JP2011032454A - 分散性向上剤、熱可塑性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

分散性向上剤、熱可塑性樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の本来の性能である熱可塑性樹脂組成物の成形加工性を維持しつつ、成形体中のポリテトラフルオロエチレン成分の分散性を高め、優れた成形体の外観を与える、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の分散性向上剤を提供する。
【解決手段】炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)単位を主成分とするアルキルメタクリレート系重合体(A)を含むポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の分散性向上剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の分散性向上剤、該分散性向上剤、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物、並びに該熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体に関する。
ポリテトラフルオロエチレンは、高結晶性で分子間力が低いため、僅かな応力で繊維化する性質を有しており、熱可塑性樹脂に配合して混練した場合、ポリテトラフルオロエチレンの繊維化に伴って、成形加工性、機械特性が改良されることが知られている。
例えば、特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレンを熱可塑性樹脂に配合する熱可塑性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ポリテトラフルオロエチレンを直接熱可塑性樹脂に配合するため、ポリテトラフルオロエチレンの分散性が低く、成形体の外観に劣った。
上記問題を解決するため、特許文献2には、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを熱可塑性樹脂に配合する熱可塑性樹脂組成物が提案されている。変性していないポリテトラフルオロエチレンを用いたときと比べて成形体の外観は改善されたものの、高度化する成形外観要求を満たすには不充分であった。
特開平6−306212号公報 特開平11−124478号公報
本発明の目的は、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の本来の性能である熱可塑性樹脂組成物の成形加工性を維持しつつ、成形体中のポリテトラフルオロエチレン成分の分散性を高め、優れた成形体の外観を与える、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の分散性向上剤を提供することにある。
本発明は、炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)単位を主成分とするアルキルメタクリレート系重合体(A)を含むポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の分散性向上剤である。
また、本発明は、上記分散性向上剤、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物である。
また、本発明は、上記分散性向上剤、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤及び熱可塑性樹脂を配合する熱可塑性樹脂組成物の製造方法である。
更に、本発明は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体である。
本発明のポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の分散性向上剤を用いることで、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の本来の性能である熱可塑性樹脂組成物の成形加工性を維持しつつ、成形体中のポリテトラフルオロエチレン成分の分散性を高め、優れた成形体の外観を与える。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)は、炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)単位を主成分とする。
アルキルメタクリレート系重合体(A)は、全単量体単位100質量%中、炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)単位の含有率が50質量%以上であり、70質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましい。
炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)単位の含有率が50質量%以上であると、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性に優れる。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)は、炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)を主成分とする単量体成分(a)を重合することにより得られる。
炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)としては、例えば、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートが挙げられる。これらの炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)の中でも、分散性向上剤の粉体取扱性と熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性に優れることから、炭素数2〜6のアルキル基を有するアルキルメタクリレートが好ましく、炭素数4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートがより好ましく、i−ブチルメタクリレートが更に好ましい。
単量体成分(a)は、必要に応じて、炭素数が2以上のアルキルメタクリレート(a1)以外にも共重合可能なその他の単量体(a2)を含んでもよい。これらのその他の単量体(a2)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート等のアクリレート;メチルメタクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン単量体が挙げられる。これらのその他の単量体(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのその他の単量体(a2)の中でも、炭素数が2以上のアルキルメタクリレート(a1)との共重合性がよく、アルキルメタクリレート系重合体(A)の熱分解を抑制することから、アクリレートが好ましい。単量体成分(a)にアクリレートを含む場合のアクリレートの含有率としては、単量体成分(a)100質量%中、0.1〜15質量%であることが好ましい。
単量体成分(a)の組成比としては、炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)とその他の単量体(a2)の合計100質量%中、炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)が50質量%以上、その他の単量体(a2)が50質量%以下であることが好ましく、炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)が70質量%以上、その他の単量体(a2)が30質量%以下であることがより好ましく、炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)が85質量%以上、その他の単量体(a2)が15質量%以下であることが更に好ましい。
炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)が50質量%以上であると、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性に優れる。
その他の単量体(a2)が50質量%以下であると、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性に優れる。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)の重合方法としては、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、微細懸濁重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等の公知の重合方法が挙げられる。
これらの重合方法の中でも、分散性向上剤とポリテトラフルオロエチレン含有改質剤との配合が容易であることから、乳化重合、ソープフリー乳化重合であることが好ましく、乳化重合であることがより好ましい。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)を乳化重合、ソープフリー乳化重合等の粒子構造体を得ることができる重合方法を用いて重合する場合の粒子構造としては、単層構造であっても多層構造であってもよい。粒子構造が多層構造粒子の場合、製造コストの低減の観点から、3層構造以下であることが好ましい。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)を乳化重合により得る場合の乳化剤としては、公知の乳化剤を用いることができ、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、高分子乳化剤、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する反応性乳化剤が挙げられる。
アニオン性乳化剤としては、例えば、「ニューコール560SF」、「同562SF」、「同707SF」、「同707SN」、「同714SF」、「同723SF」、「同740SF」、「同2308SF」、「同2320SN」、「同1305SN」、「同271A」、「同271NH」、「同210」、「同220」、「同RA331」、「同RA332」(商品名、日本乳化剤(株)製)、「ラテムルB−118E」、「レベノールWZ」、「ネオペレックスG15」(商品名、花王(株)製)、「ハイテノールN08」(商品名、第一工業製薬(株)製)が挙げられる。
ノニオン性乳化剤としては、例えば、「ノニポール200」、「ニューポールPE−68」(商品名、三洋化成工業(株)製)が挙げられる。
高分子乳化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
反応性乳化剤としては、例えば、「Antox MS−60」、「同MS−2N」(商品名、日本乳化剤(株)製)、「エレミノールJS−2」(商品名、三洋化成工業(株)製)、「ラテムルS−120」、「同S−180」、「同S−180A」、「同PD−104」(花王(株)製)、「アデカリアソープSR−10」、「同SE−10」(商品名、(株)ADEKA製)、「アクアロンKH−05」、「同KH−10」、「同HS−10」(商品名、第一工業製薬(株)製)等の反応性アニオン乳化剤;「アデカリアソープNE−10」、「同ER−10」、「同NE−20」、「同ER−20」、「同NE−30」、「同ER−30」、「同NE−40」、「同ER−40」(商品名、(株)ADEKA製)、「アクアロンRN−10」、「同RN−20」、「同RN−30」、「同RN−50」(商品名、第一工業製薬(株)製)等の反応性ノニオン性乳化剤が挙げられる。
これらの乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)を得るための重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系化合物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ系化合物;2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}及びその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)及びその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)及びその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]及びその塩類等の水溶性アゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、乳化重合法にて重合を行う場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸塩等の還元剤を、上記ラジカル重合開始剤と組合せて用いることもできる。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)の回収方法としては、特に制限されるものではなく、重合方法に応じて適宜選択できる。例えば、アルキルメタクリレート系重合体(A)を乳化重合により得る場合のアルキルメタクリレート系重合体(A)のラテックスの回収方法としては、例えば、凝析法、スプレードライ法、遠心分離法、凍結乾燥法が挙げられる。
これらの回収方法の中でも、得られるアルキルメタクリレート系重合体(A)の粉体の均一性の観点から、凝析法、スプレードライ法であることが好ましい。
凝析法を用いてアルキルメタクリレート系重合体(A)の粉体回収を行う場合、アルキルメタクリレート系重合体(A)のラテックスを30〜90℃で凝析剤に接触させ、攪拌しながら凝析させてスラリーとし、脱水乾燥することで、アルキルメタクリレート系重合体(A)の粉体を回収することができる。凝析法における凝析剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸類;蟻酸、酢酸等の有機酸類;硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の無機塩類;酢酸カルシウム等の有機塩類が挙げられる。
スプレードライ法を用いてアルキルメタクリレート系重合体(A)の粉体回収を行う場合、アルキルメタクリレート系重合体(A)のラテックスを、入口温度120〜220℃、出口温度40〜90℃の条件で、スプレードライヤーにより噴霧乾燥することで、アルキルメタクリレート系重合体(A)の粉体を回収することができる。
スプレードライ法における出口温度としては、アルキルメタクリレート系重合体(A)の粉体の1次粒子への解砕性に優れることから、40〜80℃であることが好ましく、40〜70℃であることが更に好ましい。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)は、同一の重合体を単独で用いてもよく、組成、分子量、粒子径等の異なる重合体を2種以上併用してもよい。
本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)の質量平均分子量としては、1,000〜3,000,000であることが好ましく、3,000〜500,000であることがより好ましく、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性の観点から、5,000〜100,000であることが更に好ましく、10,000〜50,000であることが最も好ましい。
アルキルメタクリレート系重合体(A)の質量分子量が1,000以上であると、分散性向上剤の粉体取扱性に優れる。また、アルキルメタクリレート系重合体(A)の質量分子量が3,000,000以下であると、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性に優れる。
質量平均分子量の調整方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、開始剤量を調整する方法、連鎖移動剤量を調整する方法が挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物;α−メチルスチレンダイマーが挙げられる。
これらの連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の使用量としては、アルキルメタクリレート系重合体(A)の質量平均分子量、用いる連鎖移動剤の種類、単量体の構成比等に応じて適宜調整することができる。
本発明の分散性向上剤は、本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A)を含む。本発明の分散性向上剤は、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の熱可塑性樹脂への混合時のポリテトラフルオロエチレン成分の分散性を高める役割を果たす。
本発明の分散性向上剤は、必要に応じて、充填剤、難燃剤、安定化剤、滑剤、発泡剤等の添加剤を更に配合してもよい。添加剤としては、後述する本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合する添加剤と同様のものを用いることができる。
ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤は、ポリテトラフルオロエチレンを含み、ポリテトラフルオロエチレンの含有率、分子量、形態等は、特に制限されるものではない。ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤は、熱可塑性樹脂の成形加工性の向上、燃焼時のドリップ防止能付与等を目的として添加される改質剤である。
ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤としては、例えば、「メタブレンA−3000」、「同A−3700」、「同A−3750」、「同A―3800」(商品名、三菱レイヨン(株)製)、「ブレンデックス449」(商品名、ケムチュラ社製)等の変性ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
これらのポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の中でも、ポリテトラフルオロエチレンの分散性の観点から、「メタブレンA−3000」、「同A−3700」、「同A−3750」、「同A―3800」(商品名、三菱レイヨン(株)製)等のアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の分散性向上剤、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤及び熱可塑性樹脂を含む。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、顕著な成形加工性向上効果と高い分散性により得られる成形体の外観に優れることから、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン系単量体の単独重合体又はオレフィン系単量体を主成分とする共重合体をいう。オレフィン系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられる。オレフィン系単量体の単独重合体又はオレフィン系単量体を主成分とする共重合体の具体例としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、これらの混合樹脂が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における分散性向上剤の含有量は、熱可塑性樹脂及びポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の合計100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.2質量部〜5質量部であることが更に好ましい。
分散性向上剤の含有量が0.01質量部以上であると、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性に優れる。また、分散性向上剤の含有量が20質量部以下であると、熱可塑性樹脂の基本特性を変えることなく、ポリテトラフルオロエチレンの分散性を向上させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂及びポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の組成比としては、熱可塑性樹脂及びポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の合計100質量%中、熱可塑性樹脂が70〜99.95質量%、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤が0.05〜30質量%であることが好ましく、熱可塑性樹脂が80〜99.9質量%、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤が0.1〜20質量%であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂が70質量%以上であると、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性に優れる。また、熱可塑性樹脂が99.95質量%以下であると、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が向上する。
ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤が0.05質量%以上であると、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が向上する。また、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤が30質量%以下であると、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の配合方法としては、押出混練、ロール混練等の公知の溶融混練を用いることができる。
溶融混練方法としては、特に制限されるものではなく、本発明の分散性向上剤、ポリオテトラフルオロエチレン含有改質剤及び熱可塑性樹脂を同時に溶融混練してもよく、本発明の分散性向上剤及び熱可塑性樹脂を予め溶融混練した樹脂組成物に、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤を配合して溶融混練してもよい。
溶融混練温度としては、熱可塑性樹脂の種類に応じて、適宜設定することができる。熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合の溶融混練温度としては、160〜280℃であることが好ましく、180〜240℃であることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、難燃剤、安定化剤、滑剤、発泡剤等の添加剤を更に配合してもよい。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、ガラス繊維、炭素繊維、炭酸マグネシウム、マイカ、カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタンホワイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが挙げられる。
これらの充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、アルコキシ置換ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、「CR−733S」、「CR−741」、「PX−200」(商品名、大八化学工業(株)製)等のリン酸エステル化合物;テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、オクタブロモジフェニルエーテル、ビストリブロモフェノキシエタン、エチレンビステトラブロモフタイルイミド、トリブロモフェノール、ハロゲン化ビスフェノールAとエピハロヒドリンとの反応によって得られるハロゲン化エポキシオリゴマー、ハロゲン化ビスフェノールAを構成成分とするカーボネートオリゴマー、ハロゲン化ポリスチレン、塩素化ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有化合物;金属水酸化物;金属酸化物;スルファミン酸化合物が挙げられる。
これらの難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
安定化剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系酸化防止剤;トリス(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤;「チヌビン−770」(商品名、チバ・ジャパン(株)製)、「アデカスタブLA−57」(商品名、(株)ADEKA製)等のヒンダードアミン系光安定化剤、「チヌビン1577FF」(商品名、チバ・ジャパン(株)製)、「アデカスタブLA−32」(商品名、(株)ADEKA社製)等の紫外線吸収剤が挙げられる。
これらの安定化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
滑剤としては、例えば、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸又はステアリン酸のナトリウム、カルシウム又はマグネシウム塩が挙げられる。
これらの滑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡剤としては、無機発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤等の公知の発泡剤を用いることができる。
無機発泡剤としては、例えば、二酸化炭素、空気、窒素が挙げられる。
揮発性発泡剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素;シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素;トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、ジクロロテトラフロロエタン、メチルクロリド、エチルクロリド、メチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウムが挙げられる。
発泡剤の添加量としては、発泡剤の種類にもよるが、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜25質量部であることが好ましい。
これらの発泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の成形体は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる。
本発明の成形体の成形方法としては、公知の成形方法を用いることができ、例えば、押出成形、射出成形、カレンダー成形、ブロー成形、熱成形、発泡成形、溶融紡糸が挙げられる。
本発明の成形体は、光学シート等のシート材、食品フィルム等のフィルム材、自動車用部材、家電用部材、医療用部材、建築部材に好適である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中の「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を示す。
(1)質量平均分子量
アルキルメタクリレート系重合体(A)のテトラヒドロフラン可溶分を試料として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(機種名「HLC−8220」、東ソー(株)製)、カラム(商品名「TSK−GEL SUPER HZM−M」、東ソー(株)製)を用い、溶離液テトラヒドロフラン、測定温度40℃の条件で測定した。
尚、質量平均分子量は、標準ポリスチレンによる検量線から求めた。
(2)粉体取扱性
分散性向上剤を、8メッシュの篩を通過させ、通過した試料量を求め、以下の基準で粉体取扱性を評価した。
○:篩通過量が、80%以上
△:篩通過量が、50%以上80%未満
×:篩通過量が、50%未満
(3)溶融張力(成形加工性)
熱可塑性樹脂組成物を、キャピラリー式レオメーター(機種名「ツインキャピラリーレオメーター RH−7型」、ROSAND社製)を用いて、ダイスはφ1mm、L/D=16、温度190℃の条件で、一定量(0.54cm/分)で押出し、ストランドを一定速度(3m/分)で引き取った。
熱可塑性樹脂組成物の溶融張力は、熱成形性、ブロー成形性、発泡成形性等の成形加工性を判断する指標の1つであり、溶融張力の向上は成形加工性の向上と見なし得る。
(4)表面凹凸数(外観)
成形体(フィルム)中に存在する異物の数を評価した。評価手順としては、目視でフィルム10mの表面上に見られる凹凸に印を付け、印を付けた凹凸部を実体顕微鏡を用いて観察し、ポリテトラフルオロエチレンの凝集物由来の凹凸のみをカウントし、1mあたりの異物の数の平均値を求めた。
尚、赤外吸収スペクトル測定により、凹凸がポリテトラフルオロエチレンの凝集物由来であるか確認することができる。
成形体の表面凹凸数は、熱可塑性樹脂中でのポリテトラフルオロエチレンの分散性と成形体の表面外観を判断する指標の1つであり、成形体の表面凹凸数が少ないほどポリテトラフルオロエチレンの分散性と成形体の表面外観に優れる。
[製造例1]ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤(Z)の合成
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、分散媒としてイオン交換水230部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、硫酸第一鉄0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0006部、アスコルビン酸0.48部を仕込み、容器内を窒素置換した。次いで、内温を73℃まで昇温させ、重合触媒としてクメンヒドロパーオキシド0.2部、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタン1部、i−ブチルメタクリレート98部、n−ブチルアクリレート2部の単量体混合物を1時間かけて滴下し、更に同温で1時間保持して、アルキルメタクリレート系重合体ラテックスを得た。
次いで、ポリテトラフルオロエチレンラテックス(商品名「フルオンAD 939L」、旭硝子(株)製、固形分60質量%)165部を滴下し、1時間攪拌した。得られたラテックスを25℃まで冷却後、硫酸アルミニウム0.35部を含む80℃の温水750部中に滴下した後、90℃まで昇温させて凝析させた。得られた凝析物を分離洗浄後、60℃で12時間乾燥させてポリテトラフルオロエチレン含有改質剤(Z)を得た。
[実施例1]
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、分散媒としてイオン交換水225部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、硫酸第一鉄0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0006部、アスコルビン酸0.48部を仕込み、容器内を窒素置換した。次いで、内温を73℃まで昇温させ、重合触媒としてクメンヒドロパーオキシド0.2部、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタン1部、i−ブチルメタクリレート98部、n−ブチルアクリレート2部の単量体混合物を1時間かけて滴下し、更に同温で1時間保持して、アルキルメタクリレート系重合体(A1)ラテックスを得た。
得られたラテックスを25℃まで冷却後、酢酸カルシウム5部を含む70℃の温水500部中に滴下した後、90℃まで昇温させて凝析させた。得られた凝析物を分離洗浄後、60℃で12時間乾燥させてアルキルメタクリレート系重合体(A1)を得た。得られたアルキルメタクリレート系重合体(A1)を分散性向上剤(1)とした。
[実施例2〜5、比較例1]
単量体混合物、連鎖移動剤量を表1記載の組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法で重合、回収を行い、アルキルメタクリレート系重合体(A2)〜(A5)、(A7)を得た。得られたアルキルメタクリレート系重合体(A2)〜(A5)、(A7)を分散性向上剤(2)〜(5)、(7)とした。
[実施例6]
分散媒としてイオン交換水225部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、2−エチルヘキシルメタクリレート80部、メチルメタクリレート18部、n−ブチルアクリレート2部の混合液をホモミキサーにて10,000rpmで2分間攪拌した後、ホモジナイザーに30MPaの圧力で2回通過させ、予備分散液を得た。この予備分散液に、重合触媒としてクメンヒドロパーオキシド0.2部、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタン1部を加え、十分に攪拌した後、温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに仕込み、60℃まで昇温させた。60℃に到達した時点で、イオン交換水2部に硫酸第一鉄0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0006部、アスコルビン酸0.48部を溶解させた溶液を添加し、重合を開始させ、60℃で2時間保持して、アルキルメタクリレート系重合体(A6)ラテックスを得た。
得られたラテックスを25℃まで冷却後、酢酸カルシウム5部を含む70℃の温水500部中に滴下した後、90℃まで昇温させて凝析させた。得られた凝析物を分離洗浄後、60℃で12時間乾燥させてアルキルメタクリレート系重合体(A6)を得た。得られたアルキルメタクリレート系重合体(A6)を分散性向上剤(6)とした。
アルキルメタクリレート系重合体(A1)〜(A7)の質量平均分子量及び分散性向上剤(1)〜(7)の粉体取扱性を、表1に示す。
Figure 2011032454
尚、表中の略号は、以下の化合物を示す。
i−BMA:i−ブチルメタクリレート
n−BMA:n−ブチルメタクリレート
EHMA :2−エチルヘキシルメタクリレート
MMA :メチルメタクリレート
n−BA :n−ブチルアクリレート
n−OM :n−オクチルメルカプタン
DBSNa:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
[実施例7]
熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂「ノバテック−PP FY−4」(商品名、日本ポリプロ(株)製、メルトフローレート:5g/10分)99.5部、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤として「メタブレンA−3000」(商品名、三菱レイヨン(株)製)0.5部、分散性向上剤(1)1部を配合し、ハンドブレンドで混合した。その後、φ30mm同方向二軸押出機(機種名「BT−30」、(株)プラスチック工学研究所製、L/D=30)にて、スクリュー回転数200rpm、シリンダー温度200℃の条件で押出成形し、熱可塑性樹脂組成物を得た。このようにして得た熱可塑性樹脂組成物について、上記方法により溶融張力を測定した。
得られた熱可塑性樹脂組成物を80℃で12時間乾燥させ、Tダイを取り付けた単軸押出機(機種名「GM−30」、(株)ジー・エム・エンジニアリング製、L/D=30)にて、スクリュー回転数20rpm、シリンダー温度200℃、Tダイ温度210℃の条件で、フィルム厚500μm、フィルム幅10cmになるように製膜し、成形体(フィルム)を得た。
[実施例8〜19、比較例2〜8、参考例1]
配合組成を表2〜4記載の組成に変更した以外は、実施例7と同様の方法で成形、製膜を行い、成形体を得た。
実施例8〜19、比較例2〜8、参考例1で得られた熱可塑性樹脂組成物の溶融張力及び成形体の表面凹凸数を、表2〜4に示す。
Figure 2011032454
Figure 2011032454
Figure 2011032454
尚、表中の略号は、以下の化合物、商品を示す。
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン
(X) :メタブレンA−3000(商品名、三菱レイヨン(株)製)
(Y) :メタブレンA−3800(商品名、三菱レイヨン(株)製)
(Z) :製造例1で合成したポリテトラフルオロエチレン含有改質剤(Z)
表2〜4から明らかなように、本発明のアルキルメタクリレート系重合体(A1)〜(A6)を含む分散性向上剤(1)〜(6)を配合した実施例7〜19において、得られる熱可塑性樹脂組成物の溶融張力及び得られる成形体の外観に優れた。
一方、本発明の分散性向上剤を含まない比較例3、6、8において、得られる成形体の外観に劣った。また、アルキル基の炭素数が本発明の範囲を外れるメチルメタクリレートを主成分とするアルキルメタクリレート系重合体(A7)を含む分散性向上剤(7)を配合した比較例2、5、7において、得られる成形体の外観に劣った。更に、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤と本発明の分散性向上剤を含まない比較例4、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤を含まない参考例1において、得られる熱可塑性樹脂組成物の溶融張力に劣った。
本発明の成形体は、光学シート等のシート材、食品フィルム等のフィルム材、自動車用部材、家電用部材、医療用部材、建築部材に好適である。

Claims (6)

  1. 炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)単位を主成分とするアルキルメタクリレート系重合体(A)を含むポリテトラフルオロエチレン含有改質剤の分散性向上剤。
  2. 炭素数が2以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a1)単位がi−ブチルメタクリレート単位である請求項1記載の分散性向上剤。
  3. アルキルメタクリレート系重合体(A)の質量平均分子量が5,000〜100,000である請求項1又は2記載の分散性向上剤。
  4. 請求項1〜3記載の分散性向上剤、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜3記載の分散性向上剤、ポリテトラフルオロエチレン含有改質剤及び熱可塑性樹脂を溶融混練する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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