JP2009274432A - オフセット印刷機及び方法並びに印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面に速乾インキを用いて印刷するオフセット印刷機であって、版胴及びブランケット胴の下流に、整面用ロールを配置して、印刷面を押圧し印刷面に転写された前記速乾インキの表面を整面する。
【選択図】図1
Description
また、光の乱反射が強まると、印刷されたインキの表面がぼやけたようになり光沢度が下がったように見え、艶が無くなってしまう。つまり、光沢性が低下してしまう。特に、高付加価値印刷として、インキを転写した後で、印刷面上にニスを塗って光沢を出す加工があるが、凹凸が激しいインキ膜3bの表面に、ニスを塗ると、鈍い光沢感になり、光沢性の向上が少なくなる。
もちろん、酸化重合型のインキの場合には、時間の経過と共に、図13(b)に示すように、インキ膜のレベリングが進んで、凹凸が緩やかに緩和されるので、インキ色の濃度の実質的な低下も少なく、ニスを塗った場合にも、外観される光沢性も確保される。
しかしながら、例えば、上記のインキ転写後に印刷面上にニスを塗って光沢を出す加工を行なう場合など、印刷装置の下流にニスを塗布する装置を装備し、印刷後連続的にニスを塗布するようにして生産性を高めることが行なわれる。このばあい、ニスを塗布する際にインキ膜の表面をある程度乾燥させておくことが必要になるので、速やかに乾燥するインキ(速乾性インキ)を用いて印刷を行なう必要がる。
この凹凸によって、インキ膜表面において光は乱反射するために、表面がぼやけたようになり光沢度が下がったように見え、艶が無くなってしまう。艶を出すにはできるだけ平滑であることが望ましい。
また、特許文献2の技術では、透明樹脂材を転写する際に、圧胴と版胴とのプレス圧を増大しているが、透明樹脂材の転写時に圧力を掛けても、上記のインキの分裂現象と同様に、透明樹脂材の分裂現象が発生する懸念がある。また、特許文献2には、転写後にもう一度ローラで圧力を掛けるとも有るが、ローラ表面の材料,粗さなどが特定されておらず、ただ圧力をかけるとインキが転移するだけで光沢度の向上には寄与しないことも考えられる。
さらに、前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されていることが好ましい(請求項3)。
また、前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2〜10%であることが好ましい(請求項4)。
そして、前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知手段をそなえたことが好ましい(請求項5)。
さらに、前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、前記乾燥装置は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させる紫外線照射装置であることが好ましい(請求項7)。
さらに、加熱装置は赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させる赤外線照射装置であることが好ましい(請求項9)。
そして、前記加熱装置が作動している旨報知する加熱報知手段をそなえたことが好ましい(請求項10)。
さらに、前記整面用ロールの外周には、少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備されていることが好ましい(請求項12)。
また、前記整面用ロールの外周には、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備されていることが好ましい(請求項13)。
また、前記整面用ロールは、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成されていることが好ましい(請求項15)。
前記整面用ロールは、前記印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接することが好ましい(請求項16)。
さらに、前記プレス距離は、0.17mm〜0.22mmであることが好ましい(請求項18)。
あるいは、前記乾燥装置の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されていることが好ましい(請求項20)。
さらに、前記整面用ロールは、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替えて構成されることが好ましい(請求項23)。
さらに、前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知手段をそなえたことが好ましい(請求項25)。
そして、前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知手段をそなえたことが好ましい(請求項26)。
さらに、前記印刷工程において用いられる前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されていることが好ましい(請求項31)。
また、前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2〜10%であることが好ましい(請求項32)。
そして、前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知工程をそなえていることが好ましい(請求項33)。
さらに、前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、前記乾燥工程は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させることが好ましい(請求項35)。
さらに、前記加熱工程は、赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させることが好ましい(請求項37)。
そして、前記加熱工程を行っている旨報知する加熱報知工程をそなえていることが好ましい(請求項38)。
また、前記整面工程では、外周に少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備された前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項40)。
また、前記整面工程では、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備された前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項41)。
さらに、前記整面工程では、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成された前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項43)。
さらに、前記整面工程では、前記整面用ロールを前記印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接させることが好ましい(請求項44)。
さらに、前記プレス距離は、0.17mm〜0.22mmであることが好ましい(請求項46)。
あるいは、前記乾燥工程の後に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられていることが好ましい(請求項48)。
前記ニス転写工程では、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴とを用いて、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写することが好ましい(請求項49)。
さらに、前記ニス転写工程では、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴を用い、前記整面工程では、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットをプレス版に巻き替えた前記整面用ロールを用いることが好ましい(請求項51)。
さらに、前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知工程をそなえていることが好ましい(請求項53)。
そして、前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知工程をそなえていることが好ましい(請求項54)。
また、本発明の印刷物は、請求項29〜56の何れか1項に記載のオフセット印刷方法によって印刷されたことを特徴としている(請求項57)。
このとき、加熱装置として、赤外線照射装置を用いることで、インキの温度を好適に上昇させることができる(請求項9,37)。
また、オフセット印刷機のオペレータに、加熱装置が作動している旨報知することができる(請求項10,38)。
また、整面用ロールの外周に、弾性体で形成された弾性層と、その外側に配置された高剛性層とを装備すれば、整面用ロールの印刷面へのプレス圧及びプレス幅を適切なものにしやすく、インキ層や印刷基材を過剰に圧することなく表面の凹凸を軽減することができる(請求項13,41)。
また、整面用ロールを、外周にプレス版を装備したプレス胴から構成しても、整面用ロールの印刷面へのプレス圧及びプレス幅を適切なものとすることができる(請求項15,43)。
また、プレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で、整面用ロールを印刷面に圧接するようにすれば、インキ層や印刷基材を過剰に圧することなく表面のインキ層の凹凸を軽減することができる(請求項17,45)。
なお、プレス距離は、0.17mm〜0.22mmとなることが、好ましい(請求項18,46)。
さらに、ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替えて整面用ロールとすることができる。このため、整面処理を行う場合には、整面用ロールとする一方、ニス転写処理を行う場合には、ニス用ブランケット胴とすることで、印刷面に各種処理を好適に行うことができる(請求項23,51)。
また、オフセット印刷機のオペレータに、ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替える旨報知することができる(請求項24,52)。
さらに、オフセット印刷機のオペレータに、整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知することができる(請求項26,54)。
[第1実施形態]
図1〜図4は本発明の第1実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法を説明するものである。
まず、本実施形態に係るオフセット印刷機について説明する。
図1に示すように、この印刷機は、印刷基材としての印刷用紙を供給する給紙部10と、印刷用紙の表面に有色通常のUVインキによりオフセット印刷をする印刷部(印刷装置)20と、整面ロール(プレスローラ)32により印刷された印刷用紙の印刷面のインキ層表面を押圧して整面する整面処理部(整面装置)30と、UVインキを乾燥させる第1乾燥部(乾燥装置1)40と、印刷用紙の表面にUVニス(透明の紫外線硬化型のOPニス、UVOPニス)を塗布するニス塗布部(ニス塗布装置)50と、印刷用紙の表面に塗布されたUVニスを乾燥させる第2乾燥部(乾燥装置2)60と、排紙部70と、を印刷用紙の走行する方向に順に備えて構成される。図1中、二点鎖線で示す部分は、省略可能或いは追加可能な部材を示す。
また、ここでは、印刷部20は、c(シアン,藍色),m(マゼンタ,深紅色),y(イエロー,黄色),k(ブラック,黒)の4色のプロセスインキをそれぞれ用いる印刷ユニット21,22,23,24を備えてカラー印刷を行なえるように構成されている。
また、印刷部20で使用されるインキは、有色不透明のUVインキ(紫外線硬化型インキ)であるが、本発明としてはUVインキのみを対象とせず、速やかに硬化する速乾性インキについて広く適用対象とする。
なお、この整面ロール32の構成は、最外周にインキを弾くシリコーン層32c等の撥油性材料の層がコーティングされていること、及び、整面用ロール33の外周には、ブランケット32aのように弾性体で形成された弾性層と、この弾性層の外側に配置されて弾性層よりも高剛性材料で形成されたアルミ層32bのような高剛性層とが装備されていることが好ましく、撥油性材料はシリコーンに限定されず、弾性体もブランケット32aに限定されず、高剛性材料もアルミニウムに限定されない。
ニス塗布部50では、印刷部20の各印刷ユニット21〜24に用いる版胴21a〜24a,ブランケット胴21b〜24b及び圧胴21c〜24cと同様な版胴51,ニス用ブランケット胴52及び圧胴53を用いて、渡し胴25fを通じて送られた印刷用紙の印刷面にUVニスを塗布する。ここでは、版胴21a〜24aと同様に、版胴51には刷版が装備され、印刷面に刷版の絵柄に応じてUVニスを塗布する。
次に、第2乾燥部60は、塗布された印刷用紙の表面のUVニスに紫外線を照射することにより非接触でUVニスの乾燥を行なうUV乾燥装置61をそなえている。
なお、UVインキやUVニスを用いずに、他の速乾性インキを用いる場合は、乾燥部40のUV乾燥装置42や乾燥部60のUV乾燥装置61に替えて、熱風又は温風を印刷用紙の表面の透明樹脂に噴きつけることにより非接触で透明樹脂の乾燥を行なう熱風(又は温風)乾燥装置を用いたり、例えば乾燥部60の場合、圧胴33,53や乾燥用ロール62の周面に熱を供給して印刷用紙の裏面を加熱することにより透明樹脂を加熱乾燥する加熱乾燥装置を用いたりしてもよい。あるいは、UV乾燥装置42,61を含めて、これらの何れか又は全てを組み合わせて用いても良い。
なお、例えば印刷機を高速運転する場合、乾燥部60での乾燥処理では透明樹脂の乾燥が十分でない場合には、排紙胴の下流の搬送チェーンに沿った印刷用シートの搬送ルートに、印刷用シートの印刷面を乾燥させる乾燥装置としてUVランプ(紫外線ランプ)等の乾燥装置を装備し、高速運転でも鏡面印刷用インキが速やかに乾燥するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、ニス塗布部50を設けているが、このニス塗布部50は必須ではなく、省略してもよい。ニス塗布部50を省略する場合、版胴51,ニス用ブランケット胴52及び圧胴53と共に渡し胴25fも省略することになり、整面処理部30の圧胴33を乾燥部60の渡し胴25gに隣接されることになり、UVインキはこの乾燥部60により乾燥させることができるため、乾燥部40も省略することができる。
本発明の第1実施形態にかかるオフセット印刷機は上述のように構成されているので、以下のような手法(本実施形態にかかるオフセット印刷方法)で、印刷物を製造することができる。
また、整面用ロール32の外周に、ブランケット32aで形成された弾性層と、その外側にアルミ層32bで形成された高剛性層とが装備されているので、整面用ロール32の印刷面へのニップ圧及びニップ幅を、例えばニップ幅10mm程度、換算すると10kgf/cm2程度を中心とした、好適なニップ圧範囲5〜20kgf/cm2を与えることができ、インキ層や印刷用紙を過剰に圧することなく表面の凹凸を軽減することができる。
また、乾燥部40及びニス塗布部50を設置した場合を説明すると、図3(b)に示すように、上記と同様に、印刷部20の各印刷ユニット21,22,23,24でc,m,y,kの4色のプロセスインキ(UVインキ)を用いて通常のカラー印刷を行なう(ステップS10,印刷工程)。次に、印刷用紙を整面処理部30に移送し、整面ロール32により印刷された印刷用紙の印刷面のインキ層表面を押圧して整面する(ステップS20,整面工程)。
そして、インキを乾燥された印刷用紙を、ニス塗布部50に移送し、図2(c)に示すように、無色透明のUVニス4を塗布する(ステップS40,ニス塗布工程)。ここでは、版胴51に装着された刷版(ニス版)の絵柄に応じて印刷用紙にUVニス4bが塗布される。
なお、図1には示さないが、ニス塗布部50と乾燥部60との間にも、整面処理部30と同様の整面処理を設け、ニス塗布工程(ステップS40)と乾燥工程2(ステップS50)との間に、第2の整面工程(ステップS42,整面工程2)を設けてもよい。この場合は、ステップS20は第1の整面工程(整面工程1)となる。
このように、本実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法並びに印刷物によれば、印刷面に転写されたUVインキ3の表面を整面用ロール32により押圧し整面するので、インキ層3b表面のレベリングが進んでインキ層3b表面の凹凸が抑えられて、光学濃度の低下や光沢性の低下を抑制することができる。
しかも、かかる整面後に、速乾インキを乾燥処理するので、インキ層3b表面の凹凸を軽減しつつインキの乾燥を速めることができる。
また、インキ層3b表面のレベリングが進むことは、インキ層3bを均一に乾燥しやすくなるので、乾燥処理の効果も高くなって、乾燥処理時間も短縮することが可能になる。これにより、印刷速度の高速化や、乾燥区間の短縮化、即ち、装置の小型化や、さらに、乾燥装置の低容量化にも寄与しうる。
さらに、ニス転写胴を、外周に刷版を装備された版胴51と、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴52とから構成し、ニス版のニス転写絵柄に対応して印刷面に部分的にニスを転写することができるので、光沢性の高い箇所と光沢性の低い箇所とを形成することができ、例えば、文字部分は光沢性を抑えて文字の視認性を確保し、絵柄部分は光沢性を高めてより美観の高いものにするなどでき、商品価値を高めることができる。
さらに、ニス転写の後のニスを乾燥処理する前に、ニス表面に第2の整面工程(ステップS42)を実施することにより、ニスの表面のレベリングも進み、ニスの表面の光沢性も向上することになり、印刷物の光沢性の向上効果を促進できる。また、光学濃度の向上にも寄与し得る。
なお、本実施形態では、ニス塗布部50を整面処理部30の下流に設けている(つまり、整面工程の次にニス転写工程を備えている)が、ニス塗布部50を整面処理部30の上流に設け、図3(c)に示すように、図3(b)において、整面工程1(ステップS20)を省略し、印刷工程(ステップS10),乾燥工程1(ステップS30),ニス塗布工程(ステップS40),整面工程(ステップS42),乾燥工程2(ステップS50)の順で処理し、インキの上に載ったニスの表面のみを整面処理するようにしてもよい。
また、この場合には、図1中に鎖線で示すように、印刷部20の直下流にUV乾燥装置41等の乾燥装置を設けて、あえてインキ層表面のレベリング処理は行なわず、その後のニスの表面についてのみ整面処理でレベリング処理を行なうようにしてもよい。
さらに、図3(b)において、ニス転写工程と印刷工程とを逆の順序で行なうことも考えられる。つまり、図3(d)に示すように、ニス塗布工程(ステップA10),第1の整面工程(ステップA20,整面工程1),第1の乾燥工程(ステップA30,乾燥工程1),印刷工程(ステップA40),第2の整面工程(ステップA42,整面工程2),第2の乾燥工程(ステップA50,乾燥工程2)の順で処理するようにしてもよい。
この場合、第2の整面工程(ステップA42,整面工程2)を省略すれば、インキの載った部分(印刷部分)はレベリングが進まないまま乾燥するため光沢性は低いが、インキの載らない地の部分はニスのレベリングが進んでから乾燥するため光沢性が高まり、やはり、特有の外観が現出し、印刷物の商品性を高めることができる。
図5は本発明の第2実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法を説明するものである。図5において、図1と同符号は同様のものを示し、これらについては説明を省略する。図5中、二点鎖線で示す部分は省略可能或いは追加可能な部材を示す。
かかる構成でも、第1実施形態と同様の効果を得られる上に、各インキ毎に整面されるので、より整面効果を期待できる。
図6は本発明の第3実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法を説明するものである。図6において、図1と同符号は同様のものを示し、これらについては説明を省略する。図6中、二点鎖線で示す部分は省略可能或いは追加可能な部材を示す。
整面用ロール35a〜35cは、印刷面の裏側から印刷基材を押圧するので、本実施形態では、印刷面の表側に接する渡し胴25b〜25d自体も整面用ロールとして機能する。そこで、渡し胴25b〜25dは、整面用ロール33と同様の表面構造、つまり、外周には、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備され、最外周にインキを弾く撥油性材料がコーティングされている。
かかる構成でも、第1実施形態と同様の効果を得られる上に、各インキ毎に整面されるので、より整面効果を期待できる。
かかる本発明に関し、図7に示すような処理を行ない、光沢度及び光学濃度を測定した。
つまり、UVインキ,UVニスを用いて、印刷面にUVインキ,UVニスを塗布した後、プレスありサンプルでは、本発明の水なし版を用いた押圧による整面処理(プレス)をした後でUV硬化させ、プレスなしサンプルでは、本発明の水なし版を用いた押圧による整面処理(プレス)を行なうことなくUV硬化させた。
印刷基材を種々用いて、光沢度及び光学濃度を測定した結果は、図8,図9に示すようになった。
図9は、PETに墨で印刷した場合を示すが、図9に示すように、プレスによって光学濃度が大きくなることが確認できた。
また、図10(a)はプレスなしのベタ部表面写真であり、表面粗さ:1.20μmとなっている。図10(b)はプレスありのベタ部表面写真であり、表面粗さ:0.85μmとなっている。プレスありの整面効果が明確に現れている。
次に、図14ないし図19を参照して、本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機及びオフセット印刷方法について説明する。図14は、本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機の構成を示す模式的な側面図であり、図15は、本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機の整面ロールの断面図である。また、図16は、整面処理を行う場合におけるオフセット印刷機の一連の動作に関するフローチャートであり、図17は、ニス塗布処理を行う場合におけるオフセット印刷機の一連の動作に関するフローチャートである。さらに、図18は、各種条件により変化する印刷用紙の光沢度および濃度を表したグラフである。そして、図19は、第1条件における印刷用紙の表面の図面代用写真であり、図20は、第3条件における印刷用紙の表面の図面代用写真であり、図21は、第5条件における印刷用紙の表面の図面代用写真である。なお、図14において、図1と同符号は同様のものを示し、これらについては説明を省略する。第4実施形態のオフセット印刷機100は、そのニス塗布部120が、整面処理部としての機能を有している。つまり、ニス塗布部120は、整面処理部の機能を兼ねている。また、ニス塗布部120において、整面処理を行う場合、整面処理前に、加熱部110により加熱処理を行っている。以下、第4実施形態のオフセット印刷機100の構成について具体的に説明する。
図14に示すように、このオフセット印刷機100は、給紙部10と、印刷部20と、加熱部110と、ニス塗布部120と、第2乾燥部60と、排紙部70と、を印刷用紙の走行する方向に順に備えて構成されている。なお、給紙部10、印刷部20、第2乾燥部60および排紙部70の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本発明の第4実施形態にかかるオフセット印刷機100は、上述のように構成されているため、図16および図17に示すようなオフセット印刷方法で、印刷物が製造される。以下の説明では、先ず、図16を参照して、ニス塗布部120が整面処理を行う場合におけるオフセット印刷方法について説明する。なお、この場合も、第1実施形態と重複する部分を省略して説明する。
以上の構成においても、印刷後の印刷用紙の表面にUVニスを転写しなくとも、印刷面に転写された速乾インキ3の表面を整面ロール125により押圧し整面することにより、インキ層3b表面のレベリングが進んでインキ層3b表面の凹凸が抑えられる。このとき、整面ロール125のプレス圧を好適なものとすることで、印刷用紙の表面の平滑化を向上させることができる。また、速乾インキにコンパウンド剤を添加することで、印刷用紙の表面の平滑化をさらに向上させることができる。そして、整面工程S110の直前に加熱工程S100を行うことで、印刷用紙の表面の平滑化をさらに向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記の実施形態に対して種々変形を加えて実施することができる。
3,3a,3b,3b´ UVインキ(インキ層)
4,4a,4b, UVニス(ニス層)
10 給紙部
20 印刷部(印刷装置)
21,22,23,24 印刷ユニット
21a,22a,23a,24a,51 版胴
21b,22b,23b,24b,32,52 ブランケット胴
21c,22c,23c,24c,33,53 圧胴
25a〜25g 渡し胴
30 整面処理部(整面装置)
32,34a〜34d,35a〜35c 整面ロール(プレスロール)
32a ブランケット
32b アルミニウム製の基板(アルミ層)
32c シリコーン層
41,42,61 UV乾燥装置
50 ニス塗布部(ニス塗布装置)
40,60 乾燥部(乾燥装置)
61 UV乾燥装置
62 乾燥用ロール
70 排紙部
100 オフセット印刷機(第4実施形態)
110 加熱部
115 赤外線照射装置
120 ニス塗布部
121 版胴
122 ニス用ブランケット胴
125 整面ロール
130 シリンダ
131 プレス版
L 目標レベル
Claims (57)
- 版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面にインキを用いて印刷するオフセット印刷機であって、
前記版胴及び前記ブランケット胴の下流に配置され、前記印刷面を押圧し前記印刷面に転写された前記インキの表面を整面する整面用ロールをそなえている
ことを特徴とする、オフセット印刷機。 - 前記インキは、速乾インキである
ことを特徴とする、請求項1記載のオフセット印刷機。 - 前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のオフセット印刷機。 - 前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2〜10%である
ことを特徴とする、請求項3記載のオフセット印刷機。 - 前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項3又は4記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールの下流に、前記印刷面の前記インキを乾燥させる乾燥装置が配設されている
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、
前記乾燥装置は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させる紫外線照射装置である
ことを特徴とする、請求項6記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールの上流に、前記印刷面の前記インキの温度を上昇させる加熱装置が配設されている
ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記加熱装置は赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させる赤外線照射装置である
ことを特徴とする、請求項8記載のオフセット印刷機。 - 前記加熱装置が作動している旨報知する加熱報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項8又は9記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールの最外周に前記インキを弾く撥油性材料がコーティングされている
ことを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールの外周には、少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備されている
ことを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールの外周には、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備されている
ことを特徴とする、請求項12記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールは、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、前記ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成されている
ことを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールは、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成されている
ことを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールは、前記印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接する
ことを特徴とする、請求項1〜15の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールには、圧胴が対向して配設されており、
前記整面用ロールは、前記印刷基材の厚さから前記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で圧接する
ことを特徴とする、請求項1〜15の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記プレス距離は、0.17mm〜0.22mmである
ことを特徴とする、請求項17記載のオフセット印刷機。 - 前記版胴及び前記ブランケット胴の下流で、且つ、前記整面用ロールの上流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されている
ことを特徴とする、請求項1〜18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記乾燥装置の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設されている
ことを特徴とする、請求項6〜18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記ニス転写胴は、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴とからなり、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写する
ことを特徴とする、請求項19又は20記載のオフセット印刷機。 - 前記版胴及び前記ブランケット胴の下流に、前記印刷面にニスを転写するニス転写胴が配設され、
前記ニス転写胴は、外周にブランケットを装備されたニス用ブランケット胴を有し、前記ニス用ブランケット胴は、前記整面用ロールを兼ねている
ことを特徴とする、請求項1〜18の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールは、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、プレス版に巻き替えて構成される
ことを特徴とする、請求項22記載のオフセット印刷機。 - 前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、前記プレス版に巻き替える旨報知する巻替報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項23記載のオフセット印刷機。 - 前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、
前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項19〜24の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知手段をそなえた
ことを特徴とする、請求項1〜25の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記印刷基材は、印刷用紙である
ことを特徴とする、請求項1〜26の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 前記印刷基材は、樹脂性シートである
ことを特徴とする、請求項1〜26の何れか1項に記載のオフセット印刷機。 - 版胴外周に装備された刷版及びブランケット胴外周に装備されたブランケットを介して、走行する印刷基材の印刷面にインキを用いて印刷するオフセット印刷方法であって、
前記インキを前記印刷面に転写した印刷工程後に、整面用ロールを前記印刷面に押圧し前記印刷面に転写された前記インキの表面を整面する整面工程をそなえている
ことを特徴とする、オフセット印刷方法。 - 前記印刷工程において用いられる前記インキは、速乾インキである
ことを特徴とする、請求項29記載のオフセット印刷方法。 - 前記印刷工程において用いられる前記インキには、前記インキの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加されている
ことを特徴とする、請求項29又は30記載のオフセット印刷方法。 - 前記コンパウンド剤添加後の前記インキに含有される前記コンパウンド剤の含有量は、2〜10%である
ことを特徴とする、請求項31記載のオフセット印刷方法。 - 前記インキに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第1添加報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項31又は32記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程の直後に、前記印刷面の前記インキを乾燥させる乾燥工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項29〜33の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記インキは、紫外線を受けると硬化する紫外線硬化型インキであって、
前記乾燥工程は紫外線を照射することにより前記紫外線硬化型インキを硬化させる
ことを特徴とする、請求項34記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程の直前に、前記印刷面の前記インキの温度を上昇させる加熱工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項29〜35の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記加熱工程は、赤外線を照射することにより前記インキの温度を上昇させる
ことを特徴とする、請求項36記載のオフセット印刷方法。 - 前記加熱工程を行っている旨報知する加熱報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項36又は37記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程では、最外周に前記インキを弾く撥油性材料がコーティングされた前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項29〜38の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程では、外周に少なくとも高剛性材料で形成された高剛性層が装備された前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項29〜39の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程では、弾性体で形成された弾性層と、前記弾性層の外側に配置され前記弾性層よりも高剛性材料で形成された高剛性層とが装備された前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項40に記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程では、外周にブランケットを装備したブランケット胴と、前記ブランケットの外周に装着された水なし平版とから構成された前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項29〜41の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程では、外周にプレス版を装備したプレス胴で構成された前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項29〜41の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程では、前記整面用ロールを前記印刷面に5〜20kgf/cm2のプレス圧で圧接させる
ことを特徴とする、請求項29〜43の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面工程では、前記整面用ロールに対し圧胴が対向して配設されており、前記整面用ロールを、前記印刷基材の厚さから前記整面用ロールおよび前記圧胴の間隙を引いたプレス距離が0.1mm〜0.3mmとなるようなプレス圧で圧接させる
ことを特徴とする、請求項29〜43の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記プレス距離は、0.17mm〜0.22mmである
ことを特徴とする、請求項45記載のオフセット印刷方法。 - 前記印刷工程後で、且つ、前記整面工程の前に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられている
ことを特徴とする、請求項29〜46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記乾燥工程の後に、前記印刷面にニスを転写するニス転写工程が設けられている
ことを特徴とする、請求項34〜46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記ニス転写工程では、外周に刷版を装備された版胴と、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴とを用いて、前記刷版のニス転写絵柄に対応して前記印刷面に部分的にニスを転写する
ことを特徴とする、請求項47又は48記載のオフセット印刷方法。 - 前記印刷工程の後に、前記印刷面に前記ニスを転写するニス転写工程が設けられ、
前記印刷工程後において、前記整面工程または前記ニス転写工程のいずれか一方を選択的に行う
ことを特徴とする、請求項29〜46の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記ニス転写工程では、外周にブランケットが装備されたニス用ブランケット胴を用い、
前記整面工程では、前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットをプレス版に巻き替えた前記整面用ロールを用いる
ことを特徴とする、請求項50記載のオフセット印刷方法。 - 前記ニス用ブランケット胴の外周に装備されたブランケットを、前記プレス版に巻き替える旨報知する巻替報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項51記載のオフセット印刷方法。 - 前記ニスには、前記ニスの粘性を調整可能なコンパウンド剤が添加され、
前記ニスに前記コンパウンド剤を添加した旨報知する第2添加報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項47〜52の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記整面用ロールのプレス圧を変更する旨報知するプレス圧変更報知工程をそなえている
ことを特徴とする、請求項29〜53の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記印刷基材として印刷用紙を用いる
ことを特徴とする、請求項29〜54の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 前記印刷基材として樹脂性シートを用いる
ことを特徴とする、請求項29〜54の何れか1項に記載のオフセット印刷方法。 - 請求項29〜56の何れか1項に記載のオフセット印刷方法によって印刷されたことを
特徴とする、印刷物。
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