JP2009279411A - 内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】長尺の管状の挿入部3と、挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具8A、8Bによって処置可能な複数のアーム部5A、5Bと、挿入部の先端部に挿入部から分離可能に配設された観察本体14と、挿入部の先端部に配設された観察本体を、挿入部の径方向であって複数のアーム部とは反対側に付勢する付勢部材43と、付勢部材に抗し、観察本体を挿入部の先端部に配設された状態に保持するとともにこの保持を解除することが可能な保持機構15と、を備える。
【選択図】図5
Description
従来、被検体の体腔内の患部等を観察し処置するために、内視鏡装置が使用されている。この内視鏡装置としては、例えば先端側から、体腔内に挿入される可撓性を有する長尺状の挿入部と、挿入部を操作する操作部とを連結させたものが知られている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
挿入部の先端部には、周囲を観察する観察本体、及び、処置を行う処置具が内挿される2つのアーム部が先端面に設けられた先端構成部が配設されている。そして、先端構成部の基端側には湾曲可能な管状の湾曲部が接続され、さらに湾曲部の基端側には可撓性を有し操作部に連結される可撓管部が接続されている。先端構成部の基端側には、湾曲部及び可撓管部内を連通する操作ワイヤの先端部が固定されるとともに、操作ワイヤの基端部は操作部に設けられ操作ワイヤを牽引することができるアングルノブに取付けられている。
また、2つのアーム部の先端部から、挿入部を経由して操作部に設けられた鉗子栓に至るまで作業用チャンネルがそれぞれ形成されており、この作業用チャンネルに処置具を挿入することで、各アーム部の先端から処置具の先端部を突出させ処置を行うことができるようになっている。
本発明の内視鏡装置は、長尺の管状の挿入部と、該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、前記挿入部の先端部に該挿入部から分離可能に配設された観察本体と、前記挿入部の先端部に配設された前記観察本体を、前記挿入部の径方向であって前記複数のアーム部とは反対側に付勢する付勢部材と、該付勢部材に抗し、前記観察本体を前記挿入部の先端部に配設された状態に保持するとともにこの保持を解除することが可能な保持機構と、を備えることを特徴としている。
以下に、本発明の各実施形態について説明する。なお、本発明の内視鏡装置の基本構造は、本出願と関連する米国出願NO.11/331,963、NO.11/435,183、及びNO.11/652,880にも開示されている。
図1に示すように、内視鏡装置1は、操作部2の一端から管状の挿入部3が一体に延設されている。挿入部3は、長尺で可撓性を有し、その構成は、米国出願NO.11/435,183やNO.11/652,880に記載されたものと同様である。すなわち、挿入部3は、シース4を有し、その先端部に配設された先端構成部7の先端面7hには湾曲可能な第一、第二のアーム部5A、5Bが設けられ前方に突出している。各アーム部5A、5Bの内部にはそれぞれ作業用チャンネル6が形成されており、挿入部3及び操作部2を経由して後述する連結シース20まで連通している。処置具8A、8Bはそれぞれ作業用チャンネル6の内部に挿入され、各アーム部5A、5Bの先端部からは、処置具8A、8Bの処置部9A、9Bが各々突出している。この処置具8A、8Bにより、第一、第二のアーム部5A、5Bは体腔内で処置可能となっている。
また、先端構成部7の先端部の外周面上には内部を観察するための観察本体14が挿入部3から分離可能に配設され、保持機構15で保持されている。
なお、第一、第二のアーム部5A、5Bは、米国出願NO.11/652,880に記載されるように、シース4の先端から突出する別のシース内に挿通されてもよい。
そして、図2に示すように、操作部2の他端部からは、長尺で可撓性を有する連結シース20が延設されており、連結シース20の端部に操作部25が設けられている。
また、不図示の操作レバーを押込んだ時には第一、第二のアーム部5A、5Bの第二湾曲部12はそれぞれ直線状で各アーム部5A、5Bは先端構成部7の先端面7hから前方に直線状に突出する形状であるが、操作レバーを牽引して固定することにより図1に示すように、第二湾曲部12は第一、第二のアーム部5A、5Bを互いに離間させた湾曲形状に維持される。
ここで、挿入部3の径方向であって第一、第二のアーム部5A、5Bとは反対側とは、図4中に示すように、第一、第二のアーム部5A、5Bが先端構成部7の先端面7hに設けられた場所の中点Pの軸線C1に対する対称の位置側のことを意味する。
なお、開閉部材41と開閉部材駆動ワイヤ44とで上記保持機構15を構成している。
まず、操作レバーを押込んで第一、第二のアーム部5A、5Bを互いに平行にし、そして操作部10A、10Bに対して処置具8A、8Bをそれぞれ手前に引いて各アーム部5A、5Bの先端部から処置部9A、9Bを突出させない状態にする。
次に、観察本体14で周囲を観察し、第一の操作ユニット30Aと第二の操作ユニット30Bで各アーム部5A、5Bの第一湾曲部11を、またアングルノブ18で第三湾曲部13をそれぞれ湾曲させながら、挿入部3を被検体の体腔内に挿入していく。
次に、図5に示すように、視野本体操作レバーで開閉部材駆動ワイヤ44を操作することにより開閉部材41を第二の溝部7bの他方の側に移動させて観察本体14の保持を解除する。すると、観察ケーブル43が、第一の溝部7aに配設された観察本体14を移動方向G1に付勢するので、観察本体14は姿勢を保ったまま先端構成部7から離間した位置に移動する。
なお、患部の処置が終わると、挿入部3を体腔内に挿入する時と同様に、操作レバーを押込んで第一、第二のアーム部5A、5Bを互いに平行にし、操作部10A、10Bに対して処置具8A、8Bをそれぞれ手前に引いて各アーム部5A、5Bの先端部から処置部9A、9Bを突出させない状態にする。そして、観察ケーブル43を基端側に牽引することでシース4の内側に観察本体14を収容する。挿入部3をこのような状態にした後で、挿入部3を基端側に牽引して挿入部3を体腔内から引き抜く。
また、観察本体14が姿勢を保ったまま先端構成部7から離間した位置に移動するので、処置部9A、9Bを第一、第二のアーム部5A、5Bの基端側からでなく、斜めの方向から観察することができる。従って、処置を行う時に観察本体14の視野が第一、第二のアーム部5A、5Bのそれぞれの基端側に遮られることを抑え、処置部9A、9Bの視認性を高めることができる。
また、処置部9A、9Bから観察本体14までの距離を長くすることができるので、処置部9A、9Bにおける観察本体14の視野範囲を広げることができ、患部の処置を安全かつ短時間で行うことが可能となる。
図6に示すように本変形例では、観察本体14を移動させる移動機構50は、観察本体14を挟むように対称に配設され、一端側が第一のピン51により観察本体14に回動可能に支持されるとともに、他端側が第二のピン52により挿入部3に回動可能に支持された一対のリンク部材53を有する。
なお、第二のピン52の軸線は第一のピン51の軸線よりも軸線C1側に配置されるように構成されている。また、本変形例における観察ケーブル54は曲がり癖がないものを用いている。
本変形例による基本的な処置方法は上記第1実施形態と同一となるが、第一、第二のアーム部5A、5Bの第二湾曲部12をそれぞれ曲げた状態に固定した後で、図7に示すように、操作部2において観察ケーブル54を基端側に引くことで、不図示のガイド孔に挿通される観察ケーブル54を基端側に移動させる。そして、一対のリンク部材53を第二のピン52を中心に回動させ、観察本体14を先端構成部7から離間した位置に移動させる。
以上説明したように、本変形例の内視鏡装置55によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態及び変形例と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態では、観察本体14を挿入部3の径方向であって第一、第二のアーム部5A、5Bとは反対側である移動方向G1に移動させる伸縮機構60を備えている。ここで、この伸縮機構60は、互いに径の異なる複数の筒状部材61を入れ子状に重合させて全体を移動方向G1に伸縮自在に形成したテレスコピック62と、基端側を押し込んだり牽引したりすることによりテレスコピック62を移動方向G1に突没させる操作ワイヤ63とを有する。なお、本実施形態において、先端構成部7の先端面7hと観察本体14の先端面14aとが同一平面状になるように構成することが好ましい。
本実施形態による基本的な処置方法は上記第1実施形態と同一となるが、第一、第二のアーム部5A、5Bの第二湾曲部12をそれぞれ曲げた状態に固定した後で、操作ワイヤ63の基端側を押し込むことにより、図9に示すように観察本体14を先端構成部7から離間する移動方向G1に移動させる。
図10に示すように、本変形例では、観察本体14を挿入部3の径方向であって第一、第二のアーム部5A、5Bとは反対側である移動方向G1に移動させる伸縮機構70を備えている。ここで、この伸縮機構70は、移動方向G1に伸縮自在に形成した蛇腹部材71と、この蛇腹部材71に空気を供給したり蛇腹部材71から空気を排出させたりする不図示の空気供給排出装置に連結された空気パイプ72とを有する。なお、観察ケーブル54は、蛇腹部材71、挿入部3及びユニバーサルケーブル19内を通ってモニタに接続されている。
本変形例による基本的な処置方法は上記第1実施形態と同一となるが、第一、第二のアーム部5A、5Bの第二湾曲部12をそれぞれ曲げた状態に固定した後で、空気供給排出装置により空気パイプ72を介して蛇腹部材71に空気を供給することにより、図11に示すように、姿勢を保ったまま観察本体14を軸線C1から離間した位置に移動させる。
以上説明したように、本変形例の内視鏡装置73によれば、上記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態、第2実施形態及び参考例と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図12に示すように、本実施形態では、自身が向く方向を観察する観察本体14と、挿入部3の径方向であって第一、第二のアーム部5A、5Bとは反対側である移動方向G1、及び、挿入部3の前方を観察本体14が向くように観察本体14を回転可能に支持する観察本体回転機構80と、挿入部3の先端部に突没可能に配置される反射部材81と、を備える。
なお、反射部材81で反射してから観察本体14で観察された映像は、画像処理装置により上下を反転させてからモニタで表示させることが好ましい。
本実施形態による基本的な処置方法は上記第1実施形態と同一となり、体腔内には図12に示すように、観察本体14に前方を向かせるとともに反射部材81を挿入部3の先端部側に移動させ挿入部3に収容した状態で挿入する。そして、2つのアーム部5A、5Bの先端部を患部に対向させた時には、第一、第二のアーム部5A、5Bの第二湾曲部12をそれぞれ曲げた状態に固定した後で、操作レバーを回動させて第二のワイヤ84を牽引することにより、図14に示すように、観察本体14に移動方向G1を向かせるとともに反射部材81を突出させて処置具8A、8Bの像を観察本体14に反射させる。
次に、本発明の第4実施形態について説明するが、前記第1実施形態から第3実施形態及び変形例と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図16に示すように、本実施形態では、第一、第二のアーム部5A、5Bの先端部、すなわち処置部9A、9Bがそれぞれ観察本体14の視界の中心にくるように、観察本体14を挿入部3の軸線C1に交差する回転軸線C2周りに回転させる観察本体回転機構90を備える。
観察本体14は、先端構成部7に軸線C1に沿って形成された孔部7e内でピン91により回転軸線C2周りに回転自在に支持されている。また、回転軸線C2を挟むように、観察本体14の基端側の面の一方の端には第一のワイヤ92、他方の端には第二のワイヤ93の先端部がそれぞれ固定されている。そして、第一、第二のワイヤ92、93は、挿入部3内を挿通し操作部2に設けられた不図示の操作レバーにそれぞれ固定されている。そして操作レバーを回動させることにより、第一、第二のワイヤ92、93のいずれか一方が牽引されるように構成されている。
なお、ピン91、第一のワイヤ92、第二のワイヤ93、及び操作レバーで上記観察本体回転機構90を構成している。
本実施形態による基本的な処置方法は上記第1実施形態と同一となるが、第一、第二のアーム部5A、5Bの第二湾曲部12をそれぞれ曲げた状態に固定した後で、操作レバーを回動させて観察本体14を回転軸線C2周りに回動させ、観察本体14による視界を調整しながら処置を行う。
以上説明したように、本実施形態の内視鏡装置94によれば、観察本体14を軸線C1に交差する回転軸線C2周りに回動させ、処置部9A、9Bが観察本体14の視界の中心にくるようにすることができる。従って、観察本体14の視界を操作者に見えやすいように調整することが可能となる。
次に、本発明の第5実施形態について説明するが、前記第1実施形態から第4実施形態及び変形例と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図17及び図18に示すように、本実施形態では、第一、第二のアーム部5A、5Bの先端部、すなわち処置部9A、9Bがそれぞれ観察本体14の視界の中心にくるように、観察本体14を各アーム部5A、5Bが存するアーム面Sに対して平行な移動方向G2に移動させる観察本体移動機構100を備える。
ここで、各アーム部5A、5Bが存するアーム面Sとは、図17中に示すように、各アーム部5A、5Bが先端構成部7の先端面7hに設けられた場所をそれぞれ含む軸線C1に平行な平面のことを意味する。
観察本体14は、第一の長孔7fに配置されるが、観察本体14に形成された凸部14bが第二の長孔7gに係合し、観察本体14は移動方向G2にのみ移動可能となっている。また、凸部14bのうち移動方向G2の一方の側の面には第一のワイヤ101、他方の側の面には第二のワイヤ102の先端部がそれぞれ固定されている。第一、第二のワイヤ101、102は、挿入部3内を挿通し操作部2に設けられた不図示の操作レバーにそれぞれ固定されている。そして操作レバーを回動させることにより、第一、第二のワイヤ101、102のいずれか一方が牽引されるように構成されている。
なお、第一の長孔7f、第二の長孔7g、凸部14b、第一のワイヤ101、第二のワイヤ102、及び操作レバーで上記観察本体移動機構100を構成している。
本実施形態による基本的な処置方法は上記第1実施形態と同一となるが、第一、第二のアーム部5A、5Bの第二湾曲部12をそれぞれ曲げた状態に固定した後で、操作レバーを回動させて観察本体14を移動方向G2に移動させ、観察本体14による視界を調整しながら処置を行う。
以上説明したように、本実施形態の内視鏡装置103によれば、観察本体14を移動方向G2に移動させ、処置部9A、9Bが観察本体14の視界の中心にくるようにすることができる。従って、観察本体14の視界を操作者に見えやすいように調整することが可能となる。
次に、本発明の第6実施形態について説明するが、前記第1実施形態から第5実施形態及び変形例と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図19に示すように、本実施形態では、第一のアーム部5Aに設けられ、患部等の所望部位Kの像を観察本体14に向けて反射させる反射部材110を備える。
反射部材110の一つの面には光を反射する鏡部111が設けられている。また、本実施形態では、反射部材110は処置具8Aの処置部9Aに設けられているが、反射部材110は第一のアーム部5Aの先端部に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、処置具112として把持鉗子を用いている。
本実施形態による基本的な処置方法は上記第1実施形態と同一となるが、第一、第二のアーム部5A、5Bの第二湾曲部12をそれぞれ曲げた状態に固定した後で、操作スティック31Aを回動させ第一のアーム部5Aの第一湾曲部11を湾曲させながら反射部材110を所望部位Kの周囲の観察したい位置に移動させる。そして、操作スティック31Bを回動させて第二のアーム部5Bの第一湾曲部11を湾曲させながらスライダ35Bを移動させて処置具112で所望部位Kを除去する。
以上説明したように、本実施形態の内視鏡装置113によれば、所望部位Kが見えやすいように、反射部材110の向きを変えたり移動させたりして所望部位Kの周囲を観察することができる。また、所望部位Kの状態や所望部位Kの処置状況をより2つの方向からより正確に観察することができる。
なお、本実施形態では反射部材110を第一のアーム部5Aのみに設けたが、第二のアーム部5Bのみに設けてもよいし、第一、第二のアーム部5A、5Bの両方に設けてもよい。
図20に示すように本変形例では、先端構成部7の先端面7hに第一、第二のアーム部5A、5Bに対して観察本体14と反対側の位置にサブ観察本体120が設けられている。サブ観察本体120は、観察本体14と同様に、レンズやCCD等の受光素子が内蔵され、サブ観察本体120で得られた映像をモニタに伝達させる不図示のサブ内視鏡ケーブルが接続されている。
モニタでは、処置部9A、9Bや第一、第二のアーム部5A、5Bの位置を観察しながら、観察本体14とサブ観察本体120とのいずれの映像を表示するか切り替えられるように構成されている。
以上説明したように、本変形例の内視鏡装置121によれば、処置部9A、9Bを観察本体14及びサブ観察本体120という2つの方向から観察することができるので、処置部9A、9Bの視認性を高めることが可能となる。
図21に示すように本変形例では、第一、第二のアーム部5A、5Bの作業用チャンネル6にサブ内視鏡130、131がそれぞれ挿入されている。サブ内視鏡130、131で得られた映像は不図示のサブ内視鏡ケーブルによりそれぞれモニタに伝達される。そして、モニタでは、観察本体14による映像のみを表示するか、サブ内視鏡130、131による映像も含めて表示するか等を切り替え可能に構成されている。
なお本変形例では、必要に応じてサブ内視鏡130、131を把持鉗子や注射器具等の処置具にそれぞれ交換することができる。
図22に示すように本変形例では、挿入部3にはサブチャンネル6Bが形成されて、このサブチャンネル6B内に先端部が湾曲可能でかつ軸線C1方向に進退可能なサブ内視鏡140が挿入されている。サブ内視鏡140で得られた映像は不図示のサブ内視鏡ケーブルによりそれぞれモニタに伝達される。そして、モニタでは、観察本体14による映像のみを表示するか、サブ内視鏡140による映像も含めて表示するか等を切り替え可能に構成されている。
以上説明したように、本変形例の内視鏡装置141によれば、処置部9A、9Bを観察本体14及びサブ観察本体140の2つで観察することができるので、処置部9A、9Bの視認性を高めることが可能となる。また、サブ観察本体140は先端部が湾曲可能でかつ軸線C1方向に進退可能に構成されているので、処置部9A、9Bの視認性をより高めることができる。
図23に示すように本変形例では、先端構成部7の外周面に斜め前方を観察するサブ内視鏡150が備えられている。サブ内視鏡150で得られた映像は不図示のサブ内視鏡ケーブルによりそれぞれモニタに伝達される。そして、モニタでは、観察本体14による映像のみを表示するか、サブ内視鏡150による映像も含めて表示するか等を切り替え可能に構成されている。
以上説明したように、本変形例の内視鏡装置151によれば、処置部9A、9Bを観察本体14及びサブ観察本体150で観察することができるので、視界を広げることができ処置部9A、9Bの視認性を高めることが可能となる。
次に、本発明の第7実施形態について説明するが、前記第1実施形態から第6実施形態及び変形例と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図24に示すように、本実施形態では、観察本体14による映像のうち、第一、第二のアーム部5A、5Bの先端部、すなわち処置部9A、9Bの近傍のみを抽出する映像処理部160と、映像処理部160で抽出した映像を拡大して表示する不図示のモニタ(表示部)とを備える。なお、本実施形態において、処置部9A、9B及び各アーム部5A、5Bは、赤みの少ない色で着色しておくことが好ましい。
この映像処理部160による処理方法は、まず、体腔内の組織は赤みを帯びた色を有しているので、観察本体14で撮影した図25に示す映像のうち赤色の光を抽出して輝度を測定し、適切な閾値を定めて輝度を2値化する。こうすることで、映像処理部160により、例えば組織は黒色で処置部9A、9Bは白色というように、組織の映像から処置部9A、9Bの形状を抽出することができる。さらに黒色と白色との輪郭形状を抽出し、輪郭形状の向きが所定の値以上変化する位置を処置部9A、9Bの位置として検出することができる。映像処理部160は処置部9A、9Bの位置と検出すると、処置部9A、9Bの中間の位置を中心として、映像を例えば縦横ともに2倍に拡大した図26に示す映像をモニタに送信し表示させる。
なお、観察本体14に光学的に像を拡大する機構を内蔵させてもよい。
次に、本発明の第8実施形態について説明するが、前記第1実施形態から第7実施形態及び変形例と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図27に示すように、本実施形態では、先端構成部7に形成され、先端側が先端構成部7の先端面7hに形成された第一の開口170及び先端構成部7の側面に形成された第二の開口171の両方に連通されるチャンネル172と、チャンネル172に挿通され先端部が湾曲して第一の開口170及び第二の開口171から観察可能な観察機構173と、を備える。また、観察機構173は、内部に設けられた不図示の操作ワイヤにより、先端部を湾曲させることができるように構成されている。
なお、観察機構173の挿入性を向上させるために、第二の開口171は先端構成部7の斜め前方に向けて開口していることが好ましい。
また、先端構成部7の径方向外側において処置を行う時には図28に示すように、観察機構173を一度第一の開口170と第二の開口171との連結部まで引き戻してから観察機構173の先端部を第二の開口171の方へ湾曲させ観察機構173を先端側へ押込む。そして各アーム部5A、5Bを第二の開口171側に湾曲させ、観察機構173で第二の開口171側から観察しながら各アーム部5A、5Bで処置を行う。
なお、観察機構173としては既存の内視鏡を用いることができる。
図29に示すように、本変形例では、内視鏡装置180に観察本体14は設けられておらず、内視鏡装置180の先端構成部7に設けられた円筒状のガイド部材181を、処置部が設けられていない既存の内視鏡N1に取付けて用いられる。
なお、予め内視鏡N1だけを被検体の体腔内に挿入しておき、続いて内視鏡N1の挿入部N2に沿ってガイド部材181を移動させることにより内視鏡装置180を体腔内に挿入しても良い。
また、図30に示すように、内視鏡装置180を処置部N3を備えた内視鏡N4に取付けて用いてもよい。
以上説明したように、本変形例の内視鏡装置180によれば、観察本体14に替えて既存の内視鏡を用いて前方を観察しながら処置を行うことができる。
次に、本発明の第9実施形態について説明するが、前記第1実施形態から第8実施形態及び変形例と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図31に示すように、本実施形態では、先端構成部7から分離可能に配設された観察本体14と、観察本体14に設けられ観察本体14を腹壁等の体腔の内壁Bに着脱可能に取付ける取付部材190と、第一アーム部5Aに挿入され、先端構成部7に配設された観察本体14に係合して体腔の内壁Bに観察本体14を取付部材190により取付けることが可能な取付用処置具191と、を備える。
本実施形態では、取付部材190は、バネ性を有して体腔の内壁Bを挟むクリップが用いられるが、観察本体14を体腔の内壁Bに取付けるものであれば、フックや磁石等でもよい。
また、観察本体14と挿入部3とはケーブル192で接続されており、ケーブル192の基端側に配置された不図示の巻取り機構でケーブル192を巻き取ることにより、観察本体14を第一の溝部7aに収容することができる。
本変形例による基本的な処置方法は上記第1実施形態と同一となるが、挿入部3を被検体の体腔内に挿入し2つのアーム部5A、5Bの先端部を患部に対向させた状態から、第一のアーム部5Aの第一湾曲部11を湾曲させ取付用処置具191を観察本体14に係合させ、ケーブル192を伸ばしながら、取付部材190により観察本体14を体腔の内壁Bに取付けることとなる。
たとえば、上記第1実施形態から第9実施形態及び変形例では、第一、第二のアーム部5A、5Bを先端構成部7の先端面7hに設けたが、先端構成部7の側面に設けてもよい。
また、上記第1実施形態から第4実施形態、第6実施形態から第9実施形態及び変形例では、先端構成部7の先端面7hには第一、第二のアーム部5A、5Bという2つのアーム部を設けたが、3つ以上のアーム部を設けてもよい。
3 挿入部
5A 第一のアーム部(アーム部)
5B 第二のアーム部(アーム部)
8A、8B 処置具
14 観察本体
15 保持機構
43 観察ケーブル(付勢部材)
60、70 伸縮機構
62 テレスコピック
80、90 観察本体回転機構
81、110 反射部材
100 観察本体移動機構
170 第一の開口
171 第二の開口
172 チャンネル
173 観察機構
190 取付部材
191 取付用処置具
Claims (10)
- 長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、
前記挿入部の先端部に該挿入部から分離可能に配設された観察本体と、
前記挿入部の先端部に配設された前記観察本体を、前記挿入部の径方向であって前記複数のアーム部とは反対側に付勢する付勢部材と、
該付勢部材に抗し、前記観察本体を前記挿入部の先端部に配設された状態に保持するとともにこの保持を解除することが可能な保持機構と、
を備える内視鏡装置。 - 長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、
前記挿入部の先端部に該挿入部から分離可能に配設された観察本体と、
前記観察本体を前記挿入部の径方向であって前記複数のアーム部とは反対側に移動させる伸縮機構と、
を備える内視鏡装置。 - 請求項2に記載の内視鏡装置において、
前記伸縮機構は、互いに径の異なる複数の筒状部材を入れ子状に重合させて全体を該入れ子の向きに伸縮自在に形成したテレスコピックが用いられる。 - 長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、
自身が向く方向を観察する観察本体と、
前記挿入部の径方向であって前記複数のアーム部とは反対方向、及び、前記挿入部の前方を前記観察本体が向くように該観察本体を回転可能に支持する観察本体回転機構と、
前記挿入部の先端部に突没可能に配置され、前記観察本体が前記挿入部の径方向であって前記複数のアーム部とは反対方向を向く時には突出して前記処置具の像を前記観察本体に反射するとともに、該観察本体が前記挿入部の前方を向く時には該挿入部の先端部側に移動する反射部材と、
を備える内視鏡装置。 - 長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、
自身が向く方向を観察する観察本体と、
前記複数のアーム部の先端部がそれぞれ前記観察本体の視界の中心にくるように、該観察本体を前記挿入部の軸線に交差する方向周りに回転させる観察本体回転機構と、
を備える内視鏡装置。 - 長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な2つのアーム部と、
自身が向く方向を観察する観察本体と、
前記2つのアーム部の先端部がそれぞれ前記観察本体の視界の中心にくるように、該観察本体を前記2つのアーム部が存する面に対して平行に移動させる観察本体移動機構と、
を備える内視鏡装置。 - 長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、
前記挿入部の先端部に該複数のアーム部を観察可能に配設された観察本体と、
前記複数のアームのうち少なくとも1つに設けられ、所望部位の像を前記観察本体に向けて反射させる反射部材と、
を備える内視鏡装置。 - 長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、
前記挿入部の先端部に配設された観察本体と、
前記観察本体による映像のうち、前記複数のアーム部の先端部の近傍のみを抽出する映像処理部と、
該映像処理部で抽出した映像を拡大して表示する表示部と、
を備える内視鏡装置。 - 長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、
前記挿入部に形成され、先端側が前記挿入部の先端面に形成された第一の開口及び前記挿入部の側面に形成された第二の開口の両方に連通されるチャンネルと、
前記チャンネルに挿通され先端部が湾曲して前記第一の開口及び前記第二の開口から観察可能な観察機構と、
を備える内視鏡装置。 - 体腔内に挿入される長尺の管状の挿入部と、
該挿入部の先端部に設けられて前方に突出し、内部に挿入された処置具によって処置可能な複数のアーム部と、
前記挿入部の先端部に該挿入部から分離可能に配設された観察本体と、
該観察本体に設けられ該観察本体を前記体腔の内壁に着脱可能に取付ける取付部材と、
前記複数のアームのうち少なくとも1つに挿入され、前記挿入部の先端部に配設された前記観察本体に係合して前記体腔の内壁に前記観察本体を前記取付部材により取付けることが可能な取付用処置具と、
を備える内視鏡装置。
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