JPH11349784A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH11349784A
JPH11349784A JP16055898A JP16055898A JPH11349784A JP H11349784 A JPH11349784 A JP H11349784A JP 16055898 A JP16055898 A JP 16055898A JP 16055898 A JP16055898 A JP 16055898A JP H11349784 A JPH11349784 A JP H11349784A
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JP
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copolymer
resin composition
weight
thermoplastic resin
monomer
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JP16055898A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Kushida
祐一郎 櫛田
Susumu Ooka
進 大岡
Kazuhiro Kobayashi
和博 小林
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、異形押出用樹脂として従来
良く使われている塩ビ樹脂の代替を、ABS系熱可塑性
樹脂組成物で行うことを意図し、その為に特に従来AB
S系熱可塑性樹脂組成物の欠点とされていた耐ドローダ
ウン性を改良しようとするものである。 【解決手段】 ジエン系ゴム状重合体の存在下に、芳香
族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体等からなる単量
体混合物を重合して得られたグラフト共重合体(A)
と、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体等から
なる単量体混合物を重合することにより得られる共重合
体(B)を含有する樹脂組成物よりなり、かつ特定の温
度、歪速度、歪で、特定の伸長粘度を持つ熱可塑性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、強度、剛性、耐熱性、耐衝撃性に優れ、さらに、特
に耐ドローダウン性に優れているので、容易に異形押出
加工が出来るため、建築、家具用材料等として好適に使
用出来る異形押出成形用の熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建材特に窓枠、巾木、目地材、廻
し縁、棚板等には硬質塩化ビニル樹脂が主に用いられて
来ているが、軽量化、耐熱性、強度、環境面で問題があ
り代替材料が求められている。これらの建材用樹脂に求
められている軽量化、耐熱性、強度を満足する樹脂とし
てはABS樹脂がある。しかしながら、ABS樹脂は硬
質塩化ビニル樹脂に比べ耐熱性、軽量化、耐衝撃性に優
れているものの、成形時の溶融体の強さが小さくて異形
押出し成形時にドローダウン(成型品全体のダレや部分
的なダレ)しやすいことが欠点であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来主に用
いられている塩化ビニル樹脂の製品が有する欠点を克服
し、軽量であって耐衝撃性に優れ特に窓枠、巾木、目地
材等の異形押出成型品の製造に好適な熱可塑性樹脂組成
物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ABS樹
脂の異形押出成形時の全体的ダレや部分的ダレ、つまり
ドローダウンを防止するために熱可塑性樹脂組成物とし
て備えるべき条件につき鋭意検討した結果、射出成形が
せん断粘度で支配されるのに対し異形押出成形は伸長粘
度で支配され、ある範囲の伸長粘度を有する熱可塑性樹
脂組成物が耐ドローダウン性が良好で、かつ成型品の形
状、表面状況も良好となることを見いだしたものであ
る。つまりABS系熱可塑性樹脂組成物において、測定
温度=170℃、歪速度ε′=0.1secー1、歪ε=
0.5の時に、下式で定義される伸長粘度ηe が、ηe
=4×105 〜7×106 Pa・secを満足すること
により上記で述べた課題を解決したものである。
【0005】なお、本発明において、歪ε、歪速度
ε′、および伸長粘度ηe は以下の如く定義する。伸長
前の試料の長さをL0 、時間tにおける長さをL
(t)、および応力σとした時、 歪速度:ε´=(1/L(t))dL(t)/dt 歪:ε=ln(L(t)/L0) 伸長粘度:ηe =σ/ε′ で表される。
【0006】すなわち本発明は、ジエン系ゴム状重合体
の存在下で、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量
体および必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル
系単量体よりなる単量体混合物を重合して得られたグラ
フト共重合体(A)と、芳香族ビニル単量体、シアン化
ビニル単量体および必要に応じてこれらと共重合可能な
他のビニル系単量体を共重合してなる共重合体(B)と
を含有する樹脂組成物よりなり、かつこの樹脂組成物の
伸長粘度が測定温度170℃、歪速度が0.1se
ー1、歪が0.5のとき4×105 〜7×106 Pa・
secであることを満足することによって異形押出用に
適した熱可塑性樹脂組成物を見いだしたものである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に関わる熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体
(A)と共重合体(B)とを含有する樹脂組成物であ
る。まずグラフト共重合体(A)で使用されるジエン系
ゴム状重合体は、共役ジエン単量体の単独重合体または
共重合体、あるいは共役ジエン単量体と他の共重合可能
な単量体の共重合体である。
【0008】ここで述べる共役ジエン単量体とは、ブタ
ジエン、イソプレン、ジメチルブタジエンおよびクロロ
プレン等が挙げられる。
【0009】他の共重合可能な単量体とは、スチレン、
α−メチルスチレンおよびビニルトルエン等の芳香族ビ
ニル単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等
のシアン化ビニル単量体、並びにメチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタ
クリレートおよびエチルメタクリレート等の(メタ)ア
クリル酸エステル単量体等が挙げられる。
【0010】また、本発明に用いるジエン系ゴム重合体
は、架橋用単量体として多官能性ビニル単量体を共重合
した共重合体も用いることができる。
【0011】用いうる多官能性ビニル単量体としては、
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレー
ト、シアヌル酸トリアリル、アリルアクリレートおよび
ビニルアクリレート等が挙げられる。
【0012】共重合体(A)に用いられる芳香族ビニル
単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ジメチルスチレンおよびクロルスチレン等を挙げる
ことが出来る。また、シアン化ビニル単量体としては、
例えば、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等が挙
げられる。上記各単量体種は、単独または2種以上混合
して用いることが出来る。
【0013】また、必要に応じてこれらの単量体成分と
共重合可能なビニル系単量体としては、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸アミドおよびメタクリル酸アミド等が挙
げられる。
【0014】共重合体(A)のグラフト共重合体の製法
としては、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化
−懸濁重合法、塊状−懸濁重合法、乳化−塊状重合法等
の公知のグラフト重合の手法が可能である。特に、グラ
フト共重合体(A)を製造する方法は、乳化重合法が好
ましく、乳化重合で製造されたジエン系ゴム状重合体ラ
テックスの存在下に、芳香族ビニル単量体、シアン化ビ
ニル単量体および必要に応じてこれらと共重合可能な他
のビニル系単量体よりなる単量体混合物を乳化重合する
方法が一般的に行われる。
【0015】乳化重合する際には、乳化剤、重合開始
剤、必要に応じて連鎖移動剤を使用して行う。まず、乳
化重合に用いられる乳化剤としては、ステアリン酸ナト
リウムやオレイン酸カリウムのような脂肪酸石鹸、不均
化ロジン酸カリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムのような有機スルホン酸等が挙げられる。
【0016】重合開始剤としては、多官能性ラジカル開
始剤および硫酸第一鉄のような金属塩、ピロリン酸もし
くはエチレンジアミン4酢酸4ナトリウムのようなキレ
ート剤を併用するレドックス系が好ましい。また、重合
開始剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対して
0.05〜1.0重量部が好ましい。
【0017】連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメル
カプタン等のメルカプタン類、テルピノレン、α−メチ
ルスチレンダイマー等が挙げられる。
【0018】グラフト重合用の単量体混合物の添加方法
には、一括添加、一部分割添加および全グラフト重合用
単量体の連続分割添加等の方法がある。グラフト共重合
を効果的に行うためには、連続分割添加が好ましい。ま
た、重合温度は40〜90℃の範囲が好ましい。
【0019】グラフト共重合体(A)中に含まれるジエ
ン系ゴム状重合体と単量体混合物との組成比は、ジエン
系ゴム状重合体10〜60重量%であり、単量体混合物
40〜90重量%の範囲であることが好ましい。ジエン
系ゴム状重合体が10重量%未満では衝撃強度が低く、
60重量%を超えると成形性および剛性が低下し好まし
くない。
【0020】また、単量体混合物中の芳香族ビニル単量
体は、全単量体の50〜90重量%であることが好まし
く、50重量%未満では、芳香族ビニル化合物の特徴で
ある成形性および寸法安定性が損なわれる。
【0021】シアン化ビニル単量体は、全単量体の10
〜50重量%が好ましく、10重量%未満では、耐熱性
が低く、50重量%を超えると成形性が低下する。
【0022】グラフト共重合体(A)は、熱可塑性樹脂
組成物全体量に対して、20〜60重量%が好ましい。
20重量%未満では、衝撃強度が低下し、60重量%を
越えると剛性が低下して好ましくない。
【0023】次に、本発明の共重合体(B)について説
明する。共重合体(B)は、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体および必要に応じてこれらと共重合可
能な他のビニル系単量体からなる単量体混合物を重合し
て得られる。共重合体(B)に用いられる芳香族ビニル
単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレ
ンおよびビニルナフタレン等を挙げることが出来る。
【0024】シアン化ビニル単量体としては、例えば、
アクリロニトリルやメタクリロニトリル等が挙げられ
る。
【0025】また、必要に応じて用いられるこれらの単
量体成分と共重合可能な単量体としては、アクリル酸エ
ステル単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル
酸およびメタクリル酸等のビニルカルボン酸単量体、ア
クリル酸アミド、並びにメタクリル酸アミド等が挙げら
れる。
【0026】共重合体(B)中の芳香族ビニル単量体単
位は50〜90重量%であり、50重量%未満では熱可
塑性樹脂組成物の成形性および寸法安定性が損なわれ
る。
【0027】また、共重合体(B)中のシアン化ビニル
単量体単位は10〜50重量%であり、10重量%未満
では耐熱性が低く、50重量%超えると成形性が低下し
好ましくない。
【0028】共重合体(B)は、熱可塑性樹脂組成物全
体量に対して、40〜80重量%が好ましく、80重量
%を越えると衝撃強度が低下して好ましくなく、また4
0重量%未満では、剛性が低下して好ましくない。
【0029】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物にお
いては、測定温度170℃、歪速度ε′=0.1sec
-1、歪ε=0.5の時、下式で定義される伸長粘度ηe
が、ηe =4×105 〜7×106 Pa・secである
ことが必要である。すなわち、伸長前の試料の長さをL
0 、時間tにおける長さをL(t)、および応力σとし
た時 歪速度:ε´=(1/L(t))dL(t)/dt 歪:ε=ln(L(t)/L0) 伸長粘度:ηe =σ/ε′ で表される。なお、本発明では伸長粘度の測定には
(株)東洋精機製作所製メルテンレオメーターを用いて
行った。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂組成物の伸長粘度が
4×105 Pa・secより小であればドローダウン性
が大きくなりすぎ、7×106 Pa・secより大であ
れば異形押出成型品の形状、表面肌が悪くなり好ましく
ない。伸長粘度は一般にグラフト共重合体(A)の量が
増える程大になり、共重合体(B)の量が増えるほど小
になる。また、共重合体(B)の平均分子量が大になる
ほど伸長粘度は大になる。また、本発明の熱可塑性樹脂
組成物の性格として耐衝撃性が要求されたり、剛性が要
求されたり耐薬品性が要求されたり等の要求物性によ
り、グラフト共重合体(A)の量や種類、共重合体
(B)の共重合しているシアン化ビニル単量体の量等を
変える必要があるが、それらの熱可塑性樹脂組成物を用
いて異形押出成型品を製造する際には、伸長粘度が4×
105 〜7×106 Pa・secの範囲にする必要があ
る。この伸長粘度特性を有した熱可塑性樹脂組成物にお
いてのみ耐ドローダウン性と成型品の表面肌と形状が良
好な異形成型品を得ることができるものである。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物が、上記の特
定の伸長粘度範囲を有する方法としては、次のような方
法がとれる。例えば、共重合体(B)として重量平均
分子量25万〜200万の高分子量重合体を加える方
法、共重合体(B)として重量平均分子量10万〜2
0万の成分が95〜75重量%と、重量平均分子量25
万〜200万の成分が5〜25重量%の混合物を用いる
方法、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合
計量100重量部に対し20重量部以下のポリメチルメ
タクリレートまたはメチルメタクリレート−スチレン共
重合体またはメチルメタクリレート−スチレン−ブタジ
エン共重合体を各々単独もしくはこれらの何れかの混合
物として添加する方法などがあるがこれらに限定される
ものではない。
【0032】本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成型
品を得るには、前記グラフト共重合体(A)と共重合体
(B)を所望の割合で混合を行うことが必要である。混
合方法は、公知の方法を適用して乳化状態、粒子状態ま
たは溶融状態の両成分を配合し、溶融混練することによ
り容易に熱可塑性樹脂組成物を得ることが出来る。
【0033】溶融混練する場合には、常法の一軸押出
機、二軸押出機等の押出機、またはバンバリーミキサ
ー、ニーダー、加熱ロール等の混練機等を用いておこな
うことができる。
【0034】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、伸長粘度
の特性を損なわない範囲でさらに、必要に応じて、他種
ポリマー、安定剤、耐候(光)剤、可塑剤、滑剤、無機
充填剤および着色剤等を添加することが出来る。例え
ば、滑剤としては脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸の金
属塩、アミド化合物、パラフィンワックス類、シリコン
オイル等通常に使う滑剤のいかなるものも使用して良
い。また、無機充填剤としては炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、ガラス繊維等通常に使う充填剤のいかなる
ものも使用して良い。
【0035】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明の範囲は、その主旨を越えない限
りこれらの実施例によって限定されるものではない。な
お、以下「%」および「部」は、特記しない限り重量基
準である。
【0036】本発明で用いた原料重合体は、下記の製造
方法で得た。 (1)グラフト共重合体(A)の製造 ポリブタジエンラテックス(固形分として100部)を
仕込んだステンレス製反応器にイオン交換水(500
部)、乳化剤〔花王製KSソープ L−18(1.4
部)〕、硫酸第一鉄を含む還元剤〔硫酸第一鉄(0.0
05部)、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(0.0
1部)、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム
(0.3部)〕を加え、窒素雰囲気下で温度を50℃に
保持しながら、アクリロニトリル(10部)、スチレン
(30部)、t−ドデシルメルカプタン(1.2部)か
らなる混合物を加え2時間保持した後、さらにアクリロ
ニトリル(18部)、スチレン(42部)、t−ドデシ
ルメルカプタン(2.0部)、ジ−イソプロピルベンゼ
ンパーオキシド(0.25部)を5時間にわたり連続滴
下して乳化グラフト重合を行った。滴下終了後、温度を
70℃に昇温してさらに2時間保持してグラフト共重合
体(A)を含有したラテックスを得た。
【0037】(2)共重合体(B)の製造 共重合体(B−1)の製造 ステンレス製反応器にイオン交換水(57部)、リン酸
カルシウム(4部)を加え、窒素雰囲気下でアクリロニ
トリル(38部)、スチレン(62部)、t−ドデシル
メルカプタン(0.24部)、t−ブチルパーオキシ−
3、5、5−トリメチルヘキサネート(0.06部)を
添加し、温度95℃で4時間保持しさらに105℃で2
時間、続いて115℃で3.5時間保持すると共に、ス
チレン(31部)、イオン交換水(64部)、過硫酸カ
リウム(0.35部)を6.5時間にわたり連続滴下
し、得られた共重合体スラリー液を中和、脱水、乾燥を
行い白色粉末状の共重合体(B−1)を得た。
【0038】 共重合体(B−2)の製造 ステンレス製反応器にイオン交換水(150部)、乳化
剤〔花王製KSソープL−18(2.2部)〕、硫酸第
一鉄を含む還元剤〔硫酸第一鉄(0.005部)、エチ
レンジアミン四酢酸ナトリウム(0.01部)、ホルム
アルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム(0.3部)〕
を加え窒素雰囲気下でアクリロニトリル(28部)、ス
チレン(72部)、α−メチルスチレンダイマー(0.
1部)、過硫酸カリ(0.22部)の混合物を50℃に
保持し6時間連続滴下し乳化重合を行った。滴下終了
後、70℃に昇温しさらに3時間保持し共重合体(B−
2)を含有したラテックスを得た。
【0039】製造した共重合体(B)の分析値を表1に
示した。なお、共重合体(B)の重量平均分子量はゲル
透過クロマトグラフィー(GPC)より求め、その測定
条件は以下の通りである。 装置:SYSTEM−21(R1)(東ソ−社製) 流速:1.0 ml/min 濃度:2.0 mg/ml カラム:PLgel MIXED−B(東ソ−社製) 圧力:34kgf/cm2 温度:40℃ 溶離液:テトラハイドロフラン(THF)
【0040】
【表1】
【0041】実施例1〜2および比較例1〜3 上記で得たグラフト共重合体(A)のラテックスに、酸
化防止剤(イルガノックス1076)の乳化液を加えた
後に、温度約60℃で硫酸、硫酸マグネシウムを滴下
し、その後95℃に昇温しラテックスを析出させた。得
られたスラリーを脱水、乾燥して重合体粉末を得た。得
られた重合体粉末と共重合体(B−1)の粉末を表2に
示す配合割合(重量部)でヘンシェルミキサーで混合
し、二軸押出機を用いて温度約220℃で溶融混練し
て、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた熱可塑性樹脂
組成物を必要な形状に成形して物性評価を行い、その結
果を表2にまとめた。
【0042】実施例3 前記の製造で得たグラフト共重合体(A)のラテックス
と共重合体(B−2)のラテックスを固形分換算で表2
に示す割合でラテックス状態で混合し、酸化防止剤(イ
ルガノックス1076)の乳化液を加えた後に温度約6
0℃で塩酸、塩化カルシウムを滴下し、その後、95℃
に昇温しラテックスを析出させた。得られたスラリーを
脱水、乾燥して重合体粉末を得た。この得られた重合体
粉末と共重合体(B−1)の粉末を表2に示す配合割合
(重量部)でヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機
を用いて温度約220℃で溶融混練して熱可塑性樹脂組
成物を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物を必要な形状
に成形して物性評価を行い、その結果を表2に示した。
【0043】実施例4 上記で得たグラフト共重合体(A)のラテックスに、酸
化防止剤(イルガノックス1076)の乳化液を加えた
後に、温度約60℃で硫酸、硫酸マグネシウムを滴下
し、その後95℃に昇温しラテックスを析出させた。得
られたスラリーを脱水、乾燥して重合体粉末を得た。得
られた重合体粉末と共重合体(B−1)の粉末に、ポリ
メチルメタクリレート粉末(三菱レーヨン社製、メタブ
レンP−530)を加えて表2に示す配合割合(重量
部)でヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機を用い
て温度約220℃で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を
得た。得られた熱可塑性樹脂組成物を必要な形状に成形
して物性評価を行い、その結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】なお、表2に示した物性の測定は、下記の
方法によった。 (1)アイゾット(Izod)衝撃強度 東芝機械(株)製射出成形機(IS−80CNV)を用
いて、上記で得た熱可塑性樹脂組成物の試料ペレットを
温度220℃で成形し、テストピースを作製した。この
テストピースについて、ASTM D−256に準じて
アイゾット衝撃強度を測定した。
【0046】(2)曲げ弾性率 東芝機械(株)製射出成形機(IS−80CNV)を用
いて、上記で得た熱可塑性樹脂組成物の試料ペレットを
温度220℃で成形し、テストピースを作製した。この
テストピースについて、ASTM D−790に準じて
曲げ弾性率を測定した。
【0047】(3)異形押出成形性 65ミリφ押出機で図1に示す形状の中空の異形成型品
を樹脂温度170℃で試作し次の評価を行った。なお、
外層の肉厚は5mmであり、中央部のリブの肉厚は2m
mである。また、リブを通る中央部の外層部の最大長は
35mm、その直角方向の外層部の最大長は25mm,
およびリブと平行する外層の最小長は25mmである。 (イ)耐ドローダウン性:図1の成形品の中央リブの変
形状態により評価した。 :ドローダウンによる変形が全然無い。 △:ドローダウンによる変形が少し。 ×:ドローダウンによる変形が大。 (ロ)成形品の外観(表面の肌、形状等) :外観良好 △:外観やや不良 ×:外観不良
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、強度、剛性、耐衝撃性に優れており、かつ成型品
の外観も良好である。特に耐ドローダウン性に優れてお
り、容易に異形押出加工が出来るため建築、家具用材料
として好適に使用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用
し、異形押出成形して得た中空状の異形押出成型品の断
面図を示す。
【符号の簡単な説明】
1.成型品の外層 2.中央リブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴム状重合体の存在下に、芳香
    族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体および必要に応
    じてこれらと共重合可能な他のビニル系単量体よりなる
    単量体混合物を重合して得られたグラフト共重合体
    (A)と、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体
    および必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル系
    単量体からなる単量体混合物を重合することにより得ら
    れる共重合体(B)とを含有する樹脂組成物よりなり、
    かつこの樹脂組成物の伸長粘度が、測定温度170℃、
    歪速度が0.1secー1、歪が0.5の時に4×105
    〜7×106 Pa・secであることを特徴とする異形
    押出用の熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 グラフト共重合体(A)を20〜60重
    量%と、共重合体(B)を40〜80重量%とを含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 重量平均分子量25万〜200万の共重
    合体(B)を樹脂組成物中2〜15重量%含有すること
    を特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 共重合体(B)が、重量平均分子量10
    万〜20万の成分95〜75重量%と、重量平均分子量
    25万〜200万の成分5〜25重量%との混合物から
    なることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 グラフト共重合体(A)と共重合体
    (B)の合計量100重量部に対しポリメチルメタクリ
    レート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、メ
    チルメタクリレート−スチレン−ブタジエン共重合体か
    ら選ばれた1種以上の重合体20重量部以下を添加して
    なることを特徴とする請求項1の熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200060929A (ko) * 2018-11-23 2020-06-02 주식회사 엘지화학 코어-쉘 공중합체 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물

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KR20200060929A (ko) * 2018-11-23 2020-06-02 주식회사 엘지화학 코어-쉘 공중합체 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물

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