JP2005125503A - 有機−無機ハイブリッドフィルム及びその製造方法 - Google Patents

有機−無機ハイブリッドフィルム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属炭化物、金属窒化物、金属フッ化物との有機−無機ハイブリッドフィルム、また触媒や還元剤等を用いず、それらの除去を必要としない金属酸化物、金属硫化物との有機−無機ハイブリッドフィルム、さらに液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等のプラスチック基板として有用な透明フィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 大気圧または大気圧近傍の圧力下、高周波電圧を印加することによって励起されたガスが存在する空間に金属元素を含む反応性ガスを供給することにより前記反応性ガスを励起状態とする工程、前記励起状態の反応性ガスを高分子または高分子前駆体を含む溶液に導入して無機微粒子を分散する工程、及び前記無機微粒子と高分子または高分子前駆体とを含む溶液を溶剤キャスト法で製膜する工程によって製膜することを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明フィルム、透明導電性フィルム、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル等に用いられる化学的気相成長法による有機−無機ハイブリッドフィルム及びその製造方法に関する。
近年、各種光学デバイスの高機能化、機能の複合化の手段として、有機−無機ハイブリッドと呼ばれる手法が注目を集めている。
有機−無機ハイブリッドとは、有機高分子中に無機微粒子をnmオーダーで分散することで、光学的な透明性を保持したまま、有機高分子の性質と無機物の性質の双方を兼ね備えた材料を得ようとする手法である。
例えば、特許文献1では、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールピロリドン、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂に対し金属酸化物を微分散させた有機−無機ポリマーハイブリッドによって耐熱性を向上させた液晶ディスプレイ基板用プラスチックフィルムが開示されている。
本来凝集しやすく微分散が困難な無機物を、有機高分子中にnmオーダーで微分散するためには、有機高分子またはその前駆体を含む溶液内で無機物を合成するという手法で行われる。
代表的なものとしてはゾルゲル法が挙げられる。ゾルゲル法は、液体または液体に溶解した有機金属化合物を加水分解することで金属酸化物を得る手法である。代表的なゾルゲル反応としては、テトラエトキシシラン(TEOS)からシリカ(酸化珪素)を得る反応が挙げられる。
また別のプロセスとしては、有機金属化合物を溶解した溶液中で還元剤によって還元することで、金属微粒子を得るという方法がある。代表的な反応としては、例えば、非特許文献1では硝酸銅を水溶液中水素化ほう素ナトリウムによって還元し、銅微粒子を得るという反応がある。
上記金属酸化物微粒子、金属微粒子以外の無機物を用いた有機−無機ハイブリッドの報告としては、少数ながら硫化物の報告が見られるが、例えば、非特許文献2では有機高分子をジメチルカドミウム蒸気に触れさせた後、硫化水素ガス雰囲気下で吸着したジメチルカドミウムを硫化カドミウムに添加するという手法であったり、例えば、非特許文献3ではポリエチレンオキシドと塩化カドミウムの水溶液に硫化ナトリウム水溶液を滴下して溶液中で硫化カドミウム微粒子を合成し、溶液をキャストして乾燥させて製膜した後、エタノールで洗浄してアルカリ塩を取り除くという手法であり、工業的に大量生産が可能な方法ではなかった。
また前記還元剤によって金属微粒子との有機−無機ハイブリッドを得る手法においても、反応した還元剤を水洗によって取り除く必要があり、工業的に大量生産することは難しい。
また前記ゾルゲル法による金属酸化物微粒子との有機−無機ハイブリッドでは、例えば、TEOSからの酸化珪素微粒子の合成反応後に残るのはエタノールのみであり製膜時の乾燥時に同時に留去が可能であるが、合成反応時に少量であるが強酸が必要であり、この強酸がステンレスタンク等を侵すという課題があった。
さらに、このように工業的な大量生産を前提としない実験室スケールであっても、炭化物、窒化物、ハロゲン化物といった無機物との有機−無機ハイブリッドは報告されていない。
特開2000−122038号公報 J.Appl.Polym.Sci.,vol.89(2003),p2412 J.Appl.Polym.Sci.,vol.88(2003),p177 J.Appl.Polym.Sci.,vol.84(2002),p1263
従って、本発明の目的は、従来得られていない金属炭化物、金属窒化物、金属フッ化物との有機−無機ハイブリッドフィルム、また、触媒や還元剤等を用いず、従ってそれらの除去を必要としない金属酸化物、金属硫化物との有機−無機ハイブリッドフィルム、さらに、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等のプラスチック基板として有用な透明フィルム及びその製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
大気圧または大気圧近傍の圧力下、高周波電圧を印加することによって励起されたガスが存在する空間に金属元素を含む反応性ガスを供給することにより前記反応性ガスを励起状態とする工程、前記励起状態の反応性ガスを高分子または高分子前駆体を含む溶液に導入して無機微粒子を分散する工程、及び前記無機微粒子と高分子または高分子前駆体とを含む溶液を溶剤キャスト法で製膜する工程によって製膜することを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
(請求項2)
高周波電圧が1kHz〜2500MHzで、かつ、供給電力が1〜50W/cm2であることを特徴とする請求項1記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
(請求項3)
高周波電圧が1kHz〜1MHzの交流電圧と1〜2500MHzの交流電圧を重畳させたものであることを特徴とする請求項1または2記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
(請求項4)
高分子または高分子前駆体を含む溶液の粘度が10mPa・s〜100Pa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
(請求項5)
請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属炭化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項6)
請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属窒化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項7)
請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属硫化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項8)
請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属酸化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項9)
請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属ハロゲン化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項10)
請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が0価の金属であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項11)
請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属炭酸塩であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項12)
有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1項記載の有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項13)
流れ方向(MD)または幅手方向(TD)に3〜100%一軸延伸されていることを特徴とする請求項5〜12のいずれか1項記載の有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項14)
流れ方向(MD)及び幅手方向(TD)に3〜100%二軸延伸されていることを特徴とする請求項13記載の有機−無機ハイブリッドフィルム。
(請求項15)
有機−無機ハイブリッドフィルムを構成する有機高分子がセルロースエステルであることを特徴とする請求項5〜14のいずれか1項記載の有機−無機ハイブリッドフィルム。
本発明により、従来得られていない金属炭化物、金属窒化物、金属フッ化物との有機−無機ハイブリッドフィルム、また、触媒や還元剤等を用いず、従ってそれらの除去を必要としない金属酸化物、金属硫化物との有機−無機ハイブリッドフィルム、さらに、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等のプラスチック基板として有用な透明フィルム及びその製造方法を提供することができる。
本発明者は上記課題について詳細に検討した結果、従来の手法のような固相中または液相中で無機微粒子を合成するのではなく、大気圧下におけるプラズマ助成式気相合成によって各種無機微粒子を合成し、前記無機微粒子を含むガスを有機高分子溶液中に吹き込み、この溶液をキャストして製膜することによって目的を達成しうることを見出した。
また、本発明の効果をより発現するためには、高周波電圧が1kHz〜2500MHzで、かつ、供給電力が1〜50W/cm2であること、高周波電圧が1kHz〜1MHzの交流電圧と1〜2500MHzの交流電圧を重畳させたものであること、高分子または高分子前駆体を含む溶液の粘度が10mPa・s〜100Pa・sであること、有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が0.01〜10質量%であること、流れ方向(MD)及び/または幅手方向(TD)に3〜100%延伸されていること、有機−無機ハイブリッドフィルムを構成する有機高分子がセルロースエステルであることが好ましい。
以下本発明を詳細に説明する。
(プラズマ助成式化学的気相成長法)
プラズマ助成式化学的気相成長法について説明する。プラズマ助成式化学的気相成長法は、一般にプラズマCVDまたはPECVDとも呼ばれ、比較的低温で無機物の薄膜または微粒子を合成する方法である。
具体的には、有機金属化合物を気化させてプラズマ空間に送り込み、プラズマ空間で分解・粒子成長を行う手法である。プラズマ中に酸化性ガスを含めば金属酸化物が合成され、硫化水素が存在すれば硫化物が合成される。その他にも、原料となる有機金属化合物中に炭素、窒素、フッ素等を含めばそれぞれ、炭化物、窒化物、フッ化物等を得ることもできる。
しかしながらプラズマCVDと呼ばれる手法は一般に減圧下で行われるため、プラズマ空間から放出されたガスを有機高分子を含む溶液中に吹き込もうとしても、揮発した溶媒がプラズマ空間に逆流するために不可能であった。
本発明者らが鋭意検討したところ、ある一定の条件下では大気圧下においてもプラズマによるグロー放電が可能で、ひいては大気圧下でもプラズマCVDが可能であること、プラズマCVDで合成された無機微粒子を含むガスを有機高分子またはその前駆体を含む溶媒中に吹き込むことが可能であることを見出した。
(大気圧プラズマCVD処理装置)
以下さらに、大気圧または大気圧近傍でのプラズマCVD法を用いた無機微粒子を形成する装置について詳述する。
本発明の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法で使用されるプラズマCVD装置について、図1〜6に基づいて説明する。
本発明において好ましく用いられる放電プラズマ処理は大気圧または大気圧近傍で行われる。大気圧近傍とは20〜110kPaの圧力を表し、さらに好ましくは93〜104kPaである。
図1は、有機−無機ハイブリッドフィルム製膜装置の1例を示す。有機−無機ハイブリッドフィルム製膜装置は、図1に示されるように無機微粒子生成部1、調液部2、製膜部3の3ブロックに大きく分けられる。製膜するプロセスに従って、まず、図1に示す有機−無機ハイブリッドフィルム製膜装置の無機微粒子生成部1を説明する。
無機微粒子生成部1は、プラズマ放電処理室10、交流電源11、電極温度管理部12、原料ガス供給部13、放電ガス供給部14、不活性ガス供給部15、ガス導入管16、ガス導入管温度管理部17、三方コック18、排気管19等から構成されている。放電ガス供給部14から供給された放電ガスで満たされたプラズマ放電処理室10に交流電源11より高周波電界を印加することでプラズマ放電処理室内10にグロー放電プラズマが生成する。原料ガス供給部13から供給された原料ガスは、プラズマ放電処理室10内のプラズマ空間で分解されて無機微粒子を含むガスとなり、ガス導入管16に導入される。生成した無機微粒子がガス導入管16に付着しないよう、プラズマ放電処理部から排気されたガスの外側に無機微粒子を含まない不活性ガスを不活性ガス供給部15より供給し、層流で流してもよい。また、プラズマ放電処理室10から排気された後の配管中でも、無機微粒子は成長をすることがあるため、無機微粒子の成長を補助または抑制すべく配管温度管理部17を設けてもよい。電極温度管理部12、配管温度管理部17は、それぞれ冷却または加熱どちらも可能である。これらの温度管理部は、一定の温度に調温された蒸留水、油等の絶縁性材料を循環させることで対応する部分の温度を管理する。生成した無機微粒子を含むガスは有機高分子を含む調液部2に導入されるが、放電が安定するまでは三方コック18を排気管19へ接続しておくことが好ましい。
放電ガスとは、一定条件下の高周波電界が印加された空間内では電離してグロー放電プラズマを生成するガスのことである。放電ガスには、低電力の印加電力でもグロー放電に移行しやすく、微粒子内に不純物として残存しにくい周期表の第18属元素、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の希ガスまたは窒素等を挙げることができるが、本発明に記載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴン、窒素が好ましく用いられる。放電ガスはプラズマ放電処理室10に導入される全ガスのうち、90.0〜99.9体積%を占めることが好ましい。
原料ガスは放電空間でプラズマ状態となり、無機微粒子を形成する金属成分を含有するものであり、有機金属化合物、有機化合物、無機化合物等を含有するガスである。原料ガスはプラズマ放電処理室10に導入される全ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。
また原料ガスに含まれる有機金属化合物、有機化合物、無機化合物等の化合物の有機成分を水素化、酸化して揮発性低分子へと分解を促進する水素ガス、酸素ガス、炭酸ガス等補助的に使用する分解ガスを原料ガスと共にプラズマ放電処理室10に導入してもよい。
次に調液部2を説明する。調液部2は、ミキシングタンク20、攪拌翼21、原料供給口22、冷却還流塔23、排気弁24、ミキシングタンク温度管理部25、コンプレッサー26、開閉バルブ27、有機高分子溶液D等から構成される。無機微粒子生成部1から活性または不活性な無機微粒子を含有するガスが送り込まれ、ミキシングタンク20内で攪拌翼21により有機高分子溶液Dと混合される。送りこまれたガスは冷却還流塔23、排気弁24を経由して放出される。なお排気弁24は任意の圧力で開閉するように設定することができ、有機高分子溶液Dを調整する時に加熱・加圧して溶解する際には1気圧以上の圧力でのみ開放されるように設定してもよい。無機微粒子を混合するプロセスの際は、1気圧で開放されるように設定する。加圧はコンプレッサー26で行い、加圧する際はミキシングタンクに隣接する三方コック18、排気弁24、開閉バルブ27、開閉バルブ30は全て閉じてから、開閉バルブ27を開けて加圧する。
次に製膜部3を説明する。製膜部3は、開閉バルブ30、送液管31、フィルター32、添加液供給部33、ダイス34、流延ベルト35、ガイドロール36、テンター37、乾燥ゾーン38、フィルム巻き取り部39等から構成される。無機微粒子が混合された有機高分子溶液Dの調製が終わると、コンプレッサー26によりミキシングタンク20内の圧力を所定の圧力まで高めた後、製膜部の開閉バルブ30を開き異物を濾過するフィルター32を経由して、必要に応じて添加液供給部33からマット剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を含む添加液を供給し、ダイス34により流延ベルト35上に所定の塗布厚で塗布される。本発明の方法によって導入された無機微粒子は非常に小さい微粒子であるため、フィルター32では濾過されない。
無機微粒子が混合された有機高分子溶液Dは流延ベルト35上に塗布され、適度に乾燥し、自己支持性を有する状態となったところで剥ぎ取られ、ガイドロール36を経由してテンター37に搬送され、必要に応じて流れ方向または幅手方向に延伸された後、乾燥部38で完全に乾燥され、フィルム巻き取り部39で巻き取られる。
本発明では、真空系ではなくほぼ大気圧に近い圧力下で放電処理により微粒子を気相合成できることから、このような気相−液相工程が可能となり、これまでにない無機微粒子を含む有機−無機ハイブリッドフィルムを得ることができ、また、化学的な触媒・反応試薬の除去が不要であるために高い生産性を上げることができる。
次にプラズマ放電処理室10について説明する。プラズマ放電処理室は、容量結合方式である図2〜4、誘導結合方式である図5、プラズマジェット方式と呼ばれる図6のいずれの形状でも構わない。またそれ以外の一般的なプラズマジェット方式のプラズマ放電処理室、リモートプラズマ方式のプラズマ放電処理室も好ましく用いられる。
図2のプラズマ放電処理室において、40は金属母材、41は誘電体、42は交流電源である。金属母材40に誘電体41を被覆したスリット状の放電空間に、上部から放電ガス及び原料ガスからなる混合ガス43を導入し、交流電源41で高周波電圧を印加することにより反応性ガスをプラズマ状態とし、該プラズマ状態の混合ガス中で無機微粒子が生成し、活性な無機微粒子を含むガス44となって図1の調液部2へと送り込まれる。
図3のプラズマ放電処理室は、円筒電極50と棒電極51が同軸構造となっている例である。印加電極である円筒電極50は、金属母材52とこれを被覆する誘電体53で構成されていて、交流電源56に接続されている。アース電極である棒電極51も、アースに接続された金属母材54とそれを被覆する誘電体55から構成されている。放電ガス及び原料ガスを含む混合ガス57を上部から導入し、プラズマ放電処理室で生成した活性な無機微粒子を含むガス58となって図1の調液部2へと送り込まれる。
図4のプラズマ放電処理室の例では、パイレックス(R)ガラス等で構成されたプラズマ放電空間60に、上下にリング型電極61と62が設置されている。印加電極であるリング型電極61は交流電源63に接続されている。アース電極であるリング型電極62はアースに接続されている。放電ガス及び原料ガスを含む混合ガス64を上部から導入し、プラズマ放電処理室のリング型電極61、62で挟まれた空間ではプラズマが発生し、原料ガスがこのプラズマ空間を通過すると活性な無機微粒子が生成し、活性な無機微粒子を含むガス65となって図1の調液部2へと送り込まれる。なお図示していないが、リング型電極61、62の表面は誘電体で被覆されていることが好ましい。
図5のプラズマ放電処理室の例は、誘導結合型と呼ばれる方式のプラズマ放電処理室であり、印加する交流電源が1MHz以上と十分周波数が高い場合に用いることができる構成のプラズマ放電処理室である。印加する交流電源が1MHzを越えると、プラズマ内の電子が電極間を移動する前に電界の向きが逆転するため、電極間に実効電流は流れなくなり、アース電極を不要とすることができるためである。パイレックス(R)ガラス等で構成されたプラズマ放電空間70に、コイル型電極71を巻きつけ、交流電源72に接続する。放電ガス及び原料ガスを含む混合ガス73を上部から導入すると、プラズマ放電処理室のコイル型電極71で挟まれた空間でプラズマが発生し、原料ガスがこのプラズマ空間を通過すると活性な無機微粒子が生成し、活性な無機微粒子を含むガス74となって図1の調液部2へと送り込まれる。
図6のプラズマ放電処理室の例は、リモートプラズマジェットと呼ばれる方式のプラズマ放電処理室である。パイレックス(R)ガラス等で構成されたプラズマ放電処理室80内には原料ガス81は導入されず、放電ガス82のみが導入され、交流電源83に接続された外側の円筒電極84とアース電極である内側の円筒電極85で挟まれた空間内で励起状態の活性なガスとなった後、内側の円筒電極85内を通過してきた原料ガス81と混合され、原料ガスは間接的に励起され、無機微粒子が生成する。活性な無機微粒子を含むガス86は図1の調液部2へと送り込まれる。なお外側の円筒電極84は内側を誘電体86で被覆されており、内側の円筒電極85は外側を誘電体87で被覆されている。
これらのプラズマ放電処理室は、図1の調液部2に導入される前に複数あってもよく、また直列に配置されていても並列に配置されていてもよい。
図2〜6のプラズマ放電処理室内の、印加電極とアース電極電極間の距離(図5の場合は、コイル電極を巻きつけられたプラズマ放電処理室内の内径)は、均一な放電を行う観点から0.3〜20mmが好ましく、特に好ましくは1±0.5mmである。この電極間の距離は、電極周囲の誘電体の厚さ、印加電圧の大きさを考慮して決定される。また、電極の表面粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下にすることで誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ放電状態を安定化できる。さらに、誘電体の熱収縮差や残留応力による歪みやひび割れをなくし、かつ、ノンポーラスな高精度の誘電体を被覆することで大きく耐久性を向上させることができる。例えば被覆する誘電体の厚さは0.5〜2mm程度に設定される。この膜厚変動は5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。また、電極を被覆する誘電体としては、比誘電率が6〜45の無機物であることが好ましい。
金属母材に対する誘電体被覆による電極製作では、誘電体を研磨仕上げすることや電極の金属母材と誘電体間の熱膨張の差をなるべく小さくすることが必要であるので、母材表面に応力を吸収できる層として泡混入量をコントロールして無機質の材料をライニングすることが好ましい。特に材質としては琺瑯等で知られる溶融法により得られるガラスであることが好ましく、さらに導電性金属母材に接する最下層の泡混入量を20〜30体積%とし、次層以降を5体積%以下とすることで、緻密かつひび割れ等の発生しない良好な電極ができる。
また、電極の母材に誘電体を被覆する別の方法として、セラミックスの溶射を空隙率10体積%以下まで緻密に行い、さらにゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封孔処理を行うことが挙げられる。無機質としては金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とする場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とする場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や紫外線照射等がある。さらに封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すとより一層無機質化が向上し、劣化のない緻密な電極ができる。
ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPSにより誘電体層の断層を分析することにより測定する。
溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工しやすいので、さらに好ましく用いられる。または、金属等の導電性母材へライニングにより無機材料を設けてもよい。ライニング材としては、珪酸塩系ガラス、硼酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩系ガラス、バナジン酸塩ガラスが好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工しやすいので、さらに好ましい。
また、誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、電極の表面粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下にすることで、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化できること、さらに熱収縮差や残留応力による歪やひび割れをなくし、かつ、高精度で、耐久性を大きく向上させることができる。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材フィルムと接する側の誘電体において行われることが好ましい。
本発明に係る誘電体被覆電極では、電体と導電性母材との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下が好ましい。より好ましくは8×10-6/℃以下、さらに好ましくは5×10-6/℃以下、さらに好ましくは2×10-6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。セラミックス誘電体との線熱膨張係数の差がこの範囲にある導電性母材としては、導電性母材がチタンを70質量%以上含有するチタン金属またはチタン合金が好ましく用いられる。
上記チタン金属またはチタン合金は、チタンを70質量%以上含有していれば問題なく使用できるが、好ましくは80質量%以上チタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることができる。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることができ、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量は99質量%以上である。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることができ、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量は98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることができ、これらのチタン含有量は85質量%以上である。これらのチタン合金またはチタン金属は熱膨張係数がステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることができる。なお使用温度があまり高くない(150℃以下)の場合は、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等も用いることができる。この場合、加工の観点からステンレスが好ましい。またこれらの電極母材は、電極母材内部を蒸留水や絶縁性オイルが循環し、温度管理手段を有することが好ましい。
印加電極とアース電極の間には、高いプラズマ密度を得て微粒子の合成速度を大きくするため、高周波電圧である程度大きな電力を供給することが好ましい。具体的には、1kHz〜2500MHzの高周波の電圧を印加することが好ましく、さらには1kHz〜1MHzの間のいずれかの周波数の電圧と、1MHz〜2500MHzの間のいずれかの周波数の電圧を重畳して印加することがより好ましい。
また、電極間に供給する電力の下限値は0.1〜50W/cm2であることが好ましく、0.5W/cm2以上であればより一層好ましい。また、1KHz〜1MHzの周波数の電圧と1MHz〜2500MHzの周波数の電圧を重畳する際には、1〜2500MHzの電力は1kHz〜1MHzの周波数の電力よりも小さいことが好ましく、1kHz〜1MHzの電力の2〜8割の電力であることが好ましい。なお、電極における電圧の印加面積(cm2)は放電が起こる範囲の面積のことである。
また、電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であってもよいが、製膜速度が大きくなることから、サイン波であることが好ましい。
図1〜6において、プラズマ処理室の電源としては特に限定はないが、神鋼電機製高周波電源(3kHz)、神鋼電機製高周波電源(5kHz)、神鋼電機製高周波電源(15kHz)、神鋼電機製高周波電源(50kHz)、ハイデン研究所製高周波電源(連続モード使用、100kHz)、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等を使用できる。また、433MHz、800MHz、1.3GHz、1.5GHz、1.9GHz、2.45GHz、5.2GHz、10GHzを発振する電源を用いてもよい。また2種以上の周波数を重畳して用いてもよい。その際の好ましい組み合わせとしては、1kHz〜1MHzの電源と、1MHz〜2500MHzの間の電源を重畳することが好ましい。
(無機微粒子)
図1のプラズマ処理室で合成される無機微粒子は、原料化合物、分解ガス、分解温度、投入電力等の条件を選ぶことで、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、またこれらの混合物(金属酸窒化物、金属酸化ハロゲン化物、金属窒化炭化物等)も作り分けることができる。
例えば、珪素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば珪素酸化物が生成する。また、亜鉛化合物を原料化合物として用い、分解ガスに二硫化炭素を用いれば硫化亜鉛が生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
このような無機微粒子の原料としては、典型または遷移金属元素を有しかつ大気圧下、0〜250℃の温度域で蒸気圧を有する化合物であれば任意に選ぶことができるが、好ましくは0〜250℃の温度域で液体状態を呈する化合物である。
例えば、ケイ素を含有する化合物としては、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン等が挙げられる。
チタンを含有する化合物としては、例えば、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンn−ブトキシド、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンアセチルアセトネート、ブチルチタネートダイマー等が挙げられる。
ジルコニウムを含有する化合物としては、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシド、ジルコニウムトリ−n−ブトキシドアセチルアセトネート、ジルコニウムジ−n−ブトキシドビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート等が挙げられる。
アルミニウムを含有する化合物としては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート等が挙げられる。
硼素を含有する化合物としては、ジボラン、テトラボラン、フッ化硼素、塩化硼素、臭化硼素、ボラン−ジエチルエーテル錯体、ボラン−THF錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリ(イソプロポキシ)ボラン、ボラゾール、トリメチルボラゾール、トリエチルボラゾール、トリイソプロピルボラゾール等が挙げられる。
錫を含有する化合物としては、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては二塩化錫、四塩化錫等が挙げられる。
またその他の金属からなる有機化合物としては、例えば、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、バリウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、ベリリウムアセチルアセトナート、ビスマスヘキサフルオロペンタンジオネート、ジメチルカドミウム、カルシウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、クロムトリフルオロペンタンジオネート、コバルトアセチルアセトナート、銅エチルアセトアセテート、銅ヘキサフルオロペンタンジオネート、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、マグネシウムトリフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート−ジメチルエーテル錯体、ガリウムエトキシド、テトラエトキシゲルマン、テトラメトキシゲルマン、ハフニウムt−ブドキシド、ハフニウムエトキシド、インジウムアセチルアセトナート、インジウム2,6−ジメチルアミノヘプタンジオネート、フェロセン、ランタンイソプロポキシド、酢酸鉛、テトラエチル鉛、ネオジウムアセチルアセトナート、白金ヘキサフルオロペンタンジオネート、トリメチルシクロペンタジエニル白金、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート、ストロンチウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、タンタルメトキシド、タンタルトリフルオロエトキシド、テルルエトキシド、タングステンエトキシド、バナジウムトリイソプロポキシドオキシド、亜鉛アセチルアセトナート、ジエチル亜鉛等が挙げられる。
また、これらの金属を含む原料ガスを分解して無機化合物を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガス等が挙げられる。
金属を含む原料ガスと分解ガスを適宜選択することで、各種の金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫化物を得ることができ、これらの無機微粒子がナノスケールで有機高分子に混合されることで、有機高分子と無機化合物の両者の特性を併せ持つ材料が得られる。
一般に無機物は耐熱性が高く、線膨張率が低く、耐薬品性に優れる。また一部の無機物では導電性があるもの、紫外線、赤外線または電磁波吸収性があるもの、蛍光を発光するもの等がある。しかし一般にこれらの無機物は脆くて柔軟性、成形性に乏しいという欠点がある。これらの無機物を有機高分子中に微分散することで、フィルムのように柔軟な形状、あるいは軽量な立体成形物等、扱いやすい形で無機物の特性を応用することができる。
(有機高分子)
図1においてプラズマ放電処理室10で生成した無機微粒子は、活性な状態を保ったまま、あるいは失活した状態で、有機高分子またはその前駆体を溶解したミキシングタンク内にガス状態で導入される。
ミキシングタンク内に導入された活性な無機微粒子は、溶媒または溶解している有機高分子またはその前駆体と、無機微粒子の表面で化学反応を起こし、無機微粒子同士の凝集を起こりにくくさせる。ミキシングタンク内に導入される前に失活して不活性となった無機微粒子であっても、ミキシングタンク内の有機高分子またはその前駆体の溶解液がある程度高粘度であれば、無機微粒子の拡散が抑制され、やはり無機微粒子の凝集を抑える効果がある。従って、無機微粒子を分散する際にはミキシングタンク内の有機高分子またはその前駆体の溶解液は一定以上の粘度を有していることが好ましい。具体的には10mPa・s以上であることが好ましく、より好ましくは100mPa・s以上である。しかし100Pa・sを超えると溶液の攪拌・送液・濾過の効率が低下し、また製膜したフィルムのレベリングが起こりにくくなり平面性が悪化するため好ましくない。
有機−無機ハイブリッドフィルムを構成する有機高分子は、有機−無機ハイブリッドフィルムに求められる物性によって自由に選ぶことができる。しかし無機微粒子をナノスケールで分散することの利点の一つとして、無機微粒子が可視光の波長以下のサイズであるために可視光を散乱せず高い透明性を付与できるという利点があるため、有機高分子も透明性の高い材料であることが好ましい。好ましくは全光透過率が80%以上であって、黄色度が5.0以下の高分子である。より好ましくは全光透過率が90%以上、黄色度が1.0以下の高分子である。
このような有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アセタール系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、一部のシクロオレフィンポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、セルロース系樹脂またはこれらの高分子前駆体等が挙げられる。
このような透明高分子材料の中でも、光学用途のフィルムとして用いる場合には、透明導電膜、ガスバリア膜、反射防止膜、紫外線吸収膜、強誘電体膜等のような機能性薄膜をフィルム上に製膜されるが、これらの機能性薄膜の製膜プロセスは高温処理を伴うことが多いため、耐熱性としてガラス転移温度が150℃以上である透明高分子材料が好ましい。このような条件を満たす透明高分子材料として、一部のポリカーボネイト、一部のシクロオレフィンポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フッ素樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等、あるいは(メタ)アクリル系樹脂等の架橋高分子材料が好ましい。
液晶ディスプレイの基板に用いる場合は、複屈折の波長分散が正分散であることが好ましい。複屈折の波長分散が正分散とは、例えば、該高分子を可溶な溶媒に溶解させてガラス板上にフィルム乾燥時の厚みが100μmになるように流延・乾燥させてフィルムを作製し、該高分子からなるフィルムの波長480nmにおける面内リターデーション値R0(480)を波長590nmにおける面内リターデーション値R0(590)で除した値が1より小さいものをいう。
複屈折の波長分散が正の透明フィルムにおいては、可視光の全波長領域で偏光の補償が可能であり、複屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルにおいては色ずれがなく、有機EL表示素子においてはコントラストが良好である。このような条件を満たす高分子はジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステルであり、これらのセルロースエステルを有機−無機ハイブリッドフィルムの有機高分子と用いることが最も好ましい。
なおセルロースエステルの原料のセルロースとしては特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を挙げることができる。また、これらから得られたセルロース誘導体は、それぞれを単独で、あるいは任意の割合で混合使用することができるが、綿花リンターを50質量%以上使用することが好ましい。
セルロース誘導体の分子量は数平均分子量(Mn)で70,000〜200,000のものが、得られるフィルムの弾性率と、ドープの粘度や製膜速度の観点から好ましく、100,000〜200,000のものがさらに好ましい。本発明で用いられるセルロース誘導体はMw/Mn比が3.0未満であるが、好ましくは1.4〜2.3である。
セルロース誘導体の平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
なお一般に有機高分子フィルムは、1軸または2軸に延伸することによって弾性率、線膨張率、吸湿膨張係数等の力学的物性または屈折率、複屈折等の光学的物性を調整することが可能であり、必要に応じて1軸または2軸に延伸してもよい。また延伸によって、有機高分子内に分散された無機微粒子の配列を揃えることも可能である。
また本発明における有機−無機ハイブリッドフィルムには、例えば、特開2002−62430号等に記載されているような、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、フィルムのリタデーションを調整するリタデーション調製剤等を含有させてもよい。
(溶剤)
本発明の有機−無機ハイブリッドフィルムは、有機高分子を溶解した溶液(以下ドープという)に無機微粒子を分散し、基材上に流延しフィルムを形成させる際に押し出しまたは流延後に溶剤を蒸発させるという溶剤キャスト法で製膜するため、用いる溶媒は揮発性の溶媒が好ましく、かつ、有機高分子等と反応せず、しかも流延用基材を溶解しないものが好ましい。またこのような溶媒を2種以上混合して用いてもよい。
ここで、以下、有機高分子に対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主たる(有機)溶媒という。
ドープには良溶媒の他に、良溶媒よりも沸点の高い貧溶媒を1〜40質量%含有させることが好ましい。貧溶媒とは、有機高分子に対してほとんど溶解性を示さない有機溶媒を指す。良溶媒と貧溶媒は、ドープを金属支持体に流延した後、良溶媒が蒸発し始めて貧溶媒の比率が多くなることでウェブ(支持体上に有機−無機ハイブリッドフィルムのドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)をゲル化させ、ウェブを丈夫にし金属支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、有機高分子の溶解を促進したり粘度上昇を抑える役割もあり、無機微粒子の凝集、析出を抑える役割もある。
良溶媒、貧溶媒は溶解する有機高分子によって異なるが、本発明において最も好ましい有機高分子であるセルロースエステルについては、良溶媒の例としてアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロエタン、塩化メチレン等が挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチル及び塩化メチレンが好ましい。
また貧溶媒の例としては、炭素原子数1〜4のアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性もよく、かつ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。
このような条件を満たし、セルロースエステル類を高濃度に溶解する溶剤として最も好ましい溶剤は、塩化メチレン:エチルアルコールの比が95:5〜80:20の混合溶剤である。
(製膜)
次に、本発明に係わる有機−無機ハイブリッドフィルムの製膜方法について述べる。有機−無機ハイブリッドフィルムは溶液流延製膜方法により作製できる。
(1)溶解工程
はじめに有機高分子のドープの作製法から説明する。セルロースエステル等の有機高分子に対して良溶媒を主とする有機溶媒に、ミキシングタンク内で該有機高分子や添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程である。
有機高分子の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、同9−95557号公報または同9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中の有機高分子の濃度は、前述の通り無機微粒子を分散する工程では、10mPa・s〜100Pa・sの粘度であればよいが、塗布する段階では製膜したフィルムの乾燥負荷を抑えるために、なるべく高濃度のドープであることが好ましく、具体的には10〜35質量%が好ましい。そのため、必要に応じて無機微粒子の分散後に有機高分子を後から追加してもよい。
有機高分子を溶解及び無機微粒子を分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポンプで次工程に送る。
(2)流延工程
ドープを送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルトまたは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一にしやすい加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造の有機−無機ハイブリッドフィルムを得ることが好ましい。
(3)溶媒蒸発工程
ウェブを金属支持体上で加熱し、金属支持体からウェブが剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率が高く好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。裏面液体伝熱の場合は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低い沸点を有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。
(4)剥離工程
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。なお、剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させ過ぎてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
ここで、製膜速度を上げる方法(残留溶媒量ができるだけ多いうちに剥離することで製膜速度を上げることができる)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。例えば、ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、金属支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。金属支持体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を上げることができる。
金属支持体上でのウェブの乾燥が条件の強弱、金属支持体の長さ等により5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生しやすいため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量を決る。本発明においては金属支持体上の剥離位置における温度は10〜40℃が好ましく、15〜30℃がより好ましい。
また、剥離位置におけるウェブの残留溶媒量を10〜120質量%とすることが好ましい。
残留溶媒量は下記式で表すことができる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
(5)乾燥及び延伸工程
剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、及び/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて、ウェブを乾燥する行程である。
本発明においては、クリップ間の幅手方向に対して延伸する方法として、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。
乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥はでき上がりのフィルムの平面性を損ねやすい。全体を通して、通常乾燥温度は40〜250℃の範囲で行われる。使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。
フィルムの厚さは特に限定されないが、例えば、10μm〜1mm程度のもの等任意の厚さのフィルムを作製することができる。好ましくは乾燥、延伸等の処理が終わった後の膜厚で10〜500μmが好ましく、特に30〜200μmが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
なおプラズマ放電処理室としては、図3で示されるようなプラズマ放電処理室を用いて行った。また各実施例では、得られた各フィルムの特性に応じて下記の測定を行った。
(ガラス転移温度の測定)
セイコーインスツルメンツ社製TMA−SS6100を用い、膜厚100μm、巾4mmの試料を、チャック間距離20mmで固定し、室温から5℃/minで250℃まで昇温し、温度−歪み曲線の変曲点をからガラス転移温度を求めた。
(全光透過率・ヘイズの測定)
東京電色製TURBIDITY METER T−2600DAを用い測定した。
(電子顕微鏡観察)
日本電子社製JSM6100を用いて走査型電子顕微鏡写真を撮影し、フィルム中に分散している微粒子の粒径を測定した。
実施例1(シクロオレフィンポリマー−炭化珪素ハイブリッドフィルムの作製)
ミキシングタンクに、エタノール60質量部、塩化メチレン685質量部、シクロオレフィンポリマーとしてジェイエスアール製アートン50質量部を投入し、30℃で加熱しながら攪拌して溶解した。このドープの粘度は150mPa・sであった。
次に、下記構成のガスを20slm、25℃で放電空間に送り込み、放電空間を通過した、炭化珪素微粒子を含むガスを前記ドープ内に吹きこみ、バブリングを行った。
プラズマ発生は、13.56MHzの交流電源として日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を、100kHzの電源としてハイデン研究所製高周波電源PHF−2Kを用い、2周波の電圧を重畳して印加することで行った。なお印加した電圧は、100kHzを6W/cm2、13.56MHzを4W/cm2、電極温度は180℃である。
放電ガス:窒素 99.3体積%
分解ガス:水素 0.5体積%
原料ガス:ヘキサメチルジシラン 0.2体積%
なお、放電はヘキサメチルジシラン9.2質量部を消費するまで行った。ヘキサメチルジシラン100質量部から炭化珪素が約55質量部生成するため、炭化珪素は約5.0質量部がドープ内に分散された計算になる。
放電終了後、さらにアートン50質量部を添加し、冷却塔の開放部を閉じて密閉系として、ミキシングタンクを80℃に加熱しながら攪拌し、溶解させた。ドープの粘度は20000mPa・sであった。
得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り120℃で乾燥して本発明のフィルム1を得た。なお膜厚は最終的に100μmとなるように調整して塗布した。
得られたフィルム1は、透過率93%、ヘイズ0.6%と非常に透明であり、TMA測定の結果、ガラス転移温度は194℃に向上していた(アートンのガラス転移温度は171℃である)。また、SEMで観測したところ、炭化珪素微粒子はアートンフィルム中に粒径5〜10nmで均一に分散していた。
実施例2(トリアセチルセルロース−窒化硼素ハイブリッドフィルムの作製)
(ボラゾールの合成)
マグネチックスターラー、ガス入口、滴下ロート及び−196℃に冷却されたトラップと接続されている還流冷却器を有する1L3つ首フラスコ系内を窒素ガスで置換した後、ホウ水素化ナトリウム41.1質量部及び塩化アンモニウム53.5質量部を投入した。滴下ロートにより、10分以内にトリエチレングリコールジメチルエーテル500質量部を滴加した。反応は激しい熱と水素を発生しながら始った。次いで30分の後反応混合物を加熱装置で加熱し6時間還流で煮沸した。強い泡立を観測した。粗生物から50〜60℃で沸騰する成分を分留したところ、収率35.3%(収量9.5質量部)でボラゾールが得られた。
nD20測定値:1.3822
nD20文献値:1.3821(20℃での屈折率の文献値は、J.Am.Chem.Soc.vol.77(1955),p864より抜粋した)
ミキシングタンクに、エタノール60質量部、塩化メチレン685質量部、トリアセチルセルロース50質量部を投入し、30℃で加熱しながら攪拌して溶解した。このドープの粘度は750mPa・sであった。
次に、下記構成のガスを20slm、10℃で放電空間に送り込み、放電空間を通過した、窒化硼素微粒子を含むガスを前記ドープ内に吹きこみ、バブリングを行った。
プラズマ発生は、100kHzの交流電圧を12W/cm2、13.56MHzの交流電圧を8W/cm2、電極温度180℃で行った。
放電ガス:窒素 99.3体積%
分解ガス:水素 0.5体積%
原料ガス:ボラゾール 0.2体積%
なお放電は、ボラゾール5.4質量部を消費するまで行った。ボラゾール100質量部から窒化硼素が約93質量部生成するため、窒化硼素は約5.0質量部がドープ内に分散された計算になる。
放電終了後、さらにトリアセチルセルロース50質量部を添加し、冷却塔の開放部を閉じて密閉系として、ミキシングタンクを80℃に加熱しながら攪拌し、溶解させた。ドープの粘度は30000mPa・sであった。
得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り120℃で乾燥して本発明のフィルム2を得た。なお膜厚は最終的に100μmとなるように調整して塗布した。
得られたフィルム2は、透過率93%、ヘイズ0.4%と非常に透明であり、TMA測定の結果、ガラス転移温度は211℃に向上していた(トリアセチルセルロースのガラス転移温度は191℃である)。また、SEMで観測したところ、窒化硼素微粒子はトリアセチルセルロースフィルム中に粒径7〜12nmで均一に分散していた。
実施例3(セルロースアセテートプロピオネート−硫化亜鉛ハイブリッドフィルムの作製)
ミキシングタンクに、エタノール60質量部、塩化メチレン685質量部、セルロースアセテートプロピオネート100質量部を投入し、30℃で加熱しながら攪拌して溶解した。このドープの粘度は22000mPa・sであった。
次に、下記構成のガスを20slm、20℃で放電空間に送り込み、放電空間を通過した、硫化亜鉛微粒子を含むガスを前記ドープ内に吹きこみ、バブリングを行った。
プラズマ発生は、13.56MHzの交流電圧を10W/cm2、電極温度180℃で行った。
放電ガス:アルゴン 99.3体積%
分解ガス:二硫化炭素 0.5体積%
原料ガス:ジエチル亜鉛 0.2体積%
なお放電は、ジエチル亜鉛2.5質量部を消費するまで行った。ジエチル亜鉛100質量部から硫化亜鉛が約79質量部生成するため、硫化亜鉛は約2.0質量部がドープ内に分散された計算になる。
得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、ただちにテンターに搬送し、幅手方向に30%延伸を行った後、120℃で乾燥して本発明のフィルム3を得た。なお膜厚は最終的に100μmとなるように調整して塗布した。
幅手方向への延伸の具体的な条件については下記の通りである。フィルムを80℃で10秒予熱した後、延伸終了時に130℃になるように温度勾配を付けながら延伸した。なお、延伸速度は100%/分で実施した。また予熱から延伸に移る際、延伸開始部に100mmの曲率半径を持たせてテンターレールを広げた。延伸の後、130℃で30秒間、フィルムを5%の緩和させた。なおこの状態で所定の延伸倍率となるように延伸を行った。
この後、チャックで把持していたフィルムの両端をスリットした。
なお残留溶媒量は下記の式に従って算出した。
残留溶媒量(質量%)=(M−N)/N×100
ここでMは剥ぎ取り直後のフィルム質量、Nは剥ぎ取ったフィルムを120℃で30分乾燥した直後のフィルム質量である。
得られたフィルム3は、透過率92%、ヘイズ0.7%と非常に透明であり、TMA測定の結果、ガラス転移温度は185℃とほとんど変化しなかった(セルロースアセテートプロピオネートのガラス転移温度は183℃である)が、紫外線を照射すると青緑色の蛍光が観測された。またこの蛍光は楕円偏光であった。またSEMで観測したところ、硫化亜鉛微粒子はセルロースアセテートプロピオネートフィルム中に均一に分散していたが、粒子の形は球形ではなく、3〜7nm×25〜45nmの針状微粒子であり、針状微粒子の長軸が延伸方向に揃って配向していた。
実施例4(ジアセチルセルロース−酸化珪素ハイブリッドフィルムの作製)
ミキシングタンクに、エタノール60質量部、塩化メチレン685質量部、ジアセチルセルロース67質量部を投入し、30℃で加熱しながら攪拌して溶解した。このドープの粘度は8500mPa・sであった。
次に、下記構成のガスを20slm、30℃で放電空間に送り込み、放電空間を通過した、酸化珪素微粒子を含むガスを前記ドープ内に吹きこみ、バブリングを行った。
プラズマ発生は、13.56MHzの交流電圧を6W/cm2、100kHzの交流電圧を13W/cm2、電極温度180℃で行った。
放電ガス:窒素 99.3体積%
分解ガス:酸素 0.5体積%
原料ガス:テトラエトキシシラン 0.2体積%
なお放電は、テトラエトキシシラン34.5質量部を消費するまで行った。テトラエトキシシラン100質量部から酸化珪素が約29質量部生成するため、酸化珪素は約10質量部がドープ内に分散された計算になる。
放電終了後、さらにジアセチルセルロース33質量部を添加し、冷却塔の開放部を閉じて密閉系として、ミキシングタンクを80℃に加熱しながら攪拌し、溶解させた。ドープの粘度は36000mPa・sであった。
得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、ただちにテンターに搬送し、幅手方向に30%、流れ方向に30%延伸を行った後、120℃で乾燥して本発明のフィルム4を得た。なお膜厚は最終的に100μmとなるように調整して塗布した。
幅手方向への延伸の具体的な条件については前記の通りである。流れ方向への延伸の具体的な条件については下記の通りである。
フィルムを90℃で10秒予熱した後、90℃に加熱した延伸直前のロールを通過させた後、フィルム中央部が130℃、両端部が145℃となるよう、幅方向に3分割した赤外線ヒーターで加熱しながら延伸した。なお、延伸ロール間隔をベース幅で割った値が5倍となるように設定した。また延伸速度はいずれも300%/分で実施した。この後、ロールの温度差を延伸温度から順に30℃ずつ低く設定した4本の冷却ロールを通過させフイルムを徐冷した。この間フィルムを縦方向に3%緩和させた。なおこの状態で所定の延伸倍率となるように延伸を行った。
得られたフィルム4は、透過率93%、ヘイズ0.2%と非常に透明であり、TMA測定の結果、ガラス転移温度は222℃に向上した(ジアセチルセルロースのガラス転移温度は203℃である)。また延伸の効果により線膨張率は28ppm/℃に良化した(無延伸のジアセチルセルロースの線膨張率は66ppm/℃である)。またSEMで観測したところ、酸化珪素微粒子はジアセチルセルロース中に粒径4〜10nmで均一に分散していた。
実施例5(ポリアクリレート−酸化インジウムハイブリッドフィルムの作製)
ミキシングタンクに、テトラヒドロフラン100質量部、テトラエチレングリコールジアクリレート60質量部、アリルアセトアセテート20質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20質量部と、を投入し、50℃で加熱しながら攪拌して混合した。このドープの粘度は15mPa・sであった。
次に、下記構成のガスを20slm、180℃で放電空間に送り込み、放電空間を通過した、酸化インジウム微粒子を含むガスを、50℃まで冷却してから前記ドープ内に吹きこみ、バブリングを行った。
プラズマ発生は、13.56MHzの交流電源として日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を用いて電圧を印加した。なお印加した電圧は10W/cm2、電極温度は180℃である。
放電ガス:アルゴン 99.6体積%
分解ガス:酸素 0.2体積%
原料ガス:インジウム(2,6−ジメチル−3,5−ヘキサジオン) 0.2体積%
なお放電は、インジウム(2,6−ジメチル3、5−ヘキサジオン)4.2質量部を消費するまで行った。インジウムアセチルアセトナート100質量部から酸化インジウムが約24質量部生成するため、酸化インジウムは約1.0質量部がドープ内に分散された計算になる。
放電終了後、得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、120mJ/cm2の紫外線を照射後、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り120℃で乾燥して本発明のフィルム5を得た。なお膜厚は最終的に100μmとなるように調整して塗布した。
得られたフィルム5は、透過率90%、ヘイズ0.8%と非常に透明であり、日立ハイテクノロジーズ製分光光度計U−4100で紫外−可視−近赤外の吸収スペクトルを測定したところ、350nm以下の紫外線、2000nm以上の赤外線の透過率は10%以下であり、紫外線と赤外線をカットするフィルムであった。
また、SEMで観測したところ、酸化インジウム微粒子はポリアクリレートフィルム中に粒径10〜20nmで均一に分散していた。
実施例6(ジアセチルセルロース−ふっ化マグネシウムハイブリッドフィルムの作製)
ミキシングタンクに、エタノール60質量部、塩化メチレン685質量部、ジアセチルセルロース50質量部を投入し、30℃で加熱しながら攪拌して溶解した。このドープの粘度は5800mPa・sであった。
次に、下記構成のガスを20slm、150℃で放電空間に送り込み、放電空間を通過した、酸化珪素微粒子を含むガスを前記ドープ内に吹きこみ、バブリングを行った。
プラズマ発生は、13.56MHzの交流電圧を8W/cm2印加し、電極温度180℃で行った。
放電ガス:窒素 99.3体積%
分解ガス:水素 0.5体積%
原料ガス:マグネシウムヘキサフルオロアセチルアセトナートジメトキシエタン錯体
0.2体積%
なお放電は、マグネシウムヘキサフルオロアセチルアセトナートジメトキシエタン錯体25.5質量部を消費するまで行った。マグネシウムヘキサフルオロアセチルアセトナートジメトキシエタン錯体100質量部からふっ化マグネシウムが約12質量部生成するため、ふっ化マグネシウムは約3質量部がドープ内に分散された計算になる。
放電終了後、さらにジアセチルセルロース50質量部を添加し、冷却塔の開放部を閉じて密閉系として、ミキシングタンクを80℃に加熱しながら攪拌し、溶解させた。ドープの粘度は36000mPa・sであった。
得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、120℃で乾燥して本発明のフィルム6を得た。なお膜厚は最終的に100μmとなるように調整して塗布した。
得られたフィルム6は、透過率92%、ヘイズ0.8%と非常に透明であり、協和界面科学社製接触角計CA−Wを用いて、23℃、55%の環境下で、有機−無機ハイブリッドフィルム表面の水に対する接触角をランダムに10カ所について測定し、その平均接触角を求めたところ、接触角は92°に向上した(ジアセチルセルロースの接触角は60°である)。
またSEMで観測したところ、ふっ化マグネシウム微粒子はジアセチルセルロース中に粒径15〜30nmで、フィルム表面に偏在していた。
実施例7(トリアセチルセルロース−銅ハイブリッドフィルムの作製)
ミキシングタンクに、エタノール60質量部、塩化メチレン685質量部、トリアセチルセルロース100質量部を投入し、30℃で加熱しながら攪拌して溶解した。このドープの粘度は30000mPa・sであった。
次に、下記構成のガスを20slm、200℃で放電空間に送り込み、放電空間を通過した、銅微粒子を含むガスを50℃まで冷却してから前記ドープ内に吹きこみ、バブリングを行った。
プラズマ発生は、13.56MHzの交流電圧を4W/cm2印加し、電極温度200℃で行った。
放電ガス:アルゴン 99.3体積%
分解ガス:水素 0.5体積%
原料ガス:銅エチルアセトアセテート 0.2体積%
なお放電は、銅エチルアセトアセテート10.1質量部を消費するまで行った。銅エチルアセトアセテート100質量部から銅が約19.7質量部生成するため、銅は約2質量部がドープ内に分散された計算になる。
得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、120℃で乾燥して本発明のフィルム7を得た。なお膜厚は最終的に100μmとなるように調整して塗布した。
得られたフィルム7は、透過率92%、ヘイズ0.7%と非常に透明であり、アドバンテスト法(アドバンテスト製シールド評価装置を使用)により、周波数500MHz時のシールド効果を測定したところ、22dBであり、良好な電磁波シールド性を示した。
またSEMで観測したところ、銅微粒子はトリアセチルセルロース中に粒径5〜10nmで、フィルム中に均一に分散していた。
実施例8(ジアセチルセルロース−炭酸ストロンチウムハイブリッドフィルムの作製)
ミキシングタンクに、エタノール60質量部、塩化メチレン685質量部、ジアセチルセルロース100質量部を投入し、30℃で加熱しながら攪拌して溶解した。このドープの粘度は36000mPa・sであった。
次に、下記構成のガスを20slm、120℃で放電空間に送り込み、放電空間を通過した、炭酸ストロンチウム微粒子を含むガスを前記ドープ内に吹きこみ、バブリングを行った。
プラズマ発生は、13.56MHzの交流電圧を1W/cm2、電極温度120℃で行った。
放電ガス:アルゴン 99.3体積%
分解ガス:一酸化炭素 0.5体積%
原料ガス:ストロンチウムジピバロイルメタナート 0.2体積%
なお放電は、ストロンチウムジピバロイルメタナート1.0質量部を消費するまで行った。ストロンチウムジピバロイルメタナート100質量部から炭酸ストロンチウムが約32.5質量部生成するため、炭酸ストロンチウムは約0.3質量部がドープ内に分散された計算になる。
得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、得られたドープをバンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が50質量%となったところでバンド上から剥ぎ取り、ただちにテンターに搬送し、幅手方向に30%延伸を行った後、120℃で乾燥して本発明のフィルム8を得た。なお膜厚は最終的に100μmとなるように調整して塗布した。幅手方向への延伸の具体的な条件については前記の通りである。
得られたフィルム8は、透過率93%、ヘイズ0.6%と非常に透明であり、王子計測機器(株)製自動複屈折計KOBRA−21ADHで複屈折測定の結果、面内複屈折は3nmであった(ジアセチルセルロースを30%1軸延伸すると、通常面内複屈折が100nm発生する)。
またSEMで観測したところ、炭酸ストロンチウム微粒子はジアセチルセルロースフィルム中に均一に分散していたが、粒子の形は球形ではなく、5〜10nm×55〜75nmの針状微粒子であり、延伸方向に揃って配向していた。
本発明によれば、従来のゾルゲル法による有機−無機ハイブリッドフィルムでは得られなかった、炭化物・窒化物・硫化物・ふっ化物、0価金属、金属炭酸塩等の無機微粒子を微分散した透明な有機−無機ハイブリッドフィルムを得ることができた。
その結果、ガラス転移温度の上昇や蛍光発光、紫外線吸収、赤外線吸収、電磁波吸収、接触角の向上や透湿度の低下、複屈折の打ち消し等の特異な機能を有機高分子フィルムに付与することができ、光学素子や光学フィルムに有用なフィルムを得ることができた。
また、これまでの有機−無機ハイブリッドフィルムの作製方法と異なり、酸や塩基等の触媒を使うことなしに得ることができるため、生産設備のサビや腐食の発生を抑えることができ、生産上の保守、点検のプロセスを省くことができ、産業上の効果は大である。
有機−無機ハイブリッドフィルム製膜装置の1例である。 プラズマ放電処理室の形状を示す1例である。 他のプラズマ放電処理室の形状を示す1例である。 他のプラズマ放電処理室の形状を示す1例である。 他のプラズマ放電処理室の形状を示す1例である。 他のプラズマ放電処理室の形状を示す1例である。
符号の説明
1 無機微粒子生成部
10、80 プラズマ放電処理室
11、42、56、63、72、83 交流電源
12 電極温度管理部
13 原料ガス供給部
14 放電ガス供給部
15 不活性ガス供給部
16 ガス導入管
17 ガス導入管温度管理部
18 三方コック
19 排気管
27、30 開閉バルブ
2 調液部
20 ミキシングタンク
21 攪拌翼
22 原料供給口
23 冷却還流塔
24 排気弁
25 ミキシングタンク温度管理部
26 コンプレッサー
D 有機高分子溶液
3 製膜部
31 送液管
32 フィルター
33 添加液供給部
34 ダイス
35 流延ベルト
36 ガイドロール
37 テンター
38 乾燥ゾーン
39 フィルム巻き取り部
40、52、54 金属母材
41、53、55、86、87 誘電体
43、57、64、73 混合ガス
44、58、65、74、86 活性な無機微粒子を含むガス
50、84、85 円筒電極
51 棒電極
60、70 プラズマ放電空間
61、62 リング型電極
71 コイル型電極
81 原料ガス
82 放電ガス

Claims (15)

  1. 大気圧または大気圧近傍の圧力下、高周波電圧を印加することによって励起されたガスが存在する空間に金属元素を含む反応性ガスを供給することにより前記反応性ガスを励起状態とする工程、前記励起状態の反応性ガスを高分子または高分子前駆体を含む溶液に導入して無機微粒子を分散する工程、及び前記無機微粒子と高分子または高分子前駆体とを含む溶液を溶剤キャスト法で製膜する工程によって製膜することを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
  2. 高周波電圧が1kHz〜2500MHzで、かつ、供給電力が1〜50W/cm2であることを特徴とする請求項1記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
  3. 高周波電圧が1kHz〜1MHzの交流電圧と1〜2500MHzの交流電圧を重畳させたものであることを特徴とする請求項1または2記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
  4. 高分子または高分子前駆体を含む溶液の粘度が10mPa・s〜100Pa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機−無機ハイブリッドフィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属炭化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属窒化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属硫化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属酸化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属ハロゲン化物であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
  10. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が0価の金属であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
  11. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法で製膜された有機−無機ハイブリッドフィルムであって、前記有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が金属炭酸塩であることを特徴とする有機−無機ハイブリッドフィルム。
  12. 有機−無機ハイブリッドフィルム中に含まれる無機微粒子が0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1項記載の有機−無機ハイブリッドフィルム。
  13. 流れ方向(MD)または幅手方向(TD)に3〜100%一軸延伸されていることを特徴とする請求項5〜12のいずれか1項記載の有機−無機ハイブリッドフィルム。
  14. 流れ方向(MD)及び幅手方向(TD)に3〜100%二軸延伸されていることを特徴とする請求項13記載の有機−無機ハイブリッドフィルム。
  15. 有機−無機ハイブリッドフィルムを構成する有機高分子がセルロースエステルであることを特徴とする請求項5〜14のいずれか1項記載の有機−無機ハイブリッドフィルム。
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