JP2008514787A - 優れた耐プレートアウト性を有する樹脂組成物及び方法 - Google Patents

優れた耐プレートアウト性を有する樹脂組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、(i)不連続エラストマー相を硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされたゴム変性熱可塑性樹脂と、(ii)ガラスビーズ、フルオロポリマー、エチレンビス−ステアロアミド、1種以上の脂肪酸金属塩と1種以上のアミドとの混合物、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含むホモポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される2種以上の添加剤と、所望に応じて(iii)シリコーンオイル及び線状低密度ポリエチレンからなる群から選択される1種以上の添加剤とを含む組成物であって、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、190℃で測定した臨界剪断速度値が約50s−1超の組成物である。別の実施形態では、本発明は、ゴム変性熱可塑性樹脂を含有する組成物のプレートアウトの発生を低減又は防止する方法を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は前記組成物からなる物品を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加工時のプレートアウトの発生に対する耐性を向上した樹脂組成物に関する。特に、本発明は、不連続エラストマー相を硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされているゴム変性熱可塑性樹脂と、組成物の熱処理時のプレートアウトを低減又は防止するのに有効な添加剤とを含む組成物に関する。
アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)グラフトコポリマーは、押出加工を必要とする用途に使用する場合、通常、プレートアウト及びグロスラインといった深刻な表面問題を生じる。このような押出プロセスの具体例には、異形材、シート、管の押出や、代表的には押出物の寸法を正確に保つのに真空キャリブレーターを使用する他の同様のプロセスがある。キャリブレーターがかける真空が押出物のプレートアウト及びグロスラインに有意な影響を与えることがある。場合によっては、キャリブレーターの真空レベルが高いほど、プレートアウト及びグロスライン現象がより深刻になることが認められている。
プレートアウト及びグロスラインの問題は、メルトフラクチャー現象及び、例えば、キャリブレーターの表面とポリマー溶融物との摩擦やスクラッチによって起こると考えられる。押出プロセスの剪断速度がポリマーの臨界剪断速度を上回ると、ポリマー溶融物の流れが不安定になることがある。このような不安定な流れが存在すると、表面に凹凸が発生し、表面粗さが増加することがある。このような表面の荒れた溶融物が真空キャリブレーターに入ると、そこでは陰圧が溶融ポリマーを冷たい金属表面に吸い寄せるので、キャリブレーターとポリマー溶融物との摩擦やスクラッチ作用により、小さなゴム粒子などの材料がポリマー溶融物から引き出されて、プレートアウト現象が起こる恐れがある。同時に、キャリブレーター表面とポリマー溶融物との接触が押出物の幅方向で均一でないため、摩擦により押出物の幅方向の多数の点で光沢レベルが変動する。この光沢レベルの変動が完成品上にグロスラインとして認められる。したがって、押出プロセス後にプレートアウト及びグロスラインのない良好な外観が達成でき、しかも他の特性のバランスを適切に維持できる熱可塑性樹脂組成物が必要とされている。
米国特許第3671487号明細書 米国特許第3711575号明細書 米国特許第3723373号明細書 米国特許第3944631号明細書 米国特許第4579906号明細書 米国特許第4731414号明細書 米国特許第4831079号明細書 米国特許第5539036号明細書 米国特許第5679741号明細書 米国特許第5681875号明細書 米国特許第5883191号明細書 特開昭62−148556号公報 特開2001−131385号公報 特開2001−181470号公報
本発明者らは、加工時のプレートアウトの発生に対する耐性を向上し、しかも耐候性などの他の望ましい物性を維持できる新規組成物を発見した。一実施形態では、本発明は、(i)不連続エラストマー相を硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされているゴム変性熱可塑性樹脂と、(ii)ガラスビーズ、フルオロポリマー、エチレンビス−ステアロアミド、1種以上の脂肪酸金属塩と1種以上のアミドとの混合物、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含むホモポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される2種以上の添加剤と、所望に応じて(iii)シリコーンオイル及び線状低密度ポリエチレンからなる群から選択される1種以上の添加剤とを含む組成物であって、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、190℃で測定した臨界剪断速度値が約50s−1超である組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、ゴム変性熱可塑性樹脂を含む組成物のプレートアウトの発生を低減又は防止する方法を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、前記組成物からなる物品を提供する。
本発明の種々の他の特徴、観点及び利点は以下の説明と特許請求の範囲を参照することで、一層明らかになるであろう。
本明細書及び特許請求の範囲において、多数の用語に言及するが、その用語が次の意味を有するものと定義する。単数表現は、文脈上明らかにそうでない場合以外は、複数も含む。「所望の」又は「所望に応じて」は、後述する事象や状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、関連する説明は事象が起こった場合と事象が起こらなかった場合両方を包含する。用語「モノエチレン系不飽和」は、1分子当たりエチレン系不飽和の部位を1つ有することを意味する。用語「ポリエチレン系不飽和」は、1分子当たりエチレン系不飽和の部位を2つ以上有することを意味する。用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを総称し、例えば、用語「(メタ)アクリレートモノマー」は、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーを総称する。用語「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及びメタクリルアミドを総称する。
本発明の種々の実施形態で用いる用語「アルキル」は、炭素及び水素原子を含有するか、所望に応じて、炭素及び水素のほかに原子、例えば周期表の15、16及び17族から選択される原子を含有する、線状アルキル、分枝状アルキル、アラルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、トリシクロアルキル及びポリシクロアルキル基を意味する。アルキル基は飽和でも不飽和でもよく、例えば、ビニル又はアリルを含むこともある。用語「アルキル」はまた、アルコキシド基のアルキル部分を包含する。種々の実施形態では、直鎖及び分枝状アルキル基は炭素原子数1〜約32のものであり、具体例としては、C−C32アルキル(C−C32アルキル、C−C15シクロアルキル又はアリールから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい)、及びC−C32アルキルから選択される1つ以上の基で置換されていてもよいC−C15シクロアルキルを含むが、これらに限らない。特定の具体例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルがある。シクロアルキル及びビシクロアルキル基の具体例としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロヘプチル及びアダマンチルがあるが、これらに限らない。種々の実施形態では、アラルキル基は、炭素原子数7〜約14のものであり、これらには、ベンジル、フェニルブチル、フェニルプロピル及びフェニルエチルがあるが、これらに限らない。本発明の種々の実施形態で用いる用語「アリール」は、環炭素原子数6〜20の置換又は非置換アリール基を意味する。これらのアリール基の具体例としては、C−C32アルキル、C−C15シクロアルキル、アリール、及び周期表の15、16及び17族から選択される原子を含む官能基から選択される1つ以上の基で置換されていてもよいC−C20アリールがあるが、これらに限らない。アリール基の特定の具体例には、置換又は非置換フェニル、ビフェニル、トリル、ナフチル及びビナフチルがある。
本発明の組成物は、不連続エラストマー相を硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされているゴム変性熱可塑性樹脂を含む。ゴム変性熱可塑性樹脂には、グラフト用に1種以上のゴム基幹を使用する。ゴム基幹は組成物の不連続エラストマー相を構成する。ゴム基幹がグラフト可能なモノマーの少なくとも一部分によりグラフト化されるならば、ゴム基幹には特に制限はない。ある実施形態では、適当なゴム基幹は、ジメチルシロキサン/ブチルアクリレートゴム又はシリコーン/ブチルアクリレート複合ゴム;ポリオレフィンゴム、例えばエチレン−プロピレンゴム又はエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴム;又はシリコーンゴムポリマー、例えばポリメチルシロキサンゴムを含む。ゴム基幹は通常ガラス転移温度(Tg)が、一実施形態では25°C以下であり、別の実施形態では約0℃より低く、別の実施形態では約−20℃より低く、さらに別の実施形態では約−30℃より低い。本明細書中のポリマーのTgは、示差走査熱量測定法(DSC;加熱速度20℃/分、Tg値は変曲点で求める)により測定したポリマーのT値をいう。
一実施形態では、ゴム基幹は、C−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマー、及びこれらのモノマーの1種以上を含む混合物から選択される1種以上のモノエチレン系不飽和アルキル(メタ)アクリレートモノマーの周知の方法による重合によって誘導される。ここで用いる用語「Cx−Cy」は、特定の単位、例えば、化合物又は置換基に適用されたとき、このような単位当たりの炭素原子数がx個〜y個の炭素原子であることを意味する。例えば、「C−C12アルキル」は1つの基当たり炭素原子数1〜12の線状、分枝状又は環状アルキル置換基を意味する。適当なC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、限定するわけではないが、C−C12アルキルアクリレートモノマー、具体例には、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレート、並びに同様のC−C12アルキルメタクリレート、具体例には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート及びデシルメタクリレートがある。本発明の特定の実施形態では、ゴム基幹はn−ブチルアクリレートから誘導された構造単位を含む。
種々の実施形態では、ゴム基幹は、所望に応じて、1種以上のポリエチレン系不飽和モノマー、例えばゴム基幹を形成するのに使用したモノマーと共重合可能なものから誘導された構造単位を少量、例えば約5重量%まで含むこともできる。ポリエチレン系不飽和モノマーは、多くの場合、ゴム粒子の架橋を行ったり、グラフト用モノマーとの後の反応にゴム基幹中の「グラフト結合」部位を提供したり、その両方のために使用される。適当なポリエチレン系不飽和モノマーには、ブチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブテンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート、トリアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリシクロデカニルアルコールのアクリレート、及びこれらのモノマーの1種以上を含む混合物があるが、これらに限らない。特定の実施形態では、ゴム基幹はトリアリルシアヌレートから誘導された構造単位を含む。
ある実施形態では、ゴム基幹は、所望に応じて、少量の別の不飽和モノマー、例えばゴム基幹を形成するのに使用したモノマーと共重合可能なものから誘導された構造単位も含むことができる。特定の実施形態では、ゴム基幹は、所望に応じて(メタ)アクリレートモノマー、アルケニル芳香族モノマー及びモノエチレン系不飽和ニトリルモノマーから選択される1種以上のモノマーから誘導された構造単位を約25重量%まで含むことができる。適当な共重合可能な(メタ)アクリレートモノマーには、限定するわけではないが、C−C12アリール又はハロアリール置換アクリレート、C−C12アリール又はハロアリール置換メタクリレート又はこれらの混合物;モノエチレン系不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸;グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシC−C12アルキル(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチルメタクリレート;C−C12シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマー、例えばシクロヘキシルメタクリレート;(メタ)アクリルアミドモノマー、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、及びN−置換アクリルアミド又はN−置換メタクリルアミド;マレイミドモノマー、例えばマレイミド、N−アルキルマレイミド、N−アリールマレイミド、N−フェニルマレイミド及びハロアリール置換マレイミド;無水マレイン酸;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル及びビニルエステル、例えば酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルがある。適当なアルケニル芳香族モノマーとしては、限定するわけではないが、ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン及び芳香族環に1つ以上のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ又はハロ置換基がついた置換スチレン、具体的には、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、4−イソプロピルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルビニルトルエン、ビニルキシレン、トリメチルスチレン、ブチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、α−クロロスチレン、ジクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ブロモスチレン、α−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン及びメトキシスチレン(これらに限らない);及びビニル置換縮合芳香環構造、例えばビニルナフタレン及びビニルアントラセン;並びにビニル芳香族モノマーと、アクリロニトリル、エタクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリルのようなモノエチレン系不飽和ニトリルモノマーとの混合物がある。芳香環に複数の置換基をもつ置換スチレンも適当である。ここで用いる用語「モノエチレン系不飽和ニトリルモノマー」は、1分子当たり1つのニトリル基と1つのエチレン系不飽和部位を含む非環式化合物を意味し、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどがあるが、これらに限らない。
特定の実施形態では、ゴム基幹は、1種以上のC−C12アルキルアクリレートモノマーから誘導された繰り返し単位を含む。さらに別の特定の実施形態では、ゴム基幹は、1種以上のC−C12アルキルアクリレートモノマーから誘導された繰り返し単位、より好ましくはエチルアクリレート、ブチルアクリレート及びn−ヘキシルアクリレートから選択される1種以上のモノマーから誘導された繰り返し単位を40〜95重量%含む。
ゴム基幹はゴム変性熱可塑性樹脂中に、ゴム変性熱可塑性樹脂の重量に基づいて、一実施形態では約4重量%〜約94重量%の量、別の実施形態では約10重量%〜約80重量%の量、別の実施形態では約15重量%〜約80重量%の量、別の実施形態では約35重量%〜約80重量%の量、別の実施形態では約40重量%〜約80重量%の量、別の実施形態では約25重量%〜約60重量%の量、さらに別の実施形態では約40重量%〜約50重量%の量で存在することができる。別の実施形態では、ゴム基幹は、特定のゴム変性熱可塑性樹脂の重量に基づいて、約5重量%〜約50重量%の量、約8重量%〜約40重量%の量、又は約10重量%〜約30重量%の量でゴム変性熱可塑性樹脂中に存在することができる。
ゴム基幹(以下、グラフト後のゴム基幹と区別するために初期ゴム基幹と呼ぶことがある)の粒度分布は特に限定されない。ある実施形態では、初期ゴム基幹は、粒径が約50ナノメータ(nm)〜約1000nmの範囲にある、ブロードな、本質的に単一峰の粒度分布をもつことができる。別の実施形態では、初期ゴム基幹の平均粒度は、約100nm未満でもよい。さらに別の実施形態では、初期ゴム基幹の平均粒度が、約80nm〜約400nmの範囲でもよい。別の実施形態では、初期ゴム基幹の平均粒度は、約400nm超でもよい。さらに別の実施形態では、初期ゴム基幹の平均粒度が、約400nm〜約750nmの範囲でもよい。さらに別の実施形態では、初期ゴム基幹は、2つ以上の平均粒度分布をもつ異なる粒度の組み合わされた粒子を含む。特定の実施形態では、初期ゴム基幹は、平均粒度分布のそれぞれが約80nm〜約750nmの範囲にある異なる粒度の組み合わせを含む。別の特定の実施形態では、初期ゴム基幹は、片方が約80nm〜約400nmの範囲の平均粒度分布をもち、他方がブロードな、本質的に単一峰の平均粒度分布をもつ異なる粒度の組み合わせを含む。
ゴム基幹は、周知の方法、例えば、塊状、溶液又は乳化プロセスよって製造できるが、これらに限らない。一実施形態では、ゴム基幹を製造するのに、限定するわけではないが、ラジカル開始剤、例えばアゾニトリル開始剤、有機過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤又はレドックス開始剤系の存在下、所望に応じて、連鎖移動剤、例えばアルキルメルカプタンの存在下での水性乳化重合により、ゴム基幹の粒子を形成する。
ゴム変性熱可塑性樹脂の硬質熱可塑性樹脂相は、1種以上の熱可塑性ポリマーを含む。本発明の一実施形態では、モノマーをゴム基幹の存在下で重合して、硬質熱可塑性樹脂相を形成し、この時、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相に化学的にグラフトされる。ゴム基幹に化学的にグラフトされた硬質熱可塑性樹脂相の部分を、以下、グラフトコポリマーと呼ぶことがある。硬質熱可塑性樹脂相は、ガラス転移温度(Tg)が、一実施形態では、約25℃超、別の実施形態では90℃以上、さらに別の実施形態では、100℃以上である熱可塑性ポリマー又はコポリマーを含む。
特定の実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は、C−C12アルキル−(メタ)アクリレートモノマー、アリール−(メタ)アクリレートモノマー、アルケニル芳香族モノマー及びモノエチレン系不飽和ニトリルモノマーからなる群から選択される1種以上のモノマーから誘導された構造単位を有するポリマーを含む。適当なC−C12アルキル−(メタ)アクリレート及びアリール−(メタ)アクリレートモノマー、アルケニル芳香族モノマー及びモノエチレン系不飽和ニトリルモノマーには、ゴム基幹の説明で上に示したものが挙げられる。さらに、硬質熱可塑性樹脂相は、その相のTg限定条件を満たせば、所望に応じて、1種以上の別の共重合可能なモノマーから誘導された第3の繰り返し単位を約10重量%まで含んでもよい。
硬質熱可塑性樹脂相は、通常1種以上のアルケニル芳香族ポリマーを含む。アルケニル芳香族ポリマーは、1種以上のアルケニル芳香族モノマーから誘導された構造単位を約20重量%以上含むものが適当である。一実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は、1種以上のアルケニル芳香族モノマー及び1種以上のモノエチレン系不飽和ニトリルモノマーから誘導された構造単位を有するアルケニル芳香族ポリマーを含む。このようなアルケニル芳香族ポリマーの例としては、スチレン/アクリロニトリルコポリマー、α−メチルスチレン/アクリロニトリルコポリマー、又はα−メチルスチレン/スチレン/アクリロニトリルコポリマーがあるが、これらに限らない。別の特定の実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は、1種以上のアルケニル芳香族モノマーから誘導された構造単位、1種以上のモノエチレン系不飽和ニトリルモノマーから誘導された構造単位、及びC−C12アルキル−及びアリール−(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される1種以上のモノマーから誘導された構造単位を有するアルケニル芳香族ポリマーを含む。このようなアルケニル芳香族ポリマーの例としては、スチレン/アクリロニトリル/メチルメタクリレートコポリマー、α−メチルスチレン/アクリロニトリル/メチルメタクリレートコポリマー、及びα−メチルスチレン/スチレン/アクリロニトリル/メチルメタクリレートコポリマーがあるが、これらに限らない。適当なアルケニル芳香族ポリマーには、さらにスチレン/メチルメタクリレートコポリマー、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、スチレン/アクリロニトリル/無水マレイン酸コポリマー、及びスチレン/アクリロニトリル/アクリル酸コポリマーがある。これらのコポリマーは、単独で又は混合物として、硬質熱可塑性樹脂相に使用できる。
コポリマーの構造単位が1種以上のモノエチレン系不飽和ニトリルモノマーから誘導される場合、グラフトコポリマー及び硬質熱可塑性樹脂相からなるコポリマーを形成するのに添加するニトリルモノマーの量は、グラフトコポリマー及び硬質熱可塑性樹脂相からなるコポリマーを形成するのに添加するモノマーの総量に基づいて、一実施形態では約5重量%〜約40重量%の範囲、別の実施形態では約5重量%〜約30重量%の範囲、別の実施形態では約10重量%〜約30重量%の範囲、さらに別の実施形態では約15重量%〜約30重量%の範囲にすることができる。
コポリマーの構造単位が1種以上のC−C12アルキル−及びアリール−(メタ)アクリレートモノマーから誘導される場合、グラフトコポリマー及び硬質熱可塑性樹脂相からなるコポリマーを形成するのに添加する前記モノマーの量は、グラフトコポリマー及び硬質熱可塑性樹脂相からなるコポリマーを形成するのに添加するモノマーの総量に基づいて、一実施形態では約5重量%〜約50重量%の範囲、別の実施形態では約5重量%〜約45重量%の範囲、別の実施形態では約10重量%〜約35重量%の範囲、さらに別の実施形態では約15重量%〜約35重量%の範囲にすることができる。
ゴム基幹と硬質熱可塑性樹脂相を構成するモノマーとの間で起こるグラフトの量は、ゴム相の相対量及び組成によって変化する。一実施形態では、組成物中の硬質熱可塑性樹脂相の総量に基づいて、約10重量%超の硬質熱可塑性樹脂相がゴム基幹に化学的にグラフトされる。別の実施形態では、組成物中の硬質熱可塑性樹脂相の総量に基づいて、約15重量%超の硬質熱可塑性樹脂相がゴム基幹に化学的にグラフトされる。さらに別の実施形態では、組成物中の硬質熱可塑性樹脂相の総量に基づいて、約20重量%超の硬質熱可塑性樹脂相がゴム基幹に化学的にグラフトされる。特定の実施形態では、ゴム基幹に化学的にグラフトされている硬質熱可塑性樹脂相の量は、その組成物中の硬質熱可塑性樹脂相の総量に基づいて、約5重量%〜約90重量%、約10重量%〜約90重量%、約15重量%〜約85重量%、約15重量%〜約50重量%又は約20重量%〜約50重量%の範囲にすることができる。さらに別の実施形態では、約40重量%〜90重量%の硬質熱可塑性樹脂相が遊離している、つまり、グラフトされていない。
硬質熱可塑性樹脂相はゴム変性熱可塑性樹脂中に、ゴム変性熱可塑性樹脂の重量に基づいて、一実施形態では約85重量%〜約6重量%の量、別の実施形態では約65重量%〜約6重量%の量、別の実施形態では約60重量%〜約20重量%の量、別の実施形態では、約75重量%〜約40重量%の量、さらに別の実施形態では約60重量%〜約50重量%の量で存在することができる。別の実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は、ゴム変性熱可塑性樹脂の重量に基づいて、約90重量%〜約30重量%の範囲で存在できる。
硬質熱可塑性樹脂相は、ゴム基幹の存在下で重合するだけで、又は1種以上の別途合成した硬質熱可塑性ポリマーを、組成物を構成するゴム変性熱可塑性樹脂に添加することによって、又は両プロセスの組み合わせによって形成できる。ある実施形態では、別途合成した硬質熱可塑性ポリマーは、ゴム変性熱可塑性樹脂を構成する硬質熱可塑性樹脂相の構造単位と本質的に同一な構造単位を含む。特定の実施形態では、別途合成した硬質熱可塑性ポリマーは、スチレンとアクリロニトリル、α−メチルスチレンとアクリロニトリル、α−メチルスチレンとスチレンとアクリロニトリル、スチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレート、α−メチルスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレート、又はα−メチルスチレンとスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレートから誘導された構造単位を含む。別途合成した硬質熱可塑性ポリマーの少なくとも一部をゴム変性熱可塑性樹脂に添加する場合、前記別途合成した硬質熱可塑性ポリマーの添加量は、組成物中の樹脂成分の重量に基づいて、一実施形態では約5重量%〜約90重量%の範囲、別の実施形態では約5重量%〜約80重量%の範囲、別の実施形態では約10重量%〜約70重量%の範囲、別の実施形態では約15重量%〜約65重量%の範囲、さらに別の実施形態では約20重量%〜約65重量%の範囲である。それぞれ異なる平均粒度をもつ2種以上の異なるゴム基幹を重合反応で別々に使用して、硬質熱可塑性樹脂相を製造し、その後、その生成物を一緒にブレンドして、ゴム変性熱可塑性樹脂を製造してもよい。それぞれが異なる平均粒度の初期ゴム基幹をもつこのような生成物を一緒にブレンドする具体的実施形態では、前記基幹の比は、約90:10〜約10:90の範囲、又は約80:20〜約20:80の範囲、又は約70:30〜約30:70の範囲にすることができる。ある実施形態では、2種以上の粒度の初期ゴム基幹を含むこのようなブレンドにおいて、粒度の小さい方の初期ゴム基幹が主成分となる。
硬質熱可塑性樹脂相は、周知の方法、例えば塊状重合、乳化重合、懸濁重合、又はこれらの組み合わせによって製造でき、この時、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部が、ゴム相に存在する不飽和部位と反応することによって、ゴム相に化学結合、すなわち、「グラフト」される。グラフト反応は、バッチ、連続又は半連続法で行うことができる。代表的な方法には、米国特許第3944631号及び米国特許出願第08/962,458号(1997年10月31日出願)に教示された方法があるが、これに限らない。ゴム相中の不飽和部位は、例えばグラフト結合モノマーから誘導されたゴム構造単位中の残留不飽和部位として得ることができる。本発明のある実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相の形成と同時に起こるゴム基幹へのモノマーグラフトは、所望に応じて、1種以上の第1モノマーをゴム基幹にグラフトし、それに続いて第1モノマーとは異なる1種以上の第2モノマーをグラフトする複数の段階で行うことができる。ゴム基幹への段階的なモノマーグラフトの代表的な方法には、本出願人に譲渡された米国特許出願第10/748,394号(2003年12月30日出願)に教示されているものがあるが、これに限らない。
好ましい実施形態では、ゴム変性熱可塑性樹脂は、General Electric 社から登録商標GELOYにて製造販売されているようなASAグラフトコポリマー、好ましくはアクリレート変性アクリロニトリル−スチレン−アクリレートグラフトコポリマーである。ASAポリマー材料には、例えば、米国特許第3711575号に開示されているものがある。アクリロニトリル−スチレン−アクリレートグラフトコポリマーには、本出願人に譲渡された米国特許第4731414号及び同第4831079号に記載しているものがある。アクリレート−変性ASAを使用する本発明の実施形態では、ASA成分はさらに、硬質相、ゴム相又はその両方の一部として、C−C12アルキル−及びアリール−(メタ)アクリレートからなる群から選択されるモノマーから形成した追加のアクリレートグラフトを含む。このようなコポリマーを、アクリレート変性アクリロニトリル−スチレン−アクリレートグラフトコポリマー又はアクリレート変性ASAと呼ぶ。モノマーとしては、PMMA変性ASA(以下、MMA−ASAと称することもある)を形成するメチルメタクリレートが好ましい。
本発明の組成物はまた、1種以上の添加剤を含み、これらの添加剤は、単独又は併用で組成物の熱処理時のプレートアウトを低減又は防止するのに有効である。ある実施形態では、本発明の組成物はまた、1種以上の添加剤を含み、これらの添加剤は、単独又は併用でキャピラリーレオメトリーにより190℃又は210℃で測定する組成物の臨界剪断速度値を、前記1種以上の添加剤なしのときの臨界剪断速度値と比べて、増加するのに有効である。一般に、本発明の組成物に存在する前記1種以上の添加剤の量は、キャピラリーレオメトリーにより190℃又は210℃で測定する臨界歪速度値を、前記1種以上の添加剤なしのときの臨界歪速度値と比べて、増加するのに有効な量である。他の特定の実施形態では、本発明の組成物は、ガラスビーズ、フルオロポリマー、エチレンビス−ステアロアミド、1種以上の脂肪酸金属塩と1種以上のアミドとの混合物、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含むホモポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される2種以上の添加剤を含む。本発明の組成物に用いるのに適したガラスビーズは、中実でも、中空でもよく、所望に応じて表面処理してもよい。表面処理剤を使用する場合、ガラスビーズに適当な表面処理剤の具体例には、シランカップリング剤がある。特定の実施形態では、ガラスビーズの寸法は、約−μm〜約50μmの範囲、別の特定の実施形態では約1μm〜約20μmの範囲、さらに別の特定の実施形態では約1μm〜約10μmの範囲である。前記ガラスビーズは本発明の組成物中に、0phr〜約20phrの範囲の量で、又は0.1phr〜約4phrの範囲の量で、又は0.1phr〜約3phrの範囲の量で、又は0.5phr〜約2.5phrの範囲の量で存在できる(phr=樹脂100重量部当たりの重量部数)。ガラスビーズは、通常、入手しやすさやコストの面で好ましいが、その他の硬質の、本質的に球形の材料、例えば、セラミックビーズなども使用できる。
適当なフルオロポリマー及びこのようなフルオロポリマーの製造方法は周知であり、例えば、米国特許第3671487号及び同第3723373号に記載されている。適当なフルオロポリマーは、1種以上のフッ素化オレフィンモノマーから誘導された構造単位を含むホモポリマー及びコポリマーを含む。用語「フッ素化オレフィンモノマー」は、1つ以上のフッ素原子置換基を含むオレフィンモノマーを意味する。フッ素化オレフィンモノマーとしては、CF=CF、CHF=CF、CH=CF、CH=CHF、CClF=CF、CCl=CF、CClF=CClF、CHF=CCl、CH=CClF及びCCl=CClFなどのフルオロエチレン類、及びCFCF=CF、CFCF=CHF、CFCH=CF、CFCH=CH、CHFCF=CHF、CHFCH=CHF及びCHFCH=CHなどのフルオロプロピレン類が適当である。好ましい実施形態では、フッ素化オレフィンモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン又はヘキサフルオロプロピレンを1つ以上含む。適当なフッ素化オレフィンホモポリマーには、例えば、ポリ(テトラフルオロエチレン)及びポリ(ヘキサフルオロエチレン)がある。
フッ素化オレフィンコポリマーとしては、2種以上のフッ素化オレフィンコポリマーから誘導された構造単位を含むコポリマー、例えばポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン)、及び1種以上のフッ素化モノマー及び前記フッ素化モノマーと共重合可能な1種以上の非フッ素化モノエチレン系不飽和モノマーから誘導された構造単位を含むコポリマー、例えばポリ(テトラフルオロエチレン−エチレン−プロピレン)コポリマーが適当である。適当な非フッ素化モノエチレン系不飽和モノマーには、オレフィンモノマー類、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど、アクリレートモノマー類、例えばメチルメタクリレート、ブチルアクリレートなど、ビニルエーテル類、例えばシクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びビニルエステル類、例えば酢酸ビニル及びビニルバーサテートが挙げられる。特定の実施形態では、適当なフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロポリエーテル及びフルオロエラストマーを含む。特定の実施形態では、適当なフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロポリエーテル及びフルオロエラストマーを含む。他の特定の実施形態では、適当なフルオロポリマーは粒子状又は繊維状である。別の特定の実施形態では、適当なフルオロポリマーは、粒度が電子顕微鏡で測定して約50nm〜約500nmの範囲にある粒子状である。
ポリテトラフルオロエチレンを用いる場合、代表的には、ゴム変性熱可塑性樹脂中に、一実施形態では約0.1phr〜約4phrの範囲、別の実施形態では約0.2phr〜約3phrの範囲の量存在する。ペルフルオロポリエーテル又はフルオロエラストマーを用いる場合、代表的には、ゴム変性熱可塑性樹脂中に、一実施形態では約100〜約5000ppmの範囲、別の実施形態では約100〜約2000ppmの範囲、さらに他の実施形態では約200〜約1000ppmの範囲のレベルで存在する。
フルオロポリマーを熱可塑性樹脂組成物に直接練りこむのは困難なことがあるので、ある実施形態では、フルオロポリマー、例えばラテックスの形態のフルオロポリマーを第2のポリマー、例えば、限定するわけではないが、アルケニル芳香族ポリマー、スチレン−アクリロニトリル樹脂又はポリオレフィンなどの本発明の組成物の樹脂成分と適当な方法で予めブレンドすることができる。例えば、米国特許第4579906号に開示されているように、PTFEフルオロポリマーの水性分散液及び水性スチレン−アクリロニトリル樹脂エマルジョンを沈殿させて、フルオロポリマー濃縮物を形成し、次いで乾燥してPTFE−熱可塑性樹脂粉末を得ることができる。フルオロポリマーマスターバッチを形成する他の適当な方法が、例えば、米国特許第5539036号、同第5679741号及び同第5681875号に開示されている。特定の実施形態では、フルオロポリマーマスターバッチは、PTFEを約30重量%〜約70重量%の範囲、好ましくは約40重量%〜約60重量%の範囲の量含有し、残部が第2ポリマーからなる。別の特定の実施形態では、フルオロポリマーマスターバッチは、フルオロエラストマーを約1重量%〜約6重量%の範囲、好ましくは約1重量%〜約5重量%の範囲の量含有し、残部が第2ポリマーからなる。
別の実施形態では、フルオロポリマー添加剤を製造するには、1種以上のモノエチレン系不飽和モノマーを水性フルオロポリマー分散液の存在下で乳化重合して、フルオロポリマーの存在下で第2ポリマーを形成する。適当なモノエチレン系不飽和モノマーは上で開示した通りである。次に、例えば硫酸の添加により、エマルジョンを沈殿させる。沈殿物を、例えば遠心分離により脱水し、次いで乾燥してフルオロポリマー及び関連する第2ポリマーからなるフルオロポリマー添加剤を形成する。乾燥した乳化重合フルオロポリマー添加剤はさらさらの粉末の形態である。
特定の実施形態では、フルオロポリマーとしては、DYNAMAR FX5911及びDYNAMAR FX9613(3M社から販売)、FLUOROGUARD PRO及びFLUOROGUARD PCA(DuPont社から販売)、ZONYL MP1300及びZONYL MP1000(DuPont社から販売)、並びにPOLYMIST F−5A及びTECNOFLON N/M(Solvay Solexis社から販売)が適当である。
本発明の組成物は少なくとも1種の脂肪酸金属塩と少なくとも1種のアミドの混合物を含有してもよい。脂肪酸は通常16〜18個の炭素原子を含む。代表的な例には、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸及びこれらの混合物がある。好適な実施形態では、脂肪酸はステアリン酸を含む。脂肪酸混合物はさらに、9,12−リノール酸、9,11−リノール酸(共役リノール酸)、ピノレン酸、パルミトレイン酸、マガル酸、オクタデカン二酸、オクダデカン三酸などを含有することができる。脂肪酸混合物は、少量のロジン酸を含有してもよい。具体的なロジン酸には、トール油脂肪酸混合物に通常見出されるものがあり、具体的にはアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、パルストリン酸/レボピマル酸、ピマル酸、テトラヒドロアビエチン酸、イソピマル酸、ネオアビエチン酸などがあるが、これらに限らない。適当な金属塩には、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛を含む塩及びこれらの混合物がある。ある実施形態では、適当なアミドにはC−C18カルボン酸及びヒドロキシ置換アミンから誘導されたものがある。混合物中の脂肪酸金属塩対アミド成分の比は、本発明の組成物におけるプレートアウトの低減を実現するのに有効な比である。少なくとも1種の脂肪酸金属塩と少なくとも1種のアミドの混合物は、個々の成分を混合することにより製造すればよい。本発明の組成物に用いるのに適当な市販の混合物として、Struktol Company of America(米国オハイオ州ストウ所在)から市販のもの、具体的にはSTRUKTOL TR251、STRUKTOL TR255、STRUKTOL TR071及びSTRUKTOL TR016などがある。種々の実施形態において、本発明の組成物中の前記混合物の量は、0phr〜約5phrの範囲、約0.2phr〜約4phrの範囲、約0.5phr〜約4phrの範囲、又は約1phr〜約3phrの範囲とすることができる。
少なくとも1種のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含むホモポリマーを、本明細書で、「アクリルポリマー」ということがある。前記ホモポリマーに用いるのに適当なC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、前述したC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む。特定の実施形態では、適当なC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーとして、C−C12アルキルアクリレートモノマー、具体的には、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレート、及び同様のC−C12アルキルメタクリレートモノマー、具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート及びデシルメタクリレートが挙げられるが、これらに限らない。特定の実施形態では、ホモポリマーはメチルメタクリレートから誘導された構造単位を含む(このポリマーはポリ(メチルメタクリレート)、即ちPMMAとして知られる)。ホモポリマーが存在する場合、本発明の組成物中でのホモポリマーの量は、組成物中の樹脂成分の重量に基づいて、一実施形態では約5重量%〜約40重量%の範囲、別の実施形態では約10重量%〜約40重量%の範囲、他の実施形態では約15重量%〜約35重量%の範囲とすることができる。
本発明の組成物は、所望に応じて、シリコーンオイル及び線状低密度ポリエチレンからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有してもよい。本発明の組成物に用いるのに適当なシリコーンオイルには、粘度が一実施形態では約0.1〜約10パスカル−秒(Pa・s)の範囲、別の実施形態では約0.1〜約2Pa・sの範囲、他の実施形態では約0.5〜約1.5Pa・sの範囲にあるものがある。シリコーンオイルは、例えば、General Electric社、Wacker Silicones社及びDow Corning社から入手できる。特定の実施形態では、適当なシリコーンオイルはポリジメチルシロキサンを含有する。前記シリコーンオイルは本発明の組成物中に0phr〜約1phrの範囲の量、0.05phr〜約0.5phrの範囲の量、又は0.05phr〜約0.25phrの範囲の量存在することができる。
適当な線状低密度ポリエチレン添加剤は、多数の供給元から入手でき、そのメルトインデックス及び密度は当業者が面倒な実験なしに測定することができる。特定の実施形態では、適当な線状低密度ポリエチレン添加剤は、本発明の組成物に有利な特性、例えば優れた流れ特性及び/又は抑制されたプレートアウト(これらに限らない)を付与するのに有効な特性を有する。前記線状低密度ポリエチレンは、本発明の組成物中に、0phr〜約8phrの範囲の量、0.1phr〜約4phrの範囲の量、0.1phr〜約3phrの範囲の量、又は0.5phr〜約2.5phrの範囲の量存在することができる。
本発明の組成物は、所望に応じて、当業界で周知の添加剤を含有してもよく、かかる添加剤には、安定剤、例えば色安定剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤及び紫外線吸収剤;難燃剤、ドリップ防止剤、滑剤、流れ促進剤及び他の加工助剤;可塑剤、帯電防止剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、充填剤、及び着色剤、例えば有機、無機又は有機金属いずれでもよい染料及び顔料、並びに同様の添加剤がある。具体的な添加剤としては、シリカ、シリケート類、ゼオライト、二酸化チタン、石粉、ガラス繊維又は球、炭素繊維、カーボンブラック、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、リトポン、酸化亜鉛、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、珪藻土、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、粉砕石英、クレイ、カ焼クレイ、タルク、カオリン、アスベスト、セルロース、木粉、コルク、木綿及び合成繊維、特に補強充填剤、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びアルミニウムフレークなどの金属フレークが挙げられるが、これらに限らない。しばしば、2種以上の添加剤を本発明の組成物に添加し、また実施形態によっては、1つのタイプの添加剤を2つ以上添加する。特定の実施形態では、組成物はさらに、着色剤、染料、顔料、滑剤、安定剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、充填剤及びこれらの混合物からなる群から選択される添加剤を含有する。
本発明の組成物及びそれから製造した物品は、既知の熱可塑性樹脂加工法で製造することができる。ここで使用できる既知の熱可塑性樹脂加工方法には、押出、カレンダー加工、混練、異形押出、シート押出、同時押出、成形(モールディング)、押出吹込成形、熱成形、射出成形、同時射出成形、及び回転成形があるが、これらに限らない。本発明は、さらに、前記物品に追加の加工、例えば、絵付成形(金型内成形)、ペイントオーブンでの焼成、表面エッチング、積層及び/又は熱成形などを行うことを想定している。特定の実施形態では、本発明の組成物は、溶融物と金属表面との間に摩擦が生じるおそれのある、またしたがって溶融物の耐摩耗性が望ましい用途で加工することができる。特定の実施形態では、本発明の組成物は、プレートアウトが起こるおそれのある用途で加工することができる。好適な実施形態では、本発明の組成物は、異形押出プロセスに使用する。他の特定の実施形態では、本発明の組成物は、通常の生産速度のキャリブレータを設けた普通の押出ラインを用いて、押し出して、外観の優れたシート、パイプ又は異形品を製造することができる。
本発明の組成物は、臨界剪断速度の値が良好であり、その結果、組成物の流れが一層安定になり、熱加工中の耐プレートアウト性が改良されると考えられる。臨界剪断速度の良好な値は、ある実施形態では、ゴム変性熱可塑性樹脂と必須添加剤の1つ以上との比を調節することにより実現することができる。最適な比は、当業者が面倒な実験なしに簡単に求めることができる。特定の実施形態では、本発明の組成物は、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーター(毛管式粘度計)を用いて190℃で測定した臨界剪断速度が、一実施形態では約50s−1超、別の実施形態では約60s−1超、他の実施形態では約70s−1超、他の実施形態では約80s−1超、他の実施形態では約90s−1超、さらに他の実施形態では約100s−1超である。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて210℃で測定した臨界剪断速度が、一実施形態では約150s−1超、別の実施形態では約200s−1超、他の実施形態では約300s−1超、他の実施形態では約400s−1超、他の実施形態では約500s−1超、他の実施形態では約600s−1超、さらに他の実施形態では約700s−1超である。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、真空キャリブレータの存在下での押出中に優れた耐プレートアウト性を示す。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、異形押出中に優れた耐プレートアウト性を示す。
本発明の組成物は、高い値のノッチ付きアイゾッド衝撃強さ(NII)を必要とする用途に用いるのに適当である。本発明の組成物から成形した成形品は、ISO180に準じて室温で測定したNII値が、特定の実施形態では約5キロジュール/平方メートル(kJ/m)超、別の特定の実施形態では約6kJ/m超、他の特定の実施形態では約7kJ/m超、さらに他の特定の実施形態では約8kJ/m超である。別の特定の実施形態では、異形押出品が、前記範囲内のノッチ付きアイゾッド衝撃強さ値を示す。本発明の組成物は粉砕再生(リグラインド)樹脂成分を含有してもよい。
本発明の組成物は有用な物品に形成することができる。ある実施形態では、物品は一体物品である。一体物品の具体例には、本質的に本発明の組成物のみからなる異形品がある。さらに他の実施形態では、物品は、少なくとも1層が本発明の組成物からなる多層物品を含む。種々の実施形態において、多層物品は、本発明の組成物を含むキャップ層と、このキャップ層とは異なる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む基体層とを含むことができる。特定の実施形態では、前記基体層は、アクリルポリマー、PMMA、ゴム変性アクリルポリマー、ゴム変性PMMA、ASA、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、ポリカーボネート(PC)、及びこれらの材料の少なくとも1つを含む混合物(例えば、ASAとPCの混合物、ABSとPCの混合物、ABSとアクリルポリマーの混合物、ABSとPMMAの混合物など)の少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、PCは本質的にビスフェノールAポリカーボネートのみからなる。さらに、ある実施形態では、前記多層物品は、基体層少なくとも1層と、前記基体層及び前記キャップ層間のタイ層少なくとも1層とを含むことができる。基体層に適当な樹脂の追加の具体例には、ポリエステル類、例えばポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(アルキレンナフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(ブチレンナフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)、ポリアリーレート、レゾルシノール及びイソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導された構造単位を有するポリアリーレート、ポリエステルカーボネート、ビスフェノールA、炭酸及びイソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導された構造単位を有するポリエステルカーボネート、レゾルシノール、炭酸及びイソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導された構造単位を有するポリエステルカーボネート、並びにビスフェノールA、レゾルシノール、炭酸及びイソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導された構造単位を有するポリエステルカーボネートが挙げられる。基体層に適当な樹脂の追加の具体例には、芳香族ポリエーテル類、例えばポリアリーレンエーテルホモポリマー及びコポリマー、例えば2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を、所望に応じて2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と組み合わせて含むポリマー;ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン;ポリアリーレンスルフィド及びスルホン、例えばポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、及びポリフェニレンスルフィドとポリフェニレンスルホンとのコポリマー;ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びポリ( −アミノカプロアミド);ポリオレフィンホモポリマー及びコポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレン及びプロピレンの少なくとも1つを含有するコポリマー;ポリアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、SURLYNなどのポリ(エチレン−コ−アクリレート);ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−コ−無水マレイン酸);上記樹脂の任意の1つ以上を含有する相溶化ブレンド、例えば熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリスチレン、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリアミド、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリエステル、ポリ(ブチレンテレフタレート)−ポリカーボネート、ポリ(エチレンテレフタレート)−ポリカーボネート、ポリカーボネート−ポリエーテルイミド、及びポリエステル−ポリエーテルイミドが挙げられる。適当な基体層は粉砕再生(リサイクル)熱可塑性樹脂を含有してもよい。
本発明の組成物からなるキャップ層を含む多層物品は、このキャップ層なしの同様の物品と比較して、優れた耐候性を示す。本発明の組成物を含有する物品の用途には、シート、パイプキャップ材、中空チューブ、中実丸素材、正方形断面素材などがあるが、これらに限らない。もっと複雑な形状も製造でき、例えば建築及び土木用途に用いる物品、特に窓枠、サッシドア枠、プライシングチャンネル、コーナーガード、家屋サイディング、樋、溝、手すり、縦樋、フェンス支柱なども製造できる。
これ以上説明しなくても、当業者であれば、以上の説明を読めば、本発明を十分に利用できると考えられる。以下の実施例は、本発明を実施する上での指針を当業者にさらに提示するためのものである。実施例は、本発明の教示内容に貢献した開発実験の代表例にすぎない。したがって、これらの実施例はいかなる意味でも特許請求の範囲に規定された本発明を限定するものではない。
以下の実施例では、樹脂成分は重量%で表す。非樹脂成分は樹脂100重量部当たりの重量部数(phr)で表す。光沢(グロス)は、ASTM D523に従って、試験品の長さ方向の5ヶ所で試験品の幅方向に10ヶ所の測定をして求めた。光沢レベル値は、測定結果50個の平均として示す。光沢の均一性は、試験品に沿ったグロスラインの長さ方向の5ヶ所で、試験品の幅方向に10ヶ所の光沢値を測定し、次いでその標準偏差を計算して求めた。光沢の均一性は標準偏差値5個の平均として報告する。光沢の均一性の値が小さいほど、試験品表面が所望通りより均一であることを意味する。ノッチ付きアイゾット衝撃強さ(NII)値(単位kJ/m)は、ISO180に従って求めた。引張弾性率値(MPa)及び引張強さ値(MPa)はISO527に従って求めた。曲げ強さ値(MPa)及び曲げ弾性率値(MPa)は、ISO178に従って求めた。HDT値(℃)はISO179に従って求めた。成形試験品上のプレートアウトは、試験品表面を目視で観察することによって求めた。プレートアウトが目視されないとき、試験品表面を布で拭き、その布にプレートアウトの付着物がないか調べた。表中の「なし」という表記は試験品を拭くのに使用した布に、プレートアウト付着物が認められなかったことを意味する。「目視されない」という表記は、プレートアウト付着物が成形試験品の表面には認められないが、試験品を布で拭くと、布に微量のプレートアウト付着物が認められたことを意味する。
実施例1〜2及び比較例1〜2
組成物を配合し、次いでPVC異形材押出試験品上にキャップ層として同時押出した。試験品をプレートアウト及び光沢性能について評価した。結果を表に示す。組成成分を表1に示す。ASAは、スチレン37.5重量%、アクリロニトリル18重量%及びブチルアクリレート約44.5重量%から誘導された構造単位を含むコポリマーであった。使用した3種類のSANは、SAN−1、すなわちスチレン75重量%とアクリロニトリル25重量%からなるコポリマー;SAN−2、すなわち塊状重合プロセスで製造した、重量平均分子量(Mw)が約100,000である、スチレン72重量%とアクリロニトリル28重量%からなるコポリマー;及びSAN−3、すなわち塊状重合プロセスで製造した、Mwが約160,000〜約180,000の範囲にある、スチレン72重量%とアクリロニトリル28重量%からなるコポリマーであった。組成物はすべてエチレンビス−ステアロアミド(EBS)ワックス1phrと、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤及び含リン安定剤の混合物1.4phrとを含有した。成形試験品は添加剤なし組成物からも製造した。これら試験品のレオロジー及び機械的特性も表に示す。臨界剪断速度値(単位s−1)は、直径1mm、長さ10mmのキャピラリーレオメーターを用いて190℃又は210℃で求めた。
Figure 2008514787
比較例1及び2は押出グレードのASAの試料を表す。比較例1及び2の臨界剪断速度値は非常に小さく、前記組成物を含む試験品はプレートアウトが極めて多い。本発明の組成物を代表する実施例1及び2では、比較例に比べて、臨界剪断速度値は大きく、試験品のプレートアウト発生は大幅に低減されている。実施例1の光沢はプレートアウト現象と同様な傾向を示した。臨界剪断速度値が大きくなると、光沢レベルが高くなり、光沢の均一性値は小さくなり、比較例1及び2の同様な値に比べて改善が顕著である。
実施例3〜6及び比較例3
組成物を配合し、次いでPVC異形材押出試験品上にキャップ層として同時押出した。試験品をプレートアウト及び光沢性能について評価した。結果を表に示す。組成成分を表2に示す。組成物はすべてEBSワックス1phrと、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤及び含リン安定剤(以下、「添加剤」と呼ぶ)の混合物1.4phrとを含有した。MMA−ASAは、メチルメタクリレート約11重量%、スチレン約30重量%、アクリロニトリル約14重量%及びブチルアクリレート約45重量%から誘導された構造単位を含むコポリマーであった。MMA−SANは、塊状重合プロセスで製造した、メチルメタクリレート35重量%、スチレン40重量%及びアクリロニトリル25重量%から誘導された構造単位を含むコポリマーであった。脂肪酸金属塩及びアミドの混合物は、Struktol Company of Americaから入手した組成物であるSTRUKTOL TR251(商標名)であった。成形試験品は添加剤なし組成物からも製造した。これら試験品のレオロジー、熱的及び機械的特性も表に示す。臨界剪断速度値(単位s−1)は、直径1mm、長さ10mmのキャピラリーレオメーターを用いて190℃で求めた。
Figure 2008514787
比較例3は押出グレードのASAの試料を表す。比較例3の臨界剪断速度値は非常に小さく、前記組成物を含む試験品はプレートアウトが極めて多い。本発明の組成物を代表する実施例3〜6では、比較例に比べて、臨界剪断速度値は大きく、試験品のプレートアウト発生は大幅に低減されている。実施例3〜6はまた、機械的特性にも優れており、異形材押出用途に特に適当である。
以上、本発明を代表的な実施形態について例示し、説明したが、本発明の要旨から逸脱することなく、種々の変更や置換が可能であり、本発明は上述した詳細に限定されるものではない。したがって、本発明のさらなる変更や均等物は、普通の実験のみで同業者が想起することができ、このような変更や均等物はすべて特許請求の範囲に規定された本発明の要旨に入るものとみなされる。上述した特許及び非特許文献はすべて本特許の先行技術として援用する。

Claims (42)

  1. (i)不連続エラストマー相を硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされているゴム変性熱可塑性樹脂と、(ii)ガラスビーズ、フルオロポリマー、エチレンビス−ステアロアミド、1種以上の脂肪酸金属塩と1種以上のアミドとの混合物、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含むホモポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される2種以上の添加剤と、所望に応じて(iii)シリコーンオイル及び線状低密度ポリエチレンからなる群から選択される1種以上の添加剤とを含む組成物であって、
    長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、190℃で測定した臨界剪断速度値が約50s−1超である、組成物。
  2. エラストマー相が、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を有するポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  3. エラストマー相が、ブチルアクリレートから誘導された構造単位を有するポリマーを含む、請求項2記載の組成物。
  4. エラストマー相のポリマーが、さらに1種以上のポリエチレン系不飽和モノマーから誘導された構造単位を含む、請求項3記載の組成物。
  5. 上記ポリエチレン系不飽和モノマーが、ブチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブテンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート、トリアリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリシクロデカニルアルコールのアクリレート及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項4記載の組成物。
  6. エラストマー相が、ゴム変性熱可塑性樹脂の約10重量%〜約80重量%を構成する、請求項1記載の組成物。
  7. エラストマー相が、ゴム変性熱可塑性樹脂の約35重量%〜約80重量%を構成する、請求項1記載の組成物。
  8. 上記組成物中の硬質熱可塑性樹脂相の総量に基づいて少なくとも約5重量%〜約90重量%の硬質熱可塑性樹脂相がエラストマー相に化学的にグラフトされている、請求項1記載の組成物。
  9. 硬質熱可塑性樹脂相が、ビニル芳香族モノマー、モノエチレン系不飽和ニトリルモノマー、C−C12アルキル−及びアリール−(メタ)アクリレートモノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のモノマーから誘導された構造単位を含む、請求項1記載の組成物。
  10. 硬質熱可塑性樹脂相が、スチレンとアクリロニトリル、又はスチレンとα−メチルスチレンとアクリロニトリル、又はスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレート、又はα−メチルスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレート、又はスチレンとα−メチルスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレートから誘導された構造単位を含む、請求項1記載の組成物。
  11. 硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部を別の重合工程で製造し、ゴム変性熱可塑性樹脂に添加する、請求項1記載の組成物。
  12. 上記の別の重合工程で製造した硬質熱可塑性樹脂相の部分がスチレン及びアクリロニトリルから誘導された構造単位を含む、請求項11記載の組成物。
  13. 上記の別の重合工程で製造した硬質熱可塑性樹脂相の部分がスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートから誘導された構造単位を含む、請求項11記載の組成物。
  14. 上記の別の重合工程で製造した硬質熱可塑性樹脂相の部分が、組成物中の樹脂成分の重量に基づいて、約5重量%〜約90重量%の量で存在する、請求項11記載の組成物。
  15. 上記添加剤が、ガラスビーズ、1種以上のフルオロポリマー、エチレンビス−ステアロアミド、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含む1種以上のホモポリマー、1種以上のシリコーンオイル、及び線状低密度ポリエチレンを含む、請求項1記載の組成物。
  16. 上記フルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項15記載の組成物。
  17. 上記ホモポリマーがポリ(メチルメタクリレート)を含む、請求項15記載の組成物。
  18. 上記添加剤が、1種以上のフルオロポリマー、エチレンビス−ステアロアミド、1種以上の脂肪酸金属塩と1種以上のアミドとの混合物、及び1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含むホモポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  19. 上記フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロポリエーテル及びフルオロエラストマーからなる群から選択される、請求項18記載の組成物。
  20. 上記ホモポリマーがポリ(メチルメタクリレート)を含む、請求項18記載の組成物。
  21. さらに、安定剤、色安定剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、難燃剤、ドリップ防止剤、滑剤、流れ促進剤、加工助剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、充填剤、着色剤、染料、顔料、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の添加剤を含む、請求項1記載の組成物。
  22. 成形試験品について、ISO180に従い、室温で測定したノッチ付きアイゾット衝撃強さの値が約6kJ/m超である、請求項1記載の組成物。
  23. 成形試験品について、ISO180に従い、室温で測定したノッチ付きアイゾット衝撃強さの値が約8kJ/m超である、請求項1記載の組成物。
  24. (i)ブチルアクリレートから誘導された構造単位を含む不連続エラストマー相を、スチレンとアクリロニトリル、又はスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレートから誘導された構造単位を含む硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされているゴム変性熱可塑性樹脂と、(ii)ガラスビーズ、1種以上のフルオロポリマー、エチレンビス−ステアロアミド、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含む1種以上のホモポリマー、シリコーンオイル、及び線状低密度ポリエチレンを含む添加剤とを含む組成物であって、
    長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、190℃で測定した臨界剪断速度値が約50s−1超である、組成物。
  25. 上記フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロポリエーテル及びフルオロエラストマーからなる群から選択される、請求項24記載の組成物。
  26. 上記ホモポリマーがポリ(メチルメタクリレート)を含む、請求項24記載の組成物。
  27. さらに、安定剤、色安定剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、難燃剤、ドリップ防止剤、滑剤、流れ促進剤、加工助剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、充填剤、着色剤、染料、顔料、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の添加剤を含む、請求項24記載の組成物。
  28. 長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、210℃で測定した臨界剪断速度値が約300s−1超である、請求項24記載の組成物。
  29. 成形試験品について、ISO180に従い、室温で測定したノッチ付きアイゾット衝撃強さの値が約6kJ/m超である、請求項24記載の組成物。
  30. ブチルアクリレートから誘導された構造単位を含む不連続エラストマー相を、スチレンとアクリロニトリル、又はスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレートから誘導された構造単位を含む硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされているゴム変性熱可塑性樹脂を含む組成物の押出時のプレートアウトを低減又は防止する方法であって、
    ガラスビーズ、1種以上のフルオロポリマー、エチレンビス−ステアロアミド、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含む1種以上のホモポリマー、シリコーンオイル、及び線状低密度ポリエチレンからなる群から選択される2種以上の添加剤を上記組成物に添加する工程を含む、方法。
  31. 上記組成物は、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、190℃で測定した臨界剪断速度値が約50s−1超である、請求項30記載の方法。
  32. 上記組成物は、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、210℃で測定した臨界剪断速度値が約300s−1超である、請求項30記載の方法。
  33. (i)ブチルアクリレートから誘導された構造単位を含む不連続エラストマー相を、スチレンとアクリロニトリル、又はスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレートから誘導された構造単位を含む硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされているゴム変性熱可塑性樹脂と、(ii)エチレンビス−ステアロアミド、1種以上のフルオロポリマー、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含む1種以上のホモポリマー、及び1種以上の脂肪酸金属塩と1種以上のアミドとの混合物を含む添加剤とを含む組成物であって、
    長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、190℃で測定した臨界剪断速度値が約50s−1超である、組成物。
  34. 上記フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロポリエーテル及びフルオロエラストマーからなる群から選択される、請求項33記載の組成物。
  35. 上記ホモポリマーがポリ(メチルメタクリレート)を含む、請求項33記載の組成物。
  36. さらに、安定剤、色安定剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、難燃剤、ドリップ防止剤、滑剤、流れ促進剤、加工助剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、充填剤、着色剤、染料、顔料、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の添加剤を含む、請求項33記載の組成物。
  37. 成形試験品について、ISO180に従い、室温で測定したノッチ付きアイゾット衝撃強さの値が約6kJ/m超である、請求項33記載の組成物。
  38. ブチルアクリレートから誘導された構造単位を含む不連続エラストマー相を、スチレンとアクリロニトリル、又はスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレートから誘導された構造単位を含む硬質熱可塑性樹脂相に分散してなるゴム変性熱可塑性樹脂であって、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部がエラストマー相にグラフトされているゴム変性熱可塑性樹脂を含む組成物の押出時のプレートアウトを低減又は防止する方法であって、
    エチレンビス−ステアロアミド、1種以上のフルオロポリマー、1種以上のC−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含む1種以上のホモポリマー、及び1種以上の脂肪酸金属塩と1種以上のアミドとの混合物からなる群から選択される2種以上の添加剤を前記組成物に添加する工程を含む、方法。
  39. 組成物は、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーレオメーターを用いて、190℃で測定した臨界剪断速度値が約50s−1超である、請求項38記載の方法。
  40. 請求項1記載の組成物からなる物品。
  41. 請求項24記載の組成物からなる物品。
  42. 請求項33記載の組成物からなる物品。
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