JP5308207B2 - 異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物及び異形押出成形品 - Google Patents
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Description
(1)アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量
アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量は、アルキルメタクリレート系重合体のテトラヒドロフラン(THF)可溶分を試料として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名;HLC−8220)、カラム(東ソー(株)製、商品名;TSK−GEL SUPER HZM−M)を用い、測定温度40℃、溶離液にTHFを使用し、標準ポリスチレンによる検量線から質量平均分子量を求めた。
(2)アルキルメタクリレート系重合体の質量平均粒子径
アルキルメタクリレート系重合体の質量平均粒子径は、ラテックスを脱イオン水で希釈したものを試料として、粒度分布計(米国Matec Applied Sciences社製、商品名;CHDF2000型)を用いて測定した。
(3)ポリオレフィン系樹脂組成物のMFR
ポリオレフィン系樹脂組成物のMFRはASTM D1238に準じて測定を行なった。荷重は2.16kgとし、測定温度は、樹脂組成物中のポリオレフィン系樹脂がプロピレン系ポリオレフィンの場合には230℃、エチレン系ポリオレフィンの場合には190℃とした。
(4)異形押出成形品の評価
(4a)異形押出成形品の作製
ポリオレフィン系樹脂組成物を押出成形機に投入し、以下の条件で異形押出成形と冷却を行なった。
(4b)異形押出成形品の表面状態の評価
上記で得た成形品の表面状態を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
○:成形品の表面に肌荒れ及びシワ等が無く、表面状態が良好である。
△:成形品の表面に肌荒れ及びシワ等が若干観察される。
×:成形品の表面に肌荒れ及びシワ等が観察される。
(4c)異形押出成形品の反りの評価
上記の成形品の作製において、真空サイジングダイで冷却した後に、500mmの長さで切断した成形品を別途作製し、この成形品を水平に静置した時の中央部と末端部の静置面からの高さの差を反りの量として測定し、以下の基準で反りの程度を評価した。
○:反りの量が5mm未満。
△:反りの量が5mm以上、10mm未満。
×:反りの量が10mm以上。
(4d)異形押出成形品の天面の凹み量の評価
上記の成形品の作製において、押出成形時の押出成形機に取り付けたダイから真空サイジングダイまでの距離を100mmとして成形して得られた成形品の天面(図1の肉厚が薄い部分(2))における樹脂の凹み(ドローダウン)量を測定した。
(5)成形品の荷重たわみ温度
ポリオレフィン系樹脂、アルキルメタクリレート系重合体、添加剤を混合し、二軸押出機((株)プラスチック工学研究所製)を用いて、バレル温度200℃、スクリュー回転数150rpmにて溶融混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを射出成形機(住友重機工業(株)製、商品名;SE−100DU)に供給し、射出温度190℃、金型温度80℃にて射出成形を行ない、ポリオレフィン系樹脂組成物の成形品(幅10mm×厚さ4mm×長さ12.7mm)を得た。80℃で16時間加熱しアニール処理を行なった後、得られた成形品の荷重たわみ温度をJIS K−7191に準じて、荷重0.45MPaの条件で測定した。
(製造例1) アルキルメタクリレート系重合体(B−1)の製造
下記の単量体混合物をホモミキサーを用いて10,000rpmで6分間攪拌し、乳化混合物を得た。
イソブチルメタクリレート 100部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
脱イオン水 300部
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、上記の乳化混合物を仕込み、容器内を窒素で置換した。次いで、内温を60℃まで昇温させて、過硫酸カリウム0.15部を加えた。その後、内温60℃で加熱攪拌を2時間継続して重合を終了し、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のラテックスを得た。アルキルメタクリレート系重合体(B−1)の質量平均分子量は300万、質量平均粒子径は147nmであった。
(製造例2〜7) アルキルメタクリレート系重合体(B−2)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)の製造
単量体種類、単量体量、開始剤量、連鎖移動剤量を表1に記載のように変更したこと以外は、製造例1と同様にして、アルキルメタクリレート系重合体(B−2)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)を得た。
iBMA:イソブチルメタクリレート
nBMA:n−ブチルメタクリレート
MMA :メチルメタクリレート
(製造例8) アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のマスターバッチ(M−1)の製造
製造例1で得たアルキルメタクリレート系重合体(B−1)25部及びポリプロピレンのペレット(日本ポリプロ(株)製、商品名;「ノバテックPP」EA7、MFR;1.2g/10分)75部を配合してハンドブレンドした。次いで、この配合物を二軸押出機(ドイツWerner&Pfleiderer社製、商品名;ZSK30)を用いて、バレル温度200℃及びスクリュー回転数200rpmで溶融混練して、ペレット状に賦形し、アルキルメタクリレート系重合体(B−1)のマスターバッチ(M−1)を得た。
[実施例1〜9及び比較例1〜4]
ポリオレフィン系樹脂として表2に示すポリプロピレンのペレット及びアルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−1)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)、マスターバッチ(M−1)又は三菱レイヨン(株)製メタブレンA−3000(商品名)(ポリテトラフルオロエチレンを含有する混合粉体)を表2に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価を実施した。評価結果を表2に示す。
FY6 :日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、商品名;「ノバテックPP」FY6
PP :ポリプロピレン
PiBMA :ポリイソブチルメタクリレート
PnBMA :ポリn−ブチルメタクリレート
PMMA :ポリメチルメタクリレート
PTFE :ポリテトラフルオロエチレン
A−3000:三菱レイヨン(株)製メタブレンA−3000(商品名)(PTFEを含有する混合粉体)
表2より、ポリプロピレンに本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善されたことが確認できる。
[実施例10〜12及び比較例5〜7]
ポリオレフィン系樹脂として表3に示すポリプロピレンのペレット及びアルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−1)を表3に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価を実施した。評価結果を表3に示す。
EA9 :日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、商品名;「ノバテックPP」EA9
FA3EB:日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、商品名;「ノバテックPP」FA3EB
表3より、種々のポリプロピレンを用いても、本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善されたことが確認できる。
[実施例13〜21及び比較例8〜9]
ポリオレフィン系樹脂として表4に示すポリエチレンのペレット及びアルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−1)〜(B−5)又はマスターバッチ(M−1)を表4に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価を実施した。評価結果を表4に示す。
5305E:(株)プライムポリマー製HDPE、商品名;「ハイゼックス」5305E
UR350:日本ポリエチレン(株)製LLDPE、商品名;「ノバテックPE」UR350
HDPE :高密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
表4より、種々のポリエチレンを用いても、本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善されたことが確認できる。
[実施例22〜26及び比較例10〜14]
ポリオレフィン系樹脂として表5に示すポリオレフィンのペレット、アルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−2)及び充填剤としてタルクを表5に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価を実施した。評価結果を表5に示す。
タルク1:日本タルク(株)製、商品名;「タルクMS」、レーザー回折法D50;14
表5より、ポリオレフィン系樹脂に充填剤を含有しても、本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善されたことが確認できる。特に、充填剤を含有することで、異形押出成形品の凹みがより改善されたことが確認できる。
[実施例27〜38及び比較例15〜19]
ポリオレフィン系樹脂として表6に示すポリプロピレンのペレット、アルキルメタクリレート系重合体としてアルキルメタクリレート系重合体(B−1)〜(B−5)、(B’−1)、(B’−2)、(M−1)、充填剤を表6に示す割合で配合し、得られた樹脂組成物を用いて、MFRの測定、異形押出成形品の評価、成形品の荷重たわみ温度の測定を実施した。評価結果を表6に示す。
FY4 :日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、商品名;「ノバテックPP」FY4、MFR;5.0g/10分
タルク2 :日本タルク(株)製、商品名;「ミクロエースP−6」
水酸化マグネシウム:神島化学工業(株)製、商品名;「マグシーズW−H5」
炭酸カルシウム :白石カルシウム(株)製、商品名;「白艶華CCR」
表6より、ポリオレフィン系樹脂に充填剤を含有しても、本発明のアルキルメタクリレート系重合体を配合することにより、異形押出成形品の表面状態、反り、凹みが改善され、更に、充填剤の分散性が改善されたため成形品の耐熱性が向上したことが確認できる。
(2):肉厚が薄い部分
(3):肉厚が厚い部分
(4):底面イ
(5):突起A
(6):突起B
(7):底面ロ
(8):突起C
Claims (4)
- アルキル基の炭素数が4のアルキルメタクリレート単位を50質量%以上含み、質量平均分子量が15万〜2,000万である異形押出用アルキルメタクリレート系重合体(B)粉体。
- ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、請求項1に記載の異形押出用アルキルメタクリレート系重合体(B)粉体0.01〜20質量部を配合した異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物。
- 請求項2に記載の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物に、更に充填剤が配合された異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物。
- 請求項2又は3に記載の異形押出用ポリオレフィン系樹脂組成物を異形押出成形して得られる異形押出成形品。
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