JP2009505864A - インクジェット記録用のインク受容層 - Google Patents

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Abstract

多孔質の親水性材料で押出被覆された支持体を含むインクジェット記録要素。当該組成物は、親水性の熱可塑性ポリマーおよびそれらのブレンドを含む。当該インクジェット記録要素の製造方法及び当該インクジェット記録要素への印刷方法も開示する。

Description

本発明は、押出シート材料を使用して作製された親水性のインク受容層を支持体上に含むインクジェット記録要素に関する。前記押出シート材料は、ボイド化剤を使用して形成されたボイドを含む1又は2種以上の親水性ポリマーを含む。本発明にかかるインクジェット記録要素の製造方法及び本発明にかかるインクジェット記録要素への印刷方法も開示する。
典型的なインクジェット記録システム又はインクジェット印刷システムでは、インク液滴をノズルから高速で記録要素又は記録媒体に向けて射出することにより、媒体上に画像を生成させる。インク液滴又は記録液は、一般的に、記録剤、例えば色素又は顔料、及び多量の溶剤を含む。溶剤又はキャリヤ液は、典型的には、水、有機材料、例えば一価アルコール、多価アルコール、又はこれらの混合物から構成される。
インクジェット記録要素は、典型的には、少なくとも1つの表面上に1又は2つ以上のインク受理層又は画像形成層を有する支持体を含み、そして、インクジェット記録要素には、不透明支持体を有する反射により見るように意図された要素、及び透明支持体を有する透過光によって見るように意図された要素が含まれる。
かかるインクジェット記録要素上で高品質画像を達成して維持するには、インクジェット記録要素は、インクが付着した領域において、バンディング、ブリード、凝集又はクラッキングを示さないべきであり;多量のインク(キャリヤ液を含む)を吸収して急速に乾燥することによりブロッキングを防止する能力を示すべきであり;印刷領域において高い光学濃度を示すべきであり;光沢差を示さないべきであり;水との接触、日光、タングステン灯もしくは蛍光灯による輻射線から生じる退色、又はガス状汚染物への暴露による退色が生じないように高いレベルの画像堅牢性を示すべきであり;また、デラミネーションが起こらないように優れた接着強さを示すべきである。
ほとんど瞬間的なインク乾燥時間と良好な画質とを同時に提供するインクジェット記録要素が望ましい。しかしながら、記録要素が収容する必要のあるインク組成物及びインク容積が広い範囲にわたることを考えると、インクジェット記録媒体のこれらの要件を同時に達成するのは難しい。
インクジェット記録要素は、広範なカテゴリーに分類され、多孔質媒体及び非多孔質もしくは膨潤性の媒体がある。従来技術の典型的な膨潤性のインクジェット記録要素は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール及び/又はポリウレタンを含むトップコートインク受容層を含む。かかるトップコート層は、典型的には、乾燥によりその後除去される溶剤を使用してベース層の表面に適用され、また、インク受容特性を備えるように特別に処方される。
そのため、基材上に水溶性ポリマーを適用する現在の方法は、コーティング溶液を形成するためにキャリヤ液中の水溶性ポリマー及び他の添加剤を溶解させることを伴う。好適なキャリヤ液は、有機溶剤及び/又は水を含むことがある。コーティング溶液は、次に、ローラーコーティング、ワイヤバーコーティング、浸漬コーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、スライドコーティング、ブレードコーティング、ドクターコーティング及びグラビアコーティングなどの多くのコーティング法により基材に適用される。場合によって、コーティング溶液は、スロットダイを使用して溶液として押出すことができる。
かかる従来のコーティング法を使用した場合の主な欠点は、コーティングを基材に適用した後にコーティングから水又は溶剤を除去するために積極的な乾燥プロセスが必要とされることである。典型的には、これらの乾燥プロセスは、熱オーブンを使用するが、かかるオーブン内で簡便に乾燥できる基材の選択は限られている。多くの基材は、適切な耐熱性を有しない。これらの乾燥プロセスは、また、インクジェット媒体の生産者に競争価格上の欠点をもたらし得る。例えば、媒体生産ラインの速度は、コーティングの遅い乾燥速度によって制限される。多数の乾燥工程を必要とする多数のコーティングが媒体に適用される場合には、価格の問題の度合いが増す。
生産上の制約に加えて、従来のコーティング法により生産される媒体は、耐久性を欠くことが知られており、また、ほとんどのトップコート配合物が水溶性成分を含むために、水分に対して感受性であり、そのため、印刷後は、保護オーバーラミネート層などを使用することが望ましい。さらに、トップ配合物中の活性成分のレベルは、コーターで扱うことのできるトップコート配合物の粘度によって制限されることがある。その結果、トップコートの性能は、層厚の増加により通常増すが、層厚の増加はコストの増大とコート質量の不一貫性をもたらし、この不一貫性は、最終製品の性能に悪影響を及ぼすことがあるので、望ましくない。
溶剤コーティングとは対照的に、ホットメルトコーティング法は高速プロセスである。押出コーティング法は、包装産業で従来使用されている。かかるコーティングプロセスでは、有機溶剤又は水をほとんど又は全く含まないホットメルト押出可能な組成物が基材上に押し出される。ポリオレフィン類及びエチレンコポリマーなどの様々な熱可塑性ポリマーを使用することによって、押出コーティングは、包装製品その他の工業製品に強度、水蒸気バリヤー、酸素バリヤー、気体透過性、耐摩耗性、難燃性、可撓性、及び弾性を付与することができる。
インクジェット記録要素を製造するための従来のコーティング法の上記の悪影響を避けるために、インク受容層の溶融押出が検討された。しかしながら、非多孔質又は膨潤性のインク受容層の場合には、高分子量ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、天然ポリマー及びガムなどの多くの水溶性ポリマーが、ホットメルト押出可能な組成物を形成するのに好適ではない。なぜなら、これらの材料は、それらの融点で減成し、分解する傾向があるからである。親水性熱可塑性ポリマーは、溶融押出で通常使用される高い温度で分解する傾向がある。親水性材料も、押出コートするのが困難である。なぜなら、親水性材料は不十分な溶融強度(melt strength)を有するからである。従って、インク受容層の溶融押出の使用は、これまで限界があった。
Steinbeckらによる米国特許第6,726,981号明細書は、ポリアミドセグメント及びポリエーテルセグメントを有するポリエーテルアミドブロックコポリマーなどのポリエーテル基含有熱可塑性ポリマーを含む押出ポリマー層を有するインクジェット印刷用の記録材料に関する。上記コポリマーと混合されるものとして、ポリオレフィン、エチレンコポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び/又は押出ポリビニルアルコールホモポリマー及びコポリマーなどのさらなる熱可塑性ポリマーが記載されている。ここで、熱可塑性ポリマーは、ポリマー混合物を基準として1〜50質量%の量で存在することができる。インクジェット記録要素は、水溶液又は水性分散体として適用されるインク吸収層をさらに有することができる。
Guらの米国特許第6,403,202号明細書には、ベース原紙上に押し出された押出可能なポリビニルアルコール含有層と、水性分散体又は水溶液として適用されたインク受容層とを有するインクジェット印刷用の記録材料が開示されている。この特許明細書には、他のポリマー(量を特定せず)を任意選択的に添加することが開示されている。他のポリマーのリストには、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド及びポリエステルアミドが含まれる。
Venkatasanthanamらの米国特許第6,623,841号明細書には、水溶性ポリマーと実質的に水に不溶性のポリマー(各ポリマーの量は20〜80質量%)との溶融加工可能なブレンドから形成されたインク受容層が開示されている。好ましい水溶性ポリマーには、ポリビニルアルコール及びポリアルキルオキサゾリンが含まれる。上記ブレンドの実質的に水に不溶性のポリマー成分は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、及びこれらの混合物から選ばれる。特に好ましいアルコール/脂肪族ポリエステルブレンドは、各ポリマーが20〜80質量%を構成するものである。特に好ましいアルコール/ポリエステルブレンドは、約60質量%の脂肪族ポリエステルと約40質量%のポリビニルアルコールを含む。
Xingらの米国特許第6,793,860号明細書には、ホットメルト押出可能なインク受容性組成物を使用してインクジェット記録媒体を製造する方法が開示されている。当該溶融押出可能な組成物は、溶融押出可能なポリビニルアルコール組成物に加えて、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、エチレンと酢酸ビニルの加水分解コポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー又はエチレン/メタクリル酸コポリマーを含む。
上記の特許は、押出ボイド化画像受容層に関するものではない。しかしながら、支持体の片面又は両面に適切なインク受容層として機能する押出多孔質層を使用するインクジェット記録要素も公知である。例えば、Laneyらによる米国特許第6,379,780号明細書、第6,489,008号明細書、及びCampbellらによる米国特許第6,409,334号明細書には、ベース・ポリエステル層とインク浸透性上側ポリエステル層とを含むインク浸透性ポリエステル基材を含んで成り、上側ポリエステル層が、約10秒未満の乾燥時間及び少なくとも14cc/m2の総吸収能力をもたらすインク吸収速度を有する連続ポリエステル相を含み、基体はその上に、相互に連通するボイドを有する多孔質画像受容層を有するインクジェット記録要素が開示されている。
Matsumotoらによる米国特許第5,443,780号明細書には、ポリ乳酸の延伸フィルムの使用及びこのフィルムの製造方法が開示されている。Moritaらによる米国特許第5,405,887号明細書には、平均粒子サイズ0.3〜4μmの微粉末状充填剤をポリ乳酸系樹脂に添加することを含むプロセスによって形成された通気性のある加水分解可能な多孔質フィルムが開示されている。かかるフィルムは、サニタリー材料及びパッケージング材料の漏れ防止フィルムの材料として有用であると記載されている。従って、かかる材料は、性質上、開放孔型ではない。
本願と同じ譲受人に譲渡されたLaneyらの米国特許出願第10/722,886号明細書には、ポリ乳酸系材料である連続相を含むインク浸透性ミクロボイド化層を含むインクジェット記録要素が開示されている。
本願と同じ譲受人に譲渡されたCampbellらの米国特許出願第10/742,164号明細書には、ポリエステルアイオノマーを含むインク浸透性ミクロボイド化基材層上に当該基材層に隣接して多孔質インク受容層を含むインクジェット記録要素が開示されている。前記基材は、固形分の5〜70質量%の中性ポリエステルと、固形分の5〜40質量%のポリエステルアイオノマーと、固形分の25〜65質量%のボイド化剤(voiding agent)とを含み、前記ミクロボイド化基材層及び多孔質インク受容性ミクロボイド化層は両方とも相互に連通するボイドを有する。この発明に好ましい一実施態様において、インク浸透性ポリエステルミクロボイド化基材層はスルホン化ポリエステルを含み、連続相を構成するインク浸透性ミクロボイド化層はポリ乳酸系材料である。
Sebastionらの米国特許第6,790,491号明細書には、少なくとも1種の半結晶性ポリマー成分と、少なくとも1種のインク吸収性ポリマー成分と少なくとも1種の無機充填剤との不混和性ブレンドを含んで成る溶融加工され二軸延伸された画像受容フィルムが開示されている。しかしながら、このインクジェット記録要素は、溶剤系インク用に作られたものであり、本発明と使用されるように意図された水性インク用に作られたものではない。
本発明の1つの目的は、インク乾燥時間が短いインクジェット記録要素を提供することである。本発明の別の目的は、支持体としてより堅牢な材料を備えたインクジェット記録要素を提供することである。
インクジェット記録要素を得るための画像受容層の押出しは、経済的な製造方法であるが、一般的なコーティング法と比較して、インクジェット記録において使用するのに望ましい特性の画像受容層を達成するのは困難である。当該技術分野では多くの未解決の課題があり、また、公知の製品には多くの欠点があり、それらの産業上の有用性をかなり制限している。画像記録要素の設計における主な課題は、ピクチャ寿命の向上をもたらすことであり、このピクチャ寿命の向上をもたらすのに重要な成分は光退色に対して抵抗性である。
インクジェットプリンターからの水系インクにより高品質の多色画像を形成することができるインクジェット記録媒体を製造するための新規な方法を得ることが望ましいであろう。本発明は、かかる方法及びそれにより得られる媒体を提供する。本発明の1つの目的は、優れた画質及び改善されたピクチャ寿命を有する多層インクジェット記録要素を提供することである。瞬時乾燥媒体においてオゾン退色を減少させることが望ましいであろう。
これら及び他の目的は、支持体上に少なくとも1つの膨潤可能な多孔質の画像受容層を含むインクジェット記録要素であって、前記多孔質の画像受容層が、連続相に少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを含み、さらに、前記多孔質の画像受容層は、無機及び/又は有機のボイド誘発粒子(void initiating particles)を含む相互に連通するボイド(連続気泡ボイドとも知られている)を含むインクジェット記録要素により達成される。このインクジェット記録要素は、親水性ポリマーの層を押出し、次に延伸することにより形成される。親水性ポリマーの層は、必要に応じて、ボイド化されていてもボイド化されていなくてもよいベース層と共に共押出される。
好ましい一実施態様において、インク受容層中の親水性の熱可塑性ポリマーは、50℃を超えるTg を有し、好ましくは50℃〜65℃のTg を有する。画像受容層中の少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーは、合計で、画像受容層中のポリマーの質量を基準として少なくとも30質量%の量で存在する。
得られた画像を、オゾン退色について試験すると、市販の開放気孔/瞬時乾燥性インクジェット媒体よりもかなり優れていることが判った。
本明細書で使用する場合に、「インク受容層」又は「インク受容性層」(「親水性吸収層」ともいう)という語句は、水系インクジェットインクを受容又は吸収することができる層を意味するものとする。すなわち、この層は、良好な吸水性を有するべきであり、急速に乾燥するものであるべきである。インクジェット記録要素は、支持体上に幾つかのインク受容層を含むことができる。インク受容層は、その主な機能として、キャリヤ液又はインク着色剤を吸収することを特に意図されたものであることができる。本明細書で使用する場合に、「画像受容層」という語句は、インクを適用し乾燥させた後に主たる量の画像インクを通常含むインク受容層か、又は、2つ以上の画像受容層が存在し、さらなる画像受容層が上側画像受容層に隣接して当該上側画像受容層の下に存在する場合でも、少なくとも、媒体中の画像インクの殆どの量が画像受容層に存在するインク受容層を意味するものとする。この理由から、画像受容層は、必要に応じて、インク用の媒染剤を含んでもよく、当該画像受容層上にある任意選択的に使用される層と比較して比較的厚い。画像受容層を2つ以上の層に分割して、これらの層が全体として上記に主な量の画像インクを含むようにすることが可能である。本明細書で使用する場合に、「ベース層」という語句は、インクを適用した後にかなりの量のキャリヤ液を吸収することを意図された、画像受容層下方にある1又は複数の層を意味するものとする。
本発明の別の態様は、インクジェット記録要素の製造方法に関し、この態様についても開示する。インクジェット記録要素のかかる製造方法は、
(a)少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、無機及び/又は有機のボイド誘発粒子を含む溶融体に無機粒子をブレンドし;
(b)押出しにより前記溶融体から成る層を含むシートを形成し;
(c)前記シートを二軸延伸して前記無機又は有機粒子の周りに相互に連通するミクロボイドを形成させて、少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、無機及び/又は有機のボイド誘発粒子を含む相互に連通するボイドを含む画像受容層を形成し;
(d)支持体上に前記二軸延伸されたシートを適用すること、
を含む。
好ましい実施態様において、画像受容層は、75℃未満の温度で延伸される。本発明は、上記の押出可能なインク受容性組成物とベース層を共押出し、そして、基材上に適用する前に二軸延伸して多層を形成する方法も含む。
本発明には、幾つかの利点があるが、これらの利点の全てが1つの態様に含まれるわけではない。上記のように、インクジェット記録要素用の画像受容層の押出は、経済的な方法であるが、一般的なコーティング法と比較して、インクジェット記録に使用するのに望ましい特性の画像受容層を達成するのは困難である。本発明は、押出により製造された他のインクジェット画像受容層と比較して改善されたインクジェット記録特性を達成することができる。
本発明の別の実施態様において、インク受容層と支持体の間のベース層は、ポリエステル材料、好ましくはポリ乳酸系材料を含む。本発明のインクジェット記録要素は、短い乾燥時間と、良好なオゾン退色性能と、高い画像濃度と、ロバスト生産性を提供する。
本発明のさらに別の態様は、A)デジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを用意する工程;B)インクジェットプリンターに上記インクジェット記録要素を装填する工程;C)インクジェットプリンターにインクジェットインクを装填する工程;及び、D)デジタルデータ信号に対応して、インクジェットインクを使用してインクジェット記録要素に印刷する工程を含むインクジェット印刷方法に関する。
本明細書において使用する場合に、インクジェット媒体中の層について、「上方(over)」、「上(above)」、「下(under)」などの語句は、支持体上の層の順序を指すが、必ずしも、当該層がじかに接していること、あるいは中間層が存在しないことを指しているわけではない。
「インク浸透性」という語句は、インク記録剤及び/又は記録剤用のキャリヤが、使用中にミクロボイド化層中に効果的に輸送されることがことを意味するものとする。
上記のように、本発明のインクジェット記録要素は、画像受容層として、親水性の剛性熱可塑性ポリマーを含む押出された膨潤可能な連続気泡吸収層を含む。
好ましくは、少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーは、本来的に、25℃で24時間で30質量%を超える量の水を吸収することができる。
本発明の画像受容層は、印刷インク中に通常存在する水及び保湿剤の両方と記録剤(典型的には染料系着色剤)を有効に吸収するべきである。上に存在するさらなるインク受容層(オーバーコート)又は下に存在するさらなるインク受容層(内部層又はベース層)は必要に応じて使用される。インクのインク着色剤又は画像形成部分は、記録要素内で勾配を生じることがあり、1層よりも多くの画像受容層中で少なくともある程度存在し得る。
上記のように、1又は2以上の画像受容層は、着色剤の殆ど、好ましくは典型的なインクジェット染料系組成物を使用して適用された着色剤の50質量%超を受容し収容することが意図されたインク受容層である。
画像受容層中の親水性の熱可塑性ポリマーは、50℃を越えるTg を好ましくは有し、より好ましくは50℃〜65℃のTg を有する。画像受容層中の少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーは、当該画像受容層中のポリマーの少なくとも30質量%、好ましくは40質量%超から100質量%までの総量で存在する。画像記録要素のボイド化の体積百分率は、好ましくは50〜75、より好ましくは60〜70である。
本発明に係る画像受容層に好ましい親水性の熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリエステルアイオノマー、ポリエーテル−ポリアミドコポリマー、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルオキサゾリン、例えばポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)、ポリビニルメチルオキサゾリン、ポリビニルメチルオキサゾリン、ポリエーテル、ポリメタクリル酸、n−ビニルアミド、熱可塑性ウレタン、ポリエーテル−ポリアミドコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、並びにポリビニルアルコール誘導体及びコポリマー、例えばポリエチレンオキシドとポリビニルアルコールのコポリマー(PEO−PVP)及びポリ(エチレンビニルアルコール)とポリビニルアルコールのコポリマーなどの様々な熱可塑性ポリマーのうちの1種又は2種以上を含むことができる。誘導体化ポリビニルアルコールとしては、少なくとも1個のヒドロキシル基がエーテル又はエステル基により置き換えられたポリマーが挙げられ(ただし、それらに限定されない)、かかるポリマーは本発明において使用でき、例えば、アセトアセチル化ポリ(ビニルアルコール)である。ポリビニルアルコールの別のコポリマーは、例えば、酸基がコモノマー中に存在するカルボキシル化PVAである。1種よりも多くのポリマーが層中に存在してもよい。
溶融押出可能なポリビニルアルコール組成物は、溶融押出可能でないポリビニルアルコール組成物よりも結晶性の程度が低い。本発明に従って使用できるポリビニルアルコールは、押出可能であるか又は可塑剤などの適切な添加剤の添加により押出可能なものにされた全てのポリビニルアルコールである。
好ましいポリビニルアルコール及びそれらのコポリマーは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%で、好ましくは90%未満の加水分解度を有する。かかるポリビニルアルコール及びコポリマーの市販されている実施態様としては、Kuraray Chemical(日本)製のEXCEVAL EVOH−co−PVOH、A.Schulman(オハイオ州アクロン(Akron))から様々なグレードで入手可能なAQUASOL、及びHarlow Chemical Company, Ltd.(英国エッセクス州ハーロウ(Harlow))から入手可能なALCOTEX 864が挙げられる。溶融押出可能なポリビニルアルコール組成物は当該技術分野で周知であり、Familiらの米国特許第5,369,168号明細書、Robesonらの米国特許第5,349,000号明細書、Familiらの米国特許第5,206,278号明細書、及びMartenらの米国特許第5,051,222号明細書に記載されている。溶融押出可能なポリビニルアルコール組成物は、75〜100質量%加水分解されており、好ましくは85〜99質量%加水分解されており、200〜2500の範囲内の重合度(DPn)を有する。
好適なPVAコポリマーは、例えば、200〜2500の重合度を有する。本発明に従って使用されるポリビニルアルコールのメルトフローインデックス(MFI)は、例えば10〜50g/10分、好ましくは20〜30g/10分であることができる。
PVA誘導体及びコポリマーとしては、化学的に変性されたポリビニルアルコール及びポリビニルアルコールコポリマーが挙げられる。例えば、94〜98モル%のビニルアルコールと2〜6モル%の共重合モノマー、例えばメチルメタクリレートなどを含む溶融押出可能なポリビニルアルコールコポリマーを使用できる。例えば、1〜30質量%の多価アルコール可塑剤、例えばグリセロール又はポリエチレングリコールなどと、無機酸、例えばリン酸などと、0.05〜1.0質量%の分散剤、例えばグリセロールモノオレエートなどを含む溶融押出可能な化学的に変性されたポリビニルアルコール組成物を使用できる。
本発明の好ましい実施態様において、親水性の熱可塑性ポリマーは、ポリエーテルアミドブロックコポリマーを含む。ここで、反復コポリマーセグメントの各セグメント中に2〜20個のポリエーテル基を有するブロックコポリマーは、特に良好な結果をもたらす。
本発明に係るポリエーテルアミドブロックコポリマーは、例えば、一般式:
Figure 2009505864
(式中、PAはポリアミドセグメントであり、PEはポリエーテルセグメントである)
により表わされるものである。個々のセグメントは、互いにカルボキシル基により接続されていることができる。ポリエーテルセグメントは、2〜30個、好ましくは5〜20個の官能性エーテル基を有することができる。本発明のさらに好ましい実施態様において、ポリエーテル基含有コポリマーはポリエーテルエステルコポリマーである。ポリエーテルとポリアミドの好ましいコポリマーはPEBAX(現在Arkemaグループとして知られているAtofina(米国)から市販)である。
本発明において使用するのに特に好ましい親水性の熱可塑性ポリマーは、ポリエーテル−ポリアミドコポリマー、例えばPEBAX、又はPVOH−EVOHコポリマー、例えばEXCEVALなどを含む。別の好ましい実施態様において、画像受容層中の親水性の熱可塑性ポリマーは、質量比40:60〜60:40の、イオン性で親水性の熱可塑性ポリマーと非イオン性で親水性の熱可塑性ポリマーのブレンドである。より具体的には、イオン性で親水性の熱可塑性ポリマーは、ポリエスエルアイオノマーであることができる。
本発明において使用される「アイオノマー」又は「ポリエステルアイオノマー」は、少なくとも1つのイオン性の部分を含み、このイオン性の部分は、イオン性基、官能基又はラジカルと呼ぶこともできる。本発明の好ましい一実施態様において、イオン性基を含む反復単位は、反復単位の総モル数を基準にして1〜12モル%の量でポリエステルアイオノマー中に存在する。かかるイオン性部分は、イオン性ジオール反復単位及び/又はイオン性ジカルボン酸反復単位によりもたらされることができるが、後者の方が好ましい。かかるイオン性基はアニオン性である。代表的なアニオン性イオン性基としては、カルボン酸、スルホン酸、ジスルホニルイミノ及びそれらの塩、その他当業者に知られているものが挙げられる。スルホン酸イオン性基又はそれらの塩が好ましい。
ポリエステルアイオノマーの1つのタイプのイオン性酸モノマー単位は、下記構造:
Figure 2009505864
(式中、Mは、H、Na、K又はNH4 である)
を有する。
イオン性ジカルボン酸反復単位は、例えば5−ソジオスルホベンゼン−1,3−ジカルボン酸(5−ナトリウムスルホイソフタル酸)、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、又はエステル形成性の誘導体、5−ソジオスルホシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、5−(4−ソジオスルホフェノキシ)ベンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−(4−ソジオスルホフェノキシ)シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、それらの類似の化合物及び機能的透過物、並びに英国特許第1,470,059号明細書(1977年4月14日公開)に記載されているものから誘導できる。本発明において使用するのに好適な他のポリエステルアイオノマーは、米国特許第4,903,039号明細書及び米国特許第4,903、040号明細書に記載されている。
金属スルホネート基を有する別のタイプの芳香族ジカルボン酸を以下に示す:
Figure 2009505864
[式中、Xは、
Figure 2009505864
を表わし;R及びR’はそれぞれ−(CH2n −(式中、nは1〜20の整数である)を表わす。];及びこれらのナトリウム原子の各々が別の金属(例えばカリウム及びリチウム)により置き換えられた化合物。
本発明の実施にあたって有用であることが見出された別のタイプのイオン性ジカルボン酸は、下記式により表わされる単位を有する:
Figure 2009505864
[式中、m及びnの各々は0又は1であり、mとnの和は1であり、各Xはカルボニルであり、Qは、式:
Figure 2009505864
により表わされ、Q’は、式:
Figure 2009505864
により表わされ、Yは二価の芳香族基、例えばアリーレン(例えばフェニレン、ナフタレン、キシリレンなど)又はアリーリジン(例えばフェネニル、ナフチリジンなど)などであり、Zは一価の芳香族基、例えばアリール、アラルキルもしくはアルカリーレン(例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなど)、又は炭素原子数1〜12のアルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−ペンチル、ネオペンチル、2−クロロヘキシルなど、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキルであり、Mは可溶化カチオン、好ましくは一価のカチオン、例えばアルカリ金属又はアンモニウムカチオンなどである。]
かかるイオン性反復単位が誘導される代表的なジカルボン酸及びこのタイプの機能的透過物は、
3,3’−[(ソジオイミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
3,3’−[(ポタシオイミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
3,3’−[(リチオイミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
4,4’−[(リチオイミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
4,4’−[(ソジオイミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
4,4’−[(ポタシオイミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
3,4’−[(リチオイミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
3,4’−[(ソジオイミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
5−[4−クロロナフト−1−イルスルホニル(ソジオイミノ)スルホニル]イソフタル酸;
4,4’−[(ポタシオイミノ)ジスルホニル]ジナフト酸;
5−[p−トリルスルホニル(ポタシオイミノ)スルホニル]イソフタル酸;
4−[p−(トリルスルホニル(ソジオイミノ)スルホニル)]−1,5−ナフタレンジカルボン酸;
5−[n−ヘキシルスルホニル(リチオイミノ)スルホニル]イソフタル酸;
2−[フェニルスルホニル(ポタシオイミノ)スルホニル]テレフタル酸;及び
これらの機能的等価物である。
好ましいイオン性反復単位を形成するのに有用なこれら及び他のジカルボン酸は米国特許第3,546,180号明細書(1970年12月8日にCaldwellらに付与)に記載されている。
このタイプの好ましいモノマー単位は、下記の構造:
Figure 2009505864
(式中、Mは先に定義したとおりである)
を有する。
例えば、米国特許第5,534,478号明細書(第3欄中の最後の構造)に示されているように、同一反復単位中の異なるイオン性基の組み合わせを存在させることも可能である。
本発明において使用可能な実質的にアモルファスなポリエステルアイオノマーの1つの好ましい部類は、第1のジカルボン酸と、芳香族核を含み、当該芳香族核にスルホン酸基が結合している第2のジカルボン酸と、脂肪族ジオール化合物と、脂肪族環状脂肪族ジオール化合物とのポリマー反応生成物を含む。第2のジカルボン酸は、第1のジカルボン酸と第2のジカルボン酸の総モル数の2〜25モル%を構成する。第2のジオールは、第1のジオールと第2のジオールの総モル数の0〜50モル%を構成する。
第1のジカルボン酸又はその無水物、ジエステルもしくは二酸ハロゲン化物である機能的等価物は、式:−CO−R1 −CO−(式中、R1 は飽和又は不飽和の2価炭化水素、芳香族又は脂肪族基であるか、あるいは芳香族基と脂肪族基の両方を含む)により表わすことができる。かかる酸の例としては、イソフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、1,1,3−トリメチル−3−4−(4−カルボキシフェニル)−5−インダンカルボン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。第1の酸も、R1 がシクロヘキシル単位であるか又は2〜12個の反復単位である脂肪族二酸、例えばコハク酸、アジピン酸、グルタル酸などであってもよい。第1のジカルボン酸は、好ましくは芳香族酸であるか、又はその機能的等価物であり、最も好ましくはイソフタル酸である。
第2のジカルボン酸は、先に記載したようなスルホン酸基又はその金属塩もしくはアンモニウム塩であるイオン性部分を含む水分散性芳香族酸であることができる。例としては、スルホテレフタル酸、スルホナフタレンジカルボン酸、スルホフタル酸、スルホイソフタル酸及び5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸のナトリウム、リチウム、カリウム又はアンモニウム塩、あるいは、これらの機能的に等価な酸無水物、ジエステル又は二酸ハロゲン化物が挙げられる。最も好ましくは、第2のジカルボン酸は、5−スルホイソフタル酸の可溶性塩又は5−スルホイソフタル酸ジメチルを含む。本発明に従って使用されるポリエステルアイオノマーのイオン性ジカルボン酸反復単位は、ジカルボン酸の総モル数の1〜25モル%、好ましくは10〜25モル%を構成する。
ジカルボン酸反復単位は、ジカルボン酸又はその機能的等価物と縮合することのできる2官能性化合物から誘導された反復単位によって、ポリエステル中で連結されている。好適なジオールは、式:HO−R2 −OH(式中、R2 は、脂肪族、脂環式、又はアラルキルである)により表わされる。有用なジオール化合物の例としては、以下のもの:エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、4,4’−イソプロピリデン−ビスフェノキシジエタノール、4,4’−インダニリデン−ビスフェノキシジエタノール、4,4’−フルオレニリデン−ビスフェノキシジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2’−ジメチル−1,3−プロパンジオール、p−キシリレンジオール、及び一般構造H(OCH2CH2n−OH又はH(CH2nOH(式中、nは2〜10である)により表わされるグリコールが挙げられる。ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタンジオール、及びこれらの混合物が特に好ましい。
本発明において使用されるポリエステルアイオノマーは、80℃以下、好ましくは25℃〜70℃のガラス転移温度(Tg )を有する。Tg 値は、N.F.Mott及びE.A.Davis,Electronic Processes in Non−Crystalline Material,Oxford University Press, Belfast, 1971の第192頁に記載されているように、示差走査熱量測定法又は示差熱分析法などの方法により求めることができる。本発明において使用するのに好ましいポリエステルアイオノマーとしては、テネシー州キングスポート(Kingsport)所在のEastman Chemical Companyにより製造されたEASTMAN AQポリマーとして既に知られているEASTEKポリマーが挙げられる。画像受容層に好ましいポリエステルアイオノマー材料に関し、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)から誘導されたモノマー単位を、「CHDM反復単位」又は「CHDMコモノマー単位」とも呼ぶ。
本発明のアイオノマーポリマーは、有機補助溶剤、界面活性剤又はアミン類の助けなしに水中に直接分散する比較的高分子量(好ましくは10,000を超える、より好ましくは14,000を超えるMn)の実質的にアモルファスなポリエステルである。先に示したように、この水分散性は、ポリマー中にイオン性置換基、例えばスルホン酸部分又はその塩、例えばソジオスルホ部分(SO3Na)が存在することに主に起因する。これらのポリマーの特性は、それらのウェブサイトで見つけることができ、1990年5月付けのEastman Chemical Companyの刊行物番号GN−389Bに記載されている。特に好ましいものは、ポリ[1,4−シクロヘキシレンジメチレン−co−2,2’−オキシジエチレン(46/54)イソフタレート−co−5−ソジオスルホ−1,3−ベンゼンジカルボキシレート(82/18)](Eastek(登録商標)1100として入手、以前は、Eastman Chemical Co.からEASTMAN AQ55ポリマー(Tg 55℃)として販売されていた)である。
上記EASTEKポリマーなどの市販されている塩の形態のポリエステルアイオノマーが、本発明において有効であることが示された。
理論に束縛されるわけではないが、画像受容層におけるポリエステルアイオノマーの存在は、その構造に係るボイド化孔の濡れ性又は親水性をより高め、それにより、より速くインク液を吸収する傾向をもたらし、乾燥時間を改善すると考えられる。画像受容層におけるポリエステルアイオノマーの存在は、オゾン退色性能も改善する。最良の結果を得るには、ポリエステルアイオノマーを、当該層の溶融体に、5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%、最適には15〜20質量%で混合すべきである。
特に好ましい実施態様において、親水性の熱可塑性ポリマーは、ポリエステルアイオノマー、例えばAQ55などと、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、例えばPEBAX 1657との親水性ブレンドから選択される。この親水性ブレンドは、様々なレベルの有機ボイド化剤、例えば架橋PMMA(ポリメチルメタクリレート)ビーズ又は無機ボイド化剤、例えばBaSO4 などと配合することができる。
画像受容層の層厚みは10〜200μm、好ましくは20〜80μmである。
画像受容層中のボイドは、その製造中に必要量のボイド誘発剤を使用することにより得ることができる。かかるボイド誘発剤は、上記のような無機充填剤であるか、又は重合性有機材料であることができる。インク多孔性(ink porous)であるが滑らかな表面の最良の形成のために、ボイド誘発剤の粒子サイズは、好ましくは0.1〜15μmの範囲内にあり、より好ましくは0.3〜5μmの範囲内にある。ボイド誘発剤は、押出及びミクロボイド化に先立って、画像受容層の供給原料(feed stock)において、30〜50体積%の量で使用できる。
有機マイクロビーズ及び無機物もボイド誘発剤として使用できる。マイクロビーズの典型的な高分子有機材料としては、ポリスチレン、ポリアミド、フルオロポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリカーボネート、又はポリオレフィンなどが挙げられる。ボイド化剤粒子は、好ましくは無機物であり、0.1〜15μm、より好ましくは0.3〜2.0μmの平均粒子サイズを有し、マイクロボイド化層の総質量の45〜75質量%、好ましくは50〜70質量%を構成する。別の実施態様において、ボイド誘発剤粒子は、有機物であり、0.3〜2μmの平均粒子サイズを有し、マイクロボイド化層の総質量の35〜55質量%を構成する。
無機粒子は、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、及びこれらの組み合わせから成る群から選択することができる。
上記組成物が押し出される一実施態様において、画像受容層の組成物は、150℃、好ましくは200℃で熱的に安定である。好ましくは、主たる親水性ポリマー(質量%で主要量)は、単独で、又はブレンドの場合で、150℃、好ましくは200℃、より好ましくは250℃で熱的に安定である。
ボイド誘発剤は、各種の公知のポリマー溶融混合方法のいずれか1つを使用して、親水性ポリマー、又は複数種のポリマーのブレンドと混合される。典型的には、二軸スクリュー押出機が使用される。典型的には、親水性ポリマー、又は複数種のポリマーのブレンドは、二軸スクリュー押出機の一次供給口に供給され、ボイド誘発剤は、別の供給口に供給されるが、全ての材料を最初の供給口に交互に供給することができる。混合スクリューは、ボイド誘発剤の均一混合を達成するけれども使用されるポリマーの特性を実質的に変化させないようなRPMレベルで回転させる。
親水性の熱可塑性ポリマーの押出特性を向上させる添加剤は、例えば可塑剤である。ポリビニルアルコールの調製中にポリマーマトリクスに可塑剤を含めても、あるいは、単に二軸スクリュー押出機その他の混合プロセスで可塑剤を加えて、可塑剤を親水性の熱可塑性ポリマーと混合してもよい。親水性の熱可塑性ポリマーと相溶性である好適な可塑剤は、例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びマンニトールなどの多価アルコールである。可塑剤、又は数種の可塑剤を含む可塑剤混合物は、ポリマーと添加剤との混合物の1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%を構成する。
押出は、二軸延伸フィルム製造業界における当業者に知られている方法により行われる。押出機は、例えばスクリュー押出機である。本発明の好ましい実施態様に従うと、押出機内の温度又は押出機の異なるセクションにおける温度は140〜250℃、特に180〜220℃である。
本発明に係る画像受容押出層のキャストされた延伸前の層の厚さは、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは100〜400μmである。好ましい実施態様において、キャストされたシートは、典型的には、まず縦方向において70〜75℃で2〜5倍の倍率で延伸され、次に横方向で70〜75℃で2〜5倍の倍率で延伸される。押出された画像層の最終的な延伸厚さは、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜80μmである。任意選択的に使用されるベース層の場合には、ベース層の最終的な延伸層厚さは、10〜200μm、より好ましくは25〜50μmである。
本発明の画像受容層についてさらに述べると、高い相対湿度での耐汚染性を向上させるために、画像受容層に媒染剤を添加することができ、あるいは、媒染剤を内部の親水性の吸収層に添加することができる。慣用的に使用されている媒染剤としては、典型的には陽イオン性モノマー(媒染剤部分)の反応生成物を含むポリマーである「陽イオン性ポリマー媒染剤」が挙げられる。前記陽イオン性モノマーは、遊離アミン、プロトン化遊離アミン、及び第4級アンモニウム、並びに他の陽イオン性基、例えばホスホニウムを含む。しかしながら、押出層においては、無機媒染剤は熱的に安定であるために、無機媒染剤が好ましい。最も好ましくは、画像受容層において使用されるボイド誘発粒子は、無機媒染剤として機能することもでき、すなわち、正の電荷を帯びた表面を有する。かかる2つの機能を有する粒子の一例はヒュームドアルミナである。
使用される媒染剤の量、特に画像受容層において使用される媒染剤の量は、記録要素上に印刷される画像が十分に高い濃度を有するのに十分な量であるべきである。本発明の好ましい実施態様において、媒染剤、好ましくは正の電荷を帯びた表面を有する媒染剤が、乾燥したコーティングの総質量を基準にして、5〜30質量%固形分、好ましくは10〜20質量%の量で、画像受容層において使用される。
上記のとおり、本発明において使用される溶融押出可能な組成物は、各種の粒状物(すなわち、顔料)及び他の添加剤を含んでもよい。ある媒体から隣接する媒体へのインクの移行がこれらの媒体の画像形成中に起こるのを防止するために、粒状物を使用してブロッキング防止性を媒体に付与することができる。さらなる添加剤は、白色顔料、カラー顔料、充填剤、特に吸収性充填剤及び顔料、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩又は硫酸塩、例えば、ケイ酸、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミナ、プソイドベーマイトなどである。色定着剤、分散剤、軟化剤及び蛍光増白剤などのさらなる添加剤をポリマー層中に含めることができる。二酸化チタンを白色顔料として使用することができる。さらなる充填剤及び顔料は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ウルトラマリン、コバルトブルー、及びコバルトブラック、又はこれらの物質の混合物である。充填剤及び/又は顔料は、0〜40質量%、特に1〜20質量%の量で使用される。これらの量は、ポリマー層の質量を基準として量である。
無機及び有機粒状物のさらなる例としては、酸化亜鉛、酸化錫、シリカ−マグネシア、ベントナイト、ヘクトライト、ポリ(メチルメタクリレート)、及びポリテトラフルオロエチレンである。記録材料の光沢を損なわないように、インク吸収層中に使用される顔料は、0.01〜1.0μm、特に0.02〜0.5μmの粒子サイズを有する微細な無機顔料である。しかしながら、0.1〜0.3μmの粒子サイズが特に好ましい。0.3μm未満の平均粒子サイズを有するケイ酸及び酸化アルミニウムが特に適している。しかしながら、ケイ酸と酸化アルミニウムとの平均粒子サイズが0.3μm未満である混合物を使用することもできる。
高いプリンター搬送性、インクオフセットに対する抵抗性をもたらすため、あるいは、画像受容層の外観をサテンもしくは艶消し仕上げに変えるために、上記の層のいずれか又は全てに艶消し粒子を添加することができる。
典型的な添加剤としては、酸化防止剤、プロセス安定剤(process stabilizer)、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、着色剤、発泡剤、可塑剤、蛍光増白剤、フロー剤(flow agent)なども挙げられる。溶融押出可能な組成物が変色するのを防止するには、酸化防止剤が特に有効である。
不可欠とは限らないが、上記の親水性層が架橋剤を含んでもよい。かかる添加剤は、基材への層の接着を促進することができることに加え、当該層の凝集強さ及び耐水性に寄与することができる。架橋剤、例えばカルボジイミド類、多官能アジリジン類、メラミンホルムアルデヒド類、イソシアネート類、エポキシド類などを使用することができる。架橋剤が添加される場合には、過剰な量で使用されると、層の膨潤性を低下させ、印刷領域の乾燥速度を遅くするので、過剰な量で使用されないように注意を払わねばならない。
本発明のさらなる実施態様において、記録材料は、1又は2つ以上のさらなる層を有することができる。例えば、一実施態様において、画像受容押出層は、ベース層上に設けることができる。このさらなるベース層は、キャリヤ液吸収層の機能を有することができる。このベース層は、押出すことができる。当該ベース層は、単層又は多層の形態で適用することができる。当該ベース層は、親水性又は水溶性のバインダー、色素定着剤、染料、蛍光増白剤、硬化剤並びに無機及び/又は有機顔料を含むことができる。
本発明の好ましい実施態様において、インクジェット記録要素は、画像受容層と支持体との間に、ボイド化又は非ボイド化ポリエステルポリマーを含んでなる共押出ベース層をさらに含む。好ましくは、このポリエスエルのTg は75℃以下であり、より好ましくは55℃〜70℃である。好ましくは、画像受容層中の親水性の熱可塑性ポリマーは、ベース層中のポリエステルのTg から15℃以内のTg を有する。
好ましい実施態様において、ベース層中のポリエステルはポリ乳酸系材料であり、インクジェット画像受容層とベース層とのまとまりが、共押出され二軸延伸された複合材料から構成される。
また、慣用的なコーティングを使用して、さらなる画像受容層、例えばオーバーコート又はさらなるインク受容層を形成することができる。付加的な任意選択的に使用されるインク受容性非押出層に関し、本発明において使用されるコーティング組成物は、浸漬コーティング、巻線ロッドコーティング、ドクターブレードコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティングなどの周知の方法のいずれによっても適用できる。周知のコーティング法及び乾燥法は、Research Disclosure 第308119号、1989年12月発行、第1007〜1008頁にさらに詳細に記載されている。スライドコーティングが好ましく、スライドコーティングでは、ベース層とオーバーコートを同時に適用することができる。コーティング後、一般的に単なる蒸発により層を乾燥させるが、対流加熱などの周知の方法により乾燥を促進させることができる。
本発明の別の実施態様において、透明支持体材料と上記のインク受容性又は親水性吸収層との間に、光散乱粒子、例えばチタニアなどを含む充填剤含有層を配置することができる。かかる組み合わせは、表示用途用バックライト材料として有効に使用できる。バックライトディスプレイ用途に適する特性を備えたインク受容体をもたらすさらに別の実施態様は、支持体材料として、部分的にボイド化された又は充填剤入りのポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを選択することによりもたらされる。この実施態様において、支持体材料中のボイド又は充填剤は、画像の後方に位置する光源を散乱させるのに十分な光散乱をもたらす。
上記のように、本発明の好ましい実施態様において、本発明におけるインク記録要素は、ポリエステル、好ましくはポリ乳酸系材料を含んでなるベース層(本明細書では、ポリ乳酸含有層ともいう)を含む。当該ポリ乳酸系材料は、ポリ乳酸などのポリ乳酸系ポリマー、及び/又は相容性コモノマー、例えば1種又は2種以上のヒドロキシカルボン酸を含むコポリマーを含む。ヒドロキシカルボン酸の例としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、及びヒドロキシヘプタン酸が挙げられる。ポリ乳酸系材料は、85〜100質量%のポリ乳酸系ポリマー(又はPLA系ポリマー)を含む。PLA系ポリマーは好ましくは、85〜100モル%の乳酸単位(好ましくはL−乳酸から誘導された乳酸単位)と、任意選択的に、重合と適合性のある他のコモノマーを含む。好ましくは、PLA系ポリマーは、乳酸モノマーから誘導されたものであれラクチド二量体から誘導されたものであれ、少なくとも85モル%、より好ましくは少なくとも90モル%、最も好ましくは少なくとも95モル%の乳酸モノマー単位を含む。
本発明において使用される「PLA」とも呼ばれるポリ乳酸としては、乳酸のD−異性体単独又はL−異性体単独、あるいは、これらの混合物を本質的に基にするポリマーが挙げられる。好ましい実施態様において、PLAは、2−ヒドロキシラクテート(乳酸)又はラクチド単位を有する熱可塑性ポリエステルである。この単位の式は−[O−CH(CH3)−CO−]−である。当該モノマーのアルファ炭素は光学活性(L−配置)である。ポリ乳酸系ポリマーは、典型的には、D−ポリ乳酸、L−ポリ乳酸、D,L−ポリ乳酸、meso−ポリ乳酸、並びに、D−ポリ乳酸、L−ポリ乳酸、D,L−ポリ乳酸及びmeso−ポリ乳酸の任意の組み合わせから成る群から選択される。一実施態様において、ポリ乳酸系材料は、主にPLLA(ポリ−L−乳酸)を含む。一実施態様において、数平均分子量は、15,000〜1,000,000である。
種々の物理的特性及び機械的特性は、ラセミ含有量の変化とともに変動し、ラセミ含有量が増大するにつれて、例えば米国特許第6,469,133号明細書に記載されているように、PLAはアモルファスになる。一実施態様において、高分子材料は、比較的少ない量(5%未満)のラセミ形態のポリ乳酸を含む。PLAのラセミ形態含有量が5%を超えると、ラセミ形態のアモルファス性が、得られる材料の物理的及び/又は機械的特性を変化させることがある。
さらなるポリマーを、それらがポリ乳酸系ポリマーと相溶性である限り、ポリ乳酸系材料に添加することができる。一実施態様において、相溶性は、混和性(あるポリマーが、別のポリマーと、それらのポリマー間の相分離なしにブレンド可能であるものと定義される)であるので、ポリマーとポリ乳酸系ポリマーとが使用条件下で混和可能である。典型的には、ある程度の極性特性を有するポリマーを使用することができる。ポリ乳酸系材料とある程度混和可能である好適な高分子樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレングリコール、ポリグリコリド、エチレンビニルアセテート、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノアート(ポリエステル)、極性基、例えば無水マレイン酸及びその他で改質されたポリオレフィン、イオノマー、例えばSURLYN(登録商標)(DuPont Company)、エポキシ化天然ゴム及びその他のエポキシ化ポリマーが挙げられる。
本発明の1つの具体的な実施態様において、ポリ乳酸は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも96%のポリ(L−乳酸)と、少なくとも15%、好ましくは少なくとも4%のポリ(D−乳酸)との混合物を含む。これは、加工上の耐久性の観点から好ましい。
ポリ乳酸系材料に、種々の既知の添加剤、例えば酸化インヒビター又は静電防止剤を、本発明による利点を損なわない容積まで添加することができる。上記のように、ポリ乳酸含有層は、連続相中に最大15質量%のさらなるポリマー又は他のポリエステルのブレンドを含むことができる。任意選択的に、当業者によって理解されるように、重合のために連鎖延長剤を使用することができる。連鎖延長剤としては、例えば高級アルコール、例えばラウリルアルコール、及びヒドロキシ酸、例えば乳酸及びグリコール酸が挙げられる。
ポリ乳酸含有層は、1種又は2種以上の熱可塑性ポリ乳酸系ポリマー(各異性体又は異性体混合物を含んでなるポリマーを包含)から成るフィルム又はシートであって、二軸延伸(すなわち長手方向及び横方向の両方で延伸)されたものを構成することができる。キャスト、スピン、モールド又はその他の方法でフィルム又はシートに形成し、そして上記のように二軸延伸できる限り、任意の好適なポリ乳酸又はポリラクチドを使用できる。一般的に、ポリ乳酸は、示差走査熱量計(DSC)で測定した場合に、55〜65℃(好ましくは58〜64℃)のガラス転移温度を有する。
好適なポリ乳酸系ポリマーは、乳酸又はラクチドの重合によって調製することができ、好適なポリ乳酸系ポリマーは、少なくとも50質量%の乳酸残基反復単位(ラクチド残基反復単位を包含)、又はこれらの組み合わせを含む。これらの乳酸及びラクチドポリマーとしては、ホモポリマー及びコポリマー、例えば乳酸及び/又はラクチドのランダム及び/又はブロックコポリマーなどが挙げられる。乳酸残基反復モノマー単位は、L−乳酸、D−乳酸から、先ずL−ラクチド、D−ラクチド又はLD−ラクチドを、好ましくはL−乳酸異性体レベルを最大75%にして形成することにより得ることができる。市販されているポリ乳酸ポリマーの例としては、Chronopol Inc.(コロラド州ゴールデン)から入手可能な種々のポリ乳酸、又はECOPLAの商品名で販売されているポリラクチドが挙げられる。好適な市販のポリ乳酸のさらなる例としては、Cargill Dow製のNatureworks、Mitsui Chemical製のLACEA、又はBiomer製のL5000などが挙げられる。ポリ乳酸を使用する場合、半結晶質形態のポリ乳酸を得ることが望ましい。
ポリ乳酸は、従来から知られている方法、例えば乳酸の直接的な脱水縮合、又は触媒の存在下における乳酸の環状二量体(ラクチド)の開環重合によって合成することができる。しかしながら、ポリ乳酸の調製はこれらの方法に限定されるものではない。少量のグリセロールその他の多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸その他の脂肪族多塩基酸、又は多糖類その他の多価アルコールを添加することにより、共重合を上記方法において実施することもできる。さらに、連鎖延長剤、例えばジイソシアネートなどを添加することにより、ポリ乳酸の分子量を増加させることができる。ポリ乳酸系ポリマーを得るための組成物は、米国特許第5,405,887号明細書にも開示されている。
ポリ乳酸含有ベース層は、ボイド化されたものであっても、ボイド化されていないものであってもよい。相互に連通するマイクロボイドは、粒子の形態にあるボイド誘発剤に使用によりベース層に生成させることができる。延伸の際にボイドを生成するボイド誘発粒子のサイズは、平均粒子サイズが5nm〜15μm、通常は0.1〜10.0μm、大抵は0.3〜2.0μm、そして望ましくは0.5〜1.5μmであるべきである。平均粒子サイズは、SEDIGRAPH(商標)5100 Particle Size Analysis System(PsS,Limitedによる)によって測定した場合のサイズである。好ましいボイド誘発粒子は無機粒子であり、例えば硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫化亜鉛、二酸化チタン、シリカ、アルミナ及びこれらの混合物など(ただし、これらに限定されない)の無機粒子である。硫酸バリウム、硫化亜鉛又は二酸化チタンが特に好ましい。
さらに別の実施態様において、ベース層は、2つの層、すなわちポリ乳酸含有ミクロボイド化層と、このポリ乳酸含有ミクロボイド化層に隣接する第2のボイド化又は非ボイド化ポリ乳酸含有層とを含むことができる。これら2つの層は、共押出又は押出コーティングプロセスを使用して一体的に形成することができる。第2のボイド化層のポリ乳酸は、無機粒子ボイド化層について先に記載したポリ乳酸のいずれであってもよい。
この第2のボイド化層又はミクロボイド化層のボイドを、粒子によって形成するのではなく、マトリックスのポリ乳酸系材料と非相溶性のポリマーを微分散させて、フィルムを一軸又は二軸延伸することにより形成することができる。(粒子と非相溶性ポリマーとの混合物を得ることも望ましい。)フィルムを延伸すると、非相溶性ポリマーの各粒子の周りにボイドが形成される。形成された微細なボイドは、光を散乱するため、フィルムは白化し、高い反射率を得ることができる。非相容性ポリマーは、ポリ乳酸中に溶解しないポリマーである。かかる非相容性ポリマーの例としては、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロピレン、ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランスポリ−2,3−ジメチルブタジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリフルオロスチレン、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート及びポリクロロトリフルオロエチレンが挙げられる。これらのポリマーの中でも、ポリオレフィン類、例えばポリプロピレンが好適である。
さらに別の実施態様において、ポリ乳酸含有層の反対側の画像受容層を有しない側に紙がラミネートされる。この実施態様において、ポリ乳酸含有層は、紙が十分な剛性を提供するので、薄くてよい。
本発明の別の実施態様において、基材は、インク浸透性多孔質ポリエステル層とは反対側で、ポリ乳酸含有層に隣接する低浸透性層を含む。
本発明において使用される基材は、インクの迅速な吸収、並びに高い吸収能力を有し、このことは、迅速な印刷及び短い乾燥時間を可能にする。短い乾燥時間は有利である。なぜなら、印刷物はスマッジを生じにくくなり、また、インクが乾燥前に凝集しないためにより高い画質を有するからである。
好ましい実施態様において、1又は2以上のポリ乳酸含有層は、最適なインク吸収性及び特性をもたらすように調節されたボイド化レベル、厚さ、及び/又は平滑さを有する。ミクロボイド化ポリ乳酸含有層は、多数の処理工程及び多数のコート層を必要とせずに、インクジェット画像形成支持体に一般的に適用される印刷インクを有効に吸収するようにボイドを含むことができる。ポリ乳酸含有層は、媒体に剛性を与え、他の層に物理的保全性を与えることもできる。相互に連通する構造又は開放気孔構造を有するボイドを含有するインク浸透性のミクロボイド化ポリ乳酸含有層は、毛管作用を生じさせることによって、インク吸収速度を増加させる。
本発明において使用される押出層又は共押出層は、容易に入手可能なフィルム形成機、例えば従来のポリエステル材料に使用されるものなどによって、製造することができる。一段階形成プロセスは、低い生産コストをもたらす。
層組成物(layer composition)に無機粒子又は他のボイド誘発剤を添加する方法には特に制限がない。二軸スクリュー押出機を使用して押出プロセスで粒子を添加することができる。
本発明に係るフィルムの好ましい実施態様を製造する方法を以下で説明する、しかしながら、本発明に係るフィルムの好ましい実施態様を製造する方法は以下で説明する方法に特に限定されない。
無機粒子は、二軸スクリュー押出機内の層組成物に170〜220℃の温度で混合される。この混合物は、ストランドダイを通じて押し出され、水槽中又は冷却金属バンド上で冷却され、そしてペレット化される。ペレットは、次に、50℃で乾燥され、押出機「A」に供給される。
ダイから送られた溶融シートを、静電荷又は真空をかけながら、40℃〜60℃の温度を有するドラム上で冷却し固化させる。シートを、加熱チャンバを通過中に70℃〜80℃の温度で2〜5倍の延伸倍率で長手方向に延伸される。その後、フィルムの縁部をクリップによってクランプしながら、フィルムをテンター内に導入する。テンターにおいて、フィルムを温度70〜80℃の加熱雰囲気中で横方向に延伸する。長手方向及び横方向における延伸倍率は両方とも2〜5倍であるが、非延伸シートと二軸延伸フィルムとの面積比は好ましくは、7〜16倍である。この面積比が16倍を上回ると、フィルムの破断が生じやすくなる。その後、フィルムを均一かつ徐々に室温まで冷却し、そして巻き取る。上記延伸方法には、SIMULSTRETCHER機(Brucknerにより販売)におけるように長手方向及び横方向の両方で同時に延伸を生じさせるという変更態様がある。
下記のように、押出層中に無機粒子を含めることができる。これらの粒子は、層全体の45〜75質量%(好ましくは50〜70質量%)を構成することができる。
これらの無機粒子は、少なくとも部分的にボイドと隣接している。なぜなら、無機粒子は、親水性の熱可塑性ポリマーを含む連続な第1相中に分布するミクロボイドに埋め込められているからである。従って、無機粒子を含有するミクロボイドが、連続親水性第1相中に分散された第2相を構成する。ミクロボイドは、一般的に、ミクロボイド化層の50〜75(体積)%を占める。
ミクロボイドは任意の特定の形状、すなわち、円形、楕円形、凸面状、又はフィルム延伸プロセス並びに無機粒子の形状及びサイズを反映した任意の他の形状を有するものであることができる。ミクロボイドのサイズ及び最終的な物理的特性は、延伸の程度及びバランス、温度及び延伸速度、ポリ乳酸の結晶化特性、無機粒子のサイズ及び分布、並びに当業者に明らかな他の検討事項に依存する。一般的に、ミクロボイドは、無機粒子を含有する押出シートを従来の延伸法を使用して二軸延伸した場合に形成される。
従って、本発明に係るインクジェット記録要素を製造する方法の一実施態様は、
(a)少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、無機及び/又は有機のボイド誘発粒子を含む溶融体に無機粒子をブレンドし;
(b)押出しにより前記溶融体から成る層を含むシートを形成し;
(c)前記シートを二軸延伸して前記無機又は有機粒子の周りに相互に連通するミクロボイドを形成させて、少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、無機及び/又は有機のボイド誘発粒子を含む相互に連通するボイドを含む画像受容層を形成し;
(d)支持体上に前記二軸延伸されたシートを適用すること、
を含む。
一実施態様において、画像受容層は、単層として押出され、75℃の温度で延伸される。別の方法において、無機又は有機粒子を含有する画像受容層は、少なくとも1つの別の層とともに共押出され多層フィルムを形成する。この他の層は、画像受容層に隣接した又は画像受容層と一体になったボイド化又は非ボイド化ポリエステル材料を含む。好ましい一実施態様において、ポリエステルは、75℃未満のTg を有し、より具体的には、ポリ乳酸系材料である。この複合シートは、両方向で同時に延伸しても、又は最初に縦方向で、次に横方向で逐次延伸してもよい。
好ましくは、単層又は共押出複合フィルムは、80℃未満の温度で延伸され、より好ましくは75℃未満の温度で延伸される。
上記のように、本発明において使用できる多孔質の画像受容層は、相互に連通するボイドを含む。これらのボイドは、インクが基材中にかなりの程度浸透するための通路を提供するため、基材の乾燥時間に寄与する。非多孔質画像受容層、又は独立気泡を含む多孔質画像受容層は、基材の乾燥時間に寄与しない。
本発明において使用されるインクジェット記録要素のための支持体は、インクジェット受容体に通常使用される支持体、例えば樹脂コート紙、紙、ポリエステル、又はミクロ多孔質材料、例えば商品名TESLINとしてPPG Industries,Inc.,(ペンシルヴァニア州ピッツバーグ)によって販売されているポリエチレンポリマー含有材料、TYVEK合成紙(DuPont Corp)、及びOPPALYTEフィルム(Mobil Chemical Co.)、及び米国特許第5,244,861号明細書に挙げられたその他の複合フィルムのうちのいずれであってもよい。不透明支持体としては、普通紙、コート紙、合成紙、写真紙支持体、溶融押出コート紙、及びラミネート紙、例えば二軸延伸支持ラミネートが挙げられる。二軸延伸支持体ラミネートは米国特許第5,853,965号、第5,866,282号、第5,874,205号、第5,888,643号、第5,888,681号、第5,888,683号及び第5,888,714号の各明細書に記載されている。これらの二軸延伸支持体は、紙ベースと、紙ベースの片面又は両面にラミネートされた二軸延伸ポリオレフィンシート、典型的にはポリプロピレンとを含む。透明支持体としては、ガラス、セルロース誘導体、例えばセルロースエステル、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート;ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、及びこれらのコポリマー;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリスチレン;ポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリプロピレン;ポリスルホン;ポリアクリレート;ポリエーテルイミド;及びこれらの混合物が挙げられる。上記紙は、高級紙、例えば写真紙から低級紙、例えば新聞印刷用紙までの広範囲にわたる紙を包含する。好ましい実施態様において、ポリエチレン被覆紙又はポリ(エチレンテレフタレート)紙が使用される。
基本的には、いかなる原紙を支持体材料として使用できる。好ましくは、表面サイジングされた、カレンダー処理され若しくは処理されていない、又は高度にサイジングされた原紙が使用される。原紙をサイジングして酸性又は中性にすることができる。原紙は、高い寸法安定性を有するべきであり、また、カールを生じずにインク中に含まれる液体を吸収することができるものであるべきである。針葉樹セルロースとユーカリセルロースとのセルロース混合物からなる高い寸法安定性を有する紙製品が特に好適である。これに関連して、インクジェット記録材料として原紙を記載したドイツ国特許第196 02 793号明細書を引用する。この原紙は、紙産業界で慣用的に使用されているさらなる添加剤、及び、染料、蛍光増白剤又は脱泡剤などの添加剤を含むことができる。また、廃セルロース及び再生紙を使用できる。しかしながら、ポリオレフィン類、特にポリエチレンにより片面又は両面が被覆された紙を支持体材料として使用することもできる。
本発明において使用される支持体は、50μm〜500μm、好ましくは75〜300μmの厚さを有することができる。必要に応じて、酸化防止剤、静電防止剤、可塑剤その他の周知の添加剤を支持体に添加してもよい。
支持体に対するインク受容層の接着性を高めるため、又は、タイ層(tie layer)が存在しない場合には支持体に対するインク受容層の接着性を高めるために、次の層を適用する前に、支持体の表面をコロナ放電処理にかけることができる。支持体に対するインク記録層の接着性は、支持体上に下引き層又は接着剤をコーティングすることによって高めることもできる。下引き層において有用な材料の例としては、ハロゲン化フェノール類及び部分的に加水分解された塩化ビニル−co−酢酸ビニルポリマーが挙げられる。
機械取扱適性や記録要素のカールを改善するため、記録要素の摩擦や抵抗性を制御するためなどを目的として、任意選択的に、さらなるバッキング層又はコーティングを支持体の裏側(すなわち支持体の画像記録層がコートされた側の反対側)に適用してもよい。
典型的には、バッキング層は、バインダー及び充填剤を含む。典型的な充填剤としては、アモルファスシリカ及び結晶性シリカ、ポリ(メチルメタクリレート)、中空球状ポリスチレンビーズ、マイクロクリスタリンセルロース、酸化亜鉛、タルクなどが挙げられる。バッキング層に組み込まれる充填剤は、バインダー成分の質量に対して一般的に5質量%未満であり、充填剤材料の平均粒子サイズは5〜30μmである。バッキング層において使用される典型的なバインダーは、例えばポリアクリレート、ゼラチン、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体などのポリマーである。さらに、記録要素の静電気による障害を防止するために、バッキング層中に帯電防止剤を含めてもよい。特に好ましい帯電防止剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、オクチルスルホン酸カリウム塩、オリゴスチレンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルスルホン酸ナトリウム塩などの化合物である。帯電防止剤は、バインダー組成物中に、バインダーの質量を基準として0.1〜15質量%の量で添加することができる。必要に応じて、画像記録層は、裏側にコーティングが施されてもよい。
支持体にインク受容層をラミネートするために、本発明に従って、従来のホットメルトコーティング法を使用できる。かかる方法では、押出機のバレル内部でタイ層樹脂にまず熱及び圧力を加える。次に、溶融した樹脂を、押出機のスクリューにより、押出コーティングダイの狭いスリットに通させる。ダイスリットの出口で、溶融カーテンが出てくる。この溶融カーテンを、ダイから引き取って、2本の異方向に回転するロール、冷却ロール及び圧力ロールの間に送る。圧力ロール上でより速く移動する支持体基材と接触させながら、支持体基材上に熱い樹脂を所望の厚さに引き延ばす。
支持体とインク受容基材との間にタイ層樹脂が存在するように、インク受容層又は基材もニップに供給される。従って、2つの基材とタイ層とを、完全に接触し接着するように、冷却ロールと圧力ロールの間に通過させることができる。押出機のスクリュー速度とウェブライン速度の組み合わせがタイ層の厚さを決める。
共押出システムでは、2又は3基以上の押出機から異なる種類の溶融樹脂を1つの共押出フィードブロックにおいて組み合わせて多層タイ層構造体が形成される。この多層状「サンドウィッチ」は、次に、ダイに導入され、ダイの全幅にわたって流動する。共押出によると、基材を1回通過させて、多層タイ層を製造できる。
タイ層を得るためのホットメルト押出可能な組成物は、例えば、1又は2種以上の好適なポリマー、例えばポリオレフィン、ポリウレタン、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−メタクリル酸コポリマー、エチレン−アクリル酸−メタクリレートターポリマー、ナトリウム−エチレン−アクリル酸、亜鉛−エチレン−アクリル酸、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、並びにこれらのコポリマー及び混合物などを含むことができる。非ボイド化ポリオレフィン材料が好ましい。
任意選択的に使用してもよい防湿バリヤーコーティングは、溶融押出可能な組成物を使用して支持体上に押出される。防湿バリヤーコーティングを形成するのに好適なポリマーとしては、例えば、ポリオレフィンのホモポリマー及びコポリマー、例えばポリエチレン及びポリプロピレン;エチレン−アクリル酸コポリマー;エチレン−アクリレートコポリマー;並びにポリエステルが上げられる。防湿バリヤーコーティングは、添加剤及び粒子状物、例えば二酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、クレーなどをさらに含むことができる。典型的には、防湿バリヤー層の厚さは5μm(0.2ミル)〜100μm(4ミル)であり、より好ましくは15μm(0.6ミル)〜50μm(2ミル)の範囲内である。
本発明の記録材料は、印刷の際のインスタント乾燥性により特徴付けられる。本発明の記録材料は、高い耐ワイピング性を示すと同時に優れた色濃度及び優れたモトル値をもたらす。本発明に係る記録材料は、特に従来の開放気孔型のインスタントドライインクジェット媒体と比較して改善されたオゾン退色性を有する。理論に束縛されるわけではないが、画像受容層中の親水性材料中の開放気孔は、インクジェット印刷中にインクが適用された場合に、インク組成物中の水が親水性ポリマーを溶解させるために、少なくともある程度崩壊することがあると考えられる。開放気孔の崩壊は、親水性ポリマー層の膨潤にも起因するであろう。開放気孔の崩壊は、たんに改善された画像濃度をもたらすだけではなく、空気に対するオゾンバリヤーも提供すことができ、それによりオゾン退色は減少する。
本発明の別の側面は、A)デジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを用意し;B)インクジェットプリンターに上記インクジェット記録要素を装填し;C)インクジェットプリンターにインクジェットインクを装填し;D)デジタルデータ信号に対応して、インクジェットインクを使用してインクジェット記録要素に印刷することを含むインクジェット印刷方法に関する。
本発明の記録要素に画像を形成するために使用されるインクジェットインクは、当該技術分野でよく知られている。インクジェットプリントに使用されるインク組成物は、典型的には、溶剤又はキャリヤ液、染料又は顔料、保湿剤、有機溶剤、界面活性剤、増粘剤及び保存剤を含む液状組成物である。溶剤又はキャリヤ液は、水だけであってよく、あるいは、他の水混和性溶剤、例えば多価アルコールと混合された水であってもよい。有機材料、例えば多価アルコールが主要キャリヤ又は溶剤液体であるインクを使用することもできる。特に有用なのは、水と多価アルコールとの混合溶剤である。このような組成物中で使用される色素は、典型的には水溶性の直接色素又は酸性タイプの色素である。このような液状組成物は、例えば米国特許第4,381,946号;第4,239,543号及び第4,781,758号の各明細書を含む従来技術において幅広く記載されている。
以下の例により本発明をさらに説明する。
比較例1
2層ポリ乳酸(PLA)キャストフィルムを以下のように作製した。この作製に使用した材料は下記の通りである:
1)ベース層を得るため、PLA樹脂(Cargill−Dow製のNATURE WORKS 2002−D);
2)ボイド化させるべき層を得るため、PLA樹脂(Cargill−Dow製のNATUREWORKS 2002−D)35質量%と、平均粒子サイズ0.8μmの硫酸バリウム(Sachtleben製のBLANC FIXE XR−HN)65質量%とから成る配合物。
前記硫酸バリウムは、ペレット化用ダイに取り付けられた異方向回転二軸スクリュー押出機における混合により、PLA樹脂と配合した。次に、両方の樹脂を52℃で乾燥させ、そして2基の可塑化用スクリュー押出機によって共押出ダイマニホールドに供給することにより、二層溶融流(200℃)を生成させた。この二層溶融流を、ダイから出した後、冷却ロール上で急冷させた。上記押出機のスループットを調節することにより、キャストラミネートシートにおける層間の厚さ比を調節することが可能であった。この場合、2つの層間の厚さ比は1:1に調節し、両キャスト層の厚さは約450μmであった。次に、キャストシートを、75℃で、まずX方向(長手方向に対応)で3.3倍延伸し、次に、Y方向(横方向に対応)で3.3倍延伸した。延伸シートの最終的な厚さは約140μmであった。
実施例1
2層キャストフィルムを以下のように作製した。この作製に使用した材料は下記の通りである:
1)ベース層を得るため、PLA樹脂(Cargill−Dow製のNATUREWORKS 2002−D);
2)ボイド化させるべき層を得るため、2種の親水性ポリマーのブレンド32質量%と、平均粒子サイズ0.8μmの硫酸バリウム(Sachtleben製のBLANC FIXE XR−HN)68質量%とから成る配合物。
上記2種の親水性ポリマーは、ポリエーテルブロックアミド(ATOFINA製のPEBAX 1657)とジグリコール/CHDM/イソフタレート/SIPコポリマー(Eastman Chemical製のAQ 55S)であった。ここで、「SIP」は、ソジオスルホイソフタレートモノマーを意味し、「CHDM」は、先に定義したとおりである。これら2種のポリマーを、それぞれ35質量%及び65質量%の比率でブレンドした。
上記硫酸バリウムは、ペレット化用ダイに取り付けられた異方向回転二軸スクリュー押出機における混合により、上記ポリマーブレンドと配合した。次に、上記PLA樹脂と上記の配合した樹脂の両方を52℃で乾燥させ、そして2基の可塑化用スクリュー押出機によって共押出ダイマニホールドに供給することにより、二層溶融流(200℃)を生成させた。この二層溶融流を、ダイから出した後、冷却ロール上で急冷させた。上記押出機のスループットを調節することにより、キャストラミネートシートにおける層間の厚さ比を調節することが可能であった。この場合、2つの層間の厚さ比は1:1に調節し、両キャスト層の厚さは約450μmであった。次に、キャストシートを、75℃で、まずX方向(長手方向に対応)で3.3倍延伸し、次に、Y方向(横方向に対応)で3.3倍延伸した。延伸シートの最終的な厚さは約140μmであった。
実施例2
2層キャストフィルムを以下のように作製した。この作製に使用した材料は下記の通りである:
1)ベース層を得るため、PLA樹脂(Cargill−Dow製のNATUREWORKS 2002−D);
2)ボイド化させるべき層を得るため、2種の親水性ポリマーのブレンド32質量%と、平均粒子サイズ0.8μmの硫酸バリウム(Sachtleben製のBLANC FIXE XR−HN)68質量%とから成る配合物。
上記2種の親水性ポリマーは、ポリエーテルブロックアミド(ATOFINA製のPEBAX 1657)とジグリコール/CHDM/イソフタレート/SIPコポリマー(Eastman Chemical製のAQ 55S)であった。ここで、「SIP」は、ソジオスルホイソフタレートモノマーを意味し、実施例1の場合とは異なり、この例では、これら2種のポリマーを、それぞれ60質量%及び40質量%の比率でブレンドした。
上記硫酸バリウムは、ペレット化用ダイに取り付けられた異方向回転二軸スクリュー押出機における混合により、上記ポリマーブレンドと配合した。次に、上記PLA樹脂と上記の配合した樹脂の両方を52℃で乾燥させ、そして2基の可塑化用スクリュー押出機によって共押出ダイマニホールドに供給することにより、二層溶融流(200℃)を生成させた。この二層溶融流を、ダイから出した後、冷却ロール上で急冷させた。上記押出機のスループットを調節することにより、キャストラミネートシートにおける層間の厚さ比を調節することが可能であった。この場合、2つの層間の厚さ比は1:1に調節し、両キャスト層の厚さは約450μmであった。次に、キャストシートを、75℃で、まずX方向(長手方向に対応)で3.3倍延伸し、次に、Y方向(横方向に対応)で3.3倍延伸した。延伸シートの最終的な厚さは約140μmであった。
上記の最終的に得られた延伸フィルムの全てを印刷試験により評価して、乾燥時間、印刷濃度及びオゾン退色を求めた。
印刷
カートリッジブラック58(C6658AN)及びカートリッジトリカラー57(C6657AN)を備えたHP 5650デスクトッププリンターを使用して画像を印刷した。画像は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色及びブラック色の25%、50%、75%及び100%インク被覆率のブロックを含んでいた。これらのブロックのサイズは約1cm×1cmであった。さらに、乾燥時間の測定を行うために、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックを互いに隣接させて100%インク被覆率のブロックを含む画像を印刷した。これらのブロックのサイズは約1cm×1.5cmであった。
乾燥時間試験
プリンターからの排出直後に、印刷画像を平らな表面上に置いた。次に、上記4種の隣接するカラーブロックを人差し指で通常の圧力で1回擦った。人差し指は、ゴム指サックをかぶせた。擦った後、カラーブロックの全てが滲んだ場合に、乾燥時間を5と評定した。滲みが観察されなかった場合に、乾燥時間を1と評定した。中間の乾燥時間は、1と5の間で評定した。
画像濃度測定
印刷画像における100%インク被覆率ブロックの濃度を、X−RITE濃度計モデル820を使用して測定した。1.0又はそれを超える濃度は、ほとんどの画像形成用途に対して許容可能であると考えられる。
オゾン退色
シアン色、マゼンタ色、イエロー色及びブラック色の25%、50%、75%及び100%インク被覆率のブロックの濃度を全て求めた。濃度1.0が達成されるであろう補間又は外挿点を求めた。次に、試料を、温度25℃、オゾン5ppmのオゾンリッチ環境に暴露した。
24時間の暴露後、元の1.0の濃度と同じ点で、濃度を求めた。濃度の減少率(%)は、各色について、オゾン退色と同様に報告する。
下記表1に、上記の試験の結果を示す。全てのフィルムが瞬時の乾燥時間を有していた。ボイド化親水性ポリマーを含むフィルム(実施例1及び2)が、ボイド化学疎水性ポリマーを含む比較用フィルムと比べて、かなり高い印刷濃度及びかなり低いオゾン退色を示すことが判る。
Figure 2009505864

Claims (34)

  1. 支持体上に少なくとも1つの膨潤可能な多孔質の画像受容層を有して成るインクジェット記録要素であって、前記多孔質の画像受容層が、少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、前記多孔質の画像受容層が、無機及び/又は有機のボイド誘発粒子を含む相互に連通するボイドを含む、インクジェット記録要素。
  2. 前記画像記録要素のボイド化の体積百分率が50〜75である、請求項1に記載のインクジェット受容要素。
  3. 前記画像受容層の組成物が150℃で熱的に安定である、請求項1に記載のインクジェット記録要素。
  4. 前記少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーが50℃を超えるTg を有する、請求項1に記載のインクジェット記録要素。
  5. 前記少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーが50℃〜65℃のTg を有する、請求項1に記載のインクジェット記録要素。
  6. 前記少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーが、前記画像受容層中のポリマーの少なくとも30質量%の量で存在する、請求項1に記載のインクジェット記録要素。
  7. 前記インク受容層中の親水性の熱可塑性ポリマーが、ポリエステルアイオノマー、ポリエーテル−ポリアミドコポリマー、ポリビニルオキサゾリン、ポリビニルメチルオキサゾリン、ポリビニルメチルオキサゾリン、ポリエーテル、ポリメタクリル酸、n−ビニルアミド、熱可塑性ウレタン、ポリエーテル−ポリアミドコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、及びポリビニルアルコール、及び前記のものの誘導体及びコポリマー、並びにこれらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項1に記載のインクジェット記録要素。
  8. 前記インク受容層中の少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーが、40:60〜60:40の質量比のイオン性で親水性の熱可塑性ポリマーと非イオン性で親水性の熱可塑性ポリマーとのブレンドを含む、請求項1に記載のインクジェット記録要素。
  9. 前記イオン性で親水性の熱可塑性ポリマーがポリエステルアイオノマーである、請求項8に記載のインクジェット記録要素。
  10. 前記非イオン性で親水性の熱可塑性ポリマーがポリエーテル基含有熱可塑性コポリマーである、請求項9に記載のインクジェット記録要素。
  11. 前記ポリエーテル基含有熱可塑性コポリマーがポリエーテル−ポリアミドコポリマーである、請求項10に記載のインクジェット記録要素。
  12. 前記コポリマーが反復コポリマーセグメントを有し、当該セグメントの各々におけるポリエーテル基の数が2〜20である、請求項11に記載の記録要素。
  13. 前記ポリエステルアイオノマーがスルホン化ポリエステルである、請求項9に記載のインクジェット記録要素。
  14. 前記ポリエステルアイオノマーが、スルホン酸、スルホンイミド、およびこれらの相溶性の組み合わせから成る群から選ばれる、請求項9に記載のインクジェット記録要素。
  15. 前記ポリエステルアイオノマーが、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、これらのエステル形成性の誘導体、これらのナトリウムのそれぞれが別の金属に置き換えられた化合物、及びこれらの組み合わせから成る群から選ばれたスルホン酸置換芳香族ジカルボン酸から誘導されたモノマー単位を含む、請求項13に記載のインクジェット記録要素。
  16. 前記画像受容層が二軸延伸材料である、請求項1に記載の記録要素。
  17. 前記画像受容層と前記支持体の間にベース層をさらに含み、当該ベース層がボイド化又は非ボイド化ポリエステルを含む、請求項1に記載のインクジェット記録要素。
  18. 前記ポリエステルのTg が75℃以下である、請求項17に記載のインクジェット記録要素。
  19. 前記ポリエステルのTg が55〜70℃である、請求項18に記載のインクジェット記録要素。
  20. 前記ポリエステルがポリ乳酸系材料である、請求項19に記載のインクジェット記録要素。
  21. 前記画像受容層中の親水性の熱可塑性ポリマーが、前記ベース層中のポリエステルのTg から15℃以内であるTg を有する、請求項17に記載のインクジェット記録要素。
  22. 前記粒子が、無機物であり、かつ、0.3〜5μmの平均粒子サイズを有し、かつ、前記画像受容層の総質量の45〜75質量%を構成する、請求項1に記載の記録要素。
  23. 前記無機粒子が、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、及びこれらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項22に記載の記録要素。
  24. 支持体上に膨潤可能な多孔質の画像受容層を含んで成るインクジェット記録要素であって、前記画像受容層が、少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、無機又は有機のボイド誘発粒子を含む相互に連通するボイドを含む組成物を、溶融押出し、延伸して得られる生成物である、インクジェット記録要素。
  25. 支持体上に、
    (a)画像受容層と前記支持体の間にあるベース層であって、ボイド化又は非ボイド化ポリエステルポリマーを含むベース層;及び
    (b)少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、有機又は無機ボイド誘発剤を含む相互に連通するボイドを含む少なくとも1つの膨潤可能な多孔質の画像受容層;
    を順に含んで成るインクジェット記録要素。
  26. 前記画像受容層中の親水性の熱可塑性ポリマーが50℃〜65℃のTg を有し、前記ポリエステルポリマーのTg が75℃以下であり、前記画像受容層中の親水性の熱可塑性ポリマーが、前記ベースコート中のポリエステルのTg から15℃以内であるTg を有する、請求項25に記載のインクジェット記録要素。
  27. 浸透性のミクロボイド化層を含んで成るインクジェット記録要素の製造方法であって、
    (a)少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、無機及び/又は有機のボイド誘発粒子を含む溶融体に無機粒子をブレンドし;
    (b)押出しにより前記溶融体から成る層を含むシートを形成し;
    (c)前記シートを二軸延伸して前記無機又は有機粒子の周りに相互に連通するミクロボイドを形成させて、少なくとも1種の親水性の熱可塑性ポリマーを連続相に含み、さらに、無機及び/又は有機のボイド誘発粒子を含む相互に連通するボイドを含む画像受容層を形成し;
    (d)支持体上に前記二軸延伸されたシートを適用すること、
    を含む方法。
  28. 前記画像受容層が、75℃未満の温度で延伸される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記画像受容層が20〜80μmの厚さを有する、請求項27に記載の方法。
  30. 前記粒子が、0.1〜1.0マイクロメートルの範囲内の平均直径を有するものであり、前記画像受容層の総質量の45〜75質量%を構成する、請求項27に記載の方法。
  31. 無機又は有機粒子を含む前記画像受容層を、少なくとも1つの他の層と共押出して、多層フィルムが形成され、ここで、前記少なくとも1つの他の層は、ボイド化又は非ボイド化ポリエステル材料を含み、前記画像受容層に隣接するか又は前記画像受容層と一体になり、前記ポリエステル材料は75℃未満のTg を有する、請求項27に記載の方法。
  32. 前記ポリエステル材料が、ポリ乳酸系材料である、請求項31に記載の方法。
  33. 前記シートが両方向に同時に延伸されるか、又は前記シートがまず縦方向で延伸され、続いて横方向で延伸される、請求項27に記載の方法。
  34. A)デジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを用意し;
    B)前記インクジェットプリンターに請求項1に記載のインクジェット記録要素を装填し;
    C)前記インクジェットプリンターにインクジェットインクを装填し;
    D)前記デジタルデータ信号に対応して、前記インクジェットインクを使用して前記インクジェット記録要素に印刷すること;
    を含むインクジェット印刷方法。
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