JPH08267904A - インクジェット用記録シート - Google Patents

インクジェット用記録シート

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Publication number
JPH08267904A
JPH08267904A JP7070073A JP7007395A JPH08267904A JP H08267904 A JPH08267904 A JP H08267904A JP 7070073 A JP7070073 A JP 7070073A JP 7007395 A JP7007395 A JP 7007395A JP H08267904 A JPH08267904 A JP H08267904A
Authority
JP
Japan
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ink
group
recording sheet
copolymer
layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP7070073A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumitsu Suzaki
活光 須崎
Makoto Kato
真 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH08267904A publication Critical patent/JPH08267904A/ja
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単位面積あたりに付与されるインク量が多く
なるフルカラーインクジェット記録方式に用いられる被
記録媒体に関するものであり、耐水性に優れしかも写真
ライクな強光沢のインクジェット用記録シートを与え
る。 【構成】 不透明支持体上の少なくとも片面に4級アン
モニウム塩を有する共重合体を架橋して構成されるイン
ク定着層を設け、該インク定着層上に、一次粒子径が1
0〜100nmの有機溶媒分散のシリカゾルと非水溶性
バインダーから得られたインク通過層を設けたことを特
徴とするインクジェット用記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単位面積あたりに付与
されるインク量が多くなるフルカラーインクジェット記
録方式に用いられる被記録媒体に関するものであり、耐
水性に優れ、しかも非印字部のみならず印字部も写真ラ
イクな強光沢を有するインクジェット用記録シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は騒音の発生が
少なく、高速印字、多色印字が行なえる記録法であり、
最近ではインクジェットプリンターの性能が格段に進歩
し、価格的にもパーソナルユースで手の届く価格にな
り、フルカラー記録が低コストで容易に行える記録方法
として注目されている。しかし、フルカラー記録できる
プリンターに対して、それを受けとめる受像紙の方は一
般に用いられる非塗工紙、マット塗工紙、光沢塗工紙、
OHP用フィルム等が商品化されているが、写真印画紙
のように非常に強い光沢感がありかつ色鮮やかな発色を
示す受像体が未だに開発段階であるのが現状である。
【0003】前記したような光沢塗工紙は非塗工紙やマ
ット塗工紙に比べ、光沢感はあるものの、塗工層が粒子
径が200nmより大きな顔料粒子より形成されるた
め、少なからず可視光を乱反射するために、写真程の強
い光沢感を出すことができない。すなわち、写真のよう
な光沢感を出すには、塗工層はポリマー単独または粒子
径100nm以下の顔料を添加または塗工して形成し、
また、支持体としては樹脂被覆紙やプラスチックフィル
ム等平滑性が優れているものが用いられる。支持体とし
て樹脂被覆紙やプラスチックフィルムを使う場合、イン
クを吸収、拡散、保持できる紙等とは異なり、その支持
体上に何らかの塗工層(インク定着層)を設ける必要が
ある。この定着層には種々の特性が要求される。まず、
第一に打ち込まれたインク液滴を十分に吸収できるイン
ク吸収容量が必要となる。また、フルカラー印刷の場合
は通常3色ないしは4色の異なるインクが短時間の間に
重ね打ちされるため、そのドット間でのインクの混じり
合いが生じないようにインクの吸収速度が非常に重要に
なる。次に、インクのドット径をコントロールするため
にインクに対する濡れ性も重要で表面特性が問題とな
る。そのほかに要求される特性としては印字部及び非印
字部の非常に強光沢であり、染料の発色性、染料定着
性、印字濃度、耐水性、耐ブロッキング性、耐指紋性等
が挙げられる。
【0004】以上の様な特性を満足させるために種々の
方法がとられてきた。例えば平滑性の高いプラスチック
フィルム上に水溶性ポリマーやインクと親和性のあるポ
リマー層をもうけた受像体が知られている。しかし、イ
ンクによるポリマー層表面の溶け出しや、膨潤のため印
字部光沢の低下や耐水性がないなど種々の問題を抱えて
いる。また、特開平6−199034号、特開平6−2
62844号公報に記載の様に可視光の波長より短い一
次粒子径を持つコロイダルシリカやアルミナゾル等でイ
ンク受像層を形成することも知られている。しかし、す
ばやく打ち込まれてくる大量のインクを吸収、保持する
には非常に厚い受像層が必要であり、実際、混色のベタ
印字などインク量が多くなる部分では、吸収が遅く、ま
た吸収できても、高湿下で滲みが生じるなど問題があ
り、やはり超微粒子とは言え、粒子主体で構成されてい
るため、ゼラチンの様なポリマー皮膜の平滑性にはかな
わず、写真の光沢には遠く及ばないのが現状である。
【0005】以上の様に写真ライクな非常に光沢感の強
いインクジェット用記録シートは、従来のインクジェッ
ト用非塗工紙や塗工紙等と異なった特性が要求され、技
術的にも非常に難しい被記録材料である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はインキ吸収速
度およびインキ吸収容量が十分にあり、印字部及び非印
字部が非常に強光沢であり、染料の発色性、染料定着
性、印字濃度、耐水性が良好であり、耐ブロッキング
性、耐指紋性等の表面特性が非常に良好な写真ライクな
非常に光沢感の強いインクジェット用記録シートを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決する手段
としては、不透明支持体上の少なくとも片面に第4級ア
ンモニウム塩を有する共重合体を架橋して構成されるイ
ンク定着層を設け、該インク定着層上に、一次粒子径が
10〜100nmの有機溶媒分散のシリカゾルと非水溶
性バインダーを含有するインク通過層を設けたことを特
徴とするインクジェット用記録シートにより達成され
る。それぞれについて順次詳しく説明していく。
【0008】本発明においてインクを受像するのはポリ
マー受像層であるから、不透明支持体としては、種々の
ものが用いられる。基本的には市販のインクジェットプ
リンターに通紙できる柔軟性があり、水に不溶な不透明
支持体なら種々のものが使用できる。例えばサイズ度を
調整した非塗工紙や塗工紙、パルプ、合成樹脂素材から
作られたものの内、外観が紙に似ている合成紙、ガラス
繊維やセラミック繊維でできた無機繊維紙、不織布や着
色された樹脂シートなどが挙げられる。
【0009】本発明において用いられる支持体は、イン
クジェット用記録シートの表面に高い平滑性が求められ
るため、平滑性の高いものが好適である。その中でも、
写真用印画紙の質感を出すために樹脂被覆紙あるいは白
色のプラスチックフィルムが用いられる。この樹脂被覆
紙の原紙は、特に制限はなく、一般に用いられているよ
うな平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとし
ては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種も
しくは2種以上混合して用いられる。この原紙には、一
般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填
料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合さ
れる。更に、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、
帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていて
もよい。
【0010】また、原紙は抄造中または抄造後、カレン
ダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性
の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m
2が好ましい。
【0011】本発明において、樹脂被覆紙に主に用いら
れる樹脂はポリエチレン樹脂であり、その種類としては
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレンまたはこれらの混合物が使用できる。ここで言
う低密度ポリエチレンとは、密度が0.915〜0.9
30g/cm3のものであり、 通常高圧法で製造される
ものである。一方、高密度ポリエチレンとは密度が0.
950g/cm3以上のものであり、通常低圧法或いは
中圧法で製造されるものである。これらのポリエチレン
樹脂は各種の密度及びメルトフローレートを有するもの
を単独でまたはそれらの2種以上を混合して用いること
ができる。
【0012】本発明における樹脂被覆紙の樹脂層の構成
は単層、二層以上の多層のいずれであっても良い。この
場合にも、上記のポリエチレン樹脂を単独でまたは2種
以上混合して用いることができる。また、多層の各層を
互いに異なる組成とすることも同一とすることもでき
る。多層からなる樹脂層を形成する方法としては、共押
出コーティング法と逐次コーティング法のいずれを採用
しても良い。
【0013】本発明における樹脂被覆紙の被覆樹脂層の
厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの
厚みに、表面のみまたは表裏両面にコーティングされ
る。
【0014】本発明における樹脂被覆紙の樹脂中には、
酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白
色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド等の
脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネ
シウム等の脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076等の酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルー等
のブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファス
トバイオレット、マンガン紫等のマゼンタの顔料や染
料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜
組み合わせて加えることができる。
【0015】本発明において支持体として用いられる樹
脂被覆紙は走行する原紙上に、加熱溶融したポリエチレ
ン樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により
製造される。また、樹脂と原紙の接着を向上させるため
に、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処
理、火炎処理等の活性化処理を施すことが好ましい。支
持体のインク受像層が塗布される面(表面)は、その用
途に応じて光沢面、マット面等を有し、特に光沢面が好
ましく用いられる。必ずしも裏面に樹脂を被覆する必要
はないが、カール防止の点から樹脂被覆した方が好まし
い。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応
じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理等の活性処
理を施すことができる。
【0016】本発明における支持体には、帯電防止剤、
搬送性、カール防止剤等のために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて
添加せしめることができる。
【0017】次に平滑性の高いもう一つの支持体である
白色のプラスチックフィルムとしては以下の素材から成
るものが使用できる。例えばポリエステル、ポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテ
ル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリ−P−フェニレンスルフィド、ポ
リエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)ア
クリル酸エステル等から成るフィルムが好ましく、これ
らの共重合体やブレンド、さらには架橋したものを用い
ることができる。さらに好ましくは、ポリエステルが良
く、その中でもポリエチレンテレフタレート(以下PE
Tと呼ぶ)は平滑性、寸法安定性、耐熱性、強度、高剛
性、耐薬品性、耐湿耐水性等の点から優れており、非常
に好ましい。
【0018】本発明は上記のPETフィルムに白色顔
料、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシ
ウム等を練り込んだ白色PETフィルムを支持体として
用いる。また、PETフィルムを発泡し、白化させた発
泡PETフィルムを支持体として用いることもできる。
【0019】本発明におけるPETフィルムに使用され
る原料は熱可塑性ポリエステルであり、代表的にはテレ
フタル酸またはテレフタル酸ジメチルとジエチレングリ
コールとから、縮合重合されたPETである。また、酸
成分、グリコール成分を変更または組み合わせて重合す
ることによって、融点、ガラス転移温度など基本特性の
異なった、ポリエステル原料が得られ、PETフィルム
原料として用いることもできる。
【0020】一般に未延伸非晶性PETフィルムは耐熱
性に乏しく、ガラス転移温度付近の70度まで膨張し、
それ以上の温度で低温結晶化を生じ、体積収縮が起こ
る。本発明に用いるPETフィルムは逐次二軸延伸法等
により製造され、結晶化度40%以上、延伸比2.5倍
以上の延伸した、平滑性、寸法安定性、耐熱性、強度、
高剛性、耐薬品性、耐湿耐水性等の特性を有したPET
フィルムを用いるのが好ましい。
【0021】また、インクジェットプリンターのPET
フィルムの搬送性などを考慮して、シリカや酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム等の酸化物、も
しくは無機塩でポリエステルの重合工程、または成型工
程で、平均粒径0.1〜10μmの不活性粒子を0.0
1〜0.5%重量部含むPETをシート状にして、溶融
押出し、二軸方向に延伸し、熱処理して、粒子を0.1
〜2μmの粒子としてフィルム面上に分散させることに
より、滑り性を向上させたPETフィルム等を用いても
良い。
【0022】本発明では疎水性表面を持つ、樹脂被覆紙
やPETフィルム上に親水性ポリマーの受像層を設け
て、接着させる必要がある。しかるに、樹脂被覆紙やP
ETフィルム表面に何らの親水化処理が必要になってく
る。具体的には、樹脂被覆紙、PETフィルム表面をコ
ロナ放電処理やグロー放電処理、プラズマ放電処理等の
方法により親水化を行うことが好ましい。また、上記の
様な処理後にゼラチン等の親水性ポリマーによりアンカ
ー層を設けて、その上にポリマー受像層を形成しても良
い。
【0023】本発明は上記の樹脂被覆紙、白色のプラス
チックフィルムの少なくとも片面上に第4級アンモニウ
ム塩含有共重合体を含むインク定着層を設けてインクの
吸収および染料定着性の機能を持たせている。この第4
級アンモニウム塩含有共重合体は基本的には以下のよう
な構成になっており、染料吸収定着機能を持つ第4級ア
ンモニウム塩モノマー成分、インクをすばやく吸収する
モノマー成分、架橋剤で3次元架橋するための架橋点を
つくるモノマー成分の3成分から構成されている。更に
その他の特性、機能を付与するための第4、第5モノマ
ー成分を導入しても構わない。
【0024】まず第4級アンモニウム塩モノマー成分で
あるが、通常、インクジェットプリンターに使用される
インクは環境面、安全性等の点から水性インクが用いら
れており、それに使用される着色剤として水溶性染料が
一般的に用いられている。水溶性染料とは一般にスルホ
ン酸基やカルボン酸基を染料分子内に導入して水溶性を
付与させている酸性染料、分散染料である。第4級アン
モニウム塩はこれらのスルホン酸塩やカルボン酸塩と直
ちに結合し、染料を第4級アンモニウム塩含有共重合体
に定着させる。このような第4級アンモニウム塩が染料
定着作用を有していることは以前から周知であったが一
般に第4級アンモニウム塩は非常に水溶性が高く、空気
中の水分を吸収してべとつきやすくなる欠点があり、他
のモノマー成分との共重合によりその欠点を補うのが好
ましい。その染料定着性から第4級アンモニウム塩モノ
マー成分の共重合体全体に占める割合は5〜50%重量
部が好ましく、べたつき等を考慮すれば7〜30%重量
部が好適である。
【0025】本発明に用いられる第4級アンモニウム塩
モノマー成分としては前記一般式化1、化2、または化
3から選ばれるモノマーが好ましい。 一般式化1中、
1は水素またはメチル基を表し 、Qは酸素もしくはN
H基を表す。R2、R3、R4は炭素数1〜6のアルキル
基またはベンジル基、アリール基を表し 、同じであっ
ても異なっていてもよい。X-はハロゲンイオンまたは
スルホン酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、酢
酸アニオン、アルキルカルボン酸アニオンを表す。nは
2または3の整数を表す。一般式化2中、R5、R6、R
7は炭素数1〜6のアルキル基またはベンジル基、アリ
ール基を表し、同じであっても異なっていてもよい。X
-は化1中のX-と同じである。一般式化3中、R8
9、R10は炭素数1〜6のアルキル基またはベンジル
基、アリール基を表し、同じであっても異なっていても
よい。X-は化1中のX-と同じである。
【0026】本発明における第4級アンモニウム塩を持
つ一般式化1で示されるモノマーとして以下ものが挙げ
られる。例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドおよびN,N−ジエチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のメチルク
ロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチ
ルブロマイド、メチルアイオダイドあるいはエチルアイ
オダイドによる4級化物、または、それらのアニオンを
置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩
あるいはアルキルカルボン酸塩を挙げることができる。
この中で特に好ましい化合物としては、たとえば、トリ
メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニ
ウム クロライド、トリエチル−2−(メタクリロイル
オキシ)エチルアンモニウム クロライド、トリメチル
−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウム ク
ロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エ
チルアンモニウム クロライド、トリメチル−3−(メ
タクリロイルオキシ)プロピルアンモニウム クロライ
ド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピ
ルアンモニウム クロライド、トリメチル−2−(メタ
クリロイルアミノ)エチルアンモニウム クロライド、
トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアン
モニウム クロライド、トリメチル−2−(アクリロイ
ルアミノ)エチルアンモニウム クロライド、トリエチ
ル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウム
クロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミ
ノ)プロピルアンモニウム クロライド、トリエチル−
3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウム
クロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)
プロピルアンモニウム クロライド、トリエチル−3−
(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウム クロラ
イド、N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリ
ロイルオキシ)エチルアンモニウム クロライド、N,
N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキ
シ)エチルアンモニウム クロライド、N,N−ジメチ
ル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピル
アンモニウム クロライド、トリメチル−2−(メタク
リロイルオキシ)エチルアンモニウム ブロマイド、ト
リメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモ
ニウム ブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイ
ルオキシ)エチルアンモニウム スルホネート、トリメ
チル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウ
ム アセテートなどを挙げることができる。
【0027】一般式化2で示されるモノマーの好ましい
例としては、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニ
ウム クロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルア
ンモニウム クロライド、トリエチル−p−ビニルベン
ジルアンモニウム クロライド、トリエチル−m−ビニ
ルベンジルアンモニウム クロライド、N,N−ジメチ
ル−N−エチル−p−ビニルベンジルアンモニウム ク
ロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−p−ビニル
ベンジルアンモニウム クロライド、トリメチル−p−
ビニルベンジルアンモニウム ブロマイド、トリメチル
−m−ビニルベンジルアンモニウム ブロマイド、トリ
メチル−p−ビニルベンジルアンモニウム スルホネー
ト、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウム ス
ルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニ
ウム アセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルア
ンモニウム アセテートなどを挙げることができる。
【0028】一般式化3で示されるモノマーの好ましい
例としては、アリルトリメチルアンモニウム クロライ
ド、アリルトリエチルアンモニウム クロライド、アリ
ルトリメチルアンモニウム ブロマイド、アリルトリエ
チルアンモニウム ブロマイド、アリルジメチルベンジ
ルアンモニウム クロライド、アリルジエチルベンジル
アンモニウム クロライド、アリルジメチルベンジルア
ンモニウム ブロマイド、アリルジエチルベンジルアン
モニウム ブロマイド、ジアリルジメチルアンモニウム
スルホネート、ジアリルジメチルアンモニウム アセ
テートなどを挙げることができる。
【0029】次にインクをすばやく吸収・保持する共重
合成分について説明する。インクジェットプリンターに
用いられるインクは前記したように水溶性のインクであ
りその組成のほとんどが水であるが、ノズルの乾燥防止
のためにグリセリン、トリエチレングリコール等の不揮
発性成分が含まれているのが一般的である。そのため、
インク受像層は瞬時に水およびグリセリン等を吸収・保
持しなければならない。よって、このような機能を持つ
ためには水および/またはアルコール等に可溶、あるい
は膨潤するような共重合成分が必要となってくる。この
ような共重合体成分としては以下に示す様なモノマーが
挙げられる。アクリルアミド、メタクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリ
ルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アク
リロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン等がある。
【0030】以上の様なモノマーを20〜90%重量部
の範囲で共重合することで、該第4級アンモニウム塩を
有する共重合体自体のインキ吸収容量、インク吸収速度
を高め、さらにインクドット径を適度の大きさに調節し
たりべた部の印字むらを解消するなど極めて好ましい性
質を付与する。こうしたモノマーは該共重合体中での使
用量が20%重量部未満では好ましい効果が認め難く、
また90%重量部を越えると第4級アンモニウム塩モノ
マー成分の該共重合体での濃度が低下しインク定着性機
能が低下する場合がある。従って、さらには50〜87
%重量部の範囲がより好ましい。
【0031】次に該第4級塩アンモニウム塩含有共重合
体のインキ吸収容量を保持しながら、耐水性を一段と高
めるために、該共重合体を3次元架橋することが好まし
い。この架橋反応としては公知の反応が使用できる。し
かし、本発明では塗液のポットライフ、水性塗液の塗膜
後の架橋反応に有利なエポキシ系架橋剤による方法が好
ましい。すなわち、該共重合体に架橋点を設けてやりエ
ポキシ架橋剤を添加することにより架橋を行う。
【0032】該共重合体中に架橋点としてはエポキシ系
架橋剤と反応する官能基を有するものを導入しておく。
中でも、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基等
が共重合体中に導入しやすく好ましい。特に3級アミノ
基はエポキシ架橋剤に対する架橋点として有効に作用し
効率よく3次元架橋された耐水性のある皮膜を与え、ポ
ットライフが長い等、さらに好ましい。この様な3級ア
ミノ基を持つモノマー成分としては前記一般式化4、化
5、化6に示されるものが好ましい。一般式化4中、R
11は水素またはメチル基を表し、R12、R13は炭素数1
〜6のアルキル基またはベンジル基、アリール基を表
し、同じであっても異なっていてもよい。Qは酸素また
はNH基を表す。nは2または3の整数を表す。一般式
化5中、R14、R15は水素原子、炭素数1〜6のアルキ
ル基またはベンジル基、アリール基を表し、同じであっ
ても異なってもよい。一般式化6中、R16、R17は水素
原子、炭素数1〜6のアルキル基またはベンジル基、ア
リール基を表し、同じであっても異なってもよい。
【0033】これら一般式化4〜化6で示されるモノマ
ー成分ので好ましい例としてはN,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノメチル−p−スチレン、N,N−ジメチル
アミノメチル−m−スチレン、N,N−ジエチルアミノ
メチル−p−スチレン、N,N−ジエチルアミノメチル
−m−スチレン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,
N−ジエチルアリルアミン、N,N−ジプロピルアミ
ン、N,N−ジブチルアリルアミン、N,N−ジベンジ
ルアリルアミン等が挙げられる。
【0034】また、エポキシ架橋剤の該第4級アンモニ
ウム塩含有共重合体に対する添加割合は架橋点をつくる
モノマー成分に対して10〜300%重量部の範囲で添
加されることが好ましく、10%重量部未満では架橋が
不十分でその効果が小さく、また300%重量部を越え
る添加では硬化が進みすぎ高度に架橋された定着層を形
成するためインキの吸収が極端に低下することから好ま
しくない。好ましいエポキシ架橋剤の量としては該共重
合体中の架橋点をつくるモノマー成分に対して20〜1
50%重量部の範囲であり、インクの吸収速度の観点か
ら、20〜100%重量部がさらに好ましい。
【0035】以上のような目的で使用されるエポキシ系
架橋剤は、当然ながら、エポキシ基が2個以上持つ化合
物を指す。このような多官能性エポキシ化合物として
は、例えば、以下のものがある。ソルビトールポリグリ
シジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ルポリグリシジルエーテル、グリセロルポリグリシジル
エーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアネート、トリメチロールプロパンポリグリ
シジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジル
エーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテル、オルト−
フタル酸ジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリ
シジルエーテル、ビスフェノール S ジグリシジルエー
テル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、ジブロモネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル等が挙げら
れる。
【0036】また、該共重合体にグリシジル基を導入
し、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基等の官
能基を複数個持つ多官能性化合物を添加することによ
り、上記と同様に3次元架橋が達成することもできる。
【0037】以上の様に本発明では該第4級アンモニウ
ム塩共重合体とエポキシ架橋剤を水溶液中あるいは水−
アルコール混合溶媒中でよく攪拌混合した溶液を水性下
引きあるいはコロナ処理を施した樹脂被覆紙あるいは白
色のプラスチックフィルムに塗工、乾燥することにより
インクジェット用記録シートのインク定着層が得られ
る。塗工方法としては種々の方法が利用でき、例えばバ
ーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、
ロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビア
コーター、ファンテンリバースコーター、スプレーコー
ター、カーテンコーター、Eバーコーター、コンマコー
ター等いずれの方法でもよく、特に限定はされない。
【0038】また、乾燥方法も支持体の樹脂被覆紙およ
び白色のプラスチックフィルムが熱劣化等の支障をきた
さない乾燥条件で水分またはアルコールが十分に蒸発
し、皮膜が形成されるなら、どの様な乾燥方法でも構わ
ない。例えば、熱風乾燥炉、乾燥ドラム等が使用でき
る。 本発明におけるインク定着層としては3g/m2
上の乾燥塗工量が好ましい。 3g/m2未満だと十分に
インクを吸収できずに液溢れが生じ、混色を打ち出すと
異なるインクがドットではなく液滴として混ざり良好な
カラー画像が得られないなどの問題が生じることが多
い。 また、3g/m2以上の塗工量のその上限はコータ
ー等の乾燥能力やコスト次第であり、インクジェット受
像体として特性的に問題を生じる訳ではない。
【0039】以上、本発明ではインク定着層が基本的に
は第4級塩アンモニウム塩含有共重合体の水溶性高分子
を3次元架橋して構成されているので、染料の発色性、
染料定着性、耐水性が非常に良好である。その反面、水
溶性高分子から由来するブロッキング性、耐指紋性等が
悪く、意外にも水に対する表面の接触角が高く、打ち込
まれるインク液滴が十分に広がらず、印字濃度の低下を
もたらしている。また、このインク定着層は高分子が均
一に塗布されているため、非常に表面の平滑性が高く、
強い光沢を有している。しかし、架橋されているとはい
え水溶性高分子を使用しているため、印字直後、印字表
面に、すぐに吸収仕切れていないインク溶剤が残り、印
字後すぐには、印字部には手を触れることができない。
これらの諸問題を解決するのが有機溶媒分散のシリカゾ
ルを用いたインク通過層である。以下これについて説明
をする。
【0040】本発明では上記の問題を解決する手段とし
て、3次元架橋された該共重合体含有インク定着層の上
にもう一層、平均粒径10〜100nmの有機溶媒分散
のシリカゾル粒子を含有するインク通過層を設けること
が有効である。この粒径範囲のものを用いて形成された
層は多孔質であり、その表面に打ち込まれたインキ液滴
は瞬時に広がり、毛細管現象によりすばやく吸収され、
その層を通過し、下層の該共重合体インク定着層へと届
き、吸収、定着される。また、本シリカゾル粒子は平均
粒径10〜100nmと可視光の波長より短いため、形
成されるインク通過層は非常に平滑でに光透過性が良好
で、光を乱反射せず非常に強い光沢感を有する。もし、
10nm未満のシリカゾル粒子を用いると緻密な皮膜を
形成し、インクの吸収速度が遅くなり、反対に100n
mを越えると可視光が乱反射し光沢感が落ちる。更に、
このシリカゾル層は無機酸化物のため保存用のクリヤフ
ァイル等に対する耐ブロッキング性も非常に良好で、サ
ラサラとした手触りの表面を形成する。
【0041】しかし、以上の様なナノメーターオーダー
の非常に小さいシリカゾル粒子の層を、該共重合体定着
層の上に形成することは非常に難しい。すなわち、通常
の水性コロイダルシリカ分散液を該第4級アンモニウム
塩含有共重合体を3次元架橋したインク定着層に塗布す
ると亀裂が生じてしまう。乾燥条件、塗工量、バインダ
ーなど種々検討しても、膜に大小の亀裂が生じる。この
ような、亀裂はインクジェット受像体としては非常に不
適である。なぜなら、打ち込まれるインクがその亀裂に
沿って毛細管現象により広がり、いわゆるフェザリング
と言われる現象が起こり、インクが滲んでしまう。ま
た、写真ライクな光沢感が重要視される該受像体では、
目視では見えなくて、フェザリングが生じないような小
さな亀裂でも、光拡散等が生じ光沢感に悪影響を及ぼ
す。よって、亀裂の全くないコロイダルシリカの膜を形
成する必要がある。さらには、3次元架橋されていな
い、本発明に係わる共重合体含有インク定着層や、他の
水溶性ポリマー含有インク定着層の上に同様に有機溶媒
分散のシリカゾルを塗布するのは難しく、平滑性が高く
光沢感のあるきれいなシリカゾルのインク通過層を形成
することはできない。
【0042】以上の様に、該共重合体含有インク定着層
に関わらず、非常に水分を吸収しやすい基材の上に水分
散のシリカゾルにて亀裂を生じずに膜を形成させるのは
非常に困難である。そこで、鋭意検討した結果、高吸水
性ポリマー層の上に亀裂が生じずにシリカゾルの膜を形
成させるには、下層のインク定着層を架橋により3次元
構造を形成させておくと共に、オーバー層として有機溶
媒分散のシリカゾルを用いることが非常に有効であると
判明した。また、写真ライクなインクジッェト用記録シ
ートに要求される染料の発色、光沢性、耐ブロッキング
性、耐指紋性、耐水性などの諸特性も満足できることが
判明した。
【0043】また、インクジェット受像体は、それ自体
が光沢感があっても、インク滴が打ち込まれる印字部な
どは、不十分なインク吸収能力の為のインクの溢れや、
インク滴により、表面の荒れが生じ、光沢感が大幅に低
下するのが否めなかったがインクジェット受像体では、
表面の印字部及び未印字部の光沢が、JIS Z 87
41による、鏡面光沢度測定方法にて、20度鏡面光沢
度が50以上、好ましくは60以上あれば、非常に写真
ライクな記録体に見えることが判明した。本発明によれ
ば非常に平滑なインク定着層とその上に塗布された、透
明なインク通過層の為、可視光の乱反射が起こらず、十
分なインク吸収速度、吸収容量をもつことから20度鏡
面光沢度が50以上の強光沢で写真ライクなインクジェ
ット記録シートを得ることができる。
【0044】以下、有機溶媒分散のシリカゾルを用いた
コロイダルシリカ層について説明する。通常、有機溶媒
分散されたコロイダルシリカはオルガノシリカゾルと呼
ばれ、水分散のコロイダルシリカとは明確に区別され
る。製法としては珪酸アルコキシド、すなわち珪酸エチ
ル溶液等をエタノール等の有機溶媒中で、加水分解する
ことにより、有機溶媒分散の超微粒子の分散液が得られ
る。また、他の方法としては、水分散シリカゾルから得
られる溶媒置換法もある。この様にして得られたシリカ
ゾルは有機溶媒への良分散性のため通常の水分散コロイ
ダルシリカの表面状態とは異っている。すなわち、コロ
イダルシリカ表面の水酸基の量が水分散コロイダルシリ
カより少なくなっている。そのため、水分散コロイダル
シリカより形成されるインク通過層に比べて、オルガノ
シリカゾルより形成されるインク通過層は多孔質による
毛細管現象により、インクをすばやく吸収し、インクを
通過層でトラップせずにインク定着層に運ぶことが出来
る。
【0045】オルガノシリカゾルに用いられる有機溶媒
であるが、シリカゾルが安定に分散できて、支持体であ
る樹脂被覆紙あるいは白色のプラスチックフィルムが塗
布後の乾燥時に劣化しない程度の温度で蒸発乾燥でき
て、下層のインク定着層ができるだけ吸収しない有機溶
媒が好ましい。市販されている有機溶媒分散のシリカゾ
ルならほとんどものが使用でき、沸点の高い溶媒や該共
重合体定着層が少量吸収することができるメタノール等
に分散している有機溶媒分散のシリカゾルでも、他の好
適な有機溶媒を混ぜることにより使用可能になる。その
ような有機溶媒としては例えば、イソプロパノール、n
−プロパノール、イソブタノール、tert−ブタノー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジ
エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート等
が非常に好ましい。
【0046】また、使用する溶媒により形成される膜の
微細な構造が異なるが、シリカゾルだけの膜だと膜強度
が弱いため、耐指紋性、耐水性に劣ってしまう。そこ
で、膜強度を十分持たせて、下のインク定着層との接着
を高めるためにバインダーが必要となる。このバインダ
ーとしては種々のものが使用できるが基本的には塗布溶
媒に溶解するバインダーが好ましい。例えばアクリル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられ
る。また、バインダーの使用量としてはシリカゾル固形
分に対して5〜300%重量部が好ましい。使用量はバ
インダーの種類によっても異なるが5%重量部未満だと
十分な皮膜強度と接着が得られず、300%重量部を越
えると強靱な皮膜を形成するが、有機溶媒可溶なバイン
ダーがたくさん用いられるためインクをはじいたり、イ
ンクが該シリカ層(インク通過層)を通り抜けて下のイ
ンク定着層へ届かないので良好な画像が得られない。さ
らに好ましい量としては5〜200%重量部である。
【0047】以上のような有機溶媒分散のシリカゾルを
固形分で0.05〜15g/m2塗布するのが好まし
い。0.05g/m2未満だとシリカ層が薄すぎて、十
分にインクのドットを広げず下層のインク定着層に届い
てしまい、適度に広がったドットによる十分な画像濃度
が得られない。また、耐ブロッキング性も悪くなる。反
対に、15g/m2を越えると、シリカ層が厚くなり、
インクがシリカ層を通り抜けて下のインク定着層に到達
しないため、耐水性が発現されなくなる。また、あまり
塗布量が多いと塗布時に水分散シリカゾルと同様に亀裂
が生じてくる。この塗布量はインクの成分、またはイン
ク定着層の吸収性によっても変化するが、さらに好まし
い塗布量は0.05〜10g/m2であり、さらには
0.05〜7g/m2である。
【0048】このようなシリカ層もインク定着層の塗工
と同様に種々の塗工方法で塗工することができる。た
だ、塗工溶媒として有機溶剤を用いるので防爆設備の付
いた溶剤コータで塗布するのが好ましい。
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るがこれに限定されるものではない。
【0050】インク定着層に用いる共重合体の合成 トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアン
モニウムクロライド10g、アクリルアミド60g、
N,N−ジメチルアクリルアミド25g、ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミド5gとイオン交換水350
g、イソプロピルアルコール50gを1Lの四つ口フラ
スコに仕込み、塩酸水溶液により中和し加熱、攪拌、窒
素置換を行い約60℃で重合開始剤V−50(和光純薬
(株)製)を1gを投入し重合を開始した。その後、6
時間重合を行い目的の共重合体1を得た。同様の合成方
法にて表1に示す共重合体1〜4を得た。
【0051】
【表1】
【0052】表1中各文字は以下のことを表す。また、
表1中の単位はg(グラム)である。 ・DMAPAA-Q;ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの
メチルクロライドによる4級化物(トリメチル−3−
(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウム クロラ
イド) ・DMAPAA;ジメチルアミノプロピルアクリルアミド ・AM;アクリルアミド ・DMAM;N,N−ジメチルアクリルアミド ・ACMO;アクリロイルモルホリン
【0053】インク通過層用塗液の製造 表2に示すような処方にて、インク通過層用塗液A〜E
を作成し、塗液とした。特に塗液D、Eに関しては分散
溶媒である水をエバポレーターにて除き、固形分のシリ
カを得る。これを、エタノール中にバインダーと共にホ
モミキサー(10000r.p.m、30分間) にて分散して塗液を
作成した。
【0054】
【表2】
【0055】表2中の各文字は以下のことを示す。ま
た、表2中の単位はg(グラム)である。 ・MA-ST-M;日産化学(株)製オルガノシリカゾル(シ
リカゾル固形分40%重量部、メタノール分散液、平均
粒径20〜25nm) ・スノーテックス40;日産化学(株)製シリカゾル(シリカゾ
ル固形分40%重量部、水分散液、平均粒径10〜20
nm)の水を蒸発させて得られたシリカ固形分 ・PST-3;日産化学(株)製シリカゾル(シリカゾル固
形分20%重量部、水分散液、平均粒径300nm)の
水分を蒸発させて得られたシリカ固形分 ・BR-88;三菱レーヨン(株)製アクリレート系バイン
ダー、表2中は固形分量を示す。 ・ASR-09;電気化学工業(株)製酢酸ビニル系バインダ
ー、表2中は固形分量を示す。 ・PVA-117;クラレ(株)製ポリビニルアルコール、表
2中は固形分量を示す。 ・MEK;メチルイソブチルケトン ・EtOH;エチルアルコール ・IEW;イオン交換水
【0056】実施例1〜10 前記、表1に示す重合体1、2を各々10%重量水溶液
とし、これらにエポキシ架橋剤(ナガセ化成(株)製デ
ナコールEX−521)を重合体に対して2%重量添加
した水溶液を塗液として、これらを水性下引き処理を施
したポリエチレン樹脂にて被覆した樹脂被覆紙または厚
さ100ミクロンの白色PETフィルム上に、乾燥塗工
量が約10g/m2となるようにワイヤーバーにて塗
工、80℃で約10分間乾燥させた。その後40℃の温
度で1昼夜加温しエポキシ架橋剤による架橋を充分に進
行させた。この塗工層の上にさらにインク通過層用塗液
として前記した表2の塗液を、表3に示すような組み合
わせでワイヤーバーにて塗工しインクジェット用記録シ
ートとした。
【0057】
【表3】
【0058】比較例1〜13
【0059】
【表4】
【0060】比較例1〜11はエポキシ架橋剤デナコー
ルEX−521の添加、無添加以外は実施例と全く同様
の方法にて、表1に示す重合体1〜4を樹脂被覆紙上に
塗布し、表4に示したインク通過層用塗液を塗布して比
較例とした。また、比較例12、13はPVA−117
の10%重量水溶液を樹脂被覆紙上に乾燥塗工量が約1
0g/m2となるようにワイヤーバーにて塗工、 80℃
で約10分間乾燥させ、インク定着層を設け、表4に示
したインク通過層用塗液を塗布して比較例とした。以上
の様にして得られたインクジェット用被記録シートを印
字評価、およびその他の評価を行った。印字評価は日本
電気(株)製パソコンPC−9801BXにキャノン
(株)製バブルジェットプリンターBJC−600jを
接続し、種々のパターン(イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラック、及びブルー、グリーン、レッドの各混色
のベタ等)を光沢紙モードにて印字記録を行った。
【0061】下記表5の評価項目の評価方法及び評価結
果の定義は以下の通りである。 ・光沢度 変角光沢度計(日本電色工業(株)製VES-300A)にて未
印字部及びブラックのベタ部を、JIS Z 8741
の鏡面光沢度測定方に準じて、入射角20度および受光
角20度にて鏡面光沢度を求めた。 ・亀裂 塗布乾燥直後、および印字後の画像部のインク通過層の
亀裂の有無を目視判定あるいは顕微鏡で判定した。○:
亀裂が存在しない。×:亀裂が存在する。 ・ベタ部均一性 イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各単色及び
それらの混色について目視判断。○:インクのよりや溢
れがなく均一ベタ、×:インクがよったり、溢れたりし
ているベタ。 ・ベタ部濃度 反射のマクベス濃度計によりブラックの光学濃度を測定
した。 ・解像度 線幅及び間隔が100μmの細線を目視判断。○:線と
線が明瞭に分かれて見える、△:線同士はくっいてはい
ないが明らかに線が太っている、×:にじみにより線が
太りくっついて見える。 ・ドット径 ブラックの1ドット打ち込まれた印字部を顕微鏡にて観
測、ドット径を測定した。単位はミクロン。 ・耐水性 印字画像上に水を落し、5分後に布で擦りながら拭き取
り、塗層面の状態を目視判断。○:塗層の剥がれがな
く、印字画像の脱色やにじみも認められない。×:塗層
の剥がれあるいは印字画像の脱色やにじみが認められ
る。 ・耐指紋性 親指にて受像面に拇印を押すように強く押しつけ、指紋
の付く状態を目視判断。 ○:全く指紋が付かない。△:指紋は付くが拭き取れば
とれる。×:指紋の型が強く付き、拭き取ってもとれな
い。 ・耐ブロッキング性 2枚の被記録材の表裏を重ね合わせて0.5kg/10
0cm2の圧力をかけ、20℃、65%RHの室内に2
4時間放置後、剥離してブロッキングの発生状況を観
察。○:ブロッキングなし、△:エッジ部のみにブロッ
キング発生、×:ブロッキングが全面に発生。
【0062】
【表5】
【0063】
【発明の効果】本発明はインキ吸収速度およびインキ吸
収容量が十分にあり、染料の発色性、染料定着性、印字
濃度、耐水性、耐光性が良好であり、表面の濡れ性、耐
ブロッキング性、耐摩擦性、耐指紋性等の表面特性が非
常に良好でかつ非常に写真ライクな光沢感の強いインク
ジェット用記録シートを得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明支持体上の少なくとも片面に4級
    アンモニウム塩を有する共重合体を架橋して構成される
    インク定着層を設け、該インク定着層上に、一次粒子径
    が10〜100nmの有機溶媒分散のシリカゾルと非水
    溶性バインダーを含有するインク通過層を設けたことを
    特徴とするインクジェット用記録シート。
  2. 【請求項2】 インク通過層が有機溶媒塗液を塗工する
    ことにより形成される請求項1記載のインクジェット用
    記録シート
  3. 【請求項3】 不透明支持体が樹脂被覆紙あるいは白色
    のプラスチックフィルムである請求項1または2記載の
    インクジェット用記録シート。
  4. 【請求項4】 第4級アンモニウム塩を有する共重合体
    が、少なくとも下記一般式化1、化2、または化3で示
    されるモノマーを重合して得られる共重合体であること
    を特徴とする請求項1、2または3記載のインクジェッ
    ト用記録シート。 【化1】 (化1中、R1は水素またはメチル基を表し 、Qは酸素
    もしくはNH基を表す。R2、R3、R4は炭素数1〜6
    のアルキル基またはベンジル基、 アリール基を表し 、
    同じであっても異なっていてもよい。X-はハロゲンイ
    オンまたはスルホン酸アニオン、アルキルスルホン酸ア
    ニオン、酢酸アニオン、アルキルカルボン酸アニオンを
    表す。nは2または3の整数を表す。) 【化2】 (化2中R5、R6、R7は炭素数1〜6のアルキル基ま
    たはベンジル基、 アリール基を表し、同じであっても
    異なっていてもよい。X-は化1中のX-と同じであ
    る。) 【化3】 (化3中R8、R9、R10は炭素数1〜6のアルキル基ま
    たはベンジル基、アリール基を表し、同じであっても異
    なっていてもよい。X-は化1中のX-と同じである。)
  5. 【請求項5】 第4級アンモニウム塩を有する共重合体
    が下記一般式化4、化5または化6で示されるモノマー
    を含むことを特徴とする請求項1、2、3または4に記
    載のインクジェット用記録シート。 【化4】 (化4中R11は水素またはメチル基を表し、R12、R13
    は炭素数1〜6のアルキル基またはベンジル基、アリー
    ル基を表し、同じであっても異なっていてもよい。Qは
    酸素またはNH基を表す。nは2または3の整数を表
    す。) 【化5】 (化5中、R14,R15は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基またはベンジル基、アリール基を表し、同じであ
    っても異なってもよい。) 【化6】 (化6中、R16,R17は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基またはベンジル基、アリール基を表し、同じであ
    っても異なってもよい。)
  6. 【請求項6】 第4級アンモニウム塩を有する共重合体
    をエポキシ架橋剤を添加することで3次元架橋したイン
    キ定着層を形成してなることを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5記載のインクジェット用記録シー
    ト。
  7. 【請求項7】 印字部及び未印字部の光沢が、JIS
    Z 8741による、鏡面光沢度測定方法にて、20度
    鏡面光沢度が50以上であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5または6記載のインクジェット用記
    録シート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999064248A1 (fr) * 1998-06-10 1999-12-16 Konica Corporation Papier d'enregistrement par jet d'encre

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WO1999064248A1 (fr) * 1998-06-10 1999-12-16 Konica Corporation Papier d'enregistrement par jet d'encre

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