JP2009278883A - ガゴメ昆布食品の製造方法およびガゴメ昆布食品 - Google Patents

ガゴメ昆布食品の製造方法およびガゴメ昆布食品 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガゴメ昆布のヌメリ特性を損なわずに柔軟を付与でき、即座に多用途の調理用昆布食品として事業者や一般家庭で使用可能にする。
【解決手段】 原藻のガゴメ昆布を液槽内に収容された所定濃度のエチルアルコール処理液中に投入し、洗浄・浸漬処理をした後に、ガゴメ昆布を引き上げ液切りをし、所定期間熟成する。このエチルアルコール処理液は、ガゴメ昆布からエチルアルコール処理液に溶出した塩分およびエチルアルコールの濃度と、エチルアルコール処理液の液温とを測定し、塩分の溶出および液温に応じて前記エチルアルコール処理液におけるエチルアルコールの濃度を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガゴメ昆布に適度の柔らかさを付与し、ヌメリを持った各種の調理食品として利用可能にするガゴメ昆布食品の製造方法およびガゴメ昆布食品に関する。
ガゴメ昆布は、かごの目に似た突起を表面に持つ昆布であり、北海道函館市および室蘭市付近の沿岸に分布し、主にアルギン酸塩、ガゴメフコイダン、ラミナラン等の粘性多糖類を含み、他の昆布に比べてヌメリが強く、多くの栄養成分を持つ。このガゴメ昆布のヌメリの略80%はアルギン酸カリウムで、残り20%はフコイダンとラミナランである。アルギン酸カリウム、ラミナランは血圧を下げる効果があり、フコイダンは癌細胞を死滅させる効果を持つほか、抗アレルギー、美容効果および健康維持効果があるとされている。
また、ガゴメ昆布の最大の特徴は前記ヌメリ(粘り)の豊富さであり、前述のように人体に有益な物質を多量に含むほか、根昆布食品として豊かな甘みと旨みを持つため、例えば松前漬け、角切り佃煮、とろろ材料として広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ガゴメ昆布を、前記ヌメリ特性を保持したまま調理可能な食品原料として製品化する場合には、従来から酢酸や醸造酢が用いられている。この酢酸や醸造酢によれば、肉質が硬いガゴメ昆布を適当な柔らかさに加工することができるとともに、前記のヌメリや粘りをある程度引き出すことができる。
特開平9−103268号公報
しかしながら、原藻ガゴメ昆布は長期保存する場合には、酢酸や醸造酢によって貴重なヌメリ成分が損なわれ、調理後も酸味が抜け切らないため、調理できる食品に制約があった。また、酢酸や醸造酢による殺菌力も不十分であり、必ずしも長期保存に適するものではない。一方、長期保存用に一旦乾燥したガゴメ昆布を調理時に水に戻して使用することが行われているが、ヌメリ成分が水に溶け出してしまい、著しく風味を損うという不都合があった。
本発明は前記のような課題を解決せんとして提案されたものであり、その目的は、ガゴメ昆布のヌメリ特性を損なわずに柔軟性を付与でき、即座に多用途の調理用昆布原料として事業者や一般家庭で使用可能にするガゴメ昆布食品の製造方法のおよびガゴメ昆布食品の提供にある。
前記課題を解決するために、この発明のガゴメ昆布食品の製造方法は、原藻のガゴメ昆布を所定濃度のエチルアルコール処理液中で洗浄・浸漬処理加工することを特徴とする。
具体的には、この発明のガゴメ昆布食品の製造方法は、原藻のガゴメ昆布を液槽内に収容された所定濃度のエチルアルコール処理液中に投入し、洗浄および浸漬処理をするガゴメ昆布洗浄・浸漬処理工程と、
前記エチルアルコール処理液中からガゴメ昆布を引き上げ、ガゴメ昆布からエチルアルコール処理液を脱液する乾燥工程と、
脱液したガゴメ昆布を容器に収納して熟成した後に、または熟成せずに、ガゴメ昆布が芯部まで所定の軟化状態になっているかどうかの判定をする軟化状態判定工程、とを有することを特徴とする。
これにより、ガゴメ昆布が持つヌメリ成分を保持したまま、肉質を調理に適する柔らかさに処理でき、ガゴメ昆布が本来持つ風味、味覚を長期に亘って維持できるガゴメ昆布食品を製品化することができる。また、エチルアルコールによる洗浄によって、ガゴメ昆布に付着した汚れや付着物を効果的に洗い落とすことができるとともに、強力な殺菌力の持続によりガゴメ昆布原料としての長期保存が可能になる。
ここでのガゴメ昆布洗浄・浸漬処理工程は、液槽のエチルアルコール処理液中に投入したガゴメ昆布を、撹拌して洗浄した後にそのまま浸漬したり、浸漬した後にそのまま撹拌して洗浄したり、撹拌しつつ浸漬したりして洗浄・浸漬処理を行う。この洗浄・浸漬処理の後は、ガゴメ昆布を液槽より引き上げ、液切りをしてから熟成(罨蒸)させて芯部まで所定の軟化状態とすることにより完成するが、洗浄・浸漬処理工程で所定の軟化状態になっている場合は、液切りだけで熟成工程は省略して食用可能となる。
また、この発明のガゴメ昆布食品の製造方法は、前記ガゴメ昆布食品の製造工程には、洗浄・浸漬処理するエチルアルコール処理液の濃度と、このエチルアルコール処理液に前記ガゴメ昆布から溶出した塩分の濃度と、前記エチルアルコール処理液の液温とを測定する処理液測定工程と、
前記測定した塩分濃度および液温に応じて、前記液層内の処理液のエチルアルコール濃度を所定の濃度に調整する処理液濃度調整工程と、を含むことを特徴とする。
最初のエチルアルコール処理液は、所定の濃度に調整して液槽に投入されているが、ガゴメ昆布の洗浄・浸漬処理を繰り返し行っていると、ガゴメ昆布から塩分が溶出したり、エチルアルコールが蒸発したりしてエチルアルコール処理液のエチルアルコール濃度が、所定の濃度範囲外となったり、塩分濃度が高くなりガゴメ昆布を塩辛くしてしまうことが生ずる。従って、ガゴメ昆布食品の製造工程では、適宜の間隔でエチルアルコール処理液の濃度、塩分濃度および液温を測定し、エチルアルコール処理液を調整することが好ましい。ここで液温を測定するのは、液温によって最適なエチルアルコール処理液の最適な濃度およびガゴメの洗浄・浸漬処理時間が変わるためである。
このエチルアルコール、塩分および液温の管理によって、塩辛さが残らない風味および味覚のガゴメ昆布食品に仕上げることができ、多種類の調理に適用できるガゴメ昆布食品としての商品価値を高めることができる。なお、エチルアルコール処理液によってガゴメ昆布食品は肉厚の芯部まで柔軟に処理されているため、直ちに和洋食品の種々の調理に使用することができる。
また、この発明のガゴメ昆布食品の製造方法の前記エチルアルコール処理液のエチルアルコールの濃度は、10%〜80%であることを特徴とする。
エチルアルコール処理液のエチルアルコールは、液温および処理室の室温や外気温によって蒸発の早さが異なる。夏季の高温時には液温が高く蒸発は早く多量となるため、エチルアルコールの濃度は短時間で希釈する。従って、エチルアルコールの濃度は高く設定することが好ましく、冬季の低温時は液温が低く蒸発は遅く少ないので、エチルアルコールの濃度は低く設定するのが好ましい。例えば、夏季はエチルアルコール濃度を50%〜80%、冬季は10%〜20%、春秋季は30〜40%のように調整する。このことによりエチルアルコール処理液のエチルアルコール濃度は、10〜80%の範囲とする。
また、この発明のガゴメ昆布食品の製造方法の前記エチルアルコール処理液の液温は、50℃以下であることを特徴とする。
これにより、液温を例えば50℃に設定すれば、調理を急ぐ場合に有効である。一方、エチルアルコール処理液の液温を50℃以上にすると、エチルアルコールの蒸発が早まり、液質に影響するため好ましくない。液温を0℃〜50℃の範囲内の適当な値とすることで、できるだけガゴメ昆布の風味を損わずに、柔らかくする時間を、調理目的に応じて調整することができる。
さらに、この発明のガゴメ昆布食品の製造方法の前記エチルアルコール処理液中でのガゴメ昆布の洗浄・浸漬処理時間は、30分〜4時間であることを特徴とする。
ガゴメ昆布のエチルアルコール処理液での洗浄・浸漬処理は、ガゴメ昆布の洗浄の他にガゴメ昆布を所定の軟化状態とする浸漬処理の意義がある。このガゴメ昆布の軟化状態は、液温によって緩急変化するので、それに対応し液温によって最適の洗浄・浸漬処理時間を選択する。液温が低ければ洗浄・浸漬処理時間は長くなり、液温が高ければ短くなる。例えば、液温16℃で1時間30分程度の洗浄・浸漬処理時間、10℃で3時間程度、20℃で1時間程度を、好ましい洗浄・浸漬処理時間として例示できる。これにより最適のガゴメ昆布食品に仕上げることができる。
また、この発明のガゴメ昆布食品は、原藻のガゴメ昆布を所定濃度のエチルアルコール処理液中で洗浄・浸漬処理してなることを特徴とする。
これによりガゴメ昆布食品は、エチルアルコールによる高い洗浄効果と殺菌効果により長期保存が可能で、ガゴメ昆布本来のヌメリ特性を有し、調理に適する肉質の柔らかさを有する。
なお、ガゴメ昆布食品は、軟化処理後のガゴメ昆布を、略0.5ミリ以下の幅に刻んで、約40cm以下の長さに切断しておくと、調理時においてガゴメ昆布のトロミ成分を最大限抽出し、独特の舌触りと食感に加え、風味および味を楽しむことができる。また、調理が容易になり、食べ易くなる。
この発明のガゴメ昆布食品の製造方法によれば、ガゴメ昆布が本来有するヌメリ特性を損なわずに、肉質を調理に適する柔らかさに処理することができるとともに、エチルアルコールによる高い洗浄効果と殺菌効果を同時に得ることができる。また、前記ヌメリとともにガゴメ昆布本来の風味および味覚を失わずに、種々の調理に適用することができ、有効成分であるフコイダン、アルギン酸カリウム、ラミナラン等による抗がん作用、抗アレルギー等の効果を同時に享受することができる。
また、この発明のガゴメ昆布食品は、エチルアルコールによる高い洗浄効果と殺菌効果により長期保存が可能で、ガゴメ昆布本来のヌメリ特性を有し、調理に適する肉質の柔らかさを有する。
以下に、この発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明にかかるガゴメ昆布食品の製造方法を実施する手順を示すフローチャートである。ガゴメ昆布食品の製造に際しては、先ず北海道の函館市、室蘭市の近海で採れたガゴメ昆布を、作業所内において真水を用いて洗浄し、ゴミや汚れなどの付着物を取り除く。また、この洗浄水を切った後で、必要に応じて天日による竿干しを行う(ステップS1)。この真水洗浄は、必ずしも必要ではなく、省略してもよい。
次に、洗浄したガゴメ昆布を、所定濃度のエチルアルコール処理液(洗浄液)にドブ漬けにして洗浄・浸漬処理する(ステップS2)。エチルアルコール処理液にはエチルアルコールを主成分とする処理液、例えば水にエチルアルコールを混合した処理液などを使用することができる。
このエチルアルコール処理液のエチルアルコールの濃度は、10%〜80%が好ましい。エチルアルコール処理液のエチルアルコールは、主に液温によって蒸発の早さが異なる。夏季の高温時には液温も高く蒸発は早く多量となり、エチルアルコールの濃度は、短時間で希釈するので、エチルアルコールの濃度は高く調整するのが好ましく、冬季の低温時は、液温も低く蒸発は遅く少なく、エチルアルコールの濃度は、長時間変化が少ないので、エチルアルコールの濃度は低く調整するのが好ましい。一例として夏季はエチルアルコール濃度50%〜80%、冬季は10〜20%、春秋季は30〜40%を、好ましい調整例として挙げることができる。このエチルアルコール処理液は、例えば、水1リットルに対しエチルアルコール0.5リットル〜0.8リットル、水1リットルに対しエチルアルコール0.1〜0.2リットル、または水1リットルに対しエチルアルコール0.3〜0.4リットル、等の割合で配合して処理液を作成する。
エチルアルコール処理液は、予め攪拌翼などを有する液槽内に収容されており、水を切った後のガゴメ昆布をそのまま、または天日干しした後にその液槽内に投入する。そして、モータにより攪拌翼を回転させることで、ガゴメ昆布の洗浄・浸漬が効率的、効果的に行われる。
この洗浄・浸漬処理工程では、前記の水洗いで分離できなかった汚れや砂などを十分に分離除去するとともに、エチルアルコールを速やかにガゴメ昆布の芯部まで浸透させて、その肉質を柔軟にする。また、エチルアルコールはガゴメ昆布が本来有するヌメリ成分やトロミ成分を殆ど損なうことがなく、ガゴメ昆布のすぐれた風味および味をしっかり残すことができる。従って、従来の酢酸を用いた場合のように、酸味などの味や臭いを残すというようなことはない。
更に、エチルアルコール処理液はエチルアルコールが主成分であるため、消毒、殺菌作用が強い。従って、ガゴメ昆布の表面や内部に潜む雑菌を確実に消滅させることができ、このエチルアルコール洗浄・浸漬処理後は、ガゴメ昆布の原料製品として長期保存に適するものとなる。このガゴメ昆布に含まれるエチルアルコール成分は、ガゴメ昆布の調理時には速やかに略完全に抜けるため、ガゴメ昆布の風味や香りを害することを最小限に抑えることができる。
なお、エチルアルコール処理液の攪拌は、前述のようにモータで自動的に攪拌翼を回転させる場合のほか、必要に応じて熟練者が攪拌具を手操作することによって行うこともできる。
次に、液槽内のエチルアルコール処理液の濃度、ガゴメ昆布からエチルアルコール処理液に溶出した塩分の濃度、エチルアルコール処理液の温度(液温)を監視(測定)する(ステップS3)。エチルアルコール処理液の濃度管理は、ガゴメ昆布を、ヌメリを損なわずに適度の柔らかさに処理するために必要であり、このためエチルアルコール処理液中に溶出した塩分量を監視(測定)する。
ガゴメ昆布自体は海産物であり、当初から塩分が含まれているため、洗浄・浸漬処理の繰り返しによりエチルアルコール処理液内の塩分濃度が次第に高くなる。この状態を放置すると、洗浄・浸漬処理後の製品原料が塩辛くなり商品価値が下がる。従って、洗浄・浸漬処理工程において塩分濃度が所定値を超えた場合には、エチルアルコール処理液やエチルアルコールを追加補充してエチルアルコール処理液の濃度調整を行うこととなる。なお、エチルアルコール濃度の測定には、例えば株式会社アタゴ製のエチルアルコール濃度計PET‐109などを用い、塩分濃度の測定には、例えば佐藤計量製作所製のSK-10Sなどを用いることができる。
また、前記した通りエチルアルコール処理液の液温はガゴメ昆布が柔らかくなる速度(時間)に影響するため、この液温管理も必要になる。通常は、エチルアルコール処理液は常温で使用するが、液温を高くするとガゴメ昆布が柔らかくなる時間を短縮することができる。処理を急ぐ場合には、液温を例えば50℃に設定する。一方、エチルアルコール処理液の液温を50℃以上にすると、エチルアルコールの蒸発が早まり、液質に影響するため好ましくない。従って、液温は50℃以下の0℃〜50℃の範囲内の適当な値とすることが望ましい。これによりガゴメ昆布ができるだけ風味を損わずに柔らかくする時間を、調理目的に応じて調整することができる。また、エチルアルコールの濃度は、前記した通りガゴメ昆布の種類や加工時の液温に応じて10〜80%に設定することが望ましい。
このようにして、ガゴメ昆布の洗浄・浸漬処理を行った後は、液槽内からガゴメ昆布を引き上げ、エチルアルコール処理液を切る。このエチルアルコール処理液を切るために、金属ネット、例えばステンレス製のネットを用い、このネット上に前記引き上げたガゴメ昆布を受ける(ステップS4)。なお、このエチルアルコール処理液の液切りに遠心分離機を用いれば、ガゴメ昆布に損傷を与えずに効率的に液切りを行うことができる。
続いて、液切りしたガゴメ昆布を容器に入れて所定期間(例えば1〜3日)寝かして熟成(罨蒸)させる((ステップS5)。この熟成によりガゴメ昆布の芯までが次第に柔軟になり、風味、味、香りがよくなる。なお、前記エチルアルコール処理液による洗浄・浸漬処理のみでガゴメ昆布が芯まで十分に柔らかくなった場合には、この熟成工程を省くこともできる。次に、前記熟成を行った後、あるいは熟成の必要がない場合の、ガゴメ昆布の軟化状態の確認は、サンプルを採集した上で、測定器を用いて硬い芯の部分が柔らかくなったかどうかを自動的に測定するほか、熟練者の指先操作による触感で判断することができる(ステップS6)。
このようにして、昆布が所定の軟化状態になった場合には、最終的にブラシ等を備える機械洗浄および製品検査を行う(ステップS7)、この洗浄では、前回までの洗浄では取り除くことができなかった砂や小さな汚れを取り除く。そしてこの最終洗浄および検査後は、ガゴメ昆布食品とし(ステップS8)、例えば0.5mm以下に刻み、400mmの長さに切断した上で、包装用袋内に密封して出荷する。なお、切断や刻み以外に、角切り、短冊切りあるいはとろろ加工品とすることもできる。とろろ加工品は松前漬けの原料製品とすることができる。例えば、軟化状態のガゴメ昆布を例えば0.5ミリ以下の幅に刻んで40センチ以下の長さに切断することにより、調理時におけるトロミ成分を最大限抽出して、独特の舌触りと食感に加え、風味および味を楽しむことができる。また、口に入れ易いサイズになる(食べ易くなる)。
このように、本実施の形態では、ガゴメ昆布を液槽内に収納したエチルアルコール処理液にドブ漬けした上で、攪拌しながらガゴメ昆布を洗浄・浸漬し、ガゴメ昆布をドブ漬けしているエチルアルコール処理液にそのガゴメ昆布からエチルアルコール処理液に溶出した塩分およびエチルアルコールの濃度とエチルアルコール処理液の液温とを測定し、前記塩分の溶出および液温に応じて前記液槽内におけるエチルアルコールの濃度を調整し、前記エチルアルコール処理液から引き上げたガゴメ昆布を金属ネット上に受けて自然脱液し、自然脱液したガゴメ昆布を容器に収納して熟成した後または熟成せずにガゴメ昆布の軟化度を測定し、ガゴメ昆布が所定の軟化度に達したものを、ガゴメ食品や食品加工用原料として製品化可能にしている。
従って、ガゴメ昆布が本来有するヌメリ特性を損なわずに、肉質を調理に適する柔らかさに処理することができるとともに、エチルアルコールによる高い洗浄効果と殺菌効果を同時に得ることができる。また、前記ヌメリとともにガゴメ昆布本来の風味および味覚を失わずに、種々の調理に適用することができ、有効成分であるフコイダン、アルギン酸カリウム、ラミナラン等による抗がん作用、抗アレルギー等の効果も同時に得ることができる。
本発明のガゴメ昆布食品の製造方法は、ガゴメ昆布以外の海藻にも利用可能である。
本発明にかかるガゴメ昆布食品製造用原料の製造方法を実施する手順を示すフローチャートである。

Claims (7)

  1. 原藻のガゴメ昆布を所定濃度のエチルアルコール処理液中で洗浄・浸漬処理加工することを特徴とするガゴメ昆布食品の製造方法。
  2. 原藻のガゴメ昆布を液槽内に収容された所定濃度のエチルアルコール処理液中に投入し、洗浄および浸漬処理をするガゴメ昆布洗浄・浸漬処理工程と、
    前記エチルアルコール処理液中からガゴメ昆布を引き上げ、ガゴメ昆布からエチルアルコール処理液を脱液する乾燥工程と、
    脱液したガゴメ昆布を容器に収納して熟成した後に、または熟成せずに、ガゴメ昆布が芯部まで所定の軟化状態になっているかどうかの判定をする軟化状態判定工程、とを有することを特徴とするガゴメ昆布食品の製造方法。
  3. 前記ガゴメ昆布食品の製造工程には、洗浄・浸漬処理するエチルアルコール処理液の濃度と、このエチルアルコール処理液に前記ガゴメ昆布から溶出した塩分の濃度と、前記エチルアルコール処理液の液温とを測定する処理液測定工程と、
    前記測定した塩分濃度および液温に応じて、前記液層内の処理液のエチルアルコール濃度を所定の濃度に調整する処理液濃度調整工程と、を含むことを特徴とする請求項2記載のガゴメ昆布食品の製造方法。
  4. 前記エチルアルコール処理液のエチルアルコールの濃度は、10%〜80%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガゴメ昆布食品の製造方法。
  5. 前記エチルアルコール処理液の液温は、50℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガゴメ昆布食品の製造方法。
  6. 前記エチルアルコール処理液中でのガゴメ昆布の洗浄・浸漬処理時間は、30分〜4時間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガゴメ昆布食品の製造方法。
  7. 原藻のガゴメ昆布を所定濃度のエチルアルコール処理液中で洗浄・浸漬処理してなることを特徴とするガゴメ昆布食品。
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