JP4616584B2 - 非水電解液二次電池用負極 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池用負極及びその製造方法に関する。
集電体上に形成されたリチウム化合物の形成能の高い活物質層の表面に、リチウム化合物の形成能の低い金属材料を堆積させてなる非水電解液二次電池用負極が知られている(例えば特許文献1及び2参照)。これらの特許文献によれば、リチウム化合物の形成能の低い金属材料によって、最も微粉化が起きやすい負極表面で、面方向の集電能の低下を抑え、微粉化の助長を抑えることができるとされている。
しかし、活物質層の表面に堆積されるリチウム化合物の形成能の低い金属材料はその厚みが0.02μmや0.05μm程度であり、最も厚くても0.2μmであることから、該金属材料は活物質層を均一に被覆しているのではなく、島状に分布しているだけである。従って、活物質の微粉化を抑えるには十分とは言えない。また、活物質がSiといった電子伝導性の低い材料である場合には、集電性が十分とは言えない。更に、セパレータを介してこれらの負極を正極と対向させて渦巻き状に巻回して使用する場合に、前記の金属材料が剥がれ落ちやすくなる。
これらの技術とは別に、金属箔に多数の微細孔を形成する技術が知られている。例えば絶縁部分と導電部分とが分散するような粗面からなる被電着基体上に電着した多孔性金属箔を、該基体から剥離する多孔性金属箔の製造方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしこの方法では、被電着基体の表面を前もって粗化する必要がある。また、被電着基体を繰り返し使用することに限界があり、たびたび粗化処理を行う必要がある。
特開平8−50922号公報 特開2002−289178号公報 特開50−141540号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る非水電解液二次電池用負極及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、活物質層と、それを被覆し且つ電解液の流通が可能な微細孔を多数有する集電用表面層とを備え、両層間に導電性ポリマーが連続に又は不連続に介在していることを特徴とする非水電解液二次電池用負極を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、活物質層の表面に導電性ポリマーを塗工し、その上に電解めっきを施して、該活物質層を被覆し且つ電解液の流通が可能な微細孔を多数有する集電用表面層を形成することを特徴とする非水電解液二次電池用負極の製造方法を提供するものである。
本発明の非水電解液二次電池用負極では、活物質層の表面が表面層によって、島状ではなく、均一に被覆されているので、微粉化に起因する活物質の脱落が効果的に防止される。しかも、表面層には多数の微細孔が形成されているので、活物質層への電解液の流通が妨げられることはない。また表面層によって集電機能が確保されるので、電子伝導性の低い活物質を用いても十分な集電性を有する。更に、導電性ポリマーによって表面層の強度が高められているので、負極を巻回して用いた場合の剥がれを効果的に防止できる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の負極の一実施形態の構造が模式的に示されている。本実施形態の負極1は、活物質の粒子2を含む活物質層3を備えている。活物質層3の各面はそれぞれ第1及び第2の集電用表面層4a,4bで連続的に被覆されている。各表面層4a,4bの表面は電解液と接する面となる。活物質層3と第1の表面層4aとの間には導電性ポリマー5が介在している。また図1から明らかなように負極1は、従来の電極に用いられてきた集電体と呼ばれる集電用の厚膜導電体(例えば厚さ12〜35μm程度の金属箔やエキスパンドメタル)を有していない。
集電用表面層4a,4bは、本実施形態の負極1における集電機能を担っている。また表面層4a,4bは、活物質層3に含まれる活物質の粒子2が電極反応によって膨張及び/又は収縮して微粉化することに起因して脱落することを防止するためにも用いられている。更に表面層4a,4bは電解液の流通パスとしての働きも有している。
各表面層4a,4bは、従来の電極に用いられている集電用の厚膜導電体よりもその厚みが薄いものである。具体的には0.3〜10μm程度、特に0.4〜8μm程度、とりわけ0.5〜5μm程度の薄層であることが好ましい。これによって、必要最小限の厚みで活物質層3をほぼ満遍なく連続的に被覆することができる。その結果、微粉化した活物質の粒子2の脱落を防止することができる。またこの程度の薄層とすること、及び集電用の厚膜導電体を有していないことで、負極全体に占める活物質の割合が相対的に高くなり、単位体積当たり及び単位重量当たりのエネルギー密度を高めることができる。従来の電極では、電極全体に占める集電用の厚膜導電体の割合が高かったので、エネルギー密度を高めることに限界があった。前記範囲の薄い表面層4a,4bは、後述するように電解めっきによって形成されることが好ましい。なお2つの表面層4a,4bはその厚みが同じでもよく、或いは異なっていてもよい。
本実施形態の負極1が電池に組み込まれた場合、各表面層4a,4bの表面は電解液と接する面となり電極反応に関与する。これとは対照的に、従来の電極における集電用の厚膜導電体は、その両面に活物質層が形成されている場合には電解液と接することはなく電極反応に関与せず、また片面に活物質層が形成されている場合であっても一方の面しか電解液と接しない。つまり本実施形態の負極1には、従来の電極で用いられていた集電用の厚膜導電体が存在せず、電極の最外面に位置する層、即ち表面層4a,4bが電極反応に関与すると共に集電機能と活物質の脱落を防止する機能とを兼ねている。
各表面層4a,4bは何れも集電機能を有しているので、本実施形態の負極1を電池に組み込んだ場合には、何れの表面層4a,4bにも電流取り出し用のリード線を接続することができるという利点がある。
各表面層4a,4bは、非水電解液二次電池の集電体となり得る材料から構成されている。特にリチウム二次電池の集電体となり得る材料から構成されていることが好ましい。そのような金属としては例えば、リチウム化合物の形成能の低い材料が挙げられる。具体的には銅、ニッケル、鉄、コバルト又はこれらの金属の合金などが挙げられる。これらの金属のうち銅及びニッケル或いはそれらの合金を用いることが特に好適である。2つの表面層4a,4bは、その構成材料が同じであってもよく、或いは異なっていてもよい。「リチウム化合物の形成能が低い」とは、リチウムと金属間化合物若しくは固溶体を形成しないか、又は形成したとしてもリチウムが微量であるか若しくは非常に不安定であることを意味する。
各表面層4a,4bには、該表面層の厚さ方向へ延びる微細孔6が多数形成されている。微細孔6は表面層の表面において開孔している。また、微細孔6は曲折しながら延びている。多数の微細孔6のうちの一部は、表面層の厚さ方向へ延び活物質層3にまで達している。微細孔6は電解液の流通が可能なものである。微細孔6が形成されていることで、電解液が活物質層3へ十分に浸透することができ、活物質の粒子2との反応が十分に起こる。微細孔6は、表面層を断面観察した場合にその幅が約0.1μmから約10μm程度の微細なものである。微細であるものの、微細孔6は電解液の浸透が可能な程度の幅を有している。尤も非水電解液は水系の電解液に比べて表面張力が小さいことから、微細孔6の幅が小さくても十分に浸透が可能である。微細孔6は、後述する方法で形成することが可能である。特に第1の表面層4aに関しては、後述する導電性ポリマー5の存在によって、微細孔6が首尾良く形成される。
表面層4a,4bの表面を電子顕微鏡観察により平面視したとき、微細孔6の平均開孔面積は、0.1〜50μm2であり、好ましくは0.1〜20μm2、更に好ましくは0.5〜10μm2程度である。この範囲の開孔面積とすることで、非水電解液の十分な浸透を確保しつつ、活物質の脱落を効果的に防止することができる。また充放電の初期段階から充放電容量を高めることができる。活物質の粒子2の脱落を一層効果的に防止する観点から、前記の平均開孔面積は、活物質の粒子2の最大断面積の0.1〜50%、特に0.1〜20%であることが好ましい。活物質の粒子2の最大断面積とは、活物質の粒子2の粒径(D50値)を測定し、該粒子を、D50値の直径を有する球とみなしたときの最大断面積をいう。
表面層4a,4bの表面を電子顕微鏡観察により平面視したときに、観察視野の面積に対する微細孔6の開孔面積の総和の割合(この割合を開孔率という)は、0.1〜20%であり、好ましくは0.5〜10%である。この理由は微細孔6の開孔面積を前記の範囲内とすることと同様の理由である。更に同様の理由により、表面層4a,4bの表面を電子顕微鏡観察により平面視したときに、どのような観察視野をとっても、100μm×100μmの正方形の視野範囲内に1〜10000個、特に10〜500個、とりわけ10〜100個の微細孔6が存在していることが好ましい。
表面層4a,4bの間に位置する活物質層3は、リチウム化合物の形成能の高い活物質の粒子2を含んでいる。活物質層3は、例えば活物質の粒子2を含む導電性スラリーを塗布して形成されている。活物質層3は各表面層4a,4bによって連続的に被覆されているので、活物質の粒子2がリチウムイオンを吸脱蔵することに起因して脱落することが効果的に防止される。活物質の粒子2は微細孔6を通じて電解液と接することができるので、電極反応が妨げられることはない。
活物質としては、例えばシリコン系材料やスズ系材料、アルミニウム系材料、ゲルマニウム系材料が挙げられる。特に好ましい粒子2としては、例えばイ)シリコン単体又はスズ単体の粒子、ロ)少なくともシリコン又はスズと炭素との混合粒子、ハ)シリコン又はスズと金属との混合粒子、ニ)シリコン又はスズと金属との化合物粒子、ホ)シリコン又はスズと金属との化合物粒子と、金属の粒子との混合粒子、ヘ)シリコン単体又はスズ単体の粒子の表面に金属が被覆されてなる粒子などが挙げられる。ロ)、ハ)、ニ)、ホ)及びヘ)の粒子を用いると、イ)のシリコン単体又はスズ単体の粒子を用いる場合に比べて、リチウムの吸脱蔵に起因するシリコン系材料の微粉化が一層抑制されるという利点がある。また半導体であり電子伝導性の乏しいシリコンに電子伝導性を付与できるという利点がある。
活物質の粒子2はその最大粒径が好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは20μm以下である。また粒子2の粒径をD50値で表すと0.1〜8μm、特に1〜5μmであることが好ましい。最大粒径が50μm超であると、粒子2の脱落が起こりやすくなり、負極1の寿命が短くなる場合がある。粒径の下限値に特に制限はなく小さいほど好ましい。粒子2の製造方法に鑑みると、下限値は0.01μm程度である。粒子2の粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置、電子顕微鏡観察によって測定される。
負極1全体に対する活物質の量が少なすぎると電池のエネルギー密度を十分に向上させにくく、逆に多すぎると活物質の脱落が起こりやすくなる傾向にある。これらを勘案すると、活物質の量は負極1全体に対して好ましくは5〜80重量%であり、更に好ましくは10〜50重量%、一層好ましくは20〜50重量%である。活物質層3の厚みは、負極全体に対する活物質の量の割合等に応じて適宜調節することができ、本実施形態においては特に臨界的なものではない。一般的には1〜100μm程度、特に3〜40μm程度である。
活物質層3においては、活物質の粒子2の間がリチウム化合物の形成能の低い材料で満たされていることが好ましい。特に、リチウム化合物の形成能の低い材料が活物質層3の厚み方向全域に亘って浸透していることが好ましい。そして浸透した該材料中に活物質の粒子2が存在していることが好ましい。つまり活物質の粒子2は負極1の表面に実質的に露出しておらず表面層4a,4bの内部に包埋されていることが好ましい。これによって、活物質の脱落が一層防止される。また活物質層3中に浸透した前記材料を通じて表面層4a,4bと活物質との間に電子伝導性が確保されるので、電気的に孤立した活物質が生成すること、特に活物質層3の深部に電気的に孤立した活物質が生成することが効果的に防止され、集電機能が保たれる。その結果、負極としての機能低下が抑えられる。更に負極の長寿命化も図られる。このことは、活物質として半導体であり電子伝導性の乏しい材料、例えばシリコン系材料を用いる場合に特に有利である。
活物質層3の厚み方向全域に亘って浸透しているリチウム化合物の形成能の低い材料は、表面層4a,4bを構成する材料と同種の材料であることが好ましい。しかし、リチウム化合物の形成能が低ければ、表面層4a,4bを構成する材料と異種の材料を用いても差し支えない。
リチウム化合物の形成能の低い材料は、活物質層3をその厚み方向に貫いていることが好ましい。それによって2つの表面層4a,4bは前記材料を通じて電気的に導通することになり、負極1全体としての電子伝導性が一層高くなる。つまり本実施形態の負極1は、その全体が一体として集電機能を有する。リチウム化合物の形成能の低い材料が活物質層3の厚み方向全域に亘って浸透していることは、該材料を測定対象とした電子顕微鏡マッピングによって求めることができる。リチウム化合物の形成能の低い材料を、活物質層3中に浸透させるための好ましい方法は後述する。
なお先に述べた通り、表面層4a,4bにもリチウム化合物の形成能の低い材料が用いられているが、当該材料と、活物質層3中に浸透しているリチウム化合物の形成能の低い材料とは同種であってもよく、或いは異種であってもよい。
活物質層3中には活物質の粒子2に加えて導電性炭素材料又は導電性金属材料の粒子(図示せず)が含まれていることが好ましい。これによって負極1に電子伝導性が一層付与される。この観点から活物質層3中に含まれる導電性炭素材料又は導電性金属材料の粒子の量は、活物質層3を基準として0.1〜20重量%、特に1〜10重量%であることが好ましい。導電性炭素材料としては例えばアセチレンブラックやグラファイトなどの粒子が用いられる。これらの粒子の粒径は40μm以下、特に20μm以下であることが、電子伝導性の一層付与の点から好ましい。該粒子の粒径の下限値に特に制限はなく小さいほど好ましい。該粒子の製造方法に鑑みると、その下限値は0.01μm程度となる。
活物質層3と第1の表面層4aとの間には導電性ポリマー5が介在している。導電性ポリマー5は、第1の表面層4aに多数の微細孔6を首尾良く形成する機能を有する(このことについては後ほど詳述する)。更に、活物質層3と第1の表面層4aとの間に導電性ポリマー5を介在させることで、第1の表面層4aの強度及びフレキシビリティが向上することが本発明者らの検討の結果判明した。このことは、負極1を、セパレータを介して正極と対向させて渦巻き状に巻回したときに、巻回に起因して発生する歪みによって第1の表面層4aが剥離することを効果的に防止し得るという点から有利である。
導電性ポリマー5の介在位置は、活物質層3中にリチウム化合物の形成能の低い材料がどの程度浸透しているかに応じて異なる。例えば、リチウム化合物の形成能の低い材料が活物質層3の全体に亘って浸透しており、活物質層3の上面にまで達している場合には、導電性ポリマー5は、浸透したリチウム化合物の形成能の低い材料と第1の表面層4aとの間に介在している。リチウム化合物の形成能の低い材料が活物質層3中を完全に満たしておらず、活物質層3の上面及びその近傍にリチウム化合物の形成能の低い材料が存在していない場合には、導電性ポリマー5の一部が活物質層3中に存在した状態で、活物質層3と第1の表面層4aとの間に導電性ポリマー5が介在している。
導電性ポリマー5としては、その種類に特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。特に、導電性ポリマー5としてリチウムイオン伝導性ポリマーを用いることが好ましい。また、導電性ポリマー5はフッ素含有の導電性ポリマーであることが好ましい。フッ素含有ポリマーは、熱的及び化学的安定性が高く、機械的強度に優れているからである。これらのことを考慮すると、リチウムイオン伝導性を有するフッ素含有ポリマーであるポリフッ化ビニリデンを用いることが特に好ましい。
導電性ポリマー5は、活物質層3と第1の表面層4aとを完全に離間させるに足る厚みをもって両層間の全域に亘り連続的に存在していてもよい。或いは両層間に不連続に存在していてもよい。導電性ポリマー5の量は、第1の表面層4aに所望の微細孔6を形成する観点、及び第1の表面層4aに所望の強度やフレキシビリティを付与する観点から、適切な量が決定される。
以上の構成を有する負極1全体の厚みは、負極1の強度維持やエネルギー密度を高めること考慮すると、2〜50μm、特に10〜50μm程度であることが好ましい。
次に図1に示す負極1の好ましい製造方法を、図2を参照しながら説明する。先ず、図2(a)に示すようにキャリア箔10を用意する。キャリア箔10の材質に特に制限はない。キャリア箔10は導電性であることが好ましい。この場合、導電性を有していれば、キャリア箔10は金属製でなくてもよい。しかし金属製のキャリア箔10を用いることで、負極1の製造後にキャリア箔10を溶解・製箔してリサイクルできるという利点がある。リサイクルの容易性を考慮すると、キャリア箔10の材質は、後述する電解めっきによって形成される第2の表面層4bの材質と同じであることが好ましい。キャリア箔10は、負極1を製造するための支持体として用いられるものであることから、製造工程においてヨレ等が生じないような強度を有していることが好ましい。従ってキャリア箔10は、その厚みが10〜50μm程度であることが好ましい。
キャリア箔10は例えば電解や圧延で製造することができる。圧延で製造することで、表面粗さの低いキャリア箔10を得ることができる。一方キャリア箔10を電解によって製造することで、キャリア箔10の製造から負極1の製造までをインラインで行うことができる。インラインで行うことは、負極1の安定製造及び製造コストの低減の点から有利である。電解によってキャリア箔10を製造する場合には、回転ドラムを陰極として用い、銅やニッケルなどの金属イオンを含む電解浴中で電解を行いドラム周面に金属を析出させる。析出した金属をドラム周面から剥離することでキャリア箔10が得られる。
第2の表面層4bに形成される微細孔6の孔径や存在密度をコントロールする観点から、キャリア箔10の表面は、或る程度凹凸形状になっていることが好ましい。圧延箔は、その製造方法に起因して各面が平滑になっている。これに対して電解箔は一面が粗面であり、他面が平滑面になっている。粗面は、電解箔を製造する際の析出面である。そこで、電解箔における粗面を電析面として利用すれば、別途キャリア箔10に粗化処理をする手間が省けるので簡便である。かかる粗面を電析面として利用する場合、その表面粗さRaは0.05〜5μm、特に0.2〜0.8μmであることが、所望の径及び存在密度を有する微細孔を容易に形成し得る点から好ましい。
次に、キャリア箔10の一面に剥離剤を施して剥離処理を行う。前述した理由から、剥離剤はキャリア箔10における粗面に施すことが好ましい。剥離剤は、後述する剥離工程において、キャリア箔10と第2の表面層4bとを首尾良く剥離するために用いられる。剥離処理は、例えばクロムめっき処理、ニッケルめっき処理、鉛めっき処理、クロメート処理等によって行われる。また有機化合物からなる剥離剤を用いた剥離処理を行うこともできる。有機化合物としては、特に窒素含有化合物又は硫黄含有化合物を用いることが好ましい。窒素含有化合物としては、例えばベンゾトリアゾール(BTA)、カルボキシベンゾトリアゾール(CBTA)、トリルトリアゾール(TTA)、N’,N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア(BTD−U)及び3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール(ATA)などのトリアゾール系化合物が好ましく用いられる。硫黄含有化合物としては、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、チオシアヌル酸(TCA)及び2−ベンズイミダゾールチオール(BIT)などが挙げられる。剥離性は、剥離剤の濃度や塗布量によって制御できる。剥離剤を施す工程は、あくまでも、後述する剥離工程において、キャリア箔10と第2の表面層4bとを首尾良く剥離するために行われるものである。従って、この工程を省いても微細孔6を有する第2の表面層4bを形成することができる。
次に図2(b)に示すように、剥離剤(図示せず)を施した上に、導電性ポリマーを含む塗工液を塗布し乾燥させて導電性ポリマー11の塗膜を形成する。或いは、塗工液を塗布した後に該塗工液の塗布面を剥離剤によって剥離処理してもよい。塗工液は、導電性ポリマーが揮発性の有機溶媒に溶解してなるものである。有機溶媒としては、導電性ポリマーとして例えばポリフッ化ビニリデンを用いる場合には、N−メチルピロリドンなどを用いることができる。塗工液はキャリア箔10の粗面に塗工されるので、該粗面における凹部に溜まりやすくなる。この状態で溶媒が揮発すると、塗膜の厚みは不均一になる。つまり粗面の凹部に対応する塗膜の厚みは大きく、凸部に対応する塗膜の厚みは小さくなる。本製造方法においては、以下に述べるように、塗膜の厚みの不均一性を利用して、第2の表面層4bに多数の微細孔を形成する。
導電性ポリマー11の塗膜が形成されたキャリア箔10は電解めっき処理に付されて、図2(c)に示すように塗膜上に第2の表面層4bが形成される。この状態を図2(c)の要部拡大図である図3に示す。導電性ポリマー11は、金属ほどではないが電子伝導性を有する。従って導電性ポリマー11の塗膜はその厚みに応じて電子伝導性が異なる。その結果導電性ポリマー11を含む塗膜の上に電解めっきによって金属を析出させると、電子伝導性に応じて電析速度に差が生じ、その電析速度の差によって第2の表面層4bに微細孔6が形成される。つまり、電析速度の小さい部分、換言すれば導電性ポリマー11の塗膜の厚い部分が微細孔6になりやすい。
第2の表面層4bを電解めっきで形成するときの条件としては、例えばリチウム化合物の形成能の低い材料として銅を用いる場合、硫酸銅系溶液を用いるときには、銅の濃度を30〜100g/l、硫酸の濃度を50〜200g/l、塩素の濃度を30ppm以下とし、液温を30〜80℃、電流密度を1〜100A/dm2とすればよい。ピロ燐酸銅系溶液を用いる場合には、銅の濃度2〜50g/l、ピロ燐酸カリウムの濃度100〜700g/lとし、液温を30〜60℃、pHを8〜12、電流密度を1〜10A/dm2とすればよい。
次に図2(d)に示すように第2の表面層4b上に、活物質の粒子を含む導電性スラリーを塗布して活物質層3を形成する。スラリーは、活物質の粒子、導電性炭素材料や導電性金属材料の粒子、結着剤及び希釈溶媒などを含んでいる。これらの成分のうち、結着剤としては、ポリエチレン(PE)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが用いられる。希釈溶媒としてはN−メチルピロリドン、シクロヘキサンなどが用いられる。スラリー中における活物質の量は14〜40重量%程度とすることが好ましい。導電性炭素材料又は導電性金属材料の粒子の量は0.4〜4重量%程度とすることが好ましい。結着剤の量は0.4〜4重量%程度とすることが好ましい。また希釈溶媒の量は60〜85重量%程度とすることが好ましい。
スラリーの塗膜が乾燥して活物質層3が形成された後、該活物質層3が形成されたキャリア箔10を、図2(e)に示すように、めっき浴中に浸漬して電解めっきを行う。めっき浴は例えばリチウム化合物の形成能の低い金属材料を含むものである。この電解めっきによって活物質層3に含まれる活物質の粒子の間が、析出した該金属材料で満たされて、該金属材料が活物質層3の厚み方向全域に亘って浸透する(以下、このめっきを浸透めっきという)。浸透めっきは、活物質層3に含まれるすべての活物質の粒子が完全に包埋されずに、一部の活物質の粒子がめっき面よりも上に露出する程度に行われることが好ましい。
浸透めっきに例えばNiを用いる場合には、めっき浴として以下の組成を有するワット浴やスルファミン酸浴を用いることができる。これらのめっき浴を用いる場合の浴温は40〜70℃程度であり、電流密度は0.5〜20A/dm2程度であることが好ましい。
・NiSO4・6H2O 150〜300g/l
・NiCl2・6H2O 30〜60g/l
・H3BO3 30〜40g/l
次に、図2(f)に示すように、浸透めっきされた活物質層3の表面に導電性ポリマー5を含む塗工液を塗工する。この導電性ポリマー5としては、先に用いた導電性ポリマー11と同種又は異種のものを用いることができる。浸透めっきされた活物質層3の表面は、めっきによって凹凸形状となっている。しかも、該表面には一部の活物質の粒子が露出しているので、凹凸形状が一層顕著になっている。このような表面状態になっている活物質層3の表面に導電性ポリマー5を含む塗工液を塗工してその塗膜を形成すると、該塗膜には、活物質層3の表面凹凸形状に即した厚み差が生じる。その結果、従って導電性ポリマー5の塗膜はその厚みに応じて電子伝導性が異なるようになる。この状態下に、図2(g)に示すように、該塗膜上に電解めっきを施して金属を析出させて第1の表面層4aを形成すると、該塗膜の電子伝導性に応じて電析速度に差が生じ、その電析速度の差によって第1の表面層4aに微細孔6が形成される。第1の表面層4aを電解めっきによって形成するときの条件は、第2の表面層4bのそれと同様とすることができる。なお、第1の表面層4aの構成材料は、先に行った浸透めっきの材料と同種でもよく、或いは異なっていてもよい。
最後に、図2(h)に示すように、キャリア箔10と第2の表面層4bとの界面において、両者を剥離する。これによって目的とする負極1が得られる。なお、図2(h)では、導電性ポリマー11の塗膜が、第2の表面層4b側に残るように描かれているが、場合によってはキャリア箔10側に導電性ポリマー11の塗膜が残る場合もあれば、両方に残る場合もある。本発明者らが検討したところ、導電性ポリマー11の塗膜が第2の表面層4b側に残る度合いが大きいほど、第2の表面層4bの強度及びフレキシビリティが高まることが見出された。導電性ポリマー11の塗膜が第2の表面層4b側に残すためには、先に述べた通り、キャリア箔10の表面に剥離層を形成した後、その上に導電性ポリマー11の塗膜を形成することが有利である。
このようにして得られた負極1は、公知の正極、セパレータ、非水系電解液と共に用いられて非水電解液二次電池となされる。正極は、正極活物質並びに必要により導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、正極合剤を作製し、これを集電体に塗布、乾燥した後、ロール圧延、プレスし、さらに裁断、打ち抜きすることにより得られる。正極活物質としては、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物等の従来公知の正極活物質が用いられる。セパレーターとしては、合成樹脂製不織布、ポリエチレン又はポリプロピレン多孔質フイルム等が好ましく用いられる。非水電解液は、リチウム二次電池の場合、支持電解質であるリチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液からなる。リチウム塩としては、例えば、LiBF4、LiC1O4、LiA1Cl4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiSCN、LiC1、LiBr、LiI、LiCF3SO3、LiC49SO3等が例示される。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態の負極1は電解液を透過させない集電用の厚膜導電体を有していないものであったが、本発明の負極は、斯かる集電用の厚膜導電体を有しているものであってもよい。例えば図4に示すように、電解液を透過させない集電用の厚膜導電体7の少なくとも一面に、活物質の粒子2を含む活物質層3が形成されており、その上に集電用表面層4aが形成されている負極1’を構成してもよい。この実施形態の場合にも、活物質層3と表面層4aとの間に導電性ポリマー5が連続に又は不連続に介在している。この負極1’においても、図1に示す実施形態の負極1と同様の効果が奏される。なおこの負極1’では集電用の厚膜導電体7の一面にのみ活物質層3が形成されているが、必要に応じ、他面にも活物質層を形成してもよい。
また前記の実施形態においては、活物質層3の各面に形成されている表面層4a,4bの何れにも微細孔が形成されていたが、これに代えて一方の表面層にのみ微細孔を形成し、他方の表面層には微細孔を形成しなくてもよい。
また前記の製造方法においては、活物質層3を形成した後に、該活物質層3に対して浸透めっきを施したが、これに代えて活物質層3を形成した後に、浸透めっきを行わず、該活物質層3の表面に導電性ポリマー5の塗膜を形成し、然る後に第1の表面層4aを電解めっきによって形成してもよい。この場合、導電性ポリマーの塗膜を不連続に形成することで、第1の表面層4aの形成と、活物質層3に対する浸透めっきとを同時に行うことができる。この方法によればめっき工程が一工程少なくなるので、製造方法の観点から有利である。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
電解によって得られた銅製のキャリア箔(厚さ35μm)を室温で30秒間酸洗浄した。引き続き室温で30秒間純水洗浄した。次いで、40℃に保った状態の3.5g/lのCBTA溶液中に、キャリア箔を30秒間浸漬した。これにより剥離処理を行った。剥離処理後、溶液から引き上げて15秒間純水洗浄した。
キャリア箔の粗面(表面粗さRa=0.5μm)に、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解した濃度2.5重量%の塗工液を塗布した。溶媒が揮発して塗膜が形成された後、H2SO4/CuSO4系のめっき浴にキャリア箔を浸漬させて電解めっきを行った。これによって銅からなる第2の表面層を塗膜上に形成した。めっき浴の組成は、CuSO4が250g/l、H2SO4が70g/lであった。電流密度は5A/dm2とした。第2の表面層は5μmの厚さに形成した。めっき浴から引き上げた後、30秒間純水洗浄して大気中で乾燥させた。
次に、第2の表面層上に負極活物質の粒子を含むスラリーを膜厚15μmになるように塗布し活物質層を形成した。活物質粒子はSi80wt%−Ni20wt%の組成を有する合金であり、平均粒径はD50=1.5μmであった。スラリーの組成は、活物質:Ni粉:アセチレンブラック:ポリフッ化ビニリデン=60:34:1:5であった。
活物質層が形成されたにキャリア箔を、以下の浴組成を有するワット浴に浸漬させ、電解により、活物質層に対してニッケルの浸透めっきを行った。電流密度は5A/dm2、浴温は50℃、pHは5であった。陽極にはニッケル電極を用いた。電源は直流電源を用いた。この浸透めっきは、めっき面から一部の活物質粒子が露出する程度に行った。めっき浴から引き上げた後、30秒間純水洗浄して大気中で乾燥させた。
・NiSO4・6H2O 250g/l
・NiCl2・6H2O 45g/l
・H3BO3 30g/l
次に、活物質層の表面に、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解した濃度2.5重量%の塗工液を塗布した。溶媒が揮発して塗膜が形成された後、Cu系のめっき浴にキャリア箔を浸漬させて電解めっきを行った。めっき浴の組成は、H3PO4が200g/l、Cu3(PO42・3H2Oが200g/lであった。また、めっきの条件は、電流密度5A/dm2、浴温度40℃であった。これによって銅からなる第1の表面層を塗膜上に形成した。第1の表面層は3μmの厚さに形成した。めっき浴から引き上げた後、30秒間純水洗浄して大気中で乾燥させた。
最後に、第2の表面層とキャリア箔とを剥離して、一対の表面層間に活物質層が挟持されてなる非水電解液二次電池用負極を得た。IR及びNMRによる定性分析の結果、この負極では、第2の表面層の外面にポリフッ化ビニリデンが付着していることが確認された。また走査型電子顕微鏡による負極の断面観察によって、活物質層と第1の表面層との間にポリフッ化ビニリデンが介在していることが確認された。更に、走査型電子顕微鏡による表面層の観察の結果、第1の表面層には、100μm×100μmの正方形の範囲内に平均して50個の微細孔が存在していることを確認した。第2の表面層については平均して30個の微細孔が存在していることを確認した。
〔比較例1〕
電解によって得られた銅箔(厚さ35μm)の各面に、実施例1で用いたスラリーと同様のスラリーを用い、これを膜厚15μmになるように塗布し活物質層を形成した。活物質層が形成された銅箔を、Cu系のめっき浴に浸漬させて電解めっきを行った。めっき浴の組成及びめっき条件は、実施例1と同様とした。これによって活物質層の表面に厚さ0.05μmの銅の薄層を形成した。このようにして非水電解液二次電池用負極を得た。走査型電子顕微鏡観察の結果、銅の薄層は、活物質の表面を連続して被覆するものではなく、島状に分布していた。また微細孔と言える孔は存在していなかった。
〔性能評価〕
実施例及び比較例にて得られた負極を用い、以下の方法で非水電解液二次電池を作製した。この電池の最大負極放電容量、電池容量及び50サイクル時の容量維持率を以下の方法で測定、算出した。これらの結果を以下の表1に示す。
〔非水電解液二次電池の作製〕
実施例及び比較例で得られた負極を作用極とし、対極としてLiCoO2を用い、両極をセパレーターを介して対向させた。非水電解液としてLiPF6/エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合液(1:1容量比)を用いて通常の方法によって非水電解液二次電池を作製した。
〔最大負極放電容量〕
最大容量が得られたサイクルにおける、活物質重量当たりの放電容量を測定した。単位はmAh/gである。
〔50サイクル時の容量維持率〕
50サイクル目の放電容量を測定し、その値を最大負極放電容量で除し、100を乗じて算出した。
Figure 0004616584
表1に示す結果から明らかなように、実施例1の負極を用いた電池は、比較例1の負極を用いた電池に比較して、最大負極放電容量及び50サイクル時の容量維持率の何れもが優れていることが判る。
本発明の負極の一実施形態の構造を示す模式図である。 図1に示す負極の製造方法を示す工程図である。 図2(c)の要部を拡大して示す模式図である。 本発明の負極の他の実施形態の構造を示す模式図である。
符号の説明
1 負極
2 活物質の粒子
3 活物質層
4a 第1の表面層
4b 第2の表面層
5 導電性ポリマー
6 微細孔
7 電解液を透過させない集電用の厚膜導電体
10 キャリア箔

Claims (13)

  1. 活物質層と、それを被覆し且つ電解液の流通が可能な微細孔を多数有する集電用表面層とを備え、両層間に導電性ポリマーが連続に又は不連続に介在していることを特徴とする非水電解液二次電池用負極。
  2. 前記活物質層が活物質の粒子を含み、該粒子間がリチウム化合物の形成能の低い材料で満たされている請求項1記載の非水電解液二次電池用負極。
  3. 前記活物質層の各面がそれぞれ前記集電用表面層で被覆され、一方の集電用表面層と活物質層との間に前記導電性ポリマーが介在しており、且つ
    電解液を透過させない集電用の厚膜導電体を有していない請求項1又は2記載の非水電解液二次電池用負極。
  4. 電解液を透過させない集電用の厚膜導電体の少なくとも一面に前記活物質層が形成されており、その上に前記集電用表面層が形成されている請求項1又は2記載の非水電解液二次電池用負極。
  5. 前記集電用表面層の厚みが0.3〜10μmである請求項1ないし4の何れかに記載の非水電解液二次電池用負極。
  6. 前記集電用表面層の表面に開孔している前記微細孔の数が、100μm×100μmの範囲内に1〜10000個である請求項1ないし5の何れかに記載の非水電解液二次電池用負極。
  7. 前記活物質層の厚み方向全域に亘り、リチウム化合物の形成能の低い材料が浸透し、電極全体が一体となって集電機能を有する請求項2ないし6の何れかに記載の非水電解液二次電池用負極。
  8. 活物質層の表面に導電性ポリマーを塗工し、その上に電解めっきを施して、該活物質層を被覆し且つ電解液の流通が可能な微細孔を多数有する集電用表面層を形成することを特徴とする非水電解液二次電池用負極の製造方法。
  9. 活物質の粒子を含むスラリーを塗工して前記活物質層を形成し、次いで該活物質層内にリチウム化合物の形成能の低い材料を含むめっき液を浸透させて電解めっきを行い該粒子間をリチウム化合物の形成能の低い材料で満たし、然る後に前記導電性ポリマーを塗工し、その上に前記集電用表面層を形成する請求項8記載の製造方法。
  10. キャリア箔上に、所定の手段によって電解液の流通が可能な微細孔を多数有する第1の集電用表面層を形成し、その上に前記活物質層を形成し、次いでその表面に前記導電性ポリマーを塗工し、その上に第2の集電用表面層を形成し、然る後に第1の集電用表面層とキャリア箔とを剥離する請求項8又は9記載の製造方法。
  11. キャリア箔上に導電性ポリマーを塗工し、次いで該導電性ポリマーの塗工面上に電解めっきを施して第1の集電用表面層を形成する請求項10記載の製造方法。
  12. 電解液を透過させない厚膜集電体の少なくとも一面に前記活物質層を形成し、その表面に前記導電性ポリマーを塗工し、更にその上に前記集電用表面層を形成する請求項8又は9記載の製造方法。
  13. 請求項1記載の非水電解液二次電池用負極を備えた非水電解液二次電池。
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