JP6617701B2 - ガスバリアーフィルム及びその作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバリアーフィルム及びその作製方法に関する。より詳しくは、ガスバリアー性を保持しつつ、クリアハードコート層とガスバリアー層との密着性に優れたガスバリアーフィルム及びその作製方法に関する。
従来、食品、包装材料、医薬品などの分野で、水蒸気や酸素等のガスの透過を防ぐため、樹脂基材の表面に金属や金属酸化物の蒸着膜等の無機膜を設けた比較的簡易な構造を有するガスバリアーフィルムが用いられてきた。
包装用途以外にも、フレキシブル性を有する太陽電池素子、有機エレクトロルミネッセンス(electroluminescence:EL)素子、液晶表示(Liquid Crystal Display:LCD)素子等のフレキシブル電子デバイスへの展開が要望され、多くの検討がなされている。
ところで、樹脂基材上にガスバリアー層等の無機膜を直接成膜すると、有機膜−無機膜間での化学的組成の違いから親和力が小さく、また、物理的性質(硬度、弾性率、密度等)の違いから生じる界面応力によって、密着性不良を引き起こす可能性が高いことから、樹脂基材とガスバリアー層との間に、応力緩和機能、親和力(密着性)向上機能を有するクリアハードコート層(CHC層)を設けることが知られている。
一般に、クリアハードコート層には、アクリル樹脂等の有機ポリマーが用いられているが、それだけでは無機膜との界面密着力が不十分であることが多い。仮に、初期密着力が得られたとしても、高温高湿試験(85℃、相対湿度85%RH)では、密着性不良により界面に水分が入り込み、ガスバリアー性(水蒸気透過度)を劣化させてしまうという問題があった。
例えば、特許文献1には、平均粒径1〜100nmの無機微粒子、電離放射線硬化型バインダー形成材料、光重合開始剤及び有機溶剤を含む塗布組成物からなる層を有する光学フィルムについて開示されている。しかし、当該塗布組成物からなる層は、プラズマCVD法により成膜したガスバリアー層との密着性の点において不十分であった。
特許文献2には、有機層と無機層とを有し、該有機層の鉛筆硬度がHB以上であるガスバリアー性積層体について開示され、該有機層材料としては多官能アクリレート又は多官能ウレタンアクリレートが使用されている。しかし、当該特許文献2では、有機層が硬い層であることにより成膜時のダメージを受けにくくなってはいるが、有機膜と無機膜との密着性が不十分であった。
特許文献3には、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する積層体について開示しているが、柔軟性はあるものの、プラズマCVD法による成膜時のダメージが強く、ガスバリアー性を十分に発揮することはできなかった。
特許文献4には、基材上に、アンカー層、SiOからなるガスバリアー層を有するガスバリアー性積層フィルムについて開示され、ガスバリアー層における熱膨張係数と、基材、アンカー層及びガスバリアー層の引張弾性率の関係を規定している。しかし、当該特許文献4に開示されている積層フィルムも上記特許文献3に開示されている積層体同様に、柔軟性はあるものの、プラズマCVD法による成膜時のダメージが強く、ガスバリアー性を十分に発揮することはできなかった。
特開2011−208102号公報 特開2012−020516号公報 特開2011−208096号公報 特開2012−166499号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、ガスバリアー性を保持しつつ、クリアハードコート層とガスバリアー層との密着性に優れるガスバリアーフィルム及びその作製方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、クリアハードコート層及びガスバリアー層のX線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、ガスバリアー層の層厚方向におけるクリアハードコート層とは反対側のガスバリアー層の表面からの距離と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、又は炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅を、特定範囲内とすることにより、ガスバリアー性を保持しつつ、クリアハードコート層とガスバリアー層との密着性に優れたガスバリアーフィルムを提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.樹脂基材の少なくとも一方の面に、UV硬化樹脂からなるクリアハードコート層と、少なくとも1層の酸化炭化ケイ素を含有するガスバリアー層とが順次積層されたガスバリアーフィルムであって、
前記クリアハードコート層が、ウレタン(メタ)アクリレートを70〜90質量部の範囲内で含有し、更に少なくとも、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートを10〜30質量部の範囲内で又はSiO 微粒子を10〜20質量部の範囲内で含有する塗布膜からなり、
前記ガスバリアー層が、ヘキサメチルジシロキサンの化学蒸着膜からなり、かつ、
前記クリアハードコート層及び前記ガスバリアー層のX線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、前記ガスバリアー層の層厚方向における前記クリアハードコート層とは反対側の前記ガスバリアー層の表面からの距離と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、又は炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅が、7〜20nmの範囲内であることを特徴とするガスバリアーフィルム。
2.前記クリアハードコート層における酸素原子比率が25〜45at%の範囲内であり、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対するケイ素原子数の比率(ケイ素原子比率)が10〜30at%の範囲内であることを特徴とする第1項に記載のガスバリアーフィルム。
3.前記クリアハードコート層には、SiO微粒子が含有されていることを特徴とする第1項又は第2項に記載のガスバリアーフィルム。
4.前記SiO微粒子が、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物で表面修飾されていることを特徴とする第3項に記載のガスバリアーフィルム。
.前記ウレタン(メタ)アクリレートが、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
.前記ガスバリアー層における炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有し、かつ、炭素原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が3at%以上であることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
.樹脂基材の少なくとも一方の面に、UV硬化樹脂からなるクリアハードコート層と、少なくとも1層の、ロール to ロールCVD装置により成膜された酸化炭化ケイ素を含有するガスバリアー層とが順次積層されたガスバリアーフィルムの作製方法であって、
ウレタン(メタ)アクリレートを70〜90質量部の範囲内で含有し、更に少なくとも、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートを10〜30質量部の範囲内で又はSiO 微粒子を10〜20質量部の範囲内で含有する塗布液を用いて前記クリアハードコート層を形成する工程と、
ヘキサメチルジシロキサンを用いて化学蒸着により前記ガスバリアー層を形成する工程を有し、かつ、
前記クリアハードコート層及び前記ガスバリアー層のX線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、前記ガスバリアー層の層厚方向における前記クリアハードコート層とは反対側の前記ガスバリアー層の表面からの距離と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、又は炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅が、7〜20nmの範囲内となるように制御することを特徴とするガスバリアーフィルムの作製方法。
.前記酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅が、7〜20nmの範囲内となるように制御する方法として、少なくとも前記クリアハードコート層を形成する際の前記塗布液におけるウレタンアクリレートの含有量の調整及び前記ヘキサメチルジシロキサンを用いて化学蒸着膜する際の、原料ガスの供給量の調整をすることを特徴とする第項に記載のガスバリアーフィルムの作製方法。
本発明の上記手段により、ガスバリアー性を保持しつつ、クリアハードコート層とガスバリアー層との密着性に優れたガスバリアーフィルム及びその作製方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
本発明のガスバリアーフィルムは、酸化炭化ケイ素からなるガスバリアー層及びUV硬化性樹脂からなるクリアハードコート層の炭素分布曲線又は酸素分布曲線における組成傾斜領域の幅、すなわち、各層の構成原子が混合する領域の幅が7〜20nmの範囲内であることを特徴としている。
組成傾斜領域の幅を上記範囲内とすることにより、過酷な条件下においても、ガスバリアー層とクリアハードコート層の層間剥離を防止し、また、ガスバリアー層の層厚を十分に確保することができるため、ガスバリアー性を保持することができるものと考えられる。
本発明のガスバリアーフィルムの基本構成の一例を示す概略断面図 本発明に係るクリアハードコート層及びガスバリアー層の炭素分布曲線、ケイ素分布曲線及び酸素分布曲線の一例を示すグラフ 比較例のクリアハードコート層及びガスバリアー層の炭素分布曲線、ケイ素分布曲線及び酸素分布曲線の一例を示すグラフ 本発明に係るガスバリアー層の形成に用いられる製造装置の一例を示す模式図
本発明のガスバリアーフィルムは、樹脂基材の少なくとも一方の面に、UV硬化樹脂からなるクリアハードコート層と、少なくとも1層の酸化炭化ケイ素を含有するガスバリアー層とが順次積層されたガスバリアーフィルムであって、前記クリアハードコート層が、ウレタン(メタ)アクリレートを70〜90質量部の範囲内で含有し、更に少なくとも、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートを10〜30質量部の範囲内で又はSiO 微粒子を10〜20質量部の範囲内で含有する塗布膜からなり、前記ガスバリアー層が、ヘキサメチルジシロキサンの化学蒸着膜からなり、かつ、前記クリアハードコート層及び前記ガスバリアー層のX線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、前記ガスバリアー層の層厚方向における前記クリアハードコート層とは反対側の前記ガスバリアー層の表面からの距離と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、又は炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅が、7〜20nmの範囲内であることを特徴とする。この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、クリアハードコート層とガスバリアー層との親和力及びクリアハードコート層と基材との密着性向上の観点から、クリアハードコート層における酸素原子比率が25〜45at%の範囲内であり、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対するケイ素原子数の比率(ケイ素原子比率)が10〜30at%の範囲内であることが好ましい。
また、クリアハードコート層とガスバリアー層との親和力及び応力緩和効果、並びにクリアハードコート層と基材との密着性向上の観点から、クリアハードコート層にSiO微粒子が含有されていることが好ましい。
また、クリアハードコート層とガスバリアー層との親和力及び応力緩和効果、並びにクリアハードコート層とガスバリアー層との密着性向上の観点から、SiO微粒子がペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物で表面修飾されていることが好ましい。
また、耐候性及び耐加水分解性の観点から、クリアハードコート層にウレタン(メタ)アクリレートが含有されていることを要する
また、クリアハードコート層とガスバリアー層との親和力及び応力緩和効果の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートがペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物であることが好ましい。
また、クリアハードコート層とガスバリアー層との親和力及び応力緩和効果の観点から、クリアハードコート層に、更にイソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートが含有されていることが好ましい。
さらには、ガスバリアーフィルムを屈曲させた際のガスバリアー性の劣化を抑制する観点から、ガスバリアー層における炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有し、かつ、炭素原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が3at%以上であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
なお、本発明でいう「ガスバリアー性」とは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(温度:60±0.5℃、相対湿度(RH):90±2%)が1×10−1g/(m・24h)以下であり、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−1ml/(m・24h・atm)以下であることを意味する。
≪ガスバリアーフィルム≫
図1に示すとおり、本発明のガスバリアーフィルムFは、樹脂基材2上に、クリアハードコート層4、ガスバリアー層6が順次積層されて構成されている。
また、本発明のガスバリアーフィルムFは、クリアハードコート層4及びガスバリアー層6のX線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、ガスバリアー層6の層厚方向におけるクリアハードコート層4とは反対側のガスバリアー層6の表面からの距離と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、又は炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅が、7〜20nmの範囲内であることを特徴としている。組成傾斜領域の幅が7nmより少なくなると、過酷な条件下で層間剥離が起こり水蒸気バリアー性(WVTR)の劣化が生じる。組成傾斜領域の幅が20nmを超えると、ガスバリアー性を発揮できるガスバリアー層の層厚が薄くなり、水蒸気バリアー性(WVTR)が不十分となる。
本発明のガスバリアーフィルムFは、ガスバリアー層6が形成されていない樹脂基材2の他方の面に、従来のガスバリアーフィルムに使用される他の各種機能層を有していてもよい。機能層としては、具体的には、平滑層、アンカーコート層、ブリードアウト防止層や、保護層、吸湿層、帯電防止層といった機能層などが挙げられる。
また、本発明のガスバリアーフィルムFにおける全光線透過率は高いほど好ましいが、90%より高いことが好ましく、より好ましくは92%以上であり、更に好ましくは94%以上である。なお、全光線透過率は、東京電色社製 ヘイズメーター NDH5000を用いて測定した値とする。
<X線光電子分光法>
炭素分布曲線(ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層表面からの距離(L)と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す曲線)、ケイ素分布曲線(距離Lと、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対するケイ素原子数の比率(ケイ素原子比率)との関係を示す曲線)及び酸素分布曲線(距離Lと、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す曲線)は、X線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)の測定とアルゴン等の希ガスイオンスパッタとを併用することにより、試料内部を露出させつつ順次表面組成分析を行う、いわゆるXPSデプスプロファイル測定により作成することができる。
このようなXPSデプスプロファイル測定により得られる分布曲線は、例えば、縦軸を各元素の原子比率(at%)とし、横軸をエッチング時間(スパッタ時間)として作成することができる。なお、このように横軸をエッチング時間とする元素の分布曲線において、エッチング時間は層厚方向におけるガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離(L)に概ね相関することから、「ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離」として、XPSデプスプロファイル測定の際に採用したエッチング速度とエッチング時間との関係から算出されるガスバリアー層の表面からの距離(すなわち、SiO換算層厚(nm)=(エッチング時間(sec)×エッチング速度(nm/sec))を採用することができる。
XPSデプスプロファイルによる測定結果の例を、図2及び3に示す。
ガスバリアー層、クリアハードコート層及び組成傾斜領域の判別は、XPSデプスプロファイルにより得られるグラフから明らかであり、例えば、図2に示す本発明のガスバリアーフィルムでは、組成傾斜領域8の幅が略8nmとなっていることがわかる。これに対し、図3に示されるガスバリアーフィルムでは、組成傾斜領域10の幅が略6nmとなっており、本発明の範囲外であることがわかる。
なお、図2及び3において、符号Aは炭素分布曲線、符号Bはケイ素分布曲線、符号Cは酸素分布曲線を表している。
<組成傾斜領域>
本発明のガスバリアーフィルムにおいては、ガスバリアー層とクリアハードコート層との界面には、組成が連続的又は段階的に、一定の勾配(傾き)で、増加又は減少する組成傾斜領域が存在することを特徴とする。
当該組成傾斜領域における組成は、ガスバリアー層側の端部では、当該ガスバリアー層自体の組成であり、クリアハードコート層に近づくにつれて、徐々に炭素原子及び酸素原子の比率が増加又は減少し、当該組成傾斜領域のクリアハードコート層側における端部では、クリアハードコート層自体の組成となる。
なお、上記組成傾斜領域の幅は、組成傾斜領域におけるガスバリアー層側の端部からクリアハードコート層側における端部との間の距離と定義される。
より具体的には、「組成傾斜領域の幅」とは、XPSデプスプロファイル測定により得られる炭素分布曲線又は酸素分布曲線における組成傾斜領域の一方の端部の組成変曲点から他方の端部の組成変曲点の間の距離を指すこととする。
ここで、「組成傾斜領域の端部の組成変曲点」とは、ガスバリアー層自体又はクリアハードコート層自体の各層の各組成の変動よりも明らかに増減が認められる部分の、減少から増加に転じる変化点若しくは増加から減少に転じる変化点、又は、増加又は減少から一定となる変化点をいう。
ガスバリアー層成分由来の炭素原子比率とクリアハードコート層成分由来の炭素原子比率との組成傾斜領域(混合領域)の幅、又はガスバリアー層成分由来の酸素原子比率とクリアハードコート層成分由来の酸素原子比率との組成傾斜領域(混合領域)の幅は、下記のようにして求めた。
組成傾斜領域の幅(nm)=
組成傾斜領域が終わるクリアハードコート層側の端部(変曲点)の表面からの距離(深さ)(nm)−組成傾斜領域が始まるガスバリアー層側の端部(変曲点)の表面からの距離(深さ)(nm)
なお、上記式において、表面からの距離とは、ガスバリアー層の層厚方向におけるクリアハードコート層とは反対側のガスバリアー層の表面からの距離のことをいう。
本発明に係る組成傾斜領域の組成は、クリアハードコート層の成分及び/又はガスバリアー層を形成するときに供給する原料の量を時間の経過とともに徐々に変えることで調整することができる。
本発明のガスバリアーフィルムは、組成傾斜領域における酸素分布曲線の変化率(傾き)の絶対値が0.6at%/nm以上であることが好ましい。組成傾斜領域における酸素分布曲線の変化率(傾き)は、下記のようにして求めた。
組成傾斜領域における酸素分布曲線の変化率(傾き)(at%/nm)=
(組成傾斜領域が終わるクリアハードコート層側の端部(変曲点)における酸素原子比率(at%)−組成傾斜領域が始まるガスバリアー層側の端部(変曲点)における酸素原子比率(at%))/組成傾斜領域の幅(nm)
また、本発明のガスバリアーフィルムは、組成傾斜領域における炭素分布曲線の変化率(傾き)の絶対値が1.7at%/nm以上であることが好ましい。組成傾斜領域における炭素分布曲線の変化率(傾き)は、下記のようにして求めた。
組成傾斜領域における炭素分布曲線の変化率(傾き)(at%/nm)=
(組成傾斜領域が終わるクリアハードコート層側の端部(変曲点)における炭素原子比率(at%)−組成傾斜領域が始まるガスバリアー層側の端部(変曲点)における炭素原子比率(at%))/組成傾斜領域の幅(nm)
なお、本発明において、炭素分布曲線、ケイ素分布曲線及び酸素分布曲線は、下記測定条件にて作成した。
(測定条件)
エッチングイオン種:アルゴン(Ar
エッチング速度(SiO熱酸化膜換算値):0.05nm/sec
エッチング間隔(SiO換算値):10nm
X線光電子分光装置:Thermo Fisher Scientific社製、機種名「VG Theta Probe」
照射X線:単結晶分光AlKα
X線のスポット及びそのサイズ:800μm×400μmの楕円形
≪樹脂基材(2)≫
本発明のガスバリアーフィルムの樹脂基材としては、樹脂フィルムを用いる。用いられる樹脂フィルムは、ガスバリアー層を保持できるフィルムであれば材質、厚さ等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
ガスバリアーフィルムを有機EL素子等の電子デバイスの基板として使用する場合は、樹脂基材は耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、線膨張係数が15〜100ppm/Kの範囲内で、かつガラス転移温度Tgが100〜300℃の範囲内の樹脂基材が使用される。該樹脂基材は、電子部品用途、ディスプレイ用積層フィルムとしての必要条件を満たしている。
すなわち、これらの用途にガスバリアーフィルムを用いる場合、ガスバリアーフィルムは、150℃以上の工程に曝されることがある。この場合、ガスバリアーフィルムにおける基材の線膨張係数が15〜100ppm/Kの範囲内であることで、熱耐性に強く、またフレキシビリティがよいものとなる。基材の線膨張係数やTgは、添加剤などによって調整することができる。
樹脂基材として用いることができる熱可塑性樹脂のより好ましい具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:70℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば、日本ゼオン株式会社製、ゼオノア(登録商標)1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報に記載の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば、三菱ガス化学株式会社製、ネオプリム(登録商標):260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報に記載の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報に記載の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報に記載の化合物:300℃以上)等が挙げられる(なお、括弧内の数値は、Tgを示す。)。特に、透明性を求める場合には、脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
ガスバリアーフィルムは、有機EL素子等の電子デバイスとして利用されることから、樹脂基材は透明であることが好ましい。すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上である。
光線透過率は、JIS K 7105:1981に記載された方法、すなわち、積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率及び散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
ただし、ガスバリアーフィルムをディスプレイ用途に用いる場合であっても、観察側に設置しない場合などは必ずしも透明性が要求されない。したがって、このような場合は、樹脂基材として不透明な材料を用いることもできる。不透明な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
ガスバリアーフィルムに用いられる樹脂基材の厚さは、用途によって適宜選択されるため特に制限はないが、典型的には1〜800μmの範囲内であり、好ましくは10〜200μmの範囲内である。これらの樹脂フィルムは、従来のガスバリアーフィルムに用いられている公知の透明導電層や平滑層等の機能層を有していてもよい。機能層については、上述したもののほか、特開2006−289627号公報の段落0036〜0038に記載されているものを好ましく採用できる。
また、上記に挙げた樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
樹脂基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の樹脂基材を製造することができる。また、未延伸の樹脂基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、樹脂基材の流れ(縦軸)方向、又は樹脂基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍の範囲内が好ましい。
樹脂基材の両面、少なくともガスバリアー層を設ける側には、接着性向上のための公知の種々の処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、プラズマ処理、平滑層の積層等を、必要に応じて組み合わせて行うことができる。
≪クリアハードコート層(CHC層)(4)≫
本発明に係るクリアハードコート層は、樹脂基材とガスバリアー層との密着性向上、高温高湿下での樹脂基材及びガスバリアー層の膨張・収縮の差から生じる内部応力の緩和、樹脂基材からのモノマー、オリゴマー等の低分子量成分のブリードアウト防止等の機能を有する。
クリアハードコート層における炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子比率は、25〜45at%の範囲内であることが好ましい。また、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対するケイ素原子数の比率(ケイ素原子比率)は、10〜30at%の範囲内であることが好ましい。
なお、クリアハードコート層内の酸素原子比率及びケイ素原子比率は、組成傾斜領域を除くクリアハードコート層内の平均値として求めた。
クリアハードコート層は、紫外線(UV)硬化性樹脂を樹脂基材上に塗布した後、硬化させることによって形成される。
<紫外線(UV)硬化樹脂>
UV硬化樹脂は、UV硬化性樹脂に対してUVを照射し硬化したものを指す。
UV硬化樹脂を得るためのUV硬化性樹脂としては、例えば、UV硬化型ウレタンアクリレート樹脂、UV硬化型ポリエステルアクリレート樹脂、UV硬化型エポキシアクリレート樹脂、UV硬化型ポリオールアクリレート樹脂、UV硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも、UV硬化型アクリレート樹脂が好ましい。
UV硬化型ウレタンアクリレート樹脂は、一般に、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に、更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する。)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシ基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載のものを用いることができる。例えば、ユニディック(登録商標)17−806(DIC株式会社製)100質量部とコロネート(登録商標)L(日本ポリウレタン株式会社製)1質量部との混合物等が好ましく用いられる。
UV硬化型ポリエステルアクリレート樹脂としては、一般に、ポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号公報に記載のものを用いることができる。
UV硬化型エポキシアクリレート樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光重合開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号公報に記載のものを用いることができる。
UV硬化型ポリオールアクリレート樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
これらUV硬化性樹脂の光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。これらは、光増感剤とともに使用してもよく、上記光重合開始剤も光増感剤として使用できる。また、エポキシアクリレート系の光重合開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。UV硬化性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤又は光増感剤の使用量としては、該組成物100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲内であり、好ましくは1〜10質量部の範囲内である。
UV硬化性樹脂の単量体としては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また、不飽和二重結合を二つ以上有するモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。市販品としては、アデカオプトマー(登録商標)KR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、ADEKA株式会社製)、コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学株式会社製)、セイカビーム(登録商標)PHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業株式会社製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー株式会社製)、RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、DIC株式会社製)、オーレックスNo.340クリヤ(以上、中国塗料株式会社製)、サンラッド(登録商標)H−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業株式会社製)、SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子株式会社製)、RCC−15C(以上、グレース・ジャパン株式会社製)、アロニックス(登録商標)M−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成株式会社製)、NKハードB−420、NKエステルA−DOG、NKエステルA−IBD−2E(以上、新中村化学工業株式会社製)等を適宜選択して利用できる。
さらに、具体的な化合物の例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジオキサングリコールアクリレート、エトキシ化アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
また、硬化性樹脂として、例えば、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等の熱硬化性樹脂も用いられる。
本発明に係るクリアハードコート層には、ウレタン(メタ)アクリレートが含有されていることが好ましいが、中でも、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
さらには、クリアハードコート層に、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートが含有されていることが好ましい。
上記UV硬化性樹脂を溶解させる溶媒としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−又はβ−テルピネオール等のテルペン類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、安息香酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。
また、クリアハードコート層には、SiO微粒子が含有されていてもよい。SiO微粒子の表面は、他の組成物により表面修飾されていてもよく、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物で表面修飾されていることがより好ましい。
UV硬化性樹脂の樹脂基材への塗布方法としては、特に制限されないが、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等の湿式コーティング法、又は蒸着法等の乾式コーティング法が挙げられる。
形成したクリアハードコート層に紫外線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、公知の方法で行うことができる。
クリアハードコート層の層厚としては、好ましくは1〜10μmの範囲内、より好ましくは2〜7μmの範囲内である。クリアハードコート層の層厚が1μm以上であると、ガスバリアーフィルムの耐熱性が向上することから好ましい。一方、クリアハードコート層の層厚が10μm以下であると、ガスバリアーフィルムの光学特性が好適に調整され、また、ガスバリアーフィルムのカールを抑制することから好ましい。
≪ガスバリアー層(6)≫
本発明に係るガスバリアー層は、少なくとも1層からなり、SiCで表される酸化炭化ケイ素を含んで構成されている。例えば、クリアハードコート層上に、化学気相蒸着法(CVD法)によって第1のガスバリアー層を形成し、更にケイ素化合物を含有する溶液を塗布して第2のガスバリアー層を形成してもよい。
また、本発明に係るガスバリアー層は、以下の(i)及び(ii)の要件を満たすことが好ましい。
(i)ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層表面からの距離(L)と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、上記距離(L)と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対するケイ素原子数の比率(ケイ素原子比率)との関係を示すケイ素分布曲線、及び、上記距離(L)と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線のうち、炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有する。
(ii)炭素分布曲線における炭素原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が3at%以上である。
ガスバリアー層が上記のような組成をもつことで、ガスバリアー性と屈曲性とを高度に両立することができる。
さらに、ガスバリアー層の全層厚の90%以上の領域において、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する各原子の平均原子比率が、下記式(A)又は(B)で表される序列の大小関係を有することが好ましい。
式(A)
(炭素平均原子比率)<(ケイ素平均原子比率)<(酸素平均原子比率)
式(B)
(酸素平均原子比率)<(ケイ素平均原子比率)<(炭素平均原子比率)
上記式(A)又は(B)で表される序列の大小関係を有することにより、屈曲耐性が更に向上し、より好ましい。
以下、上記好適な実施形態について説明する。
ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層表面からの距離(L)と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、上記距離(L)と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対するケイ素原子数の比率(ケイ素原子比率)との関係を示すケイ素分布曲線、及び、上記距離(L)と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線のうち、炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有することが好ましい。ガスバリアー層は、炭素分布曲線が少なくとも三つの極値を有することがより好ましく、少なくとも四つの極値を有することが特に好ましいが、五つ以上有してもよい。
炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有することで、炭素原子比率が濃度勾配を有して連続的に変化し、屈曲時のガスバリアー性能が高まる。
なお、炭素分布曲線の極値の上限は、特に制限されないが、例えば、好ましくは30at%以下、より好ましくは25at%以下である。極値の数は、ガスバリアー層の層厚にも起因するため、一概に規定することはできない。
ここで、少なくとも三つの極値を有する場合においては、炭素分布曲線の有する一つの極値及び該極値に隣接する極値におけるガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離(L)の差の絶対値(以下、単に「極値間の距離」とも称する。)が、いずれも200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、75nm以下であることが特に好ましい。このような極値間の距離であれば、ガスバリアー層中に炭素原子比率が多い部位(極大値)が適度な周期で存在するため、ガスバリアー層に適度な屈曲性を付与し、ガスバリアーフィルムの屈曲時のクラックの発生をより有効に抑制・防止できる。
なお、本発明において極値とは、ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離(L)に対する元素の原子比率の極大値又は極小値のことをいう。
ここで、極大値とは、ガスバリアー層の表面からの距離を変化させた場合に元素(炭素、ケイ素又は酸素)の原子比率の値が増加から減少に変わる点であって、かつその点の元素の原子比率の値よりも、該点からガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離を、更に4〜20nmの範囲内で変化させた位置の元素の原子比率の値が3at%以上減少する点のことをいう。すなわち、4〜20nmの範囲内で変化させた際に、いずれかの範囲内で元素の原子比率の値が3at%以上減少していればよい。
これは、ガスバリアー層の層厚により変動する。例えば、ガスバリアー層の層厚が300nmである場合は、ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離を20nm変化させた位置の元素の原子比率の値が3at%以上減少する点が好ましい。
極小値とは、ガスバリアー層の表面からの距離を変化させた場合に元素(炭素、ケイ素又は酸素)の原子比率の値が減少から増加に変わる点であり、かつその点の元素の原子比率の値よりも、該点からガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離を、更に4〜20nmの範囲内で変化させた位置の元素の原子比の値が3at%以上増加する点のことをいう。すなわち、4〜20nmの範囲内で変化させた際に、いずれかの範囲で元素の原子比率の値が3at%以上増加していればよい。
ここで、少なくとも三つの極値を有する場合の極値間の距離の下限は、極値間の距離が小さいほどガスバリアーフィルムの屈曲時のクラック発生抑制/防止の向上効果が高いため、特に制限されない。
さらに、ガスバリアー層は、炭素分布曲線における炭素原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が3at%以上であることが好ましく、5at%以上であることがより好ましく、7at%以上であることが更に好ましい。炭素分布曲線における炭素原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が3at%以上であることで、屈曲時のガスバリアー性能が高まる。なお、「最大値」とは、各元素の分布曲線において最大となる各元素の原子比率であり、極大値の中で最も高い値である。同様に、「最小値」とは、各元素の分布曲線において最小となる各元素の原子比率であり、極小値の中で最も低い値である。
また、ガスバリアー層の層厚の90%以上(上限:100%)の領域で、(酸素原子比率)、(ケイ素原子比率)、(炭素原子比率)の順で多い(原子比がO>Si>C)ことが好ましい。このような条件となることで、得られるガスバリアーフィルムのガスバリアー性や屈曲性が十分となる。ここで、上記(酸素原子比率)、(ケイ素原子比率)及び(炭素原子比率)の関係は、ガスバリアー層の層厚の、少なくとも90%以上(上限:100%)の領域で満たされることがより好ましく、少なくとも93%以上(上限:100%)の領域で満たされることがより好ましい。ここで、ガスバリアー層の層厚の少なくとも90%以上とは、ガスバリアー層中で連続していなくてもよく、単に90%以上の部分で上記した関係を満たしていればよい。
また、本発明に係るガスバリアー層は、膜面全体において均一でかつ優れたガスバリアー性を有する層を形成するという観点から、ガスバリアー層が膜面方向(ガスバリアー層の表面に平行な方向)において実質的に一様であることが好ましい。ここで、ガスバリアー層が膜面方向において実質的に一様とは、XPSデプスプロファイル測定によりガスバリアー層の膜面の任意の2箇所の測定箇所について炭素分布曲線、ケイ素分布曲線及び酸素分布曲線を作成した場合に、その任意の2箇所の測定箇所において得られる炭素分布曲線が持つ極値の数が同じであり、かつそれぞれの炭素分布曲線における炭素原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が、互いに同じであるか若しくは5at%以内の差であることをいう。
さらに、炭素分布曲線は、実質的に連続であることが好ましい。ここで、炭素分布曲線が実質的に連続とは、炭素分布曲線における炭素原子比率が不連続に変化する部分を含まないことを意味し、具体的には、エッチング速度とエッチング時間とから算出されるガスバリアー層のうちの少なくとも1層の層厚方向における該ガスバリアー層の表面からの距離(x、単位:nm)と、炭素原子比率(C、単位:at%)との関係において、下記数式(1)で表される条件を満たすことをいう。
Figure 0006617701
なお、ガスバリアー層がサブレイヤーを有する場合、上記条件(i)〜(ii)を全て満たすサブレイヤーが複数積層されてガスバリアー層を形成していてもよい。サブレイヤーを2層以上備える場合には、複数のサブレイヤーの材質は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
<ガスバリアー層の形成方法>
本発明に係るガスバリアー層は、プラズマCVD(PECVD)法により形成される。より詳しくは、基材を一対の成膜ローラー上に配置し、当該一対の成膜ローラー間に放電してプラズマを発生させるプラズマCVD法により形成される。なお、プラズマCVD法は、ペニング放電プラズマ方式のプラズマCVD法であってもよい。
プラズマCVD法においてプラズマを発生させる際には、複数の成膜ローラーの間の空間にプラズマ放電を発生させることが好ましく、一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラーのそれぞれに基材を配置して、一対の成膜ローラー間に放電してプラズマを発生させることがより好ましい。このようにして、一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラー上に基材を配置して、かかる一対の成膜ローラー間に放電することにより、成膜時に一方の成膜ローラー上に存在する基材の表面部分を成膜しつつ、もう一方の成膜ローラー上に存在する基材の表面部分も同時に成膜することが可能となって効率よく薄膜を製造できるばかりか、通常のローラーを使用しないプラズマCVD法と比較して成膜レートを倍にでき、かつ、略同じ構造の膜を成膜できるので炭素分布曲線における極値を少なくとも倍増させることが可能となり、効率よく上記条件(i)及び(ii)を全て満たすガスバリアー層を形成することが可能となる。
また、このようにして一対の成膜ローラー間に放電する際には、一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが好ましい。さらに、このようなプラズマCVD法に用いる成膜ガスとしては、有機ケイ素化合物と酸素とを含むものが好ましく、その成膜ガス中の酸素の含有量は、成膜ガス中の有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量未満であることが好ましい。また、本発明のガスバリアーフィルムにおいては、ガスバリアー層が連続的な成膜プロセスにより形成された層であることが好ましい。
また、生産性の観点から、ロール to ロール方式で基材の表面上にガスバリアー層を形成させる。また、このようなプラズマCVD法によりガスバリアー層を製造する際に用いることが可能な装置としては、特に制限されないが、少なくとも一対の成膜ローラーと、プラズマ電源とを備え、かつ一対の成膜ローラー間において放電することが可能な構成となっている装置であることが好ましく、例えば、図4に示す製造装置を用いた場合には、プラズマCVD法を利用しながらロール to ロール方式で製造することが可能となる。
以下、図4を参照しながら、ガスバリアー層の形成方法について、より詳細に説明する。なお、図4は、ガスバリアー層を製造するために好適に利用することが可能な製造装置の一例を示す模式図である。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4に示す製造装置31は、送出しローラー32と、搬送ローラー33、34、35及び36と、成膜ローラー39及び40と、ガス供給管41と、プラズマ発生用電源42と、成膜ローラー39及び40の内部に設置された磁場発生装置43及び44と、巻取りローラー45とを備えている。また、このような製造装置31においては、少なくとも成膜ローラー39及び40と、ガス供給管41と、プラズマ発生用電源42と、磁場発生装置43及び44とが図示を省略した真空チャンバー内に配置されている。さらに、このような製造装置31において、真空チャンバーは図示を省略した真空ポンプに接続されており、かかる真空ポンプにより真空チャンバー内の圧力を適宜調整することが可能となっている。装置に関する詳細は従来公知の文献、例えば、特開2011−73430号公報を参照することができる。
上記したように、本発明に係るガスバリアー層は、図4に示す対向ローラー電極を有するプラズマCVD装置(ロール to ロール方式)を用いたプラズマCVD法によって成膜する。これは、対向ローラー電極を有するプラズマCVD装置を用いて量産する場合に、可撓性(屈曲性)に優れ、機械的強度、特にロール to ロールでの搬送時の耐久性と、ガスバリアー性能とが両立するガスバリアー層を効率よく製造することができるためである。このような製造装置は、太陽電池や電子部品などに使用される温度変化に対する耐久性が求められるガスバリアーフィルムを、安価でかつ容易に量産することができる点でも優れている。
<ケイ素化合物を含有する溶液を塗布して形成されたガスバリアー層(第2のガスバリアー層)>
本発明に係るガスバリアーフィルムは、上記ガスバリアー層(第1のガスバリアー層)上に、更に第2のガスバリアー層を有していてもよい。第2のガスバリアー層を形成させる方法としては、特に制限されず、例えば、ケイ素化合物を含む層を加熱して改質する方法、ケイ素化合物を含む層に対して活性エネルギー線を照射して改質する方法等が挙げられる。
ケイ素化合物を含む層は、ケイ素化合物を含有する塗布液を塗布して形成される。
(ケイ素化合物)
ケイ素化合物としては、ケイ素化合物を含有する塗布液の調製が可能であれば特に限定はされない。中でも、成膜性、クラック等の欠陥が少ないこと、残留有機物の少なさの点で、パーヒドロポリシラザン、オルガノポリシラザン等のポリシラザン、シルセスキオキサン等のポリシロキサン等が好ましく、ガスバリアー性能が高く、屈曲時及び高温高湿条件下であってもガスバリアー性能が維持されることから、ポリシラザンがより好ましく、パーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
ポリシラザンは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン層形成用塗布液として使用することができる。ポリシラザン溶液の市販品としては、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のアクアミカ(登録商標)NN120−10、NN120−20、NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL120−20、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
第2のガスバリアー層の形成方法は、特に制限されず、公知の方法が適用できるが、有機溶剤中にケイ素化合物、添加元素を含む化合物、及び必要に応じて触媒を含むガスバリアー層形成用塗布液(以下、単に「塗布液」とも称する。)を公知の湿式塗布方法により塗布し、この溶剤を蒸発させて除去し、次いで、改質処理を行う方法が好ましい。
(ガスバリアー層形成用塗布液)
以下、ポリシラザン化合物を用いた塗布液について説明する。
(ポリシラザン化合物)
ポリシラザン化合物とは、その構造内にSi−N、Si−H、N−H等の結合を有するポリマーであり、SiO、Si、及びこれらの中間固溶体SiO等の無機前駆体として機能する。
ポリシラザン化合物は、特に制限されないが、後述する改質処理を行うことを考慮すると、比較的低温でセラミック化してシリカに変性する化合物であることが好ましく、例えば、特開平8−112879号公報に記載の下記一般式(1)で表される単位からなる主骨格を有する化合物であることが好ましい。
Figure 0006617701
一般式(1)中、R、R及びRは、水素原子、置換又は無置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基を表す。この際、R、R及びRは、それぞれ、同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがある。
アリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基などの縮合多環炭化水素基が挙げられる。
(トリアルコキシシリル)アルキル基としては、炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されたシリル基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。より具体的には、3−(トリエトキシシリル)プロピル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基などが挙げられる。
上記R〜Rに場合によって存在する置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基(−OH)、メルカプト基(−SH)、シアノ基(−CN)、スルホ基(−SOH)、カルボキシ基(−COOH)、ニトロ基(−NO)などがある。なお、場合によって存在する置換基は、置換するR〜Rと同じとなることはない。例えば、R〜Rがアルキル基の場合には、更にアルキル基で置換されることはない。これらのうち、好ましくは、R、R及びRは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ビニル基、3−(トリエトキシシリル)プロピル基又は3−(トリメトキシシリルプロピル)基である。R、R及びRすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(PHPS)が特に好ましい。このようなポリシラザンから形成されるガスバリアー層は、高い緻密性を示す。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6員環及び8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は、数平均分子量(Mn)で、約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体又は固体の物質であり得る(分子量によって異なる)。パーヒドロポリシラザンとしては、市販品を使用してもよく、市販品としては、アクアミカ NN120、NN120−10、NN120−20、NN110、NAX120、NAX120−20、NAX110、NL120A、NL120−20、NL110A、NL150A、NP110、NP140(いずれも、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)等が挙げられる。
塗布液中のポリシラザン化合物の含有量は、所望のガスバリアー層の層厚や塗布液のポットライフ等によっても異なるが、塗布液の全量に対して、0.2〜35質量%の範囲内であることが好ましい。
塗布液は、更にアミン触媒、金属及び溶媒を含んでいてもよい。
(アミン触媒及び金属)
アミン触媒及び金属は、後述する改質処理において、ポリシラザン化合物の酸化ケイ素化合物への転化を促進し得る。
用いられるアミン触媒としては、特に制限されないが、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサンが挙げられる。
また、用いられる金属としては、特に制限されないが、白金アセチルアセトナート等の白金化合物、プロピオン酸パラジウム等のパラジウム化合物、ロジウムアセチルアセトナート等のロジウム化合物が挙げられる。
アミン触媒及び金属は、ポリシラザン化合物に対して、0.05〜10質量%の範囲内で含まれていることが好ましく、0.1〜5質量%の範囲内で含まれていることがより好ましく、0.5〜2質量%の範囲内で含まれていることが更に好ましい。触媒添加量を上記範囲内とすると、反応の急激な進行よる過剰なシラノール形成、膜密度の低下、及び膜欠陥の増大等を防止することができることから好ましい。
(溶媒)
塗布液に含有される溶媒としては、ポリシラザン化合物と反応するものでなければ特に制限はなく、公知の溶媒が用いられる。具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。より詳細には、炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン、塩化メチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独又は2種以上を混合して用いられる。これらの溶媒は、ポリシラザン化合物の溶解度や溶剤の蒸発速度等を考慮し、目的に応じて適宜選択されうる。
(塗膜の形成)
塗布液の塗布方法としては、適宜公知の方法が採用される。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、ワイヤレスバーコート法、グラビア印刷法が挙げられる。
塗布厚さは、目的に応じて適切に設定される。例えば、塗布厚さは、乾燥後の層厚が10〜1000nmの範囲内となることが好ましく、20〜600nmの範囲内となることがより好ましく、40〜400nmの範囲内となることが更に好ましい。層厚が10nm以上であれば十分なガスバリアー性を得ることができ、1000nm以下であれば、層形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
塗布液を塗布した後は、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。
塗膜の乾燥温度は、適用する基材によっても異なるが、20〜200℃の範囲内であることが好ましい。例えば、ガラス転位温度(Tg)が70℃のポリエチレンテレフタレート基材を基材として用いる場合には、乾燥温度は、熱による基材の変形等を考慮して150℃以下に設定することが好ましい。
(塗膜の改質処理)
塗布法により形成された第2のガスバリアー層の改質処理とは、ケイ素化合物の酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素等への転化反応を指し、具体的には、ガスバリアーフィルムが全体としてガスバリアー性を発現するのに貢献できるレベルの無機薄膜を形成する処理をいう。
ケイ素化合物の酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素等への転化反応は、公知の方法を適宜選択して適用することができる。改質処理としては、具体的には、プラズマ処理、紫外線照射処理、加熱処理が挙げられる。
(真空紫外線照射処理:エキシマ照射処理)
本発明において、最も好ましい改質処理方法は、真空紫外線照射による処理(エキシマ照射処理)である。真空紫外線照射による処理は、改質を効率的に行う観点から使用する波長は200nm以下である必要があり、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用いればよく、好ましくは100〜180nmの波長の光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温(約200℃以下)で、酸化ケイ素膜の形成を行う方法である。ここで、ポリシラザン化合物の改質とは、ポリシラザン化合物が酸化ケイ素化合物及び/又は酸窒化ケイ素化合物へ転化することを意味する。
真空紫外光の光源としては、特に限定されず、公知のものが使用される。例えば、低圧水銀ランプ、エキシマランプ等が挙げられる。これらのうち、エキシマランプ、特にキセノン(Xe)エキシマランプを用いることが好ましい。
このようなエキシマ光(真空紫外光)の照射装置は、市販のランプ(例えば、ウシオ電機株式会社製、株式会社エム・ディ・コム製)を使用することが可能である。
エキシマランプは、エキシマ光が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されない点に特徴を有し、効率性が高い。また、余分な光が放射されないことから、対象物の温度を低く保つことができる。さらに、始動・再始動に時間を要さないことから、瞬時に点灯点滅が可能となる。特に、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの真空紫外光を単一波長で放射することから、発光効率に優れている。当該Xeエキシマランプは、172nmと波長が短く、エネルギーが高いことから、有機化合物の結合の切断能が高いことが知られている。
真空紫外光照射の照射強度は、使用する樹脂基材やガスバリアー層の組成、濃度等によっても異なるが、1mW/cm〜100kW/cmの範囲内であることが好ましく、1mW/cm〜10W/cmの範囲内であることがより好ましい。
真空紫外光照射の時間は、使用する基材やガスバリアー層の組成、濃度等によっても異なるが、0.1秒〜10分の範囲内であることが好ましく、0.5秒〜3分の範囲内であることがより好ましい。
真空紫外光の積算光量は、特に制限されないが、200〜5000mJ/cmの範囲内であることが好ましく、500〜3000mJ/cmの範囲内であることがより好ましい。真空紫外光の積算光量が200mJ/cm以上であると、十分な改質が行われることにより高いガスバリアー性が得られることから好ましい。一方、真空紫外光の積算光量が5000mJ/cm以下であると、基材が変形することなく平滑性の高いガスバリアー層が形成されることから好ましい。
また、真空紫外光の照射温度は、適用する樹脂基材によっても異なり、適宜決定される。真空紫外光の照射温度は、50〜200℃の範囲内であることが好ましく、80〜150℃の範囲内であることがより好ましい。照射温度が上記範囲内であると、基材の変形や強度の劣化等が生じにくく、基材の特性が損なわれないことから好ましい。
さらに、真空紫外光の照射雰囲気は、特に制限されないが、活性酸素やオゾンを発生させて効率的に改質を行う観点から酸素を含む雰囲気下で行うことが好ましい。真空紫外照射の酸素濃度は、10〜10000体積ppm(0.001〜1体積%)の範囲内であることが好ましく、50〜5000体積ppm(0.005〜0.5体積%)の範囲内であることがより好ましい。酸素濃度が10体積ppm以上であると、改質効率が高くなることから好ましい。一方、酸素濃度が10000体積ppm以下であると、大気と酸素との置換時間が短縮されることから好ましい。
紫外線照射の対象となる塗膜は、塗布時に酸素及び微量の水分が混入し、更には基材や隣接層等にも吸着酸素や吸着水が存在し得る。当該酸素等を利用すれば、照射庫内に新たに酸素を導入しなくとも、改質処理を行う活性酸素やオゾンの発生に要する酸素源は十分である。また、Xeエキシマランプのような172nmの真空紫外光は酸素により吸収されるため、塗膜に到達する真空紫外線量が減少する場合があることから、真空紫外光の照射時には、酸素濃度を低く設定し、真空紫外光が効率よく塗膜まで到達できる条件とすることが好ましい。
上述の改質処理によって得られる第2のガスバリアー層の層厚や密度等は、塗布条件や真空紫外光照射の条件等を適宜選択することにより制御することができる。例えば、真空紫外光の照射方法を、連続照射、複数回に分割した照射、複数回の照射が短時間な、いわゆるパルス照射等から適宜選択することで、第2のガスバリアー層の層厚や密度等が制御される。
第2のガスバリアー層の厚さ(塗布厚さ)は、目的に応じて適切に設定される。例えば、第2のガスバリアー層の厚さ(塗布厚さ)は、乾燥後の厚さとして、1nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10nm〜10μmの範囲内であることがより好ましく、50nm〜1μmの範囲内であることが更に好ましく、20nm〜2μmの範囲内であることが特に好ましい。第2のガスバリアー層の乾燥層厚が1nm以上であれば十分なガスバリアー性を得ることができ、100μm以下であれば、第2のガスバリアー層形成時に、安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
また、第2のガスバリアー層は、適度な表面の平滑性を有することが好ましい。具体的には、第2のガスバリアー層の表面の平滑性としては、第2のガスバリアー層の中心線平均粗さ(Ra)が、50nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。このような第2のガスバリアー層の中心線平均粗さ(Ra)の下限は、特に制限されないが、実用上、0.01nm以上であり、0.1nm以上であることが好ましい。
このようなRaを有するガスバリアー層であれば、ガスバリアー層中の凹凸に良好に対応して当該第2のガスバリアー層上に更に別のガスバリアー層を形成することもできる。このため、ガスバリアー層に生じるクラックやダングリングボンド等の欠陥を別のガスバリアー層がより効率よく被覆して、密な表面を形成することができる。ゆえに、高温高湿条件下でのガスバリアー性(例えば、低酸素透過性、低水蒸気透過性)の低下をより有効に抑制・防止できる。なお、本発明において、ガスバリアー層の中心線平均粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡(AFM)を使用し、試料の表面を測定したAFMトポグラフィー像につき傾斜自動補正処理を行い、次いで3次元粗さ解析を行うことにより求めることができる。
≪平滑層(下地層、プライマー層)≫
本発明のガスバリアーフィルムは、基材のガスバリアー層を有する面、好ましくは基材又はクリアハードコート層とガスバリアー層との間に平滑層(下地層、プライマー層)を設けてもよい。平滑層は、突起等が存在する基材の粗面を平坦化するために、あるいは、基材に存在する突起により、ガスバリアー層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。
このような平滑層は、いずれの材料で形成されてもよいが、炭素含有ポリマーを含むことが好ましく、炭素含有ポリマーから構成されることがより好ましい。
また、平滑層は、炭素含有ポリマー、好ましくは硬化性樹脂を含む。硬化性樹脂としては特に制限されず、活性エネルギー線硬化性材料等に対して紫外線等の活性エネルギー線を照射し硬化させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂や、熱硬化性材料を加熱することにより硬化して得られる熱硬化性樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂は、単独でも、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
平滑層の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性材料としては、例えば、アクリレート化合物を含有する組成物、アクリレート化合物とチオール基を含有するメルカプト化合物とを含有する組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを含有する組成物等が挙げられる。具体的には、JSR株式会社製のUV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR(登録商標)シリーズ(シリカ微粒子に重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させてなる化合物)を用いることができる。
平滑層の形成方法は、特に制限はないが、硬化性材料を含む塗布液をスピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法、グラビア印刷法等のウェットコーティング法、又は蒸着法等のドライコーティング法により塗布し塗膜を形成した後、可視光線、赤外線、紫外線、X線、α線、β線、γ線、電子線等の活性エネルギー線の照射及び/又は加熱により、塗膜を硬化させて形成する方法が好ましい。活性エネルギー線を照射する方法としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用い、好ましくは100〜400nm、より好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、又は、走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射する方法が挙げられる。
熱硬化性材料としては、具体的には、クラリアント社製のトゥットプロムシリーズ(有機ポリシラザン)、セラミックコート株式会社製のSP COAT耐熱クリアー塗料、アデカ社製のナノハイブリッドシリコーン、DIC株式会社製のユニディック(登録商標)V−8000シリーズ、EPICLON(登録商標) EXA−4710(超高耐熱性エポキシ樹脂)、信越化学工業株式会社製のシリコン樹脂 X−12−2400(商品名)、日東紡績株式会社製の無機・有機ナノコンポジット材料SSGコート、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ポリアミドアミン−エピクロルヒドリン樹脂等が挙げられる。
平滑層の平滑性は、JIS B 0601:2001で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、10〜30nmの範囲内であることが好ましい。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が数十μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する粗さである。
平滑層の層厚としては、特に制限されないが、0.1〜10μmの範囲内が好ましい。
≪アンカーコート層≫
本発明に係る基材の表面には、接着性(密着性)の向上を目的として、アンカーコート層を易接着層として形成してもよい。このアンカーコート層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、アルキルチタネート等を、1種又は2種以上併せて使用することができる。アンカーコート剤としては、市販品を使用してもよい。具体的には、シロキサン系UV硬化型ポリマー溶液(信越化学工業株式会社製、「X−12−2400」の3%イソプロピルアルコール溶液)を用いることができる。
また、アンカーコート層の層厚は、特に制限されないが、0.5〜10.0μm程度が好ましい。
≪ブリードアウト防止層≫
平滑層を有する基材は、加熱の際に基材中から表面に未反応のオリゴマー等が移行して、基材表面が汚染される場合がある。ブリードアウト防止層は、当該基材表面の汚染を抑制する機能を有する。
ブリードアウト防止層は、通常、平滑層を有する基材の平滑層とは反対の面に設けられる。
ブリードアウト防止層は、上記機能を有していれば、平滑層と同じ構成であってもよい。すなわち、ブリードアウト防止層は、UV硬化性樹脂を基材上に塗布した後、硬化させることによって形成され得る。
基材上に、上述の平滑層、アンカーコート層、およびブリードアウト防止層からなる群から選択される少なくとも一つの機能層が形成される場合、基材及び機能層の総層厚は、5〜500μmの範囲内であることが好ましく、25〜250μmの範囲内であることがより好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
以下、本実施例において使用される材料を示す。
<基材>
樹脂フィルムからなるロール基材として、厚さ23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン製:KFL12W)を用いた。
<クリアハードコート材料>
・ウレタンアクリレートA:共栄社化学製 UA−306I(ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロンジイソシアネートの反応物)
・ウレタンアクリレートB:共栄社化学製 UA−306H(ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートの反応物)
・アクリレートモノマーC:共栄社化学製 ライトアクリレートPE−4A(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)
・アクリレートモノマーD:新中村化学製 A−9300(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート)
・光重合開始剤:BASFジャパン製 イルガキュア819
・SiO微粒子E:コロイダルシリカ(日産化学社製「スノーテックスO」)
・SiO微粒子F:コロイダルシリカ(日産化学社製「スノーテックスO」)10質量部をペンタエリスリトールトリアクリレート50質量部とイソホロンジイソシアネート20質量部で処理したもの
・フッ素系活性剤:AGCセイミケミカル製 S651
≪ガスバリアーフィルム用基材の作製≫
<ガスバリアーフィルム用基材1の作製>
基材上に、下記組成のクリアハードコート層塗布液1を塗布し、乾燥させた後、紫外光による硬化処理を行ってクリアハードコート層を形成し、ガスバリアーフィルム用基材1を作製した。乾燥条件、乾燥層厚及び硬化条件を以下に示す。
<クリアハードコート層塗布液1>
・ウレタンアクリレートA:70質量部
・アクリレートモノマーD:20質量部
・光重合開始剤:1質量部
・SiO微粒子F:10質量部
・フッ素系活性剤:0.03質量部
・希釈溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分35%に調整
乾燥条件:90℃、90秒間、
乾燥層厚:3μm、
硬化条件:高圧水銀ランプ、500mJ/cm
<ガスバリアーフィルム用基材2〜12の作製>
ガスバリアーフィルム用基材1の作製において、クリアハードコート層塗布液1のウレタンアクリレート、アクリレートモノマー及びSiO微粒子を表1に記載の材料及び質量部(クリアハードコート層塗布液2〜12)に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム用基材2〜12を作製した。
Figure 0006617701
≪ガスバリアーフィルムの作製≫
<プラズマCVD法によるガスバリアー層の形成>
上記クリアハードコート層を形成したガスバリアーフィルム用基材1〜12を図4に示すプラズマCVD成膜装置31にセットし、搬送させた。次いで、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間に磁場を印加するとともに、成膜ローラー39と成膜ローラー40とにそれぞれ電力を供給して、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間に放電してプラズマを発生させた。その後、形成された放電領域に、成膜ガス(原料ガスとしてのヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と反応ガスとしての酸素ガス(放電ガスとしても機能する)との混合ガス)を供給し、クリアハードコート層を形成した面上に、下記条件にてプラズマCVD法により層厚120nmのガスバリアー層を形成し、ガスバリアーフィルム1〜12を作製した。
(成膜条件)
原料ガス(ヘキサメチルジシロキサン、HMDSO)の供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)
反応ガス(O)の供給量:500sccm
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.8m/min
≪ガスバリアーフィルムの評価≫
<クリアハードコート層及びガスバリアー層における元素分布プロファイルの測定>
作製した各ガスバリアーフィルムについて、下記条件にてXPSデプスプロファイル測定を行い、層厚方向のガスバリアー層の表面からの距離における、炭素原子分布、ケイ素原子分布及び酸素原子分布を得た。
その結果、全てのガスバリアーフィルムにおいて、炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有し、かつ、炭素原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が3at%以上であった。
各ガスバリアーフィルムについて、組成傾斜領域の幅(nm)、組成傾斜領域における酸素分布曲線及び炭素分布曲線の変化率(傾き)、並びにクリアハードコート層内における酸素原子比率(at%)(平均値)及びケイ素原子比率(at%)(平均値)を表2に示す。
エッチングイオン種:アルゴン(Ar
エッチングレート(SiO熱酸化膜換算値):0.05nm/sec
エッチング間隔(SiO換算値):10nm
X線光電子分光装置:Thermo Fisher Scientific社製、機種名「VG Theta Probe」
照射X線:単結晶分光AlKα
X線のスポット及びそのサイズ:800μm×400μmの楕円形
<水蒸気バリアー性(水蒸気透過度、WVTR)の評価>
作製した各ガスバリアーフィルムについて、初期、及び85℃、85%RHの環境下で100時間後の水蒸気バリアー性を評価した。水蒸気バリアー性の評価は、MOCON社製AQUATRANを用い、38℃、90%RH条件において数値が安定するのを待って水蒸気透過度(WVTR)(g/m・day)を測定した。
測定結果を表2に示す。
<密着性の評価>
作製した各ガスバリアーフィルムについて、初期、及び85℃、85%RHの環境下で100時間後、JIS K 5600−5−6に記載された試験方法に準じて密着性を評価した。具体的には、100個の升目状の切り傷を、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を升目上の切り傷面に貼り付け、2.0kgのローラーを20往復して完全に付着させた後、180度の剥離角度で急激に剥がした後の剥離面を観察し、以下の評価基準に従って、剥離面積でランク評価した。剥離箇所は、TEM観察により、いずれもクリアハードコート層とガスバリアー層との間で発生していることが確認できた。
評価結果を表2に示す。
◎:剥離面積:3%未満
○:剥離面積:3%以上10%未満
△:剥離面積:10%以上50%未満
×:剥離面積:50%以上
Figure 0006617701
<まとめ>
表2から明らかなように、本発明のガスバリアーフィルムは、比較例のガスバリアーフィルムと比較して、水蒸気バリアー性を保持しつつ、クリアハードコート層とガスバリアー層との密着性に優れていることが分かる。
以上から、クリアハードコート層及びガスバリアー層のX線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、ガスバリアー層の層厚方向におけるクリアハードコート層とは反対側のガスバリアー層の表面からの距離と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、又は炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線の組成傾斜領域を7〜20nmの範囲内とすることが有用であることがわかる。
本発明は、ガスバリアー性を保持しつつ、クリアハードコート層とガスバリアー層との密着性に優れたガスバリアーフィルムを提供することに、特に好適に利用することができる。
2 樹脂基材
4 クリアハードコート層
6 ガスバリアー層
8、10 組成傾斜領域
31 製造装置
32 送出しローラー
33、34、35、36 搬送ローラー
39、40 成膜ローラー
41 ガス供給管
42 プラズマ発生用電源
43、44 磁場発生装置
45 巻取りローラー
A 炭素分布曲線
B ケイ素分布曲線
C 酸素分布曲線
F ガスバリアーフィルム

Claims (8)

  1. 樹脂基材の少なくとも一方の面に、UV硬化樹脂からなるクリアハードコート層と、少なくとも1層の酸化炭化ケイ素を含有するガスバリアー層とが順次積層されたガスバリアーフィルムであって、
    前記クリアハードコート層が、ウレタン(メタ)アクリレートを70〜90質量部の範囲内で含有し、更に少なくとも、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートを10〜30質量部の範囲内で又はSiO 微粒子を10〜20質量部の範囲内で含有する塗布膜からなり、
    前記ガスバリアー層が、ヘキサメチルジシロキサンの化学蒸着膜からなり、かつ、
    前記クリアハードコート層及び前記ガスバリアー層のX線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、前記ガスバリアー層の層厚方向における前記クリアハードコート層とは反対側の前記ガスバリアー層の表面からの距離と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、又は炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅が、7〜20nmの範囲内であることを特徴とするガスバリアーフィルム。
  2. 前記クリアハードコート層における酸素原子比率が25〜45at%の範囲内であり、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対するケイ素原子数の比率(ケイ素原子比率)が10〜30at%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアーフィルム。
  3. 前記クリアハードコート層には、SiO微粒子が含有されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスバリアーフィルム。
  4. 前記SiO微粒子が、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物で表面修飾されていることを特徴とする請求項3に記載のガスバリアーフィルム。
  5. 前記ウレタン(メタ)アクリレートが、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
  6. 前記ガスバリアー層における炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有し、かつ、炭素原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が3at%以上であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
  7. 樹脂基材の少なくとも一方の面に、UV硬化樹脂からなるクリアハードコート層と、少なくとも1層の、ロール to ロールCVD装置により成膜された酸化炭化ケイ素を含有するガスバリアー層とが順次積層されたガスバリアーフィルムの作製方法であって、
    ウレタン(メタ)アクリレートを70〜90質量部の範囲内で含有し、更に少なくとも、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートを10〜30質量部の範囲内で又はSiO 微粒子を10〜20質量部の範囲内で含有する塗布液を用いて前記クリアハードコート層を形成する工程と、
    ヘキサメチルジシロキサンを用いて化学蒸着により前記ガスバリアー層を形成する工程を有し、かつ、
    前記クリアハードコート層及び前記ガスバリアー層のX線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、前記ガスバリアー層の層厚方向における前記クリアハードコート層とは反対側の前記ガスバリアー層の表面からの距離と、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する炭素原子数の比率(炭素原子比率)との関係を示す炭素分布曲線、又は炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子の総原子数(100at%)に対する酸素原子数の比率(酸素原子比率)との関係を示す酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅が、7〜20nmの範囲内となるように制御することを特徴とするガスバリアーフィルムの作製方法。
  8. 前記酸素分布曲線の組成傾斜領域の幅が、7〜20nmの範囲内となるように制御する方法として、少なくとも前記クリアハードコート層を形成する際の前記塗布液におけるウレタンアクリレートの含有量の調整及び前記ヘキサメチルジシロキサンを用いて化学蒸着膜する際の、原料ガスの供給量の調整をすることを特徴とする請求項に記載のガスバリアーフィルムの作製方法。
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