JP2005180575A - 密封型転がり軸受 - Google Patents

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大介 國松
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Abstract

【課題】
グリース漏れおよび異物の侵入を効果的に防止した密封型転がり軸受を提供する。
【解決手段】
シール部材8の内周縁部が主リップ9と副リップ10からなる二股状に分岐して形成され、内輪3の端部外周面に形成されたシール溝11に主リップ9を摺接させた密封型転がり軸受において、シール溝11が、垂直面に対して所定の傾斜角δを有する側壁面12と、水平面に対して0〜30度の傾斜角θを有する小径面13の断面略L型に形成され、シール部材8の主リップ9が側壁面12に対向する傾斜側面9aと、これよりも径方向内方に位置し、小径面13に対向して自由状態で円筒形の内周面9bと、これら傾斜側面9aと内周面9bを繋ぐ断面略三角形をなす尖塔状の凸部9cとからなり、この凸部9cを側壁面12に摺接させると共に、副リップ10をシール溝11の小径面13に所定の径方向すきまを介して対峙させた。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車や一般モータ等の分野で使用される密封型転がり軸受、特に、水や泥水等の異物が多量に存在する環境下で使用される密封型転がり軸受に関するものである。
カーエアコン用電磁クラッチ部の軸受、あるいは車両の補機ベルトやタイミングベルト用プーリの軸受等、一般的に外輪回転をする転がり軸受においては、雨水やダスト等が軸受内部に侵入しないように強固な密封性を有する密封型転がり軸受が使用されている。一方、この種の転がり軸受において、回転トルクの増大は軸受の温度上昇や燃費に影響を及ぼすため、軸受の低トルク化が図られている。この軸受のトルクの中でもシールの摺動抵抗が支配的であるため、強固な密封性を維持しつつ、摺動抵抗を抑制した構造の密封型転がり軸受が種々提案されている。
このような密封型転がり軸受の代表的な一例を図4および図5に示す。この軸受はタイミングベルト用プーリを回転自在に支承する密封型転がり軸受50であって深溝玉軸受からなる。この密封型転がり軸受50は、内周に外側転走面51aが形成された外輪51と、外周に内側転走面52aが形成された内輪52と、両転走面51a、52a間に保持器53によって転動自在に収容されたボール54と、内外輪52、51間に形成される環状空間に装着された一対の密封板55、55とからなる。
密封板55は、図5に示すように、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成された円板状の芯金56と、この芯金56に一体に加硫接着されたシール部材57とからなる。シール部材57は、先端が二股状に分岐して形成された主リップ57aと副リップ57bとを有している。そして、密封板55は、シール部材57を介して外輪51の端部内周に嵌着され、このシール部材57を、内輪52の端部外周に形成された断面略U字形をなすシール溝58に直接摺接させている。具体的には、主リップ57aは、シール溝58の傾斜した摺動面59に摺接すると共に、副リップ57bは、小径部(シール溝の畝部)60に僅かな径方向すきまを介して対峙している。この副リップ57bの基部はくびれて形成されているため腰が弱く、主リップ57aの摩耗に伴って図中左側に追従して小径部60との径方向すきまを減少させる。したがって、主リップ57aの摩耗量が少ない状態では軸受の回転トルクを抑制すると共に、主リップ57aの摩耗に応じて、小径部60との径方向すきまがさらに減少するか、あるいは小径部60に接触して密封性を確保することができる。
ところが、この密封型転がり軸受50では、ボール54の転動によりこれに付着したグリースが保持器53の内径側で掻き落とされ、その一部がシール溝58側に押し出される。そして、押し出されたグリースによって主リップ57aが摺動面59から離れる方向に弾性変形して、主リップ57aと摺動面59との間に微小なすきまが生じる。また、グリースの攪拌抵抗等に伴う温度上昇によって軸受内部圧力が上昇することによって主リップ57aの弾性変形がさらに大きくなってグリース漏れを誘発することになる。
こうした問題を解消したものとして、図6に示した密封型転がり軸受が知られている。この密封型転がり軸受の密封板61は、円板状の芯金62と、この芯金62に一体に加硫接着されたシール部材63とからなる。シール部材63は、先端が二股状に分岐して形成されたシールリップ64とダストリップ65を有し、シールリップ64を、内輪52のシール溝58の傾斜した摺動面59に摺接させている。シールリップ64は、摺動面59に対向する傾斜側面66と、この傾斜側面66よりも径方向内方に位置してシール溝58の底面67に対向する内周面68と、これら傾斜側面66と内周面68とを連続させる曲面部69とを備えている。このうちの曲面部69を摺動面59に摺接させると共に、この曲面部69が摺動面59に当接した状態で、摺動面59と傾斜側面66とのなす角度を10〜45度に規制し、密封性悪化に結び付くシールリップ64の弾性変形を抑えグリース漏れを防止している。また、シール溝58の底面67と内周面68とのなす角度を0〜30度に規制し、シール溝58内に外部から異物が溜まるのを防止している。
特開2001−140907号公報
然しながら、この従来の密封板61において、摺動面59と傾斜側面66とのなす角度を規制してシールリップ64の弾性変形を抑えることができるものの、依然内輪52のシール溝58とシールリップ64、ダストリップ65との間の環状空間に異物が溜まり易く、ここに溜まった異物が外部に排出され難く軸受内部に侵入する恐れがあった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、グリース漏れおよび異物の侵入を効果的に防止した密封型転がり軸受を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に前記外側転走面に対向する内側転走面が形成された内輪と、これら両転走面間に回転自在に収容された転動体と、前記外輪の両端部に装着されて前記内外輪間に形成された環状空間を密封し、芯金で補強された弾性部材からなるシール部材を有する密封板とを備え、前記シール部材の内周縁部が主リップと副リップからなる二股状に分岐して形成され、前記内輪の端部外周面に形成されたシール溝に前記主リップを摺接させた密封型転がり軸受において、前記シール溝が、垂直面に対して所定の傾斜角を有する側壁面と、この側壁面の底部から軸方向に延びる小径面とからなる断面略L型に形成され、前記主リップが前記側壁面に対向して径方向外方に向かうほどこの側壁面から離れる方向に傾斜した傾斜側面と、この傾斜側面よりも径方向内方に位置し、前記シール溝の小径面に対向して自由状態で円筒形の内周面と、これら傾斜側面と内周面を繋ぐ凸部とからなり、この凸部を前記側壁面に摺接させると共に、前記副リップを前記シール溝の小径面に所定の径方向すきまを介して対峙させた。
このように、シール溝が、垂直面に対して所定の傾斜角を有する側壁面と、この側壁面の底部から軸方向に延びる小径面とからなる断面略L型に形成され、主リップが側壁面に対向して径方向外方に向かうほどこの側壁面から離れる方向に傾斜した傾斜側面と、この傾斜側面よりも径方向内方に位置し、シール溝の小径面に対向して自由状態で円筒形の内周面と、これら傾斜側面と内周面を繋ぐ凸部とからなり、この凸部を側壁面に摺接させると共に、副リップを前記シール溝の小径面に所定の径方向すきまを介して対峙させたので、シール溝加工時の切削粉がこのシール溝内に滞留することなく容易に排出でき、切削工具または研削砥石の折損を防止することができると共に、グリース漏れおよび外部からの異物の侵入を効果的に防止した密封型転がり軸受を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記側壁面が垂直面に対して0〜30度傾斜して形成されているので、主リップが弾性変形した状態で、この側壁面と主リップの傾斜側面とのなす角度を所望の角度に設定することが容易となり、軸受内部からグリースが掻き出されても、楔作用で主リップが弾性変形するのを抑制することができる。これにより、主リップの凸部と側壁面との間に微小すきまが発生するのを抑制してグリース漏れを防止することができると共に、外部からの異物の侵入するのを防止することができ密封性を向上させることができる。
また、請求項3に記載の発明は、前記小径面が水平面に対して0〜30度傾斜して形成されているので、異物がシール溝内に侵入したとしてもその排出性が良く、密封性を一層向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記副リップが前記主リップより小径に形成されているので、シール溝の小径面との所定のラビリンスすきまを確保できると共に、外部から異物が侵入し直接主リップに衝突するのを防止して主リップの耐久性を向上させる。
また、請求項5に記載の発明は、前記シール部材の凸部が断面略三角形をなす尖塔状に形成されているので、シール溝の側壁面に線接触で摺接することになり、外輪回転によって主リップ9に遠心力が生じても適度な弾性を保ちながら接触し続け、良好な密封性を発揮することができる。
また、請求項6に記載の発明は、前記側壁面の表面粗さを、最大高さRy、または、Rmaxで2.0μm以下とすると共に、前記側壁面に対して直角方向の振れを30μm以下に規制したので、リップ摺動面の絶対的な凹凸を小さく抑えることができると共に、主リップのシメシロを増大させることなくシメシロの変化を抑制することができ、摺動面に対する主リップの追従性を安定させることができる。したがって、シール部材の密封性能が一層向上する。
本発明に係る密封型転がり軸受は、内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に前記外側転走面に対向する内側転走面が形成された内輪と、これら両転走面間に回転自在に収容された転動体と、前記外輪の両端部に装着されて前記内外輪間に形成された環状空間を密封し、芯金で補強された弾性部材からなるシール部材を有する密封板とを備え、前記シール部材の内周縁部が主リップと副リップからなる二股状に分岐して形成され、前記内輪の端部外周面に形成されたシール溝に前記主リップを摺接させた密封型転がり軸受において、前記シール溝が、垂直面に対して所定の傾斜角を有する側壁面と、この側壁面の底部から軸方向に延びる小径面とからなる断面略L型に形成され、前記主リップが前記側壁面に対向して径方向外方に向かうほどこの側壁面から離れる方向に傾斜した傾斜側面と、この傾斜側面よりも径方向内方に位置し、前記シール溝の小径面に対向して自由状態で円筒形の内周面と、これら傾斜側面と内周面を繋ぐ凸部とからなり、この凸部を前記側壁面に摺接させると共に、前記副リップを前記シール溝の小径面に所定の径方向すきまを介して対峙させたので、シール溝加工時の切削粉がこのシール溝内に滞留することなく容易に排出でき、切削工具または研削砥石の折損を防止することができると共に、グリース漏れおよび外部からの異物の侵入を効果的に防止した密封型転がり軸受を提供することができる。
内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に前記外側転走面に対向する内側転走面が形成された内輪と、これら両転走面間に回転自在に収容された転動体と、前記外輪の両端部に装着されて前記内外輪間に形成された環状空間を密封し、芯金で補強された弾性部材からなるシール部材を有する密封板とを備え、前記シール部材の内周縁部が主リップと副リップからなる二股状に分岐して形成され、前記内輪の端部外周面に形成されたシール溝に前記主リップを摺接させた密封型転がり軸受において、前記シール溝が、垂直面に対して所定の傾斜角を有する側壁面と、この側壁面の底部から軸方向に延び、水平面に対して0〜30度傾斜して形成された小径面とからなる断面略L型に形成され、前記主リップが前記側壁面に対向して径方向外方に向かうほどこの側壁面から離れる方向に傾斜した傾斜側面と、この傾斜側面よりも径方向内方に位置し、前記シール溝の小径面に対向して自由状態で円筒形の内周面と、これら傾斜側面と内周面を繋ぐ断面略三角形をなす尖塔状の凸部とからなり、この凸部を前記側壁面に摺接させると共に、前記副リップを前記シール溝の小径面に所定の径方向すきまを介して対峙させた。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る密封型転がり軸受の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は図1の要部拡大図である。この密封型転がり軸受1は、タイミングベルト用プーリを回転自在に支承する軸受であって深溝玉軸受からなる。そして、内周に外側転走面2aが形成された外輪2と、外周に内側転走面3aが形成された内輪3と、両転走面2a、3a間に保持器4によって転動自在に収容されたボール5と、内外輪3、2間に形成される環状空間に装着された一対の密封板6、6とからなる。
密封板6は、図2に拡大して示すように、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成された円板状の芯金7と、この芯金7に一体に加硫接着されたシール部材8とからなる。シール部材8はゴム等の弾性部材からなり、内周縁部が二股状に分岐して形成された主リップ9と副リップ(ダストリップ)10とを有している。そして、密封板6はシール部材8を介して外輪2の端部内周に嵌着され、このシール部材8を、内輪3の端部外周に形成された断面略L型のシール溝11に摺接させている。具体的には、主リップ9はシール溝11を構成する側壁面12に摺接すると共に、副リップ10は、側壁面12の底部から軸方向に延びる小径面13に所定の径方向すきまを介して対峙している。
主リップ9は、側壁面12に対向して径方向外方に向かうほどこの側壁面12から離れる方向に傾斜した傾斜側面9aと、この傾斜側面9aよりも径方向内方に位置し、シール溝11の小径面13に対向して自由状態で円筒形をなす内周面9bと、これら傾斜側面9aと内周面9bとを繋ぐ凸部9cとからなる。この凸部9cは断面略三角形をなす尖塔状に形成されている。そして、主リップ9が内輪3の軸方向外方に弾性変形した状態で、この凸部9cがシール溝11の側壁面12に摺接している。このように、凸部9cが断面略三角形をなす尖塔状に形成されているので、シール溝11の側壁面12に線接触で摺接することになり、外輪回転によって主リップ9に遠心力が生じても適度な弾性を保ちながら接触し続け、良好な密封性を発揮することができる。
また、凸部9cが側壁面12に摺接した状態では、側壁面12と傾斜側面9aとのなす角度が30〜40度の範囲になるように設定されている。このように、主リップ9が弾性変形した状態で、この側壁面12と主リップ9の傾斜側面9aとのなす角度を30〜40度の範囲に設定されているので、ボール5を保持した保持器4からグリースが掻き出されても、楔作用で主リップ9が弾性変形するのを抑制することができ、凸部9cと側壁面12との間に微小すきまが生じ難い。なお、本実施形態では、シール溝11の側壁面12が垂直面に対して0〜30度の傾斜角δをもって形成されている。これにより、側壁面12と主リップ9の傾斜側面9aとのなす角度を所望の角度に設定することが容易となる。
なお、側壁面12と主リップ9の傾斜側面9aとのなす角度が30度未満になると、シール溝11にグリースが押し出された場合、発生する楔作用によって反って凸部9cと側壁面12との間に微小すきまが生じ易くなる。逆にこの角度が40度を超えると、シール部材8の端縁部で傾斜側面9aが形成された部位の剛性が低下して凸部9cと側壁面12との間に微小すきまが生じ易くなる。
また、主リップ9が弾性変形した状態で、小径面13と内周面9bとのなす角度が10〜20度の範囲になるように設定されている。これにより、外部から侵入した異物がこの内周面9bに接触して主リップ9を側壁面12から離反させる方向に押圧することがなく、常時安定して主リップ9の凸部9cを側壁面12に所定の弾性力にて摺接させることができる。
副リップ10は、前記主リップ9から環状の凹所14を介して側壁面12に対向配置され、その内周面10aはシール溝11の小径面13に対向して自由状態で円筒形をなしている。この内周面10aは、主リップ9の内周面9bより僅かにtだけ小径に形成され、小径面13とでラビリンスシールを構成している。これにより、シール溝11内に異物が侵入するのを抑制すると共に、主リップ9の挙動の影響を受けず、安定して所定のラビリンスすきまを維持することができる。
ここで、小径面13は水平面に対して0〜30度の傾斜角θをもって形成されている。これにより、異物がシール溝11内に侵入したとしてもその排出性が良く、密封性を一層向上させることができる。また、副リップ10の内周面10aと主リップ9の内周面9bとの段差tを小さくする方が離型の面で製造上有利となる。なお、この段差tを小さくした場合、小径面13の傾斜角θを30度を超えて大きくすると、今度は小径面13と副リップ10とのラビリンスすきまが大きくなってしまい、異物が直接主リップ9に衝突することになって好ましくない。
ここで、シール溝11のうち少なくとも主リップ9と摺接する側壁面12の表面粗さを、最大高さRy、または、Rmaxで2.0μm以下、好ましくは、1.2μm以下とすると共に、側壁面12に対して直角方向の振れを30μm以下、好ましくは10μm以下に規制している。なお、このような表面粗さおよび振れが得られない場合は、熱処理後にショットピーニングあるいはラップ加工等の表面加工を施しても良い。
これにより、側壁面12の絶対的な凹凸をある程度小さく抑えることができると共に、主リップ9のシメシロを増大させることなくシメシロの変化を抑制することができる。したがって、側壁面12に対する主リップ9の追従性を安定させることができ密封性能が向上すると共に、軸受トルクを低減させることができる。
図3は、本発明に係る密封型転がり軸受の第2の実施形態を示す縦断面図である。この密封型転がり軸受15は、カーエアコン用電磁クラッチ部の軸受であって複列アンギュラ玉軸受からなる。なお、前述した第1の実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この密封型転がり軸受15は、内周に複列の外側転走面16a、16aが形成された外輪16と、外周に複列の外側転走面16a、16aに対向する複列の内側転走面17a、17aが形成された内輪17と、両転走面16a、17a間に保持器18によって転動自在に収容されたボール5と、内外輪16、17間に形成される環状空間に装着された一対の密封板6、6とからなる。
ここで、シール溝11を構成する側壁面12は垂直面に対して0〜30度の傾斜角をもって形成され、小径面13は水平面に対して0〜30度の傾斜角をもって形成されている。電磁クラッチ用軸受にあっては、軸受の高負荷容量が求められる一方で、小スペース化を図るために薄肉の複列アンギュラ玉軸受が使用されることが多い。特に内輪17においては、前記シール溝11の小径面13が水平面に対して30度を超えて設定された場合、内径側の面取り寸法のバラツキ等から内輪17の幅面のフラット部を確保することが難しくなる。
本実施形態においても、シール溝11の側壁面12が0〜30度傾斜させて形成され、主リップ9が弾性変形した状態で、この側壁面12と主リップ9の傾斜側面9aとのなす角度を30〜40度の範囲に設定されているので、ボール5を保持した保持器18からグリースが掻き出されても、楔作用で主リップ9が弾性変形するのを抑制することができ、グリース漏れを防止することができると共に、外部からの異物の侵入するのを防止することができ密封性を向上させることができる。さらに、シール溝11の小径面13が0〜30度の範囲に設定されているので、異物がシール溝11内に侵入したとしてもその排出性が良く、密封性を一層向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る密封型転がり軸受は軸受形式等に限定されず、水や泥水等の異物が多量に存在する環境下で使用される密封型転がり軸受に適用できる。
本発明に係る密封型転がり軸受の第1の実施形態を示す縦断面図である。 同上、インボード側の密封板を示す要部拡大断面図である。 本発明に係る密封型転がり軸受の第2の実施形態を示す縦断面図である。 従来の密封型転がり軸受を示す縦断面図である。 同上、要部拡大断面図である。 他の従来の密封型転がり軸受を示す縦断面図である。
符号の説明
1、15・・・・・・密封型転がり軸受
2、16・・・・・・外輪
2a、16a・・・・外側転走面
3、17・・・・・・内輪
3a、17a・・・・内側転走面
4、18・・・・・・保持器
5・・・・・・・・・ボール
6・・・・・・・・・密封板
7・・・・・・・・・芯金
8・・・・・・・・・シール部材
9・・・・・・・・・主リップ
9a・・・・・・・・傾斜側面
9b、10a・・・・内周面
9c・・・・・・・・凸部
10・・・・・・・・副リップ
11・・・・・・・・シール溝
12・・・・・・・・側壁面
13・・・・・・・・小径面
14・・・・・・・・環状凹所
50・・・・・・・・密封型転がり軸受
51・・・・・・・・外輪
51a・・・・・・・外側転走面
52・・・・・・・・内輪
52a・・・・・・・内側転走面
53・・・・・・・・保持器
54・・・・・・・・ボール
55、61・・・・・密封板
56、62・・・・・芯金
57、63・・・・・シール部材
57a・・・・・・・主リップ
57b・・・・・・・副リップ
58・・・・・・・・シール溝
59・・・・・・・・摺動面
60・・・・・・・・小径部
64・・・・・・・・シールリップ
65・・・・・・・・ダストリップ
66・・・・・・・・傾斜側面
67・・・・・・・・底面
68・・・・・・・・内周面
69・・・・・・・・曲面部

Claims (6)

  1. 内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に前記外側転走面に対向する内側転走面が形成された内輪と、これら両転走面間に回転自在に収容された転動体と、前記外輪の両端部に装着されて前記内外輪間に形成された環状空間を密封し、芯金で補強された弾性部材からなるシール部材を有する密封板とを備え、前記シール部材の内周縁部が主リップと副リップからなる二股状に分岐して形成され、前記内輪の端部外周面に形成されたシール溝に前記主リップを摺接させた密封型転がり軸受において、
    前記シール溝が、垂直面に対して所定の傾斜角を有する側壁面と、この側壁面の底部から軸方向に延びる小径面とからなる断面略L型に形成され、前記主リップが前記側壁面に対向して径方向外方に向かうほどこの側壁面から離れる方向に傾斜した傾斜側面と、この傾斜側面よりも径方向内方に位置し、前記シール溝の小径面に対向して自由状態で円筒形の内周面と、これら傾斜側面と内周面を繋ぐ凸部とからなり、この凸部を前記側壁面に摺接させると共に、前記副リップを前記シール溝の小径面に所定の径方向すきまを介して対峙させたことを特徴とする密封型転がり軸受。
  2. 前記側壁面が垂直面に対して0〜30度傾斜して形成されている請求項1に記載の密封型転がり軸受。
  3. 前記小径面が水平面に対して0〜30度傾斜して形成されている請求項1または2に記載の密封型転がり軸受。
  4. 前記副リップが前記主リップより小径に形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の密封型転がり軸受。
  5. 前記シール部材の凸部が断面略三角形をなす尖塔状に形成されている請求項1乃至4いずれかに記載の密封型転がり軸受。
  6. 前記側壁面の表面粗さを、最大高さRy、または、Rmaxで2.0μm以下とすると共に、前記側壁面に対して直角方向の振れを30μm以下に規制した請求項1乃至5いずれかに記載の密封型転がり軸受。
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