JP2009272086A - 銅箔及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池用集電銅箔及びその製造方法 - Google Patents

銅箔及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池用集電銅箔及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活物質との密着性に優れた粗化表面を有する高強度の銅箔及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池用集電銅箔及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔を用いた銅箔であって、前記銅合金箔の表面部にCrからなる微粒子層を有し、前記微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅箔及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池用集電銅箔及びその製造方法に関し、特に、密着性に優れた粗化表面を有する高強度の銅箔及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池用集電銅箔及びその製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、現在モバイル機器用をはじめとして広く普及している。リチウムイオン二次電池の負極としては、銅箔または銅合金箔(以下、本明細書で「銅箔」と表記した場合は「銅合金箔」を含むものとする)からなる負極集電体の上にカーボンやグラファイトを活物質として形成したものである。
このリチウムイオン二次電池用負極材は、一般的に、圧延銅箔または電解銅箔上にカーボン材料あるいはグラファイト材料(以下、「炭素材料」という)をバインダーと溶剤でスラリー化したものを塗布、乾燥し、熱ロールプレスを施して作製される。炭素材料ではカーボンとリチウムの化合物であるLiCが生成され、リチウムイオンを吸蔵・脱離することができる。このとき、LiCの単位重さ当たりの理論放電容量(最大容量)は372mAh/gと言われている。炭素材料では、この値を超えて容量の増大を図ることができないため、最近ではさらに放電容量の大きいSnを主体とした活物質(Li4.4
nで約1000mAh/g)、Siを主体とした活物質(Li4.4Siで約4000m
Ah/g)などの実用化検討が盛んに行われている。
炭素材料はほぼ理論容量に近いところまで電池の開発が進んでおり、今後、放電容量の大幅な向上は困難である。このため、上述したようにSnやSiを電気めっきやスパッタリングで形成する材料の開発が行われている。しかしながら、これらの材料はリチウムイオンを吸蔵したときの体積膨張が極めて大きいという欠点がある。具体的には、炭素材料の場合が1.5倍程度の体積膨張であるのに対し、Snは約3.5倍、Siでは約4倍もの体積膨張となる。この大きな体積変化のため、充放電サイクルに伴い集電体である銅箔から活物質が剥離、脱落し、電池特性が急激に低下してしまうという問題が生じ、これが実用化にあたっての最大の障害となっている。
そこで、SnやSiを含む材料をあらかじめ微粉化しておき、これを炭素材料と導電助剤に混合したものを集電体に塗布することにより、リチウムとの反応による体積膨張を軽減してサイクル特性を向上しようとする試みもなされている。たとえば、特許文献1には炭素材料中にSn含有物の粒子を、特許文献2には炭素材料中にSiOを、分散して負極活物質とする例が開示されている。また、SnやSiを合金化する方法も検討されている。
また、集電体と活物質薄膜との密着性を高めるために、集電体である銅合金銅箔の表面にやけめっきを施して粗面化した後、被せめっきを行って、銅合金銅箔の表面を粗面化する手法も提案されている(特許文献3)。
特開2007−149604号公報 特開2004−119176号公報 特開2003−7305号公報
上述したように放電容量の大幅な向上を図るべく、炭素材料中にSnやSiを分散させたり、SnやSiを合金化したりしても、体積膨張は改善はされるものの、集電銅箔から活物質の剥離は避けられない。特に、炭素材料の割合を低減して高容量化した場合、体積変化の増大が避けられず、充放電中に活物質と集電銅箔の剥離がより発生しやすくなる。
本発明は、上記課題を解決し、密着性に優れた粗化表面を有する高強度の銅箔及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池用集電銅箔及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様は、Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.
1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔を用いた銅箔であって、前記銅合金箔の表面部に
Crからなる微粒子層を有し、前記微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を有することを特徴とする銅箔である。
本発明の第2の態様は、第1の態様の銅箔において、前記銅合金箔の最大引張り強度(N/mm)と厚み(μm)との積が、4000N/mm・μm以上あることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様の銅箔を製造する方法であって、Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔表面を、電解エッチングしてCrからなる微粒子層を形成し、前記Crからなる微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を形成することを特徴とする銅箔の製造方法である。
本発明の第4の態様は、Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.
1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔
であって、前記銅合金箔の表面部にCrからなる微粒子層を有し、前記微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用集電銅箔である。
本発明の第5の態様は、第4の態様のリチウムイオン二次電池用集電銅箔において、前記銅合金箔の最大引張り強度(N/mm)と厚み(μm)との積が、4000N/mm・μm以上あることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第4または第5の態様のリチウムイオン二次電池用集電銅箔を製造する方法であって、Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1
〜0.5質量%を含有させた銅合金箔表面を、電解エッチングしてCrからなる微粒子層
を形成し、前記Crからなる微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を形成することを特徴とするリチウムイオン二次電池用集電銅箔の製造方法である。
本発明によれば、密着性に優れた粗化表面を有する高強度の銅箔が得られる。しかも、簡単に製造でき、低コストで提供できる。高強度の銅箔表面に密着性に優れた粗化表面を有するため、例えば、カーボン系の活物質に比べて放電容量は大きいものの体積変化が極めて大きいSnやSiを含む活物質を用いても、集電体である銅箔から負極活物質が剥離、脱落することなく、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔を提
供できる。
以下に、リチウムイオン二次電池用集電銅箔に好適な本発明の実施形態に係る銅箔及びその製造方法の実施形態を説明する。
本発明者は、活物質と集電銅箔の剥離の原因について鋭意研究した結果、主原因が、集電銅箔の強度不足と、集電銅箔と活物質の密着強度不足とにあることを見出し、Cr、Sn、Znを含有する高強度の銅箔を用い、且つその表面を所定の表面粗さの均一な銅めっき粗面とした集電銅箔とすることで改善されることが判明した。
即ち、本実施形態の銅箔は、Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔を用いた銅箔であって、前記銅合金箔の表面部にCrからなる微粒子層を有し、前記微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を有するものである。この理由を次に述べる。
通常の銅箔(電解銅箔やタフピッチ銅箔)を使用した場合、充電時に活物質が体積膨張すると集電銅箔も追従して伸び、集電銅箔が弾性変形範囲を超えて塑性変形して、放電で活物質の体積が減少しても集電銅箔は伸びたままとなってしまう。これによって活物質の剥離が起こり、充放電を繰り返すことで活物質の剥離・脱落がより顕著になる。
集電銅箔が高強度銅箔の場合、活物質の体積膨張により生じる応力よりも、集電銅箔の耐力が勝るので、集電銅箔の伸びは弾性変形内に留まる。充放電による活物質の体積変化に応じて集電銅箔が伸び縮みするが、高強度の集電銅箔の場合、充電時にLiイオンは集電銅箔近傍までは進入できず、集電銅箔近傍の体積膨張が小さく抑えられると考えられる。
また、集電銅箔の強度の増大は、集電銅箔を厚くするによっても得られる。しかし、集電銅箔を厚くすると、集電銅箔の占める体積割合が増加することで活物質の占める割合が減ってしまい、高容量化の妨げとなるので望ましくない。従って、集電銅箔を厚くせずに、集電銅箔自体の強度を高めるのが好ましい。
本実施形態では、Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含有させた高強度の銅合金箔(圧延銅箔)を用いることとした。
前述した充放電時に銅箔が塑性変形するかどうかは、銅箔の最大引張り強度と銅箔の厚みの積で実用的に規定できる。充放電時の活物質の膨張・収縮の程度にも依存するが、SnあるいはSiを主体とした活物質の場合、鋭意研究の結果、銅めっき前の銅箔の最大引張り強度[N/mm]と銅箔の厚み[μm]の積が4000N/mm・μm以上であれば、塑性変形を防げることが判った。
しかし、単に、高強度の圧延銅箔に、通常のめっき前処理(脱脂、酸洗)をしたのち銅めっきを施しても、均一な粗化形状が得られない場合がある。そのため活物質との密着力が不均一になり、活物質の剥離・脱落が起こり充放電サイクル特性が低下する原因となる。
そこで、種々検討した結果、添加元素として、Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜
0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含む高強度銅箔の表面を電解エッチングして、
表面にCrの微粒子層を形成させた後、銅めっきで粗面化処理することで、均一な粗面化処理が可能となり、集電銅箔と活物質の密着性を向上できることが明らかになった。
Cr、Sn、Znを含有する高強度の銅合金銅箔を電解エッチングすると、Cuマトリクスが選択的に溶解され、銅合金の表面に添加元素の析出物であるCrからなる微粒子層が形成される。このCrからなる微粒子層を形成した後、電気銅めっき(粗化銅めっき)を施すことで、電気銅めっき表面がCr微粒子を核として粗面化する。
粗面化処理の効果は、集電銅箔表面の粗面(凹凸面)が活物質層へ食い込み、アンカー効果が発揮されるためと考えられる。
一般に、圧延銅箔に粗化銅めっきを施すと、めっき欠陥部が発生することがあり、これが原因となって、前述したようなアンカー効果が得られず活物質層との密着性が低下する。
粗化銅めっきの下地に、Crからなる微粒子層が存在すると、この微粒子を核として銅めっきされるため、めっき欠陥のない粗化銅めっき層を得ることができる。
このCrからなる微粒子は、必ずしも層を形成している必要はなく、銅箔表面に存在しさえすればよい。銅箔を電解エッチングしている間にCrからなる微粒子が不可避的に脱落したり、超音波負荷などで意図的に除去したりして、その一部が消失しても、前述の粗化銅めっきのめっき欠陥を防止する効果がある。
なお、Crからなる微粒子の存在の有無は、粗化銅めっき後の銅箔、あるいは活物質層形成後の負極、あるいは電池から取り出した負極について、FIB(Focused Ion Beam、集束イオンビーム)やイオンミリングやミクロトームで断面を加工形成した後、素地銅箔と銅粗化めっき層の界面をSEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)観察したり、EDX分析(Energy Dispersive X−ray Analysis 、エネルギー分散型X線分析)したりするによってCr粒子の存在を確認できる。
銅めっきの表面粗さは、Rzが1ミクロン以上5ミクロン未満が望ましい。1ミクロン未満では活物質に対するアンカー効果が弱く、十分な密着性が得られない。5ミクロン以上になると、粗化銅粒子そのもののが脱落しやすくなり、活物質との密着性を低下させる原因となる。
ここで、表面粗さRzは、十点平均粗さのことであり、十点平均粗さRzは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に規定されている。
次に、本発明の実施例を説明する。
[実施例1]
18μm厚さのCr、Sn、Zn含有の高強度銅箔(日立電線(株)製、HCL64T(商品名))を使用し、下記の表1の条件で「陰極電解脱脂」、「陽極電解酸洗」、「粗化銅めっき1」、「粗化銅めっき2」の工程を行ったのち、「NiSn合金めっき」で活物質層を形成した。使用したHCL64Tの合金組成は、Cr0.2質量%、Sn0.2質量%、Zn0.2質量%を有し残部がCuの銅合金である。
ここでは、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−3および比較例では、「陰極電解脱脂」、「粗化銅めっき1」、「粗化銅めっき2」、「NiSn合金めっき」の工程は、全て同一の条件で行い、電解エッチングである「陽極電解酸洗」の条件、特に陽極電解酸洗の時間などを変化させた。実施例1−1、実施例1−2および実施例1−3において、電解酸洗時の電流密度は全て20A/dmとし、実施例1−1では電解酸洗時間を5秒
、実施例1−2では30秒に長くしCrからなる微粒子層を多く形成した。実施例1−3では、実施例1−2と同様に30秒にしてCrからなる微粒子層を形成した後、超音波を負荷してCr微粒子の一部を除去した。ただし、除去後も実施例1−3の銅箔表面は薄茶色を呈しており、Crからなる微粒子が残っていることが確認できた。比較例では、電解せずに、実施例1−1〜実施例1−3で用いた組成と同一の硫酸液に30秒浸漬した。比較例では浸漬後も銅色を呈しており、Crからなる微粒子層は形成されなかったことが確
認できた。


図1は、上記の工程4の「粗化銅めっき2」後の表面SEM写真の代表例を示す。図1(a)に示す実施例1−1では、表面が均一に粗面化されているが、図1(b)に示す比較例では、Cuめっきされない円形の「めっき欠陥部」が多数(図中、白線の丸で囲む箇所内に)確認された。実施例1−2、1−3も実施例1−1と同様にめっき欠陥部は発生しなかった。
図2は、実施例1−1及び比較例における「粗化銅めっき2」後の試料断面のSEM写真であり、図3は、EDX分析結果である。図2(a)に示す実施例1−1では、工程3の粗化銅めっきと下地銅箔との界面A部にCrの存在が確認できた。一方、図2(b)に示す比較例では、工程3の粗化銅めっきと下地銅箔との界面B部にCrは確認されなかった。また、図3(a)に示す実施例1−1では、Crが確認されたが、図3(b)に示す比較例では、Crは確認されなかった。
なお、試料の断面形成には日立E−3500イオンミリング装置を用い、SEM観察には日立X−650、EDX分析にはKvex Delta Systemを使用した。
[実施例2]
[実施例1]で作成した試料を2cmの円形に打ち抜き、金属リチウムを対極とする試験セルを製作し、充放電特性の評価を行った。なお、測定セルは(株)宝泉製HSセル、測定装置は北斗電工(株)製HJ1001SM8A、セパレータにはセルガード(株)製#2400、電解液には富山薬品工業(株)製LIPASTER−EDMC/PF1(1mol/Lの
LiPFを溶解したエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶液(1:1
vol.))を用いた。充放電は0.01〜1V vs Li/Li+の範囲で0.25mA/cm
定電流密度で行った。
充放電試験の評価結果を表2に示す。20サイクル後の放電容量維持率は、実施例1−1〜1−3では75%以上であるのに対し、比較例では50%であった。これにより、陽極電解酸洗でCr微粒子層を形成した実施例1−1〜1−3では、充放電特性が改善されることが明らかになった。

[実施例3]
Cr、Sn、Zn含有の高強度銅箔(日立電線(株)製HCL64T箔)とTPC箔(タフピッチ銅箔)とを、厚さを変えたもの(8,12,18μm)をそれぞれ用意した。TPC箔に対して180℃で12時間加熱して、リチウムイオン二次電池製造工程で受ける熱処理を模擬した。熱処理後の最大引張り強度は150N/mmとなった。HCL6
4T箔は、この温度の熱処理では最大引張り強度等の特性は変化しない。
上記表1の実施例1−1の条件で負電極を作製し、[実施例2]と同様に、試験セルを製作して充放電試験を行った。充放電試験の結果を表3に示した。
表3に示すように、板厚(μm)×最大引張り強度(N/mm)の値が、4,000N/mm・μm以上で、良好な放電容量維持率を示すことがわかる。
[実施例4]
18μm厚さのCr、Sn、Zn含有の高強度銅箔(日立電線(株)製HCL64T箔)を使用し、[実施例1]と同様に、陰極電解脱脂、陽極電解酸洗、粗化銅めっき1、2
を行ったのち、NiSn合金めっきで活物質層を形成した。
ここでは、「陰極電荷脱脂」と「粗化Cuめっき1」と「NiSn合金めっき」は表1の条件としたが、「陽極電解酸洗」の電解酸洗時間と「粗化銅めっき2」は、表4の条件を使用した。これら条件で作製した試料を打ち抜いて電極を作成し、充放電試験に供した。充放電試験方法は、[実施例2]と同じとした。
表4に示すように、銅めっき層の表面粗さRzが1μm未満では、放電容量維持率が低
く、1μm以上5μm未満で高い維持率を示した。一方、5μmを越えると、銅の粒子自体
の強度が不十分になり容易に脱落するため、適当でない。
また、陽極電解酸洗を化学研磨に変えると、比較例4‐3のように、溶解量が0.01
μmと少なくなり、表面にCrからなる微粒子が認められない。そのため、粗化銅めっき表面に欠陥が生じ充放電特性が悪くなる。陽極電解酸洗による溶解量が0.1μm以上に
なれば、充放電特性が改善されることが分かる。
粗化銅めっき後の試料表面を示すSEM写真である。 粗化銅めっき後の試料断面を示すSEM写真である。 下地銅箔と粗化銅めっきとの界面部のEDX分析結果を示すグラフである。

Claims (6)

  1. Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔を用いた銅箔であって、
    前記銅合金箔の表面部にCrからなる微粒子層を有し、前記微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を有することを特徴とする銅箔。
  2. 前記銅合金箔の最大引張り強度(N/mm)と厚み(μm)との積が、4000N/mm・μm以上あることを特徴とする請求項1に記載の銅箔。
  3. 請求項1または2に記載の銅箔を製造する方法であって、
    Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔表面を、電解エッチングしてCrからなる微粒子層を形成し、前記Crからなる微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を形成することを特徴とする銅箔の製造方法。
  4. Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔であって、
    前記銅合金箔の表面部にCrからなる微粒子層を有し、前記微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用集電銅箔。
  5. 前記銅合金箔の最大引張り強度(N/mm)と厚み(μm)との積が、4000N/mm・μm以上あることを特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用集電銅箔。
  6. 請求項4または5に記載のリチウムイオン二次電池用集電銅箔を製造する方法であって、
    Cr0.1〜0.5質量%、Sn0.1〜0.5質量%、Zn0.1〜0.5質量%を含有させた銅合金箔表面を、電解エッチングしてCrからなる微粒子層を形成し、前記Crからなる微粒子層の表面に表面粗さRzが1μm以上5μm未満の銅めっき層を形成することを特徴とするリチウムイオン二次電池用集電銅箔の製造方法。
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