JP4526304B2 - 転がり軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、非接触シールを有し外輪回転で用いられる転がり軸受であって、例えば、フィルム延伸機のテンタクリップ用軸受等のように、低トルク性が必要で、外部からの飛散油の流入等による内部グリースの流出が軸受寿命に影響を及ぼすような使用条件で用いられる転がり軸受に関する。
シール付きの転がり軸受はグリース等の潤滑剤が封入されており、外部からの潤滑の必要がないことから広く使用され、多くのシールが案出,実用化されている。シールに要求される性能は、外部からの異物の侵入と軸受内部に封入されている潤滑剤の漏洩を防ぐことにある。また、近年、軸受に対する省燃費(低トルク化),小型,高性能の要求がますます強くなっている。特にシール設計においては、軸受運転トルクを増大しないように、シールリップの接触を軽微に保ち、あるいは非接触としながら、一方ではシール性能を向上させて行く必要がある。
従来技術の一つとして、外輪に取付けられた芯金付きのシール部材の内径端付近に、内輪の外周面に形成されたV溝に対峙する肉厚のリップ部を形成し、このリップ部の先端部を境として内外両側面に凹面部を形成することにより、シールリップ部と内輪の外周面との間の隙間が、軸方向に向けて狭−広−狭−広−狭となるラビリンスを形成するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1)。
このような構成の転がり軸受を、例えばフィルム延伸機のテンタクリップ用軸受として用いた場合に、転がり軸受は縦軸に使用されることになるが、テンタクリップ等に付着した潤滑油が飛散して軸受のシール部材と内輪の間のシール隙間を通って軸受内部に入り込む。そのため、グリースが軟化して軸受外へ流出することがある。また、グリースは侵入してくる油よりも比重が重いために、油が侵入すると外部への流出が生じ易い。グリースの流出は、軸受性能の低下を来す要因となるので好ましくない。流出したグリースが軸受周辺部を汚すことがある。
これに代わるものとして、図4のようにシール部材45の外側面に、油溜まり部46を形成したものが提案されている(例えば特許文献2)。このようにシール部材45の外側面に油溜まり部46を形成することにより、シール部材45に落下した油が、油溜まり部46で保持され、外輪42の回転に伴ってシール部材45が回転するため、油溜まり部46に保持された油は遠心力で外径側に振り切られる。以上から、軸受の停止中および運転中を問わず、油がシール部材45と内輪41の間のシール部を通って軸受内部に入り込むことを回避できる。
実公昭41−726号公報 特開2003−148495号公報 特開2002−333032号公報
従来の図4の転がり軸受では、シール部材45の外側面の略全体を油溜まり部46としているため、それだけシール部材45の位置が軸受内側に偏ることになり、軸受内部でのグリース保持量が減少し、軸受性能の低下を来たす要因となるので好ましくない。
また、組付けの都合上からシール部材45の芯金47の内径寸法に制約があり、芯金47のない弾性体のリップ部45aを有した構造となっているが、このリップ45aが回転に伴って軸方向に振れ、グリース漏れを生じる恐れがある。グリース漏れは、軸受性能の低下を来たす要因となると共に、漏れグリースによる軸受周辺の汚れの問題を招く。
さらに、シール部材45の内側面に付着したグリースが軌道面41a,42aの潤滑に寄与しておらず、この点でも軸受性能の低下を招くことになる。
なお、従来、接触シール付きの転がり軸受において、図5に示すように、この発明の実施形態におけるシールと外見的には似たものがあるため(特許文献3)、参考のためにここで説明する。図5の例は、シール部材55の内径端にくびれ部57を設けると共に、複数のリップ56a,56bを設けて、シール部材内径端と内輪51のシール溝59との間に内外方向に並ぶ複数の狭まり部を形成したものである。しかし,この従来例は、リップ56a,56bを内輪51に接触させる接触式のシールであって、くびれ部57は接触圧を弱めるために設けられたものであり、本願発明のように外側の側面を油溜まりに利用するものではない。また内輪回転であるため、くびれ部57の外側に油が溜まった場合の遠心力による排出作用も生じない。このように、同図の従来例は、その作用,効果,使用形態等が本館発明とは全く異なるものである。
この発明の目的は、内部封入グリースの漏れ量を少なくすると共に、軸受内部でのグリース保持量も増大させて、軸受寿命を向上させることのできる外輪回転型の非接触型シール付きの転がり軸受を提供することである。
この発明の他の目的は、密封性を向上させることである。
この発明のさらに他の目的は、シール部材の内側面に付着したグリースを潤滑に再利用可能とすることである。
この発明の転がり軸受は、軸受空間を密封する非接触型のシールを有し、このシールは外輪に取付けられて内径側端が内輪に近接するものであり、外輪回転で用いられる転がり軸受において、前記シールの内径端付近に、シールの外側の側面が環状溝となる断面形状のくびれ部を設け、前記シールの内側の側面に、それぞれ環状溝からなるグリース溜まりを径方向に並べて2箇所に設け、その外径側のグリース溜まりの外径寸法を、外輪の内径寸法よりも小さくし、内径側のグリース溜まりは、溝底部分から内径側へ向かうに従って軸受内側へ傾斜するテーパ状の壁面と、前記溝底部分から外径側へ向かうに従って軸受内側へ傾斜するテーパ状の壁面とを有することを特徴とする。
この構成によると、縦姿勢のガイド軸受等として用られた場合に、上方の機器から滴下した油が上側のシールの側面に落下しても、この油がくびれ部の環状溝に保持され、軸受内部に油が流入することが防止される。くびれ部の環状溝に保持された油は、外輪回転中のシールの回転により外径側に振り切られるため、くびれ部の油溜まり機能が逐次回復される。したがって、油の軸受内部への侵入を簡単な構造で長期間安定して阻止することができ、油の侵入による内部封入グリースの軟化や比重差による漏れを少なくすることができる。
くびれ部は、シールの内径端付近に限って設けられているので、くびれ部の形成のためにシールにおける軸受内側に偏る部分が少なくなる。したがって、それだけ軸受内部でのグリース保持量も増大させることができ、軸受寿命を向上させることができる。
前記シールの外側の側面における前記環状溝は、外径側の溝側壁面をテーパ状としても良い。
外径側の溝側壁面がテーパ状であると、くびれ部に保持された油が外輪回転時に効率良く外径側へ放出される。そのため、くびれ部の油溜まりとしての機能の回復を早めることができる。
前記シールは、内径側端の断面形状を、このシール内径側端と内輪の外径面との間で形成されるラビリンスシール隙間に、隙間寸法の狭まり部が、内外方向に並んで3箇所に形成される形状としても良い。
これによりラビリンスシール隙間は、狭い部分、広い部分、狭い部分、広い部分と変化した断面形状となる。このような隙間寸法の変化により、ラビリンスシール隙間からのグリース漏れがより確実に防止される。
前記シールは、例えば、環状の芯金にゴム状部材を一体に固着したものであって、前記ゴム状部材が芯金よりも内径側に延びる芯金無しゴム部分を有するものとされる。この場合に、この芯金無しゴム部分の重心の軸方向位置を、前記くびれ部の断面の中心よりも軸受内側としても良い。
このように芯金無しゴム部分の重心の軸方向位置を、前記くびれ部の断面の中心よりも軸受内側に設定することで、外輪回転時に芯金無しゴム部分に作用する遠心力は芯金無しゴム部分を内側へ撓ませるように作用する。そのため、外輪回転時にシールの内径側端が軸受外側へ振れることが抑制され、振れによってシール内径端と内輪外径面との間の隙間が増減して起きるポンプ効果が低減する。このため、ポンプ効果によるグリース漏れを抑制することができる。
前記シールの内側の側面には、それぞれ環状溝からなるグリース溜まりを径方向に並べて2箇所に設け、その外径側のグリース溜まりの外径寸法を、外輪の内径寸法よりも小さくしている。
グリース溜まりの外径寸法が外輪の内径寸法よりも小さくしてあると、グリース溜まり内のグリースが外輪回転時の遠心力により徐々に外輪軌道面に供給される。そのため、グリース溜まりのグリースを軌道面の潤滑に効率的に寄与させることができる。
この発明の転がり軸受は、例えば、フィルム延伸機のテンタクリップ用軸受として縦姿勢で用いられるものとしても良い。特に、フィルム延伸機の2軸延伸機におけるテンタクリップの縦姿勢のガイド軸受として用いても良い。
テンタクリップ用軸受では、上方のガイドレールやテンタクリップから滴下した油が転がり軸受の上側のシールの側面に落下することがあるが、このような落下油が軸受内に侵入することが防止される。
この発明の転がり軸受は、軸受空間を密封する非接触型のシールを有し、このシールは外輪に取付けられて内径側端が内輪に近接するものであり、外輪回転で用いられる転がり軸受において、前記シールの内径端付近に、シールの外側の側面が環状溝となる断面形状のくびれ部を設け、前記シールの内側の側面に、それぞれ環状溝からなるグリース溜まりを径方向に並べて2箇所に設け、その外径側のグリース溜まりの外径寸法を、外輪の内径寸法よりも小さくし、内径側のグリース溜まりは、溝底部分から内径側へ向かうに従って軸受内側へ傾斜するテーパ状の壁面と、前記溝底部分から外径側へ向かうに従って軸受内側へ傾斜するテーパ状の壁面とを有するため、外輪回転時の内部封入グリースの漏れ量を少なくすると共に、軸受内部でのグリース保持量も増大させて、軸受性能を向上させることができる
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。同図は主な使用形態と合致するように、軸心を縦姿勢として図示してある。この転がり軸受は、内輪1と外輪2の軌道面1a,2aの間に、複数の転動体3を介在させ、これら転動体3を保持する保持器4を設け、両側に軸受空間を密封する非接触型のシール部材5を設けたものである。転動体3は例えばボールからなり、この場合、軸受はシール付きの深溝玉軸受とされている。シール部材5は、環状の芯金6とこの芯金6に一体に固着されるゴム状部材7とで構成され、外輪2の内周面に形成されたシール取付溝8に外周部が嵌合状態に固定される。ゴム状部材7は合成ゴムからなり、芯金6は鋼板製とされる。内輪1は各シール部材5の内径部に対応する位置に、円周溝からなるシール溝9が形成され、シール部材5の内径側端と内輪1のシール溝9との間にラビリンスシール隙間10が形成される。シール取付溝8およびシール溝9は旋削仕上げとされている。
図1(B)に拡大して示すように、シール溝9は、底面9aが円筒面状の平坦面に形成され、シール溝内側壁9bおよびシール溝外側壁9cは、いずれも傾斜面とされている。内輪1のシール溝9よりも軸受内側の肩部外周面1cは、シール溝9の軸受内側の肩部外周面1bよりも低く、つまり小径に形成されている。シール部材5のゴム状部材7は、芯金6の内周端から内径側へ延びる芯金無しゴム部分7aを有し、この芯金無しゴム部分7aに、外側の側面が環状溝15となる断面形状のくびれ部11が設けられている。このくびれ部11を形成する環状溝15の外径側の溝側壁面15aは、テーパ状とされている。芯金無しゴム部分7aの内径部は、内径側および軸受外側へそれぞれ延びるセンターリップ12aおよびダストリップ12bの2枚のシールリップに形成されている。ダストリップ12bは、センターリップ12aを基端として軸受外側へ延びている。センターリップ12aは、軸受内側へ延びてシール溝内側壁9bと非接触の状態を保っている。このように、センターリップ12aを軸受内側に延ばすことにより、芯金無しゴム部分7aの重心の軸方向位置を、くびれ部11の断面の中心、詳しくはくびれ部11の溝底部分の断面の中心よりも軸受内側に偏らせている。
シール部材5の内径端側と内輪1の外径面との間で形成されるラビリンスシール隙間10には、芯金無しゴム部分7aの内径部に形成される両リップ12a,12bの形状により、隙間寸法の狭まり部10a〜10cが、内外方向に並んで複数箇所に形成されている。具体的には、ダストリップ12bと内輪1の外径面との間に第1の狭まり部10aが形成され、センターリップ12aと内輪1のシール溝外側壁9cとの間に第2の狭まり部10bが形成され、センターリップ12aと内輪1のシール溝内側壁9bとの間に第3の狭まり部10cが形成されている。最外部の狭まり部10aは他の狭まり部10b,10cより狭くされている。これにより、ラビリンスシール隙間10には、狭い箇所,広い箇所を1組の広狭変化部として、3つの広狭変化部が形成されている。
同図(A)に示すように、シール部材5の内側の側面には、径方向に並ぶ2箇所に、それぞれ環状溝からなるグリース溜まり13a,13bが設けられている。これら両グリース溜まり部13a,13bのうち、外径側のグリース溜まり13aの外径寸法は、外輪2の内径寸法よりも小さくされている。
この構成の転がり軸受によると、シール部材5の内径端付近にくびれ部11の形成により環状溝15を設けたので、油の滴下が生じる箇所で縦姿勢で使用されても、軸受上に滴下した油が環状溝15に保持される。そのため、ラビリンスシール隙間10を通じて軸受内部に流入することが防止される。環状溝15に保持された油は、外輪回転中のシール部材5の回転により外径側に振り切られるため、環状溝15の油溜まり機能は逐次回復される。環状溝15の外径側の溝側壁面15aが上記のようにテーパ状とされていると、より効率良く外径側へ放出されることになり、くびれ部11の油溜まり機能の回復を早めることができる。
このように、油の軸受内部への侵入を、くびれ部11の形成という簡単な構造で長期間安定して阻止することができて、外輪回転時の内部封入グリースの漏れ量を少なくすることができる。また、くびれ部11は、シール部材5の内径端付近に限って設けられているので、シール部材5の外面に油溜まりを形成するために生じるシール部材5の軸受内側への偏り部分が少なくできる。したがって、シール部材5の偏りよる内部空間の狭まりが緩和されて、軸受内部のグリース保持量も増大させることができ、軸受寿命を向上させることができる。
また、シール部材5の内径側端の断面形状を、シール部材内径端と内輪1の外径面との間で形成されるラビリンスシール隙間10に、隙間寸法の狭まり部10a〜10cが、内外方向に並んで形成される形状としているので、ラビリンスシール隙間10に、狭い箇所,広い箇所を1組の広狭変化部として、複数(この実施形態では3つ)の広狭変化部が形成される。このようにラビリンスシール隙間10が広狭の変化を繰り返し生じているため、ラビリンスシール隙間10からのグリース漏れの防止性が高められる。したがって、グリース漏れによる周辺の汚損が防止される。
例えば、フィルム延伸機のテンタクリップ用軸受では、ガイドレールの潤滑に使用される油が軸受内に侵入すると、軸受内に封入されている比重の重いフッ素グリースが漏れて製品を汚損することになるが、このようなグリース漏れによる汚損が、上記のラビリンスシール隙間10の広狭の変化によって防止される。
また、シール部材5における芯金無しゴム部分7aの重心の軸方向位置を、くびれ部11の断面の中心よりも軸受内側に偏らせているので、外輪回転時にシール部材5の内径部先端が軸受外側へ振れることを抑制できる。そのため、振れによりシール部材5内径端とシール溝9との間の隙間10が増減して起きるポンプ効果を低減し、ポンプ効果によるグリース漏れの助長を抑制することができる。
シール部材5の内側の側面については、それぞれ環状溝からなるグリース溜まり13a,13bを径方向に並べて設け、その外径側のグリース溜まり13aの外径寸法を、外輪2の内径寸法よりも小さくしているので、グリース溜まり13a,13b内のグリースを外輪回転時の遠心力により徐々に軌道面2aに供給できる。そのため、グリース溜まり13a,13bのグリースを軌道面1a,2aの潤滑に寄与させることができる。
グリース漏れ難さの確認試験例を説明する。
この実施形態の転がり軸受と従来品とについて、軸受内部にグリースを1.00gr封入後、油を0.10gr滴下させた後に、シール部材を取付け、回転試験を開始してグリース漏れ量を測定した。その結果を〔表1〕に示す。試験条件は次の通りである。
・試験軸受:#6202/40 (φ15×φ40×11)
・回転:外輪回転、回転速度:4000rpm
・雰囲気温度:150℃
・軸受の方向:竪軸
・軸受負荷荷重:Fr=500N
・試験時間72時間
この試験結果から、この実施形態の転がり軸受のグリース漏れ量は、従来品に対して、平均で約55%減少しており、グリース漏れ低減の効果が確認できた。
図2,図3は、この発明の転がり軸受を適用するフィルム延伸機の一例を示す。図2に概略図で示すように、このフィルム延伸機21は、熱可塑性高分子化合物22を溶融して未延伸状態のフィルム23として押し出す押出し機24と、押し出されたフィルム23を受ける冷却ドラム25と、次の各工程を行う手段を備える。すなわち、冷却ドラム25で冷却されたフィルム23を送る送りローラ26と、この送りローラ26で送られるフィルム23に調湿処理を施す水槽27と、この水槽27で調湿処理されたフィルム23を挟み込んで表面の水滴を除去する水切り装置28とを備える。また、水切り処理後のフィルム23を縦および横方向に2軸延伸する2軸延伸機29と、この2軸延伸機29で形成されたフィルム23を巻き取る回収ローラ30とを備える。
2軸延伸機29の構成要素として、図3に示す横延伸機構40が設けられる。この横延伸機構40にテンタクリップ31が備えられる。横延伸機構40は、送られて来るシート23の左右両側に配置され、両ガイド間の間隔がラインの進行方向に向かって徐々に広くなっているガイドレール33,34と、それぞれローラ鎖状に連結され、ガイドレール33,34上をラインの進行方向に循環する複数個のテンタクリップ31とを備える。
テンタクリップ31は、フィルム23の端部を掴むグリップ部32と、閉ループで構成されたガイドレール33,34上を転動するガイド軸受35,36とを有する。このテンタクリップ31は、グリップ部32でフィルム23の両端を掴んだ状態で、ガイドレール33,34に沿って進行方向に進み、フィルム23を横方向に延伸させる役割を担う。ガイドレール33,34には、そのガイド面を水平方向に向けたレール33と、垂直方向に向けたレール34の2種類がある。テンタクリップ31のガイド軸受35,36は、テンタクリップ31を各ガイドレール33,34に沿って転がり案内する役割を担う。このガイド軸受35,36のうち、水平方向のガイド面を転動するガイド軸受35は水平方向(横姿勢)の固定軸37に設置される。垂直方向のガイド面を転動するガイド軸受36は、垂直方向(縦姿勢)の固定軸38に設置される。
この縦姿勢の固定軸38に取付けられたガイド軸受36として、図1に示した上記実施形態の転がり軸受が用いられる。
このガイド軸受36は、上方のガイドレール33やテンタクリップ31から滴下した油が軸受上側のシール部材5(図1)の上に落下することがある。上記実施形態の転がり軸受によると、このようなガイドレール33やテンタクリップ31から滴下する油が軸受内に侵入することが防止され、また軸受から漏れ出たグリースでフィルム23を汚損することが防止される。
(A)はこの発明の一実施形態である転がり軸受の断面図、(B)は同転がり軸受の一部拡大断面図である。 同転がり軸受が用いられるフィルム延伸機の概略構成図である。 同フィルム延伸機の横延伸装置におけるテンタクリップ周辺部を示す断面図である。 従来例の断面図である。 他の従来例の要部断面図である。
符号の説明
1…内輪
2…外輪
5…シール部材
6…芯金
7…ゴム状部材
7a…芯金無しゴム部分
10…ラビリンスシール隙間
10a〜10c…狭まり部
11…くびれ部
13a,13b…グリース溜まり
15…環状溝

Claims (5)

  1. 軸受空間を密封する非接触型のシールを有し、このシールは外輪に取付けられて内径側端が内輪に近接するものであり、外輪回転で用いられる転がり軸受において、前記シールの内径端付近に、シールの外側の側面が環状溝となる断面形状のくびれ部を設け、
    前記シールの内側の側面に、それぞれ環状溝からなるグリース溜まりを径方向に並べて2箇所に設け、その外径側のグリース溜まりの外径寸法を、外輪の内径寸法よりも小さくし、
    内径側のグリース溜まりは、溝底部分から内径側へ向かうに従って軸受内側へ傾斜するテーパ状の壁面と、前記溝底部分から外径側へ向かうに従って軸受内側へ傾斜するテーパ状の壁面とを有することを特徴とする転がり軸受。
  2. 請求項1において、前記シールの内径側端の断面形状を、このシール内径側端と内輪の外径面との間で形成されるラビリンスシール隙間に、隙間寸法の狭まり部が、内外方向に並んで3箇所に形成される形状とした転がり軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記シールの外側の側面における前記環状溝の外径側の溝側壁面をテーパ状とした転がり軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記シールが、環状の芯金にゴム状部材を一体に固着したものであって、前記ゴム状部材が芯金よりも内径側に延びる芯金無しゴム部分を有し、この芯金無しゴム部分の重心の軸方向位置を、前記くびれ部の断面の中心よりも軸受内側とした転がり軸受。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の転がり軸受において、フィルム延伸機のテンタクリップ用軸受として縦姿勢で用いられる転がり軸受。
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