JPH1134484A - インクジェット用被記録材料 - Google Patents
インクジェット用被記録材料Info
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- JPH1134484A JPH1134484A JP9197296A JP19729697A JPH1134484A JP H1134484 A JPH1134484 A JP H1134484A JP 9197296 A JP9197296 A JP 9197296A JP 19729697 A JP19729697 A JP 19729697A JP H1134484 A JPH1134484 A JP H1134484A
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Abstract
なインク吸収性を示し、色味の変化がなく、長期の保存
でも変色がなく、且つ透明性が高いインクジェット用被
記録材料を提供することである。 【解決手段】アルミナ水和物とバインダーからなるイン
クジェット用被記録材料において、インク吸収層の表面
pHを4.0以上5.4以下の範囲とすることにより、
画像濃度、解像度が高く、色調が鮮明で、良好なインク
吸収性を示し、色味の変化がなく、長期の保存でも変色
のないインクジェット用被記録材料を得ることができ
た。アルミナ水和物としては平均アスペクト比3〜7、
細孔半径2nm以上10nm以下の範囲の細孔容積が
0.1ml/g以上の平板状擬ベーマイト構造のアルミ
ナ水和物が好ましく、バインダーとしては重合度200
0以上、ケン化度が88%以上100%未満のポリビニ
ルアルコールが好ましい。
Description
録方式を利用したプリンターやプロッターに使用される
被記録材料に関するものであり、画像濃度、解像度が高
く、色調が鮮明で、良好なインク吸収性を示し、色味の
変化がなく、長期の保存でも変色がなく、且つOHP
(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルムとしても
使用可能な透明性が高い被記録材料に関するものであ
る。
ッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高
精細な画像が容易に得られるようになってきた。これに
伴い、従来からあるインクジェット記録用の上質紙や塗
工紙以外のインクジェット用被記録材料の開発が切望さ
れている。
理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の被記録材
料に付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。
インクジェットプリンターやプロッターは、高速印字性
や低騒音性に優れ、記録パターンの融通性が大きく、現
像−定着が不要等の特長があり、複雑な画像を正確、且
つ迅速に形成することができる点で注目されている。特
にコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画
像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途にお
いて、近年急速に普及している。又、複数個のインクノ
ズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易
である。多色インクジェット方式により、形成されるカ
ラー画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式
による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可
能であり、更に作成部数が少ない用途においては、印刷
技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応
用されつつある。
細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安
価で市販されている。インクジェット用被記録材料は、
銀塩写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に
安価であることから、大面積の画像が必要な電飾看板や
商品見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとっ
て経済的に大きなメリットがある。また、最近一般的に
なってきたパーソナルコンピューター上で画像を作成、
プリントアウトし、これを見ながら配色やレイアウトを
訂正することは従来の銀塩写真方式では全く無理であっ
たが、インクジェット記録ではこのような操作が気軽に
できるという長所もある。
利用分野として、最近、特に注目されているものとして
は、写真に近い画質が要求される印刷分野におけるカラ
ー版下の作製やデザイン部門でのデザインイメージのア
ウトプット等のフルカラー画像記録等や、コンピュータ
ーで作成した画像情報をインクジェットプリンターによ
り透明な被記録材料に記録し、会議のプレゼンテーショ
ン等にてOHPで利用する等がある。
ロッターの利用分野からの要望や、インクジェットプリ
ンターやプロッターの普及に伴い、被記録材料に対する
要望が多様化し、例えば、銀塩カラー写真並の高い光沢
表面を有する、優れた外観適性を備えた被記録材料、O
HPフィルムとして使用可能な透明性の高い被記録材料
等が要望されている。
録材料としては、通常の印刷、或いは筆記用上質紙やコ
ーテッド紙を用いることができるように、装置やインク
組成の面から努力がなされてきた。しかし、記録の高速
化・高精細化、或いはフルカラー化等インクジェット記
録装置、記録方法の性能の向上や用途の拡大に伴い、被
記録材料に対しても、より高度な特性が要求されるよう
になってきた。即ち、当該被記録材料としては、印字ド
ットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、イ
ンクの吸収が速くて、印字ドットが重なった場合におい
てもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ド
ットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周
辺が滑らかでぼやけないこと等が要求される。特に、カ
ラー記録の場合は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラ
ックの単色記録だけでなく、これらの色を重ねる重色記
録がなされ、インク付着量が更に多くなるために極めて
厳しい性能が要求される。
は、例えば特開昭55−51583号、同56−157
号、同57−107879号、同57−107880
号、同59−230787号、同62−160277
号、同62−184879号、同62−183382
号、同64−11877号公報等に見られるシリカ等含
珪素顔料を水系バインダーとともに紙表面に塗工して得
られる被記録材料が提案されているが、これらの例で用
いられているシリカ等の顔料微粒子は吸油量が大きく、
これらを使用した被記録材料は一般にインクの吸収容量
および吸収速度の点ではある程度のレベルに達するもの
であるが、シリカ等の無機顔料を多量に塗工層中に導入
する必要があることから、被記録材料自体の表面光沢が
低下するという欠点を有する。光沢性を改善する目的で
シリカに替えてコロイダルシリカを使用すると先の特開
昭56−157号公報に記載されているようにインクの
吸収性を悪くするため好ましくない。
被記録材料としては、塗層が湿潤状態にある間にキャス
ト仕上げして得られるキャスト塗被紙が特開平6−32
0857号公報等に記載されているが、銀塩写真と比較
するとその表面光沢は極めて低く、銀塩写真の質感が得
られるものではない。
ット用被記録材料としては、支持体上に樹脂からなるイ
ンク吸収層を設けたものが提案されている。こうした用
途に使用される樹脂の例としては、例えば特開昭57−
38185号、同62−184879号公報等に示され
るポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル共重合体、特開昭60−168651号、同60−1
71143号、同61−134290号公報に示される
ポリビニルアルコールを主体とする樹脂組成物、特開昭
60−234879号公報に示されるビニルアルコール
とオレフィンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重
合体、特開昭61−74879号公報に示されるポリエ
チレンオキサイドとイソシアネートとの架橋物、特開昭
61−181679号公報に示されるカルボキシメチル
セルロースとポリエチレンオキサイドとの混合物、特開
昭61−132377号公報に示されるポリビニルアル
コールにメタクリルアミドをグラフト化したポリマー、
特開昭62−220383号公報に示されるカルボキシ
ル基を有するアクリル系ポリマー、特開平4−2143
82号公報等に示されるポリビニルアセタール系ポリマ
ー、特開平4−282282号、同4−285650号
公報に示される架橋性アクリル系ポリマー等種々のイン
ク吸収性ポリマーが提案されている。また、特開平4−
282282号公報、特開平4−285650号公報等
には架橋性ポリマーから構成されるポリマーマトリック
スと吸収性ポリマーとを混合させた被記録材料が提案さ
れているが、樹脂からなるインク吸収層は、シリカ等の
顔料微粒子からなるインク吸収層と比較して、吸収速度
が遅いという欠点を有する。
高めたインクジェット用被記録材料としては、近年、ア
ルミナ水和物を用いたインクジェット用被記録材料が提
案されており、例えば、特開昭60−232990号、
同60−245588号公報、特公平3−24906号
公報、特開平2−276670号、同3−215082
号、同4−37576号、同4−67986号、同5−
16517号、同5−24335号、同5−32037
号、同5−50739号、同5−286228号、同5
−301441号、同6−48016号、同6−558
29号、同6−183126号、同6−184954
号、同6−199034号、同6−199035号、同
6−218324、同6−255235号、同6−26
2844号、同6−270530号、同6−28629
7号、同6−297831号、同6−297832号、
同6−316145号、同7−68919号、同7−6
8920号、同7−76161号、同7−76162
号、同7−82694号、同7−89221号公報等に
記載されているように微細なアルミナ水和物を水溶性バ
インダーとともに支持体表面に塗工したインクジェット
用被記録材料が開示されている。いずれもインク吸収
性、解像性、画像濃度、色彩性、インク吸着性、透明性
等の改良に関するものであり、ここでインクの吸収性が
良好で、且つ色素定着性の良好な無機の多孔質層を有す
るインクジェット用被記録材料を得るには、インク吸収
層は、特開平5−24335号公報に記載されているよ
うに、塗工量が20g/m2程度以上でなければインク
吸収容量が充分ではなく、厚膜塗布により吸収容量を確
保することができるが、厚膜塗布をすると乾燥時にイン
ク吸収層にクラックが非常に発生しやすくなり、この乾
燥時のクラックの発生を抑制することが必要となる。
布乾燥時の塗膜のクラックを抑制する方法としては、特
開平7−76161号公報に記載されているような、ポ
リビニルアルコールをバインダーとして用い、ホウ酸ま
たはホウ酸塩でバインダーのポリビニルアルコールをゲ
ル化させ、塗膜の強度を向上させることによって、クラ
ックを抑制する方法が提案されている。しかしながら、
成膜性の悪いアルミナ水和物では、ホウ酸又はホウ酸塩
の添加量を増やさなければクラックを抑制することがで
きないが、ホウ酸又はホウ酸塩の添加量が多いと、塗液
の粘度の経時変化を避けることができず、塗工の安定性
が悪くなる。また、ゲル化生成物が塗工筋の原因となる
等、面質悪化の原因にもなり、更にインク吸収性も悪化
する。特開平6−218324号公報には、アルミナ水
和物からなる塗液を支持体上に塗布し、溶媒の除去の前
にアンモニアガスを吹き付け、ゲル化させる方法が提案
されている。しかしながら、アンモニアガスは腐食性が
強いだけでなく、爆発性もあり危険である。また、余剰
のアンモニアガスを回収する必要もあり、操作および設
備の簡便さの点で望ましくない。上述の問題点を解決す
る方法として、特開平7−89221号公報には、アル
ミナ水和物とゼラチンからなるインク吸収層を有するイ
ンクジェット用被記録材料が提案されている。この方法
は温水に溶解したゼラチン溶液が、低温でゲル化する性
質を利用したものである。しかしながら、この方法では
加温できる特殊なカーテンコーターが必要であること、
溶媒を除去する乾燥ゾーンの前にゼラチンをゲル化させ
るための冷却ゾーンが必要であること等、操作および設
備の簡便さの点で望ましくない。また、乾燥温度を高く
するとゲル化したゼラチンが再溶解するため、低温で塗
工速度を下げて乾燥させる必要があり、生産性の点から
も望ましくない。
232474号、同7−232475号公報に記載され
ているようにアスペクト比3〜10の平板状の非晶質構
造のアルミナ水和物を用いたインクジェット用被記録材
料が開示されている。しかしながら、これらの中では擬
ベーマイト構造のアルミナ水和物よりも細孔容積の小さ
な非晶質構造のアルミナ水和物を使用しているため、よ
りインク吸収性が良好なインクジェット用被記録材料を
得るには、インク吸収容量が少なくなるため好ましくな
い。
インクジェット用被記録材料では、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、塩化ビニル樹脂等からなるファイルに長期
保存したり、テープ、糊、プリンターのプラテンゴムロ
ール等に長く接触させると、記録シートの端部や接触部
が黄変化を起こし、外観を著しく損なうという問題があ
る。
ンやポリプロピレン等のファイル、テープ粘着剤、糊、
ゴム等に含まれる酸化防止剤が、インク吸収層に吸着さ
れ、記録シート上で酸化されるためと考えられる。ポリ
エチレンやポリプロピレン等には、ブチルヒドロキシト
ルエン等の分子内にフェノール基を有する酸化防止剤を
練り込んでいるものが多く、これらのフェノール系酸化
防止剤が酸化され、キノン構造をとると黄色くなること
は良く知られている。
6−286297号、同6−316145号、同7−6
8920号公報にはそれぞれ鎖式多価カルボン酸、芳香
核を有する有機酸、蛍光増白剤を含有する多孔質インク
受理層を有するインクジェット用被記録材料が開示され
ている。いずれも長期保存による変色の改良に関するも
のであるが、これら添加物の明確な作用については明ら
かにされておらず、またこれらの添加物は添加量が多過
ぎるとインクの吸収性が悪くまたインクの色味が変化し
てしまい、良好なカラー画像を得ることができなくなる
ので望ましくない。
尿素誘導体、セミカルバジド誘導体、カルボヒドラジド
誘導体およびヒドラジン誘導体などの1種類以上を添加
した多孔質インク受理層、特開平7−314883号公
報にはチオ尿素誘導体、チオセミカルバジド誘導体およ
びチオカルボヒドラジド誘導体などの1種類以上を添加
した多孔質インク受理層を有するインクジェット用被記
録材料がそれぞれ開示されている。いずれもの長期保存
による変色の改良に関するものであるが、これらの添加
物も添加量が多過ぎるとインクの吸収性が悪くまたイン
クの色味が変化してしまい、良好なカラー画像を得るこ
とができなくなるので望ましくない。
濃度、解像度が高く、色調が鮮明で、良好なインク吸収
性を示し、色味の変化がなく、長期の保存でも変色のな
いインクジェット用被記録材料を提供することである。
べる手段によって解決される。すなわち、支持体上に擬
ベーマイト構造を有するアルミナ水和物とバインダーか
らなるインク吸収層を設けたインクジェット用被記録材
料において、該インク吸収層の表面pHを4.0以上
5.4以下の範囲とすることにより、画像濃度、解像度
が高く、色調が鮮明で、良好なインク吸収性を示し、色
味の変化がなく、長期の保存でも変色のないインクジェ
ット用被記録材料を提供することができる。
ンクジェット用被記録材料において平均アスペクト比3
〜7、細孔半径2nm以上10nm以下の範囲の細孔容
積が0.1ml/g以上の平板状である擬ベーマイト構
造を有するアルミナ水和物とバインダーを含有せしめる
ことにより、インク吸収層を形成させることを特徴とす
るインクジェット用被記録材料である。
ンクジェット用被記録材料において、上記擬ベーマイト
構造のアルミナ水和物と重合度2000以上、ケン化度
が88%以上100%未満のポリビニルアルコールから
なる塗工液を支持体上に塗布し、インク吸収層を形成さ
せることを特徴とするインクジェット用被記録材料であ
る。
以上5.4以下の範囲とする手段として、種々の酸類を
使用することができる。このような酸類としては、蟻
酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マ
ロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、
アスパラギン酸、グルタミン酸、ピメリン酸、及びスベ
リン酸等の有機酸や、塩酸、硝酸、及び燐酸等の無機酸
などを挙げることができるが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
ンク吸収層の表面pHが4.0以上5.4以下の範囲に
なる様にインクジェット用被記録材料のインク吸収層の
厚さや、各種酸類の酸性の程度を考慮して添加量を決め
る必要がある。表面pHが4.0より低い場合、インク
の色味が変化してしまい、良好なカラー画像を得ること
ができなくなるので望ましくない。また表面pHが5.
4より高い場合には、効果を十分に発現することができ
ず、長期の保存では変色するおそれがあるので好ましく
ない。より好ましいインク吸収層の表面pHは4.0以
上4.6以下である。
これらの酸を適当な溶媒に溶解した溶液を浸漬、または
スプレー等で付与する方法や、あらかじめインク吸収層
を形成させる原料に混合させておく方法等があるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
日本紙パルプ技術協会(J’TAPPI)の定めた紙面
pHの測定法のうちA法(塗布法)に当たる(株)共立
理化学研究所の紙面用pH測定セット(形式MPC)を
使用して測定を行うことができる。
とができる。
和物を表し、nが1を超え3未満である場合は擬ベーマ
イト構造のアルミナ水和物を表し、nがそれ以上になる
場合は非晶質構造のアルミナ水和物を表す。すなわち、
本発明に用いるアルミナ水和物は、少なくともnが1を
超え3未満のアルミナ水和物である。
は、平均アスペクト比3〜7の平板状の擬ベーマイト構
造を有するアルミナ水和物が好ましい。より好ましく
は、平均アスペクト比3〜5の平板状擬ベーマイトアル
ミナ水和物が望ましい。アスペクト比は粒子の「厚さ」
に対する「直径」の比で表される。ここで「直径」と
は、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子
の投影面積に等しい円の直径を示す。アスペクト比が上
記範囲より小さい場合には、インク受像層の細孔径分布
が狭くなってインク吸収性が悪くなり、またアスペクト
比が上記範囲より大きくなるようなアルミナ水和物は、
粒径を揃えて製造することが困難であり、また塗膜の透
明性も悪くなる。
ない平板状の形状が有ることが知られている。本発明者
らの知見としては、この平板状のアルミナ水和物は毛束
(柱)状のものよりも分散性が良く、インク吸収層を形
成させた場合、インクの吸収性を阻害することもなく、
クラックが入りにくいインク吸収層を得ることができ成
膜性に優れているが、毛束状のものはクラックが入りや
すく、インク吸収層の成膜性が悪い。
有するには、アルミナ水和物の平均細孔半径が1〜10
nmであることが好ましく、特に2〜7nmであること
が好ましい。細孔半径が小さすぎるとインクを吸収し難
くなる。また、細孔半径が大きすぎると、インク中の染
料の定着が悪くなり画像のにじみが発生する。
有するには、アルミナ水和物の細孔容積は0.1〜0.
8ml/gの範囲であることが好ましく、特に0.4〜
0.6ml/gの範囲であることが好ましい。インク吸
収層の細孔容積が大きい場合にはインク吸収層にクラッ
クや粉落ちが発生することがあり、小さい場合にはイン
クの吸収が遅くなる傾向がある。また細孔半径2nm〜
10nmの細孔容積は0.1ml/g以上が望ましい。
この範囲以外ではインク中の染料の吸着が悪くなるため
好ましくない。さらにインク吸収層の単位面積当たりの
溶媒吸収量は5ml/m2以上、特に10ml/m2以上
であることが好ましい。単位面積当たりの溶媒吸収量が
小さい場合には、特に多色印字を行った場合にインクが
溢れることがある。
吸収し、定着するにはBET比表面積が70〜300m
2/gの範囲であることが好ましい。BET比表面積が
大きすぎると細孔径分布が大きい方に片よって、インク
中の染料の定着の効率が悪くなり画像のにじみが発生す
る。逆にBET比表面積が小さすぎるとアルミナ水和物
の分散が困難になる。
めには、アルミナ水和物の表面水酸基の数は1020個/
g以上であることが好ましい。表面水酸基の数が少ない
と、アルミナ水和物が凝集しやすくなり、分散液の濃度
を上げるのが困難になる。
せるために、通常は種々の酸類が分散液に添加される。
このような酸類としては、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢
酸、蟻酸、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等を挙げるこ
とができるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
ソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分
解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸
塩の加水分解等公知の方法によって製造することができ
る。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容
積、比表面積、表面水酸基の数等は、析出温度、熟成時
間、液pH、液濃度、共存塩類等によって制御すること
ができる。
昭57−88074号、同62−56321号、特開平
4−275917号、同6−64918号、同7−10
535号、同7−267633号公報、米国特許第2,
656,321号明細書、Am.Ceramic So
c.Bull.,54,289(1975)等にアルミ
ニウムアルコキシドを加水分解する方法が開示されてい
る。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプ
ロポキシド、プロポキシド、2−ブトキシド等が挙げら
れる。この方法では非常に純度の高いアルミナ水和物を
得ることができる。
は、特開昭54−116398号、同55−23034
号、同55−27824号、同56−120508号公
報に例示されている如きアルミニウムの無機塩またはそ
の水和物を原料として得る方法が一般的である。これら
の無機塩としては、例えば塩化アルミニウム、硝酸アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、
アンモニウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、アル
ミン酸カリウム、水酸化アルミニウム等の無機塩等、お
よびこれら無機塩の水和物等を挙げることができる。
法として、公知の製造方法の具体例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
アルミニウム、塩化アルミニウム等の酸性のアルミニウ
ム塩水溶液と、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、アンモニア水等の塩基性水溶液との中和反応によっ
てアルミナ水和物を製造することができる。この場合、
液中に生成するアルミナ水和物の量が5重量%を超えな
い範囲で混合し、pHは6〜10、温度20〜100℃
の条件下で反応させることが一般的である。また、特開
昭56−120508号公報に記載されている如きpH
を酸および塩基側に交互に変動させ、アルミナ水和物の
結晶を成長させる方法、特公平4−33728号公報に
記載されている如き、アルミニウムの無機塩から得られ
るアルミナ水和物と、バイヤー法で得られるアルミナと
を混合し、アルミナを再水和する方法等によっても製造
することができる。
は、重合度2000以上、ケン化度が88%以上100
%未満のポリビニルアルコールが、アルミナ水和物との
混合性、塗液粘度の調整、および成膜性等の点で特に好
ましい。重合度2000未満のポリビニルアルコールを
用いた場合、塗膜強度が弱いため、クラックが入りやす
くなる。また、ケン化度が88%未満の場合、塗膜強度
が弱くなりクラックが入りやすくなる。さらにケン化度
が100%だとアルミナ水和物との反応性が高いため、
塗工液がゲル化しやすくなるため好ましくない。
以外にも、でんぷんおよびその変性物、ゼラチンおよび
それらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、
カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはこれ
らの誘導体、カチオン変性、シラノール変性等のポリビ
ニルアルコールの変性物、SBRラテックス、NBRラ
テックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス類、
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニル
ポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸または
その共重合体等を挙げることができるが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。また、これらのバインダ
ーを併用する場合も、バインダーの総量が、アルミナ水
和物に対して、5〜20重量%であることが好ましく、
特に8〜15重量%であることが好ましい。上記範囲以
下ではインク吸収層の成膜性が悪くなり、塗膜のクラッ
クや粉落ちが発生しやすくなり、上記範囲より多い場合
にはインク吸収層の細孔容積が少なくなりインクの吸収
性が悪化する。
ると経時により増粘したり、チキソトロピー性がでたり
する傾向がみられるが、塗工液温度を制御することで塗
液の粘度の経時変化を避けることができ、塗工の安定性
が良くなり塗工面質を良好に保つことができる。塗工液
温度は20℃〜70℃、好ましくは40℃〜50℃が望
ましい。20℃未満では塗液のチキソトロピー性が強い
ため塗工しにくくなり、また70℃より高いと塗工液の
表面が乾燥し、それが塗工筋の原因となるため好ましく
ない。
置、塗工液温度、粘度等)および乾燥条件(乾燥温度、
乾燥時間、温度勾配、風量、風の当て方、湿度等)によ
ってインク吸収層の物性を制御することができる。
性にもよるが60〜200℃、好ましくは70〜150
℃のするのが良い。さらにインク吸収層が十分に乾燥し
た後に、支持体に悪影響を与えない範囲で熱処理を行う
とインク吸収性が良くなり、さらにインク吸収層の耐水
性も良くなる。熱処理する温度は基材にもよるが100
〜200℃、好ましくは120〜150℃が良い。
料を製造する場合に、用いられる支持体としては、例え
ば熱可塑性フィルム、樹脂被覆紙、コーテッド紙等が主
に用いられるが、ガラス、アルミニウム箔、蒸着紙、蒸
着フィルム、布地等インク受理層を設けることができる
支持体であれば特に限定されるものではない。
ル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロー
ス、ポリエチレン、ポリカーボネート等を用いることが
できる。
と支持体との接着性向上等の目的でアンカー層を設けて
もよい。アンカー層にはゼラチン等の親水性バインダ
ー、ブチラール等の溶剤可溶性バインダー、ラテック
ス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて添
加せしめることができる。
搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のために、
各種のバックコート層を塗設することができる。バック
コート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水
性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、滑剤、界面
活性剤等を適宜組み合わせて添加せしめることができ
る。
有するインクジェット用被記録材料を得るためには、イ
ンク吸収層の組成だけでなく、支持体の特性も重要であ
る。写真の印画紙調の光沢感、風合いを得るためには、
ポリエステルフィルムまたは樹脂被覆紙を用いることが
好ましく、また、支持体のJIS−P−8123で測定
したハンター白色度が65%以上であることが特に好ま
しい。
有するためには、インク吸収層を支持体上に設けた際
の、インク吸収層側のJIS−P−8123で測定した
ハンター白色度が65%以上であることが好ましく、イ
ンク吸収層側のJIS−Z−8741で測定した60度
鏡面光沢が30%以上であることが好ましい。
ルフィルムを用いる際には、その厚さに特に制限する必
要はないが、ハンドリング性とプリンターの通紙適性か
ら10〜200μm程度のものが好ましい。
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコ
ールとを重縮合させて得られるポリエステルをフィルム
化したものであり、通常はロール延伸、テンター延伸、
インフレーション延伸等の処理により、配向処理される
ことが多い。
ンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびこれら
に他成分を共重合したもの等が挙げられるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
法としては、硫酸バリウム、二酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、カオリン、タル
ク等の無機微粒子をポリエステルフィルム内部に含有さ
せる方法や、白色塗料を表面に塗布する方法等がある。
めに、フィルム内部に多数の空洞を含有する空洞含有フ
ィルム、例えば発泡ポリエステルフィルム等も用いるこ
とができる。
を用いる際にも、厚さについては特に制限する必要はな
いが、ハンドリング性とプリンターの通紙適性から、5
0〜300μm程度のものが好ましい。また、写真の印
画紙の風合いを得るためには200〜300μm程度の
ものが好ましい。
一般に用いられている紙が使用できるが、好ましくは、
例えば、写真用支持体に用いられているような平滑な原
紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては、天然パ
ルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以
上混合して用いられる。この原紙には、一般に製紙で用
いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止
剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。更に、
表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、
染料、アンカー剤等が表面塗布されていても良い。
抄造後、カレンダー等にて圧力を印加して圧縮した表面
平滑性の良いものが好ましく、JIS−P−8119で
測定したベックの平滑度が200秒以上のものが特に好
ましい。また、その坪量は30〜250g/m2が好ま
しい。
P−8123で測定したハンター白色度が65%以上で
あると白色度が高く、高級感のある被記録材料が得られ
るが、目的により求める白色度は異なり、天然パルプと
して未晒しパルプを併用した茶褐色の原紙を用いても良
い。また、染料等の着色剤を用いて着色した原紙を用い
ても良い。
レフィン樹脂が好ましく、特にポリエチレン樹脂が好ま
しい。また、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレンまたはこれらの混合物が使用で
きる。ここで言う低密度ポリエチレンとは、密度が0.
915〜0.930g/cm3のものであり、通常高圧
法で製造されるものである。一方、高密度ポリエチレン
とは、密度が0.950g/cm3以上のものであり、
通常低圧法或は中圧法で製造されるものである。これら
のポリエチレン樹脂は、各種の密度およびメルトフロー
レートを有するものを単独にまたはそれらの2種以上を
混合して用いることができる。
以上の多層のいずれであっても良い。この場合にも、上
記のポリオレフィン樹脂を単独にまたは2種以上を混合
して用いることができる。また、多層の各層を互いに異
なる組成とすることも同一の組成とすることもできる。
多層からなる樹脂層を形成する方法としては、共押出コ
ーティング法と逐次コーティング法のいずれを採用して
も良い。
るラテックスをコーティングすることによって形成する
ことができる。例えば、最低成膜温度(MFT)の低い
ラテックスを、樹脂被覆紙用の原紙にコーティングした
後、最低成膜温度以上の温度に加熱することによっても
形成することができる。
に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに表面の
み、または表裏両面にコーティングされる。
化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステア
リン酸アミド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪
酸金属塩、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
トリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、コバルトブ
ルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルー
等のブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫等のマゼンタの顔料や染
料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜
組み合わせて加えることができる。
脂被覆紙は、走行する原紙上に、加熱溶融したポリオレ
フィン樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法に
より製造される。また、樹脂と原紙との接着性を向上さ
せるために、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ
放電処理、火炎処理等の活性化処理を施すことが好まし
い。支持体のインク吸収層が塗布される面(表面)は、
その用途に応じて、光沢面、マット面等を有し、特に光
沢面が好ましく用いられる。必ずしも裏面に樹脂を被覆
する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほ
うが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるい
は必要に応じて表裏両面にも、コロナ放電処理、火炎処
理等の活性処理を施すことができる。
ても使用可能な、透明性の高いインクジェット用被記録
材料にも関するものであるが、OHPフィルム等の透光
性を要求される被記録材料においても、インク吸収層の
組成だけでなく、支持体の特性も重要である。OHPフ
ィルムとして使用する際の光透過性は、全光線透過率よ
りも、ヘーズ(曇価)の方が、人の感覚に近く、本発明
のインク吸収層を、JIS−K−7105によるヘーズ
(曇価)が3.0以下の透明支持体であることが特に好
ましい。
インクジェット用被記録材料のヘーズは、支持体上にイ
ンク吸収層を設けたインクジェット用被記録材料におい
て、このインクジェット用被記録材料のJIS−K−7
105によるヘーズ(曇価)が10.0以下であること
が特に好ましい。
過率測定装置を用いて、拡散透過率および全光線透過率
を測定し、その比によって表すことが、JIS−K−7
105に定められている。
記録材料において、用いる支持体の厚さは特に制限する
必要はないが、ハンドリング性とプリンターの通紙適性
から50〜200μm程度のものが好ましい。
料を製造する場合には、界面活性剤を添加しなくても良
好な塗布性を得ることができる場合が多いが、より塗布
性を改善するため、あるいはインクがインク吸収層に付
着した時のドット径を調整することを目的として、界面
活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤
は、ノニオン性のものが好ましいが、必要に応じてアニ
オン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれ
のタイプから選択してもよく、また、低分子のものでも
高分子のものでも良い。1種もしくは2種以上界面活性
剤を組み合わせて用いても良い。界面活性剤の添加量
は、固形分量でインク吸収層を構成するアルミナ水和物
100重量部に対して0.001〜5重量部が好まし
く、より好ましくは0.01〜3重量部である。
料、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリン
グ剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等
の公知の各種添加剤を添加することもできる。
アルミナ水和物の分散液と混合した際に、凝集等を生じ
ることがなければ、インク吸収層にフッ素樹脂系、シリ
コーン樹脂系またはアルキルケテンダイマー系の撥水剤
またはサイズ剤を含有することにより、印字ドット径を
コントロールして画像の解像性を向上させることができ
る。これらのフッ素樹脂系、シリコーン樹脂系またはア
ルキルケテンダイマー系の撥水剤またはサイズ剤として
は、一般に市販されているものを使用することができ
る。また、これらの溶液または水系エマルジョンのどち
らでも使用可能である。インク吸収層へのこれらの添加
量により印字ドット径をコントロールすることができ
る。その添加量は各成分や濃度および希望する印字ドッ
ト径によって異なるが、通常有効固形成分としてインク
吸収層の全固形分に対して0.05〜10重量%、特に
好ましくは0.1〜5重量%である。
用いて塗布、乾燥することにより形成される。塗液の塗
工方法としては、例えば、スライドホッパー方式、カー
テン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、
ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式
等の通常用いられている塗工方法が用いられる。
片面に設けられるが、カールを防止する等の目的で支持
体の両面に設けたりしても良い。
換算で3〜50g/m2、より好ましくは20〜45g
/m2である。塗布量がそれ以上になるとインク吸収層
の乾燥性が悪くなり、さらにクラックが非常に発生しや
すくなるため好ましくない。
が、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
アルミナ水和物の合成例を示す。使用した原材料はすべ
て市販品であり、精製は特に行わずそのまま使用した。
ルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加
熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加
え、75℃で24時間、95℃で4時間加水分解を行っ
た。その後、酢酸24gを加え、95℃にて48時間撹
拌した後、固形分濃度が15%になるように濃縮し、白
色のアルミナ水和物の分散液を得た。
定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過
型電子顕微鏡で平均粒子径を測定したところ、約30n
mであり、アスペクト比6.0の平板状擬ベーマイト構
造のアルミナ水和物であった。また、窒素吸着脱離方法
によってBET比表面積、平均細孔半径、細孔半径1n
m〜30nmの細孔容積、細孔半径2nm〜10nmの
細孔容積を測定したところ、それぞれ136m2/g、
5.8nm、0.54ml/g、0.50ml/gであ
った。
製した平板状擬ベーマイト構造のアルミナ水和物の分散
液100gにケン化度97%、重合度2600のポリビ
ニルアルコール(信越化学工業社製、商品名MA−2
6)の10%水溶液15gを、よく混合、撹拌して塗工
用分散液を得た。この塗工用分散液を酢酸により塗液p
Hを5.5に調整し、50℃に加温してから、JIS−
K−7105によるヘーズ(曇価)が2.19である、
表面易接着処理を施した透明ポリエステルフィルム(東
レ社製、商品名ルミラー125T)に、乾燥後の固形分
塗抹量が30g/m2になるように塗布、乾燥し、14
0℃で5分間加熱処理した後、表1に示す濃度のマレイ
ン酸のエタノール溶液に浸漬して酸処理を行い、これを
風乾した。熱風乾燥器にて140℃3分間加熱乾燥し、
表面pHの異なる6種のインクジェット用被記録材料を
得た。
にアスペクト比4.0の擬ベーマイト構造を有する市販
のアルミナ水和物(サトーリサーチ社製、商品名ナノウ
イスカー)を使用し、マレイン酸のエタノール溶液の代
わりに表2に示す濃度の硫酸の水溶液を用いて酸処理し
た以外は実施例1〜2および比較例1〜4と同様にし
て、表面pHの異なる6種のインクジェット用被記録材
料を得た。
のち、塗工面側に特開平6−218324号公報に記載
された方法で、アンモニアガスを吹き付け、塗膜のpH
を6.0に調整した後、乾燥させた以外は、実施例1と
同様にしてインクジェット用被記録材料を得た。得られ
たインクジェット用被記録材料の表面pHは6.2〜
6.4であった。
塗工面側に特開平6−218324号公報に記載された
方法で、さらに1%水酸化ナトリウム水溶液を10g/
m2塗布し、乾燥させた以外は、実施例1と同様にして
インクジェット用被記録材料を得た。得られたインクジ
ェット用被記録材料の表面pHは6.2〜6.4であっ
た。
販の非晶質アルミナ水和物(日産化学工業社製、商品名
アルミナゾル100)を使用した以外は実施例1と同様
にしてインクジェット用被記録材料を得た。
ェット用被記録材料の評価を以下に示すような方法にて
行い、結果を表3に示す。
を紙面用pH測定セット(共立理化学研究所製、型式
MPC)を使用して測定を行った。
0J)を用いてイエローインク、マゼンタインク、シア
ンインクで正方形のベタ印字パターンを印字した。表面
pHの違いによる色味変化が最もわかりやすいシアンイ
ンク印字部分のL*a*b*(CIEに準拠した表色方
法)を色彩色差度計(日本電色工業社製、ND−100
1DP)で測定した。そして色味変化の程度を酸処理前
後の色差ΔE*abで評価した。なお、この値が小さい
ほど、色味変化が少ないことを示し、ΔE*abが1.
0以下であることが特に好ましい。ΔE*abが1.0
以下であれば○、ΔE*abが1を越え2以下のものを
△、ΔE*abが2を越えるものを×とした。
ピレン製プラスチックファイル袋(A4サイズ)の中に
入れて、室内に1ヶ月放置処理後、記録シートを取り出
し、処理前後のインクジェット用被記録材料のL*a*b
*を色彩色差度計で測定した。変色(黄変)化の程度
は、処理前後のb*の差(Δb*)で表すことができ、こ
の値が小さいほど、変色(黄変)化が少なく、このΔb
*が3以下の場合を○、3〜5の場合を△、5以上の場
合を×とした。
クで正方形のベタ印字パターンを印字し、印字部をマク
ベス濃度計(Macbeth社製、TR1224)によ
り、光学透過濃度を測定した。実施例および比較例のい
ずれも、光学濃度が1.80〜1.90の間で良好な画
像濃度であった。
ク、マゼンタインクで重色の短形パターンを印字し、こ
の印字パターンと未印字部の境界部分を下記の基準に従
い目視にて評価を行った。 A:境界部分には滲みは見られない。 B:境界部分に僅かに滲みが見られる。 C:境界部分の全てに滲みが見られる。 良好なインク吸収性としては、AまたはB評価が必要で
ある。
て評価を行った。目視により塗膜状態を評価し表面にク
ラックが全く認められないものを○、塗膜表面に約1m
m幅の微小なクラックが認められたものを△、塗膜表面
に約5mm幅以上のクラックが生じたものを×とした。
成工業社製、商品名カタロイドAS−3、固形分濃度:
Al2O3換算で7重量%)1000gをスプレードライ
ヤーで乾燥させキセロゲルを得た。このキセロゲルの残
水分量は5.3%であった。得られたキセロゲルを水に
再分散させ、固形分濃度が15%になるようにアルミナ
水和物の分散液を得た。
定したところ、擬ベーマイト構造を示した。このアルミ
ナ水和物の分散液を透過型電子顕微鏡で平均粒子径を測
定したところ、約20nmであり、アスペクト比1.2
の柱状アルミナ水和物であった。また、窒素吸着脱離方
法によってBET比表面積、平均細孔半径、細孔半径1
nm〜30nmの細孔容積、細孔半径2nm〜10nm
の細孔容積を測定したところ、それぞれ261m2/
g、6.7nm、0.73ml/g、0.68ml/g
であった。
の代わりに、この柱状アルミナ水和物を用いた以外は実
施例1と同様にし、固形分塗抹量が30g/m2のイン
クジェット用被記録材料を得た。
外は実施例5と同様にしてインクジェット用被記録材料
を得た。
外は実施例1と同様にしてインクジェット用被記録材料
を得た。
リビニルアルコール(信越化学工業社製、商品名MA−
26)の代わりにケン化度86%の重合度1700のポ
リビニルアルコール(日本合成化学社製、商品名GH−
17R)を用いた以外は実施例1と同様にし、固形分塗
抹量が30g/m2のインクジェット用被記録材料を得
た。
外は実施例8と同様にしてインクジェット用被記録材料
を得た。
リビニルアルコール(信越化学工業社製、商品名MA−
26)の代わりにケン化度86%の重合度1700のポ
リビニルアルコール(日本合成化学社製、商品名GH−
17R)を用いた以外は実施例5と同様にし、固形分塗
抹量が30g/m2のインクジェット用被記録材料を得
た。
以外は実施例10と同様にしてインクジェット用被記録
材料を得た。
材料の評価を前述と同様の方法にて行った。
は5.0〜5.2であり、色味変化はΔE*abが1.
0以下であった。またシート端部の変色(黄変化)もΔ
b*が3以下であり、画像濃度は1.80〜1.90の
間、インク吸収性はA評価であった。クラックの評価結
果のみ、アスペクト比、固形分塗抹量とともに表4に示
す。
表面pHを4.0以上5.4以下の範囲とすることによ
り、画像濃度、解像度が高く、色調が鮮明で、良好なイ
ンク吸収性を示し、色味の変化がなく、長期の保存でも
変色がなく、且つOHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)用フィルムとしても使用可能な透明性が高いインク
ジェット用被記録材料を提供することができた。
Claims (3)
- 【請求項1】 支持体上に擬ベーマイト構造を有するア
ルミナ水和物とバインダーからなるインク吸収層を設け
たインクジェット用被記録材料において、該インク吸収
層の表面pHが4.0以上5.4以下の範囲であること
を特徴とするインクジェット用被記録材料。 - 【請求項2】 上記アルミナ水和物が平均アスペクト比
3〜7、細孔半径2nm以上10nm以下の範囲の細孔
容積が0.1ml/g以上の平板状である擬ベーマイト
構造を有するアルミナ水和物であることを特徴とする請
求項1記載のインクジェット用被記録材料。 - 【請求項3】 上記バインダーが重合度2000以上、
ケン化度が88%以上100%未満のポリビニルアルコ
ールであることを特徴とする請求項1または2記載のイ
ンクジェット用被記録材料。
Priority Applications (4)
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JP9197296A JPH1134484A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | インクジェット用被記録材料 |
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