JP2009296854A - 車両用自動開閉装置のモータユニット - Google Patents

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Akimasa Hoshino
晃正 星野
Takeshi Maruyama
毅 丸山
Akihiro Kaihatsu
哲広 海発
Hiroki Kuroiwa
広樹 黒岩
Tomoyasu Sugiyama
友康 杉山
Wataru Suzuki
亘 鈴木
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Abstract

【課題】部品を増やすことなく、給電装置と制御基板との電気的接続をユニット内部で行うようにすることにある。
【解決手段】この電動モータ27はブラシ付き直流モータであり、アーマチュアに給電するためのブラシホルダ62が取り付けられる。ブラシホルダ62は、制御基板に接続される一対の給電端子69と当該給電端子69をモータヨーク29側から覆うカバー70とを備えている。一方、電動モータ27が固定されるモータケース部30には、基板収容部46の開口側と直交する方向に開口する本体収容部60aおよび端子収容部60bが一体に形成され、これらにブラシホルダ62が収容される。端子収容部60bに給電端子69が収容されると、給電端子69が制御基板に接続されるとともに、端子収容部60bの開口部がカバー70により閉塞される。
【選択図】図6

Description

本発明は、車体に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置のモータユニットに関する。
従来から、ワゴン車やワンボックス車の車両では、その車体側部に車両前後方向に開閉するスライドドアを設け、車両側方からの乗降や荷物の積み下ろしなどを容易に行い得るようにしている。このようなスライドドアは、通常、手動で開閉操作されるようになっているが、近年では、車両に自動開閉装置を搭載し、この自動開閉装置によりスライドドアを自動的に開閉するようにした車両も多く見受けられる。
このような自動開閉装置としては、車両前後方向からスライドドアに接続されたケーブルをガイドレールの両端に配置される反転プーリを介して車体に配置された駆動ユニットの駆動用ドラムに巻き掛け、この駆動用ドラムをモータユニットにより回転駆動して、スライドドアをケーブルで引きながら自動開閉操作させるようにしたケーブル式のものが知られている。駆動ユニットには、モータユニットの回転軸に形成されたウォームとウォームホイルとからなる減速機構が設けられ、ウォームホイルの回転が駆動用ドラムに伝達されるようになっている。
モータユニットの電動モータには、一般に、ブラシ付きモータが用いられている。ブラシ付きモータのモータ部は、ステータ側のモータヨークに設けられる永久磁石により生成された磁界中に、コイルが設けられたロータを配置し、このコイルへの給電によりロータを回転させるようになっており、ロータとともに回転するコイルに給電するための給電装置が設けられる。給電装置は、ロータに設けられた整流子に摺動接触するブラシと、当該ブラシに電気的に接続されている給電端子とを備えており、ブラシを介して給電端子からコイルに駆動電流が供給される。一方、電動モータの作動を制御するために、モータユニットには制御基板(制御装置)が設けられており、給電装置の給電端子はこの制御基板に接続され、制御基板から給電端子に供給される駆動電流の制御により、電動モータの作動が制御されるようになっている。
さらに、モータユニットは、モータ部が取り付けられるモータケース部と、制御基板が収容される基板収容部(制御装置収容部)とを有しており、特許文献1には、これらが一体に形成されたケースを有する車両用自動開閉装置が記載されている。
特開2007−23700号公報
モータ部が取り付けられるモータケース部には、永久磁石が固定されるモータヨーク側に開口する収容部が形成されており、給電装置は当該収容部に装着されて、モータケース部とモータヨークとの取付位置に配置される。一方、基板収容部の内部には制御基板が収容される基板収容室が形成されており、当該基板収容室はブラシ粉やグリース等が浸入しないように開口部がカバー等により閉塞されている。
ところで、電動モータの作動を制御するためには駆動用ドラムの回転数を検出する必要があり、制御基板の一部を駆動用ドラムとウォームホイルとの間に配置し、当該部分に回転センサを配置するようにした自動開閉装置が提案されている。この自動開閉装置においては、制御基板を基板収容室に収容させる際に、制御基板に設けられる電子部品と駆動用ドラムやウォームホイル等との干渉を避けるため、電動モータの回転軸に直交する方向から制御基板を基板収容室に挿入させている。つまり、収容部の開口側と同一方向に基板収容部を開口させ、当該開口部から制御基板を基板収容室に挿入しようとすると、制御基板に設けられた電子部品とドラムやウォームホイルとが干渉して制御基板の挿入が困難となるおそれがあり、さらには、モータヨークの組み付け前に基板を収容しておかなければならず、モータユニットから制御基板を取り外す際には、モータヨークを外す必要があってメンテナンス性が悪い。そのため、収容部の開口側と直交する方向に基板収容部を開口させ、当該開口部から制御基板を基板収容室に挿入することで、電子部品とドラムやウォームホイルとの干渉を避け、制御基板を基板収容室に容易に挿入可能となり、さらに、モータユニットから制御基板のみを着脱可能となる。
このように構成される車両用自動開閉装置のモータユニットにおいては、配線の煩雑化を改善するために、給電装置と制御基板との電気的接続はモータユニットの内部で行われるのが好ましい。しかしながら、上記のように収容部と基板収容部とが直交する方向に開口していると、モータユニットの内部に位置して電気的接続を行うには接続作業性が悪いという課題がある。
本発明の目的は、部品を増やすことなく、給電装置と制御基板との電気的接続をユニット内部で行うようにすることにある。
本発明の車両用自動開閉装置のモータユニットは、車体に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置のモータユニットであって、磁界を生成する界磁装置、磁界中に配置されて給電により回転するアーマチュア、および前記界磁装置を固定するとともに前記アーマチュアの一端側を回転自在に支持するモータヨークを備えるモータ部と、装置本体、当該装置本体の外周部から径方向外側に突出する一対の給電端子、および当該給電端子を前記モータ部側から覆う庇部を備え、前記アーマチュアに給電するための給電装置と、前記装置本体が収容される本体収容部と前記各給電端子が収容される端子収容部とを有し、前記モータ部が取り付けられて前記アーマチュアの他端側を回転自在に支持するモータケース部と、前記モータケース部に一体に形成され、前記モータ部側に開口する前記本体収容部に対して略直交方向に開口するとともに前記端子収容部に連通する制御装置収容室を備え、当該制御装置収容室に前記モータ部の作動を制御する制御装置を収容する制御装置収容部とを有し、前記給電端子が前記端子収容部に収容されると、前記端子収容部の前記モータ部側は前記庇部により閉塞されることを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置のモータユニットは、前記モータヨークは前記モータケース部に当接するフランジ部を有し、当該フランジ部により前記庇部の移動が抑止されることを特徴とする。
本発明によれば、直交する方向に開口した本体収容部と制御装置収容部とを有する車両用自動開閉装置のモータユニットにおいて、給電端子を収容する端子収容部を設けるとともに、当該端子収容部を閉塞する庇部を設けたので、電気的接続をユニット内部で容易に行うことができ、配線の煩雑化を改善することができる。また、端子収容部(制御装置収容室)は外部および本体収容部と遮断されるので、制御装置収容室の内部へのブラシ粉やグリース等の異物の浸入が防止され、制御装置に異物が付着してモータ部の制御に不具合を生じることを防止することができる。さらに、庇部を給電装置に一体に形成するようにしたので、モータヨークのフランジ部により端子収容部を閉塞する場合に比して、モータヨークのフランジ部を小型化することができ、モータユニットを軽量化および低コスト化することができる。
本発明によれば、モータヨークのフランジ部により庇部の移動が抑止されるので、庇部がずれて端子収容部(制御装置収容室)の内部へ異物が侵入することを確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はワンボックスタイプの車両を示す側面図であり、図2は図1に示すスライドドアの車体への取り付け構造を示す上面図である。
図1に示すワンボックスタイプの車両11の車体12の側部には、開閉体としてのスライドドア13が設けられている。このスライドドア13は車体12の側部に固定されたガイドレール14に案内されて図1中に実線で示す全閉位置と二点鎖線で示す全開位置との間で開閉自在となっており、乗員の乗降や荷物の積み下ろしなどを行う際には所望の開度にまで開けて使用される。
図2に示すように、スライドドア13にはローラアッシー15が設けられ、このローラアッシー15がガイドレール14に案内されることにより、スライドドア13は車両11の前後方向に移動自在となっている。また、ガイドレール14の車両前方側には車室内側に湾曲する曲部14aが設けられ、ローラアッシー15が曲部14aに案内されると、スライドドア13は車体12の側面と同一面に収まるように車体12の内側に引き込まれた状態で閉じられる。図示はしないが、ローラアッシー15は図示する部位(センター部)以外にスライドドア13の前端部の上下部分(アッパー部・ロア部)にも設けられ、これらに対応して車体12の開口部の上下部位にもアッパー部・ロア部に対応する図示しないガイドレールが設けられており、スライドドア13は車体12に計3カ所において支持されている。
この車両11には、スライドドア13を自動的に開閉するために、車両用自動開閉装置21(以下、開閉装置21とする。)が設けられている。この開閉装置21はガイドレール14の車両前後方向の略中央部に隣接して車体12の内部に配置される駆動ユニット22と、ガイドレール14の車両後方側の端部に設けられる反転プーリ23aを介して開側(車両後方側)からローラアッシー15(スライドドア13)に接続される索条体としての開側ケーブル24aと、ガイドレール14の車両前方側の端部に設けられる反転プーリ23bを介して閉側(車両前方側)からローラアッシー15(スライドドア13)に接続される索条体としての閉側ケーブル24bとを備えており、開側ケーブル24aを駆動ユニット22で引くことによりスライドドア13を自動開動作させ、閉側ケーブル24bを駆動ユニット22で引くことによりスライドドア13を自動閉動作させるようになっている。
図3は図2に示す駆動ユニットの詳細を示す正面図であり、図4は図3におけるA−A線に沿う断面図である。
図3、図4に示すように、駆動ユニット22には車体12に配置される樹脂製のケース25が設けられ、このケース25は略円筒形状の減速機構収容部26と当該減速機構収容部26に一体に設けられたモータケース部30とを備え、このモータケース部30の外側には駆動源となるモータ部としての電動モータ27が取り付けられる。電動モータ27にはブラシ付き直流モータが用いられ、その回転軸28が正逆両方向に回転可能となっており、電動モータ27はモータヨーク29においてボルト(締結部材)によりモータケース部30に固定される。図4に示すように、減速機構収容部26の内部には減速機構収容室26aが設けられ、電動モータ27の回転軸28はこの減速機構収容室26aに突出している。
ケース25には減速機構収容部26およびモータケース部30と一体に駆動用回転体の収容部としてのドラム収容部31が設けられている。ドラム収容部31は減速機構収容部26とは反対側に開口する略円筒形状に形成され、その内部はドラム収容室31aとなっており、図4に示すように、ドラム収容室31aと減速機構収容室26aとは隔壁32により区画されている。隔壁32には支持孔32aが形成され、この支持孔32aには軸受33が装着され、この軸受33によりケース25には駆動軸34が回転自在に支持されている。この駆動軸34の一端は減速機構収容室26aに突出し、他端はドラム収容室31aに突出している。
回転軸28の回転を所定の回転数にまで減速して駆動軸34に伝達するために、減速機構収容室26aには減速機構35が収容されている。減速機構35はウォーム35aとウォームホイル35bとを備えたウォームギヤ機構となっており、ウォーム35aは回転軸28の外周面に当該回転軸28と一体に形成され、ウォームホイル35bは駆動軸34に相対回転自在に支持されてケース25の内部で回転自在となっている。
また、図4に示すように、ケース25の減速機構収容部26には減速機構収容室26aと一体にクラッチ収容室26bが設けられ、このクラッチ収容室26bには、ウォームホイル35bと駆動軸34との間つまり電動モータ27と駆動軸34との間の動力伝達を断続するために、動力断続機構である電磁クラッチ37が収容されている。この電磁クラッチ37はいわゆる摩擦式となっており、接続用配線37aを介して通電されると接続状態となってウォームホイル35bと駆動軸34との間の動力伝達を可能とする。したがって、電磁クラッチ37が通電状態となったときに電動モータ27が作動すると、回転軸28の回転は減速機構35と電磁クラッチ37とを介して駆動軸34に伝達され、駆動軸34はウォームホイル35bとともに回転する。一方、通電が停止されると電磁クラッチ37は遮断状態となり、ウォームホイル35bと駆動軸34との間の動力伝達経路が遮断される。
図3、図4に示すように、ドラム収容室31aには駆動用回転体としての駆動用ドラム41が収容される。駆動用ドラム41は樹脂製となっており、その軸心において駆動軸34の先端に固定されてケース25の内部で回転自在となっている。駆動用ドラム41の外周面には螺旋状の案内溝41aが形成され、駆動ユニット22に案内された開側ケーブル24aは案内溝41aに沿って駆動用ドラム41に巻き掛けられるとともに、その端部において駆動用ドラム41に固定される。同様に、駆動ユニット22に案内された閉側ケーブル24bは案内溝41aに沿って開側ケーブル24aと同一方向に駆動用ドラム41に巻き掛けられ、その端部において駆動用ドラム41に固定される。つまり、各ケーブル24a,24bはその一端側において駆動用ドラム41に巻き掛けられるとともに他端においてスライドドア13に接続される。電動モータ27が作動すると、その回転が減速機構35と電磁クラッチ37とを介して駆動軸34に伝達され、駆動用ドラム41は駆動軸34とともに電動モータ27により駆動されて回転する。駆動用ドラム41が回転すると、その回転方向に応じていずれか一方のケーブル24a,24bが駆動用ドラム41に巻き取られ、スライドドア13は当該ケーブル24a,24bに引かれて開閉動作する。
ケース25にはドラム収容部31、減速機構収容部26、およびモータケース部30と一体に当該ドラム収容部31に隣接してテンショナー収容部42が設けられている。テンショナー収容部42はドラム収容部31と同一方向に開口するバスタブ状に形成され、図4に示すように、その内部はテンショナー収容室42aとなっている。テンショナー収容部42には各ケーブル24a,24bをテンショナー収容室42aに引き込むための一対のケーブル出入り部43a,43bが設けられ、開側ケーブル24aと閉側ケーブル24bはそれぞれ対応するケーブル出入り部43a,43bからテンショナー収容室42aに引き込まれ、当該テンショナー収容室42aを介してドラム収容室31aに案内されている。図3中に破線で示すように、テンショナー収容室42aには所要の機器としての一対のテンショナー機構44a,44bが収容され、各ケーブル24a,24bにはこれらのテンショナー機構44a,44bにより所定の張力が付与される。これにより、ローラアッシー15がガイドレール14の曲部14aに案内される等して、スライドドア13と駆動用ドラム41との間でケーブル24a,24bの移動経路長が変化しても、各ケーブル24a,24bの張力は一定に保たれる。また、テンショナー収容室42にはカバー45が取り付けられ、このカバー45によりテンショナー収容室42aが閉塞されてテンショナー機構44a,44bはカバー45により覆われるようになっている。
ケース25には減速機構収容部26、モータケース部30、ドラム収容部31、およびテンショナー収容部42と一体に基板収容部46(制御装置収容部)が設けられており、基板収容部46は電動モータ27とモータケース部30と後述するブラシホルダ62とともにモータユニットを構成している。この基板収容部46はテンショナー収容部42の裏側に位置するとともに減速機構収容室26aやクラッチ収容室26bの開口に対して90度ずれた方向に向けて開口する箱状に形成され、その内部は基板収容室46a(制御装置収容室)となっている。基板収容室46aの内部には、電動モータ27と電磁クラッチ37の作動を制御するために、制御装置としての制御基板47が収容される。制御基板47は樹脂製の基板本体47aにCPUやメモリ等の電子部品47bを備えた制御回路が実装された構造となっており、ケース25の内部に配索される後述の給電端子69により電動モータ27に接続されている。また、基板収容室46aは基板カバー48により閉塞されており、この基板カバー48には制御基板47に接続される接続コネクタ49が設けられ、制御基板47はこの接続コネクタ49を介して車両11に搭載される図示しないバッテリ等の電源や車室内に配置される開閉スイッチ等に接続される。
制御基板47の基板本体47aの一部は駆動用ドラム41とウォームホイル35bとの間に配置されており、基板本体47aの当該部分には、駆動軸34(駆動用ドラム41)の回転を検出するための回転センサ50が搭載されている。一方、駆動軸34には多極着磁磁石51が装着された円板状の回転体52が固定されており、回転センサ50は、基板収容室46aと減速機構収容室26aとを区画する隔壁53に設けられた開口部を介して、多極着磁磁石51に対向している。多極着磁磁石51には周方向に並ぶ多数の磁極が設けられており、電動モータ27が作動して駆動軸34が回転すると、回転センサ50からは駆動軸34つまり多極着磁磁石51の回転に応じた周期のパルス信号が出力される。回転センサ50は基板本体47aに実装される制御回路に接続されており、回転センサ50が出力するパルス信号は制御回路に入力される。制御基板47は当該パルス信号の周期に基づいて駆動軸34の回転速度を認識し、また、当該パルス信号をカウントすることにより駆動軸34の回転量つまりスライドドア13のドア位置を認識する。そして、制御基板47はこれらの認識情報に基づいて電動モータ27の作動を制御する。
このように制御基板47の一部を駆動用ドラム41とウォームホイル35bとの間に配置し、当該部分に回転センサ50を設けるようにした開閉装置21においては、制御基板47を基板収容室46aに収容させる際に、基板本体47aに設けられた電子部品47bと駆動用ドラム41やウォームホイル35bとの干渉を避けるため、電動モータ27の回転軸28に直交する方向から制御基板47を基板収容室46aに挿入させている。つまり、電動モータ27の回転軸28と同一方向に基板収容部46を開口させ、当該開口部から制御基板47を基板収容室46aに挿入しようとすると、基板本体47aに設けられた電子部品47bと駆動用ドラム41やウォームホイル35bとが干渉して制御基板47の挿入が困難となるおそれがあり、さらには、モータヨーク29の組み付け前に制御基板47を収容しておかなければならず、モータユニット29から制御基板47を取り外す際には、モータヨーク29を外す必要があってメンテナンス性が悪い。そこで、電動モータ27の回転軸28と直交する方向に基板収容部46を開口させ、当該開口部から制御基板47を基板収容室46aに挿入することで、電子部品47bと駆動用ドラム41やウォームホイル35bとの干渉を避け、制御基板47を基板収容室46aに容易に挿入可能となり、さらに、モータユニットから制御基板47のみを着脱可能となっている。
図5は図3におけるB−B線に沿う電動モータの断面図であり、図6はモータユニットの分解斜視図である。
図5、図6に示すように、電動モータ27は、珪素鋼等の磁性材料からなる円筒形状のモータヨーク29を備えている。モータヨーク29は一端側(図5中右側)が閉塞された有底状となっており、他端の開口側にはフランジ部29aが設けられ、このフランジ部29aにおいて、モータヨーク29はボルトによりケース25のモータケース部30に固定される。なお、フランジ部29aは図中下側が斜めに切り欠かれた形状となっている。モータヨーク29の内側には、界磁装置としての断面円弧形状の複数の永久磁石55が周方向に等間隔に装着されており、これらの各永久磁石55により、モータヨーク29の内側には磁界が生成されている。
各永久磁石55の内側、つまり各永久磁石55により生成された磁界中には、各永久磁石55と所定の隙間を介してアーマチュア56が組み込まれている。アーマチュア56は、複数のスロットを有する有溝鉄心56aを備え、各スロットにはコイル57が巻装されている。アーマチュア56の回転中心にはアーマチュア56よりも長尺の回転軸28が固定されており、回転軸28の一端側はモータヨーク29の底壁に装着された軸受58により回転自在に支持されている。一方、回転軸28の他端側は、モータケース部30に形成された貫通孔30aを介して減速機構収容室26aに突出しており、貫通孔30aに装着された軸受59および減速機構収容室26aに装着された軸受(不図示)により回転自在に支持されている。
回転軸28には、アーマチュア56と軸受59との間、つまりモータケース部30に形成された収容部60の内部に位置させて、整流子61が設けられている。整流子61は、導電性を有する複数の整流子片を円柱状に纏めて、これをモールド成形することにより形成されている。各整流子片にはコイル57の端部が電気的に接続されており、整流子61を介してコイル57に駆動電流を供給することでアーマチュア56に電磁力が発生し、これにより回転軸28(アーマチュア56)が正方向または逆方向に回転するようになっている。モータユニットは整流子61を介して駆動電流をコイル57(アーマチュア56)に供給する給電装置としてのブラシホルダ62を有しており、このブラシホルダ62は、ケース部30の収容部60に収容されている。
図7はブラシホルダの斜視図であり、図8はモータケース部の斜視図であり、図9はブラシホルダの組み付け状態を示す正面図である。なお、図5に示す断面図は、図9におけるB−B線に沿う断面図に対応している。
図7に示すように、ブラシホルダ62はプラスチック等の樹脂材料により形成された略環状の装置本体63を有しており、装置本体63には、その外周部から径方向内側に向けて切り欠かれた複数の切り欠き部64が形成されている。装置本体63の径方向内側には、モータケース部30に形成された貫通孔30aよりも大径の貫通孔63aが形成されており、貫通孔63a内には、図5に示すように、回転軸28が貫通するとともに当該回転軸28に装着された整流子61が配置されている。
装置本体63には、モータヨーク29側に突出する断面略円弧形状の複数のガイド壁65が設けられており、各ガイド壁65は、その外周面をモータヨーク29の内周面に当接させてモータヨーク29に嵌め込まれる(印籠係合する)。各ガイド壁65のうち相互に対向する位置にある一対のガイド壁65aは、径方向外側に突出する突出部66を備えており、各突出部66のモータケース部30側の端面には、モータケース部30側に向けて突出する角柱形状の突起67が設けられている。
装置本体63のモータヨーク29側(図7中正面側)の端面には、一対のブラシ組体68が設けられている。各ブラシ組体68は、黒鉛等の導電材料により形成されたブラシ68aを備えており、ブラシ68aはばね部材68bにより径方向内側に向けて付勢されて、整流子61に摺動接触するようになっている。各ブラシ68aは、導線や導電板等で構成された電気回路を介して、装置本体63から径方向外側に突出する一対の給電端子69にそれぞれ電気的に接続されており、この給電端子69に給電することにより、ブラシ68aおよび整流子61を介してアーマチュア56のコイル57に駆動電流が供給され、電動モータ27が駆動される。また、各給電端子69は、装置本体63に一体に形成された矩形状のカバー70(庇部)によりモータヨーク29側から覆われるとともに、装置本体63により径方向内側から覆われている。
図8に示すように、モータケース部30は、基板収容部46の開口側に直交する方向つまりモータヨーク29側(図中正面側)に開口する収容部60を備えている。収容部60は、ブラシホルダ62の装置本体63に対応した形状の本体収容部60aを有しており、当該本体収容部60aにブラシホルダ62の装置本体63が収容される。本体収容部60aの径方向内側には、ブラシホルダ62の貫通孔63aと同心の貫通孔30aが形成されている。モータケース部30の開口側の端部には、径方向外側に延びるフランジ部30bが設けられており、当該フランジ部30bにモータヨーク29のフランジ部29aが当接されて、モータヨーク29(電動モータ27)がボルトによりモータケース部30のフランジ部30bに固定される。
ブラシホルダ62の各切り欠き部64に対応させて、モータケース部30は本体収容部60aの外周側から径方向内側に突出する複数の突出部72を有しており、各突出部72の径方向内側の端部には、モータヨーク29側に突出する断面円弧形状のガイド壁73が設けられている。各ガイド壁73の外周面は、各ガイド壁65と同様に、図5に示すように、その外周面をモータヨーク29の内周面に当接させてモータヨーク29に嵌め込まれる(印籠係合する)。また、図8に示すように、ブラシホルダ62の各突出部66に設けられた一対の突起67に対応させて、本体収容部60aの内面には一対の溝74が形成され、各溝74は各突起67と略同一寸法の断面形状となっており、ブラシホルダ62は各突起67を各溝74に圧入することによりモータケース部30に装着される。
フランジ部30bの基板収容部46側(図中下側)に位置させて、収容部60はモータヨーク29側に開口する端子収容部60bを有しており、端子収容部60bの開口側は、各給電端子69を覆うカバー70に対応させた形状となっている。この端子収容部60bは、その基端側(図中上側)が本体収容部60aに連通するとともにその先端側が基板収容室46aに連通しており、ブラシホルダ62がモータケース部30に組み付けられると、各給電端子69が端子収容部60bに収容されて、各給電端子69の先端部が基板収容室46aに突出され、給電端子69と制御基板47とが接続される。この組み付け状態で、開閉装置21の開閉スイッチが操作されると、制御基板47を介してバッテリ等から給電端子69に駆動電流が供給され、電動モータ27が正方向または逆方向に駆動される。
また、図9に示すように、ブラシホルダ62がモータケース部30に組み付けられると、端子収容部60bは、そのモータヨーク29側の開口部がカバー70により閉塞されるとともに、装置本体63により本体収容部60aとの間が閉塞される。これにより、端子収容部60b(基板収容室46a)は外部および本体収容部60aと遮断されて、基板収容室46aの内部へのブラシ粉やグリース等の異物の浸入が防止され、制御基板47aに異物が付着して電動モータ27等の制御に不具合を生じることを防止することができる。
モータユニットは環状弾性体としてのOリング75を有しており、Oリング75は各ガイド壁65,73および各ガイド柱76の外周側に掛け渡され、これらに案内されている。モータケース部30にモータヨーク29が固定されると、図5に示すように、Oリング75はモータヨーク29と各ガイド壁65a,73との間で狭持固定され、これにより、モータヨーク29とモータケース部30との間の振動伝達が低減されて、モータ作動音が低減される。
また、モータケース部30にモータヨーク29が固定されると、モータヨーク29のフランジ部29aは、図9において二点鎖線で示すように、カバー70の基端部に重なるように固定される。これにより、カバー70の移動が抑止され、カバー70がずれて端子収容部60b(基板収容室46a)の内部へ異物が侵入することが確実に防止される。
このように、ブラシホルダ62の給電端子69が収容される端子収容部60bを設けるとともに、当該端子収容部60bを閉塞するカバー70を設けたので、直交する方向に開口した本体収容部60aと基板収容部46とを有するモータユニットにおいて、ユニット内部において電気的接続を容易に行うことができ、配線の煩雑化を改善することができる。また、端子収容部60bを覆うカバー70をブラシホルダ62に一体に形成するようにしたので、モータヨーク29のフランジ部29aにより端子収容部60bを覆う場合に比して、フランジ部29aを小型化することができ、モータユニットを軽量化および低コスト化することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、開閉体はスライド式に開閉するスライドドア13とされているが、これに限らず、乗降用のヒンジ式の横開きドアや車両後端部に設けられるバックドアなど、他の開閉体としてもよい。
また、前記実施の形態においては、駆動ユニット22を車体12の内部に配置し、各ケーブル24a,24bをスライドドア13に接続するようにしているが、これに限らず、駆動ユニット22をスライドドア13内に配置し、各ケーブル24a,24bをスライドドア13のローラアッシー15部位を経由させてガイドレール14の両端部に固定する構造としてもよい。
さらに、前記実施の形態においては、開側ケーブル24aと閉側ケーブル24bの2本のケーブルを用いるようにしているが、これに限らず、1本のケーブルの中間部を駆動用ドラム41に巻き付け、その両端部をスライドドア13に接続するようにしてもよい。
ワンボックスタイプの車両を示す側面図である。 図1に示すスライドドアの車体への取り付け構造を示す上面図である。 図2に示す駆動ユニットの詳細を示す正面図である。 図3におけるA−A線に沿う断面図である。 図3におけるB−B線に沿う電動モータの断面図である。 モータユニットの分解斜視図である。 ブラシホルダの斜視図である。 モータケース部の斜視図である。 ブラシホルダの組み付け状態を示す正面図である。
符号の説明
11 車両
12 車体
13 スライドドア(開閉体)
14 ガイドレール
14a 曲部
15 ローラアッシー
21 車両用自動開閉装置
22 駆動ユニット
23a,23b 反転プーリ
24a 開側ケーブル(索条体)
24b 閉側ケーブル(索条体)
25 ケース
26 減速機構収容部
26a 減速機構収容室(収納部)
26b クラッチ収容室
27 電動モータ(モータ部)
28 回転軸
29 モータヨーク
29a フランジ部
30 モータケース部
30a 貫通孔
30b フランジ部
30c 端面
31 ドラム収容部
31a ドラム収容室
32 隔壁
32a 支持孔
33 軸受
34 駆動軸
35 減速機構
35a ウォーム
35b ウォームホイル
37 電磁クラッチ
37a 接続用配線
41 駆動用ドラム
41a 案内溝
42 テンショナー収容部
42a テンショナー収容室
43a,43b ケーブル出入り部
44a,44b テンショナー機構
45 カバー
46 基板収容部(制御装置収容部)
46a 基板収容室(制御装置収容室)
47 制御基板(制御装置)
47a 基板本体
47b 電子部品
48 基板カバー
49 接続コネクタ
50 回転センサ
51 多極着磁磁石
52 回転板
53 隔壁
55 永久磁石(界磁装置)
56 アーマチュア
56a 有溝鉄心
57 コイル
58,59 軸受
60 収容部
60a 本体収容部
60b 端子収容部
61 整流子
62 ブラシホルダ(給電装置)
63 装置本体
63a 貫通孔
64 切り欠き部
65 ガイド壁
65a ガイド壁
66 突出部
67 突起
68 ブラシ組体
68a ブラシ
68b ばね部材
69 給電端子
70 カバー(庇部)
72 突出部
73 ガイド壁
74 溝
75 Oリング
76 ガイド柱

Claims (2)

  1. 車体に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置のモータユニットであって、
    磁界を生成する界磁装置、磁界中に配置されて給電により回転するアーマチュア、および前記界磁装置を固定するとともに前記アーマチュアの一端側を回転自在に支持するモータヨークを備えるモータ部と、
    装置本体、当該装置本体の外周部から径方向外側に突出する一対の給電端子、および当該給電端子を前記モータ部側から覆う庇部を備え、前記アーマチュアに給電するための給電装置と、
    前記装置本体が収容される本体収容部と前記各給電端子が収容される端子収容部とを有し、前記モータ部が取り付けられて前記アーマチュアの他端側を回転自在に支持するモータケース部と、
    前記モータケース部に一体に形成され、前記モータ部側に開口する前記本体収容部に対して略直交方向に開口するとともに前記端子収容部に連通する制御装置収容室を備え、当該制御装置収容室に前記モータ部の作動を制御する制御装置を収容する制御装置収容部とを有し、
    前記給電端子が前記端子収容部に収容されると、前記端子収容部の前記モータ部側は前記庇部により閉塞されることを特徴とする車両用自動開閉装置のモータユニット。
  2. 請求項1記載の車両用自動開閉装置のモータユニットにおいて、前記モータヨークは前記モータケース部に当接するフランジ部を有し、当該フランジ部により前記庇部の移動が抑止されることを特徴とする車両用自動開閉装置のモータユニット。
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