JP2009274952A - 炭素微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造設備のコンパクト化が図れ、特に高収率のフラーレンを含有する炭素微粒子を大量かつ簡単に製造できる方法を提供する。
【解決手段】炭化水素化合物および水素を含有する混合物と、酸素含有ガスとを反応炉2内に導入し、水素、一部の炭化水素化合物および酸素で燃焼反応を生じさせて二酸化炭素と水蒸気からなる1200〜2000℃の高温ガスを生成させるとともに、この高温ガスの熱を利用して前記反応炉2内に導入した残りの炭化水素化合物を90kPa以下の減圧雰囲気下で熱分解反応を生じさせることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素微粒子、特に高収率のフラーレン類を含有する炭素微粒子の製造方法に関する。
炭素微粒子、特にフラーレン類を製造する従来の方法としては、例えば特許文献1に、炭素含有物(炭化水素化合物)を火炎中で燃焼させ疑集物を収集することによりフラーレン類を製造できる旨が記載されている。すなわち、フラーレン類は燃焼過程で生成するすす状物質中に含有している。
すす状物質中に含有するフラーレン類の収率を向上させるためには、火炎温度を上昇させること、燃焼を減圧状態で行うこと、および、雰囲気をアルゴンなどの不活性ガスで希釈することが有効であることが知られている。
また、特許文献2には、アセチレン、エチレンなどの不飽和炭化水素ガスを分解爆発させてフラーレン類を高生産性で製造する方法が開示されているが、かかる方法は、フラーレン類の収率が3%と低い。この理由は、アセチレンおよびエチレンの分解反応を主反応とすると、下記に示すように、反応圧(ガス圧)が殆ど変わらないか(アセチレンの場合)、逆に上昇する(エチレンの場合)ので、減圧状態で反応させることができないためであると考えられる。
22(g)→2C(s)+H2(g)
2(g)→2C(s)+2H2(g)
加えて、アセチレン、エチレンなどの不飽和炭化水素ガスに酸素を加えて下記に示すような燃焼反応を上記分解反応と同時に生じさせた場合であっても、特許文献2に開示される技術では発生水蒸気の凝縮機構がないため、消失化合物(ガス)のモル数と固体を除く生成化合物(ガス)のモル数の差分だけ変化するだけで、反応圧(ガス圧)が殆ど変わらないか(エチレンの場合)、反応圧が若干低下する(アセチレンの場合)程度であり、いずれの場合も、減圧状態、特に90kPa以下の減圧状態を維持することは難しい。
22(g)+2.5O(g)→2CO(g)+H2O(g)
2(g)+3O(g)→2CO(g)+2H2O(g)
一方、カーボンブラックもまたすす状の物質であり、かかるカーボンブラックは、一般に耐火煉瓦で内張りされた反応炉内に、空気と、ガス、重油、クレオソート油などの原料とを吹き込み、1200〜2000℃程度の高温とし、略常圧付近で不完全燃焼あるいは熱分解することによって製造されている。
したがって、ガスや油類などの炭化水素化合物を高温で部分燃焼させて生成するすす状物質は、その含有割合は異なるが、通常は、フラーレン類と、カーボンブラック、あるいはカーボンブラック類似物質の混合物であると推察される。すなわち、極く僅かであるが、フラーレン類も存在していると推察される。
ここでいう「フラーレン類」は、ダイヤモンド、グラファイトに次ぐ第3の炭素形態の総称であり、その具体的な構造としては、例えばC60、C70などに代表されるように5員環と6員環のネットワークで閉じた中空殻状の炭素分子であり、近年、超硬材料、超伝導材料、半導体材料、あるいは医薬品類などへの応用が期待され、非常に注目を集めており、安価な大量製造技術を開発することが望まれている。
特表平6−507879号公報 特開平5−70115号公報
フラーレン類のような炭素微粒子の収率を向上させるための手段としては、上述の如く、高火炎温度、高真空(減圧)および希釈ガス添加の3つの要件を満足させることが有用であるが、従来の製造方法で、これら全ての要件を満足させることは困難であった。
すなわち、高火炎温度を得るためには原料および燃料である炭化水素化合物(炭素含有物)の反応炉内への導入量を増加させて、発生する燃焼熱を増大する必要があるが、炭化水素化合物の導入量を増加させると、燃焼によって生成する排ガス量も増加させる結果となり、高真空という条件を阻害するという問題があった。加えて、希釈ガスの添加もまた、高真空を阻害することになる。この場合、高真空を達成するには大型の減圧装置を設ける必要があり、製造コストの高騰を招くという問題があった。
本発明の目的は、かかる点に鑑みてなされたものであり、設備のコンパクト化が図れ、炭素微粒子、特に高収率のフラーレン類を含有する炭素微粒子の製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明に従う炭素微粒子の製造方法は、炭化水素化合物および水素を含有する混合物と、酸素含有ガスとを反応炉内に導入し、水素、一部の炭化水素化合物および酸素で燃焼反応を生じさせて二酸化炭素と水蒸気からなる1200〜2000℃の高温ガスを生成させるとともに、この高温ガスの熱を利用して前記反応炉内に導入した残りの炭化水素化合物を90kPa以下の減圧雰囲気下で熱分解反応を生じさせることにある。
また、前記炭化水素化合物が、少なくとも5質量%の油分を含むことが好ましい。
さらに、前記炭化水素化合物および/または前記水素は、前記反応炉内に導入するに先立って500〜1000℃に予熱することがより好適である。
さらにまた、前記反応炉と連通する冷却室を設け、該反応炉から排出される排ガスを前記冷却室で冷却して、排ガス中の水蒸気を水に凝縮させ、前記冷却室内の排ガス量を、前記反応炉から排出される排ガス量よりも減少させて、前記反応炉内を減圧雰囲気にすることが好ましく、また、前記冷却室と連通する減圧手段を設けることがより好適である。
さらに、前記反応炉と連通する減圧手段を設けて、該反応炉内を減圧雰囲気にすることが好ましい。
加えて、酸素含有ガスは、不活性ガスを含有することが好ましい。
本発明の製造方法によって、製造設備のコンパクト化が図れ、炭素微粒子、特に高収率のフラーレン類を含有する炭素微粒子を、大量かつ簡単に製造することができる。また、高収率のため、フラーレンの分離・精製が容易になるという利点もある。
本発明に従う炭素微粒子製造方法を示すフローチャートである。 本発明に従う他の炭素微粒子製造方法を示すフローチャートである。 本発明に従う別の炭素微粒子製造方法を示すフローチャートである。 本発明に従う別の炭素微粒子製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の炭素微粒子の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図1に示す炭素微粒子の製造方法は、主に、原料混合工程1、炭素微粒子生成工程(反応炉)2、冷却工程3および捕集工程4で構成されている。
原料混合工程1は、炭化水素化合物および水素を含有する混合物と、酸素含有ガスとを混合する工程である。
炭化水素化合物は、アセチレン、エチレンのような不飽和炭化水素ガスや、メタンなどの飽和炭化水素ガスであることが好ましい。さらに、軽油、ナフタレン、タールなどの液体である油分を含んでいてもよい。特に、炭化水素化合物が、少なくとも5質量%の油分を含むことが、炭素微粒子中に含有するフラーレン類の収率をより一層高める上で好ましい。
本発明において「油分」とは、沸点が常温(20℃)超えの炭化水素化合物を意味する。
水素を含有するとは、水素を1質量%以上含有することを意味する。前記混合物中に、純水素ガスの他、コークス炉で生成したガスや廃プラスチックなどの有機物の熱分解、あるいはガス化により発生したガスを含有していることが好ましい。
酸素含有ガスは、具体的には、空気が挙げられるが、反応とは無関係な窒素ガスの導入量を減らして反応炉で生成される排ガス量全体を低減し、反応炉内の減圧雰囲気を簡便に達成できるようにする点で、純酸素や酸素濃度を高めた酸素富化空気であることが好ましい。
原料混合工程1は、一箇所で行っても不都合はないが、特に、熱分解プロセス、ガス化プロセス、あるいは製鉄用のコークス炉で生成した水素と炭化水素化合物を含有する混合物を炭素微粒子生成工程2(反応炉)まで直接導入する場合には、温度が降下して炭化水素化合物中に含有する油分が内壁に付着しないようにするため、あるいは酸素含有ガスの吹込み量が多過ぎて過熱して反応が開始しないようにするため、温度を維持する形で適宜複数箇所に分けて導入するのが好ましい。加えて、炭素微粒子生成工程2(反応炉)またはその直前で反応温度に加熱するのに必要な酸素含有ガスを導入することがより好適である。尚、この原料混合工程1は、炭素微粒子生成工程2(反応炉)で一緒に行なってもよい。
炭素微粒子生成工程2は、減圧に耐え得る密閉構造と高アルミナ系材料等の耐火煉瓦で内張りされているなど、耐火(耐熱)構造を有する反応炉内で行なわれる。
炭素微粒子生成工程2は、燃焼反応と熱分解反応とを同時に生じさせる工程であり、具体的には、炭化水素化合物および水素を含有する混合物と、酸素含有ガスとを反応炉に導入し、水素、一部の炭化水素化合物および酸素とで燃焼反応を生じさせて二酸化炭素と水蒸気からなる1200〜2000℃の高温ガスを生成させるとともに、この高温ガスの熱を利用して反応炉内に導入した残りの炭化水素化合物を90kPa以下の減圧雰囲気下で熱分解反応を生じさせる。
ここで、燃焼反応によって生成する高温ガスの温度を1200〜2000℃としたのは、1200℃未満だと、熱分解反応速度が遅くなって炭素微粒子の生産性が悪化するからであり、2000℃を超えると、高温維持に大量の燃料を燃やすので、排ガス発生量増加を惹き起こし、減圧雰囲気の形成を難しくするためである。
また、熱分解反応を90kPa以下の減圧雰囲気下で行なう理由は、90kPa超えだと、製造される炭素微粒子中に占めるカーボンブラック類の割合が高くなってフラーレン類の収率が低下するからである。
加えて、反応炉内を減圧雰囲気にするための手段としては、例えば、図1に示すように、炭素微粒子生成工程2(反応炉)と連通する冷却工程3(冷却室)を設け、反応炉から排出される排ガスを冷却工程で冷却して、排ガス中の水蒸気を水に凝縮させ、冷却室内の排ガス量を、反応炉から排出される排ガス量よりも減少させて、反応炉内を減圧雰囲気にすることが好ましい。さらに、図2に示すように捕集工程4を介して冷却工程3(冷却室)と連通する減圧手段5を設けてもよい。また、反応炉内を減圧雰囲気にするための手段としては、例えば図3に示すように捕集工程4を介して炭素微粒子生成工程2(反応炉)と連通する減圧手段5を設けて、反応炉内を減圧雰囲気にすることが好ましい。減圧手段5としては、例えば真空ポンプのような公知の技術を活用すればよく、如何なる方法を用いてもよい。
酸素含有ガスは、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどの不活性ガスを含有することがフラーレン類の収率向上という点で好ましい。すなわち、酸素含有ガスを不活性ガスで希釈することによって、燃焼反応や熱分解反応の速度が遅くなり、規則的にCが配列されやすくなる結果、フラーレン類が生成されやすくなるからである。
不活性ガスの含有率は、酸素に対してモル比で10倍以下の範囲が好ましく、より好適には3〜6倍の範囲である。
酸素含有ガスの予熱については、とくに拘らないが、火炎温度が上がるなど予熱することが望ましい場合もある。
冷却工程3は、内部に冷却水などを通水してある金属表面に、反応炉で生成した炭素微粒子を含む高温ガスを接触させて冷却するのが好ましいが、水を直接噴霧して冷却してもよい。この冷却によって、下記に示すように、反応炉内で生成した高温排ガスに含まれている水蒸気(気体)が水(液体)に凝縮する結果、メタン、アセチレン及びエチレンのいずれの場合とも、導入したガスのモル数が大幅に減少して冷却室内にガス量が少なくなる結果、反応炉内の減圧雰囲気を生み出すことができる。
特に、本発明では、反応炉内での燃焼反応を、炭化水素化合物と酸素だけでなく、積極的に燃料としての水素を添加することによって、生成される水蒸気のモル数を大きくして、その後、水への凝縮による減圧効果を高める。すなわち、炭化水素化合物のガスとしてメタン、アセチレンおよびエチレンを用いた場合のガス圧は、下記に示す反応式からも明らかなように、それぞれ4.5モルから1モル、5モルから2モルおよび5.5モルから2モルになる。これらの炭化水素化合物のガスのうち、特に、炭化水素化合物のガスとしては、水蒸気(気体)が水(液体)への凝縮によるガス圧の低下割合が大きいメタンを用いることが好ましい。
CH(g)+2.5O(g)+H(g)→CO(g)+3H2O(l)
22(g)+3O(g)+H(g)→2CO(g)+2H2O(l)
2(g)+3.5O(g)+H(g)→2CO(g)+3H2O(l)
尚、炭化水素化合物のガスとしてメタン、アセチレンおよびエチレンを用いた場合の熱分解反応は下記に示すように水素ガスが発生するが、かかる水素ガスは上記燃焼反応に使用される。
CH(g)→C(s)+2H(g)
22(g)→2C(s)+H2(g)
2(g)→2C(s)+2H2(g)
捕集工程4は、例えばバグフィルター、サイクロンなどの公知の装置を用いることができる。
また、本発明では、前記混合物中に含有される炭化水素化合物および/または水素を反応炉内に導入する前に500〜1000℃に予熱することが好ましい。予熱することによって、反応炉内での反応が促進されて炭素微粒子の生成量が増加するため、炭化水素化合物および水素を含有する混合物の導入量を減少させることができる点で好ましい。また、冷却手段として真空ポンプを用いる場合、真空ポンプへの負荷がさらに小さくなり、真空ポンプの小型化に繋がる。さらに、予熱するのは、炭化水素化合物のみ、水素のみ、又は炭化水素化合物と水素の双方のいずれでもよいが、特に、炭化水素化合物と水素の双方、つまりこれら双方を含有する混合物を予熱することが、前述の効果を最大に得られるため最も好ましい。
図4は、本発明の炭素微粒子の製造方法の別の一実施形態を示すフローチャートである。
図4に示す製造方法は、冷却工程3(冷却室)の代わりに熱交換工程6(熱交換器)を設けたことを除いては図2に示す構成とほぼ同様であり、冷却炉内で生成した高温排ガスは、熱交換工程で冷却されると共に熱交換工程で得られた高温の排熱を利用して、水素や炭化水素化合物を含有する混合物を予熱する構成を採用しており、これによって、熱効率が向上し、省エネルギーを図ることができる。尚、図4では、高温燃焼排ガスとの熱交換を行っているが、別途熱交換器を設けて予熱してもよい。
前記混合物中に含有される水素および/または炭化水素化合物の予熱温度は数100℃以上であればよいが、火炎温度の上昇と安定燃焼を得るためには、500℃以上が好ましく、また、1000℃を超えると熱分解反応が生じやすくなって炭素粒子が生成し始めるので、500〜1000℃が好ましい。
本発明は、有機物質の熱分解プロセス、ガス化プロセス、あるいは製鉄用のコークス炉から排出される水素および油分を含む炭化水素化合物を燃料や原料として使用することが好ましく、これによって、フラーレン類を高収率で含有する炭素微粒子をより安価に製造することができる。さらに、燃料や原料として有機物を含有する廃棄物を用いれば、より一層安価に製造できるので有利である。
尚、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
図4に示す製造方法に従って、表1に示す水素と、メタン、軽油およびナフタレンの炭化水素化合物を含有する粗コークス炉ガスを600℃に予熱した後、アルゴンガスで5倍に希釈した酸素を反応炉内に導入し、粗コークス炉ガス中の水素およびメタンなどを燃焼させて反応炉内を1800℃とし熱分解反応を生じさせて炭素微粒子を製造した。反応炉の下流側では、炭素微粒子を含む高温ガスを熱交換工程により冷却して燃焼により生じた水蒸気を凝縮させるとともに、真空ポンプで吸引して、反応炉内雰囲気を30kPaに保持した。捕集工程で回収した炭素微粒子100g中のフラーレン類の量を分析した結果、12gであつた(フラーレン類の収率:12%)。
Figure 2009274952
図2に示す製造方法に従って、コークス炉上昇管に分岐配管を設けて得た表2に示す水素と、メタン、軽油およびタールの炭化水素化合物を含有する920℃のコークス炉ガスにアルゴンガスで10倍に希釈した酸素を反応炉内に導入し、コークス炉ガス中の水素およびメタンなどを燃焼させて反応炉内を1600℃とし熱分解反応を生じさせて炭素微粒子を製造した。反応炉の下流側では、炭素微粒子を含む高温ガスを冷却工程により冷却して燃焼により生じた水蒸気を凝縮させるとともに、真空ポンプで吸引して、反応炉内雰囲気を90kPaに保持した。捕集工程で回収した炭素微粒子100g中のフラーレン類の量を分析した結果、5gであった(フラーレン類の収率:5%)。
Figure 2009274952
図4に示す製造方法に従って、炭化水素化合物としてメタンを含有する主要成分組成を、水素8.6質量%、メタン38.6質量%、一酸化炭素13.5質量%、二酸化炭素7.0質量%、窒素4.5質量%に調整したガスを原料とした以外は、実施例1と同一の条件で炭素微粒子を製造した。捕集工程で回収した炭素微粒子100g中のフラーレン類の量を分析した結果、8gであった(フラーレン類の収率:8%)。
比較例1
反応炉内雰囲気を常圧(約100kPa)に保持した以外は実施例2と同一の条件で炭素微粒子を製造した。捕集工程で回収した炭素微粒子100g中のフラーレン類の量を分析した結果、0.1g以下であった(フラーレン類の収率:0.1%以下)。
本発明の製造方法によって、製造設備のコンパクト化が図れ、炭素微粒子、特に高収率のフラーレンを含有する炭素微粒子を、大量かつ簡単に製造することができる。
1 混合工程
2 炭素微粒子生成工程(又は反応炉)
3 冷却工程(又は冷却室)
4 捕集工程
5 減圧工程(又は減圧手段)
6 熱交換工程(又は熱交換器)

Claims (5)

  1. 炭化水素化合物および水素を含有する混合物と、酸素含有ガスとを反応炉内に導入し、水素、一部の炭化水素化合物および酸素で燃焼反応を生じさせて二酸化炭素と水蒸気からなる1200〜2000℃の高温ガスを生成させるとともに、この高温ガスの熱を利用して前記反応炉内に導入した残りの炭化水素化合物を90kPa以下の減圧雰囲気下で熱分解反応を生じさせて炭素微粒子を製造するに際し、
    前記反応炉と連通する熱交換器を設け、前記反応炉から排出される排ガスを前記熱交換器で冷却し、排ガス中の水蒸気を水に凝縮させ、前記熱交換器内の排ガス量を前記反応炉から排出される排ガス量よりも減少させて、前記反応炉内を減圧雰囲気にすることを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  2. 前記熱交換器と連通する減圧手段を設けることを特徴とする請求項1記載の炭素微粒子の製造方法。
  3. 前記炭化水素化合物が、少なくとも5質量%の油分を含むことを特徴とする請求項1または2記載の炭素微粒子の製造方法。
  4. 前記炭化水素化合物および/または前記水素は、前記反応炉内に導入するに先立って500〜1000℃に予熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の炭素微粒子の製造方法。
  5. 前記酸素含有ガスは、不活性ガスを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の炭素微粒子の製造方法。
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