JP2009292492A - バリア性を有するスパウト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 キャップ部と口部と口部の下方に連設する接着部とからなるスパウトと、接着部に固着する袋容器とからなるスパウト付き袋容器のスパウトにおいて、前記口部の内径と略等しい筒状体の外面筒状面のテーパーを0°とし、内面筒状面に抜きテーパーを設け、スパウトの一体成型時に樹脂の流動する方向の上流方向の端部に下フランジを設けた筒状体で、該筒状体にバリアフィルムを巻装してバリア筒とし、該バリア筒を一体成形により成形したバリア性を有するスパウトである。
【選択図】図4
Description
特に近年、これらの袋容器は、その開封を容易にし、かつ、内容物の飲料を容易に、あるいは、内容物を注ぎやすくするために、袋容器の上部に注出口(スパウト)を取り付けてなる注出口(スパウト)付き袋容器が提案されている。
本発明は、このようなバリア筒の筒状体の外面側面のテーパーを無くして、インサート成型工程で、バリア筒の金型への設置を容易にすることを目的としたものである。
そして、筒状体にスパウト一体成型時に樹脂の流動する方向の上流方向の端部付近に内面段差を設けると良い。
又、筒状体にスパウト一体成型時に樹脂の流動する方向の下流方向の端部に上フランジを設けると良い。
更に、筒状体の下フランジに脚部を延設すると更に良い。
筒状体に巻装するバリアフィルムの周方向端部同士を重合させると更に良い。
又スパウトの一体成型時に樹脂の流動する方向の上流方向の端部に下フランジを設けたので、バリアフィルム(ラベル)に樹脂回りする事が無い。
更に本発明の請求項2記載の発明は、筒状体にスパウト一体成型時に樹脂の流動する方向の上流方向の端部付近に内面段差を設けたので、筒状体を一体成型する際に筒状体の位置決めが容易である。即ち筒状体を金型にインサートする時に、筒状体の内面段差により筒状体の位置を固定出来、位置決めし易い。
本発明の請求項3記載の発明は、筒状体にスパウト一体成型時に樹脂の流動する方向の下流方向の端部に上フランジを設けたので、上フランジと下フランジが同径なので成型途中で転動した時にも扱い易く、又、外形上も違和感が無く、更にバリアフィルム(ラベル)が上フランジよりはみ出ることは無い。
本発明の請求項4記載の発明は、筒状体の下フランジに脚部を延設することにより、位置決めが更に容易となり、一体成型押圧時にも脚部の強度を付与することで、位置決めが更に精度の高いものとなる。
本発明の請求項5記載の発明は、筒状体に巻装するバリアフィルムの周方向端部同士を重合させたので、筒状体のバリア性をより向上することが出来る。
スパウト1は、口部5の外周には、キャップ部2を螺着するための螺条9を設け、口部5と接着部6との間には、スパウト1と、袋容器3とを貼着する際、スパウトを把持し搬送するために必要な複数枚のフランジ4とを設けた構造からなる。また、接着部6の下方には、4本の連結柱10が設けられ、4本の連結柱10はその下部で連結円板10Jに接合しており、この4本の連結柱10の空間を通って、内容物が充填され、或いは口部5より吸引されて、内容物が良好に取出されるのである。
そして、スパウト1をインサート成形によって成形する際、予めスパウト1を成形する金型内に、バリア筒7をセットすることにより、バリア筒7とスパウト1とを一体成形する。なお、後述するようにバリア筒7は、予め成型した筒本体7Pにバリアフィルム7Sを巻装することにより、成形する。
バリアフィルム7Sとしては、耐透過性、耐遮光性を有する、アルミニウムフィルム、カーボンを蒸着したフィルム、若しくは多層コーティングフィルムなど用途に応じたバリアフィルム7Sを用いればよい。
(実施例1)
以下、前記バリアフィルム7Sと前記筒状体7Pとを一体に成形してバリア筒7を形成する方法について説明する。
先ず、筒状体7Pを、射出成型により成型する。図7に示すように、筒状体7Pの筒状内面は、底部の下フランジ73から上部の上フランジ71の方向に抜きテーパー(内面テーパー)がついており、雄型は上フランジ71の方向に射出成型後抜かれる。図7中にθ°inで示されている部分である。そして、筒状体7Pの筒状外面は、テーパーは設けられていない。図7中『0°』で示されている部分である。筒状体7Pの外面をテーパー0°にするには、筒状体7Pの左右を割り型にして、上部から雄型を挿入する方法により、成型が可能である。
なお前記バリア筒7に形成された前記内面テーパーのテーパー角θinとしては、0.1°〜3.0°の範囲であることが好ましい。
そして、筒状体7Pの側面の周面をバリアフィルム7Sで巻装した状態が図4(a)に示されている状態である。しかる後に、バリア筒7を金型にインサートし、本体を射出成型する(図9参照)。射出成型後の状態のバリア筒7を含む口部5の状態の断面は、図5(a)に示されているように、筒状体7Pの側面の周面をバリアフィルム7Sで巻装した状態で、その外周面を射出成型しており、バリアフィルム7Sはその周方向の端部で、端部同士が重合している状態を重合部7Eとして図示している。
そして、このバリア筒7と、スパウトとを一体成形することにより、本発明のバリア性を有するスパウト1を形成することが可能である。
そして、バリア筒7のフランジ部71の先端を金型dの下端に当接するようにして位置決めを行う。この場合でも、バリア筒のフランジ部71の効果によりバリアフィルムの端面は、フランジ71の内側に接着するので、バリアフィルムがバリア筒の内側に露出することがない。
次に、左右の金型b、cをそれぞれ定位置へと水平方向に移動させる。その後、上方の金型aを下方へと移動させる。
そして、図示しない樹脂注入部から金型aに設けられたゲートから樹脂を充填することにより(図9(a)(b)の金型aに設けられたゲート参照)、図3に示すようなバリア筒7とスパウトとを一体に成形したバリア性を有するスパウト1を形成することが可能である。特に、図3の点線円部分に示すように、前記バリアフィルム7Sの下端部分は、フランジ73の上部までがスパウトの樹脂により覆われるため、バリアフィルム7Sの下端部分がスパウト内部へと露出することがない。同様に、バリアフィルム7Sの上端部分は、バリア筒の上端部分とスパウトとの樹脂が一体に成形され、かつ、バリアフィルムの端面がバリア筒のフランジ部の下に位置しているため、バリアフィルム7Sの上端部分がスパウト内部へと露出することがない。
なお、スパウト本体の連結柱10は、内容物の充填や取り出しに有効に機能する。また、スパウト本体の連結柱10は、スパウトとパウチを接着部6でシールする際に、スパウト本体を保持する機能も存在する。
実施例1のバリアフィルム7S(ラベル)の構成は、外側から PE/PET/AL/PE 内側である。なおPETはラベルとしての強度を保持するために使用する。
このようにバリアフィルム7S(ラベル)は内側の筒状体7Pと、外側のインサート成型による樹脂との間を共に接着する機能を果たしている。
前記のように、筒状体7Pにバリアフィルム7S(ラベル)を巻装・接着する方法として、粘着、ヒートシール、超音波等の方法が存在するが、これはあくまで、筒状体7Pにバリアフィルム7S(ラベル)を仮接着するための手段であり、更にインサート成型時の熱で、ラベル内側のシーラント(接着剤)の機能により、バリアフィルム7S(ラベル)と筒状体7Pが熱溶着状態に到達する。
更にバリアフィルム7S(ラベル)とスパウト本体の成型樹脂とは、ラベル外側のシーラント(接着剤)の機能により、バリアフィルム7S(ラベル)と成型樹脂が熱溶着状態に到達し、バリアフィルム7S(ラベル)と筒状体7Pの接着状態より、バリアフィルム7S(ラベル)とスパウト本体の成型樹脂の接着状態の方が強固に接着・密着する。
実施例1は、主として上フランジ71により、インサート成型時の位置決めをして成型したものであったが、実施例2は、下フランジ73の内面段差(内面横リブ)72を設けたものである(図10参照)。この内面段差(内面横リブ)72は、インサート成型の時の雄型金型に位置決めするための引っかかりであり、これを設けることにより、バリア筒7をスパウトの開口部から所定の距離を保って、インサート成型する事が可能である。図11は、上フランジ71、下フランジ73、内面段差(内面横リブ)72を設けたバリア筒7の実施例を示すものである。
なお、内面段差72は、例えば図9の下フランジの上方で、接着部の成型から連結柱の成型にかけて、段差と成っている部分(図9(b)参照)を利用して位置決めすると好適である。
図12に図示する実施例3は、実施例2の上フランジ71、下フランジ73、内面段差(内面横リブ)72を設けたバリア筒7のうち、上フランジ71を省略したものである。
図13に図示する実施例4は、上フランジ71、下フランジ73、内面段差(内面横リブ)72を設けたバリア筒7について、更に下フランジ73の下方に脚部75を設けて、例えば、接着部6の金型下部にバリア筒7を位置決めしたものであり、インサート成型時に金型を所定の位置にスタンバイさせた時に、金型同士の押圧動作にも有る程度耐えられる強度を持たせる事で、バリア筒7のスパウト内での確実な位置決めを意図したものである。更に金型の型締めをした際に、脚部75が押されて、所定の位置にセットできる。又バリア筒7が正確な位置に設けられていない場合でも、脚部75が押されて所定の位置にセットされることが可能である。
2 キャップ部
3 袋容器(パウチ)
4 フランジ
5 口部
6 接着部
7 バリア筒
7P 筒状体
7S バリアフィルム(ラベル)
7E 重合部
9 螺条
10 連結柱
11 開口部(袋容器3)
10J 連結円板
13 Pシール
20 スパウト付き袋容器
71 上フランジ
72 内面段差(内面横リブ)
73 下フランジ
75 脚部
a、b、c、d 金型
Claims (5)
- キャップ部と口部と口部の下方に連設する接着部とからなるスパウトと、接着部に固着する袋容器とからなるスパウト付き袋容器のスパウトにおいて、前記口部の内径と略等しい筒状体の外面筒状面のテーパーを0°とし、内面筒状面に抜きテーパーを設け、スパウトの一体成型時に樹脂の流動する方向の上流方向の端部に下フランジを設けた筒状体であって、該筒状体にバリアフィルムを巻装してバリア筒とし、該バリア筒を一体成形により成形したことを特徴とする、バリア性を有するスパウト。
- 前記筒状体に、スパウト一体成型時に樹脂の流動する方向の上流方向の端部付近に内面段差を設けた請求項1記載のバリア性を有するスパウト。
- 前記筒状体にスパウト一体成型時に樹脂の流動する方向の下流方向の端部に上フランジを設けた請求項1記載のバリア性を有するスパウト。
- 前記筒状体の下フランジに脚部を延設した請求項1記載のバリア性を有するスパウト。
- 前記筒状体に巻装するバリアフィルムの周方向端部同士を重合させた請求項1記載のバリア性を有するスパウト。
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