JP2009280455A - 透明多結晶スピネル基板とその製造方法、および電気光学装置 - Google Patents

透明多結晶スピネル基板とその製造方法、および電気光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像のばらつきを抑制して、表示画像品質を一層向上させることができる透明多結晶スピネル基板とその製造方法を提供する。また、前記透明多結晶スピネル基板を用いた電気光学装置を提供する。
【解決手段】内部の光学的欠陥の最大長さが100μm以下であることを特徴とする透明多結晶スピネル基板。内部の光学的欠陥の最大長さが50μm以下であることを特徴とする透明多結晶スピネル基板。所定量以下の不純物を含む原料粉末を分別する工程と、分別された原料粉末を所定の寸法に成形する成形体作製工程と、前記成形体を焼結して一次焼結体を形成する一次焼結工程と、前記一次焼結体を、1600〜1800℃で加圧焼結して、二次焼結体を形成する二次焼結工程とを有することを特徴とする透明多結晶スピネル基板の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明多結晶スピネル基板とその製造方法、および前記透明多結晶スピネル基板を用いた電気光学装置に関する。
スピネル焼結体は、高い光透過性や熱伝導性を有する透明多結晶体であるため、近年、液晶プロジェクターやリアプロジェクションテレビ等の電気光学装置用の透明基板材料として注目され(例えば、特許文献1〜3)、液晶パネルの偏光板用基板や防塵窓用基板などの光学基板に用いられており、表示画像品質の一層の向上が強く望まれている。
図1に、電気光学装置の一例としての液晶プロジェクターの構造を概念的に示す。図1において、50はメタルハライドランプ、キセノンランプ、UHP等の高輝度ランプの光源であり、51は反射鏡であり、53は赤外集光レンズであり、54は紫外カットフィルターであり、60は偏光変換インテグレータであり、61はフライアイレンズであり、62はスリットであり、63はレンズであり、70は光の波長に応じて透過、反射を行なうダイクロイックミラーであり、71はミラーであり、80は液晶パネルであり、81は偏光板であり、82は防塵窓であり、83は1/2波長板であり、84はクロスダイクロイックプリズムであり、90は投射レンズ系である。そして、偏光板81は、透明多結晶スピネル基板と偏光フィルムなどの偏光素子とにより構成され、防塵窓82は透明多結晶スピネル基板で構成されている。
光源50からの光は、反射鏡51により反射され、赤外集光レンズ53により集光され、紫外カットフィルター54により不必要な紫外線がカットされ、2枚のフライアイレンズ61で輝度むらが平坦化され、スリット62を経てPBSと1/2波長板からなる偏光変換インテグレータ60に導かれる。その後、レンズ63を経て、2個のダイクロイックミラー70によりR、G、Bの3原色に分解され、分解された3原色は各々ミラー71等を経て、個別に偏光板81、液晶パネル80、防塵窓82、偏光板81を有する光スイッチに導かれ、さらに1/2波長板83を通過してクロスダイクロイックプリズム84で合成される。合成された光は、投射レンズ系90に導かれて拡大投影され、前方のスクリーンに画像が映し出される。
しかし、特許文献1〜3に示されたスピネル基板は、表示画像品質の向上という面からは、光学基板として十分なものではなかった。表示画像品質を向上させる方法として、特許文献4には、粉塵による表示画像品質の低下を防止できる偏光板用基板や防塵窓用基板が示され、これらを液晶パネル等の電気光学物質を挟持した一対の基板と対向する面に設けることにより、粉塵による画像が画像表示領域に結ばれず、表示画像品質の低下を防止できることが記載されている。
特開昭59−121158号公報 特開平2−18354号公報 特開2005−70734号公報 特開2005−331920号公報
しかし、特許文献4に示された基板を用いて粉塵による表示画像品質の低下を防止しても、表示画像に乱れなどのばらつき(以下、「画像のばらつき」と言う)が発生することが多々あり、基板に付着する粉塵だけを対象とするのでは、近年の画像表示の拡大化や精密化に対応して強く要請されている画像品質の向上に関しては十分とは言えなかった。
そこで、本発明は、画像のばらつきを抑制して、表示画像品質を一層向上させることができる透明多結晶スピネル基板とその製造方法を提供することを課題とする。また、このような透明多結晶スピネル基板を用いた電気光学装置を提供することを課題とする。
本発明者は、画像のばらつきが部分的に発生する原因につき、鋭意検討した結果、従来の透明多結晶スピネル基板の内部には大きな光学的欠陥が存在し、この内部の光学的欠陥(以下、「内部欠陥」とも言う)の最大長さが所定の長さを超えた場合、透明多結晶スピネル基板の透過性能や屈折率などの光学的特性に悪影響を与え、画像のばらつきを生じさせていることを見出した。
本発明者は、さらに内部欠陥につき検討し、この内部欠陥が、透明多結晶スピネル焼結体が作製される際に発生する空孔に基づく欠陥や、透明多結晶スピネル基板に含まれるスピネル構成元素以外の不純物に基づく欠陥であることを見出し、これら空孔や不純物を適宜制御することにより、内部欠陥を所定の長さ以下に制御し、画像のばらつきを抑制することができ、偏光板用基板や防塵窓用基板などとして好適に用いることができる透明多結晶スピネル基板を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を、請求項毎に詳しく説明する。
請求項1に記載の発明は、
内部の光学的欠陥の最大長さが100μm以下であることを特徴とする透明多結晶スピネル基板である。
請求項1の発明においては、画像のばらつきに影響を与える内部欠陥の最大長さを100μm以下に制御している。
前記したように、透明多結晶スピネル基板の透過性能や屈折率などの光学的特性に悪影響を与える内部欠陥は、透明多結晶スピネル焼結体が作製される際に発生する空孔に基づく欠陥や、透明多結晶スピネル基板に含まれるスピネル構成元素以外の不純物に基づく欠陥である。
本発明者が、透明多結晶スピネル焼結体が作製される際、即ち、焼結工程における光学的特性に悪影響を与える大きな空孔の発生につき検討したところ、この大きな空孔は、焼結工程中のスピネルの粒成長に伴う微細な空孔の合体により発生していることが分かった。従って、焼結工程中のスピネルの粒成長を制御して、スピネル焼結体の粒径を制御することにより、空孔に基づく内部欠陥の長さを制御することができる。
次に、透明多結晶スピネル基板に含まれるスピネル構成元素以外の不純物に基づく欠陥につき検討した。スピネル構成元素以外の不純物は、原料粉末内部に固溶している不純物(原料粉末に由来の不純物)、および焼結体を作製する際に混入する不純物であり、具体的には、W、Co、Fe、C、Cu、Sn、Zn、Ni等を挙げることができる。検討の結果、焼結工程において、これらの不純物同士が合体あるいは析出して、光学的特性に悪影響を与える大きさの不純物粒子(即ち、不純物に基づく内部欠陥)を形成することが分かった。従って、これらの不純物量を制御することにより、不純物に基づく内部欠陥の長さを制御することができる。
そして、本発明者は、これらの内部欠陥の最大長さが100μm以下に制御された透明多結晶スピネル基板であれば、電気光学装置用の透明基板材料、特に偏光板用基板として好適に用いることができることを見出した。即ち、請求項1の発明にかかる透明多結晶スピネル基板を偏光板用基板として用いた場合、画像のばらつきを抑制でき、表示画像品質を大きく向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、
前記透明多結晶スピネル基板に含有される不純物の内、W、Co、Feの含有量が、それぞれ10ppm未満であり、かつその大きさが20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明多結晶スピネル基板である。
本発明者は、さらに、透明多結晶スピネル基板に含有されて不純物に基づく内部欠陥を形成する不純物につき検討した結果、前記した各不純物の内でも、特にW、Co、Feの含有量と原料粉末中に含まれる大きさが、原料不純物に基づく内部欠陥の長さと密接に関係し、これらの不純物の含有量がそれぞれ10ppm未満であり、かつ原料粉末中に含まれる大きさが20μm以下であれば、透明多結晶スピネル基板における不純物に基づく内部欠陥の最大長さが100μm以下の透明多結晶スピネル基板を得ることができることが分かった。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載の透明多結晶スピネル基板の少なくとも片面側に偏光素子が配置された偏光板が、電気光学物質を挟持した一対の基板に対向して設けられていることを特徴とする電気光学装置である。
請求項3の発明においては、内部欠陥の最大長さが100μm以下に制御された透明多結晶スピネル基板を偏光板用基板として、その少なくとも片面側に偏光素子(例えば、偏光フィルム)を貼着などの手段を用いて配置することにより、偏光板を形成させている。そのため、この偏光板を、電気光学物質を挟持した一対の基板(例えば、液晶パネル)に対向して設けた場合、偏光板における内部欠陥の像はデフォーカス効果により結ばれず、画像に悪影響を与えない。その結果、画像のばらつきが抑制された高品質の画像を表示することができる。
請求項4に記載の発明は、
内部の光学的欠陥の最大長さが50μm以下であることを特徴とする透明多結晶スピネル基板である。
前記したように、内部欠陥の最大長さが100μm以下の透明多結晶スピネル基板は、偏光板用基板として好ましく用いることができ、画像のばらつきを抑制して、表示画像品質を大きく向上させることができる。しかし、この内部欠陥の最大長さが100μm以下の透明多結晶スピネル基板であっても、防塵窓用基板等として用いた場合には、画像のばらつきを十分には抑制できない場合がある。これは、防塵窓用基板等の場合、電気光学物質に極めて接近した位置に設けられているために(図1参照)、内部欠陥の最大長さを偏光板用基板の場合(100μm以下)より小さくしないと、十分なデフォーカス効果が得られないことによる。具体的には、50μm以下に制御された透明多結晶スピネル基板であれば、電気光学装置用の透明基板材料、特に防塵窓用基板として好適に用いることができ、画像のばらつきが抑制された高品質の画像を表示することができる。
請求項5に記載の発明は、
前記透明多結晶スピネル基板に含有される不純物の内、W、Co、Feの含有量が、それぞれ5ppm未満であり、かつその大きさが10μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の透明多結晶スピネル基板である。
前記したように、不純物の内でも、W、Co、Feの含有量と原料粉末中に含まれる大きさが、原料不純物に基づく内部欠陥の長さと密接に関係している。本発明者の検討結果によれば、これらの不純物の含有量がそれぞれ5ppm未満であり、かつ原料粉末中に含まれる大きさが10μm以下であれば、透明多結晶スピネル基板における不純物に基づく内部欠陥の最大長さが50μm以下の透明多結晶スピネル基板を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、
請求項4または請求項5に記載の透明多結晶スピネル基板が、電気光学物質を挟持した一対の基板と対向すると共に、接近した位置に設けられていることを特徴とする電気光学装置である。
請求項6の発明においては、内部欠陥が50μm以下の透明多結晶スピネル基板を用いて、電気光学物質を挟持した一対の基板の防塵窓を形成させている。この防塵窓は、電気光学物質を挟持した一対の基板と対向すると共に、極めて接近した位置に設けられているため、防塵窓における内部欠陥の像はデフォーカス効果により結ばれず、画像に悪影響を与えない。その結果、画像のばらつきが抑制された高品質の画像を表示することができる。
請求項7に記載の発明は、
請求項1、請求項2、請求項4、請求項5のいずれか1項に記載の透明多結晶スピネル基板の製造方法であって、
所定量以下の不純物を含む原料粉末を分別する工程と、
分別された原料粉末を所定の寸法に成形する成形体作製工程と、
前記成形体を焼結して一次焼結体を形成する一次焼結工程と、
前記一次焼結体を、1600〜1800℃で加圧焼結して、二次焼結体を形成する二次焼結工程と、
を有することを特徴とする透明多結晶スピネル基板の製造方法である。
前記したように、スピネル焼結体の粒径を制御することにより、空孔に基づく内部欠陥の長さを制御することができる。本発明者の検討によれば、二次焼結工程において1600〜1800℃で加圧焼結することにより、焼結工程中のスピネルの粒成長を制御して、焼結工程中のスピネルの粒成長に伴う微細な空孔の合体を抑制することができる。その結果、空孔に基づく内部欠陥の長さを制御することができる。
なお、成形体作製工程や一次焼結工程については、従来の公知の手段を用いることができる。
得られた二次焼結体を研磨して、所定の寸法に鏡面加工することにより、透明多結晶スピネル基板を得ることができる。なお、必要に応じて、研磨後の表面にAR(反射防止)コーティングを施してもよい。
本発明により、画像のばらつきを抑制して、表示画像品質を向上させることができる透明多結晶スピネル基板とその製造方法を提供することができる。
また、前記透明多結晶スピネル基板を電子光学装置の偏光板用基板や防塵窓用基板として用いることにより、画像のばらつきが抑制されて、表示画像品質が向上した電気光学装置を提供することができる。
以下、本発明をその最良の実施の形態につき、以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
以下に、実施例および比較例を示し、具体的に説明する。
(1)透明多結晶スピネル基板の製造
以下に示す手順により、実施例1〜5としての本発明に係る透明多結晶スピネル基板および比較例1〜5としての透明多結晶スピネル基板を作製し、適宜各種測定を行う。
a.原料粉末分別工程
各種不純物を有するスピネル粉末(平均粒径:0.1μm)を、水中で分散させた後、10μm、あるいは5μmの目開きを持つ篩で分別した後、乾燥させ、その不純物量を測定した。
b.成形体作製工程
乾燥した粉末をプレス成形によりφ30×5mmtの大きさに予備成形した後、CIP(冷間等方圧プレス)を行って成形体を得た。なお、CIPは、147.1MPaの圧力条件の下で行った。
c.一次焼結工程
前記成形体を、真空雰囲気の条件の下、1700℃で焼結し、一次焼結体を得た。
d.二次焼結工程
一次焼結体に、Ar雰囲気下、雰囲気圧力200MPaの条件の下、表1に示す2次焼結温度にて、HIPによる加圧焼結を行い、二次焼結体を得た。加圧焼結することにより、空孔をより小さくすることができる。
e.不純物量の測定
得られた二次焼結体の不純物量を、ICP発光分析にて測定した。
その結果を、表1に示す。
f.研磨工程
得られた二次焼結体を研磨機(ナノファクター社製NF−300)を用いて鏡面加工して、□20×1mmtの大きさのスピネル焼結体を得た。
g.欠陥サイズの測定
鏡面加工したスピネル焼結体を用いて、金属不純物に基づく欠陥の最大長さおよび空孔に基づく欠陥の最大長さを、光学顕微鏡にて測定した。
測定結果を表1に併せて示す。
h.相対密度の測定
同様に、鏡面加工したスピネル焼結体を用いて、アルキメデス法にて相対密度を測定した。
測定結果を表1に併せて示す。
i.光透過率の測定
同様に、鏡面加工したスピネル焼結体を用いて、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−4100)にて、波長420〜680nmの波長領域における平均透過率を測定した。併せて、スピネル焼結体の粒径を測定した。
各測定結果を表1に併せて示す。
j.ARコーティング工程
鏡面加工したスピネル焼結体の表面に、PVDにてMgFのARコートを施し、実施例1〜5および比較例1〜5の透明多結晶スピネル基板を得た。
(2)透明多結晶スピネル基板の偏光板および防塵窓への使用の可否
得られた透明多結晶スピネル基板を用いて、以下に示すように、偏光板および防塵窓用基板としての使用の可否につき評価した。
a.偏光板への使用の可否
得られた透明多結晶スピネル基板に用途に合わせた偏光フィルムを貼り付けて偏光板とし、図1に示す液晶プロジェクターにおいてこの偏光板81を液晶パネル80と対向して設け、得られる画像の状態を測定した。この際、画像として問題がない場合は「○」、欠陥に起因する画像の歪みが発生した場合は「×」と評価した。
測定結果を表1に併せて示す。
b.防塵窓への利用の可否
得られたスピネル基板を用いて、図1に示す液晶プロジェクターにおける防塵窓82とし、液晶パネル80と対向して設け、得られる画像の状態を測定した。この際、画像として問題がない場合は「○」、欠陥に起因する画像の歪みが発生した場合は「×」と評価した。
測定結果を表1に併せて示す。
Figure 2009280455
表1に示す結果より、二次焼結温度が1600〜1800℃で、二次焼結後のスピネル焼結体における各不純物量が10ppm未満であり、かつその大きさが20μm以下であると(実施例1〜5)、得られた透明多結晶スピネル基板における内部欠陥(空孔に基づく欠陥および不純物に基づく欠陥)の最大長さが100μm以下になり、偏光板用基板として好ましく利用できることが分かる。さらに、前記各不純物量が5ppm未満であり、かつその大きさが10μm以下であると(実施例1、2)、得られた透明多結晶スピネル基板における内部欠陥の最大長さが50μm以下になり、防塵窓用基板としても好ましく利用できることが分かる。
そして、二次焼結温度が1800℃を越えると、各不純物量が10ppm未満であり、かつその大きさが10μm以下であっても(比較例1、2)、二次焼結後のスピネル焼結体における粒径が異常に大きくなると共に、空孔に基づく欠陥が大きくなって、偏光板用基板や防塵窓用基板として利用するには問題があることが分かる。
また、各不純物の大きさが10μm以下でもいずれかの不純物量が10ppm以上であると(比較例3〜5)、二次焼結温度が1600〜1800℃であっても、不純物による欠陥が大きくなって(100μm超)、偏光板用基板や防塵窓用基板として利用するには問題があることが分かる。
液晶プロジェクターの構造を概念的に示す図である。
符号の説明
50 光源
51 反射鏡
53 赤外集光レンズ
54 紫外カットフィルター
60 偏光変換インテグレータ
61 フライアイレンズ
62 スリット
63 レンズ
70 ダイクロイックミラー
71 ミラー
80 液晶パネル
81 偏光板
82 防塵窓
83 1/2波長板
84 クロスダイクロイックプリズム
90 投射レンズ系

Claims (7)

  1. 内部の光学的欠陥の最大長さが100μm以下であることを特徴とする透明多結晶スピネル基板。
  2. 前記透明多結晶スピネル基板に含有される不純物の内、W、Co、Feの含有量が、それぞれ10ppm未満であり、かつその大きさが20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明多結晶スピネル基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の透明多結晶スピネル基板の少なくとも片面側に偏光素子が配置された偏光板が、電気光学物質を挟持した一対の基板に対向して設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  4. 内部の光学的欠陥の最大長さが50μm以下であることを特徴とする透明多結晶スピネル基板。
  5. 前記透明多結晶スピネル基板に含有される不純物の内、W、Co、Feの含有量が、それぞれ5ppm未満であり、かつその大きさが10μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の透明多結晶スピネル基板。
  6. 請求項4または請求項5に記載の透明多結晶スピネル基板が、電気光学物質を挟持した一対の基板と対向すると共に、接近した位置に設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項1、請求項2、請求項4、請求項5のいずれか1項に記載の透明多結晶スピネル基板の製造方法であって、
    所定量以下の不純物を含む原料粉末を分別する工程と、
    分別された原料粉末を所定の寸法に成形する成形体作製工程と、
    前記成形体を焼結して一次焼結体を形成する一次焼結工程と、
    前記一次焼結体を、1600〜1800℃で加圧焼結して、二次焼結体を形成する二次焼結工程と、
    を有することを特徴とする透明多結晶スピネル基板の製造方法。
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