JP2009270099A - 異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物及び異形押出成形品 - Google Patents

異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物及び異形押出成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】成形品表面に肌荒れ、シワ、凹み等のない優れた表面形状を有し、反りの少ない、耐熱性の優れた、異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物及びそれを成形して得られる異形押出成形品を提供する。
【解決手段】メルトフローレートが0.1〜50g/10分であるポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体0.01〜20質量部配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその異形押出成形品に関する。
樹脂材料を複雑な形状に成形する方法の1つとして異形押出成形法が挙げられる。異形押出成形法の具体例としては、以下の方法が挙げられる。
まず、樹脂材料を押出成形機のシリンダーに投入し、その内部で加熱しながらスクリューの回転によって混練して可塑化し、押出成形機の出口に設けられた異形押出用のダイを通して押出す。次いで、押出された樹脂材料をサイジングプレート、サイジングダイ、水槽等の冷却ゾーンに連続的に送って冷却し、目的とする異形押出成形品を得る。このとき、上記のダイの形状を変更することによって種々の形状の異形押出成形品を得ることができる。
しかしながら、異形押出成形法によってポリオレフィン系樹脂を成形する際には以下のような問題があった。ポリオレフィン系樹脂等の結晶性樹脂は塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂等の非晶性樹脂と比較して成形収縮が大きく、溶融張力(溶融強度)が低い。このため、例えば押出成形時の加熱金型から冷却金型までにおける樹脂のドローダウンが多くなり、成形品の表面に肌荒れやシワが生じ易く、平滑な表面形状が得られない場合がある。また、ポリオレフィン系樹脂は一般に比熱が大きく、冷却に時間がかかる傾向がある。このため、特に複雑な形状の成形品を押出した際に、成形品の長手方向に反りを生じ易いという問題がある。
これらの問題を改善するために、特許文献1には、特定のポリオレフィン系樹脂組成物に充填剤を添加した、成形収縮率が小さく、寸法精度に優れ、且つ表面平滑性に優れた異形押出用材料が提案されている。しかしながら、この材料は、特に大型で複雑な形状の成形品を成形する場合には反りを抑制する効果や良好な成形品の表面形状を得る点で充分とはいえない。
特許文献2では、分散性に優れたポリフルオロエチレン系ポリオレフィン用加工助剤を用いた樹脂組成物が開示されているが、近年の高生産性が求められる押出成形においては樹脂に対する剪断が著しく低くなることから、押出機等の剪断によるポリフルオロエチレンの繊維化が充分に進まず、溶融張力の不足や製品に対する異物となり、外観に優れる押出成形品を高効率で得ることは困難であり、現実的には満足できるものが得られていない。更には、環境上の観点から脱ハロゲンの方向が強く要求される用途においては適用できないという問題がある。
また、特許文献3では、有機過酸化物を用いて溶融張力を発現させてポリオレフィン系樹脂の押出加工性を向上させる方法を開示しているが、ポリオレフィン系樹脂と助剤による反応を用いているため、最終製品の製品厚みが不均一な場合には溶融樹脂の流動性が安定化しにくくなり、押出成形加工には不適である。また、リサイクル性の観点から鑑みてこれらの方法では現実的には満足できるものが得られていないのが実状である。
特開平5−262928号公報 特開2000−26616号公報 特開平9−316248号公報
本発明の目的は成形品表面に肌荒れ、シワ、凹み等のない優れた表面形状を有し、反りの少ない、耐熱性の優れた、異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物及びそれを成形して得られる異形押出成形品を提供することである。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)0.01〜20質量部が配合された異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物を第1の発明とする。
また、本発明は、アルキルメタクリレート系重合体(B)が、アルキルメタクリレート系重合体(B)のラテックスを凝固法又はスプレードライ法により粉体化して得られるものである上記の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物を第2の発明とする。
また、本発明は、上記の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物に、更に充填剤が配合された異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物を第3の発明とする。
また、本発明は、上記の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物を異形押出成形して得られる異形押出成形品を第4の発明とする。
本発明の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」という)は、成形品表面に肌荒れ、シワ、凹み等のない優れた表面形状を有し、反りの少ない、耐熱性に優れた、成形品が得られることから、建築資材、家具、窓枠、ルーフレール等の自動車部品、OA機器、家電製品等の各種大型成形品を異形押出成形により製造することができる。
本発明で得られる異形押出成形品の一例の断面図を示す。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)のメルトフローレート(以下、「MFR」という)は、0.1〜50g/10分であることが好ましい。尚、本発明におけるMFRは、ASTM D1238に準じて測定される。具体的には、荷重2.16kgの条件において、各ポリオレフィン系樹脂の種類に応じて規定されている温度、例えば、プロピレン系ポリオレフィンでは230℃、エチレン系ポリオレフィンでは190℃に加熱し、溶融した状態で測定される。
また、ポリオレフィン系樹脂(A)は、異形押出成形時の加熱金型から冷却金型までの本樹脂組成物のドローダウンが抑制され、外観に優れた異形押出成形品を得るためにMFRが0.3〜15g/10分であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(A)のMFRが0.1g/10分以上で、本樹脂組成物の流動性が充分で、光沢や外観に優れた成形品が得られる。また、ポリオレフィン系樹脂(A)のMFRが50g/10分以下で、異形押出成形時の加熱金型から冷却金型までの本樹脂組成物のドローダウンを抑制することができる。
ポリオレフィン系樹脂(A)としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレン及び1−ブテンから選ばれる少なくとも1種とのランダム共重合体又はブロック共重合体、ジエン成分が50質量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、シクロペンタジエンとエチレン及びプロピレンから選ばれる少なくとも1種との共重合体等の環状ポリオレフィン並びに50質量%以下の酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族エステル、芳香族ビニル等のビニル化合物とエチレン及びプロピレンから選ばれる少なくとも1種とのランダム共重合体、ブロック共重合体又はグラフト重合体が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明においては、ポリオレフィン系樹脂(A)としては、汎用性が高く、安価であるという点で、PP、HDPE、LDPE、LLDPE、エチレン−プロピレンランダム又はブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
本発明で用いられるアルキルメタクリレート系重合体(B)は、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万である。尚、本発明における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求められる。
アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均分子量が15万以上で本樹脂組成物の成形加工性が良好となる。また、アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均分子量が2,000万以下で、ポリオレフィン系樹脂(A)中でのアルキルメタクリレート系重合体(B)の分散性が良好となり、異形押出成形時の加熱金型から冷却金型までの本樹脂組成物のドローダウンが抑制され、外観に優れた異形押出成形品を得ることができる。
アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均分子量は50万以上が好ましく、100万以上がより好ましく、160万以上が更に好ましい。また、アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均分子量は1,500万以下が好ましく、700万以下がより好ましい。
アルキルメタクリレート系重合体(B)のアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を構成するための原料単量体であるアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレートとしては、例えば、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−メチルブチルメタクリレート、3−メチルブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
アルキルメタクリレートのアルキルの炭素数が2以上で、ポリオレフィン系樹脂(A)中でのアルキルメタクリレート系重合体(B)の分散性が良好となり、アルキル基の炭素数が6以下で、アルキルメタクリレート系重合体(B)を粉体としたときの取り扱い性が良好となる。
アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレートとしては、ポリオレフィン系樹脂(A)中でのアルキルメタクリレート系重合体(B)の分散性及びアルキルメタクリレート系重合体(B)を粉体としたときの取り扱い性の点で、アルキル基の炭素数が4のアルキルメタクリレートが好ましい。また、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレートとしては、本樹脂組成物の成形加工性を良好とする点で、n−ブチルメタクリレート及びイソブチルメタクリレートがより好ましい。
本発明においては、アルキルメタクリレート系重合体(B)を構成するための原料単量体として、必要に応じてアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート以外の他の単量体を含有することができる。
他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族ビニル単量体;メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアルキルアクリレート;メチルメタクリレート;ドデシルメタクリレート等のアルキル基の炭素数が7以上のアルキルメタクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体及び4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の光安定化能基含有単量体が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
アルキルメタクリレート系重合体(B)を構成するための原料単量体中のアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレートの含有率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレートの含有率が50質量%以上で、ポリオレフィン系樹脂(A)中でのアルキルメタクリレート系重合体(B)の分散性が良好となり、異形押出成形時の加熱金型から冷却金型までの本樹脂組成物のドローダウンが抑制され、外観に優れた異形押出成形品が得られる。
アルキルメタクリレート系重合体(B)を得るための重合方法としては、例えば、ラジカル重合法及びイオン重合法が挙げられ、ラジカル重合法が好ましい。
また、アルキルメタクリレート系重合体(B)の形態としては粉体状又は顆粒状で得ることが好ましいことから乳化重合が好ましい。乳化重合の方法としては公知の方法が挙げられる。
乳化重合の際に使用される乳化剤としては公知の乳化剤が挙げられる。
乳化剤の具体例としては、スルホン酸系塩化合物、硫酸系塩化合物、燐酸エステル系塩化合物等のアニオン系乳化剤が好ましい。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
乳化重合の際に使用される開始剤としては公知の開始剤が挙げられる。
開始剤の具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩化合物;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物及び上記の過硫酸塩化合物又は有機過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。
乳化重合の際の重合温度としては、開始剤の種類によるが、通常40〜80℃である。
乳化重合で得られるアルキルメタクリレート系重合体(B)のラテックスを粉体化する方法としては、例えば、凝固法及びスプレードライ法が挙げられる。
乳化重合で得られるアルキルメタクリレート系重合体(B)のラテックスのアルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均粒子径は50〜250nmが好ましい。
アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均粒子径が50nm以上で、乳化重合で使用される乳化剤がポリオレフィン系樹脂に与える着色や強度低下の影響を抑制できる傾向にある。また、アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均粒子径が250nm以下で、特に質量平均分子量が160万以上の高分子量のアルキルメタクリレート系重合体(B)を得る際の分子量制御が容易である傾向にある。
本発明においては、アルキルメタクリレート系重合体(B)中に、必要に応じて滑剤、安定剤、難燃剤等の各種添加剤を含有することができる。
本樹脂組成物はポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対してアルキルメタクリレート系重合体(B)0.01〜20質量部が配合されたものであり、0.1〜18質量部が好ましく、1〜16質量部がより好ましい。アルキルメタクリレート系重合体(B)の配合量が0.01質量部以上で異形押出成形時の加熱金型から冷却金型までの本樹脂組成物のドローダウンを抑制することができ、20質量部以下で本樹脂組成物の流動性が良好となり、外観の優れた異形押出成形品を得ることができる。
本発明においては、本樹脂組成物中に、必要に応じて充填剤、安定剤、滑剤等の添加剤を添加することができる。特に、成形収縮を小さくする点、成形品の反りを抑制する点及び成形品の耐熱性が優れる点で充填剤を配合することが好ましい。
充填剤が配合されたポリオレフィン系樹脂組成物においては、充填剤がポリオレフィン系樹脂中で充分に分散していない場合、配合効果が不充分となる場合がある。充填剤を含有する本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、アルキルメタクリレート系重合体(B)の存在により、充填剤のポリオレフィン系樹脂中での分散性が向上するため、さらなる配合効果が期待できる。
充填剤は、繊維状、粒子状、粉体状、板状、針状等、種々の形状のものを用いることができる。充填剤としては、例えば、ガラス繊維(金属を被覆したものを含む)、炭素繊維(金属を被覆したものを含む)、チタン酸カリウム、アスベスト、炭化珪素、窒化珪素、セラミック繊維、金属繊維、アラミド繊維、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、マイカ、タルク、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、ウォラストナイト、アルミナ、クレー、フェライト、黒鉛、石膏、ガラスビ−ズ、ガラスバル−ン、石英が挙げられる。これら充填剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
充填剤としては、異形押出成形品の反りが改善される点で、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、タルクが好ましい。
充填剤の配合量はポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。充填剤の配合量が0.1質量部以上で配合効果が発現し、50質量部以下で配合効果が充分となる傾向にある。
安定剤としては、例えば、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系安定剤、トリス(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等の燐系安定剤、ジラウリルチオジプロピオネート等の硫黄系安定剤が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
安定剤の配合量はポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して0.01〜0.5質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部がより好ましい。安定剤の配合量が0.01質量部以上で配合効果が発現し、0.5質量部以下で配合効果が充分となる傾向にある。
滑剤としては、例えば、飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩が挙げられる。滑剤の具体例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等のナトリウム、カルシウム又はマグネシウム塩が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
滑剤の配合量はポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して0.1〜2質量部が好ましい。滑剤の配合量が0.1質量部以上で配合効果が発現し、2質量部以下で配合効果が充分となる傾向にある。
本樹脂組成物を得る際のポリオレフィン系樹脂(A)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤の配合方法としては、例えば、ロール、バンバリーミキサー、押出機等の通常の混練機を用いて混練する方法が挙げられる。
また、生産性の点でポリオレフィン系樹脂(A)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤の配合と異形押出成形とを同時に行なうことができる。その具体例としては、ポリオレフィン系樹脂(A)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤を押出成形機に投入し、押出成形機の内部で加熱しながら混練し、異形押出用のダイから押出して異形押出成形品を得ることができる。
更に、ポリオレフィン系樹脂(A)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤の配合方法の別法として、以下に示すマスターバッチを使用する方法が挙げられる。マスターバッチを使用することによりポリオレフィン系樹脂(A)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤を効率よく短時間で均一に混合することができ、好ましい。
まず、ポリオレフィン系樹脂(A)の一部としてポリオレフィン系樹脂(A1)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤を配合してマスターバッチを得る。次いで、このマスターバッチに、ポリオレフィン系樹脂(A)の一部としてポリオレフィン系樹脂(A2)を配合し、本樹脂組成物を得る。この方法において、ポリオレフィン系樹脂(A1)とポリオレフィン系樹脂(A2)は、ポリオレフィン系樹脂(A1)とポリオレフィン系樹脂(A2)の合計量100質量部に対してアルキルメタクリレート系重合体(B)の配合量が0.01〜20質量部となるように配合される。また、ポリオレフィン系樹脂(A1)及びポリオレフィン系樹脂(A2)は同一のポリオレフィン系樹脂(A)でも別のポリオレフィン系樹脂(A)でもよい。
上記マスターバッチの製造方法としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(A)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤を押出成形機に投入し、内部で加熱しながら混練し、複数の孔が設けられたメッシュ状のダイから押出した後にペレット状物又は粒状物を得ることができる。
上記のマスターバッチを使用する場合は、マスターバッチ中のアルキルメタクリレート系重合体(B)の含有率は、ポリオレフィン系樹脂(A)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤の混合効率の点で、1〜50質量%であることが好ましい。また、マスターバッチとしては、ある程度細かいペレット状や粒状にしておくことによって、残りのポリオレフィン系樹脂(A)と混合する際の操作性が向上する傾向にある。
マスターバッチ製造時の押出温度は150〜270℃が好ましく、170〜250℃がより好ましい。押出温度が150℃以上でポリオレフィン系樹脂(A)が充分に溶融し、270℃以下で操作性が良好である傾向にある。
押出成形機から押出されたマスターバッチの冷却方法としては、例えば、冷却ゾーンで空気と接触させる方法、冷水や空気を強制的に吹き付ける方法及び冷水等の冷媒が循環するジャケットを設けたサイジングダイの内部を通過させる方法が挙げられる。
本発明において、異形押出成形は公知の方法を使用することができる。異形押出成形方法の具体例としては、まず、ポリオレフィン系樹脂(A)、アルキルメタクリレート系重合体(B)及び必要に応じて添加剤を押出成形機に投入し、内部で加熱しながら混練して、異形押出用のダイから押出し、未冷却の成形品を得る。次いで、未冷却の成形品を冷却ゾーンに連続的に導いて冷却して異形押出成形品を得る。
異形押出成形における押出温度は上記のマスターバッチ製造時の押出温度と同様とすることができる。
上記の成形方法において、冷却ゾーンにおける冷却方法は上記のマスターバッチ製造時の冷却方法と同様とすることができる。
以下、実施例により本発明を説明する。尚、以下において「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。また、ポリオレフィン系樹脂組成物のMFR、アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量及び質量平均粒子径、樹脂組成物を成形して得られる異形押出成形品の評価、並びに樹脂組成物を成形して得られる成形品の荷重たわみ温度は下記の方法により実施した。
(1)アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量
アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量は、アルキルメタクリレート系重合体のテトラヒドロフラン(THF)可溶分を試料として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名;HLC−8220)、カラム(東ソー(株)製、商品名;TSK−GEL SUPER HZM−M)を用い、測定温度40℃、溶離液にTHFを使用し、標準ポリスチレンによる検量線から質量平均分子量を求めた。
(2)アルキルメタクリレート系重合体の質量平均粒子径
アルキルメタクリレート系重合体の質量平均粒子径は、ラテックスを脱イオン水で希釈したものを試料として、粒度分布計(米国Matec Applied Sciences社製、商品名;CHDF2000型)を用いて測定した。
測定条件は、米国Matec Applied Sciences社が推奨する標準条件で行なった。即ち、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ及びキャリア液を用い、液性:ほぼ中性、流速:1.4ml/分、圧力:約4,000psi(2,600KPa)、温度:35℃に保った状態で、ラテックスを濃度約3%に希釈した試料0.1mlを測定に用いた。
標準粒子径物質としては、粒子径既知の単分散ポリスチレンで20〜800nmの範囲のもの合計12点を用いた。
(3)ポリオレフィン系樹脂組成物のMFR
ポリオレフィン系樹脂組成物のMFRはASTM D1238に準じて測定を行なった。荷重は2.16kgとし、測定温度は、樹脂組成物中のポリオレフィン系樹脂がプロピレン系ポリオレフィンの場合には230℃、エチレン系ポリオレフィンの場合には190℃とした。
(4)異形押出成形品の評価
(4a)異形押出成形品の作製
ポリオレフィン系樹脂組成物を押出成形機に投入し、以下の条件で異形押出成形と冷却を行なった。
押出成形機は、外径50mm、L(長さ)/D(外径)=28の異形成形用のダイを取り付けたものを使用した。また、押出成形機のシリンダ設定温度を200℃とし、ダイの設定温度を210℃とした。
冷却ゾーンには真空サイジングダイを用いた。真空サイジングダイはその内壁に真空引き用の穴が設けられ、真空引きによる穴への吸引力によって真空サイジングダイ内に送り込まれた未冷却の成形品を真空サイジングダイの内壁に密着させる構造になっている。また、真空サイジングダイの外周にはジャケットが設けられており、ジャッケット内に冷媒を循環させることにより真空サイジングダイ内部の成形品を冷却することができる。
本発明においては上記冷媒として20℃の水を使用した。また、真空サイジングダイの長さは300mmのものを使用し、押出成形機に取り付けたダイと真空サイジングとの間隔は50mmに保った。
ダイから押出した未冷却の成形品を連続的に真空サイジングダイに搬送し、冷却した後に、所定のサイズに切断し、図1に示す異形押出成形品を得た。
図1の数値は寸法(単位:mm)である。得られた異形押出成形品(1)は肉厚が薄い部分(2)と厚い部分(3)を有している。また、異形押出成形品(1)には一方の底面イ(4)には外部に突出する突起A(5)と内部に突出する突起B(6)が形成され、他方の底面ロ(7)には外部に突出する突起C(8)が形成された、複雑な形状を有する中空直方体である。
(4b)異形押出成形品の表面状態の評価
上記で得た成形品の表面状態を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
○:成形品の表面に肌荒れ及びシワ等が無く、表面状態が良好である。
△:成形品の表面に肌荒れ及びシワ等が若干観察される。
×:成形品の表面に肌荒れ及びシワ等が観察される。
(4c)異形押出成形品の反りの評価
上記の成形品の作製において、真空サイジングダイで冷却した後に、500mmの長さで切断した成形品を別途作製し、この成形品を水平に静置した時の中央部と末端部の静置面からの高さの差を反りの量として測定し、以下の基準で反りの程度を評価した。
○:反りの量が5mm未満。
△:反りの量が5mm以上、10mm未満。
×:反りの量が10mm以上。
(4d)異形押出成形品の天面の凹み量の評価
上記の成形品の作製において、押出成形時の押出成形機に取り付けたダイから真空サイジングダイまでの距離を100mmとして成形して得られた成形品の天面(図1の肉厚が薄い部分(2))における樹脂の凹み(ドローダウン)量を測定した。
(5)成形品の荷重たわみ温度
ポリオレフィン系樹脂、アルキルメタクリレート系重合体、添加剤を混合し、二軸押出機((株)プラスチック工学研究所製)を用いて、バレル温度200℃、スクリュー回転数150rpmにて溶融混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを射出成形機(住友重機工業(株)製、商品名;SE−100DU)に供給し、射出温度190℃、金型温度80℃にて射出成形を行ない、ポリオレフィン系樹脂組成物の成形品(幅10mm×厚さ4mm×長さ12.7mm)を得た。80℃で16時間加熱しアニール処理を行なった後、得られた成形品の荷重たわみ温度をJIS K−7191に準じて、荷重0.45MPaの条件で測定した。
(製造例1) アルキルメタクリレート系重合体(B−1)の製造
下記の単量体混合物をホモミキサーを用いて10,000rpmで6分間攪拌し、乳化混合物を得た。
(単量体混合物)
イソブチルメタクリレート 100部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
脱イオン水 300部
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、上記の乳化混合物を仕込み、容器内を窒素で置換した。次いで、内温を60℃まで昇温させて、過硫酸カリウム0.15部を加えた。その後、内温60℃で加熱攪拌を2時間継続して重合を終了し、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のラテックスを得た。アルキルメタクリレート系重合体(B−1)の質量平均分子量は300万、質量平均粒子径は147nmであった。
得られたアルキルメタクリレート系重合体(B−1)のラテックスを、酢酸カルシウム5部を含む熱水100部中に滴下してラテックスの凝固を行なった。
次いで、得られた凝固物を分離洗浄後、65℃で16時間乾燥して、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)を得た。
(製造例2〜7) アルキルメタクリレート系重合体(B−2)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)の製造
単量体種類、単量体量、開始剤量、連鎖移動剤量を表1に記載のように変更したこと以外は、製造例1と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B−2)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)を得た。
尚、開始剤には過硫酸カリウム、連鎖移動剤にはn−オクチルメルカプタンを用いた。
製造例1〜7で得られたアルキルメタクリレート系重合体(B−1)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)の質量平均分子量及び質量平均粒子径を表1に示す。
Figure 2009270099
表中の略語
iBMA:イソブチルメタクリレート
nBMA:n−ブチルメタクリレート
MMA :メチルメタクリレート
(製造例8) アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のマスターバッチ(M−1)の製造
製造例1で得たアルキルメタクリレート系重合体(B−1)25部及びポリプロピレンのペレット(日本ポリプロ(株)製、商品名;「ノバテックPP」EA7、MFR;1.2g/10分)75部を配合してハンドブレンドした。次いで、この配合物を二軸押出機(ドイツWerner&Pfleiderer社製、商品名;ZSK30)を用いて、バレル温度200℃及びスクリュー回転数200rpmで溶融混練して、ペレット状に賦形し、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のマスターバッチ(M−1)を得た。
[実施例1〜9及び比較例1〜4]
ポリオレフィン系樹脂として表2に示すポリプロピレンのペレット及びアルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−1)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)、マスターバッチ(M−1)又は三菱レイヨン(株)製メタブレンA−3000(商品名)(ポリテトラフルオロエチレンを含有する混合粉体)を表2に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価を実施した。評価結果を表2に示す。
Figure 2009270099
表中の略語
FY6 :日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、商品名;「ノバテックPP」FY6
PP :ポリプロピレン
PiBMA :ポリイソブチルメタクリレート
PnBMA :ポリn−ブチルメタクリレート
PMMA :ポリメチルメタクリレート
PTFE :ポリテトラフルオロエチレン
A−3000:三菱レイヨン(株)製メタブレンA−3000(商品名)(PTFEを含有する混合粉体)
表2より、ポリプロピレンに本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善されたことが確認できる。
[実施例10〜12及び比較例5〜7]
ポリオレフィン系樹脂として表3に示すポリプロピレンのペレット及びアルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−1)を表3に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価を実施した。評価結果を表3に示す。
Figure 2009270099
表中の略語
EA9 :日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、商品名;「ノバテックPP」EA9
FA3EB:日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、商品名;「ノバテックPP」FA3EB
表3より、種々のポリプロピレンを用いても、本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善されたことが確認できる。
[実施例13〜21及び比較例8〜9]
ポリオレフィン系樹脂として表4に示すポリエチレンのペレット及びアルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−1)〜(B−5)又はマスターバッチ(M−1)を表4に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価を実施した。評価結果を表4に示す。
Figure 2009270099
表中の略語
5305E:(株)プライムポリマー製HDPE、商品名;「ハイゼックス」5305E
UR350:日本ポリエチレン(株)製LLDPE、商品名;「ノバテックPE」UR350
HDPE :高密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
表4より、種々のポリエチレンを用いても、本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善されたことが確認できる。
[実施例22〜26及び比較例10〜14]
ポリオレフィン系樹脂として表5に示すポリオレフィンのペレット、アルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−2)及び充填剤としてタルクを表5に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価を実施した。評価結果を表5に示す。
Figure 2009270099
表中の略語
タルク1:日本タルク(株)製、商品名;「タルクMS」、レーザー回折法D50;14
表5より、ポリオレフィン系樹脂に充填剤を含有しても、本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善されたことが確認できる。特に、充填剤を含有することで、異形押出成形品の凹みがより改善されたことが確認できる。
[実施例27〜38及び比較例15〜19]
ポリオレフィン系樹脂として表6に示すポリプロピレンのペレット、アルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−1)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)、(M−1)、充填剤を表6に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価、成形品の荷重たわみ温度の測定を実施した。評価結果を表6に示す。
Figure 2009270099
表中の略語
FY4 :日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、商品名;「ノバテックPP」FY4、MFR;5.0g/10分
タルク2 :日本タルク(株)製、商品名;「ミクロエースP−6」
水酸化マグネシウム:神島化学工業(株)製、商品名;「マグシーズW−H5」
炭酸カルシウム :白石カルシウム(株)製、商品名;「白艶華CCR」
表6より、ポリオレフィン系樹脂に充填剤を含有しても、本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善され、更に、充填剤の分散性が改善されたため成形品の耐熱性が向上したことが確認できる。
以上により、本発明に係わる実施例において、比較例と比べて良好な表面状態を有する異形押出成形品が得られ、さらに、異形押出成形品の反り、凹みを防ぐことができ、本発明の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物は、複雑な形状の異形押出成形に対して有効であることが確認できた。特に、充填剤を配合した本発明の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物は、異形押出成形品の充填剤を含有することで、異形押出成形品の凹みの改善が顕著であり、非常に有効であることが確認できた。
本発明の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物は、成形品表面に肌荒れ、シワ、凹み等のない優れた表面形状を有し、反りの少ない、耐熱性に優れた、成形品が得られることから、建築資材、家具、窓枠、ルーフレール等の自動車部品、OA機器、家電製品等の各種大型成形品を異形押出成形により製造することができる。
(1):異形押出成形品
(2):肉厚が薄い部分
(3):肉厚が厚い部分
(4):底面イ
(5):突起A
(6):突起B
(7):底面ロ
(8):突起C

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)0.01〜20質量部が配合された異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. アルキルメタクリレート系重合体(B)が、アルキルメタクリレート系重合体(B)のラテックスを凝固法又はスプレードライ法により粉体化して得られるものである請求項1に記載の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2に記載の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物に、更に充填剤が配合された異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3に記載の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物を異形押出成形して得られる異形押出成形品。
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