JP2009281532A - 固体潤滑転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体潤滑転がり軸受の作動初期にも固体潤滑剤の供給量が充分であるようにして、軸受回転トルクを作動初期から低く安定させること。
【解決手段】内輪1と外輪2の間で保持器3によって回転自在に保持される複数の転動体4について、その1以上の転動体が固体潤滑剤を含有する複合材からなる深溝玉軸受型の固体潤滑転がり軸受であり、その保持器3は、表面のうち少なくとも転動体4との摩擦面を形成する表層部の固体潤滑皮膜3aを、固体潤滑剤で形成するか、または固体潤滑剤を含む複合材で形成する。複数のボール型の転動体4は、軸受荷重が負荷される負荷転動体4aと、これより小径で軸受荷重が負荷されない1以上の非負荷転動体4bからなり、非負荷転動体4bは固体潤滑剤を含有する複合材で形成する。このような固体潤滑転がり軸受をテンタクリップ支持用固体潤滑転がり軸受として用いる。
【選択図】図2

Description

この発明は、固体潤滑転がり軸受に関し、例えばフィルム延伸機のテンタクリップの支持用転がり軸受のように高温の使用条件に耐える固体潤滑転がり軸受に関する。
高温の使用条件に耐える転がり軸受の一例としてフィルム延伸機のテンタクリップ用軸受が知られている。
図5および図6を利用して説明すると、フィルム延伸機11は、溶融押出し機14により押出された樹脂の原反シート13を調製する際、原反シート13の縁部を複数のテンタクリップで挟んで保持し、原反シート13を広げるように引張りながら搬送して、連続的に延伸する機能を有する。
テンタクリップは、ガイドレールにガイドローラとしての外輪回転の転がり軸受を介して支持され、フィルム搬送用のガイドレールに沿って所定区間を周回し、繰り返して上記延伸工程に使用される。
このような延伸工程では、被処理フィルムを、例えば150〜250℃程度の所要温度に保持するので、このような高温使用条件に耐えるテンタクリップの機構部には、耐熱性に優れた転がり軸受が使用されている。
従来のテンタクリップの機構部には、潤滑グリースを封入した転がり軸受を用いることが知られており、このような転がり軸受には潤滑油や潤滑グリースの封入にシール構造が重要な機能を果たしている(特許文献1)。
しかし、高温の使用条件ではゴム製シールの弾性が低下し、シールに必要ないわゆるラビリンス構造を維持できなくなる。また潤滑油やグリースは、粘度が低下し、基油や増ちょう剤その他の添加剤が熱分解するなどの不安定要因が生じやすく、安定した転がり軸受の低トルク回転が望めなくなる懸念があった。
高温雰囲気でも安定した作動が求められる転がり軸受の潤滑方式としては、上記した油潤滑やグリース潤滑に代えて固体潤滑方式が採用できる。
例えば、固体潤滑転がり軸受用の固体潤滑剤として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが周知であるが、これは300℃を超える温度では熱分解する等の理由により使用温度の限界は金属系固体潤滑剤に比べると低いものである。
PTFEより高温の条件でも使用できる固体潤滑剤としては、二硫化タングステンや二硫化モリブデンなどの金属系固体潤滑剤が知られており、これらを転動体の表面に潤滑被膜として設けた固体潤滑転がり軸受も知られている(特許文献2、特許文献3)。
また、転がり軸受の転動体が、軸受荷重が負荷される負荷転動体と、これより小径で軸受荷重が負荷されない非負荷転動体からなり、非負荷転動体の1つ以上が二硫化タングステンを90体積%以上含有する焼結材で形成され、さらに内輪と外輪の表面に二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンからなる固体潤滑皮膜を設けた例が知られている(特許文献4)。
特開2007−232089号公報 特開2008−014394号公報 特開2005−048852号公報 特開2005−133881号公報
しかし、上記した従来の固体潤滑転がり軸受について、非負荷転動体の1つ以上が二硫化タングステンを含有する焼結材で形成され、さらに内輪と外輪の表面に二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンからなる固体潤滑皮膜を設けたものでは、転がり軸受の作動初期に、非負荷転動体から摩擦面に供給される固体潤滑剤の量が不充分になりやすく、軸受回転トルクを作動初期に低く安定させることが難しいという問題点がある。
また、このような転がり軸受が、テンタクリップの支持軸受として使用された場合、始動時に複数の転がり軸受の回転トルクが異なる状態になることが予想され、その際にはそれぞれのテンタクリップの走行速度が異なるために安定した張力でフィルムを延伸できず、そのため延伸フィルムに歪みなどが生じ、安定した品質で製造できないことにもなる。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、固体潤滑転がり軸受の作動初期にも固体潤滑剤の供給量が充分であるようにして、軸受回転トルクを作動初期から低く安定させることである。
また、フィルム延伸機のテンタクリップ支持用の固体潤滑転がり軸受においては、始動時から回転トルクを低く安定させ、複数のテンタクリップの走行速度を一定に安定させることである。
または、テンタクリップを支持するフィルム延伸機が、始動時から安定した延伸作用が得られるものとし、歪みのない均質なフィルムを安定して生産できるようにすることである。
上記の固体潤滑転がり軸受の課題を解決するために、内輪と外輪の間で保持器によって回転自在に保持される複数の転動体のうち、1以上の転動体が固体潤滑剤を含有する複合材からなる転がり軸受において、前記保持器が、表面を固体潤滑剤またはそれを含む複合材で形成したものである固体潤滑転がり軸受としたのである。
上記したように構成されるこの発明の固体潤滑転がり軸受は、固体潤滑剤を含有する複合材からなる転動体と、表面を固体潤滑剤またはそれを含む複合材で形成した保持器を具備しており、転動体および保持器の両方から固体潤滑剤が、始動時より途切れることなく供給されるため、内・外輪の表面などの摩擦面に移着して充分な潤滑作用を奏する。
特に、固体潤滑剤またはそれを含む複合材で形成される保持器の表面は、転動体との摩擦面となる表面であることが好ましい。
上記したように構成されるこの発明の固体潤滑転がり軸受は、固体潤滑剤を含有する複合材からなる1以上の転動体が、固体潤滑剤またはそれを含む複合材で形成された保持器の表面に接する際、接触する両面のいずれにも固体潤滑剤が含まれているため、軸受の低速回転状態でも転動体および保持器の両表面から固体潤滑剤が供給され、これが途切れることなく長時間供給されるため、内・外輪の表面などの摩擦面に移着して充分な潤滑作用を奏する。
このような良好な潤滑作用により、この発明の固体潤滑転がり軸受は、軸受回転トルクを作動初期から低く安定させることができる。
さらに転がり軸受が始動当初または間欠的に回転する際に、低トルク回転状態を充分に安定させるためには、複数の転動体が、軸受荷重が負荷される負荷転動体と、これより小径で軸受荷重が負荷されない非負荷転動体からなり、少なくとも1以上の非負荷転動体が固体潤滑剤を含有する複合材からなる前記の固体潤滑転がり軸受とすることが好ましい。
負荷転動体より小径の非負荷転動体は、負荷転動体より多く回転する場合が多い。特に転がり軸受が始動当初にあるとき、または間欠的に回転と停止を繰り返すような条件では、負荷転動体よりも小径の非負荷転動体の方が保持器に対して頻繁に摩擦接触する。
その際に、非負荷転動体表面から所要の摩擦面に二硫化タングステンまたは潤滑性の良い硫化物を供給する。
このような潤滑作用をより充分に奏させるために、非負荷転動体の直径Aが、負荷転動体の直径を1.0とした場合に0.8≦A<1.0である条件を採用することが好ましい。
非負荷転動体の直径が上記所定範囲未満の小径(A<0.8)では、非負荷転動体が負荷転動体や保持器および内・外輪に摩擦接触した際、転動体表面が接触する効率が低下して潤滑性能が低下するので好ましくなく、また転動体の遊動量が必要以上に大きくなって好ましくない。また上記所定範囲以上の大径(A≧1)では、非負荷転動体に必要以上に高荷重が負荷され、割れが発生する可能性が生じて好ましくない。
この発明に用いる固体潤滑剤は、二硫化タングステンばかりでなく、二硫化モリブデンであってもよい。
そして、上記の作用を、より長時間にわたって安定させるために、転動体を構成する固体潤滑剤を含有する複合材または保持器の少なくとも転動体との接触面を形成する複合材が、金属材中に固体潤滑剤を分散させた焼結体からなる複合材とすることが好ましい。焼結体は、内部の焼結金属の粒子間に多くの固体潤滑剤を保持することができ、固体潤滑剤の供給量を多くし、供給時間を長く持続させることができるからである。
また、固体潤滑剤を含有する複合材が、タングステン合金中に二硫化タングステンを分散させた焼結体からなる複合材である構成を採用することは、低トルクの持続性と共に耐熱性に優れた固体潤滑転がり軸受とするために好ましい。
特に、固体潤滑剤を含有する複合材が、タングステン合金中に二硫化タングステンを80体積%以上分散させた焼結体からなる複合材であることが上記の作用をより安定させるために好ましいことである。二硫化タングステン80体積%未満を含有する焼結材で形成された転がり軸受では、200℃以上の高温での耐久性が所期した程度に発揮されず、望ましい耐久性が確実に得られなくなるので好ましくない。
この発明の固体潤滑転がり軸受は、使用中に二硫化タングステン、その他の硫化物が摩擦面に適当量だけ途切れることなく供給されるので、軸受の耐久寿命が長くなる。
また、非負荷転動体が、二硫化タングステンを全体に含まれているタングステン合金系の焼結材からなることにより、長時間使用した場合に非負荷転動体の表面が多少擦り減っても二硫化タングステン、その他の硫化物からなる固体潤滑剤の摩擦面への供給は常に途切れることなく安定し、摩擦面は充分に潤滑される。
以上のように構成される固体潤滑転がり軸受は、フィルム延伸機のテンタクリップ支持用固体潤滑転がり軸受として用いることができる。または、このような固体潤滑転がり軸受を用いてテンタクリップを支持したフィルム延伸機を構成することができる。
このようにすると、始動時から回転トルクを低く安定させ、複数のテンタクリップの走行速度を一定に安定したフィルム延伸機のテンタクリップ支持用の固体潤滑転がり軸受になる。また、このようなテンタクリップを用いて始動時から安定した延伸作用が得られ、歪みのない均質なフィルムを安定して生産できるフィルム延伸機になる。
この発明は、転がり軸受において、1以上の転動体が固体潤滑剤を含有する複合材からなり、かつ保持器の表面を固体潤滑剤またはそれを含む複合材で形成した固体潤滑転がり軸受としたので、固体潤滑転がり軸受の作動初期にも固体潤滑剤の供給量が充分であり、軸受回転トルクを作動初期から低く安定させることができる利点がある。
また、フィルム延伸機のテンタクリップ支持用の固体潤滑転がり軸受においては、始動時から回転トルクが低く安定し、複数のテンタクリップの走行速度を一定に安定させることができる利点がある。
または、テンタクリップを支持するフィルム延伸機が、始動時から安定した延伸作用があるものになり、歪みのない均質なフィルムを安定して生産できるようになる利点がある。
この発明の実施形態の固体潤滑転がり軸受は、特に種類や型式または大きさを限定したものではなく、代表例として深溝玉軸受等を挙げることができ、その実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1〜4に示すように、実施形態は内輪1と外輪2の間で保持器3によって回転自在に保持される複数の転動体4について、その1以上の転動体が固体潤滑剤を含有する複合材からなる深溝玉軸受型の固体潤滑転がり軸受であり、その保持器3は、表面のうち少なくとも転動体4との摩擦面を形成する表層部の固体潤滑皮膜3aを、固体潤滑剤で形成するか、または固体潤滑剤を含む複合材で形成したものである。
なお、表層部の固体潤滑皮膜3aばかりでなく、保持器全体は一体的に固体潤滑剤を含む複合材で形成されたものでもよい。
複数のボール型の転動体4は、軸受荷重が負荷される負荷転動体4aと、これより小径で軸受荷重が負荷されない1以上の非負荷転動体4bからなり、非負荷転動体4bが固体潤滑剤を含有する複合材で形成されている。
固体潤滑剤を含む複合材で転動体4を形成するには、焼結性金属マトリクス中に固形潤滑剤を分散状態に配合して、この複合化された焼結材料を多面体状に形成し、次いでこれをバレル加工機などによって球形状に研摩加工して製造できる。非負荷転動体の直径Aは、負荷転動体の直径を1.0とした場合に0.8≦A<1.0に調整されることが、前述したように転動体の接触効率などの点で好ましい。
固体潤滑剤の種類については、転がり軸受の用途に対応させて選択すればよく、例えば高分子化合物であるPTFEその他のフッ素化合物、または二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素などの層状構造化合物、その他の非層状化合物として酸化鉛(PbO)、フッ化カルシウム(CaF2)、または軟質金属である鉛、錫、金、銀、銅などが挙げられる。
保持器3の表面を固体潤滑剤で形成するには、表面部分に固体潤滑皮膜を周知の手法によって形成すればよく、具体的にはそのような固体潤滑皮膜をタンブリングまたはスパッタリングによって形成することができる。そのようにして形成された固体潤滑皮膜は、表面から剥がれ難く、安定した膜厚で形成され、始動初期から潤滑性能がよい。
また、保持器3の全体または表面部分に固体潤滑剤を含む複合材を設けるには、固体潤滑剤を配合した粉末焼結材料を用いて全体を焼結成形するか、または保持器素材の表層だけに複合焼結成形することにより設けることができる。
好適な焼結材料の例としては、二硫化タングステンを80体積%以上含有するタングステン合金を用いた焼結材からなるもの、より好ましくは二硫化タングステンを90体積%以上含有するタングステン合金を用いた焼結材で形成された物が挙げられる。
複合材料の焼結材中の主成分になる金属マトリクスは、二硫化タングステンであるが、その他に含有される金属材料としては、例えばタングステン(W)が挙げられ、その他にも銅(Cu)、スズ(Sn)、カーボン(C)などが挙げられる。
上記した実施形態の固体潤滑転がり軸受は、二硫化タングステンなどの固体潤滑剤を含有するタングステン合金などの複合材からなる転動体と、表面を二硫化タングステンまたはそれを含むタングステン合金などの複合材で形成した保持器の両方から固体潤滑剤が途切れることなく長時間供給されるため、内・外輪の表面などの摩擦面には移着した固体潤滑剤による充分な潤滑作用が奏される。
図5に示すようにフィルム延伸機は、上記した実施形態の固体潤滑転がり軸受をテンタクリップ支持用固体潤滑転がり軸受として用いたものである。
フィルム延伸機11は、熱可塑性高分子化合物12を溶融して未延伸状態のフィルム13として押し出す押出し機14と、押し出されたフィルム13を受ける冷却ドラム15と共に、次の各工程を行う手段を備えている。
すなわち、冷却ドラム15で冷却されたフィルム13を送る送りローラ16と、この送りローラ16で送られるフィルム13に調湿処理を施す水槽17と、この水槽17で調湿処理されたフィルム13を挟み込んで表面の水滴を除去する水切り装置18とを備える。
また、水切り処理後のフィルム13を縦および横方向に2軸延伸する2軸延伸機19と、この2軸延伸機19で形成されたフィルム13を巻き取る回収ローラ20とを備える。
2軸延伸機19の構成要素として、図6に示す横延伸装置30を設け、この横延伸装置30にテンタクリップ21を備えている。
横延伸装置30は、送られて来る帯状のフィルム13の進行方向の両側に配置され、進行方向に向かって徐々に広がるように配置されたガイドレール22、23と、それぞれローラ鎖状に連結され、ガイドレール22、23上をラインの進行方向に循環する複数個のテンタクリップ21とを備えている。
テンタクリップ21は、フィルム13の端部をバネ力などで弾性的に掴むグリップ部24と、閉ループで構成されたガイドレール22、23上を外輪回転で転動するガイドローラとなる転がり軸受25、26、27とを有する。
このテンタクリップ21は、グリップ部24でフィルム13の両端を掴んだ状態でガイドレール22、23に沿って進行方向に進み、フィルム13を幅方向に延伸させる作用がある。ガイドレール22、23には、そのガイド面を水平方向に向けたレール22と、垂直方向に向けたレール23との2種類がある。
テンタクリップ21のガイド軸受25、26、27は、テンタクリップ21を各ガイドレール22、23に沿って転がり案内する役割を担う。水平方向のガイド面を転動するガイド軸受25、26は水平方向(横姿勢)の固定軸(図中、一点鎖線で示す。)に設置され、垂直方向のガイド面を転動するガイド軸受27は、垂直方向(縦姿勢)の固定軸(図中、一点鎖線で示す。)に設置されている。
したがって、これら各ガイド軸受25、26、27は、いずれも外輪が回転するものである。この横姿勢および縦姿勢の固定軸に取付けられたガイド軸受25、26、27の両方またはいずれか一方のものとして、図1〜4に示した実施形態の転がり軸受が用いられる。
このような態様により、所定構造の転がり軸受を用いてテンタクリップを支持するフィルム延伸機が、その転がり軸受について、転動体および保持器の両方から固体潤滑剤が、始動時より途切れることなく供給されるため、内・外輪の表面などの摩擦面が充分に潤滑され、フィルム延伸機の始動時から安定した延伸作用が奏され、歪みのない均質なフィルムを安定して生産できる。
SUS440C製の深溝玉軸受(NTN社製:SEB08)の複数の転動体を、軸受荷重が負荷される負荷転動体(直径4mm)と軸受荷重が負荷されない非負荷転動体(直径3.9mm)で構成し、非負荷転動体はタングステン合金中に二硫化タングステン90体積%以上を分散させた焼結材(富士ダイス社製:FWD−CuCoで二硫化タングステンの含有量を90体積%としたもの)をバレル加工機で球形に研摩加工して前記直径の非負荷転動体とした。
得られた非負荷転動体の1つを保持器に組み込み、その他の転動体は、軸受荷重が負荷される通常の鋼球製の転動体とした。非負荷転動体の直径Aは、負荷転動体の直径を1.0とした場合に0.9とし、保持器の表面は、転動体との摩擦面を含めて全面に、二硫化モリブデン(MoS2)をスパッタリングにて全面被覆し、これらの部品を組み付けて実施例1の深溝玉軸受を作製した。
実施例1において、保持器の表面は、転動体との摩擦面のみに、二硫化モリブデン(MoS2)をスパッタリングにて全面被覆したこと以外は全く同様にして保持器を調製し、その他の部品を組み付けて実施例2の深溝玉軸受を作製した。
実施例1において、保持器をタングステン合金中に二硫化タングステン90体積%以上を分散させた立方体状の焼結材(富士ダイス社製:FWD−CuCoで二硫化タングステンの含有量を90体積%としたもの)を用いて焼結成形にて製造し、それ以外は実施例1と全く同様にして保持器を調製し、その他の部品を組み付けて実施例3の深溝玉軸受を作製した。
実施例3において、保持器および非負荷転動体をタングステン合金中に二硫化タングステン80体積%を分散させた立方体状の焼結材(富士ダイス社製:FWD−CuCoで二硫化タングステンの含有量を80体積%としたもの)を用いて焼結成形にて製造し、それ以外は実施例3と全く同様にして保持器を調製し、その他の部品を組み付けて実施例4の深溝玉軸受を作製した。
得られた実施例1〜4の固体潤滑転がり軸受について、外輪回転の条件で200℃の雰囲気で間欠的に始動する実験を繰り返し行なったところ、軸受回転トルクが作動初期から低く安定させることができることが判明した。
実施形態を示す転がり軸受の要部平面図 実施形態を示す転がり軸受の要部断面図 図2のIII−III線断面図 図2のIV−IV線断面図 実施形態フィルム延伸機の概略構成図 実施形態のフィルム延伸機のテンタクリップ周辺部を示す断面図
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 保持器
3a 固体潤滑皮膜
4 転動体
4a 負荷転動体
4b 非負荷転動体
11 フィルム延伸機
12 熱可塑性高分子化合物
13 フィルム(原反シート)
14 押出し機
15 冷却ドラム
16 送りローラ
17 水槽
18 水切り装置
19 2軸延伸機
20 回収ローラ
21 テンタクリップ
22、23 ガイドレール
24 クリップ部
25、26、27 転がり軸受
30 横延伸装置

Claims (10)

  1. 内輪と外輪の間で保持器によって回転自在に保持される複数の転動体のうち、1以上の転動体が固体潤滑剤を含有する複合材からなる転がり軸受において、
    前記保持器が、表面を固体潤滑剤またはそれを含む複合材で形成されたものであることを特徴とする固体潤滑転がり軸受。
  2. 固体潤滑剤またはそれを含む複合材で形成される保持器の表面が、転動体との摩擦面である請求項1に記載の固体潤滑転がり軸受。
  3. 複数の転動体が、軸受荷重が負荷される負荷転動体と、これより小径で軸受荷重が負荷されない非負荷転動体からなり、少なくとも1以上の非負荷転動体が固体潤滑剤を含有する複合材からなる請求項1または2に記載の固体潤滑転がり軸受。
  4. 非負荷転動体の直径Aが、負荷転動体の直径を1.0とした場合に0.8≦A<1.0である請求項3に記載の固体潤滑転がり軸受。
  5. 固体潤滑剤が、二硫化タングステンまたは二硫化モリブデンである請求項1〜4のいずれかに記載の固体潤滑転がり軸受。
  6. 固体潤滑剤を含む複合材が、金属材中に固体潤滑剤を分散させた焼結体からなる複合材である請求項1〜5のいずれかに記載の固体潤滑転がり軸受。
  7. 固体潤滑剤を含有する複合材が、タングステン合金中に二硫化タングステンを分散させた焼結体からなる複合材である請求項6に記載の固体潤滑転がり軸受。
  8. 固体潤滑剤を含有する複合材が、タングステン合金中に二硫化タングステンを80体積%以上分散させた焼結体からなる複合材である請求項7に記載の固体潤滑転がり軸受。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の固体潤滑転がり軸受からなるフィルム延伸機のテンタクリップ支持用固体潤滑転がり軸受。
  10. 請求項9に記載の固体潤滑転がり軸受を用いてテンタクリップを支持したフィルム延伸機。
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