JP2009274432A - オフセット印刷機及び方法並びに印刷物 - Google Patents

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昌之 江田
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正浩 松原
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Abstract

【課題】オフセット印刷機及び方法並びに印刷物に関し、インキ層表面の凹凸による光学濃度の低下若しくは光沢性の低下を抑制することができるようにする。
【解決手段】版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面に速乾インキを用いて印刷するオフセット印刷機であって、版胴及びブランケット胴の下流に、整面用ロールを配置して、印刷面を押圧し印刷面に転写された前記速乾インキの表面を整面する。
【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線硬化型インキを用いてオフセット印刷を行なった印刷面にニスコーティングする印刷物の製造に用いて好適のオフセット印刷機及び方法、並びに、その方法により製造された印刷物に関する。
例えば、オフセット印刷のように、印刷用のインキをブランケット表面から印刷基材(例えば、印刷紙や樹脂フィルム)に転写して印刷を行なう場合、ブランケット表面のインキが全て印刷基材に転写されるわけではなく、図12に示すように、ブランケット1の表面に付着しているインキ膜3は、印刷基材2の表面に接触すると、インキ膜3の一部が印刷基材2の表面に粘着して転写されるが、インキ膜3の一部はブランケット1の表面に残り、インキ膜3が二分した状態で転写が行なわれる。
この際、インキの粘性によってインキ膜3が引き裂かれるように二分されるため、二分した各インキ膜3a,3bは、けばだったような凹凸の激しい表面状態になる。最も一般的に用いられる酸化重合型のインキの場合、酸化重合しながら乾燥するまである程度の時間を要するため、図13に示すように、凹凸の激しい表面状態[図13(a)参照]から、時間の経過と共にインキ膜のレベリング(平滑化)が進む[図13(b)参照]。
図13(a)に示すように、インキ膜3bの表面の凹凸が激しいと、光の乱反射が強まるので、外観されるインキ色の濃度(光学濃度)が実質的に低下してしまう。
また、光の乱反射が強まると、印刷されたインキの表面がぼやけたようになり光沢度が下がったように見え、艶が無くなってしまう。つまり、光沢性が低下してしまう。特に、高付加価値印刷として、インキを転写した後で、印刷面上にニスを塗って光沢を出す加工があるが、凹凸が激しいインキ膜3bの表面に、ニスを塗ると、鈍い光沢感になり、光沢性の向上が少なくなる。
インキ膜3bの表面の凹凸が激しいと、素抜けを発生することもある。
もちろん、酸化重合型のインキの場合には、時間の経過と共に、図13(b)に示すように、インキ膜のレベリングが進んで、凹凸が緩やかに緩和されるので、インキ色の濃度の実質的な低下も少なく、ニスを塗った場合にも、外観される光沢性も確保される。
しかしながら、例えば、上記のインキ転写後に印刷面上にニスを塗って光沢を出す加工を行なう場合など、印刷装置の下流にニスを塗布する装置を装備し、印刷後連続的にニスを塗布するようにして生産性を高めることが行なわれる。このばあい、ニスを塗布する際にインキ膜の表面をある程度乾燥させておくことが必要になるので、速やかに乾燥するインキ(速乾性インキ)を用いて印刷を行なう必要がる。
このような速乾性インキの代表例が、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキ(所謂、UVインキ)である。通常、印刷面上にニスを塗って光沢を出す加工を行なう場合、このようなUVインキを用いて、通常の印刷を行なって、直後に、印刷面上のUVインキに紫外線照射装置(UV装置)を用いて、紫外線(UV)照射して、UVインキを速やかに乾燥させておいてニスを塗る。
このように、インキを速く乾燥させると、当然ながらインキ膜表面のレベリングは進まず、インキ膜表面の凹凸によって、インキ色濃度の実質的な低下や、ニスを塗っても期待する光沢感を得られないといった不具合を招くことになる。
この凹凸によって、インキ膜表面において光は乱反射するために、表面がぼやけたようになり光沢度が下がったように見え、艶が無くなってしまう。艶を出すにはできるだけ平滑であることが望ましい。
これに関する技術として、特許文献1には、表面を十分に平滑に形成されたブランケットにニスを塗布して、一定時間後に印刷基材へ転写することによって光沢性の改善を図るものが記載されている。具体的には、ブランケットシリンダ上の、低エネルギで平滑なコーティング面を用いて、コーティング面と印刷基材との接触中に圧力をかけて、また追加的に温度を上げて、印刷基材上に、水性コーティング混合物を堆積させることで、高い光沢値を得るようにしている(段落0023)。
また、特許文献2には、コーター部において、枚葉紙のインキ層の上に光沢層を形成する際に、圧胴の軸を移動させることにより圧胴と版胴とのプレス圧を従来の転写圧と比較して3倍程度以上高くして、枚葉紙に光沢層を形成する透明樹脂材を転写することにより、光沢層の表面に十分なプレス圧を加えつつ、透明樹脂材の転写を行なう技術が記載されている。この技術では、インキ層の表面は凹凸を有していても、その表面上に透明樹脂材の光沢層の表面が比較的平坦に近い状態となり、これにより光沢層の光沢値が上がることとなる(段落0013)。
特表2003−507204号公報 特開2003−63159号公報
しかしながら、特許文献1,2の何れの技術も、インキ自体の凹凸に対してはなんら処理を行なわず、インキ層の上に塗布するニスの光沢によって、インキ層表面の凹凸を目立たなくする技術とも言え、インキ層表面にニス層等の透明な光沢層を設けることが前提となり、インキ層表面の凹凸の改善にはならない。インキ層表面の凹凸により、インキの素抜けが発生した場合には、なんら解消し得ない。
また、インキ層表面の凹凸は、その上に塗布するニス層等の透明な光沢層に対しても、影響は免れない。つまり、インキ層表面に透明な光沢層を塗布した場合、光沢層の表面からの光の反射と、インキ層と光沢層との境界面からの光の反射とがある。光沢層の表面からの光の反射が大きいと、インキ層と光沢層との境界面からの光の反射の影響は小さくなるが、印刷物を視認した際の印象は異なるものになり、視認した印象を重視する高付加価値印刷の立場では、インキ層と光沢層との境界面からの光が乱反射して光沢性を損なうだけでなく、光学濃度も低下する点は無視できない。
また、特許文献1の技術では、ブランケットにニスを塗布し、一定時間後に基材へ転写する技術も記載されているが、この場合、高速運転には向かない。
また、特許文献2の技術では、透明樹脂材を転写する際に、圧胴と版胴とのプレス圧を増大しているが、透明樹脂材の転写時に圧力を掛けても、上記のインキの分裂現象と同様に、透明樹脂材の分裂現象が発生する懸念がある。また、特許文献2には、転写後にもう一度ローラで圧力を掛けるとも有るが、ローラ表面の材料,粗さなどが特定されておらず、ただ圧力をかけるとインキが転移するだけで光沢度の向上には寄与しないことも考えられる。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、インキ層表面の凹凸による光学濃度の低下若しくは光沢性の低下を抑制することができるようにした、オフセット印刷機及び方法並びにその方法により製造された印刷物を提供することを目的とする。
上記目標を達成するため、本発明のオフセット印刷機は、版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面にインキを用いて印刷するオフセット印刷機であって、前記版胴及び前記ブランケット胴の下流に配置され、前記印刷面を押圧し前記印刷面に転写された前記インキの表面を整面する整面用ロールをそなえていることを特徴としている(請求項1)。
また、前記インキは、速乾インキであることが好ましい(請求項2)。
さらに、前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されていることが好ましい(請求項3)。
また、前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2〜10%であることが好ましい(請求項4)。
そして、前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知手段をそなえたことが好ましい(請求項5)。
また、前記整面用ロールの下流に、前記印刷面の前記インキを乾燥させる乾燥装置が配設されていることが好ましい(請求項6)。
さらに、前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、前記乾燥装置は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させる紫外線照射装置であることが好ましい(請求項7)。
また、前記整面用ロールの上流に、前記印刷面の前記インキの温度を上昇させる加熱装置が配設されていることが好ましい(請求項8)。
さらに、加熱装置は赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させる赤外線照射装置であることが好ましい(請求項9)。
そして、前記加熱装置が作動している旨報知する加熱報知手段をそなえたことが好ましい(請求項10)。
また、前記整面用ロールの最外周に前記インキを弾く撥油性材料がコーティングされていることが好ましい(請求項11)。
さらに、前記整面用ロールの外周には、少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備されていることが好ましい(請求項12)。
また、前記整面用ロールの外周には、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備されていることが好ましい(請求項13)。
さらに、前記整面用ロールは、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、前記ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成されていることが好ましい(請求項14)。
また、前記整面用ロールは、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成されていることが好ましい(請求項15)。
前記整面用ロールは、前記印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接することが好ましい(請求項16)。
また、前記整面用ロールには、圧胴が対向して配設されており、前記整面用ロールは、前記印刷基材の厚さから前記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で圧接することが好ましい(請求項17)。
さらに、前記プレス距離は、0.17mm〜0.22mmであることが好ましい(請求項18)。
さらに、前記版胴及び前記ブランケット胴の下流で、且つ、前記整面用ロールの上流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されていることが好ましい(請求項19)。
あるいは、前記乾燥装置の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されていることが好ましい(請求項20)。
これらの場合、前記ニス転写胴は、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴とからなり、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写することが好ましい(請求項21)。
また、前記版胴及び前記ブランケット胴の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設され、前記ニス転写胴は、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴を有し、前記ニス用ブランケット胴は、前記整面用ロールを兼ねていることが好ましい(請求項22)。
さらに、前記整面用ロールは、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替えて構成されることが好ましい(請求項23)。
また、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、前記プレス版に巻き替える旨報知する巻替報知手段をそなえたことが好ましい(請求項24)。
さらに、前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知手段をそなえたことが好ましい(請求項25)。
そして、前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知手段をそなえたことが好ましい(請求項26)。
前記印刷基材は、印刷用紙であってもよく(請求項27)、樹脂性シート(例えば、PET)であってもよい(請求項28)。
また、本発明のオフセット印刷方法は、版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面に速乾インキを用いて印刷するオフセット印刷方法であって、前記速乾インキを前記印刷面に転写した印刷工程後に、整面用ロールを前記印刷面に押圧し前記印刷面に転写された前記速乾インキの表面を整面する整面工程をそなえていることを特徴としている(請求項29)。
また、前記印刷工程において用いられる前記インキは、速乾インキであることが好ましい(請求項30)。
さらに、前記印刷工程において用いられる前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されていることが好ましい(請求項31)。
また、前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2〜10%であることが好ましい(請求項32)。
そして、前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知工程をそなえていることが好ましい(請求項33)。
また、前記整面工程の直後に、前記印刷面の前記インキを乾燥させる乾燥工程をそなえていることが好ましい(請求項34)。
さらに、前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、前記乾燥工程は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させることが好ましい(請求項35)。
また、前記整面工程の直前に、前記印刷面の前記インキの温度を上昇させる加熱工程をそなえていることが好ましい(請求項36)。
さらに、前記加熱工程は、赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させることが好ましい(請求項37)。
そして、前記加熱工程を行っている旨報知する加熱報知工程をそなえていることが好ましい(請求項38)。
前記整面工程では、最外周に前記インキを弾く撥油性材料がコーティングされた前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項39)。
また、前記整面工程では、外周に少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備された前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項40)。
また、前記整面工程では、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備された前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項41)。
また、前記整面工程では、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、前記ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成された前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項42)。
さらに、前記整面工程では、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成された前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項43)。
さらに、前記整面工程では、前記整面用ロールを前記印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接させることが好ましい(請求項44)。
また、前記整面工程では、前記整面用ロールに対し圧胴が対向して配設されており、前記整面用ロールを、前記印刷基材の厚さから前記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で圧接させることが好ましい(請求項45)。
さらに、前記プレス距離は、0.17mm〜0.22mmであることが好ましい(請求項46)。
前記印刷工程後で、且つ、前記整面工程の前に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられていることが好ましい(請求項47)。
あるいは、前記乾燥工程の後に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられていることが好ましい(請求項48)。
前記ニス転写工程では、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴とを用いて、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写することが好ましい(請求項49)。
また、前記印刷工程の後に、前記印刷面に前記ニスを転写するニス転写工程が設けられ、前記印刷工程後において、前記整面工程または前記ニス転写工程のいずれか一方を選択的に行うことが好ましい(請求項50)。
さらに、前記ニス転写工程では、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴を用い、前記整面工程では、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットをプレス版に巻き替えた前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項51)。
また、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、前記プレス版に巻き替える旨報知する巻替報知工程をそなえていることが好ましい(請求項52)。
さらに、前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知工程をそなえていることが好ましい(請求項53)。
そして、前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知工程をそなえていることが好ましい(請求項54)。
前記印刷基材としては、印刷用紙を用いてもよく(請求項55)、樹脂性シートを用いてもよい(請求項56)。
また、本発明の印刷物は、請求項29〜56の何れか1項に記載のオフセット印刷方法によって印刷されたことを特徴としている(請求項57)。
本発明のオフセット印刷機(請求項1)及び方法(請求項29)並びに印刷物(請求項57)によれば、印刷面に転写されたインキの表面を整面用ロールにより押圧し整面するので、インキ層表面のレベリングが進んでインキ層表面の凹凸が抑えられて、光学濃度の低下や光沢性の低下を抑制することができる。また、インキの素抜けを抑制することもできる。これに加え、印刷面に転写されたインキの表面を整面用ロールにより押圧することにより、印刷面のインキが伸びる。このため、例えば、刷版により印刷された網点が太る(ドットゲインする)ことにより、インキの濃度が濃くなるため、使用するインキ量を低減することができる。
また、インキとして速乾インキを用いることにより、印刷面に印刷されたインキを速く乾燥させることができるため、例えば、印刷直後の印刷面にニスを転写することが可能となる(請求項2,30)。
特に、UVインキ等の速乾性インキは、速く乾燥することからインキ膜表面のレベリングが進まず、インキ膜表面に形成される凹凸によって、光沢度の低下やインキ色濃度の実質的な低下が避けられなかったが、速乾インキの表面の整面処理によって、このような不具合が解消され、速乾性インキを用いながら、光沢性の向上光学や濃度の向上を実現することはでき、印刷物の商品性を高めることができる。
また、インキにコンパウンド剤を添加し、インキの粘性を調整することで、印刷基材の印刷面に形成されるインキ層表面の凹凸を抑制することができ、これにより、光学濃度の低下や光沢性の低下をさらに抑制することができる(請求項3,31)。
なお、インキに含有されるコンパウンド剤の含有量を2〜10%とすることで、インキ層表面の凹凸を好適に抑制しつつ、印刷面への印刷処理も好適に行うことができる(請求項4,32)。
また、オフセット印刷機のオペレータに、インキにコンパウンド剤を添加した旨報知することができる(請求項5,33)。
また、整面後に、インキを乾燥処理すれば、インキ層表面の凹凸を軽減しつつインキの乾燥を速めることができる。また、インキ層表面のレベリングが進むと、インキ層が均一に乾燥しやすくなり、乾燥処理の効果も高くなり、乾燥処理時間も短縮しうる。これにより、印刷速度の高速化や、乾燥区間の短縮化、即ち、装置の小型化や、さらに、乾燥装置の低容量化にも寄与しうる(請求項6,34)。
インキが紫外線硬化型インキであれば、紫外線を照射することにより、表面の凹凸を軽減されたインキを、速やか且つ確実に紫外線硬化型インキを硬化させることができる(請求項7,35)。
また、整面前に、加熱装置によりインキを加熱処理することで、インキ層表面のレベリングを促進することができる。このため、インキ層表面の凹凸を抑制することができ、これにより、光学濃度の低下や光沢性の低下をさらに抑制することができる(請求項8,36)。
このとき、加熱装置として、赤外線照射装置を用いることで、インキの温度を好適に上昇させることができる(請求項9,37)。
また、オフセット印刷機のオペレータに、加熱装置が作動している旨報知することができる(請求項10,38)。
また、整面用ロールの最外周にインキを弾く撥油性材料がコーティングされていれば、離型性が確保され、整面用ロールにインキが付着することがなくなるので、整面用ロールへの新たなインキ粘着によるインキ層表面の新たな凹凸の発生やインキ層のインキ量の減少などを招くことがなく、インキ層表面の凹凸の軽減及びこれを通じたインキ層の光学濃度の向上を確実に行なうことができる(請求項11,39)。
また、整面用ロールの外周に、高剛性材料で形成された高剛性層が装備されることで、印刷基材の印刷面には高剛性層が当接し、これにより、インキ層表面を好適に平滑にすることができる(請求項12,40)。
また、整面用ロールの外周に、弾性体で形成された弾性層と、その外側に配置された高剛性層とを装備すれば、整面用ロールの印刷面へのプレス圧及びプレス幅を適切なものにしやすく、インキ層や印刷基材を過剰に圧することなく表面の凹凸を軽減することができる(請求項13,41)。
整面用ロールは、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成しても、離型性を確保しながら、整面用ロールの印刷面へのプレス圧及びプレス幅を適切なものにしやすく、インキ層表面の凹凸の軽減及びこれを通じたインキ層の光学濃度の向上を確実に行なうことができる(請求項14,42)。
また、整面用ロールを、外周にプレス版を装備したプレス胴から構成しても、整面用ロールの印刷面へのプレス圧及びプレス幅を適切なものとすることができる(請求項15,43)。
また、整面用ロールが印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接するようにすれば、インキ層や印刷基材を過剰に圧することなく表面のインキ層の凹凸を軽減することができる(請求項16,44)。
また、プレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で、整面用ロールを印刷面に圧接するようにすれば、インキ層や印刷基材を過剰に圧することなく表面のインキ層の凹凸を軽減することができる(請求項17,45)。
なお、プレス距離は、0.17mm〜0.22mmとなることが、好ましい(請求項18,46)。
さらに、印刷物の上にニスを塗らなくても、整面だけでも、光沢性が高められ且つインキ層の光学濃度も高まるが、印刷後の整面処理の前に、或いは、インキ乾燥処理の後に、印刷面にニスを転写することで、透明のニス表面による高い光沢性が得られるが、予めインキ層の凹凸が軽減されているので、ニス層とインキ層との境界面の光の乱反射も少なく、より光沢性が高められ、インキ層の光学濃度も確保される(請求項19,20,47,48)。
なお、ニス転写胴を、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットを装備されたブランケット胴とから構成し、刷版のニス転写絵柄に対応して印刷面に部分的にニスを転写すれば、光沢性の高い箇所と光沢性の低い箇所とを形成することができ、例えば、文字部分は光沢性を抑えて文字の視認性を確保し、絵柄部分は光沢性を高めてより美観の高いものにするなどでき、商品価値を高めることができる(請求項21,49)。
また、ニス転写胴により、印刷後の印刷基材の印刷面に対し、整面を行うか、またはニスの転写を行うかを選択可能とすることで、汎用性を高めることができる(請求項22,50)。
さらに、ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替えて整面用ロールとすることができる。このため、整面処理を行う場合には、整面用ロールとする一方、ニス転写処理を行う場合には、ニス用ブランケット胴とすることで、印刷面に各種処理を好適に行うことができる(請求項23,51)。
また、オフセット印刷機のオペレータに、ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替える旨報知することができる(請求項24,52)。
また、オフセット印刷機のオペレータに、ニスにコンパウンド剤を添加した旨報知することができる(請求項25,53)。
さらに、オフセット印刷機のオペレータに、整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知することができる(請求項26,54)。
また、印刷基材を、印刷用紙とすると、通常印刷を行なうことができ(請求項27,55)、樹脂性シート(例えば、PET)とすると、整面用ロールによりインキ表面を押圧し整面した場合に、インキ層表面のレベリングがより進むようになり、インキ層表面の凹凸がより一層抑えられて、光学濃度の低下や光沢性の低下をより抑制することができる(請求項28,56)。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1〜図4は本発明の第1実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法を説明するものである。
<オフセット印刷機の構成>
まず、本実施形態に係るオフセット印刷機について説明する。
図1に示すように、この印刷機は、印刷基材としての印刷用紙を供給する給紙部10と、印刷用紙の表面に有色通常のUVインキによりオフセット印刷をする印刷部(印刷装置)20と、整面ロール(プレスローラ)32により印刷された印刷用紙の印刷面のインキ層表面を押圧して整面する整面処理部(整面装置)30と、UVインキを乾燥させる第1乾燥部(乾燥装置1)40と、印刷用紙の表面にUVニス(透明の紫外線硬化型のOPニス、UVOPニス)を塗布するニス塗布部(ニス塗布装置)50と、印刷用紙の表面に塗布されたUVニスを乾燥させる第2乾燥部(乾燥装置2)60と、排紙部70と、を印刷用紙の走行する方向に順に備えて構成される。図1中、二点鎖線で示す部分は、省略可能或いは追加可能な部材を示す。
なお、印刷基材としての印刷用紙を例示するが、印刷基材には、紙に限らず、例えば、PET[ポリエチレンテレフタラート (Polyethylene terephthalate)]等の樹脂シートをはじめ、種々のものを適用しうる。
また、ここでは、印刷部20は、c(シアン,藍色),m(マゼンタ,深紅色),y(イエロー,黄色),k(ブラック,黒)の4色のプロセスインキをそれぞれ用いる印刷ユニット21,22,23,24を備えてカラー印刷を行なえるように構成されている。
印刷部20の各印刷ユニット21,22,23,24には、版胴21a,22a,23a,24a及びブランケット胴21b,22b,23b,24bが備えられ、版胴21a,22a,23a,24aには図示しないインキ供給系統からそれぞれのインキが供給され、それぞれに備えられた刷版の絵柄パターンに応じたインキが各ブランケット胴21b,22b,23b,24bに転写されこれを介して印刷用紙の表面(印刷面)に転写されるようになっている。
また、各ブランケット胴21b,22b,23b,24bに対向して、圧胴21c,22c,23c,24cが装備され、印刷用紙が、各ブランケット胴21b,22b,23b,24bと各圧胴21c,22c,23c,24cとの間を走行しながら、各ブランケット胴21b,22b,23b,24bから刷版の絵柄パターンに応じたそれぞれのインキを転写されるようになっている。
また、最上流の圧胴21cの上流、及び各圧胴21c,22c,23c,24cの相互間には、渡し胴25a〜25dが介装されており、渡し胴25a〜25dを通じて、印刷用紙が、その表面をブランケット胴21b,22b,23b,24bの方向(上方)に向けた状態で移動するように案内される。
また、印刷部20で使用されるインキは、有色不透明のUVインキ(紫外線硬化型インキ)であるが、本発明としてはUVインキのみを対象とせず、速やかに硬化する速乾性インキについて広く適用対象とする。
また、整面処理部30は、整面ロール32により印刷面のインキ層表面を押圧して整面するが、本実施形態では、整面ロール32に、印刷部20の各印刷ユニット21〜24に用いるブランケット胴21b〜24bと同様な、外周にブランケットを装備したブランケット胴とこれに対向する圧胴33とが用いられ、渡し胴25eを通じて送られた印刷用紙の印刷面を加工する。ただし、図2(b)に示すように、整面ロール32のブランケット32aの外周には、アルミニウム製の基板(アルミ層)32b上にシリコーン層32cがコーティングされてなる水なし平版が装着されている。
この整面ロール(プレスローラ)32は、本実施形態のように、通常の印刷機のブランケット胴若しくはニスコータのブランケット胴に、水なし平版のように、弾性体で形成された弾性層と、この弾性層の外側に配置された弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とからなる表面部材を装備することで構成するほか、各シリンダ部分に別体の(専用の)整面ロール(プレスローラ)を取付けて、プレスを行なうように構成してもよい。
また、整面ロール32の印刷面へのプレス圧(具体的には、ニップ圧)は、本実施携帯の条件下では、ニップ幅10mm程度、換算すると10kgf/cm2程度が好ましく、好適なニップ圧範囲としては、5〜20kgf/cm2を与えることができる。
なお、この整面ロール32の構成は、最外周にインキを弾くシリコーン層32c等の撥油性材料の層がコーティングされていること、及び、整面用ロール33の外周には、ブランケット32aのように弾性体で形成された弾性層と、この弾性層の外側に配置されて弾性層よりも高剛性材料で形成されたアルミ層32bのような高剛性層とが装備されていることが好ましく、撥油性材料はシリコーンに限定されず、弾性体もブランケット32aに限定されず、高剛性材料もアルミニウムに限定されない。
第1乾燥部40は、塗布された印刷用紙の表面のUVインキに紫外線を照射することにより非接触でUVインキの乾燥を行なうUV乾燥装置42をそなえている。
ニス塗布部50では、印刷部20の各印刷ユニット21〜24に用いる版胴21a〜24a,ブランケット胴21b〜24b及び圧胴21c〜24cと同様な版胴51,ニス用ブランケット胴52及び圧胴53を用いて、渡し胴25fを通じて送られた印刷用紙の印刷面にUVニスを塗布する。ここでは、版胴21a〜24aと同様に、版胴51には刷版が装備され、印刷面に刷版の絵柄に応じてUVニスを塗布する。
なお、ニス塗布部50で使用されるニスは、無色透明のUVニス(紫外線硬化型ニス)であるが、本発明としては、塗布後速やかに硬化して表面の光沢が失われないものであれば種々のニス類を広く適用対象とする。また、有色透明のニスも適用対象とする。
次に、第2乾燥部60は、塗布された印刷用紙の表面のUVニスに紫外線を照射することにより非接触でUVニスの乾燥を行なうUV乾燥装置61をそなえている。
なお、この乾燥部60では、ニス塗布部50の圧胴53からこれに隣接する渡し胴25gを通じて移送された印刷用紙を乾燥用ロール62の外周に沿って走行させ、UV乾燥装置61からの紫外線を、印刷用紙の表面の凹凸模様を形成された透明樹脂に照射し乾燥させる。
なお、UVインキやUVニスを用いずに、他の速乾性インキを用いる場合は、乾燥部40のUV乾燥装置42や乾燥部60のUV乾燥装置61に替えて、熱風又は温風を印刷用紙の表面の透明樹脂に噴きつけることにより非接触で透明樹脂の乾燥を行なう熱風(又は温風)乾燥装置を用いたり、例えば乾燥部60の場合、圧胴33,53や乾燥用ロール62の周面に熱を供給して印刷用紙の裏面を加熱することにより透明樹脂を加熱乾燥する加熱乾燥装置を用いたりしてもよい。あるいは、UV乾燥装置42,61を含めて、これらの何れか又は全てを組み合わせて用いても良い。
排紙部70は、何れも図示しないが、上流から、排紙胴、搬送チェーン、パイル昇降装置をそなえ、印刷され表面に塗布された透明樹脂に凹凸模様を加工された印刷用紙を、搬送チェーンに装備された図示しないくわえ爪によって係止しながら搬送し、パイル昇降装置に順次積重するようになっている。
なお、例えば印刷機を高速運転する場合、乾燥部60での乾燥処理では透明樹脂の乾燥が十分でない場合には、排紙胴の下流の搬送チェーンに沿った印刷用シートの搬送ルートに、印刷用シートの印刷面を乾燥させる乾燥装置としてUVランプ(紫外線ランプ)等の乾燥装置を装備し、高速運転でも鏡面印刷用インキが速やかに乾燥するように構成しても良い。
また、前述の圧胴33や乾燥用ロール62の周面に熱を供給して透明樹脂を加熱する加熱手段しては、例えば、圧胴33や乾燥用ロール62の内部に、電熱線を組み込み電熱線への供給電力の調整により透明樹脂を所要の乾燥状態に乾燥させる構成が考えられる。
さらに、本実施形態では、ニス塗布部50を設けているが、このニス塗布部50は必須ではなく、省略してもよい。ニス塗布部50を省略する場合、版胴51,ニス用ブランケット胴52及び圧胴53と共に渡し胴25fも省略することになり、整面処理部30の圧胴33を乾燥部60の渡し胴25gに隣接されることになり、UVインキはこの乾燥部60により乾燥させることができるため、乾燥部40も省略することができる。
<オフセット印刷方法>
本発明の第1実施形態にかかるオフセット印刷機は上述のように構成されているので、以下のような手法(本実施形態にかかるオフセット印刷方法)で、印刷物を製造することができる。
まず、最も基本的な例として、乾燥部40及びニス塗布部50を省略した場合を説明すると、図3(a)に示すように、給紙部10から印刷部20に移送した印刷用紙に、印刷部20の各印刷ユニット21,22,23,24でc,m,y,kの4色のプロセスインキ(UVインキ)を用いて通常のカラー印刷を行なう(ステップS10,印刷工程)。このとき、図2(a)に示すように、ブランケット1の表面に付着しているインキ膜3は、印刷基材2の表面に接触すると、インキ膜3の一部が印刷基材2の表面に粘着して転写され、インキ膜3の一部はブランケット1の表面に残り、インキ膜3が二分した状態で転写が行なわれる。インキの粘性によってインキ膜3が引き裂かれるように二分されるため、二分した各インキ膜3a,3bは、けばだったような凹凸の激しい表面状態になる。
次に、印刷用紙を整面処理部30に移送し、整面ロール32により印刷された印刷用紙の印刷面のインキ層表面を押圧して整面する(ステップS20,整面工程)。このときには、図2(b)に示すように、印刷用紙2の印刷面の激しい凹凸形状のインキ表面は、整面ロール32によって押圧されて整面されるので、平滑化(レベリング)される(符号3b´参照)。
この際、整面ロール32最外周に、インキを弾くシリコーン層32cがコーティングされているので、整面ロール32にインキが付着することがなくなるので、整面用ロール32への新たなインキ粘着によるインキ層3b表面に新たな凹凸が発生したり、インキ層3bのインキ量が減少したりするなどの不具合も招かない。
また、整面用ロール32の外周に、ブランケット32aで形成された弾性層と、その外側にアルミ層32bで形成された高剛性層とが装備されているので、整面用ロール32の印刷面へのニップ圧及びニップ幅を、例えばニップ幅10mm程度、換算すると10kgf/cm2程度を中心とした、好適なニップ圧範囲5〜20kgf/cm2を与えることができ、インキ層や印刷用紙を過剰に圧することなく表面の凹凸を軽減することができる。
次に、印刷用紙を、乾燥部60に移送し、渡し胴25g,乾燥用ロール62の外周に沿って走行させながら、UV乾燥装置61からの紫外線を、印刷用紙の表面のUVインキに照射し乾燥させる(ステップS30,乾燥工程)。
また、乾燥部40及びニス塗布部50を設置した場合を説明すると、図3(b)に示すように、上記と同様に、印刷部20の各印刷ユニット21,22,23,24でc,m,y,kの4色のプロセスインキ(UVインキ)を用いて通常のカラー印刷を行なう(ステップS10,印刷工程)。次に、印刷用紙を整面処理部30に移送し、整面ロール32により印刷された印刷用紙の印刷面のインキ層表面を押圧して整面する(ステップS20,整面工程)。
次に、印刷用紙を、乾燥部40に移送し、乾燥部40において、UV乾燥装置42を用いて、整面された印刷用紙の表面に紫外線を照射することにより、非接触でUVインキの乾燥を行なう(ステップS30,乾燥工程1)。
そして、インキを乾燥された印刷用紙を、ニス塗布部50に移送し、図2(c)に示すように、無色透明のUVニス4を塗布する(ステップS40,ニス塗布工程)。ここでは、版胴51に装着された刷版(ニス版)の絵柄に応じて印刷用紙にUVニス4bが塗布される。
次に、印刷用紙を、乾燥部60に移送し、渡し胴25g,乾燥用ロール62の外周に沿って走行させながら、UV乾燥装置61からの紫外線を、印刷用紙の表面のUVニスに照射し乾燥させる(ステップS50,乾燥工程2)。
なお、図1には示さないが、ニス塗布部50と乾燥部60との間にも、整面処理部30と同様の整面処理を設け、ニス塗布工程(ステップS40)と乾燥工程2(ステップS50)との間に、第2の整面工程(ステップS42,整面工程2)を設けてもよい。この場合は、ステップS20は第1の整面工程(整面工程1)となる。
<作用、効果>
このように、本実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法並びに印刷物によれば、印刷面に転写されたUVインキ3の表面を整面用ロール32により押圧し整面するので、インキ層3b表面のレベリングが進んでインキ層3b表面の凹凸が抑えられて、光学濃度の低下や光沢性の低下を抑制することができる。
つまり、UVインキ等の速乾性インキは、速く乾燥することからインキ膜表面のレベリングが進まず、インキ膜表面に形成される凹凸によって、光沢度の低下やインキ色濃度の実質的な低下が避けられなかったが、速乾インキの表面の整面処理によって、このような不具合が解消され、速乾性インキを用いながら、光沢性の向上や光学濃度の向上を実現することはでき、印刷物の商品性を高めることができるのである。
また、図4に示すように、インキの素抜けを抑制することもできる。
しかも、かかる整面後に、速乾インキを乾燥処理するので、インキ層3b表面の凹凸を軽減しつつインキの乾燥を速めることができる。
また、インキ層3b表面のレベリングが進むことは、インキ層3bを均一に乾燥しやすくなるので、乾燥処理の効果も高くなって、乾燥処理時間も短縮することが可能になる。これにより、印刷速度の高速化や、乾燥区間の短縮化、即ち、装置の小型化や、さらに、乾燥装置の低容量化にも寄与しうる。
さらに、インキ乾燥処理の後に、印刷面にニスを転写する場合、透明のニス4b表面による高い光沢性が得られるが、予めインキ3b層の凹凸が軽減されているので、ニス層とインキ層との境界面の光の乱反射も少なく、より光沢性が高められ、インキ層の光学濃度も確保される。
さらに、ニス転写胴を、外周に刷版を装備された版胴51と、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴52とから構成し、ニス版のニス転写絵柄に対応して印刷面に部分的にニスを転写することができるので、光沢性の高い箇所と光沢性の低い箇所とを形成することができ、例えば、文字部分は光沢性を抑えて文字の視認性を確保し、絵柄部分は光沢性を高めてより美観の高いものにするなどでき、商品価値を高めることができる。
また、ニス転写の後にこのニスを乾燥処理することにより、ニスを速やかに乾燥させることができ、ニスの表面の光沢性を失うことなく高速印刷を実施することができる。
さらに、ニス転写の後のニスを乾燥処理する前に、ニス表面に第2の整面工程(ステップS42)を実施することにより、ニスの表面のレベリングも進み、ニスの表面の光沢性も向上することになり、印刷物の光沢性の向上効果を促進できる。また、光学濃度の向上にも寄与し得る。
また、印刷基材を、樹脂性シート(例えば、PET)とすると、整面用ロールによりインキ表面を押圧し整面した場合に、インキ層表面のレベリングがより進むようになり、インキ層表面の凹凸がより一層抑えられて、光学濃度の低下や光沢性の低下をより抑制することができる。
なお、本実施形態では、ニス塗布部50を整面処理部30の下流に設けている(つまり、整面工程の次にニス転写工程を備えている)が、ニス塗布部50を整面処理部30の上流に設け、図3(c)に示すように、図3(b)において、整面工程1(ステップS20)を省略し、印刷工程(ステップS10),乾燥工程1(ステップS30),ニス塗布工程(ステップS40),整面工程(ステップS42),乾燥工程2(ステップS50)の順で処理し、インキの上に載ったニスの表面のみを整面処理するようにしてもよい。
この場合、ニスの表面自体のレベリングが進み、併せて間接的にインキ層表面のレベリングも進むようになり、特有の光沢性が得られ、インキ層の光学濃度もある程度確保される。
また、この場合には、図1中に鎖線で示すように、印刷部20の直下流にUV乾燥装置41等の乾燥装置を設けて、あえてインキ層表面のレベリング処理は行なわず、その後のニスの表面についてのみ整面処理でレベリング処理を行なうようにしてもよい。
この場合、ニスを部分的に塗布したり、ニスを全面に塗布しながら整面処理については部分的に行なったりすることで、部分的に光沢性を与えることが可能になる。
さらに、図3(b)において、ニス転写工程と印刷工程とを逆の順序で行なうことも考えられる。つまり、図3(d)に示すように、ニス塗布工程(ステップA10),第1の整面工程(ステップA20,整面工程1),第1の乾燥工程(ステップA30,乾燥工程1),印刷工程(ステップA40),第2の整面工程(ステップA42,整面工程2),第2の乾燥工程(ステップA50,乾燥工程2)の順で処理するようにしてもよい。
この場合、図3(b)に示す処理とは微妙に異なった光沢性やインキ層の光学濃度特性が現出し、印刷物の商品性を高めることができる。
この場合、第2の整面工程(ステップA42,整面工程2)を省略すれば、インキの載った部分(印刷部分)はレベリングが進まないまま乾燥するため光沢性は低いが、インキの載らない地の部分はニスのレベリングが進んでから乾燥するため光沢性が高まり、やはり、特有の外観が現出し、印刷物の商品性を高めることができる。
[第2実施形態]
図5は本発明の第2実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法を説明するものである。図5において、図1と同符号は同様のものを示し、これらについては説明を省略する。図5中、二点鎖線で示す部分は省略可能或いは追加可能な部材を示す。
本実施形態では、各印刷ユニット21,22,23,24のブランケット胴21b,22b,23b,24bの下流に、それぞれ、整面用ロール34a〜34dが備えられている。したがって、第1実施形態の印刷部20から独立した整面処理部30は省かれている。
かかる構成でも、第1実施形態と同様の効果を得られる上に、各インキ毎に整面されるので、より整面効果を期待できる。
[第3実施形態]
図6は本発明の第3実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法を説明するものである。図6において、図1と同符号は同様のものを示し、これらについては説明を省略する。図6中、二点鎖線で示す部分は省略可能或いは追加可能な部材を示す。
本実施形態では、各印刷ユニット21,22,23の下流の渡し胴25b〜25dに対向して整面用ロール35a〜35cが備えられ、印刷ユニット24の下流には、第1実施形態と同様の整面用ロール33が備えられる。
整面用ロール35a〜35cは、印刷面の裏側から印刷基材を押圧するので、本実施形態では、印刷面の表側に接する渡し胴25b〜25d自体も整面用ロールとして機能する。そこで、渡し胴25b〜25dは、整面用ロール33と同様の表面構造、つまり、外周には、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備され、最外周にインキを弾く撥油性材料がコーティングされている。
かかる構成でも、第1実施形態と同様の効果を得られる上に、各インキ毎に整面されるので、より整面効果を期待できる。
[試験例]
かかる本発明に関し、図7に示すような処理を行ない、光沢度及び光学濃度を測定した。
つまり、UVインキ,UVニスを用いて、印刷面にUVインキ,UVニスを塗布した後、プレスありサンプルでは、本発明の水なし版を用いた押圧による整面処理(プレス)をした後でUV硬化させ、プレスなしサンプルでは、本発明の水なし版を用いた押圧による整面処理(プレス)を行なうことなくUV硬化させた。
印刷基材を種々用いて、光沢度及び光学濃度を測定した結果は、図8,図9に示すようになった。
図8(a)は、コート紙に墨で印刷した場合を、図8(b)は、PETに墨で印刷した場合を、図8(c)は、コート紙にニスを転写した場合を、図8(b)は、PETにニスを転写した場合を、それぞれ示す。いずれの場合も、整面処理(プレス)を行なうことにより、インキもレベリングし、光沢度が上がることが確認できた。
図9は、PETに墨で印刷した場合を示すが、図9に示すように、プレスによって光学濃度が大きくなることが確認できた。
このように、プレスによって光学濃度が増すことから、より少ないインキで所定の光学濃度を得ることができる可能性がある。これによりUVインキの使用量を減らし、印刷物の低コスト化を図ることができる可能性がある。
また、図10(a)はプレスなしのベタ部表面写真であり、表面粗さ:1.20μmとなっている。図10(b)はプレスありのベタ部表面写真であり、表面粗さ:0.85μmとなっている。プレスありの整面効果が明確に現れている。
また、図11(a)はプレスする前のベタ部素抜け写真であり、素抜け率:7.1%となっている。図11(b)はプレス後のベタ部素抜け写真であり、素抜け率:3.0%となっている。プレスありの素抜け低減効果が明確に現れている。
[第4実施形態]
次に、図14ないし図19を参照して、本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法について説明する。図14は、本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機の構成を示す模式的な側面図であり、図15は、本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機の整面ロールの断面図である。また、図16は、整面処理を行う場合におけるオフセット印刷機の一連の動作に関するフローチャートであり、図17は、ニス塗布処理を行う場合におけるオフセット印刷機の一連の動作に関するフローチャートである。さらに、図18は、各種条件により変化する印刷用紙の光沢度および濃度を表したグラフである。そして、図19は、第1条件における印刷用紙の表面の図面代用写真であり、図20は、第3条件における印刷用紙の表面の図面代用写真であり、図21は、第5条件における印刷用紙の表面の図面代用写真である。なお、図14において、図1と同符号は同様のものを示し、これらについては説明を省略する。第4実施形態のオフセット印刷機100は、そのニス塗布部120が、整面処理部としての機能を有している。つまり、ニス塗布部120は、整面処理部の機能を兼ねている。また、ニス塗布部120において、整面処理を行う場合、整面処理前に、加熱部110により加熱処理を行っている。以下、第4実施形態のオフセット印刷機100の構成について具体的に説明する。
<オフセット印刷機の構成>
図14に示すように、このオフセット印刷機100は、給紙部10と、印刷部20と、加熱部110と、ニス塗布部120と、第2乾燥部60と、排紙部70と、を印刷用紙の走行する方向に順に備えて構成されている。なお、給紙部10、印刷部20、第2乾燥部60および排紙部70の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このオフセット印刷機100で使用されるインキは、第1実施形態と同様に、UVインキ等の速乾性インキであるが、この速乾インキには、速乾インキの粘性を調整するコンパウンド剤が添加されている。コンパウンド剤は、例えば、感光性樹脂、感光性モノマーおよび光開始剤で構成されており、その配合割合は、感光性樹脂が30%〜40%、感光性モノマーが40%〜60%、光開始剤が1%〜10%となっている。そして、第4実施形態では、速乾インキに添加されるコンパウンド剤の割合が5%となるように、速乾インキにコンパウンド剤を添加している。なお、本実施形態では、コンパウンド剤の割合を5%としたが、2%〜10%の間であれば良い。
加熱部110は、ニス塗布部120の上流側に配設されており、印刷用紙を乾燥させる赤外線照射装置115が設けられている。また、加熱部110には、印刷用紙を印刷部20からニス塗布部120へ受け渡す2つの渡し胴25h,25iが配設されている。そして、赤外線照射装置115は、渡し胴25iに対向するように配設されている。これにより、加熱部110は、印刷用紙がニス塗布部120に移送される前に、印刷用紙に転写された速乾インキを加熱する。なお、加熱部110は、ニス塗布部120により整面処理を行う場合に加熱処理を行うが、一方で、ニス塗布処理を行う場合に加熱処理を行わない。なお、加熱部110は、赤外線照射装置115を用いて構成したが、これに限らず、例えば、ヒータ等を用いても良い。
ニス塗布部120は、第1実施形態と略同様に構成されており、版胴121,ニス用ブランケット胴122及び圧胴123を用いて、渡し胴25jを通じて送られた印刷用紙の印刷面にUVニスを塗布可能となっている。また、このニス塗布部120は、第1実施形態の整面処理部としての機能を有しており、具体的には、ニス塗布部120のニス用ブランケット胴122が、整面ロール125を兼ねている。つまり、ニス塗布部120は、UVニスを塗布するニス転写工程、または印刷面を整面する整面工程のいずれか一方を選択的に実行可能に構成されている。
ここで、ニス用ブランケット胴122は、シリンダ130と、シリンダ130の外周に巻回されたブランケット(図示省略)で構成されており、ニス用ブランケット胴122をニス転写工程で用いる場合、この状態において、印刷用紙の印刷面にUVニスを塗布する。一方で、ニス用ブランケット胴122を整面ロール125として機能させて整面工程で用いる場合、シリンダ130の外周に巻回されたブランケットを取り外すと共に、シリンダ130の外周にプレス版131を巻回することにより、ニス用ブランケット胴122を整面ロール125として機能させることができる。つまり、図15に示すように、整面ロール125は、シリンダ130と、シリンダ130の外周に巻回されたプレス版131で構成されている。なお、整面工程を行う場合、ニス塗布部120は、整面ロール125へのUVニスの供給を停止させている。
また、プレス版131は、その内側から、スペーサ133と、アルミ層134と、シリコーン層135とで構成されている。スペーサ133は、例えば、紙で構成され、シリンダ130の外周とアルミ層134との間の距離を調整している。アルミ層134は、第1実施形態と同様に、高剛性層として機能している。このとき、整面ロール125は、印刷用紙の厚さから整面ロール125および圧胴123の間隙を引いたプレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で、印刷用紙を圧接している。なお、プレス距離は、0.17mm〜0.22mmとすることが、好ましく、0.22mmが最も好ましい。
ここで、ニス塗布部120は、整面処理とニス塗布処理とを選択的に実行するが、各処理の切り替え時において、オフセット印刷機100は、各部20,110,120に設けた各報知機器140,141,142,143,144を作動させている。具体的に、各報知機器140,141,142,143,144としては、巻替用報知機器140、プレス圧用報知機器141、加熱用報知機器142、第1添加報知機器143および第2添加報知機器144があり、これら各報知機器140,141,142,143,144は、オフセット印刷機100のオペレータに対し音で報知するアラームや、オペレータに対し視覚的に報知するランプ等で構成されている。
巻替用報知機器140は、ニス塗布部120に設けられており、ニス用ブランケット胴122から整面ロール125へ、また、整面ロール125からニス用ブランケット胴122へ切り替えられるときに、プレス版131またはブランケットを巻き替える旨報知している。また、プレス圧用報知機器141は、ニス塗布部120に設けられており、整面ロール125と圧胴123とのプレス圧を最適なプレス圧へ変更するときに、プレス圧を変更する旨報知している。さらに、加熱用報知機器142は、加熱部110に設けられており、加熱部110を作動させたときに、加熱部110を作動させている旨報知している。
第1添加報知機器143は、印刷部20に設けられており、速乾インキにコンパウンド剤を添加したときに、速乾インキにコンパウンド剤が添加されている旨報知している。また、第2添加報知機器144は、ニス塗布部120に設けられており、UVニスにコンパウンド剤を添加したときに、UVニスにコンパウンド剤が添加されている旨報知している。
<オフセット印刷方法>
本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機100は、上述のように構成されているため、図16および図17に示すようなオフセット印刷方法で、印刷物が製造される。以下の説明では、先ず、図16を参照して、ニス塗布部120が整面処理を行う場合におけるオフセット印刷方法について説明する。なお、この場合も、第1実施形態と重複する部分を省略して説明する。
先ず、給紙部10から印刷部20に印刷用紙が搬送されると、印刷部20の各印刷ユニット21,22,23,24は、印刷用紙に対し、カラー印刷を行う(ステップS10,印刷工程)。このとき、各ブランケット胴21b,22b,23b,24bと印刷用紙との間のインキ膜3は二分されるため、二分した各インキ膜3a,3bは、凹凸形成される(図2(a)参照)。この場合、速乾インキには、コンパウンド剤が添加されているため、二分されるときの速乾インキの伸長(速乾インキの糸引き)を抑制することができ、これにより、コンパウンド剤を添加しない場合に比して、インキ膜3b表面の凹凸の形成を抑制することができる。
この後、印刷後の印刷用紙は加熱部110に搬送され、赤外線照射装置115により印刷面の速乾インキが加熱される(ステップS100,加熱工程)。これにより、印刷用紙の印刷面に凹凸形状に形成された速乾インキは、その粘性が低下することにより、平滑化(レベリング)する。
続いて、加熱後の印刷用紙はニス塗布部120に搬送され、ニス塗布部120は、印刷された印刷用紙の印刷面のインキ膜3b表面を、整面ロール125により押圧して整面する(ステップS110,整面工程)。このときにも、印刷用紙の印刷面において凹凸形状となったインキ表面は、整面ロール125によって押圧され整面されることにより、平滑化される。そして、平滑となった印刷用紙は第2乾燥部60に搬送され、第2乾燥部60は、UV乾燥装置61からの紫外線を、印刷用紙の表面の速乾インキに照射し乾燥させる(ステップS30,乾燥工程)。この後、乾燥された印刷用紙は、排紙部70から排紙される。
一方、図17を参照して、ニス塗布部120がニス塗布処理を行う場合のオフセット印刷方法について説明するに、先ず、給紙部10から印刷部20に印刷用紙が搬送されると、ステップS10の印刷工程と同様に、印刷部20の各印刷ユニット21,22,23,24は、印刷用紙に対し、カラー印刷を行う(ステップS10,印刷工程)。
この後、印刷後の印刷用紙は加熱部110に搬送されるが、加熱部110は作動停止しているため、加熱されずに加熱部110を通過する。続いて、加熱部110を通過した印刷用紙は、ニス塗布部120に搬送され、ニス塗布部120は、印刷された印刷用紙の印刷面のインキ膜3b表面を、ニス用ブランケット胴122により押圧してUVニスを塗布する(ステップS120,ニス転写工程)。そして、UVニスが塗布された印刷用紙は第2乾燥部60に搬送され、第2乾燥部60は、UV乾燥装置61からの紫外線を、印刷用紙の表面のUVニスに照射し乾燥させる(ステップS30,乾燥工程)。この後、乾燥された印刷用紙は、排紙部70から排紙される。
次に、図18を参照して、上記したオフセット印刷機100およびオフセット印刷方法を用いて、各種処理を施した場合における印刷用紙の光沢度および濃度の変化について説明する。この図に示すように、印刷用紙は、6つのそれぞれ異なった条件で印刷されている。なお、図18の左側縦軸は、印刷用紙の光沢度となっており、印刷用紙の光沢度は棒グラフとして表されている。図18の右側縦軸は、印刷用紙の濃度となっており、印刷用紙の濃度は折線グラフとして表されている。また、図18の横軸は、下記する第1条件から第6条件までの印刷用紙を順に並べたものとなっている。さらに、図18に示すLは、目標とする光沢度の目標レベルであり、具体的には、油性インキにより印刷した場合の印刷用紙の光沢度のレベルとなっている。
ここで、6つの異なる条件で印刷した印刷用紙を、図示左側から順に説明するに、左から1つ目の第1条件で印刷した印刷用紙は、平滑化するための処理を何も行わなかった場合の印刷用紙となっている。つまり、第1条件の印刷用紙の光沢度および濃度は、比較対象の基準となる標準の光沢度および濃度となっている。左から2つ目の第2条件で印刷した印刷用紙は、印刷用紙に圧接する整面ロール125のプレス圧のプレス距離を0.17mmとした場合の印刷用紙となっている。左から3つ目の第3条件を適用した印刷用紙は、印刷用紙に圧接する整面ロール125のプレス圧のプレス距離を0.22mmとした場合の印刷用紙となっている。左から4つ目の第4条件を適用した印刷用紙は、第3条件において、使用される速乾インキにコンパウンド剤を添加した場合の印刷用紙となっている。左から5つ目の第5条件を適用した印刷用紙は、第4条件において、整面工程の直前に加熱工程を行った場合の印刷用紙となっている。左から6つ目の第6条件を適用した印刷用紙は、第5条件において、使用するインキの量を減少させた場合の印刷用紙となっている。
この図から、第2条件および第3条件で印刷用紙を印刷することにより、第1条件で印刷された印刷用紙に比して、印刷用紙の光沢度が上昇することが分かる。これにより、プレス圧を調整することで、印刷用紙の光沢度を向上できることが分かる。また、第2条件に比して、第3条件の印刷用紙の光沢度が高くなっていることから、プレス距離を長くしてプレス圧を高くすれば、印刷用紙のインキ膜表面を平滑にできることが分かる。しかしながら、プレス距離を長くし過ぎてしまうと、印刷用紙を挟んで対向する整面ロール125と圧胴123とに加わる負荷が大きくなるため、プレス距離の最大は0.3mmとすることが好ましい。また、プレス圧による平滑化の効果を得るためには、プレス距離を最小でも0.1mmとすることが好ましい。
また、第4条件で印刷用紙を印刷することにより、第3条件の印刷用紙に比して、印刷用紙の光沢度が上昇することが分かる。これにより、速乾インキにコンパウンド剤を添加することで、印刷用紙の光沢度を向上できることが分かる。このとき、速乾インキに添加されるコンパウンド剤の割合は、5%となっている。なお、速乾インキにコンパウンド剤を過剰に添加してしまうと、速乾インキの粘性が過度に変化してしまい、これにより、印刷不良が生じてしまう虞がある。このため、速乾インキに添加されるコンパウンド剤の割合は、最大10%とすることが好ましい。また、コンパウンド剤の添加による平滑化の効果を得るためには、コンパウンド剤の割合を最小でも2%とすることが好ましい。
さらに、第5条件で印刷用紙を印刷することにより、第4条件の印刷用紙に比して、印刷用紙の光沢度が上昇することが分かる。これにより、整面工程の直前に加熱工程を行うことで、印刷用紙の光沢度を目標光沢度L近くまで向上できることが分かる。このとき、第5条件における印刷用紙の濃度は、第1条件における基準の印刷用紙の濃度に比して、ほぼ2倍となっている。
このため、第6条件で印刷用紙を印刷することにより、第5条件の印刷用紙に比して、印刷用紙の光沢度が僅かに低下したものの、第1条件における印刷用紙の濃度と、ほぼ同程度とすることができる。これにより、第6条件では、印刷用紙の光沢度を維持しつつ、使用する速乾インキの使用量を低減できることが分かる。
次に、図19ないし図21を参照して、第1条件、第3条件および第5条件における印刷用紙の表面の写真について比較する。図19に示す第1条件の印刷用紙の表面を基準とすると、図20に示す第3条件の印刷用紙の表面は、第1条件の印刷用紙の表面に比して素抜けが低減されており、また、図21に示す第5条件の印刷用紙の表面は、第3条件の印刷用紙の表面に比して素抜けが低減されている。このため、素抜けが低減されると、印刷面において速乾インキが密となるため、印刷用紙の濃度(光学濃度)が濃くなる。これにより、第5条件で印刷用紙を印刷すると共に、第1条件の基準の印刷用紙の濃度とする場合、第6条件のように使用する速乾インキの使用量を減らせば良い。なお、この結果から推定される第6条件における速乾インキの使用量は、第1条件における速乾インキの使用量に比して、半減することができる。
<作用、効果>
以上の構成においても、印刷後の印刷用紙の表面にUVニスを転写しなくとも、印刷面に転写された速乾インキ3の表面を整面ロール125により押圧し整面することにより、インキ層3b表面のレベリングが進んでインキ層3b表面の凹凸が抑えられる。このとき、整面ロール125のプレス圧を好適なものとすることで、印刷用紙の表面の平滑化を向上させることができる。また、速乾インキにコンパウンド剤を添加することで、印刷用紙の表面の平滑化をさらに向上させることができる。そして、整面工程S110の直前に加熱工程S100を行うことで、印刷用紙の表面の平滑化をさらに向上させることができる。
また、第6条件で印刷用紙を印刷することで、印刷用紙の表面の濃度を基準濃度と同程度とし、且つ印刷用紙の表面の光沢度を目標光沢度近くにすることができ、使用する速乾インキの使用量を低減することができる。なお、使用するインキの使用量を低減する場合であれば、速乾インキに限らず、他のインキであっても良い。
さらに、各種報知機器140,141,142,143,144を各部20,110,120に設けることで、オフセット印刷機100のオペレータに対し、各種報知事項に関する認識性を向上させることができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記の実施形態に対して種々変形を加えて実施することができる。
本発明の第1実施形態にかかるオフセット印刷機の構成を示す模式的な側面図である。 本発明の第1実施形態にかかるオフセット印刷の工程を(a)〜(c)の順に説明する模式的断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるオフセット印刷の手順(方法)を説明するフローチャートであり、(a)は第1実施形態の基本手順を示し、(b)は第1実施形態のニス工程付加の手順を示し、(c)は第1実施形態の第1変形例の手順を示し、(d)は第1実施形態の第2変形例の手順を示す。 本発明の第1実施形態にかかるオフセット印刷による効果を説明する模式的断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるオフセット印刷機の構成を示す模式的な側面図である。 本発明の第3実施形態にかかるオフセット印刷機の構成を示す模式的な側面図である。 本発明にかかるオフセット印刷に関する試験の概要を説明するブロック図である。 本発明にかかるオフセット印刷に関する各試験結果(光沢度)を(a)〜(d)にそれぞれ示すグラフである。 本発明にかかるオフセット印刷に関する各試験結果(光学濃度)を示すグラフである。 本発明にかかるオフセット印刷に関する試験結果を示す図面代用写真である。 本発明にかかるオフセット印刷に関する試験結果を示す図面代用写真である。 本発明の課題を説明する模式的断面図である。 本発明の課題に関連する説明する模式的断面図であって、(a)は印刷面の凹凸の激しい状態を示し、(b)は印刷面の凹凸のレベリング(平滑化)が進んだ状態を示す。 本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機の構成を示す模式的な側面図である。 本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機の整面ロールの断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機の整面処理を行う場合における一連の動作に関するフローチャートである。 本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機のニス塗布処理を行う場合における一連の動作に関するフローチャートである。 各種条件により変化する印刷用紙の光沢度および濃度を表したグラフである。 第1条件における印刷用紙の表面の図面代用写真である。 第3条件における印刷用紙の表面の図面代用写真である。 第5条件における印刷用紙の表面の図面代用写真である。
符号の説明
2 印刷基材
3,3a,3b,3b´ UVインキ(インキ層)
4,4a,4b, UVニス(ニス層)
10 給紙部
20 印刷部(印刷装置)
21,22,23,24 印刷ユニット
21a,22a,23a,24a,51 版胴
21b,22b,23b,24b,32,52 ブランケット胴
21c,22c,23c,24c,33,53 圧胴
25a〜25g 渡し胴
30 整面処理部(整面装置)
32,34a〜34d,35a〜35c 整面ロール(プレスロール)
32a ブランケット
32b アルミニウム製の基板(アルミ層)
32c シリコーン層
41,42,61 UV乾燥装置
50 ニス塗布部(ニス塗布装置)
40,60 乾燥部(乾燥装置)
61 UV乾燥装置
62 乾燥用ロール
70 排紙部
100 オフセット印刷機(第4実施形態)
110 加熱部
115 赤外線照射装置
120 ニス塗布部
121 版胴
122 ニス用ブランケット胴
125 整面ロール
130 シリンダ
131 プレス版
L 目標レベル

Claims (57)

  1. 版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面にインキを用いて印刷するオフセット印刷機であって、
    前記版胴及び前記ブランケット胴の下流に配置され、前記印刷面を押圧し前記印刷面に転写された前記インキの表面を整面する整面用ロールをそなえている
    ことを特徴とする、オフセット印刷機。
  2. 前記インキは、速乾インキである
    ことを特徴とする、請求項1記載のオフセット印刷機。
  3. 前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のオフセット印刷機。
  4. 前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2〜10%である
    ことを特徴とする、請求項3記載のオフセット印刷機。
  5. 前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知手段をそなえた
    ことを特徴とする、請求項3又は4記載のオフセット印刷機。
  6. 前記整面用ロールの下流に、前記印刷面の前記インキを乾燥させる乾燥装置が配設されている
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  7. 前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、
    前記乾燥装置は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させる紫外線照射装置である
    ことを特徴とする、請求項6記載のオフセット印刷機。
  8. 前記整面用ロールの上流に、前記印刷面の前記インキの温度を上昇させる加熱装置が配設されている
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  9. 前記加熱装置は赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させる赤外線照射装置である
    ことを特徴とする、請求項8記載のオフセット印刷機。
  10. 前記加熱装置が作動している旨報知する加熱報知手段をそなえた
    ことを特徴とする、請求項8又は9記載のオフセット印刷機。
  11. 前記整面用ロールの最外周に前記インキを弾く撥油性材料がコーティングされている
    ことを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  12. 前記整面用ロールの外周には、少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備されている
    ことを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  13. 前記整面用ロールの外周には、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備されている
    ことを特徴とする、請求項12記載のオフセット印刷機。
  14. 前記整面用ロールは、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、前記ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  15. 前記整面用ロールは、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  16. 前記整面用ロールは、前記印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接する
    ことを特徴とする、請求項1〜15の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  17. 前記整面用ロールには、圧胴が対向して配設されており、
    前記整面用ロールは、前記印刷基材の厚さから前記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で圧接する
    ことを特徴とする、請求項1〜15の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  18. 前記プレス距離は、0.17mm〜0.22mmである
    ことを特徴とする、請求項17記載のオフセット印刷機。
  19. 前記版胴及び前記ブランケット胴の下流で、且つ、前記整面用ロールの上流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されている
    ことを特徴とする、請求項1〜18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  20. 前記乾燥装置の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されている
    ことを特徴とする、請求項6〜18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  21. 前記ニス転写胴は、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴とからなり、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写する
    ことを特徴とする、請求項19又は20記載のオフセット印刷機。
  22. 前記版胴及び前記ブランケット胴の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設され、
    前記ニス転写胴は、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴を有し、前記ニス用ブランケット胴は、前記整面用ロールを兼ねている
    ことを特徴とする、請求項1〜18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  23. 前記整面用ロールは、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替えて構成される
    ことを特徴とする、請求項22記載のオフセット印刷機。
  24. 前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、前記プレス版に巻き替える旨報知する巻替報知手段をそなえた
    ことを特徴とする、請求項23記載のオフセット印刷機。
  25. 前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、
    前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知手段をそなえた
    ことを特徴とする、請求項19〜24の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  26. 前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知手段をそなえた
    ことを特徴とする、請求項1〜25の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  27. 前記印刷基材は、印刷用紙である
    ことを特徴とする、請求項1〜26の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  28. 前記印刷基材は、樹脂性シートである
    ことを特徴とする、請求項1〜26の何れか1項に記載のオフセット印刷機。
  29. 版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面にインキを用いて印刷するオフセット印刷方法であって、
    前記インキを前記印刷面に転写した印刷工程後に、整面用ロールを前記印刷面に押圧し前記印刷面に転写された前記インキの表面を整面する整面工程をそなえている
    ことを特徴とする、オフセット印刷方法。
  30. 前記印刷工程において用いられる前記インキは、速乾インキである
    ことを特徴とする、請求項29記載のオフセット印刷方法。
  31. 前記印刷工程において用いられる前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されている
    ことを特徴とする、請求項29又は30記載のオフセット印刷方法。
  32. 前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2〜10%である
    ことを特徴とする、請求項31記載のオフセット印刷方法。
  33. 前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知工程をそなえている
    ことを特徴とする、請求項31又は32記載のオフセット印刷方法。
  34. 前記整面工程の直後に、前記印刷面の前記インキを乾燥させる乾燥工程をそなえている
    ことを特徴とする、請求項29〜33の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  35. 前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、
    前記乾燥工程は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させる
    ことを特徴とする、請求項34記載のオフセット印刷方法。
  36. 前記整面工程の直前に、前記印刷面の前記インキの温度を上昇させる加熱工程をそなえている
    ことを特徴とする、請求項29〜35の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  37. 前記加熱工程は、赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させる
    ことを特徴とする、請求項36記載のオフセット印刷方法。
  38. 前記加熱工程を行っている旨報知する加熱報知工程をそなえている
    ことを特徴とする、請求項36又は37記載のオフセット印刷方法。
  39. 前記整面工程では、最外周に前記インキを弾く撥油性材料がコーティングされた前記整面用ロールを用いる
    ことを特徴とする、請求項29〜38の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  40. 前記整面工程では、外周に少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備された前記整面用ロールを用いる
    ことを特徴とする、請求項29〜39の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  41. 前記整面工程では、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備された前記整面用ロールを用いる
    ことを特徴とする、請求項40に記載のオフセット印刷方法。
  42. 前記整面工程では、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、前記ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成された前記整面用ロールを用いる
    ことを特徴とする、請求項29〜41の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  43. 前記整面工程では、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成された前記整面用ロールを用いる
    ことを特徴とする、請求項29〜41の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  44. 前記整面工程では、前記整面用ロールを前記印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接させる
    ことを特徴とする、請求項29〜43の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  45. 前記整面工程では、前記整面用ロールに対し圧胴が対向して配設されており、前記整面用ロールを、前記印刷基材の厚さから前記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で圧接させる
    ことを特徴とする、請求項29〜43の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  46. 前記プレス距離は、0.17mm〜0.22mmである
    ことを特徴とする、請求項45記載のオフセット印刷方法。
  47. 前記印刷工程後で、且つ、前記整面工程の前に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられている
    ことを特徴とする、請求項29〜46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  48. 前記乾燥工程の後に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられている
    ことを特徴とする、請求項34〜46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  49. 前記ニス転写工程では、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴とを用いて、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写する
    ことを特徴とする、請求項47又は48記載のオフセット印刷方法。
  50. 前記印刷工程の後に、前記印刷面に前記ニスを転写するニス転写工程が設けられ、
    前記印刷工程後において、前記整面工程または前記ニス転写工程のいずれか一方を選択的に行う
    ことを特徴とする、請求項29〜46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  51. 前記ニス転写工程では、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴を用い、
    前記整面工程では、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットをプレス版に巻き替えた前記整面用ロールを用いる
    ことを特徴とする、請求項50記載のオフセット印刷方法。
  52. 前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、前記プレス版に巻き替える旨報知する巻替報知工程をそなえている
    ことを特徴とする、請求項51記載のオフセット印刷方法。
  53. 前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、
    前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知工程をそなえている
    ことを特徴とする、請求項47〜52の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  54. 前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知工程をそなえている
    ことを特徴とする、請求項29〜53の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  55. 前記印刷基材として印刷用紙を用いる
    ことを特徴とする、請求項29〜54の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  56. 前記印刷基材として樹脂性シートを用いる
    ことを特徴とする、請求項29〜54の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。
  57. 請求項29〜56の何れか1項に記載のオフセット印刷方法によって印刷されたことを
    特徴とする、印刷物。
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