JP2009300570A - 光学フィルム、偏光板、自発光型表示装置および照明装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板、自発光型表示装置および照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスバリア性を保持しながらも、樹脂フィルムとの密着性の良好な光学フィルム、偏光板、自発光性表示装置および照明装置を提供する。
【解決手段】支持体6とその上に少なくとも一層の無機化合物層8を有する光学フィルムにおいて、該支持体と無機化合物層との間に垂直配向液晶層7を有することを特徴とする光学フィルム。
【選択図】図2

Description

本発明は、偏光板、自発光型表示装置および照明装置に使用される光学フィルムに関する。
自発光型表示装置や照明装置の樹脂フィルムを基板支持体とする発光部は、水や酸素に弱く、これらのガスが透過することによる発光寿命の低下という問題があった。そのため発光部には、ガスバリア性の高い発光部封止技術が必要とされている。
この封止技術としては、発光部をガラス板で挟み空隙に吸湿剤を導入するものや、無機化合物層、有機化合物層を発光部に積層することによりガスの進入を防ぐ方法が知られており、なかでも酸化珪素による無機化合物層の積層はガスバリア性が高いものとして知られている(特許文献1)。
しかし、樹脂フィルム上に均一な無機化合物層を形成することは難しく、不均一な部分から経時でクラックが発生し、その部分からガスが透過するという問題が発生した。
この問題を解決するために、クラックの発生を抑制することができるプラズマCVD法による成膜技術が提案されている(特許文献2)。
一方、樹脂フィルム上に無機化合物層を形成する際、基板支持体である樹脂フィルムと無機化合物層との密着性が問題となる。樹脂フィルムと無機化合物層の密着性が低い場合、フィルムを曲げた際にかかる応力や、熱収縮などにより剥離が生じガスバリア性の劣化させてしまう。
この密着性を、組成の異なる無機化合物層をプラズマCVD法により積層することにより改善する技術が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、プラズマCVD法は、層を作製する際樹脂フィルムにダメージを与えることがあるため、プラズマCVD法により無機化合物層を積層することは、支持体である樹脂フィルム自体のもつ性能を低下させてしまうという新たな問題を発生した。その傾向は、特に経時条件において顕著となる。
国際公開特許WO00−36665号パンフレット 特開2003−107201号公報 特開2008−56967号公報
本発明の目的は、ガスバリア性を保持しながらも、樹脂フィルムとの密着性の良好な光学フィルム、偏光板、自発光性表示装置および照明装置を提供することにある。
本発明の目的は、下記によって達成された。
1.支持体とその上に少なくとも一層の無機化合物層を有する光学フィルムにおいて、該支持体と無機化合物層との間に垂直配向液晶層を有することを特徴とする光学フィルム。
2.前記無機化合物層の少なくとも一層が酸化珪素を含有することを特徴とする前記1記載の光学フィルム。
3.前記1または2に記載の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして使用したことを特徴とする偏光板。
4.前記1または2に記載の光学フィルムを使用したことを特徴とする自発光型表示装置。
5.前記1または2に記載の光学フィルムを使用したことを特徴とする照明装置。
本発明によれば、ガスバリア性を保持しながらも、樹脂フィルムとの密着性の良好な光学フィルム、偏光板、自発光性表示装置および照明装置を提供することができる。
<光学フィルム>
本発明の光学フィルムは、支持体とその上に少なくとも一層の無機化合物層を有する光学フィルムであって、該支持体と無機化合物層との間に垂直配向液晶層を有することを特徴とする。
<支持体>
本発明の支持体は、無機化合物層を保持することができるフィルムであって、さらには、複屈折性を調整することができるフィルムであることが好ましい。
具体的には、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系(PA)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリビニルブチラート(PVB)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)、パーフルオロエチレンーパーフルオロプロピレンーパーフルオロビニルエーテル−共重合体(EPA)等のフッ素系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリカーボネートを用いることができる。
さらには、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セルロースエステルであることが好ましい。
これらの樹脂から得られるフィルムは、非晶質ポリオレフィン樹脂フィルムとしてゼオネックス、ゼオノア(日本ゼオン(株)製)、ARTON(ジェイエスアール(株)製)、ポリカーボネートフィルムとしてピュアエース(帝人(株)製)、セルロースエステルフィルムとしてコニカミノルタタックKC4UX、KC8UX(コニカミノルタオプト(株)製)などが市販品として入手でき好ましく使用することができる。
本発明のフィルムは、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の支持体を製造することができる。
また、未延伸の支持体を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、支持体の流れ(縦軸)方向、または支持体の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸支持体を製造することができる。
この場合の延伸倍率は、支持体の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。延伸倍率は、光学フィルムとして要求される位相差によって適宜選択される。
本発明の支持体であるフィルムは、ロール状に巻き上げられた長尺品が便利である。フィルムの膜厚は、得られるガスバリア性フィルムの用途によって適宜選択され、膜厚としては10〜200μmが好ましく、より好ましくは40〜100μmである。
<垂直配向液晶層>
本発明の光学フィルムは、支持体と無機化合物層との間に垂直配向液晶層(フィルムの厚み方向に配向する液晶分子を塗工し固定化した層)を有していることを特徴とする。
本発明の垂直配向液晶層は、液晶材料もしくは液晶の溶液を、本発明の支持体上に塗布し、乾燥と熱処理(配向処理ともいう)を行い紫外線硬化もしくは熱重合などで液晶配向の固定化を行う。
ここで垂直方向に配向するとは、棒状液晶分子がフィルム面に対して70〜90°(垂直方向を90°とする)の範囲内に配向していることをいう。
棒状液晶は、斜め配向しても、配向角を徐々に変化していてもよい。好ましくは80〜90°の範囲である。
棒状液晶を配向させて棒状液晶層を形成する際には、いわゆる液晶材料が垂直方向に配列するような垂直配向剤を塗布した配向膜を用い、液晶材料を垂直配向したのち固定する方法をとることができる。
液晶材料自身が空気界面で垂直方向に配向する場合には、その配向規制力が空気界面と反対の界面までおよび、該配向膜は特に必要ではなく、構成が簡素化できる観点からもその方が好ましい。
液晶材料を垂直に配向する具体的な方法としては、特開2005−148473号公報などに記載されている(メタ)アクリル系ブロックポリマーを含有するブロックポリマー組成物の架橋体からなる配向膜等を用いる方法、同2005−265889号公報に記載されている垂直配向膜を使用する方法、空気界面垂直配向剤を使用する方法等公知の方法を使用することができる。
棒状液晶層を上記範囲とするためには、棒状液晶層の配向、膜厚制御、紫外線硬化時の温度、チルト角制御、および支持体と空気界面でのプレチルト角の制御を行うことが好ましい。
前記液晶層は、所定の温度で液晶相となり得る液晶材料が、所定の液晶規則性を有して硬化することにより形成されたものである。液晶相を示す温度の上限は、例えば支持体のがダメージを受けない温度であれば特に限定されるものはない。
具体的には、プロセス温度のコントロールの容易性と寸法精度維持の観点から120℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下の温度で液晶相となる液晶材料が好適に用いられる。一方、液晶相を示す温度の下限は、偏光板として用いる際に、液晶材料が配向状態を保持し得る温度であるといえる。
本発明の棒状液晶層に用いられる液晶材料としては、重合性液晶材料を用いることが好ましい。重合性液晶材料は、所定の活性放射線を照射することにより重合させて用いることができ、重合させた状態では垂直の配向状態は固定化される。
重合性液晶材料としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、もしくは重合性液晶ポリマーのいずれかを用いることができ、相互に混合して用いることもできる。
重合性液晶材料としては、上記のうちでも、配向に際しての感度が高く垂直に配向させることが容易であることから重合性液晶モノマーが好適に用いられる。
具体的な重合性液晶モノマーとしては、下記の一般式(MV1)で表される棒状液晶性化合物(I)、および下記の一般式(MV2)で表される棒状液晶性化合物(II)を挙げることができる。化合物(I)としては、一般式(MV1)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することもでき、同様に、化合物(II)としては、一般式(MV2)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することもできる。また、化合物(I)を1種以上と化合物(II)を1種以上を混合して使用することもできる。
Figure 2009300570
Figure 2009300570
化合物(I)を表す一般式(MV1)において、RおよびRはそれぞれ水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからRおよびRは共に水素であることが好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、もしくはニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素またはメチル基であることが好ましい。
また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すaおよびbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を取り得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。
化合物(I)は任意の方法で合成することができる。例えば、Xがメチル基である化合物(I)は、1当量のメチルヒドロキノンと2当量の4−(m−(メタ)アクリロイロキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応により得ることができる。エステル化反応は、上記安息香酸を酸クロリドやスルホン酸無水物などで活性化し、これとメチルヒドロキノンとを反応させるのが通例である。
また、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を用いて、カルボン酸単位とメチルヒドロキノンを直接反応させることもできる。
これ以外の方法としては、1当量のメチルヒドロキノンと、2当量の4−(m−ベンジルオキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応をまず行い、次いで得られたエステルを水素添加反応等により脱ベンジル化した後、分子末端をアクリロイル化する方法によっても、化合物(I)を合成することができる。
メチルヒドロキノンと4−(m−ベンジルオキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応を行うに際しては、メチルヒドロキノンをジアセテートに導入した後、上記の安息香酸と溶融状態で反応させ、直接エステル体を得ることも可能である。
一般式(MV1)のXがメチル基でない場合の化合物(I)も、対応する置換基を有するヒドロキノンを、メチルヒドロキノンの代わりに用いて上と同様の反応を行うことにより得ることができる。
化合物(II)を表す一般式(MV2)において、Rは水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからRは水素であることが好ましい。アルキレン基の鎖長を示すcに関して言えば、この値が2〜12である化合物(II)は液晶性を示さない。
しかしながら、液晶性を持つ化合物(I)との相溶性を考慮すると、cは4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがより好ましい。
化合物(II)も任意の方法で合成可能であり、例えば、1当量の4−シアノフェノールと1当量の4−(n−(メタ)アクリロイロキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応により化合物(II)を合成することができる。このエステル化反応は化合物(I)を合成する場合と同様に、上記安息香酸を酸クロリドやスルホン酸無水物などで活性化し、これと4−シアノフェノールとを反応させるのが一般的である。また、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を用いて上記安息香酸と4−シアノフェノールを反応させてもよい。
以上の他、本発明においては、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマー等を用いることが可能である。このような重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマーとしては、従来提案されているものを適宜選択して用いることが可能である。
本発明における液晶層の膜厚は0.1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、0.2〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
面内の位相差値を有する支持体上に設けられた垂直配向液晶層中の液晶の配向レベルを直接検証することは非常に困難だが、一つの目安として、アゾベンゼン系液晶を上記垂直配向液晶に対し1質量%〜2質量%程度混ぜて塗工し固定化した試料を作製し、この試料が実際のアゾベンゼン系液晶を含まない試料と同じ液晶分子の配向を示しているものとして、分光光度計で550nm〜650nm付近の吸光度を測定することで大まかな配向程度を伺い知ることはできる。
即ち、吸光度がかなり低い値であれば、ほぼ完全に液晶分子は垂直に配向して固定化されていると判断できる。逆に、吸光度が比較的高い場合は、本来垂直に配向すべき液晶分子が必ずしも垂直に配向しておらず、隙間を埋めるアゾベンゼン系液晶の光吸収面積が広くなっていると解釈できる。
本発明の垂直配向液晶層は、位相差を調整する機能を付与させることもできる。面内方向の位相差値Roが0〜10nm、厚み方向の位相差値Rtが−50〜−400nmの範囲にある垂直方向に配向した棒状液晶による光学異方性層であることが好ましい。さらにRoは0〜5nmの範囲がより好ましい。
ここでRtは下記式で定義される。
Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
(式中、nxは、液晶層である光学異方性層面内の遅相軸方向の屈折率(面内の最大屈折率)であり、nyは、液晶層である光学異方性層面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dは液晶層である光学異方性層の厚み(nm)である。)
垂直配向液晶層のRtは、支持体のRtを相殺するような設定にして、円偏光フィルムの視角特性を改善することができる。
従って、支持体のRtに応じて垂直配向液晶層の塗工条件(液晶分子の種類、塗工液中の液晶分子濃度、乾燥後の膜厚など)を適切に選択することが重要である。
例えば、支持体のRtが互いに異なるものを用いて、同一液晶分子、同一塗布液条件で垂直配向液晶層を形成する場合は、円偏光フィルムとしていずれも優れた視角特性を与えるには、支持体のRtの値に応じて、垂直配向液晶層の厚みを変えることで目的は達成できる。
<垂直配向液晶層の製造方法>
重合性液晶材料は、必要に応じて光重合開始剤、増感剤等を配合して液晶層形成用組成物を調製して用い、基材上に塗工し、液晶層形成用層を形成する。
本発明においては、光配向層を設け、液晶組成物としては溶媒を加えて、その他の成分を溶解した塗工用組成物を用いて基材上に塗工し、溶媒を除去することにより液晶の配向を固定した層を形成することが好ましい。これは、他の方法と比較して工程上簡便である。
溶媒としては、上述した重合性液晶材料等を溶解することが可能な溶媒であり、かつ透明樹脂フィルムの性状を低下させない溶媒であれば特に限定されるものではない。
単一種の溶媒を使用しただけでは、重合性液晶材料等の溶解性が不充分であったり、上述したように基材が侵食される場合がある。しかし2種以上の溶媒を混合使用することにより、この不都合を回避することができる。
上記した溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいのは、エーテル類またはケトン類と、グリコール類との混合系である。
溶液の濃度は、重合性液晶材料等の溶解性や製造しようとする液晶層の膜厚に依存するため一概には規定できないが、通常は1質量%〜60質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜40質量%の範囲で調整される。
本発明に用いられる液晶層形成用組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の化合物を添加することができる。
添加できる化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族もしくは脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物、またはアクリル基もしくはメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物等が挙げられる。
本発明の液晶層形成用組成物に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択され、一般的には、本発明の液晶層形成用組成物の40質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
本発明においては、重合性液晶材料に加え、必要に応じて光重合開始剤を使用する。電子線照射により重合性液晶材料を重合させる際には、光重合開始剤が不要な場合があるが、一般的に用いられている例えば紫外線(UV)照射による硬化の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられる。
光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、もしくは1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。
光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜10質量%であり、もっと好ましくは0.5質量%〜5質量%の範囲で、本発明の重合性液晶材料に添加することができる。
これらの化合物の添加により、本発明における液晶材料の硬化性が向上し、得られる液晶層の機械強度が増大し、またその安定性が改善される。
また、溶剤を配合した液晶層形成用組成物には、塗工を容易にするために界面活性剤等を加えることができる。
添加可能な界面活性剤を例示すると、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤;ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤;パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、液晶材料の種類、溶媒の種類、さらには溶液を塗工する配向膜の種類にもよるが、通常は溶液に含まれる重合性液晶材料の10ppm〜10質量%が好ましく、より好ましくは100ppm〜5質量%であり、もっと好ましくは0.1〜1質量%の範囲である。
液晶層形成用組成物を塗工する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、ブレードコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、もしくは押し出しコート法等が挙げられる。
液晶層形成用組成物を塗工した後、溶媒を除去する方法としては、例えば、風乾、加熱除去、もしくは減圧除去、さらにはこれらを組み合わせる方法等により行われる。溶媒が除去されることにより、液晶の配向を固定した層が形成される。
重合性液晶材料を硬化させる工程では、重合性液晶材料を硬化させるためのエネルギーが与えられ、熱エネルギーでもよいが、通常は、重合を起こさせる能力がある電離放射線の照射によって行う。
必要であれば重合性液晶材料内に重合開始剤が含まれていてもよい。電離放射線としては、重合性液晶材料を重合させることが可能な放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光または可視光線が使用され、波長が150〜500nmの光が好ましく、より好ましくは250〜450nmであり、より好ましくは300〜400nmの波長の紫外線である。
本発明においては、紫外線(UV)を活性放射線として照射し、紫外線で重合開始剤からラジカルを発生させ、ラジカル重合を行わせる方法が好ましい。活性放射線としてUVを用いる方法は、既に確立された技術であることから、用いる重合開始剤を含めて、本発明への応用が容易である。
この紫外線を照射するための光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、もしくはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等を挙げることができる。
なかでもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。照射強度は、液晶の配向を固定した層の形成に用いられる重合性液晶材料の組成や光重合開始剤の多寡によって適宜に調整すればよい。
活性放射線の照射による配向固定化工程は、上述した液晶層形成用層を形成する工程における処理温度、すなわち重合性液晶材料が液晶相となる温度条件で行ってもよく、また液晶相となる温度より低い温度で行ってもよい。
<無機化合物層>
本発明の無機化合物層は、垂直配向液晶層の上に設けられる。無機化合物層は少なくとも一層であり、複数あってもよい。
本発明の無機化合物層を形成する無機化合物としては、珪素、アルミニウム、チタン、亜鉛、ジルコニウム、マグネシウム、スズ、銅、鉄、ゲルマニウムの酸化物、窒化物、炭化物であることが好ましく、珪素の酸化物であることが最も好ましい。
本発明の無機化合物層は、弾性率が5GPa以上、20GPa以下、圧縮応力が0MPa以上、20MPa以下であることが好ましい。
本発明でいう弾性率は、ナノインデンション法を適用したナノインデンター、例えば、MTSシステム社製のナノインデンター(Nano Indenter TMXP/DCM)により測定することが好ましい。
ナノインデンション法とは、測定対象物である透明支持体上に設けた無機化合物層に対し、超微小な荷重で先端半径が0.1〜1μmの三角錐の圧子を押し込んで負荷を付与した後、圧子を戻して除荷し、得られた荷重−変位曲線を作成し、荷重−変位曲線から得られた負荷荷重と押し込み深さより、弾性率(Reduced modulus)を測定する方法である。
このナノインデンション法では、超低荷重、例えば、最大荷重20mN、荷重分解能1nNのヘッドアセンブリを用いて、変位分解能として0.01nmの高精度で測定することができる。
本発明の無機化合物層を形成する方法としては、異なる周波数の電界を2つ以上印加するプラズマCVD法によって形成することが好ましい。
この方法によれば、印加する電源の出力を制御すること、あるいは大気圧プラズマ処理時の原料を供給する濃度を制御することで、無機化合物層の炭素含有濃度あるいは膜密度を適宜調整することにより所望の弾性率を達成することができ、具体的には、大気圧プラズマ処理時の電源出力を高めることにより、あるいは大気圧プラズマ処理時の原料の供給濃度を低くすることにより、弾性率を高くすることができる。
また、本発明でいう圧縮応力とは、形成された無機化合物層の内部に発生する応力であり、圧縮応力の場合には透明樹脂支持体上に形成された無機化合物層は、支持体に対し縮むためにプラスの内部応力と表現され、また逆に引っ張り応力によりマイナスカールを生じる場合、マイナスの内部応力(引っ張り応力)と表現される。
無機化合物層の内部応力の測定は、以下の方法により測定することができる。
測定する無機化合物層と同じ組成、構成、厚みの無機化合物層を、幅10mm、長さ50mm、厚み0.1mmの石英基板上に、同じ形成方法に従って厚み1μmとなるよう製膜し、作製したサンプルに生じるカールをサンプルの凹部を上に向けて、NEC三栄社製、薄膜物性評価装置MH4000にて測定して求めることができる。
一般に、内部応力の低い膜の場合には、内部歪みが小さいため、平滑で、折り曲げ等による変形に対して平均的強いことを意味するため、本発明に係る積薄膜である無機化合物層の圧縮応力は、0MPa以上、20MPa以下であることが好ましい。
本発明に係る無機化合物層は、1.0×10−3(g/m・day)以下の水蒸気透過係数を有するように形成され、緻密な構造を有する密度の大きな膜であり、従って、折れ、割れに敏感な膜であるため、0MPa以上、20MPa以下と低い圧縮応力をもつ内部応力の小さい膜である。
本発明の無機化合物層は、炭素含有率が原子数濃度で0.2%以上、4.9%以下であること、あるいは膜密度が、1.80以上、2.15以下であることが好ましい。
本発明の無機化合物層の炭素含有率または膜密度を達成する手段としては、例えば、プラズマCVD法によって無機化合物層を形成する場合には、対向電極に印加する電源の出力、あるいは放電空間に供給する無機化合物層形成ガス中の原料ガス濃度を制御することにより得ることができる。
本発明でいう無機化合物層中の炭素含有量は、炭素原子の原子数濃度%(atomic concentration)で表す。
無機化合物層中の原子数濃度%は、公知の分析手段を用いて求めることができるが、本発明においては下記のXPS法によって算出されるもので、以下に定義されるものである。
原子数濃度(atomic concentration)=炭素原子の個数/全原子の個数×100
XPS表面分析装置としては、本発明では、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いる。具体的には、X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定する。エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピーク測定としては、先ず、結合エネルギー0eV〜1100eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求める。
次に、検出された、エッチングイオン種を除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンをおこない、各元素のスペクトルを測定する。
得られたスペクトルは、測定装置、あるいは、コンピュータの違いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM(Ver.2.3以降が好ましい)上に転送した後、同ソフトで処理をおこない、分析ターゲットの元素(炭素、酸素、ケイ素等)の含有率の値を原子数濃度(atomic concentration:at%)として求める。
定量処理をおこなう前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションをおこない、5ポイントのスムージング処理をおこなう。定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps×eV)を用いる。
バックグラウンド処理には、Shirleyによる方法を用いる。また、Shirley法については、D.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にすることができる。
本発明において、膜密度は、下記に示すX線反射率法により求めた値を用いる。
X線反射率法の概要は、X線回折ハンドブック 151ページ(理学電機株式会社編 2000年 国際文献印刷社)や化学工業1999年1月No.22を参照して行うことができる。
本発明に有用な測定方法の具体例を以下に示す。
これは、表面が平坦な物質に非常に浅い角度でX線を入射させ測定を行う方法で、測定装置としては、マックサイエンス社製MXP21を用いて行う。X線源のターゲットには銅を用い、42kV、500mAで作動させる。
インシデントモノクロメータには多層膜パラボラミラーを用いる。入射スリットは0.05mm×5mm、受光スリットは0.03mm×20mmを用いる。2θ/θスキャン方式で0から5°をステップ幅0.005°、1ステップ10秒のFT法にて測定を行う。
得られた反射率曲線に対し、マックサイエンス社製Reflectivity Analysis Program Ver.1を用いてカーブフィッティングを行い、実測値とフィッティングカーブの残差平方和が最小になるように各パラメータを求める。各パラメータから積層膜の厚さおよび密度を求めることができる。本発明における積層膜の膜厚評価も上記X線反射率測定より求めることができる。
本発明において、水蒸気透過率は、JIS K 7129Bに記載された方法により測定することができる。例えば、測定にはMOCON社製 水蒸気透過率測定装置PERMATRAN−W 3/33 MGモジュールを使用することができる[g/m・day]。
また、酸素透過率についても同じく、JIS K 7126Bに従って、MOCON社製 酸素透過率測定装置 OX−TRAN 2/21 MLモジュールを使用して測定することができる[cm/m・day・atm]。
本発明の炭素含有率の異なる無機化合物層の厚さは、用いられる材料の種類、構成により最適条件が異なり、適宜選択されるが、1〜5000nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましいのは5〜500nmの範囲内である。
<無機化合物層の製造方法>
本発明の無機化合物層を形成する方法としては、プラズマCVD法が好ましくなかでも、異なる周波数の電界を二つ以上印加する、いわゆる2周波プラズマCVD法が特に好ましい。
はじめに、本発明の無機化合物層を製造する方法において、プラズマCVD法による製造方法で用いられる原料化合物について説明する。
<原料化合物>
本発明の無機化合物層は、プラズマCVD法において、原料(原材料ともいう)である有機金属化合物、分解ガス、分解温度、投入電力などの条件を選ぶことで、酸化珪素、また酸化珪素を主体とした金属酸化物、また、金属炭化物、金属窒化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物等との混合物(金属酸窒化物、金属酸化ハロゲン化物など)等の組成を作り分けることができる。
例えば、珪素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば、珪素酸化物が生成する。また、シラザン等を原料化合物として用いれば、酸化窒化珪素が生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
このような無機化合物層の形成原料としては、珪素化合物であれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。
気体の場合にはそのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。又、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒およびこれらの混合溶媒が使用できる。
尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響は殆ど無視することができる。
このような珪素化合物としては、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等が挙げられる。
また、これら珪素を含む原料ガスを分解して無機化合物層を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガスなどが挙げられる。
珪素を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで、酸化珪素、また、窒化物、炭化物等を含有する無機化合物層を得ることができる。
プラズマCVD法においては、これらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合し、プラズマ放電発生装置にガスを送りこむ。
このような放電ガスとしては、窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも特に、窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
上記放電ガスと反応性ガスを混合し、無機化合物層形成(混合)ガスとして大気圧プラズマ放電発生装置(プラズマ発生装置)に供給することで無機化合物層形成を行う。
放電ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする無機化合物層の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、放電ガスの割合を50%以上として反応性ガスを供給する。
<プラズマCVD装置および無機化合物層形成条件>
次いで、プラズマCVD法に使用されるプラズマCVD装置(大気圧プラズマ放電処理装置ともいう)および無機化合物層形成条件について、以下説明する。
プラズマCVD法は、例えば、特開平10−154598号公報や特開2003−49272号公報、国際公開第02/048428号パンフレットなどに記載されているが、特に、特開2004−68143号公報に記載されている無機化合物層形成方法が、緻密でガスバリア性が高い無機化合物層を形成するには好ましい。
また、ロール状の元巻きからウエブ状の支持体を繰り出して、組成の異なる無機化合物層を連続的に形成することができる。
本発明のプラズマCVD法は、大気圧もしくはその近傍の圧力下で行われるプラズマCVD法であり、大気圧もしくはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
本発明における放電条件は、放電空間に異なる周波数の電界を2つ以上印加するものが好ましく、第1の高周波電界と第2の高周波電界とを重畳し、電界を印加する。
前記第1の高周波電界の周波数ω1より前記第2の高周波電界の周波数ω2が高く、且つ、前記第1の高周波電界の強さV1と、前記第2の高周波電界の強さV2と、放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2または V1>IV≧V2を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm以上である。高周波とは、少なくとも0.5kHzの周波数を有するものを言う。
重畳する高周波電界が、ともにサイン波である場合、第1の高周波電界の周波数ω1と該周波数ω1より高い第2の高周波電界の周波数ω2とを重ね合わせた成分となり、その波形は周波数ω1のサイン波上に、それより高い周波数ω2のサイン波が重なった鋸歯状の波形となる。
本発明において、放電開始電界の強さとは、実際の無機化合物層形成方法に使用される放電空間(電極の構成など)および反応条件(ガス条件など)において放電を起こすことのできる最低電界強度のことを指す。
放電開始電界強度は、放電空間に供給されるガス種や電極の誘電体種または電極間距離などによって多少変動するが、同じ放電空間においては、放電ガスの放電開始電界強度に支配される。
上記で述べたような高周波電界を放電空間に印加することによって、無機化合物層形成可能な放電を起こし、高品位な無機化合物層形成に必要な高密度プラズマを発生することができると推定される。
ここで重要なのは、このような高周波電界が対向する電極間に印加され、すなわち、同じ放電空間に印加されることである。
上記でサイン波等の連続波の重畳について説明したが、両方パルス波であっても、一方が連続波でもう一方がパルス波であってもかまわない。また、さらに周波数の異なる第3の電界を有していてもよい。
上記本発明の高周波電界を、同一放電空間に印加する具体的な方法としては、例えば、対向電極を構成する第1電極に周波数ω1であって電界強度V1である第1の高周波電界を印加する第1電源を接続し、第2電極に周波数ω2であって電界強度V2である第2の高周波電界を印加する第2電源を接続した大気圧プラズマ放電処理装置を用いる。
上記の大気圧プラズマ放電処理装置には、対向電極間に、放電ガスと無機化合物層形成ガスとを供給するガス供給手段を備える。さらに、電極の温度を制御する電極温度制御手段を有することが好ましい。
また、第1電極、第1電源またはそれらの間の何れかには第1フィルタを、また第2電極、第2電源またはそれらの間の何れかには第2フィルタを接続することが好ましく、第1フィルタは第1電源から第1電極への第1の高周波電界の電流を通過しやすくし、第2の高周波電界の電流をアースして、第2電源から第1電源への第2の高周波電界の電流を通過しにくくする。
また、第2フィルタはその逆で、第2電源から第2電極への第2の高周波電界の電流を通過しやすくし、第1の高周波電界の電流をアースして、第1電源から第2電源への第1の高周波電界の電流を通過しにくくする機能が備わっているものを使用する。
ここで、通過しにくいとは、好ましくは、電流の20%以下、より好ましくは10%以下しか通さないことをいう。逆に通過しやすいとは、好ましくは電流の80%以上、より好ましくは90%以上を通すことをいう。
例えば、第1フィルタとしては、第2電源の周波数に応じて数10pF〜数万pFのコンデンサ、もしくは数μH程度のコイルを用いることができる。第2フィルタとしては、第1電源の周波数に応じて10μH以上のコイルを用い、これらのコイルまたはコンデンサを介してアース接地することでフィルタとして使用できる。
さらに、本発明の大気圧プラズマ放電処理装置の第1電源は、第2電源より高い電界強度を印加できる能力を有していることが好ましい。
ここで、本発明でいう印加電界強度と放電開始電界強度は、下記の方法で測定されたものをいう。
印加電界強度V1およびV2(単位:kV/mm)の測定方法:
各電極部に高周波電圧プローブ(P6015A)を設置し、該高周波電圧プローブの出力信号をオシロスコープ(Tektronix社製、TDS3012B)に接続し、所定の時点の電界強度を測定する。
放電開始電界強度IV(単位:kV/mm)の測定方法:
電極間に放電ガスを供給し、この電極間の電界強度を増大させていき、放電が始まる電界強度を放電開始電界強度IVと定義する。測定器は上記印加電界強度測定と同じである。
本発明で規定する放電条件をとることにより、例え窒素ガスのように放電開始電界強度が高い放電ガスでも、放電を開始し、高密度で安定なプラズマ状態を維持でき、高性能な無機化合物層形成を行うことができる。
上記の測定により放電ガスを窒素ガスとした場合、その放電開始電界強度IV(1/2Vp−p)は3.7kV/mm程度であり、従って、上記の関係において、第1の印加電界強度を、V1≧3.7kV/mmとして印加することによって窒素ガスを励起し、プラズマ状態にすることができる。
ここで、第1電源の周波数としては、200kHz以下が好ましく用いることができる。またこの電界波形としては、連続波でもパルス波でもよい。下限は1kHz程度が望ましい。
一方、第2電源の周波数としては、800kHz以上が好ましく用いられる。この第2電源の周波数が高い程、プラズマ密度が高くなり、緻密で良質な無機化合物層が得られる。上限は200MHz程度が望ましい。
本発明に用いられる大気圧プラズマ放電処理装置は、上述のように、対向電極の間で放電させ、前記対向電極間に導入したガスをプラズマ状態とし、前記対向電極間に静置あるいは電極間を移送される支持体を該プラズマ状態のガスに晒すことによって、該支持体の上に無機化合物層を形成させるものである。
また他の方式として、大気圧プラズマ放電処理装置は、上記同様の対向電極間で放電させ、該対向電極間に導入したガスを励起しまたはプラズマ状態とし、該対向電極外にジェット状に励起またはプラズマ状態のガスを吹き出し、該対向電極の近傍にある支持体(静置していても移送されていてもよい)を晒すことによって該支持体の上に無機化合物層を形成させるジェット方式の装置がある。
図3は、本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置は、プラズマ放電処理装置、二つの電源を有する電界印加手段の他に、図3では図示してない(後述の図4に図示してある)が、ガス供給手段、電極温度調節手段を有している装置である。
プラズマ放電処理装置10は、第1電極11と第2電極12から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極11からは第1電源21からの周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界が印加され、また第2電極12からは第2電源22からの周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界が印加されるようになっている。
第1電源21は第2電源22より高い高周波電界強度(V1>V2)を印加し、また第1電源21の第1の周波数ω1は第2電源22の第2の周波数ω2より低い周波数を印加する。
第1電極11と第1電源21との間には、第1フィルタ23が設置されており、第1電源21から第1電極11への電流を通過しやすくし、第2電源22からの電流をアースして、第2電源22から第1電源21への電流が通過しにくくなるように設計されている。
また、第2電極12と第2電源22との間には、第2フィルタ24が設置されており、第2電源22から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源21からの電流をアースして、第1電源21から第2電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
第1電極11と第2電極12との対向電極間(放電空間)13に、図3に図示してあるようなガス供給手段から前述した無機化合物層形成ガスGを導入し、第1電源21と第2電源22により第1電極11と第2電極12間に、前述した高周波電界を印加して放電を発生させ、前述した無機化合物層形成ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と支持体Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない支持体の元巻き(アンワインダー)から巻きほぐされて搬送して来るか、あるいは前工程から搬送して来る支持体Fの上に、処理位置14付近で無機化合物層を形成させる。
無機化合物層形成中、図4に図示してあるような電極温度調節手段から媒体が配管を通って電極を加熱または冷却する。
プラズマ放電処理の際の支持体の温度によっては、得られる無機化合物層の物性や組成等は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。
プラズマ放電処理の際、支持体の幅手方向あるいは長手方向での温度ムラができるだけ生じないように電極の内部の温度を均等に調節することが望まれる。
また、図3に前述の印加電界強度と放電開始電界強度の測定に使用する測定器と測定位置を示した。25および26は高周波電圧プローブであり、27および28はオシロスコープである。
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置を、支持体Fの搬送方向と平行に複数台並べ、同時に同じプラズマ状態のガスを放電させることにより、同一位置に複数層の無機化合物層を形成可能となり、短時間で所望の膜厚を形成可能となる。
また支持体Fの搬送方向と平行に複数台並べ、各装置に異なる無機化合物層形成ガスを供給して異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった層の積層無機化合物層を形成することもできる。
図4は本発明に有用な対向電極間で支持体を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、二つの電源を有する電界印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)(以下角筒型固定電極群を固定電極群と記す)36との対向電極間32(以下対向電極間を放電空間32とも記す)で、支持体Fをプラズマ放電処理して無機化合物層を形成するものである。
ロール回転電極35と固定電極群36との間に形成された放電空間32に、ロール回転電極35には第1電源41から周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界を、また固定電極群36には第2電源42から周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界をかけるようになっている。
ロール回転電極35と第1電源41との間には、第1フィルタ43が設置されており、第1フィルタ43は第1電源41から第1電極への電流を通過しやすくし、第2電源42からの電流をアースして、第2電源42から第1電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
また、固定電極群36と第2電源42との間には、第2フィルタ44が設置されており、第2フィルタ44は、第2電源42から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源41からの電流をアースして、第1電源41から第2電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
なお、本発明においては、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい。いずれの場合でも第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より高い高周波電界強度(V1>V2)を印加することが好ましい。また、周波数はω1<ω2となる能力を有している。
また、電流はI1<I2となることが好ましい。第1の高周波電界の電流I1は、好ましくは0.3mA/cm〜20mA/cm、さらに好ましくは1.0mA/cm〜20mA/cmである。
また、第2の高周波電界の電流I2は、好ましくは10mA/cm〜100mA/cm、さらに好ましくは20mA/cm〜100mA/cmである。
ガス供給手段50のガス発生装置51で発生させた無機化合物層形成ガスGは、不図示のガス流量調整手段により流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。
支持体Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から矢印方向に搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で支持体に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送する。
移送中にロール回転電極35と固定電極群36との両方から電界をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。支持体Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより無機化合物層を形成する。
なお、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されており、該電極の放電面積はロール回転電極35に対向している全ての角筒型固定電極のロール回転電極35と対向する面の面積の和で表される。
支持体Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送する。放電処理済みの処理排ガスG′は排気口53より排出する。
無機化合物層形成中、ロール回転電極35および固定電極群36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。なお、68および69はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
対向する第1電極および第2の電極の電極間距離は、電極の一方に誘電体を設けた場合、該誘電体表面ともう一方の電極の導電性の金属質母材表面との最短距離のことを言う。
双方の電極に誘電体を設けた場合、誘電体表面同士の距離の最短距離のことを言う。電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電界強度の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2mmである。
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(登録商標)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。
例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。
図3において、平行した両電極の両側面(支持体面近くまで)を上記のような材質の物で覆うことが好ましい。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることができ、何れも使用することができる。
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることができ、何れも好ましく使用できる。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明においては、このような電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことができる電極を大気圧プラズマ放電処理装置に採用することが好ましい。
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極(第2の高周波電界)に1W/cm以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを無機化合物層形成ガスに与え、無機化合物層を形成する。
第2電極に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm、より好ましくは20W/cmである。下限値は、好ましくは1.2W/cmである。なお、放電面積(cm)は、電極間において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、第1電極(第1の高周波電界)にも、1W/cm以上の電力(出力密度)を供給することにより、第2の高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることができる。
これにより、更なる均一高密度プラズマを生成でき、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立できる。好ましくは5W/cm以上である。第1電極に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cmである。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側(第2の高周波電界)は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
このような大気圧プラズマによる無機化合物層形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10−6/℃以下となる組み合わせのものである。
好ましくは8×10−6/℃以下、さらに好ましくは5×10−6/℃以下、さらに好ましくは2×10−6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
1:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
2:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング
3:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
4:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
5:金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
6:金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
7:金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
8:金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング等がある。
線熱膨張係数の差という観点では、上記1項または2項および5〜8項が好ましく、特に1項が好ましい。
本発明において、金属質母材は、上記の特性からはチタンまたはチタン合金が特に有用である。
本発明に有用な電極の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本発明において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用できるが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。
本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることができる。
工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることができ、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることができ、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。
また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることができ、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。
これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属質母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることができる。
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。
この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
または、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。
なお、誘電体の空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することができる。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材に被覆された誘電体の破片を用い、空隙率を測定する。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。
このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることができる。さらに空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
本発明において、無機化合物層形成方法に係る電極においては、電極の少なくとも支持体と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、さらに好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。
誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも支持体と接する側の誘電体において行われることが好ましい。さらにJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以下である。
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。
さらに好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。また上限は500℃である。なお、耐熱温度とは、大気圧プラズマ処理で用いられる電圧において絶縁破壊が発生せず、正常に放電できる状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。
このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、上記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1
<セルロースエステルフィルムからなる支持体1の作製>
〈微粒子分散液〉
微粒子 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクにセルロースエステルAを添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。濾過後のセルロースエステル溶液を充分に攪拌しながら、ここに微粒子分散液をゆっくりと添加した。
さらに、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルロースエステルA(アセチル基置換度1.6 プロピオニル基置換度0.9 総置換度2.7) 4質量部
微粒子分散液 11質量部
下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルAを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、さらに可塑剤および紫外線吸収剤を添加、溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
主ドープ液100質量部と微粒子添加液2質量部となるように加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分に混合し、次いでベルト流延装置を用い、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。
その後、本発明の図1に記載の装置を用い、温度170℃、倍率2.0倍で遅相軸がフィルム幅方向と45°をなすように斜め方向に行い、乾燥させて90μmのセルロースエステルフィルム1を得た。Ro=138nm、Rt=175nmに調整した。
〈主ドープ液の組成〉
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 57質量部
セルロースエステルA 100質量部
可塑剤(A)、(B)、(C) 1:1:1の質量比で添加 5.5質量部
可塑剤(D)トリメチロールプロパントリベンゾエート 5.5質量部
紫外線吸収剤(A)チヌビン326(チバ・ジャパン(株)製) 0.4質量部
紫外線吸収剤(B)チヌビン109(チバ・ジャパン(株)製) 0.7質量部
紫外線吸収剤(C)チヌビン171(チバ・ジャパン(株)製) 0.6質量部
Figure 2009300570
(ポリカーボネートフィルムからなる支持体2)
未延伸ポリカーボネートフィルム(三菱ガス化学(株)製、膜厚100μm)を延伸倍率3.0倍、延伸温度140℃で図1の装置を用い、遅相軸がフィルム幅方向と−45°をなすように斜め方向延伸し、膜厚35μmのフィルムを得た。Ro=138nm、Rt=65nmに調整した。
(環状ポリオレフィンフィルムからなる支持体3)
未延伸ノルボルネンフィルム(日本ゼオン(株)製、ZEONOA;膜厚100μm)を延伸倍率2.2倍、延伸温度130℃で図1の装置を用い、遅相軸がフィルム幅方向と−45°をなすように斜め方向延伸し、膜厚60μmのフィルムを得た。Ro=138nm、Rt=69nmに調整した。
<垂直配向液晶層の積層>
上記作製した長尺状の支持体1を、鹸化処理を施した面に、下記中間層塗布液を、ワイヤーバー#3で塗布し80℃で30秒乾燥後、紫外線を120mJ/cmを10秒照射して硬化した。乾燥後の中間層の膜厚は、0.5μmであった。
(中間層塗布液)
ウレタンアクリレートオリゴマー(UV−7510B 日本合成化学(株))
25質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 290質量部
イソプロピルアルコール 685質量部
光重合開始剤(ルシリンTPO BASFジャパン(株)製) 0.05質量部
この中間層上に第2の中間層として市販の垂直配向膜(JALS−204R、JSR(株)製)をメチルエチルケトンで1:1に希釈したのち、ワイヤーバーコーターで2.4ml/m塗布した。直ちに、120℃の温風で120秒乾燥した。
次いで、中間層の上に下記塗布液Aを押出コーターで塗工し、温風を当てて乾燥後、UV照射して層全体を硬化させ垂直配向液晶層を設けた。硬化後の垂直配向液晶層の厚みは位相差を調整するため0.65μmに調整した。
(垂直配向液晶層塗布液A)
垂直配向液晶化合物:UCL−018(大日本インキ化学工業(株)製)16質量部
光開始剤(Irgacure907 チバ・ジャパン(株)製) 0.6質量部
メチルエチルケトン 16.8質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 67.2質量部
ヒンダードアミンLS−765(三共ライフテック株式会社製) 0.02質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.10質量部
下記空気界面側垂直配向剤1 0.01質量部
Figure 2009300570
垂直配向液晶層を設けた支持体してのレターデーションは、Ro=138nm、Rt=0nmであった。
支持体2(ポリカーボネート)、支持体3には、鹸化処理の代わりにコロナ放電処理を施し、支持体1と同様にして、中間層および垂直配向液晶層を設けた。膜厚はそれぞれ0.41μmであった。これらの垂直配向液晶層を設けた支持体としてのレターデーションは、いずれもRo=138nm、Rt=0nmであった。
ついで、図4に記載の装置を用いて、下記組成の無機化合物層を作製した。無機化合物層の膜厚は100nmとした。
〈無機化合物層混合ガス組成物1〉
放電ガス:窒素ガス 94.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈成膜条件〉
第1電極側 電源種類 ハイデン研究所 100kHz(連続モード) PHF−6k
周波数 100kHz
出力密度 10W/cm
電極温度 120℃
第2電極側 電源種類 パール工業製 13.56MHz CF−5000−13M
周波数 13.56MHz
出力密度 10W/cm
電極温度 90℃
比較として、本発明の垂直配向液晶層を塗設せず、鹸化処理またはコロナ放電した支持体の上に、下記組成の組成物2による無機化合物層を設けた後、組成物1による無機化合物層を設けた試料4〜6を作製した。
(第二の無機化合物層の形成)
〈無機化合物層混合ガス組成物2〉
放電ガス:窒素ガス 94.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈第二の無機化合物層成膜条件〉
第1電極側 電源種類 応用電機製 80kHz
周波数 80kHz
出力密度 8W/cm
電極温度 120℃
第2電極側 電源種類 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
周波数 13.56MHz
出力密度 10W/cm
電極温度 90℃
これらの試料について、ガスバリア性(水蒸気透過率、酸素透過率)、密着性を、試料作製直後(即)と50℃90%RH、300時間経過後(経時)とで評価した。結果を表1に示す。
(水蒸気透過率g/m・dの測定方法)
水蒸気透過率は、JIS K 7129Bで規定の方法(40℃、90%RH)に準拠して、MOCON社製 水蒸気透過率測定装置 PERMATRAN−W 3/33 MGモジュールにより測定を行った。
(酸素透過率のcm/m・d測定方法)
モダンコントロール社製酸素透過率測定装置OX−TRAN 2を用いて、23℃0%RHの条件で測定した。
(密着性評価方法)
JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行った。形成された薄膜の表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90度の切り込みを1mm間隔で縦横に11本ずつ入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上に市販のセロファンテープを貼り付け、その一端を手でもって垂直にはがし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する薄膜の剥がされた面積の割合を以下のランクで評価した。
◎:全く剥がされなかった
○:剥離された面積割合が10%未満であった
×:剥離された面積割合が10%以上であった
Figure 2009300570
本発明では、強制劣化条件にさらしても作製当初のガスバリア性、密着性を維持することができた。
実施例2
<偏光板の作製>
厚さ、120μmのポリビニルアルコールの長尺フィルムを、MD方向に一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光子を得た。
次いで、前記偏光子の一方の面に、実施例1で作製した試料1〜6の即と経時を、支持体1では、セルロースエステルが露出している側をケン化処理したのち、固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤を使用し貼り合わせ、支持体2および3では、樹脂が露出している側をコロナ放電しウレタン系接着剤により貼り合わせた。
偏光子フィルムのもう一方の面には、コニカミノルタタックKC4UE(コニカミノルタオプト(株)製)を同様にケン化処理したのち、同時に貼り合わせた。
<評価>
携帯電話W567((株)東芝製)に実装された表示パネルから1/4波長板および偏光板を剥がし、本発明の偏光板を貼り付けた。この表示装置について、外光反射率と視野角反射輝度を評価した。
(外光反射率の測定方法)
正面の外光反射率をCM−2500d(コニカミノルタ製)によって測定した。測定波長として480nm、550nm、650nmの平均反射率をそれぞれ測定し、その値を平均した。評価基準は下記の通りである。
◎:1.0%未満
○:1.0〜1.5%未満
△:1.5〜2.0%未満
×:2.0%以上
(視野角反射率の測定方法)
視野角反射率の測定はCS−2000(コニカミノルタ製)を用い、表示パネル法線から70度の角度から測定した。偏光板を貼り付けた表示パネルの輝度から、表示パネルのみの輝度を割った値を視野角反射率とした。
測定波長として480nm、550nm、650nmの視野角反射率をそれぞれ測定し、その値を平均した。評価基準は下記の通りである。
◎:5.0%未満
○:5.0〜7.0%未満
△:7.0〜9.0%未満
×:9.0%以上
Figure 2009300570
本発明では、強制劣化条件にさらしても外光反射率と視野角反射率を維持することができた。
従来のガスバリア性樹脂支持体の構成である。 本発明のバスバリア性樹脂支持体である光学フィルムの構成である。 ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。 対向電極間で基材を処理する方式のプラズマCVD装置の一例を示す概略図である。 本発明の延伸フィルムの製造装置の一例を示す模式平面図である。
符号の説明
1、5 偏光子
2、6 支持体
3 無機化合物層1
4 無機化合物層2
7 垂直配向液晶層
8 無機化合物層
10 プラズマ放電処理装置
11 第1電極
12 第2電極
21 第1電源
30 プラズマ放電処理装置
32 放電空間
35 ロール回転電極
35a ロール電極
35A 金属質母材
35B 誘電体
36 角筒型固定電極群
40 電界印加手段
41 第1電源
42 第2電源
50 ガス供給手段
51 ガス発生装置
52 給気口
53 排気口
60 電極温度調節手段
G 薄膜形成ガス
G° プラズマ状態のガス
G′ 処理排ガス
101 熱可塑性樹脂フィルム
102 テンター
103 搬送方向
104 チャック位置
105 フィルム移動位置
106 移動速度

Claims (5)

  1. 支持体とその上に少なくとも一層の無機化合物層を有する光学フィルムにおいて、該支持体と無機化合物層との間に垂直配向液晶層を有することを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記無機化合物層の少なくとも一層が酸化珪素を含有することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
  3. 前記請求項1または2に記載の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして使用したことを特徴とする偏光板。
  4. 前記請求項1または2に記載の光学フィルムを使用したことを特徴とする自発光型表示装置。
  5. 前記請求項1または2に記載の光学フィルムを使用したことを特徴とする照明装置。
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CN111751916A (zh) * 2019-12-30 2020-10-09 宁波瑞凌新能源科技有限公司 一种阻隔层膜结构及其应用

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