JP3818997B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
可撓性調整部材のワイヤを牽引し、コイルパイプに圧縮力を加える操作を繰り返し行うと、牽引用ワイヤが劣化してその自然長が伸びてしまったり、コイルパイプの自然長が縮んでしまったりすることがある。そのため、次第に挿入部を硬くする調整が不十分となり、硬さ調整機能が十分に発揮することができなくなってしまう。
本発明は、前記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、可撓性調整機能を繰り返し使った後も再調整して回復可能で本来の機能を十分に発揮することができるようにした内視鏡を提供することにある。
前記調節手段は、内視鏡の内部で前記初期状態における前記コイルパイプの手元端の位置を、前記ワイヤに対して軸方向、かつ、前記挿入部に対して相対的に移動させる事により、コイルパイプと牽引用ワイヤの相対的な位置関係を内視鏡の外から調節する構成とした事を特徴とするものである。
これによれば、可撓性調整操作をする前の、コイルに対するワイヤの張り具合またはコイルの密着具合を内視鏡の外から変更することができる。そのことにより、可撓性調整機能を繰り返し使用して、その機能が劣化しだしたら、コイルに対するワイヤの張り具合を新たに適切な状態に戻し、良好な機能を容易に確保できる。
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の参考例を説明する。
図1は電子式の内視鏡1を示しており、これは細長い軟性挿入部2と、この挿入部2の後端側に連設された太径の操作部3と、この操作部3の側部から延設されたユニバーサルケーブル4とを備えている。
すなわち、前記挿入部2の軟性部7内には、可撓性調整手段の可撓性可変部材として、金属製のコイルパイプ39と、このコイルパイプ39の内腔に挿通した可撓性調整を行う牽引用ワイヤ41とを設けてある。このコイルパイプ39の先端は、軟性部7の前端と、湾曲部6の後端とを接続している接続管34の内壁に、ろう42でろう付け固定されている。さらに可撓性調整用ワイヤ41の先端も同じくろう42でコイルパイプ39の先端または接続管34に固定している。
この第1の参考例の内視鏡1を経肛門的に大腸内に挿入する場合についての作用を説明する。
図4のように目盛り60が可撓性調整操作ノブ44と共に回転し、指標61に指示された目盛り60を見ることで、可撓性レベルがわかるようにしてもよい。また、図3や図4で示すように可撓性調整操作ノブ44が、その可撓性調整レベルに応じて軸方向に動くことで、それにユーザーが触れることで、そのノブ44の位置を感触的に知り、可撓性レベルを認識することもできる。
図6乃至図8を用いて、本発明の第2の参考例を説明する。
この参考例の内視鏡1では図6に示すように鉗子口24及び鉗子チャンネル用チューブ23とは別に図8で示すような可撓性調整装置70を挿通するための挿通口71とこれに通じる挿通管72が設けられている。挿通管72はその先端側が軟性部7の先端近くまで挿入され、その軟性部7の途中まで止まり、その先端は液密的に閉塞されている。
本体78の外端周部には前記挿通口71に嵌合するパッキン85と突起86が設けられている。突起86は挿通口71の外端に形成した係止溝87に嵌り込んで係合するようになっている。
図6のように、可撓性調整装置70が内視鏡1の操作部3に取り付けられている状態が基本的な状態であり、この状態で検査、洗浄、保管をする。可撓性調整装置70は内視鏡1の所定の位置に非回転で取り付けられているので、一人の操作者が内視鏡1の操作部3を片手で持ち、もう一方の手で可撓性調整装置70の取手84を回動させて可撓性を調整できる。可撓性調整を何度も繰り返し行って、牽引用ワイヤ76の自然長が伸びるなどして、可撓性調整装置70の機能が劣化しだしたら、可撓性調整装置70をユニットごと引き抜いて、新しい可撓性調整装置70を取り付けるようにする。ユニットごと引き抜くので、その作業は楽である。可撓性調整装置70を内視鏡1から抜去するのは、そのような交換の時だけである。また、その交換作業中に挿通管72内に水分や汚物等が入ったとしても、挿通管72の先端は水密的に閉塞しているので、侵入物が挿通管72から内視鏡1の内部空間に侵入することはない。なお、場合によっては牽引用ワイヤ76のみを交換するようにしてもよい。
前記参考例では、ロッド54をどの位置に調節すれば、牽引用ワイヤ76の適切な張り具合になるか判断が難しいが、本参考例では、新しい可撓性調整装置70に交換するだけなので、容易に牽引用ワイヤ76の適切な張り具合を再現できる。
図9乃至図10を用いて、本発明の第3の参考例を説明する。
本参考例の構成は前述した第2の参考例のものとほとんど同じだが、可撓性調整装置70の取手84の形や、その可撓性調整装置70を内視鏡1に取り付けている位置が異なる。本参考例では可撓性調整装置70は内視鏡1の操作部3における後端部に取り付けられる。その取付け部近傍の構造を図10に示す。操作部3の後端には挿通管72と連通した筒体91が取り付けられている。一方、可撓性調整装置70の取手84と本体78の間には支柱79に対して移動自在なロック部材99が設けられている。ロック部材99の先端側と筒体91の後端には各々突部100a,100bが設けられ、その突部100a,100b同志はスナップフィットとして噛み合っている。なお、突起80と係止溝87の構造は前述した第2の参考例と同じである。
前述した第2の参考例のものでは可撓性調整装置70を内視鏡1に取り付けている軸方向の力は主にパッキン85の摩擦抵抗だけであったが、この第3の参考例ではロック部材99の突部100aと筒体91の突部100bがスナップフィットになっているので、より強い力で連結されている。従って、通常の使用状況では生じない程度以上の強い力を加えなければ、可撓性調整装置70が抜けないので、検査中や洗浄中等に可撓性調整装置70が抜けてしまうことがない。また、ロック部材92と筒体91の噛み合わせは、スナップフィットでなくとも、例えばねじ構造であってもよい。そうすればさらに強固に固定できる。もっとも、スナップフィットであれば、着脱作業が容易というメリットはある。
この参考例によれば、可撓性調整装置70を内視鏡1に対して強固に固定できるようになる。
なお、前記第2、第3の参考例とも共通であるが、可撓性調整装置70は挿入部の太さや処置具挿通チャンネルの径が異なる機種の内視鏡でも共通に着脱できるようにするとよいものである。そうすることで、ユーザーは同じ可撓性調整装置70を別機種に使え、また、変換用に蓄えておくのも共通部品の可撓性調整装置70でよいので、その取扱や管理がしやすい。
図11乃至図12を用いて、本発明の第1の実施形態を説明する。
本実施形態は第1の参考例の変形例である。すなわち、図11のように、内視鏡1の操作部3の前端部に前記可撓性調整機構のワイヤ41の張り具合をコイルパイプ39側から調節するコイル調節ノブ101を設けたものである。その内部構造を図12で模式的に示す。内視鏡1の軟性部7内には第1の参考例と同様にコイルパイプ39とこれに挿通された牽引用ワイヤ41が設けられている。ただし、コイルパイプ39の途中部分は固定されず、軸方向に移動可能となっている。そして、コイルパイプ39の手元端には中空のロッド102の先端が突き当たっている。前記ワイヤ41はそのロッド102内を貫通しており、ロッド102に対して移動自在である。
第1の参考例ではコイルパイプ39の手元端は操作部3に固定であったが、本実施形態ではコイル調節ノブ101を回動させることで、ロッド102を軸方向に移動させ、コイルパイプ39を軸方向に動かすことが可能である。軟性部7の可撓性の調整は第1の参考例と同様、可撓性調整操作ノブ44の回動によりワイヤ41を移動させることで行う。それを繰り返し行ってコイルパイプ39の自然長が縮んできた時、コイル調節ノブ101によりロッド102を、コイルパイプ39を圧縮する側へ移動させ、コイルパイプ39とワイヤ41の相対的設置状態を変更することにより、可撓性調整機能を良好に確保できる。もちろん、第1の参考例のように、可撓性調整操作ノブ44を動かす前のワイヤ41の張り具合を調節する機構をさらに付加する構成であってもよいこともちろんである。
可撓性調整機能を繰り返し使ってコイルパイプ39の自然長が縮んでも、適切なコイルの密着具合に調節できるので、可撓性調整機能を良好な状態に再現できる。
まず、ユーザーの好みに応じた可撓性にあらかじめ調整しておいて検査をする。従来の内視鏡でも、軟性部の硬さ違いで異なる機種があり、ユーザーの好みで選んでいたが、本内視鏡1では、1本で、ユーザーの好みに対応できる。
また、同じユーザーでも、患者の大腸の固体差に合わせて、これでも硬さの違いの異なる機種を使い分ける場合もあったが、本内視鏡では、検査前にその患者に応じた可撓性調整をしておけば、1本で様々な患者の大腸の固体差に対応させられる。
<A群>
(1)軟性部を有する挿入部と、前記軟性部内に配置され圧縮されることにより硬さを変えるコイルパイプと、このコイルパイプ内に挿通され先端がそのコイルパイプに連結した牽引用ワイヤと、前記コイルパイプに対して前記牽引用ワイヤを牽引操作する操作手段と、前記コイルパイプと牽引用ワイヤの初期状態における相対的な位置的関係を調節する調節手段とを具備したことを特徴とする内視鏡。
(3)付記第1項において、第1のワイヤを第2のワイヤに交換可能とした。 (4)付記第3項において、第1のワイヤ及びコイルパイプのセットを第2のワイヤ及びコイルパイプのセットと交換可能とした。
(6)付記第1項において、前記ワイヤの先端は挿入部内で移動可能である。 (7)付記第1項において、前記調節手段は操作する前の初期状態のコイルパイプの手元端の位置を前記ワイヤに対して軸方向に移動する構成とした。
(1)軟性部を有する挿入部と、前記軟性部内に可撓性調整部材と、操作部に前記可撓性調整部材の可撓性を調整する操作ノブとを設けた内視鏡において、 前記操作ノブの近傍に前記可撓性調整部材の可撓性レベルを表示する手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
(3)付記第1項において、表示は視認可能である。
(4)付記第3項において、表示は蛍光性である。
(5)付記第3項において、表示は自照明手段を有する。
(6)付記第1項において、表示は触覚的に認識可能である。
挿入部を硬質化調整するのは、ON−OFF制御ではなく、何段階かの微妙な調整を要する(また、そうした方が異なるユーザー、異なる患者の大腸に対して適切に対応できる)。その場合、従来は可撓性調整を行う操作部に可撓性のレベル表示がなかった為、大腸に挿入された挿入部の可撓性レベルがユーザーに認識しずらく、使い勝手が悪かった。
前記B群のものによれば、可撓性調整操作部に、可撓性レベルを示す表示を設けることで、ユーザーが可撓性レベルを視認可能とし、使い勝手を向上した。
(1)軟性部を有する挿入部と操作部とからなり、前記軟性部の可撓性を調整できる可撓性調整装置を前記軟性部内に挿脱可能とした内視鏡において、
前記可撓性調整装置の調整操作部の一部を内視鏡の操作部に位置決め固定する手段を設けたことを特徴とする。
(2)付記第1項において、固定は非回転である。
(3)付記第1項において、固定は摩擦力による。
(4)付記第1項において、固定は抜け止め機構を有する。
(5)付記第4項において、抜け止め機構はスナップフィットである。
(6)付記第4項において、抜け止め機構はネジ固定である。
(7)付記第1項において、可撓性調整装置は水密的に内視鏡に固定した。 (8)付記第1項において、可撓性調整装置を内視鏡に挿通する挿通管路を設け、挿通管路は内視鏡内部に対して水密的に仕切った。
(9)付記第1項において、固定位置は操作部把持部より後方である。
従来の可撓性調整装置の操作部はこれを組み付ける内視鏡操作部と一体的に連結でなかったため、内視鏡操作部を持った操作者とは別の助手が可撓性調整装置の操作部を操作するか、または、一人の操作者が内視鏡操作部をいったん離してあらためて可撓性調整装置の操作部を操作しなければならず、使い勝手が悪かった。
しかし、C群のものによれば、内視鏡に着脱自在の可撓性調整装置の操作部を内視鏡操作部に対して位置決めや固定可能とした。そうすることで、1人の術者でも、内視鏡操作部を片手に持ったまま、もう一方の手で可撓性調整操作ができ、使い勝手が向上する。
7…軟性部、8…湾曲操作ノブ、39…コイルパイプ、41…牽引用ワイヤ
44…可撓性調整操作ノブ、101…コイル調節ノブ、102…ロッド
103…雄ねじ部、104…台、105…雌ねじ部。
Claims (1)
- 軟性部を有する挿入部と、前記軟性部内に配置され圧縮されることにより硬さを変えるコイルパイプと、
このコイルパイプ内に挿通され、先端部がそのコイルパイプに連結した牽引用ワイヤと、
前記コイルパイプに対して前記牽引用ワイヤを牽引操作する操作手段と、
前記コイルパイプと牽引用ワイヤの初期状態における相対的な位置的関係を調節する調節手段とを有する内視鏡において、
前記調節手段は、内視鏡の内部で前記初期状態における前記コイルパイプの手元端の位置を、前記ワイヤに対して軸方向、かつ、前記挿入部に対して相対的に移動させる事により、コイルパイプと牽引用ワイヤの相対的な位置関係を内視鏡の外から調節する構成とした事を特徴とする内視鏡。
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