JP2009282302A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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由香 石塚
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正人 田中
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淳史 藤井
Takehiko Endo
健彦 遠藤
Kenichi Kako
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Abstract

【課題】 長期間繰り返し使用した後に短期間繰り返し使用したときの電位変動が抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】 電子写真感光体の電荷輸送層が電荷輸送物質として2種の特定の化合物を含有し、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の総量が電荷輸送層の全質量に対して40〜65質量%である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、複写機やプリンターなどの電子写真装置には、有機の電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体(有機感光体)が広く用いられている。
電子写真感光体の電位特性、たとえば、帯電したときの暗部電位や露光時の明部電位あるいは残留電位は、感光層に用いられる材料の種類に依存する。よって、電荷発生効率に優れる電荷発生物質を選択し、また、電荷発生物質からの電荷注入効率に優れ、感光層内における電荷移動度の高い電荷輸送物質を選択することが電子写真感光体の電位特性の向上に繋がる。
昨今、電子写真装置の高プロセススピード化に伴い、電位特性の向上だけでなく、繰り返し使用時の電位特性の変動(暗部電位または明部電位の変動)を抑え、より安定して画像を出力することも課題となっている。具体的には、(1)長期間(たとえば2万枚以上の出力)繰り返し使用したときの電位変動を抑えたり、(2)比較的短期間(たとえば画像出力開始1枚目から連続1000枚程度出力するまでの間)の電位変動を抑えたりする必要がある。
上記(1)は、使用回数にしたがって電位変動が大きくなる(電位特性が劣化する)のが一般的である。また、長期間繰り返し使用後の電子写真感光体を放置したとしても、使用開始時の電位まで戻る可能性はきわめて低く、回復性が小さいといえる。
一方、上記(2)としては、たとえば、A4サイズの用紙1枚に印刷するのに電子写真感光体は数回転するが、その1枚内で電位が変動して出力画像の色見が変化してしまうといったことがある。このような短期間の電位変動は、電子写真感光体を放置することで、ある程度は回復することがわかっている。
そして、上記(2)のような短期間の使用を重ね、回復しきれなかった電位変動分が増えていくことが、上記(1)の電位特性の劣化につながっていくと考えられている。
電子写真感光体にとって、上記(1)および(2)の電位変動を抑え、常に安定した画像を出力することが重要である。その中でも上記(2)の電位変動を抑えることが、色見の変化を抑えるのに重要である。
このような要求に対して、従来、電子写真感光体には、上述したように電荷注入効率や電荷移動度に優れた電荷輸送物質を検討し、短期間使用したときの電位変動を抑える工夫がなされてきた(たとえば特許文献1)。また、特許文献2および3においては、フルオレニル基や4−メチルフェニル基を有するトリアリールアミンなどの化合物が注目されている。
特開2006−104183号公報 特開平08−146629号公報 特開2004−168726公報
特許文献1に開示されている化合物を用いた電子写真感光体は、たしかに、短期間使用したときの電位変動は良好であった。
しかしながら、この電子写真感光体を長期間繰り返し使用した後、再び短期間繰り返し使用したときの電位変動をみてみると、初期に測定した電位変動量よりも大きくなっているという現象があることがわかった。
本発明の目的は、長期間繰り返し使用した後に短期間繰り返し使用したときの電位変動が抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する電子写真感光体において、
該電荷輸送層が電荷輸送物質として下記一般式(1)で示される化合物および下記一般式(2)で示される化合物を含有し、該電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の総量が該電荷輸送層の全質量に対して40〜65質量%であることを特徴とする電子写真感光体である。
Figure 2009282302
(一般式(1)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基または3,4−ジメチルフェニル基を示す。)
Figure 2009282302
(一般式(2)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基または3,4−ジメチルフェニル基を示す。)
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、長期間繰り返し使用した後に短期間繰り返し使用したときの電位変動が抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質として、下記一般式(1)で示される化合物および下記一般式(2)で示される化合物を含有する。
Figure 2009282302
上記一般式(1)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基または3,4−ジメチルフェニル基を示す。
Figure 2009282302
上記一般式(2)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基または3,4−ジメチルフェニル基を示す。
上記一般式(1)で示される化合物および上記一般式(2)で示される化合物を電荷輸送層に含有させることによって、長期間繰り返し使用した後に短期間繰り返し使用したときの電位変動が抑制される。このことは、常に短期間使用時における暗部電位や明部電位の電位変動量が小さいということを意味し、長期間の画像出力を通じて、安定した画像濃度およびコントラストが確保されることに繋がる。なお、以上の構成によって電位変動が抑制される理由の詳細はまだ解明されていないが、本発明者らは、次のように推測している。
すなわち、電子写真感光体は、長期間繰り返し使用すると、電荷輸送層中に電荷が滞留しやすくなる。それが、上記一般式(1)で示される化合物および上記一般式(2)で示される化合物を用いることで、これら電荷輸送物質のシクロへキシリデン基とイソプロピリデン基が相互作用しやすい状態になり、電荷の滞留が最小限に抑えられていると推測される。その結果、長期間繰り返し使用した後に短期間繰り返し使用したときの電位変動が抑制されているのではないかと推測している。
以下に、上記一般式(1)で示される化合物の具体例(例示化合物)を示す。
Figure 2009282302
Figure 2009282302
以下に、上記一般式(2)で示される化合物の具体例(例示化合物)を示す。
Figure 2009282302
Figure 2009282302
これらの例示化合物の中でも、短期間繰り返し使用したときの電位変動の抑制の観点から、例示化合物(1−1)、(1−2)および(1−3)のいずれかと、例示化合物(2−1)、(2−2)および(2−3)のいずれかとの組み合わせが好ましい。さらにその中でも、例示化合物(1−1)と例示化合物(2−1)との組み合わせ、および、例示化合物(1−2)と例示化合物(2−2)との組み合わせがより好ましい。その中でも、明部電位の変動の抑制に特に効果的な組み合わせは、例示化合物(1−1)と例示化合物(2−1)との組み合わせである。
また、本発明の電子写真感光体の電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の総量は、電荷輸送層の全質量に対して40〜65質量%である。40質量%より少ないと、短期間使用時における明部電位の電位変動が大きくなってしまう。65質量%より多いと、短期間使用時における暗部電位の電位変動が大きくなってしまう。
また、電荷輸送層中の上記一般式(1)で示される化合物(A)と上記一般式(2)で示される化合物(B)との質量比(A/B)は、短期間使用時における明部電位の変動の抑制という観点から、1/4.5以上であることが好ましく、1/4以上であることがより好ましく、一方、2.5/1以下であることが好ましく、2/1以下であることがより好ましい。
また、本発明の電子写真感光体の電荷輸送層には、本発明の効果を損ねない範囲で、他の電荷輸送物質を含有させてもよい。本発明の効果を損ねないという観点から、他の電荷輸送物質は、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の総量に対して5〜10質量%であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂,アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。また、これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
また、電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、たとえば、エタノール、ブタノール、プロパノール、アニソール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
また、塗布した電荷輸送層用塗布液を乾燥させる際の温度は、電荷輸送層のクラックを防止する観点から、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。また、乾燥させる際の時間は10〜60分が好ましい。
また、電荷輸送層を2層以上設ける場合は、少なくとも1層が、上記一般式(1)で示される化合物および上記一般式(2)で示される化合物を含有し、かつ、電荷輸送物質の総量が電荷輸送層の全質量に対して40〜65質量%である層であればよい。特には、支持体側の電荷輸送層が、上記一般式(1)で示される化合物および上記一般式(2)で示される化合物を含有し、かつ、電荷輸送物質の総量が電荷輸送層の全質量に対して40〜65質量%である層であることが好ましい。
また、電荷輸送層を2層以上設ける場合、電子写真感光体の表面層となる側の電荷輸送層については、電子写真感光体の表面の機械的強度を高めるために、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合および/または架橋させることによって硬化させてなる層とすることが好ましい。連鎖重合性官能基としては、たとえば、アクリル基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合および/または架橋させるためには、熱、光、放射線(電子線など)を用いることができる。
電荷輸送層が1層である場合、その電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、8〜30μmであることがより好ましい。
電荷輸送層を2層以上設ける場合、支持体側の電荷輸送層の膜厚は5〜30μmであることが好ましく、電子写真感光体の表面層となる側の電荷輸送層の膜厚は1〜10μmであることが好ましい。
電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
次に、本発明の電子写真感光体の層構成について説明する。
本発明の電子写真感光体は、少なくとも、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する電子写真感光体である。
支持体としては、導電性を有しているもの(導電性支持体)であればよく、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を結着樹脂とともにプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂製の支持体を用いることもできる。
支持体の形状としては、円筒状やベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。
支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の防止を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と電荷発生層または後述の中間層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
支持体または導電層と電荷発生層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために設けられる。
中間層で使用する樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミド樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂の中でも、接着性や電位変動の抑制の観点から、共重合ポリアミド樹脂やN−アルコキシアルキル化されたポリアミド樹脂が好ましい。さらに、電位変動を抑制する観点から、中間層を樹脂中にアゾ顔料を分散させてなる層とすることが好ましい。
中間層に用いられるアゾ顔料としては、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が挙げられる。その中でも、短期間使用時における電位変動の抑制という観点から、下記一般式(3)に示されるビスアゾ顔料が好ましい。
Figure 2009282302
上記一般式(3)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、置換または無置換のアリール基を示す。
上記一般式(3)中のArおよびArのアリール基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
また、上記一般式(3)中のArおよびArのアリール基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基などのアリール基や、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのアルコキシ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのアルキルアミノ基や、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのアリールアミノ基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基などのハロメチル基や、ヒドロキシル基や、ニトロ基や、シアノ基や、アセチル基や、ベンゾイル基などが挙げられる。これら置換基の中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ニトロ基が好ましく、特には、電位変動の抑制という観点から、トリフルオロメチル基がより好ましい。
中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、0.3〜1μmであることがより好ましい。
支持体、導電層または中間層の上には、電荷発生層が設けられる。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、たとえば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニン、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド顔料、アンスラキノン顔料、ピレンキノン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、キノシアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素、硫化カドミウム、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。また、これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましく、その中でもフタロシアニン顔料がより好ましい。また、フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが電荷発生効率に優れており好ましく、これらの中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましい。また、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、電位変動の抑制の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
本発明において、X線回折の測定は、CuKα線を用いて次の条件で行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂とともに溶剤に分散させて得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との比率は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択される。有機溶剤としては、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素および芳香族化合物が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
電荷発生層には、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
電荷発生層の上には電荷輸送層が設けられる。
電荷輸送層に関しては、上述したとおりである。
電荷輸送層の上には、該電荷輸送層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種樹脂を溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、樹脂モノマーまたはオリゴマーを溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、これを硬化および/または乾燥させることによって保護層を形成してもよい。硬化には、光、熱または放射線(電子線など)を用いることができる。
保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、1〜7μmであることがより好ましい。
保護層には、導電性粒子などを必要に応じて添加することもできる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、たとえば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を採用することができる。
また、電子写真感光体の最表面に位置する層(表面層)には、シリコーンオイル、ワックス、ポリテトラフルオロエチレン粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素などの潤滑剤を含有させてもよい。
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、円筒状の本発明の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位の均一に帯電される。次いで、原稿からの反射光であるスリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内の現像剤に含まれるトナーで現像(正規現像または反転現像)されてトナー像となる。
電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6(転写ローラーなど)からの転写バイアスによって、転写材Pに順次転写されていく。このとき、転写手段6にはバイアス電源(不図示)からトナーの電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材P(最終転写材(紙やフィルムなど)の場合)は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。転写材Pが一次転写材(中間転写体など)の場合は、複数次の転写工程の後に定着処理を受けてプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7(クリーニングブレードなど)によって転写残トナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。近年、クリーナーレスシステムも研究され、転写残トナーを直接、現像器などで回収することもできる。さらに、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
また、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、クリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。たとえば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7の少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、レールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9とすることができる。
また、露光光4は、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読み取って信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光などである。
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザービームプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応しうる。また、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリなどの装置にも幅広く適用しうる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(合成例1)
例示化合物(2−1)を以下のとおりにして合成した。
・工程1
下記式(Int−1)
Figure 2009282302
で示される化合物100g(442mmol)を酢酸エチル300ml中で攪拌しながら、無水酢酸94.7g(928mmol)を室温下で滴下した。滴下終了後、110℃まで昇温させて還流し、反応終了後に濾過し、トルエン洗浄を行い、乾燥させることによって、下記式(Int−2)
Figure 2009282302
で示される化合物を得た。乾燥収量100g、収率72.9%、HPLC純度99.1%であった。
・工程2
上記式(Int−2)で示される化合物80g(258mmol)、4−ヨードトルエン135g(619mmol)、炭酸カリウム89g(645mmol)および銅触媒41g(646mmol)を混合し、o−ジクロロベンゼン160ml中に投入し、攪拌しながら190℃まで昇温させて還流した。10時間反応させた。反応終了後、トルエン400mlを加えて濾過し、さらにトルエン100mlで洗浄した後、溶剤を減圧留去し、下記式(Int−3)
Figure 2009282302
で示される化合物を得た。収量130g、収率103%(残留o−ジクロロベンゼンを含む)、HPLC純度91.1%であった。
・工程3
上記式(Int−3)で示される化合物100g(204mmol)を1−ブタノール300mlに加え、100℃まで昇温させて溶解させ、その後、水酸化ナトリウム18g(450mmol)を加え、100℃で3時間還流した。反応終了後、70℃までゆっくり降温させた後、メタノール100mlを流し入れ、攪拌、濾過、乾燥し、下記式(Int−4)
Figure 2009282302
で示される化合物を得た。乾燥収量70g、乾燥収率84.4%、HPLC純度95.8%であった。
・工程4
上記式(Int−4)で示される化合物70g(172mmol)、9,9−ジメチル−2−ヨードフルオレン115.6g(361mmol)、炭酸カリウム59.3g(430mmol)および銅触媒27.3g(430mmol)を混合し、o−ジクロロベンゼン70ml中の投入し、攪拌しながら190℃まで昇温させて還流した。10時間反応させた。反応終了後、トルエン100mlを加えて濾過し、さらにトルエン100mlで洗浄した後、溶剤を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトにてn−ヘプタン1400mlに溶解させ、n−ヘプタンで展開させ、精製を行い、粗生成物を得た。さらに、アセトン500mlを用いて加熱溶解後、冷却し、結晶化させた。一晩放置後、濾過、乾燥させて、例示化合物(2−1)を得た。乾燥収量105g、収率77.1%、HPLC純度96.5%であった。
なお、HPLC純度の測定は、次の条件で行った。
使用測定機:HEWLETT PACKARD社製、SERIES1100
HPLCカラム:Shodex社製、ODSpakF−411
展開液:メタノール/テトラヒドロフラン=80/20(体積比)
展開速度:1.5ml/min
サンプル注入量:0.8μl
検出波長:310nm
測定用サンプル:溶媒としてのテトラヒドロフラン0.5mlに測定試料10mgを溶解させることによって調製した。
得られた例示化合物(2−1)のIRスペクトルを図2に示し、H−NMRスペクトルを図3に示す。
IRおよびNMRの測定装置および条件は以下のとおりである。
・IR
測定装置:FT−IR420(日本分光(株)製)
分解能:4cm−1
積算回数:16回
測定用サンプル:測定試料5mgおよび臭化カリウムを混合することによって調製した。
・NMR
測定装置:FTNMR装置JNM−EX400(日本電子(株)製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μS
データポイント:32768
周波数範囲:10500Hz
積算回数:100回
測定温度:25℃
測定用サンプル:測定試料50mgを直径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒としてのCDCl(TMS0.05%)を添加することによって調製した。
FT−IRスペクトルより得られた特徴的なピークを以下に示す。
1606cm−1
1508cm−1
1460cm−1
1323cm−1
1279cm−1
H−NMRスペクトルより得られたCDCl中のTMS基準の化学シフト(ppm)を以下に示す。
1.40(m,16,−CH
1.69(s,5.98,−CH
2.31(s,5.86,−CH
6.97〜7.72(m,30.0,Ar−H)
(合成例2)
例示化合物(2−2)を以下のとおりにして合成した。
・工程1
合成例1と同様に行った。
・工程2
合成例1において、4−ヨードトルエンを3−ヨードトルエンに変更し、下記式(Int−5)
Figure 2009282302
で示される化合物を得た以外は合成例1と同様に行った。収量135g、収率107%(残留o−ジクロロベンゼンを含む)、HPLC純度90.1%であった。
・工程3
合成例1において、上記式(Int−3)で示される化合物を上記式(Int−5)で示される化合物に変更し、下記式(Int−6)
Figure 2009282302
で示される化合物を得た以外は合成例1と同様に行った。乾燥収量75g、収率90.5%、HPLC純度94.6%であった。
・工程4
合成例1において、上記式(Int−4)で示される化合物を上記式(Int−6)で示される化合物に変更し、例示化合物(2−2)を得た以外は合成例1と同様に行った。乾燥収量100g、収率73.5%、HPLC純度96.1%であった。
得られた例示化合物(2−2)のIRスペクトルを図4に示し、H−NMRスペクトルを図5に示す。
FT−IRスペクトルより得られた特徴的なピークを以下に示す。
1604cm−1
1508cm−1
1460cm−1
1324cm−1
1277cm−1
H−NMRスペクトルより得られたCDCl中のTMS基準の化学シフト(ppm)を以下に示す。
1.41〜1.70(m,18.2,−CH
2.29(s,6,−CH
6.81〜7.75(m,30.3,Ar−H)
上記一般式(1)で示される化合物および上記一般式(2)で示される化合物のうち、例示化合物(2−1)や例示化合物(2−2)以外の化合物も、その化合物に対応する原料を用いることによって、合成例1や合成例2と同様にして合成することができる。
(実施例1)
・支持体
支持体としては、直径30mm、長さ357.5mmの引き抜き管であるアルミニウムシリンダーを用いた。
・導電層用塗布液の調製
以下に示す材料および配合量で液を作製し、直径0.8mmのガラスビーズを投入し、サンドミル装置で2時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粒子 50部
レゾール型フェノール樹脂 25部
メチルセロソルブ 20部
メタノール 5部
シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000) 0.002部
・導電層の形成
上記導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
・中間層用塗布液の調製
以下に示す材料および配合量で中間層用塗布液を調製した。
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ(株)製) 2.5部
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス製、メトキシメチル化率:28〜33質量%) 7.5部
メタノール 190部
・中間層の形成
上記中間層用塗布液を上記導電層上に浸漬塗布し、これを10分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が0.65μmの中間層を形成した。
・電荷発生層用塗布液の調製
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部および下記構造式(A)
Figure 2009282302
で示される化合物0.04部を、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。その後、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃の雰囲気下で5時間分散した。分散後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
・電荷発生層の形成
上記電荷発生層用塗布液を3週間静置し、その後攪拌した液を上記中間層上に浸漬塗布し、これを90℃で10分間乾燥させることによって、膜厚が0.18μmの電荷発生層を形成した。
・電荷輸送層用塗布液の調製
以下に示す材料および配合量で電荷輸送層用塗布液を調製した。
例示化合物(1−1)(電荷輸送物質) 50部
例示化合物(2−2)(電荷輸送物質) 50部
ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)100部
クロロベンゼン600部
メチラール150部
・電荷輸送層の形成
電荷輸送層用塗布液を1日以上放置し、その後の液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを120℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が23μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
(実施例2〜10)
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を表1に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2009282302
(比較例1〜3)
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を表2に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2009282302
表2中の比較化合物(B−1)〜(B−6)、(C−1)〜(C−8)および(D−1)は以下のとおりである。
Figure 2009282302
Figure 2009282302
Figure 2009282302
Figure 2009282302
Figure 2009282302
(電子写真感光体の評価)
実施例および比較例の各電子写真感光体について、以下の評価を行った。
・電位変動の評価
評価装置には、キヤノン(株)製の複写機GP405の改造機を用いた。この評価装置のプロセススピードは210mm/sである。また、帯電手段は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を接触帯電部材であるゴムローラー(帯電ローラー)に印加する接触帯電方式である。また、露光手段はレーザー像露光方式である。また、現像手段は1成分磁性ネガトナーを用いた非接触現像方式である。また、転写手段は転写ローラーを用いた接触転写方式である。また、クリーニング手段はゴムブレード(クリーニングブレード)をカウンター方向に設定したブレードクリーニング方式である。また、前露光手段はヒューズランプを用いた方式である。
温度23℃/湿度5%RHの雰囲気に上記評価装置を設置した。
そして、帯電手段のゴムローラーに印加する電圧の交流成分をVpp:1500V、周波数:1500Hzとし、直流成分を−800Vとして、初期暗部電位(以下、暗部電位を「Vd」とする。)が−800Vになるようにした。また、780nmレーザー露光照射における初期明部電位(以下、明部電位を「Vl」を)が実施例および比較例の各電子写真感光体において−180Vになるように露光条件を調整した。
電子写真感光体の表面電位は、上記評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入して測定した。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、電子写真感光体の軸方向のほぼ中央であり、電子写真感光体の表面からのギャップを3mmとした。
評価は以下に示す(1)→(2)→(3)→(2)→(3)の順に実施した。なお、実施例および比較例の各電子写真感光体において初期に設定した交流成分/直流成分および露光条件は、評価中、そのままにした。また、実施例および比較例の各電子写真感光体は、上記雰囲気になじませるため、上記雰囲気に72時間以上放置した後、評価を行った。
(1)初期の短期耐久試験
評価装置に電子写真感光体および電位測定プローブを装着し、A4用紙999枚相当の短期耐久試験を非通紙にて行った。そして、耐久試験開始時の電子写真感光体1回転分の暗部電位(初期暗部電位(初期Vd)とする)および明部電位(初期明部電位(初期Vl)とする)を測定し、999枚相当の短期耐久試験直後の1回転分の暗部電位および明部電位との変動量をみた。これらをそれぞれ初期ΔVd、初期ΔVlとする。
初期Vd(V)−999枚相当の短期耐久試験直後のVd(V)=初期ΔVd(V)
初期Vl(V)−999枚相当の短期耐久試験直後のVl(V)=初期ΔVl(V)
(2)長期耐久試験
(1)における電位測定プローブの位置に現像用カートリッジを取り付け(電位測定プローブは取り外す)、温度23℃/湿度5%RHの雰囲気でA4用紙20000枚の通紙耐久試験を行い、終了後、同雰囲気に24時間放置した。なお、20000枚の通紙耐久試験時のシーケンスはA4用紙6%印字において、1枚ごとに1回停止する間欠モード(8秒/枚)とした。
(3)長期耐久試験後の一週間放置後の短期耐久試験
電子写真感光体を温度23℃/湿度5%RHの雰囲気に放置した後、あらためて(1)と同様の999枚相当の短期耐久試験を行った。そして、耐久試験開始時の電子写真感光体1回転分のVd(放置後初期Vdとする)およびVl(放置後初期Vlとする)を測定し、999枚相当の短期耐久試験直後の1回転分のVdおよびVlとの変動量をみた。これらをそれぞれ放置後初期ΔVd、放置後初期ΔVlとする。
放置後初期Vd(V)−999枚相当の短期耐久試験直後のVd(V)=放置後初期ΔVd
放置後初期Vl(V)−999枚相当の短期耐久試験直後のVd(V)=放置後初期ΔVl
(1)の工程で得られた初期Vdおよび初期Vlと、2回目の(3)の工程で得られた放置後初期Vdおよび放置後初期Vlとの変動量をみた。これらをそれぞれ長期使用後ΔVd、長期使用後ΔVlとする。
初期Vd(V)−放置後初期Vd(V)=長期使用後ΔVd
初期Vl(V)−放置後初期Vl(V)=長期使用後ΔVl
評価結果を表3に示す。
Figure 2009282302
(実施例11〜19、比較例25、26)
実施例1において、電荷輸送層に用いた電荷輸送物質を表4に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2009282302
Figure 2009282302
(実施例20、21)
実施例1、13において、それぞれ、電荷発生層用塗布液の調製を以下に示すとおりに行った以外は、実施例1、13と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表6に示す。
・電荷発生層用塗布液の調製
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピ−クを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)5部を、シクロヘキサノン95部にポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。その後、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃の雰囲気下で2時間分散した。分散後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
(実施例22、23)
実施例1、13において、それぞれ、中間層用塗布液の調製を以下に示すとおりに行った以外は、実施例1、13と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表6に示す。
・中間層用塗布液の調製
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ(株)製)20部をn−ブタノール180部に65℃で加熱溶解させた。その後、メンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業(株)製)で濾過し、濾液を密閉容器中で5℃、5日間の環境で静置保管し、ゲル化したポリアミド樹脂を得た。次に、そのゲル化したポリアミド樹脂160部、エタノール65部および下記構造式(E)
Figure 2009282302
で示されるアゾ顔料1.6部を、直径0.8mmのガラスビーズ506部を用いたサンドミル装置で1500rpmで8時間分散した。分散後、ガラスビーズをメッシュ濾過により分離し、エタノール:n−ブタノール=4:1の混合液で固形分が3.0%になるように希釈することによって、中間層用塗布液を調製した。
(比較例27)
比較例24において、中間層用塗布液として実施例22で用いた中間層用塗布液を使用した以外は、比較例24と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表6に示す。
Figure 2009282302
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す図である。 例示化合物(2−1)のIRスペクトルである。 例示化合物(2−1)のH−NMRスペクトルである。 例示化合物(2−2)のIRスペクトルである。 例示化合物(2−2)のH−NMRスペクトルである。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (8)

  1. 支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する電子写真感光体において、
    該電荷輸送層が電荷輸送物質として下記一般式(1)で示される化合物および下記一般式(2)で示される化合物を含有し、該電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の総量が該電荷輸送層の全質量に対して40〜65質量%であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2009282302
    (一般式(1)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基または3,4−ジメチルフェニル基を示す。)
    Figure 2009282302
    (一般式(2)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基または3,4−ジメチルフェニル基を示す。)
  2. 前記一般式(1)中のArとArとが同じ基であり、前記一般式(2)中のArとArとが同じ基である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(1)中のArおよびArならびに前記一般式(2)中のArおよびArがすべて4−メチルフェニル基である請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷輸送層中の前記一般式(1)で示される化合物(A)と前記一般式(2)で示される化合物(B)との質量比(A/B)が1/4.5以上で2.5/1以下である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記電荷発生層が、電荷発生物質として、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形であるヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記電子写真感光体が前記支持体と前記電荷発生層との間に中間層を有し、該中間層が下記一般式(3)で示されるアゾ顔料を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 2009282302
    (一般式(3)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、置換または無置換のアリール基を示す。)
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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