JP2010120981A - カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を得る方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン化合物を含有せず、粉体としての取り扱い性が良好な重合体を配合した、カレンダー成形性の改良されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)0.01〜20質量部が配合されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】
ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)0.01〜20質量部が配合されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明はカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を得る方法に関する。
ポリオレフィン系樹脂は安価で軽量、高剛性等の特徴を活かし、様々な分野で用いられており、各種成形法にて加工されている。ポリオレフィン系樹脂はカレンダー成形にて成形されることも多く、車両用、殊に自動車用の床材、天井材、インストルメントパネル、ドアトリム、内装シート等の自動車用内外装材、レジャー用シート、ガスケット、防水シート、バッグ類、ノートカバー、手帳カバー、ベルト等の用途で使用される。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は溶融時の張力が低く、カンレダー成形には適さない。
ポリオレフィン系樹脂のカレンダー成形性の改良を目的として、特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレンにアクリル樹脂を被覆した張力改質剤を配合することにより、ポリオレフィン系樹脂の溶融張力を向上させ、カレンダー成形性を改良する方法が提案されている。しかしながら、特許文献1で提案されている改質剤はポリテトラフルオロエチレンを含有しており、脱ハロゲンが強く求められる分野では使用できないという問題があった。
また、特許文献2には、長鎖アルキル(メタ)アクリレートを主成分とする改質剤を配合することにより、ポリオレフィン系樹脂の溶融張力を向上させ、成形性を改良する方法が提案されている。しかしながら、特許文献2で提案されている改質剤はガラス転移温度が著しく低く、粉体として回収することが困難であり、取り扱い性に問題があった。
特開平11−209528号公報
特開平9−255816号公報
本発明の目的は、ハロゲン化合物を含有せず、粉体としての取り扱い性が良好な重合体を配合した、カレンダー成形性の改良されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)0.01〜20質量部が配合されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物である。
また、本発明は、ポリオレフィン系樹脂(A1)及びアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)を配合して得られるマスターぺレット並びにポリオレフィン系樹脂(A2)を含有するカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物であって、アルキルメタクリレート系重合体(B)がポリオレフィン系樹脂(A1)及びポリオレフィン系樹脂(A2)の合計100質量部に対して0.01〜20質量部含有されるカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物である。
また、本発明は、ポリオレフィン系樹脂(A1)及びアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)を配合して得られるマスターぺレット並びにポリオレフィン系樹脂(A2)を含有するカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物であって、アルキルメタクリレート系重合体(B)がポリオレフィン系樹脂(A1)及びポリオレフィン系樹脂(A2)の合計100質量部に対して0.01〜20質量部含有されるカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物である。
上記のアルキルメタクリレート系重合体(B)は、アルキルメタクリレート系重合体(B)のラテックスを凝固法又はスプレードライ法により粉体化して得られるものであることが好ましい。
更に、本発明は、上記のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物をカレンダー成形して成形品を得る方法である。
更に、本発明は、上記のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物をカレンダー成形して成形品を得る方法である。
本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、カレンダー成形時の温度幅が広く、カレンダーロールからの剥離性が良好であり、カレンダー成形性に優れる。
本発明の成形品は、表面状態が良好である。
本発明の成形品は、表面状態が良好である。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂(A)は、本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物の基材樹脂として用いられる成分である。ポリオレフィン系樹脂(A)としては、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレン及び/又は1−ブテンとのランダム共重合体若しくはブロック共重合体、ジエン成分が50質量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレン及び/又はプロピレンとの共重合体等の環状ポリオレフィン、エチレン又はプロピレンと50質量%以下のビニル単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体又はグラフト共重合体が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
ポリオレフィン系樹脂(A)としては、プロピレンを50質量%以上含有する単量体成分を重合したプロピレン系ポリオレフィン、及び該プロピレン系ポリオレフィン100質量部に対して、エチレンを50質量%以上含有する単量体成分を重合したエチレン系ポリオレフィン0.1〜100質量部を配合したものが、入手が容易であり、安価であることから好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂(A)のメルトフローレート(以下、「MFR」という。)は、0.1〜50g/10分であることが好ましい。MFRがこの範囲であれば、アルキルメタクリレート系重合体(B)を配合した際の溶融張力の向上効果が充分に発現し、カレンダー成形性が良好で、表面状態が良好な成形品が得られる。
ポリオレフィン系樹脂(A)のMFRは、0.3〜15g/10分の範囲であることがより好ましい。尚、MFRは、ASTM D1238に準じて荷重2.16kgで測定したものであり、例えば、プロピレン系ポリオレフィンでは230℃における値であり、エチレン系ポリオレフィンでは190℃における値である。
ポリオレフィン系樹脂(A)のMFRは、0.3〜15g/10分の範囲であることがより好ましい。尚、MFRは、ASTM D1238に準じて荷重2.16kgで測定したものであり、例えば、プロピレン系ポリオレフィンでは230℃における値であり、エチレン系ポリオレフィンでは190℃における値である。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(B)は、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とする、質量平均分子量が15万〜2,000万の重合体である。
アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位の原料となるアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレートとしては、例えば、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−メチルブチルメタクリレート、3−メチルブチルメタクリレート、3−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位の原料となるアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレートとしては、例えば、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−メチルブチルメタクリレート、3−メチルブチルメタクリレート、3−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
アルキルメタクリレートのアルキル基の炭素数が2以上であれば、ポリオレフィン系樹脂(A)との相溶性が良好となり、充分な溶融張力の向上効果が得られ、アルキル基の炭素数が6以下であれば、粉体としての取り扱い性が良好な重合体が得られる。
アルキルメタクリレートのアルキル基の炭素数は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性の点から、4〜6の範囲が好ましく、4がより好ましい。
アルキルメタクリレートのアルキル基の炭素数は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性の点から、4〜6の範囲が好ましく、4がより好ましい。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(B)は、必要に応じて、その他の単量体単位を含有してもよい。その他の単量体単位の原料となるその他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族ビニル単量体;メチルアクリレート、ブチルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアルキルアクリレート;メチルメタクリレート;ドデシルメタクリレート等のアルキル基の炭素数が7以上のアルキルメタクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
アルキルメタクリレート系重合体(B)(100質量%)中の、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位の含有率は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
アルキルメタクリレート系重合体(B)(100質量%)中の、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位の含有率が50質量%以上であれば、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が良好となり、透明性に優れた成形品が得られる。
アルキルメタクリレート系重合体(B)(100質量%)中の、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位の含有率が50質量%以上であれば、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が良好となり、透明性に優れた成形品が得られる。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(B)は、質量平均分子量が15万〜2,000万の範囲である。
アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均分子量が15万以上であれば、カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融張力の向上効果が充分に発現し、2,000万以下であればポリオレフィン系樹脂(A)中での分散性が良好となり、カレンダー成形性が改良される。
アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均分子量は、50万〜1,500万の範囲が好ましく、100万〜700万の範囲がさらに好ましい。
アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均分子量が15万以上であれば、カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融張力の向上効果が充分に発現し、2,000万以下であればポリオレフィン系樹脂(A)中での分散性が良好となり、カレンダー成形性が改良される。
アルキルメタクリレート系重合体(B)の質量平均分子量は、50万〜1,500万の範囲が好ましく、100万〜700万の範囲がさらに好ましい。
アルキルメタクリレート系重合体(B)は、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレートを主成分とする単量体成分を用い、ラジカル重合又はイオン重合等の公知の重合法を用いて重合することにより得られる。これらの重合法の中でもラジカル重合法が好ましい。
アルキルメタクリレート系重合体(B)を得るためのラジカル重合は、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の重合法を用いることができるが、得られる重合体を粉体状、顆粒状の形態で得られることから乳化重合が好ましい。
アルキルメタクリレート系重合体(B)を得るためのラジカル重合は、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の重合法を用いることができるが、得られる重合体を粉体状、顆粒状の形態で得られることから乳化重合が好ましい。
乳化重合時には、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤等の公知の乳化剤を用いることができる。これらの中では、スルホン酸塩系乳化剤、硫酸塩系乳化剤、リン酸エステル塩系乳化剤等のアニオン系乳化剤が好ましい。乳化剤は1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
乳化重合時には、公知の開始剤を用いることができる。開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩化合物;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;上記の過硫酸塩化合物又は有機過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。これらの中では、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムが好ましい。
重合温度は、開始剤の種類によるが、通常40〜80℃である。
重合温度は、開始剤の種類によるが、通常40〜80℃である。
アルキルメタクリレート系重合体(B)を乳化重合で得る場合、得られたアルキルメタクリレート系重合体(B)のラテックスを粉体化する方法としては、凝析法及びスプレードライ法が挙げられる。
アルキルメタクリレート系重合体(B)を乳化重合で得る場合、ラテックス中でのアルキルメタクリレート系重合体(B)の粒子径は、質量平均粒子径として50〜250nmの範囲が好ましい。
ラテックス中でのアルキルメタクリレート系重合体(B)の粒子径が50nm以上であれば、アルキルメタクリレート系重合体(B)に残存する乳化剤がポリオレフィン系樹脂(A)に与える影響を最小限に抑えることができ、250nm以下であれば、アルキルメタクリレート系重合体(B)の重合時の停止反応が起こりにくく、分子量制御が容易である。
ラテックス中でのアルキルメタクリレート系重合体(B)の粒子径が50nm以上であれば、アルキルメタクリレート系重合体(B)に残存する乳化剤がポリオレフィン系樹脂(A)に与える影響を最小限に抑えることができ、250nm以下であれば、アルキルメタクリレート系重合体(B)の重合時の停止反応が起こりにくく、分子量制御が容易である。
本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキルメタクリレート系重合体(B)0.01〜20質量部を配合したものである。
ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキルメタクリレート系重合体(B)を0.01質量部以上配合すれば、充分な溶融張力の向上効果が発現し、20質量部以下配合すれば、溶融成形時の流動性が低下しない。
カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキルメタクリレート系重合体(B)0.1〜15質量部を配合することが好ましく、1〜10質量部を配合することがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキルメタクリレート系重合体(B)を0.01質量部以上配合すれば、充分な溶融張力の向上効果が発現し、20質量部以下配合すれば、溶融成形時の流動性が低下しない。
カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキルメタクリレート系重合体(B)0.1〜15質量部を配合することが好ましく、1〜10質量部を配合することがより好ましい。
また、本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、1種のアルキルメタクリレート系重合体(B)を配合してもよく、組成、分子量、粒子径等の異なる2種以上のアルキルメタクリレート系重合体(B)を配合してもよい。
本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、無機充填剤等の添加剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば、商品名「イルガノックス1010」、「同1010FF」、「同1035」、「同1035FF」、「同1076」、「同1076FD」、「同1076DWJ」、「同1098」、「同135」、「同1330」、「同1425WL」、「同1520L」、「同1520SE」、「同1726」、「同245」、「同245FF」、「同245DWJ」、「同259」、「同3114」、「同3790」、「同5057」、「同565」、「同565DD」(以上、チバ・ジャパン(株)製)、商品名「アデカスタブ AO−20」、「同AO−30」、「同AO−40」、「同AO−50」、「AO−50F」、「同AO−60」、「同AO−60G」、「同AO−70」、「同AO−80」、「同AO−330」、「同A−611」、「同A−611RG」、「同A−612」、「同A−612RG」、「同A−613」、「同A−613RG」、「同AO−51」、「同AO−15」、「同AO−18」、「同328」、「同AO−37」(以上、(株)ADEKA社製)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
酸化防止剤としては、例えば、商品名「イルガノックス1010」、「同1010FF」、「同1035」、「同1035FF」、「同1076」、「同1076FD」、「同1076DWJ」、「同1098」、「同135」、「同1330」、「同1425WL」、「同1520L」、「同1520SE」、「同1726」、「同245」、「同245FF」、「同245DWJ」、「同259」、「同3114」、「同3790」、「同5057」、「同565」、「同565DD」(以上、チバ・ジャパン(株)製)、商品名「アデカスタブ AO−20」、「同AO−30」、「同AO−40」、「同AO−50」、「AO−50F」、「同AO−60」、「同AO−60G」、「同AO−70」、「同AO−80」、「同AO−330」、「同A−611」、「同A−611RG」、「同A−612」、「同A−612RG」、「同A−613」、「同A−613RG」、「同AO−51」、「同AO−15」、「同AO−18」、「同328」、「同AO−37」(以上、(株)ADEKA社製)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、「N−Hタイプ」、「N−Rタイプ」、「N−O−Rタイプ」等の既知のヒンダードアミン系光安定化剤を用いることができる。
「N−Hタイプ」のヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、商品名、「チヌビン770」(チバ・ジャパン(株)製)、商品名「アデカスタブ LA−57」、「同LA−63P」、「同LA−68P」(以上、(株)ADEKA製)が挙げられる。
「N−Hタイプ」のヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、商品名、「チヌビン770」(チバ・ジャパン(株)製)、商品名「アデカスタブ LA−57」、「同LA−63P」、「同LA−68P」(以上、(株)ADEKA製)が挙げられる。
「N−Rタイプ」のヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、商品名、「チヌビン292」、「同144」、「同765」、「キマソーブ119FL」(以上、チバ・ジャパン(株)製)、商品名「アデカスタブ LA−52」、「同LA−62」、「同LA−67」(以上、(株)ADEKA製)が挙げられる。
「N−O−Rタイプ」のヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、商品名、「チヌビン123」、「同494AR」、「同NOR371FF」、「フレームスタブ NOR116FF」(以上、チバ・ジャパン(株)製)が挙げられる。
これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
「N−O−Rタイプ」のヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、商品名、「チヌビン123」、「同494AR」、「同NOR371FF」、「フレームスタブ NOR116FF」(以上、チバ・ジャパン(株)製)が挙げられる。
これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、商品名「チヌビンP」、「同P FL」、「同234」、「同326」、「同326FL」、「同329」、「同329FL」、「同360」、「同213」、「同571」、「同1577FF」、「同120」、「キマソーブ81」、「同81FL」(以上、チバ・ジャパン(株)製)、商品名「アデカスタブ LA−32」、「同LA−36」、「同LA−36RG」、「同LA−31」、「同LA−31RG」、「同1413」、「同LA−51」(以上、(株)ADEKA製)が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
滑剤としては、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の飽和又は不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウム、マグネシウム塩等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。滑剤の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜2質量部が好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、硝子繊維、炭酸マグネシウム、マイカ、カオリン、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、クレー、ゼオライトが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。無機充填剤の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、1〜50質量部が好ましい。
これら上述した必須成分及び所望により任意成分の各成分を所定量配合し、ロール、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機等の通常の混練機で混練して樹脂組成物を調製するが、通常はペレット状にするのが好ましい。
また、本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、アルキルメタクリレート系重合体(B)をポリオレフィン系樹脂(A1)に高濃度に配合したマスターペレットを作成した後、ポリオレフィン系樹脂(A2)に配合して調製してもよい。
この際、アルキルメタクリレート系重合体(B)がポリオレフィン系樹脂(A1)及びポリオレフィン系樹脂(A2)の合計100質量部に対して0.01〜20質量部になるように配合する。
この際、アルキルメタクリレート系重合体(B)がポリオレフィン系樹脂(A1)及びポリオレフィン系樹脂(A2)の合計100質量部に対して0.01〜20質量部になるように配合する。
ポリオレフィン系樹脂(A1)及び(A2)は、ポリオレフィン系樹脂(A)として例示したものを用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂(A1)及び(A2)は、同一のポリオレフィン系樹脂であってもよく、異なるポリオレフィン系樹脂であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂(A1)及び(A2)は、同一のポリオレフィン系樹脂であってもよく、異なるポリオレフィン系樹脂であってもよい。
このようにして得られたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、カレンダー成形法によってシートやフィルムに成形される。
これらの成形品は、車両用、殊に自動車用の床材、天井材、インストルメントパネル、ドアトリム、内装シート等の自動車用内外装材、レジャー用シート、ガスケット、防水シート、バッグ類、ノートカバー、手帳カバー、ベルト等に使用される。また、食品容器、各種工業部品等にも使用が可能である。
これらの成形品は、車両用、殊に自動車用の床材、天井材、インストルメントパネル、ドアトリム、内装シート等の自動車用内外装材、レジャー用シート、ガスケット、防水シート、バッグ類、ノートカバー、手帳カバー、ベルト等に使用される。また、食品容器、各種工業部品等にも使用が可能である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
また、各実施例での諸物性の測定は、以下の(1)〜(5)の方法による。
また、各実施例での諸物性の測定は、以下の(1)〜(5)の方法による。
(1)質量平均分子量
アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量は、アルキルメタクリレート系重合体のテトラヒドロフラン可溶分を試料として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8220:東ソー(株)製)、カラム(TSK−GEL SUPER HZM−M:東ソー(株)製)を用いて測定した。
質量平均分子量は、標準ポリスチレンによる検量線から求めた。
アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量は、アルキルメタクリレート系重合体のテトラヒドロフラン可溶分を試料として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8220:東ソー(株)製)、カラム(TSK−GEL SUPER HZM−M:東ソー(株)製)を用いて測定した。
質量平均分子量は、標準ポリスチレンによる検量線から求めた。
(2)質量平均粒子径
アルキルメタクリレート系重合体のラテックスを脱イオン水で希釈したものを試料として、粒度分布計(CHDF2000型:MATEC社製)を用いて測定した。
測定条件は、MATEC社が推奨する標準条件で行なった。即ち、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ及びキャリア液を用い、液性:ほぼ中性、流速:1.4ml/分、圧力:約4000psi(2600KPa)、温度:35℃で、ラテックスを濃度約3%に希釈した試料0.1mlを測定に用いた。
標準粒子径物質としては、粒子径既知の単分散ポリスチレンを20〜800nmの範囲で合計12点用いた。
アルキルメタクリレート系重合体のラテックスを脱イオン水で希釈したものを試料として、粒度分布計(CHDF2000型:MATEC社製)を用いて測定した。
測定条件は、MATEC社が推奨する標準条件で行なった。即ち、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ及びキャリア液を用い、液性:ほぼ中性、流速:1.4ml/分、圧力:約4000psi(2600KPa)、温度:35℃で、ラテックスを濃度約3%に希釈した試料0.1mlを測定に用いた。
標準粒子径物質としては、粒子径既知の単分散ポリスチレンを20〜800nmの範囲で合計12点用いた。
(3)粉体としての取り扱い性(粉体特性)
アルキルメタクリレート系重合体を、8メッシュの篩を通過させた。以下の基準により、粉体としての取り扱い性を評価した。
○:メッシュを通過した量が90%以上
△:メッシュを通過した量が10%以上、90%未満
×:メッシュを通過した量が10%未満
アルキルメタクリレート系重合体を、8メッシュの篩を通過させた。以下の基準により、粉体としての取り扱い性を評価した。
○:メッシュを通過した量が90%以上
△:メッシュを通過した量が10%以上、90%未満
×:メッシュを通過した量が10%未満
(4)カレンダー成形温度幅
直径15.24cmの2本ロール(カレンダーロール)を用い、ロール表面温度160〜230℃の範囲で、ロール速度10m/分(ロール速度比1対1.1)、ロール間隔0.3mmの条件で、試料100gを5分間ロールに巻付けてシートを取り出す操作を行ない、良好なシートが得られる最高成形温度と最低成形温度の差を成形温度幅とし、以下の基準で判定した。
○:成形温度幅が20℃以上
△:成形温度幅が10℃以上20℃未満
×:成形温度幅が10℃未満
直径15.24cmの2本ロール(カレンダーロール)を用い、ロール表面温度160〜230℃の範囲で、ロール速度10m/分(ロール速度比1対1.1)、ロール間隔0.3mmの条件で、試料100gを5分間ロールに巻付けてシートを取り出す操作を行ない、良好なシートが得られる最高成形温度と最低成形温度の差を成形温度幅とし、以下の基準で判定した。
○:成形温度幅が20℃以上
△:成形温度幅が10℃以上20℃未満
×:成形温度幅が10℃未満
(5)カレンダー成形性
上記(4)に記載のカレンダー成形において、ロールからの剥離性とシートの平滑性について評価を行なった。ロールからの剥離性については、以下の基準にて判定した。
○:ロールに樹脂が取られず、手剥離が可能
△:ロールに樹脂が取られるが、手剥離が可能
×:ロールに樹脂が取られ、手剥離が不可能
また、シートの平滑性については、引取ったシートを肉眼で観察して、以下の基準にて判定した。
○:良好
△:やや不良
×:不良
上記(4)に記載のカレンダー成形において、ロールからの剥離性とシートの平滑性について評価を行なった。ロールからの剥離性については、以下の基準にて判定した。
○:ロールに樹脂が取られず、手剥離が可能
△:ロールに樹脂が取られるが、手剥離が可能
×:ロールに樹脂が取られ、手剥離が不可能
また、シートの平滑性については、引取ったシートを肉眼で観察して、以下の基準にて判定した。
○:良好
△:やや不良
×:不良
(製造例1)アルキルメタクリレート系重合体(B−1)の製造
下記の単量体混合物を、ホモミキサーを用いて10000rpmで6分間攪拌し、乳化混合物を得た。
単量体混合物:
イソブチルメタクリレート 100部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
脱イオン水 300部
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、上記の乳化混合物を仕込み、容器内を窒素で置換した。次いで、内温を60℃まで昇温させて、過硫酸カリウム0.15部を加えた。
下記の単量体混合物を、ホモミキサーを用いて10000rpmで6分間攪拌し、乳化混合物を得た。
単量体混合物:
イソブチルメタクリレート 100部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
脱イオン水 300部
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、上記の乳化混合物を仕込み、容器内を窒素で置換した。次いで、内温を60℃まで昇温させて、過硫酸カリウム0.15部を加えた。
その後、加熱攪拌を2時間継続して重合を終了し、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のラテックスを得た。
得られたアルキルメタクリレート系重合体(B−1)の質量平均分子量は300万、質量平均粒子径は147nmであった。
アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のラテックスを、酢酸カルシウム5部を含む熱水100部中に滴下してラテックスの凝析を行なった。凝析物を分離洗浄後、65℃で16時間乾燥して、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)を得た。
得られたアルキルメタクリレート系重合体(B−1)の質量平均分子量は300万、質量平均粒子径は147nmであった。
アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のラテックスを、酢酸カルシウム5部を含む熱水100部中に滴下してラテックスの凝析を行なった。凝析物を分離洗浄後、65℃で16時間乾燥して、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)を得た。
(製造例2)アルキルメタクリレート系重合体(B−2)の製造
過硫酸カリウムの量を1部としたこと以外は、製造例1と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B−2)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B−2)の質量平均分子量は200万、質量平均粒子径は123nmであった。
過硫酸カリウムの量を1部としたこと以外は、製造例1と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B−2)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B−2)の質量平均分子量は200万、質量平均粒子径は123nmであった。
(製造例3)アルキルメタクリレート系重合体(B−3)の製造
単量体混合物に、n−オクチルメルカプタン0.1部を加えたこと以外は、製造例1と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B−3)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B−3)の質量平均分子量は17万、質量平均粒子径は147nmであった。
単量体混合物に、n−オクチルメルカプタン0.1部を加えたこと以外は、製造例1と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B−3)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B−3)の質量平均分子量は17万、質量平均粒子径は147nmであった。
(製造例4)アルキルメタクリレート系重合体(B−4)の製造
イソブチルメタクリレート100部をn−ブチルメタクリレート100部に変更したこと以外は、製造例1と同様にしてアルキルメタクリレート系重合体(B−4)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B−4)の質量平均分子量は300万、質量平均粒子径は139nmであった。
イソブチルメタクリレート100部をn−ブチルメタクリレート100部に変更したこと以外は、製造例1と同様にしてアルキルメタクリレート系重合体(B−4)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B−4)の質量平均分子量は300万、質量平均粒子径は139nmであった。
(製造例5)アルキルメタクリレート系重合体(B−5)の製造
単量体混合物に、n−オクチルメルカプタン0.1部を加えたこと以外は、製造例4と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B−5)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B−5)の質量平均分子量は20万、質量平均粒子径は145nmであった。
単量体混合物に、n−オクチルメルカプタン0.1部を加えたこと以外は、製造例4と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B−5)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B−5)の質量平均分子量は20万、質量平均粒子径は145nmであった。
(製造例6)アルキルメタクリレート系重合体(B’−1)の製造
単量体混合物に、n−オクチルメルカプタン1部を加えたこと以外は、製造例1と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B’−1)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B’−1)の質量平均分子量は1万、質量平均粒子径は147nmであった。
単量体混合物に、n−オクチルメルカプタン1部を加えたこと以外は、製造例1と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B’−1)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B’−1)の質量平均分子量は1万、質量平均粒子径は147nmであった。
(製造例7)アルキルメタクリレート系重合体(B’−2)の製造
イソブチルメタクリレート100部をメチルメタクリレート100部に変更したこと以外は、製造例1と同様にしてアルキルメタクリレート系重合体(B’−2)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B’−2)の質量平均分子量は300万、質量平均粒子径は114nmであった。
イソブチルメタクリレート100部をメチルメタクリレート100部に変更したこと以外は、製造例1と同様にしてアルキルメタクリレート系重合体(B’−2)を得た。
アルキルメタクリレート系重合体(B’−2)の質量平均分子量は300万、質量平均粒子径は114nmであった。
(製造例8)アルキルメタクリレート系重合体(B’−3)の製造
下記の単量体混合物を、ホモミキサーを用いて10000rpmで6分間攪拌した後、ホモジナイザーを用いて圧力200kg/cmで強制乳化し、乳化混合物を得た。
単量体混合物:
2−エチルヘキシルメタクリレート 100部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
脱イオン水 300部
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、上記の乳化混合物を仕込み、容器内を窒素で置換した。次いで、内温を60℃まで昇温させて、下記の還元剤水溶液を投入した。
還元剤水溶液:
硫酸第一鉄 0.0003部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.0009部
ロンガリット 0.1部
脱イオン水 5部
次いで、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.15部を加えた。
下記の単量体混合物を、ホモミキサーを用いて10000rpmで6分間攪拌した後、ホモジナイザーを用いて圧力200kg/cmで強制乳化し、乳化混合物を得た。
単量体混合物:
2−エチルヘキシルメタクリレート 100部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
脱イオン水 300部
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、上記の乳化混合物を仕込み、容器内を窒素で置換した。次いで、内温を60℃まで昇温させて、下記の還元剤水溶液を投入した。
還元剤水溶液:
硫酸第一鉄 0.0003部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.0009部
ロンガリット 0.1部
脱イオン水 5部
次いで、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.15部を加えた。
その後、加熱攪拌を2時間継続して重合を終了し、アルキルメタクリレート系重合体(B’−3)のラテックスを得た。
得られたアルキルメタクリレート系重合体(B’−3)の質量平均分子量は200万、質量平均粒子径は297nmであった。
アルキルメタクリレート系重合体(B’−3)のラテックスを製造例1と同様の方法で凝析後、乾燥処理を行ない粉体特性を評価したところ、メッシュを通過した量が10%未満であったため、これ以降の評価は断念した。
得られたアルキルメタクリレート系重合体(B’−3)の質量平均分子量は200万、質量平均粒子径は297nmであった。
アルキルメタクリレート系重合体(B’−3)のラテックスを製造例1と同様の方法で凝析後、乾燥処理を行ない粉体特性を評価したところ、メッシュを通過した量が10%未満であったため、これ以降の評価は断念した。
(製造例9)マスターペレット(M−1)の製造
ポリプロピレン(商品名;「ノバテックFY6」、MFR;2.5g/10分、日本ポリプロ(株)製)75部に対し、製造例1で得たアルキルメタクリレート系重合体(B−1)25部を配合し、単軸押出機(サーモプラスチクス(株)製)を用いて、バレル温度190℃、スクリュー回転数50rpmにて溶融混練し、マスターペレット(M−1)を得た。
ポリプロピレン(商品名;「ノバテックFY6」、MFR;2.5g/10分、日本ポリプロ(株)製)75部に対し、製造例1で得たアルキルメタクリレート系重合体(B−1)25部を配合し、単軸押出機(サーモプラスチクス(株)製)を用いて、バレル温度190℃、スクリュー回転数50rpmにて溶融混練し、マスターペレット(M−1)を得た。
(実施例1)
ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン(商品名;「ノバテックFY6」、MFR;2.5g/10分、日本ポリプロ(株)製)を用い、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)を表1に示す割合で配合した。
その後、単軸押出機(サーモプラスチクス(株)製)を用いて、バレル温度190℃、スクリュー回転数50rpmにて溶融混練し、カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いてカレンダー成形し、カレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表1に示す。
ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン(商品名;「ノバテックFY6」、MFR;2.5g/10分、日本ポリプロ(株)製)を用い、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)を表1に示す割合で配合した。
その後、単軸押出機(サーモプラスチクス(株)製)を用いて、バレル温度190℃、スクリュー回転数50rpmにて溶融混練し、カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いてカレンダー成形し、カレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2〜6、比較例1〜3)
表1に示す割合でポリプロピレンとアルキルメタクリレート系重合体を配合し、実施例1と同様の方法でカレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示す割合でポリプロピレンとアルキルメタクリレート系重合体を配合し、実施例1と同様の方法でカレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表1に示す。
FY6 :商品名;「ノバテックFY6」、MFR;2.5g/10分、日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン
PiBMA :ポリイソブチルメタクリレート
PnBMA :ポリn−ブチルメタクリレート
PMMA :ポリメチルメタクリレート
P2EHMA:ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート
(実施例7〜13、比較例4、5)
アルキルメタクリレート系重合体(B−1)とポリオレフィン系樹脂を表2に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法でカレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表2に示す。
アルキルメタクリレート系重合体(B−1)とポリオレフィン系樹脂を表2に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法でカレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表2に示す。
EA9 :商品名;「ノバテックEA−9」、MFR;0.5g/10分、日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン
FA3EB:商品名;「ノバテックFA3EB」、MFR;10.5g/10分、日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン
(実施例14〜22、比較例6、7)
アルキルメタクリレート系重合体とポリオレフィン系樹脂を表3に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法でカレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表3に示す。
アルキルメタクリレート系重合体とポリオレフィン系樹脂を表3に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法でカレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表3に示す。
5305E:商品名;「ハイゼックス5305E」、MFR;0.8g/10分、(株)プライムポリマー製ポリエチレン
UR350:商品名;「ノバテックUR350」、MFR;5.0/10分、日本ポリエチレン(株)製ポリエチレン
(実施例23〜27、比較例8)
アルキルメタクリレート系重合体(B−2)、ポリオレフィン系樹脂と充填剤を表4に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法でカレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表4に示す。
アルキルメタクリレート系重合体(B−2)、ポリオレフィン系樹脂と充填剤を表4に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法でカレンダー成形温度幅、カレンダー成形性を評価した。結果を表4に示す。
表1〜4記載の実施例は、本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物を示すものであり、カレンダー成形温度幅が広く、且つ、カレンダー成形性に優れる。
これに対して、比較例として記載の樹脂組成物は、アルキルメタクリレート系重合体の組成又は分子量が本発明の範囲から外れるもの、若しくはアルキルメタクリレート系重合体を配合していないものであり、カレンダー成形温度幅が狭く、且つ、充分なカレンダー成形性を得ることができない。
従って、本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、カレンダー成形用の樹脂組成物として極めて有用であることが分かる。
これに対して、比較例として記載の樹脂組成物は、アルキルメタクリレート系重合体の組成又は分子量が本発明の範囲から外れるもの、若しくはアルキルメタクリレート系重合体を配合していないものであり、カレンダー成形温度幅が狭く、且つ、充分なカレンダー成形性を得ることができない。
従って、本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、カレンダー成形用の樹脂組成物として極めて有用であることが分かる。
本発明のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物は、カレンダー成形時の成形温度幅が広く、且つ、カレンダーロールからの剥離が容易で、得られるシートの平滑性が良好であることから、カレンダー成形用の樹脂組成物として、極めて有用である。
Claims (4)
- ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、アルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)0.01〜20質量部が配合されたカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物。
- ポリオレフィン系樹脂(A1)及びアルキル基の炭素数が2〜6のアルキルメタクリレート単位を主成分とし、質量平均分子量が15万〜2,000万であるアルキルメタクリレート系重合体(B)を配合して得られるマスターぺレット並びにポリオレフィン系樹脂(A2)を含有するカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物であって、
アルキルメタクリレート系重合体(B)がポリオレフィン系樹脂(A1)及びポリオレフィン系樹脂(A2)の合計100質量部に対して0.01〜20質量部含有されるカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物。 - アルキルメタクリレート系重合体(B)が、アルキルメタクリレート系重合体(B)のラテックスを凝固法又はスプレードライ法により粉体化して得られるものである請求項1又は2に記載のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のカレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物をカレンダー成形して成形品を得る方法。
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JP2008293118A JP2010120981A (ja) | 2008-11-17 | 2008-11-17 | カレンダー成形用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を得る方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2012046579A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 極性樹脂とポリオレフィン系樹脂用相容化剤、熱可塑性樹脂組成物及び成形体 |
-
2008
- 2008-11-17 JP JP2008293118A patent/JP2010120981A/ja active Pending
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