JP2010026200A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電界印加状態での経時色味安定性と画面局所間の色味安定性を改善したブルーフェーズ液晶モードの液晶表示装置を提供する。
【解決手段】バックライトユニットと、吸収軸が互いに直交するように配置された2枚の偏光板と、該2枚の偏光板の間に一対の透明基板で、電界を印加しないときに光学的等方性を示し、電界を印加するとその大きさに応じて光学的異方性を発現する液晶媒質を挟み封入した液晶表示素子とを有する液晶表示装置において、該バックライトユニットと該バックライトユニットに近い位置にある偏光板との間に、無機化合物含有層を少なくとも1層有し、該無機化合物含有層の比重を該無機化合物含有層に含有される無機化合物の比重で割った値が0.6以上であることを特徴とする液晶表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は液晶表示装置に関し、より詳しくは電界を印加しないときに光学的等方性を示し、電界を印加するとその大きさに応じて光学的異方性を発現する方式の液晶表示装置であって、特に色味安定性を改善した液晶表示装置に関する。
昨今、薄型液晶テレビに代表される液晶表示装置の低価格競争および更なる薄型化の競争は激化の一途を辿っている。自発光型ディスプレイではない液晶表示装置は、従来より種々の部材を積層することにより成り立っている。具体的にはCCFL(冷陰極管)に代表されるようなバックライト、これを面光源化するための拡散板および拡散シート、光利用効率を高めるための反射板や反射型偏光板、正面輝度を高めるためのプリズムシート、バックライトユニットから発せられる光に対し特定方向の偏光成分のみ透過したり特定方向以外の偏光成分を吸収したりする偏光板、その偏光を制御し光のシャッターの働きをする液晶表示素子、その液晶表示素子が有する光学的異方性を補償するための位相差フィルム、などである。更にその液晶表示素子内には、液晶を整然と配向させるための配向膜やフルカラー化するためのカラーフィルターが含まれているのが一般的である。これら多岐に渡る部材の機能をいかに統廃合し、部材点数を減らすことで低価格競争に耐え得る低コスト化を実現できるかというのが、液晶表示装置開発の最近の流れとなっている。典型例としては、拡散板あるいは拡散シートとプリズムシートの機能を一体化した表面プリズム形状付き拡散板または拡散シート、あるいは、光学補償機能を兼ねた偏光板保護フィルムなどが挙げられる。
一方、近年、液晶表示装置は、性能面でも他方式のディスプレイの脅威に晒されている。具体的には有機ELディスプレイの台頭が挙げられる。有機ELディスプレイは、その応答速度の速さに起因して優れた動画特性が得られ、斜め方向から見たときでも高いコントラストを維持し、また暗い表示から明るい表示まで幅広い明るさの中で色再現領域が殆ど変わらないなど、性能面で液晶表示装置に対し差別化要素を持っている。このような状況より、これからの液晶表示装置開発には、他方式ディスプレイに見劣りしない更なる性能向上も非常に求められている。
このようなコスト、性能への要請に対し、最近では革新的な液晶表示素子の開発の動きが活発化している。特許文献1や特許文献2に開示されているブルーフェーズ液晶モードがその典型である。この新モード液晶の実際のパネルは、サムスン電子社からSID2008で公開されている。このモードの特徴としては、液晶を並べるための配向膜を必要としないこと、電界を印加しない状態で光学的に等方であることより、異方性を補償する位相差フィルムを必要としないこと、更にはマイクロ秒オーダーの高速応答が可能なこと、バックライトにRGB各色のLED光源を使い、これらを順次高速で点滅させるフィールドシーケンシャル方式と組み合わせることにより、カラーフィルターも不要となる可能性があること、などが挙げられる(非特許文献1,非特許文献2参照。)。
しかしながら、このモードには色味安定性の点で課題がある。即ち、本来同じ色味を示すはずのものが、電界を印加した直後と暫く経過した後で異なってしまったり、画面の場所によって異なってしまったりするという現象があり、このような課題に対する解決法は今まで知られておらず、早急な解決が望まれている。
特開2005−234541号公報 特開2006−99038号公報 菊池裕嗣,「高分子とキラル効果が広げる液晶の新しい世界 −等方性液晶の異常Kerr効果−」,液晶,第9巻,第2号,p82−95,2005年 Eric Grelet、ほか3名 "Structural Investigations on Smectic Blue Phases",PHYSICAL REVIEW LETTERS,The American Physical Society,23 APRIL 2001,VOLUME 86,NUMBER 17,p.3791−3794
本発明では、電界印加状態での経時色味安定性と画面局所間の色味安定性を改善したブルーフェーズ液晶モードの液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.少なくとも、バックライトユニットと、吸収軸が互いに直交するように配置された2枚の偏光板と、該2枚の偏光板の間に一対の透明基板で、電界を印加しないときに光学的等方性を示し、電界を印加するとその大きさに応じて光学的異方性を発現する液晶媒質を挟み封入した液晶表示素子とを有する液晶表示装置において、該バックライトユニットと該バックライトユニットに近い位置にある偏光板との間に、無機化合物含有層を少なくとも1層有し、該無機化合物含有層の比重を該無機化合物含有層に含有される無機化合物の比重で割った値が0.6以上であることを特徴とする液晶表示装置。
2.前記液晶表示素子の400nmでの分光反射率R400と、550nmでの分光反射率R550との比R400/R550が5以下であることを特徴とする前記1に記載の液晶表示装置。
3.前記バックライトユニットが複数のLED光源からなり、該LED光源別に部分駆動されることを特徴とする前記1または2に記載の液晶表示装置。
4.前記無機化合物含有層がプラズマCVD法により形成された薄膜層であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
本発明により、電界印加状態での経時色味安定性と画面局所間の色味安定性を改善したブルーフェーズ液晶モードの液晶表示装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の液晶表示装置は、少なくとも、バックライトユニットと、吸収軸が互いに直交するように配置された2枚の偏光板と、該2枚の偏光板の間に一対の透明基板で、電界を印加しないときに光学的等方性を示し、電界を印加するとその大きさに応じて光学的異方性を発現する液晶媒質を挟み封入した液晶表示素子とを有する液晶表示装置において、該バックライトユニットと該バックライトユニットに近い位置にある偏光板との間に、無機化合物含有層を少なくとも1層有し、該無機化合物含有層の比重を該無機化合物含有層に含有される無機化合物の比重で割った値が0.6以上であることを特徴とし、かかる構成により、電界印加状態での経時色味安定性と画面局所間の色味安定性を改善するという効果を奏するものである。
本発明によれば、一対の透明基板で、電界を印加しないときに光学的等方性を示し、電界を印加するとその大きさに応じて光学的異方性を発現する液晶媒質を封入した液晶表示素子を有する液晶表示装置において、電界印加直後と暫くそのままの状態を保持したときとで色味が変わらず、また、同じ色味を示す画像信号に対し、画面の場所の違いによる色ムラも認められないという効果を奏する。
これらの効果の詳細な機構は定かではないが、一般的に、電界無印加時に光学的等方性を示し、電界印加時に光学的異方性を発現する液晶表示素子では、セル内にカイラル剤が添加されたネガ型液晶性混合物が封入されており、カイラルピッチに起因した反射による色味を生じることがあるが、このピッチが温度変動によって変化することで色味が変化すると考えられる。本発明の構成では、バックライト側の偏光板とバックライトユニットの間に位置するところに、樹脂よりも熱伝導性の高い無機化合物含有層を挿入することで、上記経時あるいは局所的温度変動を抑制する作用が付与されたのではないかと推定している。
即ち、本発明の構成では、バックライト側の偏光板とバックライトユニットの間に位置するところに、樹脂よりも熱伝導性の高い無機化合物物含有層を挿入することで、面内方向の温度均一性が高まり局所的温度変動を抑制する効果が発現するとともに、パネル側面からの放熱も促進され、経時での温度変動も抑えられたのではないかと推定している。無機化合物含有層内の無機化合物密度が低いと、十分な効果が発現できないことは、上記推定の確からしさを支持しているものと考えられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<液晶表示装置の概要>
本発明の液晶表示装置は、少なくとも、バックライトユニットと、液晶表示素子と、該液晶表示素子の視認側に配置された第1の偏光板と、該液晶表示素子のバックライトユニット側に配置された第2の偏光板とを備える。ここで、第1の偏光板の吸収軸と第2の偏光板の吸収軸とは直交に配置される。本発明の液晶表示装置は、液晶表示素子の背面より光を照射して画面を見る、いわゆる透過型であってもよいし、透過型と液晶表示素子の視認側からの光を受けて画面を見る反射型の両方の性質を併せ持つ、半透過型であってもよい。
図1に本発明に係る液晶表示装置の構成例を示す。
本発明に係る無機化合物層は、バックライトユニットとバックライトユニットに近い位置にある偏光板(図では第2の偏光板)との間にあれば特にその位置を特定されるものではないが、図1aのように無機化合物含有層を第2の偏光子の偏光板保護フィルムと輝度向上フィルムの間に設けたり、図1bのように輝度向上フィルムとバックライトユニットの間に設けたりすることができる。更に第2の偏光子の偏光板保護フィルムや輝度向上フィルム上に直接設けたりすることも好ましい。
<バックライトユニットおよびその周辺部材>
本発明に関わるバックライトユニットは、光源を液晶表示素子の直下に配置する直下方式のものでも、光源を画面側面に配置し、面光源化して液晶表示素子を背面より照射するサイドライト方式のものでもよい。直下方式の場合、好ましくは、光源と、反射板と、拡散板とを備える。サイドライト方式の場合は、好ましくは、光源と、導光板と、反射板と、拡散板を備える。また、いずれの方式でも上記バックライトユニットと第2の偏光板の間には、用途に応じて拡散シートや、プリズムシート、反射型偏光フィルムを備えることが、輝度向上効果や消費電力削減効果の点で好ましい。本発明に関わるバックライトユニットには、上記拡散シートやプリズムシート、反射型偏光フィルムは含まれない。
本発明に係るバックライトユニットの模式図を図2に示す。
図2aは直下型(CCFL光源)バックライトユニットの模式図であり、図2bは同じ直下型でも白色LED光源を用いた例である。
本発明のバックライトユニットに用いる光源は、冷陰極菅(CCFL)に代表される線状光源、もしくは発光ダイオード(LED)に代表される点状光源であることが好ましい。
特にバックライト光源としては、複数のLEDを並べたものを採用することが色再現性を高める上で好ましい。更にLED光源にすることにより、本発明の無機化合物含有層の色味安定性への効果は顕著になることを見出した。CCFLに対し、発熱量が高く個々のLEDの性能ばらつきが大きい現状のLEDに対し、本発明に係る熱伝導性の高い無機化合物含有層を設けることにより、経時での熱籠もりや局所的熱ムラが緩和されるものと推定している。
また、複数のLED光源を個々に部分駆動して点滅させる、いわゆるローカルディミング方式も好ましく用いられる。具体的には、特開2007−286627号公報に開示されているような構成のものが好ましく用いられる。
ローカルディミング方式とは、基板上に配列された多数のLEDが液晶パネルの後面を照射する際、多数のLEDの配列体、即ちLED光源部は部分駆動する複数の光源領域に分けられ、この複数の光源領域間の境界部にはマトリクスタイプの隔壁が配置される。
液晶パネルは、複数の領域に分割され、各分割領域別に画像を具現することが出来る。LED光源部は液晶パネルの各分割領域別に光を照射する。この際、(LED光源部の)各光源領域の輝度は、(液晶パネルの)各分割領域のグレーレベルのピーク値に応じて調節される。即ち、相対的に高い輝度を有すべき分割領域に対応する光源領域は、他の光源領域に比べて高い電流デューティ比で点灯される。または他の分割領域に対応する光源領域のデューティ比を減少させることも出来る。
用いられるLED光源は、赤色(R)LED、緑色(G)LED、及び青色(B)LEDを有するカラー液晶表示装置用LEDバックライトであって、例えば、上記赤色(R)LEDのピーク波長が610nm以上であり、上記緑色(G)LEDのピーク波長が530±10nmの範囲内であり、上記青色(B)LEDのピーク波長が480nm以下であるものが好ましく用いられる。ピーク波長が上記範囲内の緑色(G)LEDの種類としては、例えば、DG1112H(スタンレー電気(株)製)、UG1112H(スタンレー電気(株)製)、E1L51−3G(豊田合成(株)製)、E1L49−3G(豊田合成(株)製)、NSPG500S(日亜化学工業(株)製)等が挙げられる。赤色(R)LEDとして用いられるLEDの種類としては、例えばFR1112H(スタンレー電気(株)製)、FR5366X(スタンレー電気(株)製)、NSTM515AS(日亜化学工業(株)製)、GL3ZR2D1COS(シャープ(株)製)、GM1JJ35200AE(シャープ(株)製)等が挙げられる。青色(B)LEDとして用いられるLEDの種類としては、DB1112H(スタンレー電気(株)製)、DB5306X(スタンレー電気(株)製)、E1L51−3B(豊田合成(株)製)、E1L4E−SB1A(豊田合成(株)製)、NSPB630S(日亜化学工業(株)製)、NSPB310A(日亜化学工業(株)製)等が挙げられる。上述した3色のLEDを組み合わせてバックライトとすることができる。或いは白色LEDを用いることもでき、豊田合成社の高輝度白色LED「TG TRUE White Hi」などが挙げられる。
また、本発明では輝度向上フィルムを用いることが好ましい。輝度向上フィルムは、通常、熱可塑性樹脂層(A)と熱可塑性樹脂層(B)とを含む積層体である。代表的には、上記輝度向上フィルムは、熱可塑性樹脂層(A)と熱可塑性樹脂層(B)とを交互に並べたもの(ABABAB・・・)である。上記輝度向上フィルムを構成する層の数は、好ましくは2層〜20層であり、さらに好ましくは2層〜15層である。このような構造を有する輝度向上フィルムは、例えば、2種類の樹脂を共押出し、その押出フィルムを延伸して作製される。上記輝度向上フィルムの総厚みは、好ましくは20μm〜800μmである。
好ましくは、上記熱可塑性樹脂層(A)は、光学的に異方性を示す。上記熱可塑性樹脂(A)の面内の複屈折率(ΔnA)は、好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは、0.1以上であり、特に好ましくは0.15以上である。光学的な均一性の観点から、上記ΔnAの上限値は、好ましくは0.2である。ここで、上記ΔnAは、nxA(遅相軸方向の屈折率)とnyA(進相軸方向の屈折率)との差(nxA−nyA)を表す。
上記熱可塑性樹脂層(B)は、好ましくは、実質的に光学的に等方性を示す。上記熱可塑性樹脂層(B)の面内の複屈折率(ΔnB)は、好ましくは5×10−4以下であり、1×10−4以下であり、特に好ましくは0.5×10−4以下である。上記ΔnBの下限値は、好ましくは0.01×10−4である。ここで、上記ΔnBは、nxB(遅相軸方向の屈折率)とnyB(進相軸方向の屈折率)との差(nxB−nyB)を表す。
上記熱可塑性樹脂層(A)のnyAと上記熱可塑性樹脂層(B)のnyBとは、好ましくは、実質的に同一である。nyAとnyBとの差の絶対値は、好ましくは5×10−4以下であり、1×10−4以下であり、特に好ましくは0.5×10−4以下である。このような光学特性を有する輝度向上フィルムは、偏光成分を反射させる機能に優れる。
上記熱可塑性樹脂層(A)を形成する樹脂としては、任意の適切なものが選択され得る。上記熱可塑性樹脂層(A)は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリブチレンナフタレート系樹脂、又はこれらの混合物を含む。これらの樹脂は、延伸による複屈折の発現性に優れ、延伸後の複屈折の安定性に優れる。
上記熱可塑性樹脂層(B)としては、任意の適切なものが選択され得る。上記熱可塑性樹脂層(B)は、好ましくは、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスチレングリシジルメタクリレート系樹脂、又はこれらの混合物を含む。上記の樹脂は、屈折率を高めるために、塩素、臭素及びヨウ素などのハロゲン基が導入されていてもよい。あるいは、上記の樹脂は、屈折率を調整するために、任意の添加剤を含有し得る。
上記輝度向上フィルムは、市販のものをそのまま用いることができる。市販の輝度向上フィルムとしては、例えば、日東電工(株)製 NIPOCS PCFシリーズや住友スリーエム(株)製 ビキュイティDBEFシリーズ等が挙げられる。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、少なくとも部分的には透明な一対の基板間と、その基板間に挟持された液晶媒質層と、その液晶媒質に電界を印加させるための電極構造とを備える。本発明の液晶表示素子は、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することで電界を形成することが好ましく、更には、いずれか一方の基板の液晶媒質が封入される側の表面に、上記第1の電極と第2の電極とを有することが好ましい。
また、上記基板間に挟持され封入される液晶媒質は、電界無印加時に光学的等方性を示し、電界印加時に光学的異方性を発現する物質であることが必要である。このような物質の例としては、コレステリックブルー相を示す分子からなる媒質や、スメクチックブルー相を示す分子からなる媒質などが挙げられる。前者の具体例としては、JC1041(混合液晶、チッソ社製)を48.2mol%、5CB(4−cyano−4’−pentyl biphenyl、ネマチック液晶、メルク社製)を47.4mol%、ZLI−4572(カイラルドーパント、メルク社製)を4.4mol%混合した物質がある。この物質は、330.7Kから331.8Kの温度範囲で、コレステリックブルー相を示す。後者の具体例としては、非特許文献2に記載されているFH/FH/HH−14BTMHCがある。この物質は、74.4℃〜73.2℃でBPSm3相、73.2℃〜72.3℃でBPSm2相、72.3℃〜72.1℃でBPSm1相を示す。また、これら低分子の液晶物質に適当なモノマーや架橋剤、光重合開始剤を添加し、ブルー相を保持しながら光重合することにより、ブルー相発現温度領域を低温域まで広げることができる。このようないわゆる高分子安定化ブルー相も好ましく用いられる。
液晶表示装置の色味安定性を向上させる点において、元々の液晶表示素子自体の色味を極力なくす(可視光において透明に近づける)ことが好ましい。指標として液晶表示素子の反射スペクトルにおいて、波長400nmの入射光での反射率R400と550nmでの反射率R550との比、即ちR400/R550が5以下であることが好ましい。より好ましくは3以下、最も好ましくは1.5以下である。反射スペクトルは、市販の分光光度計により、容易に測定できる。上記コレステリックブルー相を示す分子からなる媒質の場合、カイラルドーパントの添加量を増すことにより、コレステリックピッチに起因したピーク反射波長を可視光領域より短波化することができ、従って可視光において透明に近づけることができる。
<偏光板>
本発明に用いられる偏光板は、自然光または偏光を直線偏光に変換するものを指し、好ましくは入射する光を直交する2つの偏光成分に分離し、一方の偏光成分を透過させ、他方の偏光成分を吸収、反射および/または散乱させる機能を有する。
上記偏光板の厚みは、特に制限されず、薄膜、フィルム、シートの一般的な概念を包含する。上記偏光板の厚みは、好ましくは1μm〜250μmであり、さらに好ましくは20μm〜250μmである。偏光板の厚みを上記の範囲とすることによって、機械的強度に優れるものが得られる。
上記偏光板は、単層の偏光機能を有する層(偏光子ともいう)であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。上記偏光板が積層体である場合、その構成としては、例えば、(a)偏光子と保護層とを含む積層体、(b)偏光子と保護層と表面処理層とを含む積層体、(c)2層以上の偏光子を含む積層体、などが挙げられる。上記偏光板は、表面処理層を2層以上有していてもよい。あるいは、上記偏光板は、保護層が、液晶セルの視野角を拡大する機能を兼ねていてもよい(このような機能を有する層を、光学補償層ともいう)。
本発明に用いられる偏光子は、任意の適切なものが採用され得る。好ましくは、上記第1の偏光板は第1の偏光子を含み、上記第2の偏光板は第2の偏光子を含み、該第1の偏光子及び該第2の偏光子は、それぞれヨウ素を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする。上記偏光子は、通常、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムを延伸して得ることができる。このような偏光子を含む偏光板は、光学特性に優れる。
上記第1の偏光子のヨウ素含有量(I1)と上記第2の偏光板のヨウ素含有量(I2)との関係は、好ましくは、I1>I2である。上記第1の偏光子のヨウ素含有量(I1)と、上記第2の偏光板のヨウ素含有量(I2)との差(ΔI=I1−I2)は、好ましくは0.1質量%〜1.9質量%であり、さらに好ましくは0.2質量%〜1.9質量%であり、特に好ましくは0.4質量%〜1.8質量%であり、最も好ましくは0.6質量%〜1.7質量%である。各偏光子のヨウ素含有量の関係を上記の範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率の関係を有する偏光板が得られ、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置を得ることができる。
上記第1の偏光子及び/又は上記第2の偏光子のヨウ素含有量は、好ましくは2.0質量%〜5.0質量%であり、さらに好ましくは2.0質量%〜4.0質量%である。上記第1の偏光子のヨウ素含有量は、好ましくは2.3質量%〜5.0質量%であり、さらに好ましくは2.5質量%〜4.5質量%であり、特に好ましくは2.7質量%〜4.0質量%である。上記第2の偏光子のヨウ素含有量は、好ましくは2.0質量%〜3.5質量%であり、さらに好ましくは2.0質量%〜3.2質量%であり、特に好ましくは2.0質量%〜2.9質量%である。各偏光子のヨウ素含有量を上記の範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率の偏光板が得られ、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置を得ることができる。
好ましくは、上記第1の偏光子及び/又は上記第2の偏光子は、カリウムをさらに含有する。上記カリウム含有量は、好ましくは0.2質量%〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.3質量%〜0.9質量%であり、特に好ましくは0.4質量%〜0.8質量%である。カリウム含有量を上記範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率を有し、且つ、偏光度が高い偏光板を得ることができる。
好ましくは、上記第1の偏光子及び/又は前記第2の偏光子は、ホウ素をさらに含有する。上記ホウ素含有量は、好ましくは0.5質量%〜3.0質量%であり、さらに好ましくは1.0質量%〜2.8質量%であり、特に好ましくは1.5質量%〜2.6質量%である。ホウ素含有量を上記範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率を有し、且つ、偏光度が高い偏光板を得ることができる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるビニルエステル系重合体をケン化することによって得ることができる。上記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、好ましくは95.0モル%〜99.9モル%である。上記ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。ケン化度が上記の範囲であるポリビニルアルコール系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子が得られ得る。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、目的に応じて、任意の適切な値が選択され得る。上記平均重合度は、好ましくは1200〜3600である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムを得る方法としては、任意の適切な成形加工法が採用され得る。上記成形加工法としては、例えば、特開2000−315144号公報[実施例1]に記載の方法が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、好ましくは、可塑剤及び/又は界面活性剤を含有する。上記可塑剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。上記多価アルコールは、偏光子の染色性や延伸性をより一層向上させる目的で使用される。上記界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。上記界面活性剤は、偏光子の染色性や延伸性をより一層向上させる目的で使用される。
上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、市販のフィルムをそのまま用いることもできる。市販のポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムとしては、例えば、(株)クラレ製 商品名「クラレビニロンフィルム」、東セロ(株)製 商品名「トーセロビニロンフィルム」、日本合成化学工業(株)製 商品名「日合ビニロンフィルム」等が挙げられる。
偏光子の製造方法の一例について、図3を参照して説明する。図3は、本発明に用いられる偏光子の代表的な製造工程の概念を示す模式図である。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム101は、繰り出し部100から繰り出され、純水を含む膨潤浴110、及びヨウ素水溶液を含む染色浴120に浸漬され、速度比の異なるロール111、112、121及び122でフィルム長手方向に張力を付与されながら、膨潤処理及び染色処理が施される。次に、膨潤処理及び染色処理されたフィルムは、ヨウ化カリウムを含む第1の架橋浴130中及び第2の架橋浴140中に浸漬され、速度比の異なるロール131、132、141及び142でフィルムの長手方向に張力を付与されながら、架橋処理及び最終的な延伸処理が施される。架橋処理されたフィルムは、ロール151および152によって、純水を含む水洗浴150中に浸漬され、水洗処理が施される。水洗処理されたフィルムは、乾燥手段160で乾燥されることにより、水分率が、例えば10%〜30%に調節され、巻き取り部180にて巻き取られる。偏光子170は、これらの工程を経て、上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムを元長の5倍〜7倍に延伸することで得ることができる。
上記染色工程において、染色浴のヨウ素の添加量は、水100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜0.15質量部であり、さらに好ましくは0.01質量部〜0.05質量部である。染色浴のヨウ素の添加量を上記範囲にすることによって、光学特性に優れた偏光板を得ることができる。上記の範囲で染色浴のヨウ素の添加量を増加させると、結果として、透過率の低い偏光板を得ることができる。また、上記の範囲で染色浴のヨウ素の添加量を減少させると、結果として、透過率の高い偏光板を得ることができる。
上記染色浴のヨウ化カリウムの添加量は、水100質量部に対して、好ましくは0.05質量部〜0.5質量部であり、さらに好ましくは0.1質量部〜0.3質量部である。ヨウ化カリウムの添加量を上記範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率を有し、且つ、偏光度が高い偏光板を得ることができる。
上記染色工程において、第1の架橋浴及び第2の架橋浴の、ヨウ化カリウムの添加量は、水100質量部に対して、好ましくは0.5質量部〜10質量部であり、さらに好ましくは1質量部〜7質量部である。第1の架橋浴及び第2の架橋浴の、ホウ酸の添加量は、好ましくは0.5質量部〜10質量部であり、さらに好ましくは1質量部〜7質量部である。ヨウ化カリウム及びホウ酸の添加量を上記範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率を有し、且つ、偏光度が高い光学特性に優れた偏光板を得ることができる。
<保護層>
本発明に用いられる偏光板は、好ましくは、偏光子と、該偏光子の両側に配置された保護層(本発明では、保護フィルム、または偏光板保護フィルムという場合もある)とを備える。上記保護層は、例えば、偏光子が収縮や膨張することを防いだり、紫外線による劣化を防いだりすることができ、耐久性の高い偏光板を得ることができる。
1つの実施形態において、本発明に用いられる第1の偏光板は、好ましくは、第1の偏光子と、該第1の偏光子の液晶セル側に配置された第1の保護層と、該第1の偏光子の液晶セル側とは反対側に配置された第2の保護層とを備える。さらに、第2の偏光板は、好ましくは第2の偏光子と、該第2の偏光子の液晶セル側に配置された第3の保護層と、該第2の偏光子の液晶セル側とは反対側に配置された第4の保護層とを備える。
上記保護層と上記偏光子とは、任意の適切な接着層を介して、積層させることができる。本明細書において、「接着層」とは、隣り合う光学部材の面と面とを接合し、実用上十分な接着力と接着時間で一体化させるものをいう。上記接着層を形成する材料としては、例えば、接着剤、アンカーコート剤が挙げられる。上記接着層は、被着体の表面にアンカーコート層が形成され、その上に接着剤層が形成されたような、多層構造であってもよい。また、肉眼的に認知できないような薄い層(ヘアーラインともいう)であってもよい。
上記偏光子が、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする場合、上記接着層を形成する材料としては、好ましくは、水溶性接着剤である。上記水溶性接着剤としては、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水溶性接着剤である。上記接着層は、市販の接着剤をそのまま用いることもできる。あるいは、市販の接着剤に溶剤や添加剤を混合して用いることもできる。市販のポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする接着剤としては、例えば、日本合成化学工業(株)製 商品名「ゴーセファイマーZ200」が挙げられる。
上記水溶性接着剤は、添加剤として、架橋剤をさらに含有し得る。架橋剤の種類としては、例えば、アミン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、および多価金属塩等が挙げられる。上記架橋剤は、市販のものをそのまま用いることもできる。市販の架橋剤としては、日本合成化学工業(株)製 アルデヒド化合物 商品名「グリオキサザール」が挙げられる。上記架橋剤の添加量は、目的に応じて、適宜、調整され得るが、通常、水溶性接着剤の固形分100質量部に対して、0を超え10質量部以下である。
〔第1の保護層〕
第1の保護層は、第1の偏光子の液晶セル側に配置される。上記第1の保護層の厚みは、目的に応じて、任意の適切な値が選択され得る。上記保護層の厚みは、好ましくは、20μm〜100μmである。第1の保護層の厚みを上記の範囲とすることによって、機械的強度や耐久性に優れた偏光板が得られる。
上記第1の保護層の23℃における波長590nmの光で測定した透過率は、好ましくは90%以上である。上記透過率の実現可能な上限は96%である。
上記第1の保護層の、光弾性係数の絶対値(C[590](m/N))は、好ましくは1×10−12〜100×10−12であり、さらに好ましくは1×10−12〜60×10−12である。光弾性係数の絶対値が上記の範囲であるものを用いることによって、歪によって光学的なムラが生じにくい偏光板が得られ得る。
上記第1の保護層は、偏光子と液晶セルとの間に配置されるため、その光学特性が液晶表示装置の表示特性に影響を与える場合がある。したがって、上記第1の保護層は、適切な位相差値を有するものを用いることが好ましい。
上記第1の保護層は、好ましくは、実質的に光学的に等方性を示す。ここで、「実質的に光学的に等方性を示す」とは、Ro[590]が10nm未満であり、且つ、厚み方向の位相差値の絶対値(|Rth[590]|)が10nm未満であるものを包含する。
上記第1の保護層のRo[590]は、好ましくは10nm未満であり、さらに好ましくは8nm以下であり、特に好ましくは5nm以下である。Ro[590]を上記の範囲とすることによって、斜め方向のカラーシフトが小さい液晶表示装置が得られる。
上記第1の保護層のRth[590]の絶対値(|Rth[590]|)は、好ましくは10nm未満であり、さらに好ましくは8nm以下であり、特に好ましくは5nm以下である。|Rth[590]|を上記の範囲とすることによって、斜め方向のカラーシフトが小さい液晶表示装置が得られる。
ここで、Roとは面内リターデーションを示し、Rtとは厚み方向リターデーションを示す。
リターデーションRo、Rtは下記式により求められる。
式(i) Ro=(nx−ny)×d
式(ii) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、nxは保護層面内の遅相軸方向の屈折率、nyは保護層面内の進相軸方向の屈折率、nzは保護層の厚み方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)
保護層の屈折率は、アッベ屈折率計(4T)を用いて、保護層の厚さは市販のマイクロメーターを用いて、リターデーション値は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)等を用いて、各々測定することが出来る。
上記第1の保護層を形成する材料としては、任意の適切なものが採用され得る。好ましくは、上記第1の保護層は、セルロース系樹脂を含有する高分子フィルムである。セルロース系樹脂は、上記偏光子との接着性に優れるため、高温、多湿の環境下でも、偏光子と保護層との間に浮きや剥がれが生じない偏光板を得ることができる。
上記セルロース系樹脂は、任意の適切なものが採用され得る。上記セルロース系樹脂は、好ましくは、セルロースの水酸基の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基および/またはブチル基で置換されたセルロース有機酸エステルまたはセルロース混合有機酸エステルである。上記セルロース有機酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等が挙げられる。上記セルロース混合有機酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。上記セルロース系樹脂は、例えば、特開2001−188128号公報[0040]〜[0041]に記載の方法により得ることができる。
上記セルロース系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した値が、好ましくは20000〜1000000、さらに好ましくは25000〜800000である。なお、上記重量平均分子量は、実施例に記載の方法で測定した値である。重量平均分子量が上記の範囲であれば、機械的強度に優れ、溶解性、成形性、流延の操作性が良いものができる。
上記セルロース系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110℃〜185℃である。Tgが110℃以上あれば、熱安定性の良好なフィルムが得られやすくなり、185℃以下であれば、成形加工性に優れる。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じたDSC法により求めることができる。
記セルロース系樹脂を含有する高分子フィルムを得る方法としては、任意の適切な成形加工法が採用され得る。成形加工法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、およびソルベントキャスティング法等が挙げられる。好ましくは、上記成形加工法は、ソルベントキャスティング法である。平滑性、光学均一性に優れた高分子フィルムを得ることができるからである。
上記ソルベントキャスティング法は、具体的には、主成分となる樹脂、添加剤等を含む樹脂組成物を溶剤に溶解した濃厚溶液(ドープ)を脱泡した後、エンドレスステンレスベルトまたは回転ドラムの表面に、シート状に均一に流延し、溶剤を蒸発させてフィルムを成形する方法である。フィルム形成時に採用される条件は、目的に応じて、任意の適切な条件が選択され得る。
上記セルロース系樹脂を含有する高分子フィルムは、任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤等が挙げられる。上記添加剤の含有量(質量比)は、目的に応じて、任意の適切な値が設定され得る。好ましくは、上記添加剤の含有量(質量比)は、上記セルロース系樹脂100質量部に対し、0を超え20以下である。
上記第1の保護層は、市販のフィルムをそのまま用いることができる。あるいは、市販のフィルムに延伸処理および/または収縮処理などの2次的加工を施したものを用いることができる。市販のセルロース系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、例えば、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC4UE、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA(以上、コニカミノルタオプト(株)製)、富士写真フィルム(株)製 フジタックシリーズ(商品名;ZRF80S,TD80UF,TDY−80UL)等が挙げられる。
〔第2の保護層〕
第2の保護層は、第1の偏光子の液晶セル側とは反対側に配置される。上記第2の保護層としては、任意の適切なものが採用され得る。好ましくは、前項に記載した範囲の、厚み、透過率、および光弾性係数の絶対値を有するものが用いられる。
上記第2の保護層を形成する材料としては、任意の適切なものが採用され得る。好ましくは、上記第2の保護層は、セルロース系樹脂を含有する高分子フィルムである。上記セルロース系樹脂を含有する高分子フィルムは、好ましくは、前項に記載したものと同様のものが用いられる。
上記第2の保護層は、上記透過率の関係を満足する限り、その表面に任意の適切な表面処理が施されてもよい。例えば、上記保護層として、表面処理が施された市販の高分子フィルムをそのまま用いることができる。あるいは、市販の高分子フィルムに任意の表面処理を施して用いることもできる。表面処理としては、拡散処理(アンチグレア処理)、反射防止処理(アンチリフレクション処理)、ハードコート処理、帯電防止処理等が挙げられる。市販の拡散処理(アンチグレア処理)品としては、例えば、日東電工(株)製 AG150、AGS1、AGS2、AGT1等が挙げられる。市販の反射防止処理(アンチリフレクション処理)品としては、日東電工(株)製 ARS、ARC等が挙げられる。ハードコート処理および帯電防止処理が施された市販のフィルムとしては、例えば、コニカミノルタオプト(株)製 商品名「KC8UX−HA」が挙げられる。
〔表面処理層〕
必要に応じて、上記第2の保護層の第1の偏光子を備える側とは反対側に、表面処理層を設けてもよい。上記表面処理層は、目的に応じて、任意の適切なものを採用し得る。例えば、拡散処理(アンチグレア処理)層、反射防止処理(アンチリフレクション処理)層、ハードコート処理層、帯電防止処理層等が挙げられる。これらの表面処理層は、画面の汚れや傷つきを防止したり、室内の蛍光灯や太陽光線が画面に写り込むことによって、表示画像が見え難くなることを防止したりする目的で使用される。表面処理層は、一般的には、ベースフィルムの表面に上記の処理層を形成する処理剤を固着させたものが用いられる。上記ベースフィルムは、上記第2の保護層を兼ねていてもよい。さらに、表面処理層は、例えば、帯電防止処理層の上にハードコート処理層を積層したような多層構造を有してもよい。反射防止処理が施された市販の表面処理層としては、例えば、日本油脂(株)製 RoaLookシリーズが挙げられる。
〔第3の保護層〕
第3の保護層は、第2の偏光子の液晶セル側に配置される。上記第3の保護層としては、上述した第1の保護層に記載した材料、特性、条件等から任意の適切なものが採用され得る。上記第1の保護層と上記第3の保護層とは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは、上記第3の保護層は、実質的に光学的に等方性を示す。
〔第4の保護層〕
第4の保護層は、第2の偏光子の液晶セル側とは反対側に配置される。上記第4の保護層としては、上述した第2の保護層に記載した材料、特性、条件等から任意の適切なものが採用され得る。上記第2の保護層と上記第4の保護層とは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<接着層>
好ましい実施形態においては、上記偏光板(第1の偏光板及び第2の偏光板)は、接着層を介して、液晶パネルに貼着される。上記接着層を形成する材料としては、被着体の種類や用途に応じて、適切な接着剤及び/又はアンカーコート剤が選択され得る。接着剤の具体例としては、形状による分類によれば、溶剤形接着剤、エマルジョン形接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合形接着剤、無溶剤形接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト形接着剤などが挙げられる。化学構造による分類によれば、合成樹脂接着剤、ゴム系接着剤、および天然物接着剤が挙げられる。なお、上記接着剤は、加圧接触で感知しうる接着力を常温で示す粘弾性物質(粘着剤ともいう)を包含する。
好ましくは、上記接着層を形成する材料は、アクリル系重合体をベースポリマーとする感圧性接着剤(アクリル系粘着剤ともいう)である。透明性、接着性、耐候性、及び耐熱性に優れるからである。上記アクリル系粘着剤層の厚みは、被着体の材質や用途に応じて、適宜、調整され得るが、通常、5μm〜50μmである。
<無機化合物含有層>
本発明の液晶表示装置は、バックライトユニットと該バックライトユニットに近い位置にある方の偏光板との間に、無機化合物含有層を少なくとも1層有することを特徴とする。バックライトユニットと該バックライトユニットに近い位置にある方の偏光板との間とは、拡散板から第2の偏光板の間を意味する。無機化合物含有層を設けることができる位置をより詳細に述べると、拡散板の上、拡散板に対し視認側に配置される拡散シートの両面、プリズムシートの両面、反射型偏光フィルムの両面、輝度向上フィルムの両面、第2の偏光板を構成するバックライト側の偏光板保護層の偏光子とは反対側の面、のいずれかの位置あるいはこれらから選ばれる複数の位置である。
また、無機化合物含有層の構成物質としては、例えば珪素の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体または複合物や、アルミニウム、クロム、イットリウム、ジルコニア、タンタル、チタン、バリウム、インジウム、錫、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、セリウム、銅などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体または複合物を用いることができる。好ましくは、酸化珪素、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、窒化アルミニウムまたはそれらの複合物である。
また、無機化合物含有層は異なる構成物質または組成比の積層構造であっても構わない。
また、上記無機化合物含有層の比重を、該層に含有される無機化合物の比重で割った値は0.6以上であることが特徴である。無機化合物含有層の比重は、以下のように求められる。まず予め基材となるフィルムの質量を測定しておき、その基材フィルムの上に例えば後述の如く無機化合物含有層を形成させた後、質量を計測することで無機化合物含有層のみの質量を算出する。無機化合物含有層が形成されたフィルムの垂直断面を走査型電子顕微鏡で観察することにより、平均的な無機化合物含有層の厚みを測定する。フィルムの面積と無機化合物含有層の厚みより、層の体積を求め、先に算出した質量を体積で割ることにより無機化合物含有層の比重が求まる。また、無機化合物自体の比重は、種々の文献等に記載されている値を用いることとし、これによって、無機化合物含有層と無機化合物の比重比を求めることができる。ここで、複数の無機化合物を用いる場合は、個々の比重に理論組成比を掛け合わせたものを荷重平均比重として採用するものとする。色味安定性を高める上では、無機化合物以外の組成物や空隙の存在はできるだけ小さい方が熱伝導性を高めることができる為、無機化合物含有層の比重を該層を構成する無機化合物の比重で割った値は、0.6以上であり、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上である。
また、上記無機化合物含有層の厚さは、用いられる材料の種類、構成により最適条件が異なり、適宜選択されるが、1〜1000nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましいのは5〜500nmの範囲内であり、最も好ましくは30〜300nmである。
無機化合物層は本発明の使用に鑑みて透明な層であることが好ましく、その透過率は用いる無機化合物の種類、量を適宜調整して85%以上、より好ましくは90%以上にすることが好ましい。
<支持体>
無機化合物層の支持体は特に限定されるものではないが、無機化合物層を保持することができる樹脂フィルムであることが好ましい。更に、前記拡散シート、プリズムシート、反射型偏光フィルム、輝度向上フィルム、第2の偏光板を構成するバックライト側の偏光板保護層、等がそのまま支持体となることも好ましい。特に、輝度向上フィルム、及び第2の偏光板を構成するバックライト側の偏光板保護層であることが好ましい。
使用できる樹脂としては、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系(PA)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリビニルブチラート(PVB)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)、パーフルオロエチレンーパーフルオロプロピレンーパーフルオロビニルエーテル−共重合体(EPA)等のフッ素系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリカーボネートを用いることができる。
さらには、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セルロースエステルであることが好ましい。
これらの樹脂から得られるフィルムは、非晶質ポリオレフィン樹脂フィルムとしてゼオネックス、ゼオノア(日本ゼオン(株)製)、ARTON(ジェイエスアール(株)製)、ポリカーボネートフィルムとしてピュアエース(帝人(株)製)、セルロースエステルフィルムとしてコニカミノルタタックKC4UX、KC8UX、KC4UY、KC8UY(コニカミノルタオプト(株)製)などが市販品として入手でき好ましく使用することができる。
これらののフィルムは、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の支持体を製造することができる。
また、未延伸の支持体を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、支持体の流れ(縦軸)方向、または支持体の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸支持体を製造することができる。
この場合の延伸倍率は、支持体の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
支持体であるフィルムは、ロール状に巻き上げられた長尺品が便利である。フィルムの膜厚は、適宜選択され、例えば10〜200μmが好ましく、より好ましくは40〜100μmである。
<無機化合物含有層の製造方法>
本発明の無機化合物含有層を形成する方法としては、無機化合物含有層の比重を該層を構成する無機化合物の比重で割った値を高める上で、プラズマCVD法が好ましく、なかでも異なる周波数の電界を二つ以上印加する、いわゆる2周波プラズマCVD法が特に好ましい。
はじめに、本発明の無機化合物含有層を製造する方法において、プラズマCVD法による製造方法で用いられる原料化合物について説明する。
<原料化合物>
本発明の無機化合物含有層は、プラズマCVD法において、原料(原材料ともいう)である有機金属化合物、分解ガス、分解温度、投入電力などの条件を選ぶことで、酸化珪素、また酸化珪素を主体とした金属酸化物、また、金属炭化物、金属窒化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物等との混合物(金属酸窒化物、金属酸化ハロゲン化物など)等の組成を作り分けることができる。
例えば、珪素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば、珪素酸化物が生成する。また、シラザン等を原料化合物として用いれば、酸化窒化珪素が生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
このような無機化合物含有層の形成原料としては、珪素化合物であれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。
気体の場合にはそのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。又、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒およびこれらの混合溶媒が使用できる。
尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響は殆ど無視することができる。
このような珪素化合物としては、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等が挙げられる。
また、これら珪素を含む原料ガスを分解して無機化合物含有層を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガスなどが挙げられる。
珪素を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで、酸化珪素、また、窒化物、炭化物等を含有する無機化合物含有層を得ることができる。
プラズマCVD法においては、これらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合し、プラズマ放電発生装置にガスを送りこむ。
このような放電ガスとしては、窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも特に、窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
上記放電ガスと反応性ガスを混合し、無機化合物含有層形成(混合)ガスとして大気圧プラズマ放電発生装置(プラズマ発生装置)に供給することで無機化合物含有層形成を行う。
放電ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする無機化合物含有層の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、放電ガスの割合を50%以上として反応性ガスを供給する。
<プラズマCVD装置および無機化合物含有層形成条件>
次いで、プラズマCVD法に使用されるプラズマCVD装置(大気圧プラズマ放電処理装置ともいう)および無機化合物含有層形成条件について、以下説明する。
プラズマCVD法は、例えば、特開平10−154598号公報や特開2003−49272号公報、国際公開第02/048428号パンフレットなどに記載されているが、特に、特開2004−68143号公報に記載されている無機化合物含有層形成方法が、緻密でガスバリア性が高い無機化合物含有層を形成するには好ましい。
また、ロール状の元巻きからウエブ状の支持体を繰り出して、組成の異なる無機化合物含有層を連続的に形成することができる。
本発明のプラズマCVD法は、大気圧もしくはその近傍の圧力下で行われるプラズマCVD法であり、大気圧もしくはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
本発明における放電条件は、放電空間に異なる周波数の電界を2つ以上印加するものが好ましく、第1の高周波電界と第2の高周波電界とを重畳し、電界を印加する。
前記第1の高周波電界の周波数ω1より前記第2の高周波電界の周波数ω2が高く、且つ、前記第1の高周波電界の強さV1と、前記第2の高周波電界の強さV2と、放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2または V1>IV≧V2を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm以上である。高周波とは、少なくとも0.5kHzの周波数を有するものを言う。
重畳する高周波電界が、ともにサイン波である場合、第1の高周波電界の周波数ω1と該周波数ω1より高い第2の高周波電界の周波数ω2とを重ね合わせた成分となり、その波形は周波数ω1のサイン波上に、それより高い周波数ω2のサイン波が重なった鋸歯状の波形となる。
本発明において、放電開始電界の強さとは、実際の無機化合物含有層形成方法に使用される放電空間(電極の構成など)および反応条件(ガス条件など)において放電を起こすことのできる最低電界強度のことを指す。
放電開始電界強度は、放電空間に供給されるガス種や電極の誘電体種または電極間距離などによって多少変動するが、同じ放電空間においては、放電ガスの放電開始電界強度に支配される。
上記で述べたような高周波電界を放電空間に印加することによって、無機化合物含有層形成可能な放電を起こし、高品位な無機化合物含有層形成に必要な高密度プラズマを発生することができると推定される。
ここで重要なのは、このような高周波電界が対向する電極間に印加され、すなわち、同じ放電空間に印加されることである。
上記でサイン波等の連続波の重畳について説明したが、両方パルス波であっても、一方が連続波でもう一方がパルス波であってもかまわない。また、さらに周波数の異なる第3の電界を有していてもよい。
上記本発明の高周波電界を、同一放電空間に印加する具体的な方法としては、例えば、対向電極を構成する第1電極に周波数ω1であって電界強度V1である第1の高周波電界を印加する第1電源を接続し、第2電極に周波数ω2であって電界強度V2である第2の高周波電界を印加する第2電源を接続した大気圧プラズマ放電処理装置を用いる。
上記の大気圧プラズマ放電処理装置には、対向電極間に、放電ガスと無機化合物層形成ガスとを供給するガス供給手段を備える。さらに、電極の温度を制御する電極温度制御手段を有することが好ましい。
また、第1電極、第1電源またはそれらの間の何れかには第1フィルタを、また第2電極、第2電源またはそれらの間の何れかには第2フィルタを接続することが好ましく、第1フィルタは第1電源から第1電極への第1の高周波電界の電流を通過しやすくし、第2の高周波電界の電流をアースして、第2電源から第1電源への第2の高周波電界の電流を通過しにくくする。
また、第2フィルタはその逆で、第2電源から第2電極への第2の高周波電界の電流を通過しやすくし、第1の高周波電界の電流をアースして、第1電源から第2電源への第1の高周波電界の電流を通過しにくくする機能が備わっているものを使用する。
ここで、通過しにくいとは、好ましくは、電流の20%以下、より好ましくは10%以下しか通さないことをいう。逆に通過しやすいとは、好ましくは電流の80%以上、より好ましくは90%以上を通すことをいう。
例えば、第1フィルタとしては、第2電源の周波数に応じて数10pF〜数万pFのコンデンサ、もしくは数μH程度のコイルを用いることができる。第2フィルタとしては、第1電源の周波数に応じて10μH以上のコイルを用い、これらのコイルまたはコンデンサを介してアース接地することでフィルタとして使用できる。
さらに、本発明の大気圧プラズマ放電処理装置の第1電源は、第2電源より高い電界強度を印加できる能力を有していることが好ましい。
ここで、本発明でいう印加電界強度と放電開始電界強度は、下記の方法で測定されたものをいう。
印加電界強度V1およびV2(単位:kV/mm)の測定方法:
各電極部に高周波電圧プローブ(P6015A)を設置し、該高周波電圧プローブの出力信号をオシロスコープ(Tektronix社製、TDS3012B)に接続し、所定の時点の電界強度を測定する。
放電開始電界強度IV(単位:kV/mm)の測定方法:
電極間に放電ガスを供給し、この電極間の電界強度を増大させていき、放電が始まる電界強度を放電開始電界強度IVと定義する。測定器は上記印加電界強度測定と同じである。
本発明で規定する放電条件をとることにより、例え窒素ガスのように放電開始電界強度が高い放電ガスでも、放電を開始し、高密度で安定なプラズマ状態を維持でき、高性能な無機化合物含有層形成を行うことができる。
上記の測定により放電ガスを窒素ガスとした場合、その放電開始電界強度IV(1/2Vp−p)は3.7kV/mm程度であり、従って、上記の関係において、第1の印加電界強度を、V1≧3.7kV/mmとして印加することによって窒素ガスを励起し、プラズマ状態にすることができる。
ここで、第1電源の周波数としては、200kHz以下が好ましく用いることができる。またこの電界波形としては、連続波でもパルス波でもよい。下限は1kHz程度が望ましい。
一方、第2電源の周波数としては、800kHz以上が好ましく用いられる。この第2電源の周波数が高い程、プラズマ密度が高くなり、緻密で良質な無機化合物含有層が得られる。上限は200MHz程度が望ましい。
本発明に用いられる大気圧プラズマ放電処理装置は、上述のように、対向電極の間で放電させ、前記対向電極間に導入したガスをプラズマ状態とし、前記対向電極間に静置あるいは電極間を移送される支持体を該プラズマ状態のガスに晒すことによって、該支持体の上に無機化合物含有層を形成させるものである。
また他の方式として、大気圧プラズマ放電処理装置は、上記同様の対向電極間で放電させ、該対向電極間に導入したガスを励起しまたはプラズマ状態とし、該対向電極外にジェット状に励起またはプラズマ状態のガスを吹き出し、該対向電極の近傍にある支持体(静置していても移送されていてもよい)を晒すことによって該支持体の上に無機化合物含有層を形成させるジェット方式の装置がある。
図4は、本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置は、プラズマ放電処理装置、二つの電源を有する電界印加手段の他に、図4では図示してない(後述の図5に図示してある)が、ガス供給手段、電極温度調節手段を有している装置である。
プラズマ放電処理装置10は、第1電極11と第2電極12から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極11からは第1電源21からの周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界が印加され、また第2電極12からは第2電源22からの周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界が印加されるようになっている。
第1電源21は第2電源22より高い高周波電界強度(V1>V2)を印加し、また第1電源21の第1の周波数ω1は第2電源22の第2の周波数ω2より低い周波数を印加する。
第1電極11と第1電源21との間には、第1フィルタ23が設置されており、第1電源21から第1電極11への電流を通過しやすくし、第2電源22からの電流をアースして、第2電源22から第1電源21への電流が通過しにくくなるように設計されている。
また、第2電極12と第2電源22との間には、第2フィルター24が設置されており、第2電源22から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源21からの電流をアースして、第1電源21から第2電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
第1電極11と第2電極12との対向電極間(放電空間)13に、図4に図示してあるようなガス供給手段から前述した無機化合物含有層形成ガスGを導入し、第1電源21と第2電源22により第1電極11と第2電極12間に、前述した高周波電界を印加して放電を発生させ、前述した無機化合物含有層形成ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と支持体Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない支持体の元巻き(アンワインダー)から巻きほぐされて搬送して来るか、あるいは前工程から搬送して来る支持体Fの上に、処理位置14付近で無機化合物含有層を形成させる。
無機化合物含有層形成中、図4に図示してあるような電極温度調節手段から媒体が配管を通って電極を加熱または冷却する。
プラズマ放電処理の際の支持体の温度によっては、得られる無機化合物含有層の物性や組成等は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。
プラズマ放電処理の際、支持体の幅手方向あるいは長手方向での温度ムラができるだけ生じないように電極の内部の温度を均等に調節することが望まれる。
また、図4に前述の印加電界強度と放電開始電界強度の測定に使用する測定器と測定位置を示した。25および26は高周波電圧プローブであり、27および28はオシロスコープである。
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置を、支持体Fの搬送方向と平行に複数台並べ、同時に同じプラズマ状態のガスを放電させることにより、同一位置に複数層の無機化合物含有層を形成可能となり、短時間で所望の膜厚を形成可能となる。
また支持体Fの搬送方向と平行に複数台並べ、各装置に異なる無機化合物含有層形成ガスを供給して異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった層の積層無機化合物含有層を形成することもできる。
図5は本発明に有用な対向電極間で支持体を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、二つの電源を有する電界印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)(以下角筒型固定電極群を固定電極群と記す)36との対向電極間32(以下対向電極間を放電空間32とも記す)で、支持体Fをプラズマ放電処理して無機化合物含有層を形成するものである。
ロール回転電極35と角筒型固定電極群36との間に形成された放電空間32に、ロール回転電極35には第1電源41から周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界を、また角筒型固定電極群36には第2電源42から周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界をかけるようになっている。
ロール回転電極35と第1電源41との間には、第1フィルタ43が設置されており、第1フィルタ43は第1電源41から第1電極への電流を通過しやすくし、第2電源42からの電流をアースして、第2電源42から第1電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
また、角筒型固定電極群36と第2電源42との間には、第2フィルタ44が設置されており、第2フィルター44は、第2電源42から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源41からの電流をアースして、第1電源41から第2電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
なお、本発明においては、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい。いずれの場合でも第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より高い高周波電界強度(V1>V2)を印加することが好ましい。また、周波数はω1<ω2となる能力を有している。
また、電流はI1<I2となることが好ましい。第1の高周波電界の電流I1は、好ましくは0.3mA/cm〜20mA/cm、さらに好ましくは1.0mA/cm〜20mA/cmである。
また、第2の高周波電界の電流I2は、好ましくは10mA/cm〜100mA/cm、さらに好ましくは20mA/cm〜100mA/cmである。
ガス供給手段50のガス発生装置51で発生させた無機化合物含有層形成ガスGは、不図示のガス流量調整手段により流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。
支持体Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から矢印方向に搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で支持体に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送する。
移送中にロール回転電極35と角筒型固定電極群36との両方から電界をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。支持体Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより無機化合物層を形成する。
なお、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されており、該電極の放電面積はロール回転電極35に対向している全ての角筒型固定電極のロール回転電極35と対向する面の面積の和で表される。
支持体Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送する。放電処理済みの処理排ガスG′は排気口53より排出する。
無機化合物含有層形成中、ロール回転電極35および角筒型固定電極群36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。なお、68および69はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
対向する第1電極および第2の電極の電極間距離は、電極の一方に誘電体を設けた場合、該誘電体表面ともう一方の電極の導電性の金属質母材表面との最短距離のことを言う。
双方の電極に誘電体を設けた場合、誘電体表面同士の距離の最短距離のことを言う。電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電界強度の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2mmである。
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(登録商標)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。
例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。
図4において、平行した両電極の両側面(支持体面近くまで)を上記のような材質の物で覆うことが好ましい。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることができ、何れも使用することができる。
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることができ、何れも好ましく使用できる。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明においては、このような電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことができる電極を大気圧プラズマ放電処理装置に採用することが好ましい。
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極(第2の高周波電界)に1W/cm以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを無機化合物含有層形成ガスに与え、無機化合物含有層を形成する。
第2電極に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm、より好ましくは20W/cmである。下限値は、好ましくは1.2W/cmである。なお、放電面積(cm)は、電極間において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、第1電極(第1の高周波電界)にも、1W/cm以上の電力(出力密度)を供給することにより、第2の高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることができる。
これにより、更なる均一高密度プラズマを生成でき、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立できる。好ましくは5W/cm以上である。第1電極に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cmである。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側(第2の高周波電界)は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
このような大気圧プラズマによる無機化合物含有層形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10−6/℃以下となる組み合わせのものである。
好ましくは8×10−6/℃以下、さらに好ましくは5×10−6/℃以下、さらに好ましくは2×10−6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
1:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
2:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング
3:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
4:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
5:金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
6:金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
7:金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
8:金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング等がある。
線熱膨張係数の差という観点では、上記1項または2項および5〜8項が好ましく、特に1項が好ましい。
本発明において、金属質母材は、上記の特性からはチタンまたはチタン合金が特に有用である。
本発明に有用な電極の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本発明において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用できるが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。
本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることができる。
工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることができ、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることができ、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。
また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることができ、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。
これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属質母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることができる。
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。
この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
または、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。
なお、誘電体の空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することができる。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材に被覆された誘電体の破片を用い、空隙率を測定する。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。
このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることができる。さらに空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
本発明において、無機化合物含有層形成方法に係る電極においては、電極の少なくとも支持体と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、さらに好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。
誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも支持体と接する側の誘電体において行われることが好ましい。さらにJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以下である。
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。
さらに好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。また上限は500℃である。なお、耐熱温度とは、大気圧プラズマ処理で用いられる電圧において絶縁破壊が発生せず、正常に放電できる状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。
このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、上記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
また、前記無機化合物を、バインダーと適当な溶媒に分散し基材に塗布することで無機化合物含有層を形成することも可能である。
無機化合物含有層のバインダーとして用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体または共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(好ましくはアセチル基置換度1.8〜2.3、プロピオニル基置換度0.1〜1.0)、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロース誘導体、マレイン酸及び/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
無機化合物含有層の塗布に用いられる溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、または炭化水素類(トルエン、キシレン)等があげられ、適宜組み合わされて用いられる。
これらの塗布組成物をグラビアコーター、ディップコーター、コンマコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、またはスプレー塗布、インクジェット塗布等を用いて基材の表面に塗布することが好ましい。
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明は以下に限定されるものではない。
実施例1
<液晶表示素子D−1の作製>
JC1041(混合液晶、チッソ社製)を48.2mol%、5CB(4−cyano−4’−pentyl biphenyl、ネマチック液晶、メルク社製)を47.4mol%、ZLI−4572(カイラルドーパント、メルク社製)を4.4mol%混合した物質aを準備する。
続いて、
物質a 95.8質量%
UCL001(DIC社製) 3.0質量%
RM257(メルク社製のジアクリレートモノマー) 1.0質量%
DMPAP(アルドリッチ社製、2,2−ジメトキシ−2−ペンチルアセトフェノン) 0.2質量%
上記割合で混合し、透明な2枚のガラス間に注入した。但し2枚のガラスのうち、1枚には各画素ごとに第1および第2の電極を事前に設けて置いた。このガラス基板に挟まれた液晶媒質を58℃に保持し、その状態で紫外線照射を施し、ブルー相を光重合高分子で安定化させ、液晶表示素子D−1を得た。D−1の反射スペクトル測定を行った結果、R400/R550=12.5であった。
<液晶表示素子D−2の作製>
JC1041(混合液晶、チッソ社製)を47.8mol%、5CB(4−cyano−4’−pentyl biphenyl、ネマチック液晶、メルク社製)を47.0mol%、ZLI−4572(カイラルドーパント、メルク社製)を5.2mol%混合した物質bを準備する。
続いて、
物質b 95.8質量%
UCL001(DIC社製) 3.0質量%
RM257(メルク社製のジアクリレートモノマー) 1.0質量%
DMPAP(アルドリッチ社製、2,2−ジメトキシ−2−ペンチルアセトフェノン) 0.2質量%
上記割合で混合し、透明な2枚のガラス間に注入し、以下、D−1と同様にして液晶表示素子D−2を得た。D−2の反射スペクトルを測定したところ、R400/R550=3.5であった。
<偏光板PL−1の作製>
厚み75μmのポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム(クラレ(株)製 商品名「VF−PS#7500」)を下記(1)〜(5)条件の5浴に、フィルム長手方向に張力を付与しながら浸漬し、最終的な延伸倍率がフィルム元長に対して、6.2倍となるように延伸した。この延伸フィルムを40℃の空気循環式乾燥オーブン内で1分間乾燥させて、偏光子Aを作製した。この偏光子Aの両側に、厚み80μmのセルロース系樹脂を含有する高分子フィルムであるTACフィルムT1(コニカミノルタタック KC8UY コニカミノルタオプト(株)製)を、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水溶性接着剤(日本合成化学工業(株)製 商品名「ゴーセファイマーZ200」)を介して、貼着し、偏光板PL−1を作製した。
〈条件〉
(1)膨潤浴:30℃の純水。
(2)染色浴:水100質量部に対し、0.032質量部のヨウ素と、水100質量部に対し、0.2質量部のヨウ化カリウムとを含む、30℃の水溶液。
(3)第1の架橋浴:3質量%のヨウ化カリウムと、3質量%のホウ酸とを含む、40℃の水溶液。
(4)第2の架橋浴:5質量%のヨウ化カリウムと、4質量%のホウ酸とを含む、60℃の水溶液。
(5)水洗浴:3質量%のヨウ化カリウムを含む、25℃の水溶液。
<偏光板PL−2の作製>
厚み80μmのKC8UY コニカミノルタオプト(株)製の片面に、図5に記載の装置を用いて、下記組成の無機化合物含有層を設けTACフィルムT2を作製した。無機化合物含有層の膜厚は100nmとした。
〈無機化合物層混合ガス組成物1〉
放電ガス:窒素ガス 94.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈成膜条件〉
第1電極側 電源種類 ハイデン研究所 100kHz(連続モード) PHF−6k
周波数 100kHz
出力密度 10W/cm
電極温度 120℃
第2電極側 電源種類 パール工業製 13.56MHz CF−5000−13M
周波数 13.56MHz
出力密度 10W/cm
電極温度 90℃
上記無機化合物含有層の比重を該層に含有される無機化合物の比重で割った値は0.87であった。このTACフィルムT2の無機化合物含有層を設けていない表面と、前記TACフィルムT1 KC8UYの一方の面とで偏光子を挟み、偏光板PL−1と同様にして偏光板PL−2を作製した。
<偏光板PL−3の作製>
シクロアルキル基を有するポリエステルポリオールを基材ポリマーとするバインダー樹脂配合物100部、平均粒径が20nmのコロイダルシリカ(扶桑化学工業(株)の「PL−1」)60部及び硬化剤(日本ポリウレタン(株)の「コロネートHX」)10部を含むポリマー組成物である塗工液を作製し、この塗工液をロールコート法により厚み80μmのKC8UY上に15g/m(固形分換算)塗工し、硬化させ無機化合物層を形成しTACフィルムT3を得た。
無機化合物含有層の比重を該層に含有される無機化合物の比重で割った値は、0.6であった。
得られたTACフィルムT3の無機化合物含有層を設けていない表面と、前記TACフィルムT1 KC8UYの一方の面とで偏光子を挟み、偏光板PL−2と同様にして偏光板PL−3を作製した。
<偏光板PL−4の作製>
シクロアルキル基を有するポリエステルポリオールを基材ポリマーとするバインダー樹脂配合物100部、平均粒径が20nmのコロイダルシリカ(扶桑化学工業(株)の「PL−1」)50部及び硬化剤(日本ポリウレタン(株)の「コロネートHX」)8部を含むポリマー組成物である塗工液を作製し、この塗工液をロールコート法により厚み80μmのKC8UY上に15g/m(固形分換算)塗工し、硬化させ無機化合物層を形成しTACフィルムT4を得た。
無機化合物含有層の比重を該層に含有される無機化合物の比重で割った値は、0.5であった。
得られたTACフィルムT4の無機化合物含有層を設けていない表面と、前記TACフィルムT1 KC8UYの一方の面とで偏光子を挟み、偏光板PL−2と同様にして偏光板PL−4を作製した。
<偏光板PL−5の作製>
厚み80μmのKC8UY コニカミノルタオプト(株)製の片面に、図5に記載の装置を用いて、下記組成の無機化合物含有層(酸化チタン薄膜)を設けTACフィルムT5を作製した。無機化合物含有層の膜厚は100nmとした。
〔電源条件〕
電源1:パール工業製高周波電源、高周波側13.56MHz 5W/cm
電源2:SEREN社製高周波電源、低周波側100KHz 5w/cm
〔電極条件〕
第2電極の角形電極は、30mm角状の中空のチタンパイプに対し、誘電体としてアルミナを溶射加工して製作した。
誘電体厚み:1mm
電極巾:300mm
印加電極温度:90℃
第2電極間スリットギャップ:1.0mm
電極間ギャップ:1.0mm
〔ガス条件〕
(原料ガス)
TiO膜形成用の原材料として、テトライゾプロポキシチタン(TIPT)をバブリングにより気化させた(Nガス:3slm、60℃)。
(放電ガス) N:60slm
(補助ガス) H:0.3slm
無機化合物含有層の比重を該層に含有される無機化合物の比重で割った値は、0.85であった。
得られたTACフィルムT5の無機化合物含有層を設けていない表面と、前記TACフィルムT1 KC8UYの一方の面とで偏光子を挟み、偏光板PL−2と同様にして偏光板PL−5を作製した。
<無機化合物含有層を設けた輝度向上フィルムの作製>
住友スリーエム社製ビキュイティDBEF−D400のいずれか一方の面に、偏光板PL−2に使用したTACフィルムT2と同様の方法で二酸化珪素を構成成分とする無機化合物含有層を形成し、輝度向上フィルムE1を得た。無機化合物含有層の膜厚は100nmとした。無機化合物含有層の比重を、該層に含有される無機化合物の比重で割った値は0.87であった。
<液晶表示装置LCD−1〜LCD−12の作製>
第1の偏光板、液晶表示素子、第2の偏光板、輝度向上フィルム、バックライトユニットを表1に記載の組み合わせで組み立てることにより、32インチ型の液晶表示装置LCD−1〜LCD−12を作製した。
尚バックライトユニットは、図2aで示されるCCFLタイプ、図2bで示される白色LEDタイプの2種類を用いた。該白色LEDは、複数のLED光源からなり、LED光源別に部分駆動される。
Figure 2010026200
これらの液晶表示装置に対し、以下の2種類の色味安定性を、無作為に抽出した10人の被験者の目視により評価した。
〈評価1.経時での色味安定性評価〉
上記LCD−1〜LCD−12と全く同じ液晶表示装置を全く同じ方法でLCD−1’〜LCD−12’を作製し、一方(LCD−1〜LCD−12)は画面全体に白表示をさせたまま48時間経過させ、他方(LCD−1’〜LCD−12’)はLCD−1〜LCD−12が電界印加開始から48時間経過した時点で初めて電界を印加させ画面全体に白表示をさせた。この時点での色味を比較させることで安定性を評価した。
◎:10人全員が、色味の違いはないと判断
○:10人中7人以上9人以下が、色味の違いはないと判断
△:10人中3人以上6人以下が、色味の違いはないと判断
×:10人中2人以下が色味の違いはないと判断
〈評価2.画面局所間での色ムラ評価〉
上記LCD−1〜LCD−12の電界印加時(画面全体に白表示)の色ムラを下記基準で評価した。
◎:10人全員が、色ムラはないと判断
○:10人中7人以上9人以下が、色ムラはないと判断
△:10人中3人以上6人以下が、色ムラはないと判断
×:10人中2人以下が色ムラはないと判断
結果を表2にまとめた。
表2の結果より、本発明の液晶表示装置は、経時での色味安定性に優れ、画面の局所的な色ムラも殆ど認められないことが判る。また、液晶表示素子自体の色味を改善したもの(液晶表示素子D−2)、バックライトユニットに白色LEDを光源として用いたものは、本発明の効果が顕著なことが判る。
Figure 2010026200
本発明に係る液晶表示装置の構成例を示す。 本発明に係るバックライトユニットの模式図を示す。 本発明に用いられる偏光子の代表的な製造工程の概念を示す模式図である。 本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。 本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
10 プラズマ放電処理装置
11 第1電極
12 第2電極
21 第1電源
22 第2電源
30 プラズマ放電処理装置
32 放電空間
35 ロール回転電極
35a ロール電極
35A 金属質母材
35B 誘電体
36 角筒型固定電極群
40 電界印加手段
41 第1電源
42 第2電源
50 ガス供給手段
51 ガス発生装置
52 給気口
53 排気口
60 電極温度調節手段
G 無機化合物含有層形成ガス
G° プラズマ状態のガス
G′ 処理排ガス
101 ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム
100 繰り出し部
110 膨潤浴
120 染色浴
111、112、121、122、131、132、141、142 ロール
130 第1の架橋浴
140 第2の架橋浴
150 水洗浴
151、152 ロール
160 乾燥手段
170 偏光子
180 巻き取り部

Claims (4)

  1. 少なくとも、バックライトユニットと、吸収軸が互いに直交するように配置された2枚の偏光板と、該2枚の偏光板の間に一対の透明基板で、電界を印加しないときに光学的等方性を示し、電界を印加するとその大きさに応じて光学的異方性を発現する液晶媒質を挟み封入した液晶表示素子とを有する液晶表示装置において、該バックライトユニットと該バックライトユニットに近い位置にある偏光板との間に、無機化合物含有層を少なくとも1層有し、該無機化合物含有層の比重を該無機化合物含有層に含有される無機化合物の比重で割った値が0.6以上であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶表示素子の400nmでの分光反射率R400と、550nmでの分光反射率R550との比R400/R550が5以下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記バックライトユニットが複数のLED光源からなり、該LED光源別に部分駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記無機化合物含有層がプラズマCVD法により形成された薄膜層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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