JP2000108505A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

Info

Publication number
JP2000108505A
JP2000108505A JP10286656A JP28665698A JP2000108505A JP 2000108505 A JP2000108505 A JP 2000108505A JP 10286656 A JP10286656 A JP 10286656A JP 28665698 A JP28665698 A JP 28665698A JP 2000108505 A JP2000108505 A JP 2000108505A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording sheet
receiving layer
weight
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10286656A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Kawasaki
克彦 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP10286656A priority Critical patent/JP2000108505A/ja
Publication of JP2000108505A publication Critical patent/JP2000108505A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高い表面光沢や優れたインク吸収性、発色性を
有し、かつ耐擦傷性に優れたインクジェット記録シート
を提供すること。 【解決手段】支持体上に擬ベーマイト状アルミナ水和物
からなるインク受理層を設けたインクジェット記録シー
トであって、該インク受理層の上にパールネックレス状
のシリカ粒子を含んだ保護層を設けることにより解決で
きた。パールネックレス状シリカの球状一次粒子の粒子
径が5〜100nm、さらに好ましくは8〜60nm、
パールネックレス状シリカ粒子の粒子径が30〜800
nm、さらに好ましくは80〜500nmの場合に特に
良好な結果が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式を利用したプリンターやプロッターに使用される
インクジェット記録シートに関するものであり、特にカ
ラー記録での要望が高い写真印画紙調の光沢を有するイ
ンクジェット記録シートまたはOHPフィルムとして使
用可能な透明性が高いインクジェット記録シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターやプロ
ッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高
精細な画像が容易に得られるようになってきた。これに
伴い、従来からあるインクジェット記録用の上質紙や塗
工紙以外のインクジェット記録シートの開発が切望され
ている。
【0003】インクジェット記録方式は、種々の作動原
理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シー
トに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであ
る。インクジェットプリンターやプロッターは、高速印
字性や低騒音性に優れ、記録パターンの融通性が大き
く、現像−定着が不要等の特長があり、複雑な画像を正
確、かつ迅速に形成することができる点で注目されてい
る。特にコンピューターにより作成した文字や各種図形
等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用
途において、近年急速に普及している。また、複数個の
インクノズルを使用することにより、多色記録を行うこ
とも容易である。多色インクジェット方式により、形成
されるカラー画像は、製版方式による多色印刷やカラー
写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得る
ことが可能であり、さらに作成部数が少ない用途におい
ては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むこと
から広く応用されつつある。
【0004】最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精
細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安
価で市販されている。インクジェット記録シートは、銀
塩写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安
価であることから、大面積の画像が必要な広告や商品見
本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経済
的に大きなメリットがある。また、最近一般的になって
きたパーソナルコンピューター上で画像を作成し、これ
をプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを訂正す
ることは従来の銀塩写真方式では全く無理であったが、
インクジェット記録ではこのような操作が気軽にできる
という長所もある。
【0005】インクジェット記録方式で使用される記録
シートとしては、通常の印刷、あるいは筆記用上質紙や
コーテッド紙を用いることができるように、装置やイン
ク組成の面から努力がなされてきた。しかし、高速化・
高精細化、あるいはフルカラー化等インクジェット記録
装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対
しても、より高度な特性が要求されるようになった。即
ち、当該記録シートとしては、印字ドットの濃度が高
く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速
くて、印字ドットが重なった場合においてもインクが流
れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向へ
の拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼ
やけないこと等が要求される。特に、カラー記録の場合
は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの単色記録
だけでなく、これらの色を重ねる重色記録がなされ、イ
ンク付着量がさらに多くなるために極めて厳しい性能が
要求される。
【0006】近年、インク吸収速度が速く、かつ光沢性
を高めたインクジェット記録シートとして、アルミナ水
和物を用いたインクジェット記録シートが提案されてお
り、例えば、特開昭60−232990号、同60−2
45588号、特公平3−24906号、特開平2−2
76670号、同3−215082号、同4−3757
6号、同4−67986号、同5−16517号、同5
−24335号、同5−32037号、同5−5073
9号、同5−286228号、同5−301441号、
同6−48016号、同6−55829号、同6−18
3126号、同6−184954号、同6−19903
4号、同6−199035号、同6−218324、同
6−255235号、同6−262844号、同6−2
70530号、同6−286297号、同6−2978
31号、同6−297832号、同6−316145
号、同7−68919号、同7−68920号、同7−
76161号、同7−82694号、同7−89221
号、同7−172038号公報等に記載されているよう
に微細なアルミナゾルを水溶性バインダーとともに支持
体表面に塗工したインクジェット記録シートが開示され
ている。
【0007】これらのインクジェット記録シートは、画
質、光沢の点で優れており、非常に好ましい。しかしな
がら、これらアルミナ水和物からなるインク受理層の表
面は非常に傷がつきやすいという欠点を有しており、布
や紙等でこするだけで記録物の品質を著しく損なうおそ
れがあった。
【0008】これを解決する手段として、特開平7−7
6162号公報記載のごとく、インク受理層の上にコロ
イダルシリカを用いた保護層を設けるという方法があ
る。しかしながら、一般的な球状粒子のコロイダルシリ
カを用いた保護層の場合、保護層の粒子の充填が密にな
るため、保護層がインクの浸透を阻害し、結果として画
像が悪化するという欠点を有していた。
【0009】さらにこれを改善する方法として、特開平
10−166715号公報記載のごとく、鎖状の形状を
有するコロイダルシリカを用いる方法が提示されてい
る。しかしながら、この場合も球状コロイダルシリカを
用いた場合よりは改善されるものの、依然としてインク
の浸透の改善が不充分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
表面光沢や優れたインク吸収性、発色性を有し、かつ耐
擦傷性に優れたインクジェット記録シートを提供するこ
とである。さらに詳しくは、擬ベーマイト状アルミナ水
和物からなるインク受理層を有し、カラー記録での要望
が高い写真調の光沢を有するインクジェット用被記録シ
ート、またはOHPフィルムとして使用可能な透明性が
高いインクジェット記録シートを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下に述
べる手段によって解決することができた。すなわち、支
持体上に擬ベーマイト状アルミナ水和物からなるインク
受理層を設け、その上にパークネックレス状の形状を有
するシリカ粒子を含む保護層を有することを特徴とする
インクジェット記録シートである。
【0012】特に、粒子径5nm以上100nm以下の
球状一次粒子が複数個結合して30nm以上800nm
以下の粒子径を有するパールネックレス状のシリカ粒子
を用いることにより、耐擦傷性、表面光沢、インク吸収
性、発色性などがより良好となる。
【0013】さらには、粒子径8nm以上60nm以下
の球状一次粒子が複数個結合して80nm以上500n
m以下の粒子径を有するパールネックレス状のシリカ粒
子を用いることにより、耐擦傷性、表面光沢、インク吸
収性、発色性などがより良好となり、特に好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のインクジェット
記録シートの構成要素及びその製造方法について詳細に
説明する。本発明のインクジェット記録シートは、支持
体上に擬ベーマイト状アルミナ水和物からなるインク受
理層を設け、その上に主としてパールネックレス状シリ
カ粒子を含有する保護層を有する。
【0015】本発明のインクジェット記録シートにおい
ては、インクを吸収し色素を定着する機能は、主として
インク受理層が有しており、保護層はインク受理層を傷
から守る機能を有する。従って、インクジェットプリン
ターからのインクは、保護層を透過してアルミナ水和物
層にまで浸透し、色素がインク受理層で定着される。そ
のため保護層には、1)耐擦傷性、2)被膜表面光沢、
3)インク浸透性、4)被膜透明性などが要求される。
【0016】本発明に係る保護層を構成するシリカ粒子
は、パールネックレス状であることが特徴である。コロ
イダルシリカの粒子形状は、一般的に球状または球状に
近い形状の粒子が連結せずに独立して存在しているのに
対して、本発明に係るパールネックレス状シリカ粒子
は、球状の一次粒子が複数個連結し、文字通り真珠のネ
ックレスに似た形状を有しているものを指す。
【0017】前述の鎖状粒子とパールネックレス状粒子
は、いずれもシリカの一次粒子が連結した、分岐を有す
る細長い形状であるが、両者の違いは球状一次粒子の占
める割合にある。本発明に係るパールネックレス状粒子
とは、電子顕微鏡による二次元像において、球状一次粒
子に起因する円状図形が真円度70%以上を有し、かつ
各円状図形の内接円の合計面積がパールネックレス状粒
子全投影面積の70%以上を占め、かつ各円状図形の内
接円が互いに重ならないものを言う。ここで、真円度と
は、対象とする図形輪郭の外接円の半径に対する内接円
の半径の比率で表され、真円では100%となる。
【0018】保護層にパールネックレス状シリカ粒子を
用いることにより通常の球状コロイダルシリカもしくは
前述の鎖状コロイダルシリカを用いた場合よりもインク
吸収性が良好になる。その理由としては、パールネック
レス状シリカ粒子を用いた方がより空隙率が高くなり、
インクの浸透が良好になるためであると考えられる。ま
た、保護層には被膜の機械的強度を得るために水溶性ポ
リマーなどのバインダーを添加する場合が多いが、パー
ルネックレス状シリカ粒子からなる被膜は機械的強度に
も優れており、他のコロイダルシリカを用いた場合と比
較してバインダーの添加量が少なくて済むため、一層空
隙率を高くすることができる。
【0019】また、被膜の機械的強度が優れているため
に保護層の必要塗工量が少なくて済む。その結果、保護
層によるヘーズ(光散乱による濁り)が低くなり、印刷
物の発色性が向上し、好ましい。
【0020】本発明に係るパールネックレス状シリカ粒
子に関しては、粒径が小さいと空隙率が低くなり、ま
た、粒径が大きいと粒子間に生じる空隙のサイズが大き
くなって保護層のヘーズが悪化する傾向がある。よっ
て、好ましくは30nm以上800nm以下、さらに好
ましくは80nm以上500nm以下のものが用いられ
る。その中でも特に100nm以上200nm以下のも
のが良好である。
【0021】本発明に係るパールネックレス状シリカ粒
子の球状一次粒子に関しても、粒径が小さいと空隙率が
低くなり、また、粒径が大きいと粒子間に生じる空隙の
サイズが大きくなって保護層のヘーズが悪化する傾向が
ある。よって、好ましくは5nm以上100nm以下、
さらに好ましくは8nm以上60nm以下のものが用い
られる。その中でも特に18nm以上40nm以下のも
のが良好である。
【0022】本発明に係るパールネックレス状のシリカ
粒子は種々の方法によって得られ、本発明においては、
いかなる方法によって得られたものであっても、シリカ
粒子がパールネックレス状を有していれば本発明に用い
ることができるが、パールネックレス状のシリカ粒子の
形成方法として、例えば一般的な球状コロイダルシリカ
がパールネックレス状に連結するように2価以上の陽イ
オンを加え、熟成させることにより得られる。
【0023】また、市販のパールネックレス状のシリカ
粒子としては、例えば日産化学製スノーテックス−PS
および同製品のバリエーションである酸性タイプ、カチ
オン変性タイプなどが挙げられる。
【0024】本発明に係るパールネックレス状のシリカ
粒子は、少なくとも本発明のインクジェット記録シート
における保護層を形成するための塗液において、パール
ネックレス状の形状で存在していれば良く、保護層形成
用塗液の調液に先だって、上記の方法を含めて本発明に
係るパールネックレス状のシリカ粒子を調製し、これを
用いて保護層形成用塗液を調製しても良いし、保護層形
成用塗液調液時に、塗液中で上記の方法を含めて本発明
に係るパールネックレス状のシリカ粒子を調製しつつ塗
液を調液しても良い。
【0025】本発明において、擬ベーマイト状アルミナ
水和物を主成分とするインク受理層上に保護層を設ける
ことにより、これらの層全体としての耐擦傷性が向上す
る機構は明らかではないが、保護層の皮膜強度がアルミ
ナ水和物のインク受理層のそれに比べて優れているため
であると推測される。アルミナ水和物のインク受理層に
シリカ粒子を混合して一層構成とすることによっても目
的を達成できる可能性はあるが、アルミナゾルとシリカ
ゾルを混合した塗液は分散状態等が不安定になりやす
く、またそうして得られたインクジェット記録シートも
インク吸収性、耐擦傷性ともに二層構成とした場合より
も劣るため好ましくない。
【0026】本発明ではパールネックレス状シリカ粒子
とそれ以外のシリカ粒子、すなわち球状コロイダルシリ
カ、鎖状コロイダルシリカなどを任意の割合で併用する
ことも可能である。
【0027】また、保護層を設けることにより、シート
表面の触感も向上する。保護層を設けない場合には、ア
ルミナ水和物層を直接指等で触ると皮脂が吸収されるた
めか、指先がシートに吸い付くような不快な感触があっ
た。しかし、上に保護層を設けることで、それが大きく
軽減される。さらに、表面の滑りが良くなるため、プリ
ンターへの通紙性や、大量の枚数を扱う際のハンドリン
グ性も向上する。
【0028】本発明に係る保護層は、擬ベーマイト状ア
ルミナ水和物からなるインク受理層上にシリカゾル塗液
を塗布、乾燥して得られるが、本発明に係るシリカ粒子
の分散媒としては、水単独でも良いし、水可溶性の有機
溶媒、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノ
ール、2−メトキシエタノール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、及びジメチルアセトアミド等、
を水に混合して用いても良い。さらに、本発明に係るパ
ールネックレス状シリカ粒子の製造工程において、水を
上記水溶性有機溶媒に置換した有機溶媒分散タイプ(オ
ルガノシリカゾル)も用いることができる。オルガノシ
リカゾルを用いる場合、水に不溶のバインダーを併用す
ることもできるため、水を主溶媒とするインクによるバ
インダーの溶解、膨潤を防ぐことができるため好まし
い。
【0029】本発明に係る保護層は、シリカ固形分に対
して100重量%程度を上限としてバインダーを併用し
ても良い。バインダー添加量が多いほど、保護層の耐擦
傷性は向上するが、多すぎるとインクジェット記録シー
トのインク吸収性を悪化させるため、上記の範囲が好ま
しい。さらに、シリカ固形分に対してバインダーを1〜
30重量%とすることにより、インク吸収性と耐擦傷性
のバランスが良く、好ましい。
【0030】本発明に係る保護層に用いるバインダーと
しては、溶媒に合わせて様々なポリマーを選ぶことがで
きる。例えば溶媒が水の場合、メチルセルロース、メチ
ルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロ
ピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等の
セルロース系バインダー、でんぷん及びその変性物、ゼ
ラチン及びそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラ
ビアゴム、カラヤゴム、及びアルブミン等の天然高分子
樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及び
その変性物、SBRラテックス、NBRラテックス、メ
チルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルション類、
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニル
ポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸ま
たはその共重合体等を挙げることができるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0031】本発明における保護層形成用塗液の塗布方
法としては、ダイレクトグラビア方式を用いるのが好ま
しいが、それ以外のマイクログラビア方式、リバースグ
ラビア方式、スライドホッパー方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロッドバーコ
ーティング方式、及びロールコーティング方式等の通常
用いられている塗布方法も用いることができる。
【0032】塗布性等を改善する目的で、本発明に係る
保護層形成用塗液に界面活性剤を添加しても良い。用い
る界面活性剤の種類は、特に限定されず、アニオン系、
カチオン系、ノニオン系、またはベタイン系のいずれの
タイプから選択しても良く、また、低分子のものでも高
分子のものでも良い。1種もしくは2種以上界面活性剤
を組み合わせて用いても良い。
【0033】本発明に係る保護層の乾燥塗工量は、0.
05〜5g/m2の範囲が好ましい。この範囲を下回る
と、対擦傷性が十分に得られないことがあって好ましく
ない。また、この範囲を超えると、保護層のヘーズが悪
化する。そのため、特に透明フィルムを基材として用い
てOHP用シートとする場合、透光性が悪化するため好
ましくない。また、不透明基材を用いて印字面側から見
ることを目的としたシートの場合にも、印字部分の発色
に悪影響して好ましくない。これは、インクの色素はア
ルミナ水和物からなるインク受理層において定着するた
め、上に設けた保護層が濁っているとくすんだような発
色となるためである。
【0034】次に、本発明に係るインク受理層を説明す
る。本発明のインクジェット記録シートにおけるインク
受理層は、本発明に係る保護層の形成に先立って、支持
体上に設けられ、少なくとも擬ベーマイト状アルミナ水
和物からなる。本発明に係る擬ベーマイト状アルミナ水
和物は、平均細孔半径が1〜10nm、特に好ましくは
3〜7nmであるアルミナ水和物からなることがことが
好ましい。これは、アルミナ水和物の細孔半径が小さす
ぎるとインクを吸収し難く、また、細孔半径が大きすぎ
ると、インク中の染料の定着が悪くなり画像のにじみが
発生するためである。
【0035】本発明に係るアルミナ水和物が十分なイン
ク吸収容量を有するには、アルミナ水和物の細孔容積は
0.3〜0.8ml/gの範囲であることが好ましく、
特に0.4〜0.6ml/gの範囲であることが好まし
い。インク受理層の細孔容積が大きい場合にはインク受
理層にひび割れや粉落ちが発生することがあり、小さい
場合にはインクの吸収が遅くなる傾向がある。さらに、
単位面積当たりのインク受理層の溶媒吸収量は5ml/
2以上、特に10ml/m2以上であることが好まし
い。単位面積当たりの溶媒吸収量が小さい場合には、特
に多色印字を行った場合にインクが溢れることがある。
【0036】本発明に係るアルミナ水和物が、インク中
の染料を十分に吸収して定着するには、BET比表面積
が70〜300m2/gの範囲であることが好ましい。
BET比表面積が大きすぎると、細孔径分布が大きい方
に片よって、インク中の染料の定着の効率が悪くなり画
像のにじみが発生する。逆に、BET比表面積が小さす
ぎると、アルミナ水和物の分散が困難になる。
【0037】良好なインク吸収容量を得るためには、イ
ンク受理層の塗工量として固形分で20g/m2以上、
好ましくは30〜50g/m2必要である。そのため、
インク受理層形成用塗液に用いるアルミナ水和物分散液
は15重量%以上、好ましくは20重量%以上の濃度で
あることが好ましい。アルミナ水和物の分散液の濃度を
上げるためには、アルミナ水和物の表面水酸基の数は1
20個/g以上であることが好ましい。表面水酸基の数
が少ないと、アルミナ水和物が凝集し易くなり、分散液
の濃度を上げるのが困難になる。
【0038】また、通常アルミナ水和物の分散液は、そ
の製造過程で用いた揮発性塩基性物質、例えばアンモニ
アやトリエチルアミン等を含有しているために分散が不
安定になっており、濃縮等の方法によって15重量%以
上の濃度で安定な分散液を得ることは難しい。そこで、
蒸発乾固、フリーズドライ、あるいはスプレードライ等
の方法で揮発性塩基性物質を取り除き、得られたアルミ
ナ水和物の粉末あるいは固形物を水に再分散することに
より、15重量%以上でも安定なアルミナ水和物分散液
を得ることができる。
【0039】さらに、アルミナ水和物分散液を安定化さ
せるために、種々の酸類を分散液に添加しても良い。こ
のような酸類としては、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢
酸、蟻酸、塩化第二鉄、及び塩化アルミニウム等を挙げ
ることができる。
【0040】同様に、アルミナ水和物の分散を安定化す
ることを目的として、メタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、及びグリ
セリン等のアルコールをインク受理層形成用塗液に添加
することができる。インク受理層形成用塗液の溶媒とし
て、50重量%程度を上限としての水に上記アルコール
を混合して用いることができる。
【0041】本発明に係るインク受理層は、少なくとも
本発明に係る擬ベーマイト状アルミナ水和物を含む塗液
を支持体上に塗布して形成する。また、このインク受理
層形成用塗液には、塗液の液性、塗液粘度、インク受理
層の成膜性、及び強度等を調整することを目的として、
水溶性バインダーを複数組み合わせて用いても良い。こ
のような水溶性バインダーとしては、完全ケン化または
部分ケン化のポリビニルアルコールが、擬ベーマイト状
アルミナ水和物との混合性や塗液粘度の調整等の点で特
に好ましいが、この他に少なくとも本発明に係る保護層
形成用塗液に併用しても良い上記で例示したバインダー
はすべて用いることができる。
【0042】また、インク受理層形成用塗液を調製した
時に良好な液性を得るためには、調製するインク受理層
形成用塗液の粘度が100cps以上になるように、水
溶性バインダーを選択することが好ましい。また、イン
ク受理層形成用塗液の粘度が高すぎると塗布が困難とな
ることがあるため、塗液の粘度は5000cps以下に
なるように水溶性バインダーを選択することが好まし
い。
【0043】本発明に係るインク受理層における水溶性
バインダーの使用量は、少ないとインク受理層の強度が
弱くなり、逆に多すぎるとインクの吸収を阻害すること
があるため、水溶性バインダーの総量は、擬ベーマイト
状アルミナ水和物に対して、5〜20重量%が好まし
く、特に10〜15重量%が好ましい。
【0044】本発明においてインクジェット記録シート
を製造する場合には、界面活性剤を添加しなくても良好
な塗布性を得ることができる場合が多いが、より塗布性
を改善するため、あるいはインクがインク受理層に付着
した時のドット径を調整することを目的として、界面活
性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤
は、ノニオン性のものが好ましいが、必要に応じてアニ
オン系、カチオン系、ノニオン系、あるいはベタイン系
のいずれのタイプから選択してもよく、また、低分子の
ものでも高分子のものでも良い。これらは1種もしくは
2種以上界面活性剤を組み合わせて用いても良い。界面
活性剤の添加量は、固形分量でインク受理層を構成する
擬ベーマイト状アルミナ水和物に対して0.001〜5
重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜3重量%
である。
【0045】さらに、本発明に係るインク受理層には、
上記の界面活性剤の他に、無機顔料、着色染料、着色顔
料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増
白剤、粘度安定剤、及びpH調節剤等の公知の各種添加
剤を添加することもできる。
【0046】また、画像の解像性を向上させるために、
擬ベーマイト状アルミナ水和物の分散液と混合した際
に、凝集等を生じることがなければ、インク受理層に撥
水剤またはサイズ剤を含有することにより、印字ドット
径をコントロールして画像の解像性を向上させることが
できる。これらの撥水剤またはサイズ剤としては、一般
に市販されているものを使用することができる。また、
これらの撥水剤またはサイズ剤の形態は溶液または水系
エマルジョンのどちらでも使用可能である。インク受理
層へのこれらの撥水剤の添加量により印字ドット径をコ
ントロールすることができる。その添加量は各成分や濃
度及び希望する印字ドット径によって異なるが、通常有
効固形成分としてインク受理層の全固形分に対して0.
05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%で
ある。
【0047】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、インク受理層の層構成は、単層であっても積層構成
であっても良い。積層構成の場合、全層が擬ベーマイト
状アルミナ水和物と水溶性バインダーを含む層であって
も良いし、擬ベーマイト状アルミナ水和物以外のアルミ
ナ水和物を包含する擬ベーマイト状アルミナ水和物以外
の成分で構成される層と擬ベーマイト状アルミナ水和物
と水溶性バインダーを含む層との積層構成であっても良
い。
【0048】インク受理層が多層で構成され、その全層
とも擬ベーマイト状アルミナ水和物と水溶性バインダー
を含む層の場合は、各層とも同じ層を積層しても良い
し、異なった特性を有する層を積層しても良い。例え
ば、二層構成の場合、上層にはインク吸収速度を上げる
目的で、細孔径の大きい層を設け、下層には透光性に有
利なようにに細孔径の小さい層を設け、インク吸収速度
と透光性のバランスをとること等、目的に合わせた層構
成にすることができる。
【0049】また、インク吸収容量を上げること等を目
的として、アルミナ水和物と水溶性バインダーを含む層
の下層に、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリド
ン等水溶性樹脂からなるインク受理層を設ける等、目的
に合わせた層構成にすることができる。また、本発明に
係るインク受理層は、支持体の少なくとも片面に設けれ
ば良いが、カールを防止する等の目的で、支持体の両面
に設けても良い。インク受理層を支持体の両面に設ける
場合は、両面のインク受理層の上に本発明に係る保護層
を設ける。
【0050】本発明におけるインク受理層形成用塗液の
塗布方法としては、例えば、スライドホッパー方式、カ
ーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方
式、ロールコーティング方式、及びロッドバーコーティ
ング方式等の通常用いられている塗布方法を用いること
ができる。
【0051】本発明のインクジェット記録シートに係る
支持体としては、例えばポリエステルフィルム、樹脂被
覆紙、コーテッド紙等が主に用いられるが、その他の紙
および合成紙、ガラス、アルミニウム箔、蒸着紙、蒸着
フィルム、不織布、及び布帛等、本発明に係る擬ベーマ
イト状アルミナ水和物からなるインク受理層を設けるこ
とができる支持体であれば、特に限定されるものではな
い。
【0052】また、クッション性や隠蔽性を付与するた
めに、フィルム内部に多数の空洞を含有する空洞含有フ
ィルム、例えば発泡ポリエステルフィルム等も用いるこ
とができる。本発明に用いる支持体として、その厚さは
特に制限されないが、ポリエステルフィルムを用いる際
には、ハンドリング性とプリンターの通紙適性から10
〜200μm程度のものが好ましく、樹脂被覆紙を用い
る際にも、厚さについては特に制限されないが、50〜
300μm程度のものが好ましい。但し、写真の印画紙
の風合いを得るためには200〜300μm程度のもの
が好ましい。
【0053】支持体に用いられるポリエステルフィルム
におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸ま
たはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール等の多価アルコールとを重縮合させて得られる
ものであって、その具体例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート、及びこれらに他成
分を共重合したもの等が挙げられる。ポリエステルフィ
ルムはそれらのポリエステルをフィルム化したものであ
り、通常はロール延伸、テンター延伸、インフレーショ
ン延伸等の処理により、配向処理されることが多い。
【0054】樹脂被覆紙用の原紙は、特に制限はなく、
一般に用いられている紙が使用できるが、好ましくは写
真用支持体に用いられているような平滑な原紙が良い。
原紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パル
プ、及び合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して
用いられる。この原紙には、一般に製紙で用いられてい
るサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白
剤、及び染料等の添加剤が配合される。さらに、その表
面には、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電
防止剤、染料、及びアンカー剤等が塗布されていても良
い。
【0055】また、樹脂被覆紙用の原紙は、抄造中また
は抄造後、カレンダー等にて圧力を印加して圧縮する等
した表面平滑性の良いものが好ましく、JIS−P−8
119で測定したベックの平滑度が200秒以上のもの
が特に好ましい。また、その坪量は30〜250g/m
2が好ましい。
【0056】樹脂被覆紙用の原紙の白色度は、JIS−
P−8123で測定したハンター白色度が65%以上で
あると白色度が高く、高級感のある記録シートが得られ
るが、目的により求める白色度は異なり、天然パルプと
して未晒しパルプを用いた茶褐色の原紙を併用して用い
ても良い。また、染料等の着色剤を用いて着色した原紙
を用いても良い。
【0057】樹脂被覆紙用の被覆樹脂としては、ポリオ
レフィン樹脂が好ましく、特にポリエチレン樹脂が好ま
しい。また、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレンまたはこれらの混合物が使用で
きる。これらのポリエチレン樹脂は、各種の密度及びメ
ルトフローレートを有するものを単独にまたはそれらの
二種以上を混合して用いることができる。樹脂被覆紙の
樹脂層の構成は、単層、二層以上の多層のいずれであっ
ても良い。この場合にも、上記のポリオレフィン樹脂を
単独にまたは二種以上を混合して用いることができる。
また、多層の各層を互いに異なる組成とすることも同一
の組成とすることもできる。多層からなる樹脂層を形成
する方法としては、共押出コーティング法と逐次コーテ
ィング法のいずれを採用しても良い。
【0058】一方、樹脂被覆紙の樹脂層は、膜形成能の
あるラテックス等の樹脂水分散物を塗布することによっ
て形成することができる。例えば、最低成膜温度(MF
T)の低いラテックス等の樹脂水分散物を、樹脂被覆紙
用の原紙に塗布した後、その樹脂水分散物が有する最低
成膜温度以上の温度に過熱することによっても形成する
ことができる。
【0059】樹脂被覆紙における被覆樹脂層の厚みとし
ては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに本
発明に係るインク受理層を設ける側、またはその反対面
の一面のみ、または表裏両面に設けられる。
【0060】樹脂被覆紙の被覆樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、及び炭酸カルシウム等の白色顔
料、ステアリン酸アミド及びアラキジン酸アミド等の脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウム等の
脂肪酸金属塩、コバルトブルー、群青、セシリアンブル
ー、フタロシアニンブルー等のブルーの顔料や染料、コ
バルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン
紫等のマゼンタの顔料や染料、テトラキス[メチレン−
3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン等の酸化防止剤、蛍
光増白剤、及び紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組
み合わせて加えることができる。
【0061】一方、本発明に係るパールネックレス状の
シリカ粒子を含んだ保護層及び擬ベーマイト状アルミナ
水和物からなるインク受理層は、上述したように、双方
共に実用上透光性の層を形成することが可能であるか
ら、透光性の支持体にこれらの層を設けることで、OH
Pフィルムとして使用可能な、透光性のインクジェット
記録シートが得られる。
【0062】本発明において、OHPフィルムとして使
用可能なインクジェット記録シートを構成する際に用い
る支持体は、JIS−K−7105によるヘーズが3.
0以下の透明支持体であることが好ましい。また、この
支持体上に本発明に係るインク受理層と保護層とを設け
たインクジェット記録シートにおいては、JIS−K−
7105によるヘーズが10.0以下であることが好ま
しい。
【0063】尚、本発明において、OHPフィルムとし
ての光透過性をヘーズで規定するのは、ヘーズはJIS
−K−7105によれば、積分球式光線透過率測定装置
を用いて、拡散透過率及び全光線透過率を測定し、その
比によって表すとしており、OHPフィルムとして使用
する際の光透過性は、単に全光線透過率だけで表現する
よりも、ヘーズの方が人の感覚に近いことによる。
【0064】OHPフィルム等の透光性を要求される記
録シートにおいて、用いる支持体の厚さは特に制限する
必要はないが、ハンドリング性とプリンターの通紙適性
から50〜200μm程度のものが好ましい。
【0065】本発明における支持体には、インク受容層
と支持体との接着性向上等の目的でアンカー層を設けて
も良い。アンカー層にはゼラチン等の親水性バインダ
ー、ブチラール等の溶剤可溶性バインダー、ラテック
ス、硬化剤、顔料、及び界面活性剤等を適宜組み合わせ
て添加せしめることができる。
【0066】また、本発明における支持体には、帯電防
止性、搬送性、カール防止性、筆記性、及び糊付け性等
のために、各種のバックコート層を塗設することができ
る。バックコート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防
止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、
滑剤、及び界面活性剤等を適宜組み合わせて添加せしめ
ることができる。
【0067】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
【0068】実施例および比較例にもちいたシリカ粒子
が、パールネックレス状であるかどうかの判定は電子顕
微鏡像でおこなった。前述したように、パールネックレ
ス状粒子の全投影面積に対する円状部分の内接円面積の
合計の比率(以下、この比率を球状比率と記す)が80
%以上となる場合、パールネックレス状であるとした。
【0069】<インク受理層の作製>市販のコロイダル
アルミナ(触媒化成製、カタロイドAS−3)をスプレ
ードライヤー(入口温度200℃、出口温度80℃)で
乾燥させ、擬ベーマイト状アルミナ水和物の粉体を得
た。この擬ベーマイト状アルミナ水和物20重量部にイ
オン交換水60重量部を加え、固形分濃度25重量%の
アルミナゾルを得た。このアルミナゾル100重量部に
ポリビニルアルコール10重量%水溶液(日本合成化学
製、GH−23)20重量部を加えて撹拌し、インク受
理層用塗液を調製した。この塗液を厚さ100μmのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムにワイヤ
ーバーを用いて乾燥塗工量が35g/m2になるように
塗工、130℃熱風乾燥して「インク受理層」を得た。
PETフィルムとしては透明フィルム、白色フィルムの
両方を使用した。以下の各実施例では透明品、白色品の
両方を作製し、評価をおこなった。
【0070】実施例1 市販のパールネックレス状コロイダルシリカ(日産化学
製、スノーテックスPS−M、SiO2濃度20重量
%、粒子径18〜23nmの球状一次粒子が結合した粒
子径100〜200nm、球状比率90%のパールネッ
クレス状粒子)100重量部にポリビニルアルコール1
0重量%水溶液(クラレ製、PVA−117)10重量
部を加えて撹拌し、塗液を調製した。この塗液を「イン
ク受理層」上にワイヤーバーを用いて乾燥塗工量が0.
5g/m2となるように塗工、130℃熱風乾燥して実
施例1のインクジェット記録シートを得た。
【0071】実施例2 市販のパールネックレス状コロイダルシリカ(日産化学
製、スノーテックスPS−L、SiO2濃度35重量
%、粒子径35〜40nmの球状一次粒子が結合した粒
子径100〜200nm、球状比率90%のパールネッ
クレス状粒子)100重量部に珪素変性ポリビニルアル
コール10重量%水溶液(クラレ製、R−1130)5
重量%を加えて撹拌し、塗液を調製した。この塗液を
「インク受理層」上にワイヤーバーを用いて乾燥塗工量
が0.5g/m2となるように塗工、130℃熱風乾燥
して実施例2のインクジェット記録シートを得た。
【0072】実施例3 市販の球状コロイダルシリカ(日産化学製、スノーテッ
クスS、粒子径8〜11nm)に水を加えてSiO2
度5重量%とした。このシリカゾル2000重量部に1
0重量%の塩化カルシウム水溶液8.0重量部を攪拌下
に添加し、攪拌下で130℃、6時間加熱した。これを
限外濾過装置でSiO2濃度20.0重量%まで濃縮
し、シリカゾルを得た。得られたシリカゾルのシリカ粒
子を電子顕微鏡写真で観察すると、粒径8〜11nmの
球状一次粒子が結合した100〜200nm、球状比率
80%のパールネックレス状の形状をしていた。
【0073】こうして得られたシリカゾル100重量部
にポリビニルアルコール10重量%水溶液(クラレ製、
PVA−117)10重量部を加えて撹拌し、塗液を調
製した。この塗液を「インク受理層」上にワイヤーバー
を用いて乾燥塗工量が0.5g/m2となるように塗
工、130℃熱風乾燥して実施例3のインクジェット記
録シートを得た。
【0074】実施例4 市販の球状コロイダルシリカ(日産化学製、スノーテッ
クスXL、粒子径40〜60nm)に水を加えてSiO
2濃度5重量%とした。このシリカゾル2000重量部
に10重量%の塩化カルシウム水溶液2.0重量部を攪
拌下に添加し、攪拌下で130℃、6時間加熱した。こ
れを限外濾過装置でSiO2濃度20.0重量%まで濃
縮し、シリカゾルを得た。得られたシリカゾルのシリカ
粒子を電子顕微鏡写真で観察すると、粒径40〜60n
mの球状一次粒子が結合した100〜200nm、球状
比率85%のパールネックレス状の形状をしていた。
【0075】こうして得られたシリカゾル100重量部
にポリビニルアルコール10重量%水溶液(クラレ製、
PVA−117)10重量部を加えて撹拌し、塗液を調
製した。この塗液を「インク受理層」上にワイヤーバー
を用いて乾燥塗工量が0.5g/m2となるように塗
工、130℃熱風乾燥して実施例4のインクジェット記
録シートを得た。
【0076】実施例5 市販の球状コロイダルシリカ(日産化学製、スノーテッ
クス50、粒子径20〜30nm)に水を加えてSiO
2濃度5重量%とした。このシリカゾル2000重量部
に10重量%の塩化カルシウム水溶液10.0重量部を
攪拌下に添加し、攪拌下で130℃、6時間加熱した。
これを限外濾過装置でSiO2濃度20.0重量%まで
濃縮し、シリカゾルを得た。得られたシリカゾルのシリ
カ粒子を電子顕微鏡写真で観察すると、粒径20〜30
nmの球状一次粒子が結合した200〜400nm、球
状比率83%のパールネックレス状の形状をしていた。
【0077】こうして得られたシリカゾル100重量部
にポリビニルアルコール10重量%水溶液(クラレ製、
PVA−117)10重量部を加えて撹拌し、塗液を調
製した。この塗液を「インク受理層」上にワイヤーバー
を用いて乾燥塗工量が0.5g/m2となるように塗
工、130℃熱風乾燥して実施例5のインクジェット記
録シートを得た。
【0078】実施例6 市販の球状コロイダルシリカ(日産化学製、スノーテッ
クス50、粒子径20〜30nm)に水を加えてSiO
2濃度5重量%とした。このシリカゾル2000重量部
に10重量%の塩化カルシウム水溶液0.5重量部を攪
拌下に添加し、攪拌下で130℃、6時間加熱した。こ
れを限外濾過装置でSiO2濃度20.0重量%まで濃
縮し、シリカゾルを得た。得られたシリカゾルのシリカ
粒子を電子顕微鏡写真で観察すると、粒径20〜30n
mの球状一次粒子が結合した40〜100nm、球状比
率83%のパールネックレス状の形状をしていた。
【0079】こうして得られたシリカゾル100重量部
にポリビニルアルコール10重量%水溶液(クラレ製、
PVA−117)10重量部を加えて撹拌し、塗液を調
製した。この塗液を「インク受理層」上にワイヤーバー
を用いて乾燥塗工量が0.5g/m2となるように塗
工、130℃熱風乾燥して実施例6のインクジェット記
録シートを得た。
【0080】比較例1 市販の鎖状コロイダルシリカ(日産化学製、スノーテッ
クスUP、SiO2濃度20〜21重量%)100重量
部にポリビニルアルコール10重量%水溶液(クラレ
製、PVA−117)10重量部を加えて撹拌し、塗液
を調製した。この塗液を「インク受理層」上にワイヤー
バーを用いて乾燥塗工量が0.5g/m2となるように
塗工、130℃熱風乾燥して比較例1のインクジェット
記録シートを得た。
【0081】比較例2 市販の球状コロイダルシリカ(日産化学製、スノーテッ
クス20、SiO2濃度20〜21重量%)100重量
部にポリビニルアルコール10重量%水溶液(クラレ
製、PVA−117)10重量部を加えて撹拌し、塗液
を調製した。この塗液を「インク受理層」上にワイヤー
バーを用いて乾燥塗工量が0.5g/mとなるように
塗工、130℃熱風乾燥して比較例2のインクジェット
記録シートを得た。
【0082】以上のようにして作製した実施例1〜6、
比較例1〜2のインクジェット記録シートについて、
「耐擦傷性」「インク吸収性」「ヘーズ」の項目で評価
を行った。
【0083】「耐擦傷性」の評価は摩擦試験機(スガ試
験機株式会社製)を使用し、シートの塗工面に400g
の荷重で木綿のガーゼを押しつけて100回摩擦試験を
行い、傷が全く生じなかったものを「○」とした。ま
た、100回摩擦試験では多少傷が生じたが、20回摩
擦試験では全く傷が生じなかったものを「△」、20回
でも傷の生じたものを「×」とした。
【0084】「インク吸収性」の評価はインクジェット
プリンター(セイコーエプソン製、PM−750C)を
用いて印字を行い、その品質を見て判定した。「○」の
ものは優れた印字像が得られた。「△」は実用上は問題
ないが、「○」のものと比較すると劣っていた。「×」
のものは印字品質が悪く、実用上問題のあるレベルであ
った。
【0085】「ヘーズ」の評価は、透明PETを基材と
したインクジェット記録シートに関して、日本電色工業
製「NDH−300A」(JIS−K−7105準拠)
を用いて測定した。
【0086】「60度鏡面光沢」の評価は、白色PET
を基材としたインクジェット記録シートに関して、日本
電色工業製「VGS−300A」(JIS−Z−874
1準拠)を用いて、インクジェット記録シートの白紙
部、すなわち印字を行っていない部分を測定した。
【0087】
【表1】
【0088】耐擦傷性に関しては、パールネックレス状
シリカ粒子を用いたものはいずれも良好であった。比較
例1および2は被膜の強度が不十分であった。
【0089】インク吸収性に関しては、実施例1、2、
4、5が特に優れていた。比較例1および2は保護層が
インク吸収を阻害していた。
【0090】ヘーズに関しては、実施例1、2、3、6
が特に優れていた。
【0091】以上、表1より明らかなように、本発明の
パールネックレス状シリカ粒子を用いた保護層を設ける
ことにより、優れた耐擦傷性、インク吸収性、発色性、
被膜の透明性、表面光沢を有するインクジェット記録シ
ートが得られた。また、パールネックレス状シリカ粒子
の球状一次粒子の粒子径が18〜40nm、パールネッ
クレス状シリカ粒子の粒子径が100〜200nmの場
合に特に良好な結果が得られた。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、表面の耐擦傷性に優
れ、かつ高い表面光沢や優れたインク吸収性、発色性を
有するインクジェット記録シートを得ることできる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に擬ベーマイト状アルミナ水和
    物を主成分とするインク受理層を設けたインクジェット
    記録シートであって、該インク受理層の上にパールネッ
    クレス状の形状を有するシリカ粒子を含む保護層を有す
    ることを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 上記パールネックレス状のシリカ粒子
    が、粒子径5nm以上100nm以下の球状一次粒子が
    複数個結合して30nm以上800nm以下の粒子径を
    有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    記録シート。
  3. 【請求項3】 上記パールネックレス状のシリカ粒子
    が、粒子径8nm以上60nm以下の球状一次粒子が複
    数個結合して80nm以上500nm以下の粒子径を有
    することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録シート。
JP10286656A 1998-10-08 1998-10-08 インクジェット記録シート Pending JP2000108505A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10286656A JP2000108505A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 インクジェット記録シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10286656A JP2000108505A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 インクジェット記録シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000108505A true JP2000108505A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17707263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10286656A Pending JP2000108505A (ja) 1998-10-08 1998-10-08 インクジェット記録シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000108505A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7655287B2 (en) 2003-03-31 2010-02-02 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Inkjet recording medium
WO2019188822A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 リンテック株式会社 積層体及び工程紙
WO2019188823A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 リンテック株式会社 積層体及び工程紙

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7655287B2 (en) 2003-03-31 2010-02-02 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Inkjet recording medium
WO2019188822A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 リンテック株式会社 積層体及び工程紙
WO2019188823A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 リンテック株式会社 積層体及び工程紙
JPWO2019188823A1 (ja) * 2018-03-29 2021-03-18 リンテック株式会社 積層体及び工程紙
JPWO2019188822A1 (ja) * 2018-03-29 2021-03-25 リンテック株式会社 積層体及び工程紙
JP7203089B2 (ja) 2018-03-29 2023-01-12 リンテック株式会社 積層体及び工程紙
JP7203090B2 (ja) 2018-03-29 2023-01-12 リンテック株式会社 積層体及び工程紙

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0893270B1 (en) Ink jet recording sheet
JPH11348410A (ja) インクジェット記録用紙
EP1184192B1 (en) Ink jet printing method
JP4266494B2 (ja) 記録媒体とその製造方法およびそれを用いた画像形成方法
JP3929379B2 (ja) 両面インクジェット記録シート
JP2007055237A (ja) 被記録媒体
JP3743481B2 (ja) インクジェット用被記録材料
JP3587278B2 (ja) インクジェット記録シート
JP2000108505A (ja) インクジェット記録シート
JPH1134484A (ja) インクジェット用被記録材料
JP4047597B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP3617756B2 (ja) インクジェット記録シート
US20020051047A1 (en) Recording medium, image-forming method using the same and method of manufacturing such recording medium
JPH11198520A (ja) インクジェット用被記録材および画像形成方法
JP4165969B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP3842832B2 (ja) インクジェット用被記録材
JP3911077B2 (ja) インクジェット用被記録材料
JP2005280311A (ja) インクジェット記録媒体及びその記録物
JP3685573B2 (ja) インクジェット用被記録材料
JP3923219B2 (ja) インクジェット用記録媒体およびその製造方法
JP2001277701A (ja) カットシート状インクジェット記録媒体
JP2003025711A (ja) インクジェット用記録材料
JP2001096908A (ja) インクジェット記録シート
JPH1191238A (ja) インクジェット用被記録材の製造方法
JPH10287038A (ja) インクジェット用被記録材の製造方法