JP2009268477A - イヌリン定量法および定量試薬 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均分子量2000〜7000の範囲においてイヌリンを定量した時の感度の最大値Lと最小値Sが下式の関係にあるイヌリンの定量法。特に、イヌリンをイヌリン分解酵素を用いてフルクトースに分解する工程における反応液中の、または定量試薬中の、(i)エキソイヌリナーゼ活性が15U/mL以上であるか、(ii)エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上であるか、または(iii)エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上であるイヌリンの定量法または定量試薬。
【数1】
【選択図】なし
Description
(1)平均分子量2000〜7000の範囲においてイヌリンを定量した時の感度の最大値Lと最小値Sが式:
(2)平均分子量2000〜7000の範囲においてイヌリンを定量した時の感度の最大値Lと最小値Sが式:
(3)平均分子量2000〜7000の範囲においてイヌリンを定量した時の感度の最大値Lと最小値Sが式:
(4)イヌリンをイヌリン分解酵素を用いてフルクトースに分解する工程を含み、当該工程における反応液中のイヌリン分解酵素の、(i)エキソイヌリナーゼ活性が15U/mL以上であるか、(ii)エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上であるか、または(iii)エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のイヌリンの定量法、
(5)イヌリンをイヌリン分解酵素を用いてフルクトースに分解する工程を含み、当該工程における反応液中のイヌリン分解酵素の、(i)エキソイヌリナーゼ活性が15U/mL以上であるか、(ii)エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上であるか、または(iii)エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上であるイヌリンの定量法、
(6)イヌリンをイヌリン分解酵素を用いてフルクトースに分解する工程に続いて、得られたフルクトースを測定する工程を含む、上記(4)または(5)に記載のイヌリンの定量法、
(7)フルクトースを測定する工程において、フルクトースをヘキソキナーゼを用いてフルクトース−6−リン酸とし、得られたフルクトース−6−リン酸をホスホグルコイソメラーゼを用いてグルコース−6−リン酸とし、得られたグルコース−6−リン酸とNADPとをグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用いて6−ホスホグルコン酸とNADPHとし、当該NADPHの上昇を測定する、上記(6)記載のイヌリンの定量法、
(8)フルクトースを測定する工程において、フルクトースとNADHとをソルビトールデヒドロゲナーゼを用いてソルビトールとNAD+とし、当該NADHの減少を測定する、上記(6)記載のイヌリンの定量法、
(9)フルクトースを測定する工程において、フルクトースをフルクトキナーゼを用いてフルクトース−6−リン酸とし、得られたフルクトース−6−リン酸をホスホグルコイソメラーゼを用いてグルコース−6−リン酸とし、得られたグルコース−6−リン酸とNADPとをグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用いて6−ホスホグルコン酸とNADPHとし、当該NADPHの上昇を測定する、上記(6)記載のイヌリンの定量法、
(10)フルクトースを測定する工程において、フルクトースに、酸素の存在下でフルクトースデヒドロゲナーゼおよび酸化型電子受容体を作用させて、5−ケト−D−フルクトースおよび還元型電子受容体とし、当該5−ケト−D−フルクトースまたは当該還元型電子受容体の増加あるいは当該酸化型電子受容体または当該酸素の減少を測定する、上記(6)記載のイヌリンの定量法、
(11)測定試料が血液中または尿中イヌリンである、上記(1)〜(10)のいずれかに記載のイヌリンの定量法、
(12)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のイヌリンの定量法に用いるイヌリンの定量試薬、
(13)イヌリン分解酵素を含むイヌリンの定量試薬であって、当該試薬中のイヌリン分解酵素の、(i)エキソイヌリナーゼ活性が15U/mL以上であるか、(ii)エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上であるか、または(iii)エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上であるイヌリンの定量試薬、
(14)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のイヌリンの定量法に用いる、上記(13)記載のイヌリンの定量試薬。
本発明のイヌリンの定量法は、平均分子量2000〜7000の範囲においてイヌリンを定量した時の感度の最大値Lと最小値Sが式:
(イヌリン製造法)
〔1〕平均分子量4000のイヌリンの製法
食品用イヌリン(平均分子量5000;オラフティ社製)に80℃の温湯500mLを加えて10分間攪拌し、溶解を確認後、熱時に活性炭を投入し、更に液温を保持して10分間攪拌を継続する。この溶液を熱時に0.2〜0.5μmのメンブランフィルターにより濾過した後、40℃に冷却し、濾液に10重量倍のアセトンを加えて攪拌する。生じた沈殿を濾取し、風乾後40℃で減圧乾燥して精製イヌリンを得る。得られる精製イヌリンは平均分子量約4000である。
〔2〕平均分子量2000のイヌリンの製法
〔1〕の操作の0.2〜0.5μmのメンブランフィルターによる濾過後、この濾液にアセトンを攪拌しながら加え、1時間攪拌した後、析出物を濾過分離し濾液を得る。この濾液に対し再度アセトンを攪拌しながら加えた後、4℃にて一晩冷蔵放置し、生じた析出物を濾取する。得られた析出物を風乾後40℃で減圧乾燥して、精製イヌリンを得る。
〔3〕平均分子量7000のイヌリンの製法
〔1〕の操作の0.2〜0.5μmのメンブランフィルターによる濾過後、この濾液にアセトンを攪拌しながら加え、1時間攪拌した後、析出物を濾過分離し濾液を得る。この濾液を4℃にて一晩冷蔵放置し、生じた析出物を濾取し、この操作を2回実施し析出物を濾取する。得られた析出物を風乾後40℃で減圧乾燥して、精製イヌリンを得る。
本工程は、イヌリンとイヌリン分解酵素とを反応液中に共存させることにより行うことができる。
イヌリン分解酵素は、イヌリンをフルクトースに分解する能力があるものであれば特に限定されないが、具体的には、エキソイヌリナーゼ(EC3.2.1.80)、エンドイヌリナーゼ(EC3.2.1.7)、これらの混合物等が例示される。このうちエキソイヌリナーゼは単独で用いることができるが、平均分子量2000〜7000の範囲のイヌリンに対する反応速度の差を低減する目的において、エキソイヌリナーゼとエンドイヌリナーゼを共に用いることが好ましい。このとき、エキソイヌリナーゼとエンドイヌリナーゼを含む混合物を用いることもできるが、更に好ましくは定量試薬の反応性のロット間差を低減する目的で、エキソイヌリナーゼまたはエンドイヌリナーゼを分離精製し、各々の活性値を元にエキソイヌリナーゼまたはエンドイヌリナーゼを一定の範囲、一定の比率で混合して用いることもできる。エキソイヌリナーゼまたはエンドイヌリナーゼの純度は、特に限定されないが、通常蛋白あたりの活性値として0.1U/mg・protein以上、好ましくは1U/mg・protein以上である。エキソイヌリナーゼまたはエンドイヌリナーゼの分離精製法はBIOTECHNOLOGY AND APPLIED BIOCHEMISTRY 11,105-117(1989)、Int.J.Biol.Macromol.Volume17 Number5,247-250(1995)、澱粉化学,Vol36,No.2,103-111(1989)に記載がある。エキソイヌリナーゼとエンドイヌリナーゼは、例えばアスペルギルス(Aspergillus)属、キリベロマイセス(Klyveromyces)属等の微生物等より得ることができる。また、例えばこれらの遺伝子を他の微生物に組み込まれた遺伝子組換え微生物より製造されたもの等があり、また遺伝子的に性質を改変したものも用いられる。
(i)エキソイヌリナーゼ活性が通常15U/mL以上、好ましくは20U/mL以上、更に好ましくは40U/mLである。この場合、エキソイヌリナーゼ中の夾雑物質、夾雑酵素の測定試薬への持込みを抑える点からは、エキソイヌリナーゼ活性が通常100U/mL以下、好ましくは50U/mL以下である。
(ii)通常エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上、好ましくはエキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上、さらに好ましくはエキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が3U/mL以上である。この場合、エキソイヌリナーゼ、エンドイヌリナーゼ中の夾雑物質、夾雑酵素の測定試薬への持込みを抑える点からは、エキソイヌリナーゼ活性が通常100U/mL以下、好ましくは50U/mL以下であり、エンドイヌリナーゼ活性が通常20U/mL以下、好ましくは10U/mL以下である。
(iii)通常エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上、好ましくはエキソイヌリナーゼ活性が10U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上である。この場合、エキソイヌリナーゼ、エンドイヌリナーゼ中の夾雑物質、夾雑酵素の測定試薬への持込みを抑える点からは、エキソイヌリナーゼ活性が通常100U/mL以下、好ましくは50U/mL以下であり、エンドイヌリナーゼ活性が通常20U/mL以下、好ましくは10U/mL以下である。
本発明のイヌリンの定量法においては、上記のイヌリン分解工程(A)の後に、任意の単糖(フルクトース)測定方法が組み合わされる。以下(1)〜(4)にその事例を示すが、本発明はこの事例に限定されるものではない。また、これらのフルクトース測定工程は上記のイヌリン分解工程(A)と同時に行うこともできる。
(1)イヌリン分解により生成したフルクトースをヘキソキナーゼを用いてフルクトース−6−リン酸とし、得られたフルクトース−6−リン酸をホスホグルコイソメラーゼを用いてグルコース−6−リン酸とし、得られたグルコース−6−リン酸とNADPとをグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用いて6−ホスホグルコン酸とNADPHとし、当該NADPHの上昇を、例えばエンドポイント法、レート法等で測定する方法。
(2)イヌリン分解により生成したフルクトースとNADHとをソルビトールデヒドロゲナーゼを用いてソルビトールとNAD+とし、当該NADHの減少を、例えばエンドポイント法、レート法等で測定する方法。
(3)イヌリン分解により生成したフルクトースをフルクトキナーゼを用いてフルクトース−6−リン酸とし、得られたフルクトース−6−リン酸をホスホグルコイソメラーゼを用いてグルコース−6−リン酸とし、得られたグルコース−6−リン酸とNADPとをグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用いて6−ホスホグルコン酸とNADPHとし、当該NADPHの上昇を、例えばエンドポイント法、レート法等で測定する方法。
(4)イヌリン分解により生成したフルクトースに、酸素の存在下でフルクトースデヒドロゲナーゼ(特にNADまたはNADPを電子受容体としないフルクトースデヒドロゲナーゼ)および酸化型電子受容体を作用させて、5−ケト−D−フルクトースおよび還元型電子受容体とし、当該5−ケト−D−フルクトースまたは当該還元型電子受容体の増加あるいは当該酸化型電子受容体または当該酸素の減少を、例えばエンドポイント法またはレート法等で測定する方法。
(i)エキソイヌリナーゼ活性が通常15U/mL以上、好ましくは20U/mL以上、更に好ましくは40U/mLである。この場合、エキソイヌリナーゼ中の夾雑物質、夾雑酵素の測定試薬への持込みを抑える点からは、エキソイヌリナーゼ活性が通常100U/mL以下、好ましくは50U/mL以下である。
(ii)通常エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上、好ましくはエキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上、さらに好ましくはエキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が3U/mL以上である。この場合、エキソイヌリナーゼ、エンドイヌリナーゼ中の夾雑物質、夾雑酵素の測定試薬への持込みを抑える点からは、エキソイヌリナーゼ活性が通常100U/mL以下、好ましくは50U/mL以下であり、エンドイヌリナーゼ活性が通常20U/mL以下、好ましくは10U/mL以下である。
(iii)通常エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上、好ましくはエキソイヌリナーゼ活性が10U/mL以上かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上である。この場合、エキソイヌリナーゼ、エンドイヌリナーゼ中の夾雑物質、夾雑酵素の測定試薬への持込みを抑える点からは、エキソイヌリナーゼ活性が通常100U/mL以下、好ましくは50U/mL以下であり、エンドイヌリナーゼ活性が通常20U/mL以下、好ましくは10U/mL以下である。
〈反応液〉(以下の各濃度は反応液中の濃度を表す)
50mM MES緩衝液 pH6.5
1% イヌリン(平均分子量約5000)
10mM 塩化マグネシウム
8mM NAD
3mM ATP
10U/mL グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6D-321 東洋紡績社製)
10U/mL ヘキソキナーゼ(HXK-311 東洋紡績社製)
10U/mL ホスホグルコイソメラーゼ(ロッシュ社製)
〈測定条件〉
上記反応液2.9mLを37℃でインキュベーションし、これに測定対象の酵素溶液0.1mLを添加混合し、37℃下340nmの吸光度変化を精製水を対照に3〜4分間モニタリングし、反応タイムコースよりその初期直線部分の1分間当りの吸光度変化率を求める。試薬ブランクは酵素溶液に変えて精製水を用いて同様に実施する。活性は、1分間当り、1マイクロモルのNADHを生成する活性を1Uとし、得られた吸光度から、式:活性値(U/ml)=(被検試料吸光度変化率−試薬ブランク吸光度変化率)×3/(6.22×0.1)で算出される。
〈反応液の調製〉
4.5%水酸化ナトリウム溶液300mLに、3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)の1%溶液880mLおよび酒石酸ナトリウムカリウム四水和物255gを加える。別に10%水酸化ナトリウム溶液22mLに結晶フェノール10gを加え、水を追加して溶解し、100mLとする。このアルカリ性フェノール液69mLに炭酸水素ナトリウム6.9gを加えてとかし、上記DNS液を注いで酒石酸ナトリウムカリウムが十分に溶解するまでかきまぜる。
〈測定条件〉
イヌリン(平均分子量約5000)を基質とし、エンドイヌリナーゼの作用により生成した還元糖を、さらに3,5−ジニトロサリチル酸に作用させ還元反応により生成した3−アミノ−5−ニトロサリチル酸の生成量を500nmの吸光度を測定することによって酵素活性を測定する。マイクロチューブに0.4MBis−Tris緩衝液(pH7.1)50μL、1%SDS50μL、4%イヌリン溶液50μLを添加混合し37℃、10分間予備加温した後、測定対象の酵素溶液50μLを添加し37℃、20分間インキュベートする。その後上記反応液を600μL添加混合後、100℃で、10分間反応させる。その後、該反応混合液を精製水で31倍希釈し、2時間放置後500nmの吸光度を測定する(ODtest)。試薬ブランクは酵素溶液の代わりに酵素希釈液(20mMリン酸カリウム緩衝液,pH7.5)を50μL加え上記と同様に操作を行って吸光度を測定する(ODblank)。標準液は酵素溶液の代わりに66.6mmol/Lフルクトースを50μL加え上記同様に操作を行って吸光度を測定する(ODstd)。
得られた吸光度より下記計算式に基づきエンドイヌリナーゼの酵素活性を算出する。なお上記条件下で1分間に1マイクロモルの還元糖を生成する酵素量を1Uとする。還元糖量はフルクトース換算とする。
(計算式)
活性値(U/ml)=(ODtest−ODblank)/(ODstd−ODblank)×66.6÷20
上記式中66.6はフルクトース換算ファクターを示し、20は反応時間(分)を示す。
(実施例1)
平均分子量2000、4900、6400および7000のイヌリン(純度98%以上)(株式会社富士薬品製造)を、105℃で、2時間乾燥し、それぞれ正確にイヌリン50mgを秤取り5mLの精製水に混合し70℃の熱湯で完全に溶解した後精製水で1000mLとし5mg/dLイヌリン水溶液(試料)を調製した。該イヌリン水溶液(試料)を下記第一試液中のエキソイヌリナーゼ活性がそれぞれ15、20、25、30および40U/mLになるように調製した本発明のイヌリンの定量試薬を用いて下記の測定法により測定した。また、比較例として、下記第一試液中のエキソイヌリナーゼ活性が5U/mLになるように調製した試薬でも同様に測定した。各試薬の平均分子量2000のイヌリン水溶液を測定した時の感度を100%とした時の相対感度(%)を表1に示す。
第一試液(以下の各濃度は第一試液中の濃度を表す)
コハク酸緩衝液(pH5.0) 0.05mol/L
エキソイヌリナーゼ(東洋紡績株式会社製)
フルクトースデヒドロゲナーゼ(東洋紡績株式会社製) 60U/mL
1−メトキシ−PMS 100mg/L
第二試液(以下の各濃度は第二試液中の濃度を表す)
TES緩衝液(pH7.5) 0.05mol/L
ペルオキシダーゼ(東洋紡績株式会社製) 10U/mL
4−アミノアンチピリン 0.1g/L
アニリン系トリンダー試薬(TOOS) 1g/L
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスF−65、花王製) 20g/L
日立7170形自動分析機を用いた。試料2.7μLに第一試液を180μL添加し酸素存在下で37℃にて10分間インキュベーションし、次に第二試液を180μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とし、546nmにおける吸光度を測定した。各吸光度は試薬ブランクで補正しイヌリン測定感度とした。
表1に示すように、イヌリン平均分子量2000〜7000までの反応性(感度)の差はエキソイヌリナーゼ活性15U/mL(本発明)で約20%、20U/mL(本発明)で約10%、40U/mL(本発明)で約5%以下に低減することがわかる。エキソイヌリナーゼ活性5U/mL以下(比較例)では約37%の反応性(感度)の差があり正確ではない。この結果より、平均分子量2000〜7000の範囲においてイヌリンを測定したときの測定誤差は、比較例に比べて本発明では小さいことが示される。
実施例1の第一試液中のエキソイヌリナーゼ活性を5U/mLとし、更にエンドイヌリナーゼ活性を0.5、0.75、1.5、3および4.5U/mLになるように調製した本発明のイヌリン測定試薬を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例1のイヌリン水溶液(試料)を測定した。また、比較例として、実施例1の第一試液中のエキソイヌリナーゼ活性を5U/mLとし、更にエンドイヌリナーゼ活性を0.1U/mLになるように調製した試薬でも同様に測定した。各試薬の平均分子量2000のイヌリン水溶液を測定した時の感度を100%とした時の相対感度(%)を表2に示す。
表2に示すように、イヌリン平均分子量2000〜7000までの反応性(感度)の差はエンドイヌリナーゼ活性0.5U/mL(本発明)で約20%、1.5U/mL(本発明)で約10%、3U/mL(本発明)で約5%以下に低減することがわかる。エンドイヌリナーゼ活性0.1U/mL以下(比較例)では約26%の反応性(感度)の差があり正確ではない。この結果より、平均分子量2000〜7000の範囲においてイヌリンを測定したときの測定誤差は、比較例に比べて本発明では小さいことが示される。
実施例1の第一試液中のエキソイヌリナーゼ活性を2.5、5、10、20、35および50U/mLとし、更にエンドイヌリナーゼ活性を1.5U/mLになるように調製した本発明のイヌリン測定試薬を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例1のイヌリン水溶液(試料)を測定した。また、比較例として、実施例1の第一試液中のエキソイヌリナーゼ活性を1.25U/mLとし、更にエンドイヌリナーゼ活性を1.5U/mLになるように調製した試薬でも同様に測定した。各試薬の平均分子量2000のイヌリン水溶液を測定した時の感度を100%とした時の相対感度(%)を表3に示す。
表3に示すように、イヌリン平均分子量2000〜7000までの反応性(感度)の差は、エンドイヌリナーゼ活性1.5U/mL存在下、エキソイヌリナーゼ活性2.5U/mL以上(本発明)で20%以下に、10U/mL以上(本発明)で10%以下に、20U/mL以上(本発明)で5%以下に低減することがわかる。エキソイヌリナーゼ活性1.25U/mL以下(比較例)では約21%の反応性(感度)の差があり正確ではない。この結果より、平均分子量2000〜7000の範囲においてイヌリンを測定したときの測定誤差は、比較例に比べて本発明では小さいことが示される。
Claims (14)
- イヌリンをイヌリン分解酵素を用いてフルクトースに分解する工程を含み、当該工程における反応液中のイヌリン分解酵素の、(i)エキソイヌリナーゼ活性が15U/mL以上であるか、(ii)エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上であるか、または(iii)エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のイヌリンの定量法。
- イヌリンをイヌリン分解酵素を用いてフルクトースに分解する工程を含み、当該工程における反応液中のイヌリン分解酵素の、(i)エキソイヌリナーゼ活性が15U/mL以上であるか、(ii)エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上であるか、または(iii)エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上であるイヌリンの定量法。
- イヌリンをイヌリン分解酵素を用いてフルクトースに分解する工程に続いて、得られたフルクトースを測定する工程を含む、請求項4または5に記載のイヌリンの定量法。
- フルクトースを測定する工程において、フルクトースをヘキソキナーゼを用いてフルクトース−6−リン酸とし、得られたフルクトース−6−リン酸をホスホグルコイソメラーゼを用いてグルコース−6−リン酸とし、得られたグルコース−6−リン酸とNADPとをグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用いて6−ホスホグルコン酸とNADPHとし、当該NADPHの上昇を測定する、請求項6記載のイヌリンの定量法。
- フルクトースを測定する工程において、フルクトースとNADHとをソルビトールデヒドロゲナーゼを用いてソルビトールとNAD+とし、当該NADHの減少を測定する、請求項6記載のイヌリンの定量法。
- フルクトースを測定する工程において、フルクトースをフルクトキナーゼを用いてフルクトース−6−リン酸とし、得られたフルクトース−6−リン酸をホスホグルコイソメラーゼを用いてグルコース−6−リン酸とし、得られたグルコース−6−リン酸とNADPとをグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用いて6−ホスホグルコン酸とNADPHとし、当該NADPHの上昇を測定する、請求項6記載のイヌリンの定量法。
- フルクトースを測定する工程において、フルクトースに、酸素の存在下でフルクトースデヒドロゲナーゼおよび酸化型電子受容体を作用させて、5−ケト−D−フルクトースおよび還元型電子受容体とし、当該5−ケト−D−フルクトースまたは当該還元型電子受容体の増加あるいは当該酸化型電子受容体または当該酸素の減少を測定する、請求項6記載のイヌリンの定量法。
- 測定試料が血液中または尿中イヌリンである、請求項1〜10のいずれかに記載のイヌリンの定量法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のイヌリンの定量法に用いるイヌリンの定量試薬。
- イヌリン分解酵素を含むイヌリンの定量試薬であって、当該試薬中のイヌリン分解酵素の、(i)エキソイヌリナーゼ活性が15U/mL以上であるか、(ii)エキソイヌリナーゼ活性が5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が0.5U/mL以上であるか、または(iii)エキソイヌリナーゼ活性が2.5U/mL以上であり、かつエンドイヌリナーゼ活性が1.5U/mL以上であるイヌリンの定量試薬。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のイヌリンの定量法に用いる、請求項13記載のイヌリンの定量試薬。
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