実に基づく。そのようなジョーンズ行列のうちの3つの適切な組み合わせが、ポアンカレ球の望ましい回転(即ち、望ましい非吸収(=ユニタリ)ジョーンズ行列)を記述するために使用される。
換言すると、ユニタリジョーンズ行列は、次の3つの行列関数の行列積として表わすことができる、
Figure 2009508170
ここで、適切な「オイラー角」α、β、γが選択される。行列関数R1(α)、R2(α)、R3(α)はそれぞれ、次の組から得られる。
Figure 2009508170
この式は、回転子、向き0°のリターダ(retarder)、向き45°のリターダを記述し、その強さはαで指定される。任意のユニタリジョーンズ行列のこの分解は、常に、次の条件下で可能である。
1(α)≠R2(α)かつR2(α)≠R3(α) (3)
本発明による3つの複屈折要素の要素グループにおいて、第2(又は、第3それぞれ)の複屈折要素の光学結晶軸の向きが、第1(又は、第2それぞれ)の複屈折要素の光学結晶軸の向きの90°又はその整数倍に一致しない角度の回転から出てくるように記述できるという上記の特徴は、上記の意味において3つの複屈折要素の独立性を保証する。これは、それぞれ非球面とそのような光学結晶軸の向きを有する2つの要素が(これらの2つの要素の2つの向きが例えば互いに角度90°だけ回転される)、それぞれの非球面(又は、厚さプロファイル)の符号が同時に逆になった場合にこれらの要素の一方を他方の代わりに使用することができるので、それらの偏光効果が独立でないという事実を考慮する。
換言すると、本発明による要素グループは、3つの複屈折要素を有し、本発明による光学グループの2つの後の複屈折要素は、異なる向きの光学結晶軸を有する。更に、2つのそのような向きは、それらの向きの一方を、光学系軸のまわりの90°(又はその整数倍)の角度の回転によって達成できない場合だけ互いに異なると見なされる。
換言すると、本発明による光学グループの2つの後の複屈折要素の向きは、それらの向きでその偏光効果が実際に異なるかどうかを決定する際に、互いの「モジュロ90°(modulo 90°)」を比較しなければならない。従って、換言すると、本発明のこの態様は、光学グループの2つの後の複屈折要素の光学結晶軸が光学系軸と垂直な平面内にある場合に、それらの光学結晶軸の2つの向きの間の「モジュロ90°の角度」がゼロではないという点で定義される。例えば、光学系軸に対して垂直な平面内にあり且つ互いに90°の角度を有する2つの向きは、本発明によれば、等しいか又は独立でないと見なされ、一方光学系軸に対して垂直な平面内にあり且つ互いに95°の角度を有する2つの向きは、「モジュロ90°の95°」=5°の角度をなし、従って等しくないか互いに独立であると見なされる。
光学結晶軸が上記の基準を満たす3つの複屈折要素のそのような要素グループを光線の束が通る場合は、それらの複屈折要素の非球面又は厚さプロファイルの適切な選択のために、光学系(例えばマイクロリソグラフィ露光システムの投影レンズ)内の偏光分布の乱れを補償できるようになる。
一般に、所定の位置で所定の位相リターデーションΔψを提供するために、厚さdは、次の式で与えられる。
Figure 2009508170
本発明の文脈では、投影レンズでの複屈折効果の大きな補償は、一般に、少なくともλ・Δψ≧5ナノメートル(nm)のリターデーションに対応しなければならない。そのような補償を実現するために、そのようなリターデーション効果に対応する非球面による厚さの変化Δdは、例えばMgF2のΔnの代表値が0.0024で、典型的な波長がλ≒193nmの場合に、Δd≒5nm/(2・π・Δn)≒331nmになる。従って、波長λ≒193nmの場合に、非球面の厚さプロファイル変化の代表的な定量的レベルの下限をΔdmin≒0.3μmに推定することができる。達成された位相リターデーションΔψに関しては、複屈折効果の有効な補償に対応する下限Δψminを基準Δψ>(5nm/193nm)によって示すことができ、その結果、位相リターデーションの下限Δψminを、Δψmin≒0.025又はΔψmin≒25mradとして評価することができる。従って、本発明の実施態様によれば、複屈折要素はそれぞれ、その厚さプロファイルに、Δψmin≒25mradの最小位相リターデーションが光学系の所定の動作波長で得られるような変化がある。
本発明の実施態様によれば、3つの複屈折要素のすべての光学結晶軸は、互いに異なる方向に向けられる。そのような構成により、第1と第3の複屈折要素の結晶軸が互いに垂直な方向に向けられている構成の3つの結晶方位の上記概念を実現することができる。これは、補償される(即ち、要素グループによって提供される)望ましい偏光効果が、少なくともほとんど純粋なリターデーション(楕円成分が全く又はわずかしかない)である場合に、第1と第3の要素のそれぞれの非球面が、反対符号で実質的に同一の高さプロファイルの非球面を有し、そのような面のスカラー効果が少なくとも部分的に補償される範囲で有利である。
本発明の更に他の実施態様によれば、第1の複屈折要素と第3の複屈折要素の光学結晶軸は互いと実質的に平行である。そのような構成は、同一の非球面又は高さプロファイルを有する2つの要素を製造するのに有利であり、このことは、製造工程を大幅に単純化しまたこれらの要素に同一のテスト光学要素を使用するのに有利である。
本発明の更に他の実施態様によれば、すべての3つの複屈折要素の光学結晶軸は、光学系軸と垂直な方向に向けられ、第1の複屈折要素と第3の複屈折要素の光学結晶軸はそれぞれ、光学系軸のまわりに、グループの第2の複屈折要素の光学結晶軸に対して30°〜60°の範囲の角度、より好ましくは40°〜50°の範囲の角度、更に好ましくは45°の角度だけ回転される。これは、光学結晶軸の方向が45°の角度に向けられたそれぞれの要素が、互いに垂直な軸のまわりのポアンカレ球の回転(即ち、線形独立の回転)に対応し、これにより、より適度な高さプロファイルとより小さな表面変形を有する特定の望ましい補償効果を達成できる限り有利である。
好ましい実施態様によれば、光学要素のそれぞれの光学結晶軸は、光学系軸に対して実質的に垂直又は実質的に平行である。以下に、光学結晶軸が、光学系軸に対して「実質的に垂直」又は「実質的に平行」であるという表現は、本発明が厳密に垂直又は平行な向きの小さなずれを許容することを表しており、このずれは、光学結晶軸とそれぞれの垂直又は平行な向きとの間の角度が±5°を超えない場合に小さいと見なされる。
本発明の実施態様によれば、複屈折要素は、平均実質屈折力ゼロ(on average essentially no refracting power)である。この表現は、本発明の意味において、それぞれの要素の表面が最適球面によって近似される場合に、そのように近似された要素の屈折力が、1ジオプトリー(1Dpt=1m-1)以下であると理解される。「平均実質屈折力ゼロ」の複屈折要素の特性は、代替として、1つ又は複数の光学要素のための追加の補償板によって達成されてもよく、あるいは周辺部のみ(即ち、平行平面板と実質的に類似の)それぞれの要素の表面の起伏に起因する場合もある。一実施態様によれば、補償板は、非複屈折材料(例えば、融解石英)から作成されてもよい。
本発明の更に態様によれば、光学系、特にマイクロリソグラフィ露光システムの照明系又は投影レンズは、光学系軸と、3つの要素対から成る少なくとも1つの要素グループとを有し、各要素対は、1つの複屈折要素と1つの属性補償要素から成り、複屈折要素は、光学的一軸性材料で作成され且つ非球面を有し、それぞれの複屈折要素と属性補正要素は互いに補って要素対の平行平面幾何学形状になり、
前記グループの第1の複屈折要素の光学結晶軸は第1の向きを有し、
前記グループの第2の複屈折要素の光学結晶軸は第2の向きを有し、前記第2の向きは、前記第1の向きの回転から出てくるように記述することができ、光学系軸のまわりの90°の角度又は整数倍の回転に一致しておらず、
前記グループの第3の複屈折要素の光学結晶軸は第3の向きを有し、前記第3の向きは、前記第2の向きの回転から出てくるように記述することができ、前記回転は、光学系軸(OA)のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致しない。
従って、この態様における光学系又は光学要素グループは、前述の光学系又は光学要素グループと類似しており、複屈折要素と属性補償要素が平行平面幾何学形状になるように要素グループが複屈折要素のそれぞれに属性補償要素を含む点だけが異なる。更にこの態様で達成される有利な効果は、いわゆるスカラー位相への要素グループの有害な影響を小さく維持することができ、理想的なケースでは、平行平面板によってスカラー位相に引き起こされる影響と等しくすることができることである。補正要素は、また、光学系軸と垂直な平面内で向けられ且つ属性複屈折要素の光学結晶軸と垂直に向けられた光学結晶軸を有する光学的一軸性材料から作成されることが好ましい。この態様での光学系又は光学要素グループの好ましい実施態様と利点は、第1の態様による光学系又は光学要素グループに関して延べ検討した好ましい実施態様と利点を参照することができる。
更に好ましい実施態様によれば、結合された要素又は要素グループは、光学系の瞳平面内に配置される。
この構成は、投影レンズの像側最終レンズ要素に同じ角度で入る(従って、類似の強さの複屈折を受ける)光線がそれぞれ、要素グループ又は結合された要素を実質的に同じ位置で通りその偏光状態が同じように補償される限り有利である。
更に好ましい実施態様によれば、結合された要素又は要素グループは、関係0.8<(D1/D2)<1.0を満たす位置に配置され、ここで、D1は前記位置における光束の径であり、D2は、前記位置で光学的に使用される全体の径である。
この構成は、(光ビームの様々なフィールド位置に属する最終レンズ要素内の異なる幾何学的経路の長さにより)像側最終レンズ要素による偏光効果のフィールド依存性が生じる場合に達成される改善された補償の点で有利であり、その理由は、瞳平面に対する要素グループ又は結合された要素のそれぞれの変位と共にフィールド依存性をより良く考慮できるからである。
更に好ましい実施態様によれば、光学系は、関係0.5≦(D1/D2)≦1.0を満たす位置に、少なくとも2つの結合された要素又は要素グループの両方を配置して含み、この場合、D1は、それぞれの位置における光学的に使用される全体の径であるそれぞれの位置における光束の径である。そのような構成では、達成される補償が、特に少なくとも瞳平面に最も近い位置で有効であると考えられる。詳細には、これらの2つの要素グループ又は結合された要素グループは、瞳平面に関して対称的、即ち同じ関係D1/D2を有する光学系の光学要素に沿って、瞳平面上の反対側の位置に配列することができる。
好ましい実施態様によれば、要素グループ又は結合された要素はそれぞれ、光学系の光伝搬方向に沿った第1の瞳平面内に配置される。この位置は、詳細には、光学系全体の設計において光学系内に配置された補正要素(又は、要素グループ)の補正効果と幾何学的サイズ径に対して瞳平面を変更する能力の高さの点で有利である。これは、第1の瞳平面が、開口数(NA)が最終(即ち、像側)瞳平面よりも低く、またこの第1の瞳平面の下流に配置された多数の光学要素が、光学結像を補正し最適化するのに十分な能力を提供する位置に配列されるからである。
更に他の好ましい実施態様によれば、結合された要素又は要素グループは、光学系軸に沿って、要素グループの平均光学有効径の50%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下の最大軸方向長を有する。そのような小さな軸方向の長さは、グループの複屈折要素を互いに近くに配置することによって、各光学要素を比較的小さな厚さで作成しかつ/又は複屈折要素(又は、要素対それぞれ)を他の光学要素を間に入れることなく互いに直接隣り合わせて配置することによって得ることができる。光学要素グループのそのようなコンパクトな設計は、光学系軸に対して同じ傾きで通る光ビームの発散が減少し又は最小になり、その結果光学系軸に対して同じ距離で要素を通る光ビームが少なくともほぼ同じ偏光作用を受ける範囲で有利である。
更に他の態様では、本発明は、また、第2のレンズ構成要素に埋め込まれた第1のレンズ構成要素を含む光学要素に関し、第1のレンズ構成要素はスピネルから作成され、第2のレンズ構成要素は、光学的に等方性の材料から作成される。光学要素のそのような構造の有利な効果は、第1のレンズ構成要素を比較的薄く作成できることであり、要素の影響による光学系の光学性能(詳細には、一軸性複屈折又は固有複屈折ならびに吸収)の低下を小さく維持することができる。そのような光学要素は、前述のような光学系との組み合わせでも独立でも実現することができる。
本発明は、また、マイクロリソグラフィ投影露光装置、マイクロリソグラフィ投影露光装置用の照明系又は投影レンズ、マイクロリソグラフィ投影露光用の光学系の使用、基板と微細構造装置を構成するマイクロリソグラフィ方法に関する。
本発明の更に他の態様及び有利な実施態様は、以下の詳細な説明ならびに更に他の添付の特許請求の範囲から得られ、その内容は、参照によりその全体が説明の一部となる。
本発明は、以下の詳細な説明を参照し図面に示された好ましい実施形態に基づいて詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態による完全なカタディオプトリック投影レンズ100の全体の子午線断面を示す。投影レンズ100の設計データは、表1に示されている。この表において、第1列には、反射性や他の点で異なるそれぞれの光学面の番号が含まれ、第2列には、その面の半径(mm)が含まれ、第3列には、その面の次の面からの距離(mm。厚さとしても示した)が含まれ、第4列には、それぞれの面に続く材料が含まれ、第5列には、λ=193nmにおけるこの材料の屈折率が含まれ、第6列には、光学部品の光学的に使用可能な自由半径(mm)が含まれる。
図1に短い横線によって示され表2に指定した面は非球面であり、そのような面の湾曲率は、次の非球面の式によって与えられる。
Figure 2009508170
式(5)では、Pは、光学軸と平行関係にある当該の面のサジッタを示し、hは、光学軸から半径方向の距離を示し、rは、当該の面の曲率半径を示し、Kは、円錐定数を示し、C1、C2,...は、表2に示した非球面定数を示す。
投影レンズ100は、光学系軸OAに沿って、物体(即ち、レチクル)面OPと像(即ち、ウェーハ)平面IPの間に、屈折レンズ111〜114及び116〜119から成る第1のサブシステム110、光線が通過できるようにするために適切な位置でそれぞれ切断された第1の凹面鏡121と第2の凹面鏡122から成る第2のサブシステム120、屈折レンズ131〜143から成る第3のサブシステム130を有する。第3のサブシステムの像側の最終レンズ143は、Lu3AI512(=「LuAG」)で作成された向き[100]を有する平凸レンズであり、即ち、投影レンズ100の光学系軸OAは、レンズ143の結晶軸[100]と平行である。像側最終レンズ143は、その最終レンズ143と、投影レンズ100の動作中に像平面IP内に配置されているウェーハ上の感光層との間にある液浸液と隣接している。液浸液143は、示した実施形態では、nimm≒1.65の屈折率を有する。適切な液浸液は、例えば「デカリン(Decalin)」である。更に適切な液浸液は、例えばシクロヘキサン(λ≒193nmでnimm≒1.57)である。
本願において、用語「サブシステム」は常に、それにより実物体が実像又は中間像に結像される光学要素の配列を示す。換言すると、所定の実像又は中間像平面から始まる各サブシステムは、常に、次の実像又は中間像までのすべての光学要素を含む。
第1のサブシステム110は、物体平面OPを第1の中間像IMI1上に投影する。第1の中間像IMI1のおよその位置は、図1では矢印でマークされている。この第1の中間像IMI1は、第2のサブシステム120によって第2の中間像IMI2に投影される。第2の中間像IMI2のおよその位置は、図1に矢印でマークされている。第2の中間像IMI2は、第3のサブシステム130によって像平面IPに投影される。
図1に矢印115でマークされ第1のサブシステム110内の瞳平面PP1の近くの位置に、図2a〜図2dと図3に関して後で構造を記述する要素グループが設けられる。
要素グループ200は、図2aによれば、光学的一軸性サファイア(Al23)でそれぞれ作成された3つの複屈折要素211〜213から成る。図2cによれば、3つの要素211〜213内の光学的一軸性材料の光学結晶軸は互いに異なる方向に向けられている。更に、3つの要素211〜213はそれぞれ、図2aに単に概略的に示し図3と関連してより詳細に説明されるような非球面を有する。図2aの概略図が、単に、要素211〜213がそれぞれ異なる厚さプロファイルを有することを表すものであり、厚さプロファイルの形状のより定量的な詳細は、図3の対応する高さプロファイルから収集することができることが重要である。
光学結晶軸の様々な向き関して、より具体的には、(図2cにca−1、ca−2、ca−3として示した)そのような光学結晶軸はすべて、投影レンズ100の光軸OA(=Z軸)と垂直な平面、すなわち図2cに示した座標系でx−y平面内に向けられている。更に、図2cによれば、要素211の光学結晶軸ca−1は、Y軸と平行に向けられており、要素212の光学結晶軸ca−2は、光軸OA(即ち、Z軸)のまわりに結晶軸ca−1に対して角度45°だけ時計回りに回転され、要素213の光学結晶軸ca−3も、光軸OA(即ち、z軸)のまわりに結晶軸ca−2に対して右回りに角度45°(即ち、Y軸に対して角度90°)だけ回転されている。
より一般には、第2の光学要素212の光学結晶軸ca−2の向きは、第1の光学要素211の光学結晶軸ca−1の向きの投影レンズ100の光軸100のまわりの回転から出てくる(emerge)ように記述され、回転は、光学系軸のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致しない。更に、第3の光学要素213の光学結晶軸ca−3の向きは、第2の光学要素212の光学結晶軸ca−2の向きの投影レンズ100の光軸OAのまわりの回転から出てくるように記述され、その回転もまた、光学系軸OAのまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致しない。
要素211〜213のそれぞれに提供された非球面に関して、図3aは、第1の要素211の高さプロファイル(マイクロメートル、μm)を示し、図3bは第2の要素212の高さプロファイルを示し、図3cは第3の要素213の高さプロファイルを示す。第1の要素211と第3の要素213の高さプロファイルは、反対符号のものであり、示した例では大きさが同じであることが分かる。
投影レンズ100内の要素グループ200の効果を示すために、図4aは、位置115に要素グループ200のない場合に像側最終レンズ要素143によって引き起こされるリターデーション(ナノメートル、nm)を示し、一方図4bは、位置115に光学要素グループ200がある場合の投影レンズ100のリターデーションを示す。図4aのリターデーションが約180nmの極大値を有し、それに対して図4bの最大リターデーションは、約0.5nmの極めて小さい値に大幅に短縮されており、この値は、代表的なリソグラフィ用途に十分な値より大きいことが分かる。
図2dは、要素221〜223の要素グループの更に別の例を示し、第1の要素221と第3の要素223の光学結晶軸ca−1とca−3の向きは、同一で且つ第2の要素222の光学結晶軸ca−2の向きと異なる。より具体的には、また図2dに示したように、要素221と223の光学結晶軸ca−1とca−3は両方ともy軸と平行に向けられており、要素212の光学結晶軸ca−2は、結晶軸ca−1に対して45°の角度だけ光軸OA(即ち、z軸)のまわりに回転されている。
図2cの実施形態と共通の特徴として、第2の光学要素222の光学結晶軸ca−2の向きが、第1の光学要素221の光学結晶軸ca−1の向きca−1の投影レンズ100の光軸OAのまわりの回転から出てくるように記述することができ、回転は、光学系軸のまわりの90°の角度又はその複数倍の回転に一致しない。更に、第3の光学要素223の光学結晶軸ca−3の向きは、第2の光学要素222の光学結晶軸ca−2の向きの投影レンズ100の光軸OAのまわりの回転から出てくるように記述することができ、その回転も、光学系軸のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致しない。
要素221〜223のそれぞれに提供された非球面に関して、図3aは、第1の要素221と第3の要素223の高さプロファイル(マイクロメートル、μm)を示し、図3bは、第2の要素222の高さプロファイルを示す。従って、この特定の例では、第1の要素221と第3の要素223の高さプロファイルは同一であり、このことは、これらの要素が、投影レンズ100内で楕円成分なしにリターデーションを補償するのに適することを意味する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、本発明は、また、図2cの基本構造を有し且つ第1の要素221と第3の要素223の異なる高さプロファイルを有する光学要素221〜222cのグループを含む。
図2〜図3に関して説明した実施形態の要素211〜213と221〜223はすべて、サファイア(Al23)で作成されるが、本発明はこれに限定されず、使用される波長領域内で十分な透明性を有する他の光学的一軸性材料(例えば、限定ではなく、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化ランタン(LaF3)、結晶水晶(SiO2))を代替として使用することができる。更に、本発明は、3つの要素211〜213又は221〜223をすべて同じ材料とすることに制限されず、従って様々な材料の組み合わせを使用することもできる。
図5a〜図5fは、3つの各要素の図2aによる光学要素グループの更に他の実施形態の基本構造を平面図で示す。
図5による要素グループのこれらの様々な実施形態を一般化するために、図2cと図2dと同じように、これらの要素グループのいずれについても、それぞれの第2の光学要素512〜562の光学結晶軸ca−2の向きは、それぞれの第1の光学要素511〜561の光学結晶軸ca−1の向きca−1の投影レンズ100の光軸100のまわりの回転から出てくるように記述することができ、その回転は、光学系軸のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致しない。更に、それぞれの第3の光学要素513〜563の光学結晶軸ca−3の向きは、それぞれの第2の光学要素512〜563の光学結晶軸ca−2の向きの投影レンズ100の光軸OAのまわりの回転から出てくるように記述することができ、その回転もまた、光学系軸のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致しない。
これらの要素グループの更に共通の特徴として、図2cと図2dのように、それぞれの3つの要素のうちの2つの要素(例えば、図5aの要素511と要素513)の光学結晶軸「ca−1」及び「ca−3」は、第3の要素(例えば、図5aの要素512)の光学結晶軸とは異なる方向に向けられている。
より具体的には、図5aによれば、要素512の光学結晶軸「ca−2」は、図に示した座標系でy方向に延び、一方光学結晶軸ca−1とca−3は両方とも、光学系軸OAのまわりに光学結晶軸ca−2に対して45°回転される。すべての要素511〜513は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、サファイア(Al23)又は別の適切な光学的一軸性材料で作成される。
図5bによれば、要素522の光学結晶軸ca−2は、図に示した座標系で、y方向に延びており、一方要素521と523の光学結晶軸ca−1とca−3は、光学系軸OAと平行(即ち、z方向)に延びている。要素522は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)から作成され、要素521と523は、光学的に活性な水晶から作成される。
図5cによれば、要素532の光学結晶軸ca−2は、光学系軸OAと平行(即ち、z方向)に延びており、要素531と533の光学結晶軸ca−1とca−3は、図に示した座標系でy方向に延びている。要素531と533は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)から作成され、要素532は、光学的に活性な水晶から作成される。
図5dによれば、要素542の光学結晶軸ca−2は、光学系軸OAと垂直に延びかつy方向に対して45°回転され、要素541と543の光学結晶軸ca−1とca−3は、光学系軸OAと平行(即ち、図に示した座標系でz方向)に延びている。要素542は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)から作成され、要素541と543は、光学的に活性な水晶から作成される。
図5eによれば、要素552の光学結晶軸ca−2は、光学系軸OAと平行(即ち、図に示した座標系でz方向)に延び、要素551と553の光学結晶軸ca−1とca−3は、光学系軸OAと垂直に延びかつy方向に対して45°回転されている。要素541と543は、フッ化マグネシウム(MgF2)から作成され、要素542は、光学的に活性な水晶から作成される。
図5fによれば、要素561の光学結晶軸ca−1は、光学系軸「OA」と平行(即ち、z方向)に延びている。要素562の光学結晶軸ca−2はy方向に延びている。要素563の光学結晶軸ca−3は、光学系軸OAと垂直に延び且つy方向に対して45°回転されている。要素562と563は、例えばフッ化マグネシウム(MgF2)から作成され、要素561は、光学的に活性な水晶から作成される。従って、図5fに示した実施形態では、3つの光学要素561〜563のすべての光学結晶軸は、図2cの実施形態と同じように、互いに異なる方向に向けられている。当然ながら、図5fに示した実施形態は、図示した要素561〜563の順序に限定されず、これらの要素の可能な順列をすべて含む(例えば、要素563が要素561と562の間に配置される)。
前述の要素グループの更に共通な特徴として、各要素グループは、光学的一軸性材料から作成され、光学系軸に沿って異なる厚さプロファイルを有する3つの光学要素を含み、それぞれの光学要素の光学結晶軸は、光学系軸に対して実質的に垂直又は実質的に平行であり、3つの光学要素のうちの少なくとも2つの光学結晶軸は、互いに異なる方向に向けられている。
図2dと図5aの実施形態では、3つの光学要素がすべて、光学系軸と実質的に垂直な光学結晶軸を有し、グループの第1の光学要素と第2の光学要素(即ち、それぞれ要素211と213又は要素511と513)の光学結晶軸は、互いに実質的に平行であり且つ光学系軸のまわりでグループの第3の光学要素(即ち、それぞれ要素212又は512)の光学軸に対して回転される。
図5b〜図5fの実施形態では、グループの光学要素(即ち、要素522,531,533,542,551,553)のうちの1つ又は2つの光学要素だけが、光学系軸に対して実質的に垂直な光学結晶軸を有し、グループの他の光学要素(即ち、要素521,523,532,541,543,552,561)は、光学系軸に対して実質的に平行な光学結晶軸を有する。これらの実施形態では、光学系軸OAと実質的に平行な光学結晶軸を有する要素は、光学的に活性な材料(例えば、水晶)から作成される。
図5fによる実施形態では、3つの光学要素561〜563のすべての光学結晶軸は、互いに異なる方向に向けられる。光学系軸OAと実質的に平行な光学結晶軸を有する要素は、光学的に活性な材料(例えば、結晶水晶)から作成される。
図2bは、本発明による要素グループの更に好ましい実施形態を示し、この実施形態は、いわゆるスカラー位相への要素グループの有害な影響を低く維持することができる有利な効果を有する。図2bに概略的に示した概念によれば、異なる複屈折要素215と217と219の間の中間領域216、218は、光学グループを通る光が複屈折要素の光入射面に入るか光出口面から出るときに生じる屈折率の変化を小さくするために液体で満たされる。
図2bによる特定の実施形態では、複屈折要素215、217及び219はそれぞれ、MgF2から作成され、中間領域216と218は水(H2O)で満たされる。
典型的な動作波長がλ≒193.38nmのとき、MgF2の正常屈折率はno≒1.4274であり、異常屈折率はne≒1.4410であり、これは、平均屈折率n=(no+ne)/2≒1.4342に相当する。λ≒193.38nmでの水(H2O)の屈折率は1.4366である。従って、複屈折要素215、217、219と中間領域216、218との間に生じる屈折率の変化は、Δn≒0.0024になる(平均屈折率のMgF2の場合)。比較のために、中間領域216と218が典型的な充満ガス(例えば、λ≒193.38nmの窒素(N2))で満たした場合の屈折率の変化は、Δn≒0.439である。従って、複屈折要素215、217、219と中間領域216、218との間に生じる屈折率の変化は、図2bの実施形態では、約180分の1に減少する。
当然ながら、複屈折要素の光入射面及び/又は光出射面で起こる屈折率の変化を小さくするために複屈折要素間の中間領域を適切な液体で満たす上記の概念は、上記のH2OとMgF2の組み合わせに限定されない。一般に、複屈折要素のうちの少なくとも2つの複屈折要素間のギャップに、2つの複屈折要素の屈折率の30%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下異なる屈折率を有する液体で少なくとも部分的に満たした場合に、本発明の要素グループの複屈折要素間の上記の屈折率の変化状況を大幅に改善し、従っていわゆるスカラー位相への要素グループの有害な影響を減少させる液体が適していると考えられる。隣り合った複屈折要素の材料の屈折率に応じて、そのような適切な液体は、例えば「デカリン」(λ≒193nmでnimm≒1.65)やシクロヘキサン(λ≒193nmでnimm≒1.57)など、像側最終レンズとウェーハ上にある感光層との間の領域内の液浸液としても使用されるいわゆる高屈折率液浸液でよい。
図6は、本発明の更に他の実施形態による完全なカタディオプトリック投影レンズ600の全体の子午線断面図を示す。投影レンズ600の設計データは表3に示されており、表4で指定されている面は、非球面に湾曲している。
投影レンズ600は、図1の投影レンズ100と類似のカタディオプトリック設計を有し、光軸OAに沿って、レンズ611〜617を含む第1のサブシステム610、2つのミラー621、622を含む第2のサブシステム620、レンズ631〜642を含む第3のサブシステム630を有する。
投影レンズ600は、また、矢印でマークされた第3のサブシステム630内の瞳平面PP2の近くの位置に、本発明の更に他の好ましい実施形態による要素グループ650を含み、この実施形態は、図7と図8を参照して後で記述する。これらの実施形態によって達成される有利な効果は、いわゆるスカラー位相に対する要素グループの有害な影響を小さく維持し、理想的なケースでは、平行平面板がスカラー位相に引き起こさせる影響と等しくすることができることである。
このため、図6aに概略的に示した要素グループ650は、3つの複屈折要素651、652、653から成り、それぞれの複屈折要素グループはそれぞれ、2つのプレート651aと651b、652aと652b、あるいは653aと653bから成る。互いに属するそれぞれのプレートは非球面と平面を有し、互いに属するプレートの非球面は、相補的であり、そのように形成された複屈折要素651、652、653の平行平面幾何学形状となる。換言すると、それぞれの形成された複屈折要素651、652、653の厚さはそれぞれ断面全体にわたって一定である。
更に、単に光学結晶軸をより良く表すために6つのプレート651a〜653bをすべて分解図で示した図8aで分かるように、互いに属するそれぞれのプレート651aと651b、652aと652b、又は653aと653bの光学結晶軸は、互いに垂直な方向に向けられている。光学結晶軸の前記向きとは別に、各対のプレート651aと651b、652aと652b、又は653aと653bのそれぞれと、好ましくは6つのすべてのプレート651a〜653bは、同じ光学的一軸性材料(例えば、Al23、MgF2、又はLaF3)から作成される。
複屈折要素651〜653が平行平面幾何学形状である結果、2つのプレートが互いに相補的に当接する位置における各複屈折要素651、652、653内にある非球面境界は、同一の屈折率の領域間の境界だけなので、複屈折要素651、652、653のそれぞれが、要素グループ650を通る光のスカラー位相を妨害したり影響を与えたりすることはない。図8aに示した実施形態は、単なる例示であり、各複屈折要素651、652、653のそれぞれの第1のプレート651a、652a、653aの場合、これらのプレートが図5aの基本構造に応じて光軸OAに従って配置されるように要素グループを組み立てることによって、図7の一般的な概念を実現するさらに他の実施形態を構成することができる。同様に、前記実施形態のそれぞれにおいて、光学系軸OAに対して垂直な平面内に光学結晶軸が向けられた複屈折要素のうちの少なくとも1つ(及び、好ましくはすべて)の複屈折要素を、図7と図8に関して前に述べたような1対のプレート、即ち、互いに相補的に対になりまたそのように形成された複屈折要素の平行平面幾何学形状になるプレートと置き換え、光学結晶軸を互いに垂直な対になるように向けることによって、前述の図2c〜図2dと図5b〜図5fに示した他の実施形態を修正することができる。
光学グループ650の図7aの3つの複屈折要素651〜653は、互いに離間されて示されているが、これらの複屈折要素は、図7bに示した好ましい実施形態によれば、共通の光学要素650’を形成するために結合されてもよい。このことは、プレート651a〜653bの比較的薄い厚さを考慮する構成の機械的安定性の観点から好ましく、この厚さは、通常、1mmよりはるかに小さく、例えば数マイクロメートルの範囲である。
更に他の実施形態では、図7cと図7dに概略的に示したように、極めて厚い厚さの1つ又は複数の支持プレートが使用される。より具体的には、図7cは、2つのそのような支持プレート660と670を示し、各支持プレートは、それぞれ隣り合った複屈折要素651と652の間又は652と653の間に配置されて共通部分650”が形成される。図7dは、図7bに既に示したように互いに接合され、共通部分650'''を形成するように1つの支持プレート680に支持された3つの複屈折要素651〜653をすべて示している。この実施形態の斜視図を図8bに示す。このような1つ又は複数の支持プレート660、670、680は、融解石英(SiO2)などの光学等方性材料から作成されることが好ましい。そのような支持プレートの厚さは主に任意であるが、代表的な厚さは数ミリメートルの範囲である。
図9に、図8による複屈折要素の高さプロファイルを示す。複屈折要素の高さプロファイルの定量的説明は、例えば米国カリフォルニア州パサデナの「OPTICAL RESEARCH ASSOCIATES」による市販のソフトウェア「CODE V 9.6」(2005年10月)に基づいて提供され、このソフトウェアによれば、ソフトウェアの対応するリリースノートに記載されているようなそれぞれの自由曲面は、次の式を使って多項式近似により表される。
Figure 2009508170
ここで、zはz軸と平行な面のサジッタを示し、cは頂点曲率を示し、kは円錐定数を示し、zjはj番目のゼルニケ多項式(半径座標の標準ゼルニケ多項式、即ちZ1=1、Z2=R・cosθ、Z3=R・sinθ、Z4=R2cos2θなど)を示し、Cj+1は、Z1の係数を示す。
図9a〜図9cの実施形態の場合、表5は、自由曲面41、43、45のそれぞれの上記ゼルニケ多項式の対応する係数を示し、例えば、ZP1=C2はゼルニケ多項式の項1の係数を示し、ZP2=C3はゼルニケ多項式の項2の係数を示し、以下同様にZPε3=C64はゼルニケ−多項式の項63の係数を示す。
対応する光学グループの作用を、図7〜図9による要素グループがある場合(図10a)とない場合(図10b)の投影レンズのそれぞれのリターデーション瞳マップとして図10a〜図10bに示す。要素グループが、リターデーションを大幅に減少させることが分かる(図10aと図10bの倍率が異なることに注意されたい)。
図11は、本発明の更に他の実施形態による完全なカタディオプトリック投影レンズ900の全体の子午線断面を示す。投影レンズ900は、図1の投影レンズ100と類似の設計を有し、光軸OAに沿って、レンズ911〜917を含む第1のサブシステム910と、2つのミラー921と922を含む第2のサブシステム920と、レンズ931〜942を含む第3のサブシステム930とを備える。
投影レンズ900内の偏光の乱れを補償するために、投影レンズ900は、この場合も、矢印でマークされた第1の瞳平面「PP1」内の位置に、前述のような3つの複屈折要素の要素グループで構成された補正要素950を有し、この3つの光学要素の高さプロファイルは、図13a〜図13cで後述する。
図11の投影レンズ900の更に他の態様として、第3の部分的システム930の最終レンズ942(即ち、像平面IPに最も近いレンズ)は、図12の拡大概略図と関連して更に詳しく述べるような第2のレンズ構成要素942bに埋め込まれた第1のレンズ構成要素942aを含む。
この「埋め込みレンズ」構成の実現は、当然ながら、偏光の乱れを補償するために非球面を有する少なくとも3つの複屈折要素で構成された光学グループ又は補正要素を使用する補償の概念との組み合わせに限定されないことに注意されたい。従って、図12に示した態様は、(そのような補正要素又は光学グループを備えていない)他の設計も対象として含み、その場合、光学レンズ(詳細には像側最終要素でよい。即ち像面に最も近い光学要素)は、後述するように第1のレンズ構成要素を第2のレンズ構成要素に埋め込むことによって実現される。
一般に、図11と図10に示した構成は、第1のレンズ構成要素942aが、光学的一軸性材料あるいは強い固有複屈折性を有する立方晶系結晶構造の材料から作成され、第2のレンズ構成要素942bが光学的に等方性の材料から作成されると有利である。第1のレンズ構成要素の材料は、スピネルのような立方晶系結晶の他に、例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化ランタン(LaF3)、サファイア(Al23)、結晶水晶(SiO2)から成るグループから選択されてもよい。光学要素の上記構造の有利な効果は、第1のレンズ構成要素942aを比較的薄く作成することができ、また前記要素の影響(具体的には、一軸性複屈折又は固有複屈折ならびに吸収)による光学系の光学性能の低下を小さく維持できることである。
図11と図12の像側最終レンズ942の実施形態では、第1のレンズ構成要素942aは、(100)−スピネルから作成され、第2のレンズ構成要素942bは、融解石英(SiO2)から作成される。図11と図12の特定の例では、レンズ942は、次の表6のパラメータによって示される。
Figure 2009508170
更に、図12の構成は、第1のレンズ構成要素942aの光入射面と第2のレンズ構成要素942bの光出射面を密接させることによって実現されることが好ましい。代替として、第1のレンズ構成要素942aの光入射面と第2のレンズ構成要素942bの光出射面の間に、液浸液層又は小さなエアギャップが配置されてもよい。
前述の補正要素950を再び参照すると、補正要素は、図14a〜図14bに示したジョーンズ瞳(Jones-Pupil)を補償するために投影レンズ900内に使用され、ジョーンズ瞳は、スピネル−100−レンズを含むマイクロリソグラフィ投影レンズ用に決定されたものである。より具体的には、図14aは、リターデーション(nm)の絶対値の分布を示し、図14bは、リターデーションの速い軸の方向を示す。
図13a〜図13cはそれぞれ、図2aの一般的構造に従って配置された第1、第2、第3の光学要素の高さプロファイルを示す。示した実施形態では、光学要素951〜953はそれぞれフッ化マグネシウムで作成されている。これらの高さプロファイルは、最初に、第1、第2、第3の光学要素のそれぞれについて、望ましい補償効果を達成するために必要なリターデーション分布を決定し、次に対応する高さプロファイルを計算することによって決定される。一般に、所定の位置でΔψの所定のリターデーションを提供するには、(既に前に述べた)式(4)に示したように厚さdが必要である。
Figure 2009508170
図14に示したジョーンズ瞳の概略形状に関して、図14aに示したリターデーションの分布は、例示的な実施形態で補償されるスピネル−[100]−レンズの特性のように4回対称性を有する。更に、前記第1、第2、第3の光学要素のそれぞれに、高さプロファイルは、2つの軸を有するミラー対称性を有し、かつ角度90°の回転を有する符号変化を有することが分かる。
本発明の更に他の態様によれば、図1〜図12に関して前に概説したような光学要素グループを使用して、一般に、第1の(例えば、円又は直線)偏光分布を第2の(例えば、接線)偏光分布に変換することができる。このため、例えば図2dの一般的な構成を参照することができ、この構成は、即ち、すべての複屈折要素211〜213の光学結晶軸が光学系軸に対して垂直であり、且つ第2の要素の光学結晶軸ca−2が、光学系軸OAのまわりに、第1と第2の光学要素の光学結晶軸ca−1とca−3に対して45°だけ回転されている。この場合も、3つの要素はすべて光学的一軸性材料で作成され、例えばフッ化マグネシウム(MgF2)で作成される。
そのようなグループの3つの複屈折要素が、図15aに示したリターデーションプロファイルを有する場合は、この要素グループを使用して回転偏光分布を接線偏光分布に変換することができる。図15aと図15bでは、曲線「T1」は、第1の要素201のアジマス角αの関数のリターデーションプロファイルを示し、曲線「T2」は、第2の要素202のリターデーションプロファイルを示し、曲線「T3」は、第3の要素203のリターデーションプロファイルを示す。それぞれのリターデーションプロファイルは、半径方向に一定でもよい。要素グループの3つの要素が、図15bに示したリターデーションプロファイルを示す場合は、この要素グループを使用して、直線偏光分布を接線偏光分布に変換することができる。
好ましい実施形態の以上の説明は例として示した。しかしながら、当業者は、本発明とその利点を理解するだけでなく、その適切な修正を見出すであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲とその均等物に定義されているような本発明の精神と範囲内にあるすべての変更と修正を対象として含むように意図される。
Figure 2009508170
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本発明の例示的実施形態によるマイクロリソグラフィ投影レンズの子午線断面図である。 本発明の実施形態による3つの各要素の光学要素グループの基本構造を概略的に示す側面図である。 本発明の実施形態による3つの各要素の光学要素グループの基本構造を概略的に示す側面図である。 本発明の実施形態による3つの各要素の光学要素グループの基本構造を概略的に示す平面図である。 本発明の実施形態による3つの各要素の光学要素グループの基本構造を概略的に示す平面図である。 図2a〜図2dの実施形態による要素グループの特定の複屈折要素の高さプロファイル(マイクロメートル、μm)を示す図である。 図2a〜図2dの実施形態による要素グループの特定の複屈折要素の高さプロファイル(マイクロメートル、μm)を示す図である。 図2a〜図2dの実施形態による要素グループの特定の複屈折要素の高さプロファイル(マイクロメートル、μm)を示す図である。 本発明による光学要素グループのない場合の図1の投影レンズのリターデーションを示す図である。 本発明による光学要素グループがある場合の図1の投影レンズのリターデーションを示す図である。 図2aによる光学要素グループの更に他の実施形態の基本構造を3つの要素のそれぞれについて概略的に示す上面図である。 図2aによる光学要素グループの更に他の実施形態の基本構造を3つの要素のそれぞれについて概略的に示す上面図である。 図2aによる光学要素グループの更に他の実施形態の基本構造を3つの要素のそれぞれについて概略的に示す上面図である。 図2aによる光学要素グループの更に他の実施形態の基本構造を3つの要素のそれぞれについて概略的に示す上面図である。 図2aによる光学要素グループの更に他の実施形態の基本構造を3つの要素のそれぞれについて概略的に示す上面図である。 図2aによる光学要素グループの更に他の実施形態の基本構造を3つの要素のそれぞれについて概略的に示す上面図である。 本発明の更に他の例示的な実施形態によるマイクロリソグラフィ投影レンズの子午線断面図である。 本発明の更に他の実施形態による光学要素グループの基本構造を示す図である。 本発明の更に他の実施形態による光学要素グループの基本構造を示す図である。 本発明の更に他の実施形態による光学要素グループの基本構造を示す図である。 本発明の更に他の実施形態による光学要素グループの基本構造を示す図である。 本発明の更に他の実施形態による光学要素グループの基本構造を示す図である。 本発明の更に他の実施形態による光学要素グループの基本構造を示す図である。 本発明の実施形態による図7と図8による光学グループ内の複屈折要素の高さプロファイルを示す図である。 本発明の実施形態による図7と図8による光学グループ内の複屈折要素の高さプロファイルを示す図である。 本発明の実施形態による図7と図8による光学グループ内の複屈折要素の高さプロファイルを示す図である。 図7〜図9による要素グループを有する投影レンズのそれぞれのリターデーション瞳マップを示す図である。 本発明の更に他の例示的な実施形態によるマイクロリソグラフィ投影レンズの子午線断面図である。 図11のマイクロリソグラフィ投影レンズの詳細図である。 図14a〜図14bのジョーンズ瞳を部分的に補償するために使用される本発明による要素グループの光学要素の高さプロファイル(マイクロメートル、μm)を示す図である。 図14a〜図14bのジョーンズ瞳を部分的に補償するために使用される本発明による要素グループの光学要素の高さプロファイル(マイクロメートル、μm)を示す図である。 図14a〜図14bのジョーンズ瞳を部分的に補償するために使用される本発明による要素グループの光学要素の高さプロファイル(マイクロメートル、μm)を示す図である。 スピネル−100−レンズを含むマイクロリソグラフィ投影レンズのジョーンズ瞳を例として示す図であり、リターデーション(nm)の絶対値の分布を示す。 スピネル−100−レンズを含むマイクロリソグラフィ投影レンズのジョーンズ瞳を例として示す図であり、速い軸の方向を示す。 回転偏光分布を接線偏光分布にアジマス角の関数として変換するために本発明に従って使用される要素グループ内の3つの光学要素のそれぞれのリターデーションプロファイルを示す図である。 直線偏光分布を接線偏光分布にアジマス角の関数として変換するために本発明に従って使用される要素グループ内の3つの光学要素のそれぞれのリターデーションプロファイルを示す図である。

Claims (15)

  1. 光学系軸(OA)と、3つの複屈折要素から成る少なくとも1つの要素グループ(200)とを有し、ここで、
    ・前記グループの第1の複屈折要素(211、221、511、521、531、541、551、561)の光学結晶軸(ca−1)が第1の向きを有し、
    ・前記グループの第2の複屈折要素(212、222、512、522、532、542、552、562)の光学結晶軸(ca−2)が第2の向きを有し、前記第2の向きは、前記第1の向き(ca−1)の回転から出てくるように記述することができ、前記回転は、光学系軸(OA)のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致せず、
    ・前記グループの第3の複屈折要素(213、223、513、523、533、543、553、563)の光学結晶軸(ca−3)は第3の向きを有し、前記第3の向きは、前記第2の向きの回転から出てくるように記述することができ、前記回転は、光学系軸(OA)のまわりの90°又はその整数倍の角度の回転に一致しない、光学系、特にマイクロリソグラフィ露光システムの照明系又は投影レンズであって、
    前記3つの複屈折要素の各々は、光学的一軸性材料から作成され、且つ非球面を有することを特徴とする光学系。
  2. 前記3つの複屈折要素のすべての光学結晶軸は、互いに異なる方向に向けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記第1の複屈折要素、第2の複屈折要素、第3の複屈折要素の前記光学結晶軸は、前記光学系軸と垂直か平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 前記グループの前記複屈折要素(521〜523、531〜533、541〜543、551〜553、561〜563)のうちの1つ又は2つは、前記光学系軸と実質的に垂直な光学結晶軸を有し、前記グループの他の複屈折要素は、前記光学系軸(OA)と実質的に平行な光学結晶軸を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学系。
  5. 前記要素グループの前記3つの複屈折要素(211〜213、511〜513、521〜523、531〜533、541〜543、551〜553、561〜563、651a、652a、653a)のうちの少なくとも2つ、より好ましくはすべての複屈折要素は、結合された要素に一体化されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学系。
  6. 光ビームの断面全体に偏光分布の乱れを引き起こす少なくとも1つの第4の光学要素(143、642、942)を含み、前記第1の非球面、第2の非球面、第3の非球面は、偏光分布の前記乱れが少なくとも部分的に補償されるように選択されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光学系。
  7. 前記第4の光学要素(143、642、942)は、(100)−立方晶系結晶レンズ又は(111)−立方晶系結晶レンズであることを特徴とする請求項6に記載の光学系。
  8. 前記第4の光学要素(143、642、942)は、スピネル、特にMgAl24とガーネット、特にLu3Al512とY3Al512から成るグループから選択される材料から作成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の光学系。
  9. 前記非球面の少なくとも1つは、前記光学系の少なくとも瞳平面の近くに配置されたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光学系。
  10. 前記瞳平面は、前記光学系の光伝搬方向に沿って第1の瞳平面であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光学系。
  11. 前記要素グループ又は結合された要素のうちの少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つをそれぞれ含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光学系。
  12. 前記結合された要素又は前記要素グループは、前記光学系の瞳平面に配置されたことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光学系。
  13. 前記結合された要素又は前記要素グループは、関係0.8<(D1/D2)<1.0を満たす位置に配置され、ここでD1は、前記位置における光束の径であり、D2は、前記位置における光学的に使用される全体の径であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光学系。
  14. 照明系と投影レンズを有し、前記照明系及び/又は前記投影レンズは、請求項1から13のいずれか1項に記載の光学系であることを特徴とするマイクロリソグラフィ投影露光装置。
  15. マスクに光を照射する段階と、前記マスクの像を前記基板上に投影する段階とを含む、基板をマイクロリソグラフィで構成する方法であって、マスクに光を照射する前記段階及び/又は前記マスクの像を前記基板上に投影する前記段階が、請求項1から13のいずれか1項に記載の光学系を使用することを特徴とする方法。
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