JP2009280102A - 4輪操舵機構を搭載した車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】4WS車両に於いて、前後輪が同相にて操舵される条件で、緊急回避時など車両の横方向に大きく移動をさせたいときに、その方向に十分に移動できるように後輪操舵制御が修正された操舵制御装置を提供すること。
【解決手段】本発明の車両の4輪操舵制御装置は、車両の走行条件に基づいて後輪を前輪に対して同相又は逆相にて操舵するよう後輪舵角を制御する後輪操舵制御部と、車両をその横方向に移動させるべき状態を検出し横方向の目標移動距離を決定する目標移動距離決定部とを含み、車両を横方向に移動させるべき状態を検出したときには、目標移動距離に基づいて決定される期間、後輪が前輪に対して逆相に操舵され、後輪の同相にての操舵を遅らせることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、前輪だけでなく後輪も操舵される4輪操舵機構(4WS)が搭載された自動車等の車両の操舵制御装置に係り、より詳細には、後輪を前輪と同相にて操舵する条件下で緊急回避等の車両の横移動量を大きくしたい場合の後輪舵角の制御態様が修正された操舵装置を制御する装置に係る。
自動車等の車両に於いて、車両の操縦性又は操縦安定性を向上する目的で、運転者のハンドルの操舵により前輪及び後輪の双方が操舵されるよう構成された4WS又はアクティブ4WS(以下、「4WS」というときには、「アクティブ4WS」を含む。)が搭載される場合がある。かかる4WSに於いては、一般的には、低速走行時には、後輪は前輪と逆方向(逆相方向)に操舵され、これにより、車体後部から車両の転回方向へのヨーモーメントを発生させることにより旋回半径を小さくすることができ、狭い曲がり角などで小回りが効くようになるといった利点が得られる(操縦性の向上)。他方、高速走行時では、後輪は、前輪と同じ方向(同相方向)に操舵され、後輪に於いて(前輪のみを操舵する2輪操舵機構(2WS)に比して)車体スリップ角を大きくすることなく横力を発生させ、旋回時に於いて車両の旋回方向と車体の前後方向とのずれをより小さくすることができ、或いは、車線変更時などに於いてヨーイングを低減できるといった利点が得られる(操縦安定性の向上)。
上記の如き4WSに於ける後輪舵角の向き及び大きさの制御の具体的な態様は、従前より種々提案されている。既に述べた如く、後輪は、前輪に対して、低車速域では逆相に、高車速域では同相に操舵されるのが一般的であるので、現在知られている殆どの制御態様に於いて、後輪舵角の向きは、前輪舵角若しくは運転者のハンドル操舵角と車速とに基づいて決定される。特に、近年では、車両の電子制御技術の発展により前輪舵角と後輪舵角とをより精密に制御することが可能となっているので、ハンドル操舵角と車速に加えて、車両のヨーレート、横加速度、路面摩擦係数、勾配等の種々の走行状態・条件を参照して、車両の操縦性又は操縦安定性をできるだけ改善する技術も提案されている。更に、後輪舵角は、高速域では基本的には、前輪舵角と同相に制御されるが、車両の旋回初期の回頭性を(2WSの車両の走行に慣れた)運転者の感覚に合わせる目的で、旋回初期に後輪の操舵を遅らせたり(例えば、特許文献1)、或いは、後輪を、前輪に対して、一瞬、逆相に操舵した後に同相に切り換える(例えば、特許文献2)といった制御手法も提案されている。或いはまた、後輪舵角が最大可能範囲まで操舵仕切った後に(後輪舵角の可変範囲は、前輪舵角の可変範囲よりも狭い。)、或いは、後輪操舵装置が失陥した場合に、前輪舵角又は車輪ブレーキを用いて、達成できない制御効果を補填する技術なども提案されている(特許文献3、4)。
特開平5−155347号公報 特開平5−155349号公報 特開2004−182196 特開2004−243850
4WSにて操舵される車両の高速走行中に於いては、既に述べた如く、後輪を前輪と同相に操舵して旋回又は車線変更に必要な横力を後輪に分配させ、これにより、(2WSの場合に比して)車両のヨー運動を抑制しつつ、車両の(それまでの)横方向への移動が実行される。実際、適当な車両の運動モデルを用いることで、理論上、車体のスリップ角が実質的に0、即ち、車両の前後方向が旋回方向に一致した状態で車両を旋回させることが可能である。
しかしながら、実際の車両に於いて、後輪の操舵角及び操舵角速度(操舵角の時間変化率)の限界は比較的小さく、そのため、後輪のタイヤに於いて発生可能なタイヤスリップ角又はタイヤ横力及びその発生可能な増大速度を然程に大きくすることはできない(後輪を前輪と同相に操舵する場合、概して述べれば、後輪のタイヤスリップ角は、後輪操舵角と共に増大する。)。特に、車両の進路に障害物があるときなどの緊急回避が実行される場合、障害物の大きさに対応して、できるだけ速やかに十分な横移動量を実現できるように、速やかに大きなタイヤ横力を発生させることが望ましいところ、後輪タイヤに於いては、後輪の操舵角又は操舵角速度の限界を超えて大きなスリップ角又は横力を発生させることはできないので、速やかに望ましい横移動量を達成できない場合も起き得る。
かくして、本発明の一つの課題は、4WSを搭載した車両が前輪及び後輪が同相にて操舵される条件にて走行している場合に於いて、緊急回避時など車両の横方向に大きく移動をさせたいときに、その方向に十分に又は速やかに移動できるように後輪操舵制御が修正された操舵制御装置を提供することである。
また、本発明のもう一つの課題は、上記の如き装置であって、緊急回避時に、回避すべき障害物の大きさなどに対応した距離にて、その方向に移動できるように後輪操舵制御が修正された操舵制御装置を提供することである。
本発明によれば、端的に述べれば、4WSに於いて前輪及び後輪が同相にて操舵される条件で走行している車両に於いて、緊急回避など大きな横移動が必要なときには、その横移動を達成する横方向の目標移動距離に対応した期間、後輪を前輪に対して逆相に操舵し、或いは、後輪を前輪に対して同相に操舵する時期を遅らせるよう構成された4WSの操舵制御装置が提供される。
具体的には、本発明の4輪操舵制御装置は、車両の走行条件に基づいて後輪を前輪に対して同相又は逆相にて操舵するよう後輪舵角を制御する後輪操舵制御部と、車両の走行中に車両をその横方向に移動させるべき状態を検出してかかる横方向の目標移動距離を決定する目標移動距離決定部とを含み、走行条件が、後輪操舵制御部が後輪の舵角を同相にて制御する条件であるときに、更に、目標移動距離決定部が車両をその横方向に移動させるべき状態を検出したときには、後輪操舵制御部が、目標移動距離に基づいて決定される期間、前輪に対して後輪を同相にて操舵することを遅らせることを特徴とする。
上記の構成に於いて、「後輪操舵制御部」は、基本的には、任意の公知の、例えば、車両運動モデルに基づいて後輪舵角を制御する形式と同様であってよく、後輪は、通常、中・高速域に於いて前輪と同相に操舵される。なお、上記の「走行条件」は、典型的には車速であってよいが、運転者のハンドル操舵角の大きさ、ヨーレート、横加速度、路面摩擦係数等も含まれていてよい。
しかしながら、上記の構成から理解される如く、本発明の操舵制御装置に於いては、更に、「目標移動距離決定部」が設けられ、かかる目標移動距離決定部が、後輪の舵角を同相にて制御するべき走行条件下で、車両をその横方向に移動させるべき状態を検出したときには、後輪操舵制御部は、目標移動距離に基づいて決定される期間、前輪に対して後輪を同相にて操舵することを遅らせるよう構成される。ここで、「車両をその横方向に移動させるべき状態」とは、典型的には、例えば、車両の進行方向前方の障害物等を回避する場合などの、所謂、緊急回避操舵が必要な状態であってよい。そして、「目標移動距離」は、車両が障害物等に接触しないようにするために必要な又は十分な横方向の移動距離であり、かかる緊急回避時の障害物等の大きさに基づいて任意に決定されてよい(障害物等の大きさは、車載のセンサ、カメラ等により任意の手法で決定されてよい。)。
上記の構成によれば、上記の車両をその横方向に移動させるべき状態に於いて、運転者がハンドルの操舵を開始した際には(例えば、運転者のハンドル操舵角の絶対値が所定値を上回ったとき又は運転者のハンドル操舵角の時間変化率の大きさが所定値を上回ったときに開始されると判定されてよい。)、後輪を前輪に対して同相に操舵する作動を遅らせることにより、車両に於いて、運転者の操舵と同時に後輪を同相に操舵する場合に比して、大きなヨーモーメントが発生し、これにより、車両の中心軸線方向が、旋回の早い段階で運転者の操舵方向に変位されることとなる。そして、車両の向きが変わった状態で後輪操舵を同相へ転換すると、車両の進行方向に対する後輪の向きのずれ、即ち、後輪のスリップ角を大きくすることができ、従って、後輪横力及び移動させるべき方向への移動量の増大が図られることとなる。即ち、早い段階でのヨー運動により車両の向きを横方向の移動させるべき方向へ向けることにより、後輪を同相に切ったときに、後輪舵角(つまり、車両の中心軸から見た後輪の角度)の限界値又は最大角を超えるスリップ角が達成可能となり、これにより、大きな横力及び横移動量が得られることとなる。
なお、かかる前輪に対して後輪を同相にて操舵することを遅らせる作動に於いて、重要なことは、遅らせる期間が目標移動距離に基づいて決定されるという点である。かかる構成により、上記の車両のヨー方向の向きを変位させて後輪のスリップ角を大きくする制御の効果が過剰又は過少とならないようにすることが可能となる。また、後輪を同相にて操舵することを遅らせる期間の長さについて、かかる期間の長さが長いほど、車両の向きが大きく変化する。そこで、後輪を同相にて操舵することを遅らせる期間は、目標移動距離が大きい場合は、目標移動距離が小さい場合に比して、長くされてよく、或いは、目標移動距離が大きいほど、当該期間が長くなるようになっていてよい。
更に、後輪を同相にて操舵することを遅らせる期間に於いて、後輪を前輪に対して逆相に操舵すると、車両に作用するヨーモーメントが大きくなり、車両の方向の変位が速やかに且つ効果的に実行され、その後の後輪の同相にての操舵を速やかに開始することも可能となる。その場合、舵角の大きさに、逆相に操舵された時間を乗じた量(舵角の時間積分であってよい。なお、この量を本明細書に於いて「操舵量」と称する。)が大きければ大きいほど、車両の向きの変化量が大きくなる。従って、上記の本発明の装置に於いて、好適には、上記の後輪操舵制御部が後輪の前輪に対して同相にての操舵を遅らせる期間に於いて、後輪操舵制御部は、後輪を前輪に対して逆相に操舵するようになっていてもよい。そして、逆相に操舵する際の操舵量の目標値が目標移動距離に基づいて決定され、目標操舵量が達成されると後輪を同相に操舵するようになっていてよい(即ち、後輪を同相にて操舵することを遅らせる期間は、目標移動距離に基づいて決定される目標操舵量によって決定されることとなる。)。また、後輪の逆相への操舵に於いて達成されるべき目標操舵量は、目標移動距離が大きい場合は、目標移動距離が小さい場合に比して、大きくされてよく、或いは、目標移動距離が大きいほど、当該目標操舵量が大きくなるようになっていてよい。
ところで、上記の本発明の構成に於いて、後輪の操舵を遅らせたり、前輪に対して逆相に操舵するのは、そもそも、後輪舵角の可能な大きさに限界があり、後輪をそのまま前輪に対して同相に操舵した際には、所望の又は要求される車両の横移動量を達成できない可能性があるからであった。従って、もし後輪舵角の上限値、即ち、最大角、が大きければ、後輪の操舵を遅らせる期間又は前輪に対して逆相に操舵する目標操舵量は、短く又は小さくてよい。かくして、上記の本発明の装置は、更に、目標移動距離に基づいて決定される期間が、後輪の舵角の最大角が大きい場合は、前記の最大角が小さい場合に比して、短くされるようになっていてよく、或いは、後輪を前輪に対して逆相に操舵させる間に達成されるべき目標操舵量が、前記の最大角が大きい場合は、前記の最大角が小さい場合に比して、小さくされるようになっていてよい。かくして、後輪を前輪に対して同相に操舵することでも横移動量がある程度確保できる場合には、その確保できる量に対応して過剰に車両のヨー方向の向きが変位することを避けることが可能となる。
更に、上記の本発明の実施の形態に於いては、後輪最大スリップ角を推定する後輪最大スリップ角推定部が設けられていてよく、後輪最大スリップ角の大きさ(絶対値)が大きい場合には、後輪最大スリップ角の大きさが小さい場合に比して、目標移動距離に基づいて決定される後輪の同相への操舵を遅らせる期間が長く設定され、或いは、後輪を逆相に操舵する間に達成されるべき目標操舵量が大きく設定されるようになっていてよい。かかる構成に於いて、「後輪最大スリップ角」とは、走行中の車両の後輪に於いて発生可能な横力の最大値を与えるスリップ角である(路面の摩擦係数などにより推定される。)。即ち、上記の構成によれば、横力の最大値を与えるスリップ角が大きいときには、それに合わせて、目標移動距離に基づいて決定される前記の期間を長く、或いは、逆相の目標操舵量を大きくして、つまり、車両の向きをより大きく転向させて、これにより、後輪を同相に転換したときに後輪に於いて「後輪最大スリップ角」が達成され、発生可能な横力が有効に発揮されることが期待されることとなる。
また更に、上記の実施の形態に於いて、後輪最大スリップ角と後輪の舵角の最大角との関係に応じて、目標移動距離に基づいて決定される期間又は逆相の目標操舵量を増減するようになっていてもよい。例えば、もし車両が或る状態で走行している際に推定された後輪最大スリップ角が、後輪の舵角を最大角までもっていけば達成されるのであれば、車両の向きを大きく変更しておかなくても、後輪操舵を同相に転向したときに発生可能な最大の横力が発生できることとなる。そのような場合には、車両の向きを不必要な程度にまで変更しなくてもよいはずである。そこで、後輪最大スリップ角が参照可能な場合には、好適には、後輪最大スリップ角の大きさに対する後輪の舵角の最大角の大きさが大きいとき、後輪最大スリップ角の大きさに対する後輪の舵角の最大角の大きさが小さいときに比して、目標移動距離に基づいて決定される後輪の同相への操舵を遅らせる期間が短く、或いは、後輪を逆相に操舵する間に達成されるべき目標操舵量が小さく設定されてよい。これにより、車両の向きの過剰な変更が回避されることが期待される。
本発明による操舵制御装置によれば、上記の如く、4WSの車両で後輪が前輪に対して同相にて操舵される状況に於いて、特に、大きな横移動量が要求される又は所望される場合に、前輪と同相に後輪を操舵する時期を遅延させ又は前輪に対して後輪を逆相に操舵することによって、早期に車両の進行方向を要求される又は所望される横移動量の方向に傾けて、車両の横移動量の増大が図られる。即ち、本発明に於いては、後輪舵角の操舵可能な限界に対応するスリップ角又はタイヤ横力よりも大きなスリップ角又は横力が発生できるように、ヨーモーメントによる方向転換によって後輪舵角を補填するよう後輪操舵を制御するものであるということができる。その際、目標移動距離の移動に要求されるタイヤ横力が(第一義的には)その目標移動距離の大きさに応じて決定されるべきであること、そして、後輪を同相に操舵する際に発生される横力がヨーモーメントにより為された方向転換の大きさにより決定されることになることから、本発明に於いては、ヨーモーメントにより為される方向転換の大きさに対応する前輪に対する後輪の同相の操舵の遅延又は逆相の操舵が行われる期間又は操舵量が、目標移動距離に基づいて決定される。
従前の4WSの後輪操舵技術に於いても、旋回初期に後輪を前輪に対して一瞬逆相に操舵したり、後輪の操舵を遅延させる制御態様が提案されている(例えば、特許文献1、2)。しかしながら、これらは、旋回初期の車両の回頭性を2WSの運転に慣れた運転者の感覚に適合させるものであり、本発明の如く、後輪操舵により発生させるヨー運動によって、目標移動距離を達成すべく車両の横方向の移動量を与えるタイヤ横力を稼ぐための後輪舵角(又はスリップ角)を補填するという思想とは異なることは理解されるべきである。実際、前記の特許文献では、後輪の一瞬の逆相操舵の操舵量の決定に於いて参照される車両の走行環境の情報は、路面摩擦係数、勾配等であり、目標移動距離は参照されていない。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明より明らかになるであろう。
装置の構成
図1(A)は、本発明の4輪操舵制御装置の好ましい実施形態が組み込まれる自動車を模式的に示している。同図に於いて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、通常の態様にて、運転者によるアクセルペダル(図示せず)の踏込みに応じて各輪(図示の例では、後輪駆動車であるから、後輪のみ)に制駆動力を発生する駆動系装置20が搭載される。駆動系装置20は、通常の態様にて、エンジン及び/又は電動機22から、トルクコンバータ24、変速機26、差動歯車装置(図示せず)等を介して、駆動トルク或いは回転力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成されている。また、通常の車両と同様の態様にて各輪に制動力を発生する制動系装置(図示せず)が設けられる。
更に、図示の車両10は、前輪だけでなく、後輪も操舵される4WS車両であり、前輪12FL、FR及び後輪12RL、RRは、それぞれ、前輪操舵装置30及び後輪操舵装置40により操舵される。前輪操舵装置30に於いては、運転者によって作動されるステアリングホイール(ハンドル)32の回転がVGRS(Variable Gear Ratio Steering:可変ギヤ比ステアリング)装置32aを介して倍力装置34へ伝達され、倍力装置34が回転力を倍力しながら、タイロッド36L、Rを駆動することにより、前輪の舵角δfが変化される。VGRS装置32aは、所謂「アクティブ操舵」を実現する装置であり、後に説明される電子制御装置50の制御下、前輪舵角δfが、運転者のハンドル操舵角δdと車速等の情報に基づいて決定される目標舵角に一致するようハンドル操舵角δdを修正して又はそれとは独立に前輪の舵角を変えることができる補助操舵装置となっている。後輪操舵装置40に於いては、駆動器44が、電子制御装置50からの制御指令に応答して、後輪舵角が運転者のハンドル操舵角δdと車速等の情報に基づいて決定される目標舵角に一致するようタイロッド54L、Rを駆動し、これにより、後輪12RL、RRが操舵される。なお、図示していないが、前輪用のVGRS装置32a、前輪操舵装置30、後輪操舵装置40には、それぞれ、舵角センサが設けられ、ハンドル操舵角δd、前輪の実舵角δf、後輪の実舵角δrの検出値が電子制御装置50へ与えられるようになっている。
図示の車両の前輪及び後輪の舵角の制御及びその他の車両の各部の作動制御は、既に触れたように、電子制御装置50により実行され、本発明の操舵制御装置は、電子制御装置50に於いて実現される。電子制御装置50は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。図に於いては、電子制御装置50には、ハンドル操舵角δd、前輪の実舵角δf、後輪の実舵角δrの他に、各輪に設けられた車輪速センサ14i(i=FL、FR、RL、RR。以下同様)からの車輪速Vwi、センサ62からのヨーレートγ、横加速度Gy等の各種の検出値が入力される。なお、上記に列記の信号の他に、本実施形態の車両に於いて実行されるべき各種制御に必要な種々のパラメータ、例えば、前後Gセンサ値、ブレーキ圧等の各種検出信号が電子制御装置へ入力されてよい。
また、図示の車両に於いては、車両の進行方向の先行車やその他の障害物(以下、「障害物等」とする。)を検出して、運転者に対して、衝突防止及びそのための緊急回避動作を支援する目的で、車両の前方の障害物等を検知し、自車から検知された障害物等の距離、障害物等の幅(自車の横方向の長さ)を計測するための障害物センサ70l、rが、車両前方に取り付けられる。各センサは、車両前方の監視範囲に於ける障害物等の存在の有無、方位、距離を示す信号を電子制御装置50へ伝達することのできる任意の形式のセンサ、例えば、赤外線センサ、ビデオカメラ、レーダーセンサ等であってよい。なお、これらのセンサとともに又はこれらに代えて、その前方又は周囲を走行する車両との間で、走行・運転状態等の任意の情報を相互に通信することのできる車車間通信システム又はGPS人工衛星のデータを受信して自車の位置情報等の種々の情報を取得するGPS装置(カーナビゲーションシステム)72が設けられ、車両前方の監視範囲に於ける障害物等の存在の有無、方位、距離を検出するために用いられてよい。
操舵制御装置の構成
図1(B)は、電子制御装置50にて実現される4輪操舵制御装置の構成を制御ブロックの形式にて表したものである。なお、図示の4輪操舵制御装置の構成及び作動は、車両の運転中、電子制御装置50内のCPU等の処理作動に於いて実現されることは理解されるべきである。
同図を参照して、4輪操舵制御装置は、その基本的な構成に於いて、公知の任意の形式の4輪操舵制御装置と同様であってよい。概して述べれば、4輪操舵制御装置は、車体モデル部50aを含み、その車体モデル部50aには、運転者のハンドル操舵角δdと車速Vxとが入力される(任意にヨーレート(γ)センサ62からヨーレートの実際値が入力されるようになっていてもよい。)。ここで、車速Vxは、車輪速センサからの各輪の車輪速値Vwiから公知の任意の態様にて決定されてよい(50c:車速センサが設けられている場合にはその検出値が用いられてよい。)。そして、これらの入力値を用いて、任意の車体の旋回/転回運動モデルに基づき、目標ヨーレート(γ)及び/又は目標車体スリップ角(β)が決定され、更に、かかる目標ヨーレート等を実現するよう前後輪舵角δf、δrの目標値が決定される。かくして決定された前輪舵角δf、δrの目標値は、前輪操舵装置の駆動器34及び後輪操舵装置の駆動器44へ制御指令として与えられ、前輪及び後輪が操舵される(各輪の実舵角の値は、制御装置へフィードバックされ、実舵角がそれぞれの目標値に一致するよう制御されてよい。)。典型的な4WSの制御の態様に於いて、後輪舵角の向き及び大きさは、車速及び車両の進行方向に依存して決定される。「背景技術」の欄に於いて触れた如く、例えば、車両が前進する際、車速が0から或る所定速度に達するまでは、後輪は、ハンドル操舵角とは、逆相に操舵されるが(前輪は、基本的には、常にハンドル操舵角と同相である。)、車速が所定速度を超えると、後輪は、ハンドル操舵角と同相に操舵され、旋回・転回に必要な横力をより多く後輪に分散し、また、車体の前後方向を車両の旋回方向(車両の重心の移動方向)に(2WSの場合よりも)近づけることが可能となる。
しかしながら、「発明の開示」の欄に於いて述べた如く、車速が前記の所定速度以上であって後輪が同相にて操舵され得る状態で車両が走行しているときに、車両の前方の障害物等を回避するべく、緊急操舵を実行する場合(車両をその横方向に移動させるべき状態)、後輪舵角の最大可能舵角が比較的に小さいことにも起因して、上記の如き通常の後輪を同相に操舵する制御手法では、速やかに十分な横移動量を稼ぐことが困難な場合がある。そこで、本発明に於いては、障害物等を緊急操舵により回避する場合、その障害物等を回避するのに必要な車両の横方向の移動距離(目標移動距離)に基づいて決定される期間、まず、後輪舵角が前輪に対して逆相に操舵され、これにより、回避方向、即ち、横方向の移動方向への車両のヨー運動が発生せしめられ、しかる後に後輪が前輪に対して同相に操舵される(図2(B)参照)。かかる緊急回避時の特別な制御態様(緊急回避モード)を実行するために、本発明の実施形態に於いては、障害物検出部50bが設けられている。
障害物検出部50bは、障害物センサ70l,r又は車車間通信システム若しくはGPS装置72などからの信号若しくは情報に基づいて、図2(A)に例示されている如く、車両(自車)10の前方の障害物等の存在の有無を検知し、自車10の現在位置からその検知された障害物等の進行方向距離Lx及びその障害物等を回避するのに必要な車両の横方向の移動距離(目標移動距離)Lytを計測し、出力することのできる任意の形式の装置であってよい。なお、障害物検出部50bは、本発明の操舵制御装置専用のものであってもよいが、電子制御装置50内に組み込まれているシステム、別途車両に搭載されている既存の衝突防止システム又はITS若しくは情報化技術を利用した運転支援システムの一部であってよく、本発明の装置は、単に、上記の障害物等の進行方向距離Lxと目標移動距離Lytとを取得するようになっていてもよい。車両モデル部50aは、下記に説明される如く、障害物検出部50bから障害物等の進行方向距離Lxと目標移動距離Lytとを取得し、緊急回避モードの実行開始の決定と、緊急回避モードに於いて、車両10を図2(A)の矢印にて示される方向に十分な距離移動させることを達成するよう車両の向きを転向させるべく後輪舵角の目標値の決定と制御を行う。
なお、緊急回避時の後輪舵角制御をより適切に実行するために、本発明の実施形態に於いては、更に、後輪の最大横力を発生するスリップ角を推定する部分50d及びそのスリップ角を決定する際に参照する路面摩擦係数推定部50eとが設けられていてよい。後輪最大スリップ角推定部50dは、路面摩擦係数推定部50eから与えられる路面最大摩擦係数μをパラメータとした予め準備されたマップ(図1(B)の四角枠内に例示)を用いて後輪の最大横力発生時のスリップ角β_maxを推定し、その推定値を車両モデル部50aへ出力する。路面摩擦係数推定部50eは、車速、車輪速、前後加速度等を用いて任意の形式で路面の最大摩擦係数を推定するものであってよい。
緊急回避モードを組み込んだ操舵制御(車両モデル部)の作動
以下、本発明の車両モデル部50a(後輪舵角制御部)に於ける緊急回避時に後輪操舵制御の構成及び作動について説明する。
既に述べた如く、本発明の実施形態に於いては、図2(A)にて例示されてように、車両10の前方に障害物等が存在し、その障害物等と車両10との距離LxがLxo以下となると、障害物等を回避するべく大きく車両を横移動させるために、後輪舵角の制御が通常時とは異なる緊急回避モードにて実行される。図2(B)は、かかる緊急回避モードにて後輪舵角を制御した場合に想定される車両のヨー挙動と軌道(一点鎖線)を模式的に示したものである。なお、比較のため、通常時の制御態様にて後輪舵角を制御した場合(後輪を初めから前輪と同相に操舵した場合)の車両の軌道(点線)も示されている。
図2(B)を参照して、通常時の4WSの制御態様の場合では、一般によく言われているように、車体の先頭を旋回内向きにしなくても、後輪に於いて横力を発生させることができるので、典型的には、例えば、車体の前後軸線方向が旋回方向に一致するよう操舵が実行される(点線の軌道)。しかしながら、後輪舵角の最大値、即ち、上限値は、比較的小さいことから、後輪舵角がその最大値に達すると、それ以上横力を大きくすることができず、結果として、速やかに横方向の移動量を稼ぐことができない。そこで、本発明では、緊急回避モード時には、操舵開始時(Start)から後輪を逆相に操舵し、しかる後、前輪と同相になるよう制御する(前輪と同相に操舵する時期が遅延される)。このように後輪が逆相に操舵される期間(Startからtrevまで)、車体に於いてヨー運動を発生させて車体の先頭方向を操舵方向に転向すると、後輪舵角の向きがその後前輪と同相に転換されたときには、後輪のスリップ角βrの大きさが大きくなり、従って、後輪で発生する横力を大きくすることができ、図中、一点鎖線にて示されているように、車両がLxの距離進むできるだけ前に、目標移動距離Lytの方向への車両を移動させられることとなる。
上記の緊急回避モード時に於ける車両の向きの変化に関して、車両のヨーレートが後輪舵角の一次関数であることを考慮すると、操舵開始時からの後輪を逆相に操舵して同相に転換するまでの車両の向きの変更の程度又は大きさは、図3(A)にて示されている如き、領域Arの面積、即ち、後輪が逆相に操舵される期間(同相への操舵を遅らせる期間)に於ける操舵角δrを時間にて積分した値
∫δr・dt …(1)
に対応して増減すると考えることができる(以下、この積分値を「操舵量」と称する。)。そして、緊急回避モード時に於ける車両の向きの変更の大きさは、目標移動距離Lytが大きいほど、大きくされるべきであるので、後輪を逆相に操舵する間に達成されるべき全操舵量の目標値(以下、「目標操舵量」とする。)Artは、図3(B)のマップ(実線)にて模式的に示されている如く、目標移動距離Lytの関数として決定される。かくして、緊急回避モード時に於いては、目標移動距離Lytに対応して増減する目標操舵量Artが達成されるように後輪が逆相に操舵され、これにより、目標移動距離Lytに対応した程度だけ車両の向きが旋回方向に変化させられ、しかる後に、後輪がハンドル操舵角と同相に操舵されるよう後輪制御が実行される。
なお、後輪を逆相に操舵する間の目標操舵量Artは、第一義的には、目標移動距離Lytの関数として決定されるところ、更に、後輪を前輪と同相にて操舵した際に得られる横力を左右する任意のパラメータ、例えば、後輪舵角の最大値の大きさ|δr_max|、前輪及び後輪の最大許容操舵速度dδf_max、dδr_max、後輪のコーナーリングパワーKp、最大横力を与えるスリップ角β_maxに基づいて修正されてよい。
まず、後輪舵角の最大値(最大角)の大きさ|δr_max|について、この値が大きいほど、後輪を同相に操舵したときのスリップ角及び横力は大きくなり、従って、車両の向きの変更量は小さくてよくなるので、目標操舵量Artは、より小さな値であってもよい。また、前輪及び後輪の最大許容操舵速度dδf_max、dδr_maxについて、これらの値が大きいほど、早期に大きな横力を発生できる(即ち、大きな横力を発生させる期間が長く取れる。)ので、この場合も車両の向きの変更量は小さくてよく、目標操舵量Artは、より小さな値であってよい。更に、後輪のコーナーリングパワーKpが大きいほど、或る操舵量Arに於いて与えられるヨー方向変化量が大きくなると共に、後輪を同相に操舵したときの横力も大きくなるので、目標操舵量Artは、より小さな値であってよい。かくして、|δr_max|、dδf_max、dδr_max、Kpの各値については、これらの値が可変である場合には、それぞれの値が大きいほど(又は小さいほど)、目標移動距離Lytに対して決定される目標操舵量Artは、図3(B)中、一点鎖線にて例示されている如く、低減された(又は増大された)値であってよい。例えば、dδf_max、dδr_max、|δr_max|、Kpについての代表値に於いて、或る目標移動距離Lytに対して決定される逆相操舵期間の操舵量ArをAr(Lyt)とすると、dδf_max、dδr_max、|δr_max|、Kpにより修正された目標操舵量Artは、
Art=λ・λ・λ・λ・Art(Lyt) …(2)
にて与えられてよい。ここで、λ…λは、それぞれ、dδf_max、dδr_max、|δr_max|、Kpが大きいほど、小さくなる値であり、予め実験的に又は理論的に適宜設定される。dδf_max、dδr_max、|δr_max|の値は、典型的には、設計値であるが、対応するセンサの検出値を用いて、車両の走行中に取得された値であってもよい。コーナリングパワーKpは、路面摩擦係数μと車重とに基づいて任意の形式で推定された値が用いられてよい。なお、λ…λの全てが用いられなくてもよく、いずれかが選択的に採用されるようになっていてよい。
更に、好ましくは、既に触れた通り、目標操舵量Artは、後輪に於いて最大横力を与えるスリップ角βr_maxの大きさにより修正されてよい。当業者に於いて知られている如く、後輪に於いて最大横力を与えるスリップ角(以下、「後輪最大スリップ角」とする。)の大きさは、路面摩擦係数によって変化する(図1(B)参照)。かかる後輪最大スリップ角以上に後輪のスリップ角を大きくすると、返って横力が低減する一方、後輪舵角の達成の舵角の制限によって、後輪に於いて、舵角が最大角となっても、後輪最大スリップ角を達成できない場合も有り得る。即ち、後輪が前輪に対して同相にて制御される場合の最大横力の大きさは、後輪最大スリップ角に依存する。
かくして、本実施形態に於いては、一つの態様としては、後輪最大スリップ角βr_maxを参照して、図3(B)に示されている如く、後輪最大スリップ角βr_maxが大きいほど(又は小さいほど)、車両の向きの変更を大きく(又は小さく)すべく、目標操舵量Artを増大(又は低減)するようになっていてよい。これにより、後輪が同相に操舵された際に、後輪のスリップ角が後輪最大スリップ角βr_maxに対して過少に又は過剰になる可能性が低減されることが期待される。
また、後輪最大スリップ角|βr_max|に関し、後輪最大スリップ角βr_maxと後輪舵角の最大角|δr_max|との関係についてみると(以下、“|…|”は、角度の大きさ(絶対値)を示す。)、後輪に於いて舵角を最大にしたときに、後輪最大スリップ角βr_maxを達成できていれば良く、車両の向きの変更は、かかる状態を実現できるようになっていればよい。換言すれば、後輪最大スリップ角βr_maxに対する後輪舵角の最大角|δr_max|が大きいほど、後輪最大スリップ角βr_maxを達成するのに要する(後輪舵角を補填する)車両の向きの変更量は、小さくよいこととなる。従って、もう一つの態様として、目標操舵量Artは、後輪最大スリップ角βr_maxと後輪舵角の最大角|δr_max|とを比較したときに後輪最大スリップ角|βr_max|に対する後輪舵角の最大角|δr_max|が大きいほど、小さく設定されるようになっていてよい。具体的には、例えば、後輪最大スリップ角βr_maxと後輪舵角の最大角|δr_max|との差分(|βr_max|−|δr_max|)又は比(|βr_max|/|δr_max|)が小さいほど(後輪最大舵角が相対的に大きいほど)、小さくなる係数λを決定し、目標操舵量Artが、式(2)のArtに係数λを乗じた数Art**
Art**=λArt …(3)
によって与えられるようになっていてよい。なお、|βr_max|−|δr_max|<0又は|βr_max|/|δr_max|<1となるときは、車両の向きの変更をしなくても、後輪を同相に操舵するだけで、最大スリップ角を達成できることとなるので、係数λ=0に設定され、車両の向きの変更を行わないようになっていてよい。
かくして、目標移動距離Lytに基づいて決定される目標操舵量Artを、更に後輪の制御によって与えられる車両のヨー変化量に変化を与えるパラメータに基づいて修正することにより、車両の向きの変化が過大又は過小にならないように、目標操舵量Artがより適切な値に設定され、これにより、緊急操舵直後のヨー方向の変化量を調節することが可能となる。
図4は、障害物検出部50bからの障害物等の情報に応答して、車両を横方向に緊急に移動させるべき状態であると判定される場合には、上記の如き、通常時とは、異なる制御態様(緊急回避モード)にて後輪舵角を制御するよう構成された車両モデル部の制御処理をフローチャートの形式にて表したものである。なお、図示の制御処理は、車両の運転中、常時、反復して実行されてよい。
同図を参照して、まず、車両の通常走行中(緊急回避モードの実行中でない状態:EEF=OFF。EEFは、緊急回避モードの実行中を表すフラグ)に於いては、常時、障害物検出部50bから車両前方の障害物等の距離Lxが予め定められたLxoを下回っているか否か、
Lx<Lxo …(4)
であるか否かが監視される(ステップ110)。そして、障害物等が存在していないか又は距離LxがLxoより大きいとき(Lx>Lxo)は、通常時の制御態様にて、前輪及び後輪の舵角の目標値が決定され(ステップ120)、その目標値に基づいて舵角制御が実行される(ステップ130)。なお、通常時の制御態様としては、任意の形式の4WSの舵角制御、例えば、前輪舵角比例制御(後輪舵角δrを、δr=kδf、又は、δr=kδf+Δにて制御。kは、車速に応じて決定される係数であり、Δは、任意の形式で与えられる補正値である。)、モデル・マッチング/フォロイング制御等であってよい。典型的には、前輪舵角δf及び後輪舵角δrは、ハンドル操舵角δdの増大と共にそれと同相にて、図5(A)(後輪のみ表示。前輪も略同様。)の如くそれぞれ最大舵角δf_max及びδr_maxまで増大する。
一方、ステップ110に於いて式(4)が成立したときには、緊急回避モードが実行開始される(EEF=ONに設定:ステップ140)。なお、この場合、好ましくは、運転者に対して、緊急回避操舵が必要であることの警告が発せられてよい。そして、車両モデル部50a内に於いて、運転者による緊急回避操舵が開始された後に後輪を前輪に対して逆相に操舵する際の目標操舵量Artが前記の如く、目標移動距離Lyt及びその他のパラメータに基づいて決定される(ステップ150)。
かくして、逆相操舵期間中の目標操舵量Artが決定されると、緊急回避モードに於ける前輪舵角及び後輪舵角の目標値が決定される(ステップ160)。ここに於いて、緊急回避モードの実行中に於いては、後輪舵角の目標値については、その大きさは、図5(A)により与えられる如く、ハンドル操舵角の関数として与えられるが、向きは、ハンドル操舵角の逆相とされる。そして、各舵角の目標値が制御指令として各操舵装置へ送られ、舵角制御が実行され(ステップ130)、これにより、車両に大きなヨーモーメントが発生し、車両の向きがハンドルを切った方向へ転向されることとなる。
かくして、緊急回避モードの実行開始後、図4の制御処理サイクルが繰り返される際、EEF=ONに設定されているので、制御処理サイクルに於いては、下記に述べる緊急回避モードの終了条件が成立したか否かが判定される(ステップ170)。ここに於いては、後輪の現在までの逆相の操舵量が、
∫δr・dt …(5)
により算出され、
∫δr・dt>Art−δr現在値 /2(dδr_max) …(6)
が成立しているか否かが判定される(Artは、Art又はArt**であってよい。)。なお、式(6)の右辺の第2項は、現在の後輪舵角を同相まで転換させる間に生ずる逆相方向の操舵量である。ここで、式(6)が成立していないときには、終了条件が成立していないとされ、ステップ160に於いて、前記の如く、前輪及び後輪の舵角目標値は、ハンドル操舵角の関数として、それぞれ同相及び逆相に設定された状態が継続される。
しかしながら、式(6)が成立したときには、終了条件が成立したと判定され、これにより、緊急回避モードが解除され(ステップ180:EEFがOFFに設定)、これ以降は、通常時の制御態様が復帰されることとなる(ステップ125)。かかる通常時の制御態様の復帰の際、後輪舵角の目標値の大きさは、図5(A)のマップに従って決定されてよいが、舵角は、逆相から同相へ遷移する際に、最大許容操舵速度dδr_maxにて変化させられることとなる(式(6)の右辺の第2項)。
図5(B)は、図4の制御処理が実行されている場合にハンドル操舵角が時間と共に(一様に)増大されたときの後輪舵角の時間変化の例を示したものである。同図を参照して、通常時、図中、実線nで示されている如く、後輪舵角は、ハンドル操舵角と同相にて増大し、最大角まで到達すると、その値に維持されることとなる。一方、緊急回避モードが実行されると(ステップ110の判定がイエスとなったとき)、例えば、一点鎖線e1にて示されている如く、後輪舵角は、ハンドル操舵角と逆相に増大し、逆相側の最大角−δr_maxまで到達すると、その値に維持される。そして、操舵量∫δr・dtが式(6)を満たすと(時点ta)、同相側へ向けて、最大許容操舵速度にて同相側の最大角δr_maxまで遷移させられる(時点ta_e)。また、例えば、ステップ150にて設定される目標操舵量Artが比較的小さい場合には、図中、二点鎖線e2にて例示されている如く、後輪舵角が最大角に達する前であっても、操舵量∫δr・dtが式(6)を満たすと(時点tb)、前記の場合と同様に、最大操舵角速度にて同相側へ向けて、同相側の最大角δr_maxまで遷移させられる(tb_e)。
かくして、上記の図4の制御処理によれば、図5(B)に例示の制御スキームが達成され、図2(B)に例示の如く、回避操舵の初期に車体にヨー運動を発生させ、これにより、後輪の同相操舵時の後輪スリップ角が増大され、横方向への移動量を稼ぐことが可能となる。
以上に於いては本発明を一つの実施の形態について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、目標移動距離Lytに基づいて決定される目標操舵量Artは、車速に応じて増減されてよい。また、後輪を前輪に対して同相に操舵する際の後輪舵角は、常に後輪最大スリップ角β_maxを達成するように調節されてよい。更に、車両の走行するコースに応じて、逆相操舵期間中の目標操舵量Ar或いは種々のパラメータにより決定される係数λo〜λの値は、適宜調節されてよく、そのような場合も本発明の範囲に属すると理解されるべきである。上記の実施形態は、障害物等を回避する際の緊急回避操舵の例について説明されているが、例えば、車両が所定のコースを追従する際に、大きく横移動することが要求される場合に、本発明の後輪舵角制御の態様が採用されてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属すると理解されるべきである。
更に、上記の実施形態に於いては、緊急回避モード時に、後輪を同相に操舵する前に逆相に操舵するようになっているが、単に、後輪操舵を遅らせるだけであってもよい(二輪操舵状態となる。)。この場合、後輪の同相への操舵の遅延期間trev(図3(A)参照)が目標移動距離Lyt及び前記のその他のパラメータにより決定されるようになっていてよい(決定方法は、目標操舵量Artと同様であってよい。)。遅延期間trevは、ハンドル操舵角δd及び/又はハンドル操舵角δdの時間変化率dδd/dtが所定値(運転者が有意にハンドルを回転したことを表す所定値)以上になったことをきっかけに開始され、時間trevの経過した時点で終了され、その後、後輪は前輪と同相に操舵される。
図1(A)は、本発明の操舵制御装置の好ましい実施形態が搭載される車両の模式図であり、図1(B)は、電子制御装置50に於いて構成される本発明による操舵制御装置の好ましい実施形態の制御ブロック図である。障害物検出部50bは、車両に搭載された任意の別の制御装置の部分であってよい。図中の下方の枠内のグラフは、後輪最大スリップ角推定部50dに於いて、後輪の最大横力を与えるスリップ角を推定する際に用いられるマップである。 図2(A)は、本発明の操舵制御装置に於いて、障害物等を回避するための緊急回避モードが実行される状態を説明する図であり、Lx<Lxoが成立するときに、緊急回避モードが実行される。図2(B)は、緊急回避モード実行中の車両のヨー方向の経時的な変化及び軌道(一点鎖線)を模式的に示したものである。説明の目的で、挙動の変化は誇張して表現されている。点線にて示された軌道と車両は、初めから後輪を前輪と同相に操舵した場合を示している。 図3(A)は、緊急回避モードに於ける後輪舵角の制御の時間変化の例を模式的に示したものである。斜線領域の面積が目標操舵量Artに相当する。図3(B)は、目標移動距離Lytの関数として、目標操舵量Artを決定するマップをグラフ形式で表したものである。決定された目標操舵量Arは、更に、図示のパラメータにより増減補正されてよい。 緊急回避モードを選択的に実行する図1(B)の車両モデル部50a(操舵制御部)に於ける制御処理をフローチャートの形式で表したものである。 図5(A)は、ハンドル操舵角δdに対して設定される後輪舵角δrの目標値を示すグラフ図である。ハンドル操舵角がδd1のとき後輪舵角は限界に達し、その後、限界値(最大角δr_max)に維持される。図5(B)は、通常モード時(実線)及び緊急回避モード時(一点鎖線・二点鎖線)の実行中に予定される後輪舵角の時間変化を示している。図中、ハンドル操舵角と一致する方向を正とし、時間0が運転者がハンドル操作を開始した時点である。
符号の説明
10…車両
12FL〜RR…車輪
14FL〜RR…車輪速センサ
20…駆動系装置
30…前輪操舵装置
32…ステアリングホイール
32a…VGRS装置
34…倍力装置(操舵駆動器)
40…後輪操舵装置
44…後輪操舵用の駆動器
50…電子制御装置
62…ヨーレート及び/又は横加速度センサ
70l,r…障害物センサ
72…車車間通信システム又はGPSシステム

Claims (12)

  1. 前輪操舵装置と後輪操舵装置とを有する車両の4輪操舵制御装置であって、前記車両の走行条件に基づいて後輪を前輪に対して同相又は逆相にて操舵するよう後輪舵角を制御する後輪操舵制御部と、前記車両の走行中に前記車両をその横方向に移動させるべき状態を検出し前記横方向の目標移動距離を決定する目標移動距離決定部とを含み、前記走行条件が前記後輪操舵制御部に於いて前記後輪の舵角を前記同相にて制御する走行条件であるときに、前記目標移動距離決定部が前記車両をその横方向に移動させるべき状態を検出したときには、前記後輪操舵制御部が、前記目標移動距離に基づいて決定される期間、前記後輪の前記同相にての操舵を遅らせることを特徴とする装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記後輪操舵制御部が前記後輪の前記同相にての操舵を遅らせる前記期間に於いて、前記後輪操舵制御部が前記後輪を前記逆相に操舵し、前記目標移動距離に基づいて決定される目標操舵量が達成されると前記期間が終了して前記後輪を前記同相に操舵することを特徴とする装置。
  3. 請求項1又は2の装置であって、前記目標移動距離が大きい場合は、前記目標移動距離が小さい場合に比して、前記目標移動距離に基づいて決定される前記期間が長くされることを特徴とする装置。
  4. 請求項2又は請求項2を引用する請求項3の装置であって、前記後輪を前記逆相に操舵させる際の前記目標操舵量が、前記目標移動距離が大きい場合は、前記目標移動距離が小さい場合に比して、大きくされることを特徴とする装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの装置であって、前記車両の走行条件が車速であることを特徴とする装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの装置であって、更に、前記目標移動距離に基づいて決定される前記期間が、前記後輪の舵角の最大角が大きい場合は、前記最大角が小さい場合に比して、短くされることを特徴とする装置。
  7. 請求項4の装置であって、更に、前記後輪を前記逆相に操舵させる際の前記目標操舵量が、前記後輪の舵角の最大角が大きい場合は、前記最大角が小さい場合に比して、小さくされることを特徴とする装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかの装置であって、更に、後輪最大スリップ角を推定する後輪最大スリップ角推定部を含み、前記後輪最大スリップ角の大きさが大きい場合は、前記後輪最大スリップ角の大きさが小さい場合に比して、前記目標移動距離に基づいて決定される前記期間が長くされることを特徴とする装置。
  9. 請求項2を引用する請求項8の装置であって、前記後輪を前記逆相に操舵させる際の前記目標操舵量が、前記後輪最大スリップ角の大きさが大きい場合は、前記輪最大スリップ角の大きさが小さい場合に比して、大きくされることを特徴とする装置。
  10. 請求項8又は9の装置であって、前記後輪最大スリップ角の大きさに対する前記後輪の舵角の最大角の大きさが大きい場合は、前記後輪最大スリップ角の大きさに対する前記後輪の舵角の最大角の大きさが小さい場合に比して、前記目標移動距離に基づいて決定される前記期間が短くされることを特徴とする装置。
  11. 請求項9又は請求項9を引用する請求項10の装置であって、前記後輪を前記逆相に操舵させる際の前記目標操舵量が、前記後輪最大スリップ角の大きさに対する前記後輪の舵角の最大角の大きさが大きい場合は、前記後輪最大スリップ角の大きさに対する前記後輪の舵角の最大角の大きさが小さい場合に比して、小さくされることを特徴とする装置。
  12. 請求項1の装置であって、前記目標移動距離に基づいて決定される期間が運転者のハンドル操舵角の時間変化率の大きさが所定値を上回ったときに開始されることを特徴する装置。
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