JP2009266886A - マスク、マスク保持装置、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

マスク、マスク保持装置、露光装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】、基板に対してパターンの像を適切に投影できるマスク、マスク保持装置、露光装置及びデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】レチクルステージ15は、レチクルを保持するための静電チャック21を備えている。この静電チャック21には、レチクルの裏面において該レチクルの中央領域に対応する第1領域に接触する第1の支持部位36と、レチクルの裏面において第1領域の外周側に位置する第2領域に接触する第2の支持部位37とが一体に形成されている。そして、第2の支持部位37においてレチクルと対向する表面37aには、複数の凹部38が第1の支持部位36を包囲するように配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、所定のパターンが形成されたマスク、該マスクを保持可能なマスク保持装置、該マスク保持装置を備える露光装置、及び該露光装置を用いたデバイスの製造方法に関するものである。
一般に、半導体集積回路などのマイクロデバイスを製造するための露光装置は、所定のパターンが形成されたレチクルなどのマスクに露光光を照射する照明光学系と、露光光が照射されたマスクのパターンの像を感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレートなどの基板に投影する投影光学系とを備えている。このような露光装置では、半導体集積回路の高集積化及び該高集積化に伴うパターンの像の微細化を図るために、投影光学系の更なる高解像度化が要望されている。そのため、露光装置に用いる露光光の短波長化が進み、近年では、EUV(Extreme Ultraviolet )光やEB(Electron Beam )を露光光として用いる露光装置の開発が行われている。
EUV光を用いた露光装置では、反射型のレチクルが用いられており、該レチクルでは、照射された露光光の一部を吸収して発熱する。その結果、レチクルが熱膨張し、該レチクルに形成されたパターンが熱変形したり、許容されない量のディストーションが発生したりするおそれがある。そこで、レチクルの熱膨張を抑制するための方法として、以下に示す種々の方法が従来から提案されている。
まず、第1の方法は、レチクル自体を低熱膨張素材で構成する方法である。このように構成した場合には、熱膨張率の高い素材でレチクルを構成した場合に比してレチクル全体の熱膨張が抑制される。また、第2の方法は、レチクルを冷却するための冷却装置を設ける方法である。すなわち、レチクルに露光光が照射される場合に冷却装置を駆動させることにより、発熱したレチクルを効率良く冷却していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−217177号公報
ところで、EUV光を用いた露光装置では、反射型のレチクルの一部に、円弧状のスリット光が露光光として照射された状態で、レチクルステージ及びウエハステージの移動を同期させる走査露光が行われる。また、レチクルのパターン面には、各種パターンが形成されている。そのため、レチクルには、円弧状のスリット光の照射、及びパターン面における各種パターンの存在率によって、その上記所定のパターンが形成されたパターン面全体に露光光が照射されるのではなく、パターン面の一部にのみ露光光が照射される。この場合、レチクル内において、露光光が照射される照射領域では、露光光の照射に基づき熱が発生する一方、露光光が照射されない非照射領域では、露光光が照射されないために熱が発生しない。その結果、レチクル内の温度分布が不均一になり、レチクルの一部だけが熱膨張するおそれがある。このようなレチクル内における温度分布の不均一は、レチクル全体の熱膨張を均一に抑制したり、温度上昇を均一に抑制したりする方法では解消できない。
このようにレチクルの一部だけが熱膨張した場合には、レチクルに形成されたパターンが、例えば相似的に拡大するような単純な変形ではなく複雑な形状に変形するおそれがある。このようなパターンの変形は、投影光学系で補正することが非常に難しく、基板への適切なパターン像の投影に支障をきたすおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板に対してパターンの像を適切に投影できるマスク、マスク保持装置、露光装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図1〜図8に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のマスク保持装置は、一方面(Ra)及び該一方面(Ra)の反対側に位置する他方面(Rb)を有し、且つ前記一方面(Ra)に所定のパターン(P)が形成されたマスク(R)を保持するマスク保持装置(15)であって、前記マスク(R)の他方面(Rb)において前記マスク(R)の中央領域に対応する第1領域(60)を支持する第1の支持部位(36)と、前記マスク(R)の他方面(Rb)において前記第1領域(60)とは異なる第2領域(61)を支持する第2の支持部位(37)とを備え、該第2の支持部位(37)は、前記マスク(R)からの熱の伝達効率が前記第1の支持部位(36)による前記マスク(R)からの熱の伝達効率よりも低くなるように形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、第2の支持部位におけるマスクからの熱の伝達効率は、第1の支持部位におけるマスクからの熱の伝達効率、即ち放熱効率よりも低い。すなわち、マスクにおいて第2の支持部位に保持される第2領域は、第1の支持部位に保持される第1領域に比して熱が溜まりやすい。そのため、マスクの一方面において第2領域に対応する領域、即ち中央領域とは異なる他の領域に放射ビームが照射されなくても、マスクのうち第2領域に対応する部分と第1領域に対応する部分との間の温度差が従来に比して小さくなる。その結果、マスクに形成されるパターンの一部分だけが変形したり、パターンが歪んだ形状に変形したりすることが抑制される。すなわち、パターンの形状は、放射ビームの照射により、相似的に拡大する。このように変形したパターンの像が投影光学系によって適切に調整されることにより、基板に対してパターンの像を適切に投影できる。
本発明のマスク保持装置は、一方面(Ra)及び該一方面(Ra)の反対側に位置する他方面(Rb)を有し、且つ前記一方面(Ra)に所定のパターン(P)が形成されたマスク(R)を保持するマスク保持装置(15)であって、前記マスク(R)の他方面(Rb)において前記マスク(R)の中央領域に対応する第1領域(60)を支持する第1の支持部位(36)と、前記マスク(R)の他方面(Rb)において前記第1領域(60)とは異なる第2領域(61)を支持する第2の支持部位(37)とを備え、該第2の支持部位(37)は、前記マスク(R)との接触率が前記第1の支持部位(36)における前記マスク(R)との接触率よりも低くなるように形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、第2の支持部位におけるマスクとの接触率は、第1の支持部位におけるマスクとの接触率よりも低い。すなわち、マスクから第2の支持部位への熱の伝達効率、即ち放熱効率は、マスクから第1の支持部位への熱の伝達効率よりも低い。そのため、マスクの一方面において第2領域に対応する領域、即ち中央領域とは異なる他の領域に放射ビームが照射されなくても、マスクのうち第2領域に対応する部分と第1領域に対応する部分との間の温度差が、従来に比して小さくなる。その結果、マスクに形成されるパターンの一部分だけが変形したり、パターンが歪んだ形状に変形したりすることが抑制される。すなわち、パターンの形状は、放射ビームの照射により、相似的に拡大する。このように変形したパターンの像が投影光学系によって適切に調整されることにより、基板に対してパターンの像を適切に投影できる。
本発明のマスク保持装置は、一方面(Ra)及び該一方面(Ra)の反対側に位置する他方面(Rb)を有し、且つ前記一方面(Ra)に所定のパターン(P)が形成されたマスク(R)を保持するマスク保持装置(15)であって、前記マスク(R)の他方面(Rb)を保持する保持領域(21A)を備え、該保持領域(21A)は、複数の突起部(40)を有する第1の支持部位(36)と、該第1の支持部位(36)の外側に形成され、且つ複数の突起部(40)を有する第2の支持部位(37)とに区画されており、該第2の支持部位(37)は、前記第1の支持部位(36)に比して互いに隣り合う前記突起部(40)同士の間隔が広くなるように形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、第1の支持部位は、第2の支持部位に比して、各突起部の間隔が粗となるように形成されている。そのため、マスクのうち第2の支持部位に当接する領域と、第1の支持部位に当接する領域とでは、マスクからマスク保持装置への熱の伝達効率、即ち放熱効率が異なる。そのため、マスクの他方面のうち所定のパターンが形成されたパターン領域のうち少なくとも一部を含む中央領域に対応する第1領域が第1の支持部位に支持されるようにマスク保持装置がマスクを保持する場合には、マスクにおいてパターンが形成されていない非パターン領域に放射ビームが照射されなくても、マスクのうち第2領域(即ち、非パターン領域を含んだ中央領域以外の他の領域に対応する領域)に対応する部分と第1領域に対応する部分との間の温度差が従来に比して小さくなる。その結果、マスクに形成されるパターンの一部分だけが変形したり、パターンが歪んだ形状に変形したりすることが抑制される。すなわち、パターンの形状は、放射ビームの照射により、相似的に拡大する。このように変形したパターンの像が投影光学系によって適切に調整されることにより、基板に対してパターンの像を適切に投影できる。
また、本発明のマスクは、第1面(51)及び該第1面(51)の反対側に位置する第2面(53)を有する板状のマスク本体(50)と、前記第1面(51)側に形成された所定のパターン(P)とを備え、前記第2面(53)側がマスク保持装置(15)に対向するマスク(R)において、前記第2面(53)側は、前記マスク本体(50)の中央領域に対応する第1領域(60)における前記マスク保持装置(15)への放熱効率より、前記第1領域(60)とは異なる第2領域(61)における前記マスク保持装置(15)への放熱効率のほうが低くなるように形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、マスクにおける第2領域からマスク保持装置への放熱効率は、第1領域からマスク保持装置への放熱効率よりも低い。そのため、マスクのうち所定のパターンが形成されていない非パターン領域に放射ビームが照射されなくても、マスクのうち第2領域に対応する部分と第1領域に対応する部分との間の温度差が従来に比して小さくなる。その結果、マスクに形成されるパターンの一部分だけが変形したり、パターンが歪んだ形状に変形したりすることが抑制される。すなわち、パターンの形状は、放射ビームの照射により、相似的に拡大する。このように変形したパターンの像が投影光学系によって適切に調整されることにより、基板に対してパターンの像を適切に投影できる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、基板に対してパターンの像を適切に投影できる。
(第1の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第1の実施形態について図1〜図3に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態の露光装置11は、波長が100nm程度以下の軟X線領域である極端紫外光、即ちEUV(Extreme Ultraviolet )光を露光光ELとして用いるEUV露光装置であって、内部が真空雰囲気となるチャンバ12(図1では二点鎖線で示す。)内に設置されている。この露光装置11は、露光光源13と、照明光学系14と、所定のパターンが形成された反射型のレチクルRを保持するレチクルステージ15と、投影光学系16と、表面にレジストなどの感光性材料が塗布されたウエハWを保持するウエハステージ17とを備えている。なお、本実施形態の露光光源13としては、レーザ励起プラズマ光源が用いられており、該光源は、波長が5〜20nm(例えば13.5nm)となるEUV光を出力する。
照明光学系14は、露光光源13側から順に配置された反射型のコリメート用ミラー18、コンデンサミラー19及び一対のフライアイミラー(不図示)を備えている。これら各ミラー18,19及び一対のフライアイミラーの反射面には、露光光ELを反射する複数の反射層がそれぞれ形成されている。そして、コンデンサミラー19に反射された露光光ELは、一対のフライアイミラーを介してレチクルR側に配置された折り返し用の反射ミラー20により、レチクルステージ15に保持されるレチクルRに導かれる。なお、本実施形態の照明光学系14から露光光ELが射出されると、レチクルRには、X軸方向に細長い円弧状の照射領域が形成される。
レチクルステージ15は、後述する投影光学系16の物体面側に配置され、レチクルRを静電吸着する静電チャック21と、レチクルRをY軸方向に所定ストロークで移動させるとともに、X軸方向及びθz方向(Z軸周りの回転方向)にも微少量移動させるための図示しない移動機構とを備えている。そして、レチクルRにおいて上記所定のパターンが形成された被照射面(即ち、図1における下面)で反射された露光光ELは、投影光学系16に導かれる。
なお、本実施形態のレチクルRは、図2に示すように、シリコンウエハ、石英、低膨張ガラスなどから構成される板状のレチクル本体30を備え、該レチクル本体30の裏面側(図1における上面側であって、図2における紙面手前側)には、導電層が形成されている。また、レチクル本体30の表面側(図1における下面側であって、図2における紙面奥手側)には、反射層及び吸収層が順に積層されており、該吸収層には、電子デバイス用の回路パターン等の複数種類の所定のパターン(不図示)が形成されている。そして、露光時においては、レチクルRの表面Raのうちパターンが形成された略矩形状のパターン領域、即ち図2における破線31で囲まれた領域に対して照明光学系14から射出された露光光ELが照射される。一方、レチクルRの表面Raのうちパターンの非形成領域である非パターン領域、即ち図2における破線31で囲まれた領域の外側の領域には、照明光学系14から射出された露光光ELが照射されない。ちなみに、レチクルRのパターン領域うち照明光学系14からの露光光ELが照明される領域は、上記移動機構の駆動によってY軸方向側に変更される。
投影光学系16は、図1に示すように、複数枚(本実施形態では6枚)の反射型のミラー22,23,24,25,26,27を備えている。そして、レチクルR側から導かれた露光光ELは、第1ミラー22、第2ミラー23、第3ミラー24、第4ミラー25、第5ミラー26、第6ミラー27の順に反射され、ウエハステージ17に保持されるウエハWに導かれる。なお、各ミラー22〜27のうち第1ミラー22、第2ミラー23、第4ミラー25及び第6ミラー27は凹面鏡である一方、第3ミラー24及び第5ミラー26は凸面鏡である。
また、投影光学系16は、その光学特性(例えば、波面収差、コマ収差、像面湾曲、ディストーション、後述する投影倍率等)を調整する不図示の光学特性調整機構を備えている。この光学特性調整機構は、投影光学系16における露光光ELの光軸に対して、各ミラー22〜27のうち少なくとも一つのミラーを、傾斜させたり、光軸と平行な方向に移動させたり、少なくとも一つのミラーの形状を変形させたりして、投影光学系16の光学特性を調整する。
ウエハステージ17は、ウエハWを静電吸着する静電チャック28と、該静電チャック28を介してウエハWの温度を調整するための図示しない冷却装置と、ウエハWをY軸方向に所定ストロークで移動させるとともに、X軸方向及びZ軸方向に移動させるための図示しない移動機構とを備えている。また、ウエハステージ17には、静電チャックを保持する不図示の保持ホルダと、該保持ホルダのZ軸方向の位置及びX軸方向周り、Y軸方向周りの傾斜角を調整する不図示のZレベリング機構とが組み込まれている。そして、投影光学系16から射出された露光光ELがウエハWの表面を照射することにより、ウエハWには、レチクルR上のパターンを所定倍率に縮小したパターンが形成される。
そして、ウエハW上の一つのダイ(ショット領域)を露光するときには、X軸方向に細長い円弧状に整形された露光光ELが照明光学系14からレチクルRの表面Raに照射され、レチクルRとウエハWとは、投影光学系16に対して該投影光学系16の縮小倍率に従った所定の速度比でY方向に同期して移動する。すなわち、レチクルステージ15とウエハステージ17とが同期走査される。このようにして、ウエハW上の一つのダイには、レチクルRのパターンに基づくパターンの像が露光される。その後、ウエハステージ17を駆動してウエハWをステップ移動した後、ウエハW上の次のダイに対してレチクルRのパターンに基づくパターンの像が走査露光される。このようにステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の複数のダイに対して順次レチクルRのパターンが形成される。
次に、レチクルステージ15の静電チャック21について図3に基づき説明する。
図3に示すように、静電チャック21は、誘電体などの絶縁性材料(例えばセラミック)からなる略直方体状をなしており、静電チャック21の−Z方向側(図3における紙面手前側であって、図1における下側)は、吸着領域21A(図3にて一点鎖線で囲まれた領域)を有する吸着面35が形成されている。そして、静電チャック21は、レチクルRの裏面Rb(図1参照)を吸着面35の吸着領域21Aに静電吸着させた状態で保持している。
静電チャック21の吸着領域21Aは、平坦に形成された略円形状の第1の支持部位36(図3において二点鎖線で囲まれた部位)と、該第1の支持部位36の外側に設けられた第2の支持部位37とを有している。第1の支持部位36は、レチクルRの裏面Rbにおける中央領域に対応する第1領域60(図2において二点鎖線で囲まれた領域)を支持可能に形成されている。なお、レチクルRの裏面Rbにおける中央領域、即ち第1領域60は、レチクルRの表面Raに形成された上記パターン領域に内接する内接円の内部領域として定義される。すなわち、第1領域60は、上記パターン領域のうちレチクルRの中心点を中心とした中央部分に対応した形状である。
また、第2の支持部位37は、レチクルRの裏面Rbにおいて第1領域60とは異なる第2領域61(図2において二点鎖線で囲まれた領域の外側の領域)を支持可能に形成されている。すなわち、第2領域61は、レチクルRの表面Raにおいて上記パターン領域の外周側の一部(即ち、縁部)及び上記非パターン領域を含んでなる他の領域に対応した領域である。第2の支持部位37の表面37aには、レチクルRとの接触率が第1の支持部位36とレチクルRとの接触率よりも低くなるように、凹部38が複数(本実施形態では36個)形成されている。これら各凹部38は、円形状の第1の支持部位36の中心、即ちレチクルRの中心にそれぞれ円弧状をなしており、該各凹部38は、第1の支持部位36を包囲するようにそれぞれ配置されている。なお、各凹部38のうち一部の凹部38は、吸着領域21Aの外周側に延びるように形成されている。
次に、本実施形態の露光装置11を制御する制御装置65について説明する。
図1に示すように、制御装置65には、不図示のCPU、ROM及びRAMなどが設けられている。制御装置65は、照明光学系14からの露光光ELがレチクルRを照明する時間、該露光光ELの光強度、レチクルRを構成する材料の特性、レチクルRのパターン領域内におけるパターンの存在率、及び該レチクルRを保持する静電チャック21を構成する材料の特性や形状などに基づき、レチクルRの温度を推定する。この際、詳しくは後述するが、レチクルRは、その温度分布の均一化(即ち、位置毎の温度を接近させること)が図られている。そのため、制御装置65は、レチクルRの温度を推定した結果に基づいて、レチクルRのパターンの像をウエハWに露光する際に、該パターンの像の誤差成分を補正する補正量を算出する。制御装置65は、さらにこの補正量に基づいて、温度の変化量から、レチクルR上のパターンの拡大率及び各パターンの移動量を推定し、該推定結果に基づき投影光学系16の光学特性を調整させる。
次に、本実施形態の露光装置11の作用のうち露光光ELがレチクルRを照射する際の作用を中心に説明する。
さて、照明光学系14から露光光ELが射出されると、レチクルステージ15の静電チャック21に保持されるレチクルRのパターン領域には露光光ELが照射される。具体的には、レチクルR及びウエハWがY方向に同期して移動することにより、レチクルRのパターン領域のうち露光光ELに照明される領域は、Y方向に沿って徐々に変更される。この際、レチクルRのうち露光光ELが照射される領域(以下、「発熱領域」という。)は、露光光ELの一部を吸収して発熱してしまう。
すると、発熱領域にて発熱された熱は、該発熱領域の周辺に移動すると共に、レチクルRの裏面Rb側からは、静電チャック21側に熱が伝達される。すなわち、レチクルRの裏面Rbのうち第1の支持部位36に支持される第1領域60の熱からは、第1の支持部位36に伝達される一方、第2の支持部位37に支持される第2領域からの熱は、第2の支持部位37に伝達される。この際、第1領域60は、上記パターン領域の大部分、即ち露光光ELがより多く照射される領域に対応する領域である。一方、第2領域61の大部分は、上記非パターン領域に対応する領域であって、レチクルRのうち第2領域61に対応する部分に一時貯留される熱の大部分は、レチクルRのうち第1領域60に対応する部分側から移動してきた熱である。すなわち、レチクルRのうち第1領域60に対応する部分の方が、第2領域61に対応する部分の熱量よりも多い。
なお、露光時においては、上記パターン領域の一部分にのみ露光光ELが照射されることがある。こうした場合、露光光ELが照射された照射領域の熱は、レチクルRのうち第1領域60に対応する部分全体に広がるように移動する。そして、裏面Rb側の第1領域60からは、第1の支持部位36に熱が伝達される。
ところが、第2の支持部位37とレチクルRとの接触率は、第1の支持部位36とレチクルRとの接触率よりも低いため、レチクルRから第2の支持部位37への熱の伝達効率は、レチクルRから第1の支持部位36への熱の伝達効率よりも低い。すなわち、レチクルRのうち第2領域61に対応する部分には、第1領域60に対応する部分に比して熱が溜まりやすい。
そのため、レチクルRにおいて、第2領域61に対応する部分の温度は、第2の支持部位37に各凹部38が形成されていない場合に比して、第1領域60に対応する部分の温度に接近する。すると、従来の場合とは異なり、レチクルR全体の温度分布の均一化が図られるため、レチクルRが熱膨張するとしても、その熱膨張は、一部が局所的に変形するようなものではなく、レチクルR全体が相似的に拡大するような膨張である。
その結果、レチクルRに形成されたパターンがレチクルRの熱膨張に起因して相似的に拡大したり、レチクルR上での基準位置からのパターンの位置がレチクルRの熱膨張に応じて所定方向に移動したりする。すなわち、レチクルRのパターンの像をウエハWに投影する際、レチクルRのパターンの像の誤差成分として、単純な倍率成分を発生させることが可能になる。換言すると、レチクルRよりもウエハW側に位置する投影光学系16にて補正することが困難な、レチクルRの熱膨張に基づくパターンの像の複雑な変形及び複雑な位置変化が抑制される。こうしたパターンの像の単純な変形及び単純な移動は、レチクルRよりもウエハW側に位置する投影光学系16にて補正することが可能である。
そのため、レチクルRの温度が推定されると、レチクルRに形成されたパターンの像の倍率成分の補正量及び移動量が算出される。すると、算出された倍率成分の補正量に基づいて、投影光学系16の光学特性、即ち、パターンの縮小率及びウエハW上に露光される位置の微調整が行われる。したがって、レチクルR全体の温度分布の均一化を図ることにより、ウエハWには、パターンに基づくパターンの像が適切な状態で投影される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)静電チャック21において、第2の支持部位37におけるレチクルRからの熱の伝達効率は、第1の支持部位36におけるレチクルRからの熱の伝達効率よりも低い。すなわち、レチクルRの表面Raのうち第2領域61に対応する領域に露光光ELがほとんど照射されなくても、レチクルRのうち第1領域60に対応する部分と第2領域61に対応する部分との間の温度差が小さくなる。そのため、レチクルRの温度変化に起因したパターンの複雑な形状に変形、及び複雑な位置変化が抑制される。すなわち、レチクルRのパターンの形状の変形は、相似的に拡大する。そのため、パターンの像の倍率成分を推定し、該推定結果に基づいて、投影光学系16の光学特性、即ち、投影光学系16の倍率を調整することにより、ウエハWに対してパターンに基づくパターンの像を適切に投影できる。
(2)第2の支持部位37は、第1の支持部位36に比してレチクルRとの接触率が低くなるように形成されている。そのため、レチクルRから第2の支持部位37への放熱効率は、レチクルRから第1の支持部位36への放熱効率に比して低くなる。そのため、レチクルRのうち第2領域61に対応する部分には熱が溜まりやすい分だけ、第2領域61に対応する部分の温度を第1領域60に対応する部分に接近させることができる。したがって、レチクルR全体の温度分布の均一化に貢献できる。
(3)本実施形態では、静電チャック21は、レチクルRの裏面Rbの第1領域60に接触する第1の支持部位36の熱の伝達効率と、レチクルRの裏面Rbの第2領域61に接触する第2の支持部位37の熱の伝達効率とが互いに異なるように構成されている。そのため、レチクルRを、第1領域60から静電チャック21への放熱効率と第2領域61から静電チャック21への放熱効率とが互いに異なるように構成する必要がない。したがって、レチクルRの構成の複雑化を抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図4及び図5に従って説明する。なお、第2の実施形態は、静電チャック21の構成が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。なお、図5では、明細書の説明理解の便宜上、後述する突起部40の大きさや突起部40同士の間隔が誇張して描かれている。
図4及び図5に示すように、本実施形態の静電チャック21の吸着面35において、レチクルRを静電吸着する吸着領域21Aには、−Z方向に延びる円筒状の突起部40が複数形成されている。そして、静電チャック21は、レチクルRを各突起部40の先端に接触させた状態で保持している。なお、図4において、破線で囲まれた領域の内側がレチクルRの表面Raにおけるパターン領域に相当する領域であると共に、破線で囲まれた領域の外側がレチクルRの表面Raにおける非パターン領域に相当する領域である。また、図4において、一点鎖線で囲まれた領域がレチクルRの裏面Rbにおける第1領域60に相当する領域であると共に、一点鎖線で囲まれた領域の外側がレチクルRの裏面Rbにおける第2領域61に相当する領域である。
また、本実施形態の静電チャック21においてレチクルRを保持する吸着領域21Aは、突起部40の疎密具合、即ち突起部40同士の間隔に応じて複数(本実施形態では4つ)の突起形成領域41,42,43,44に分類される。すなわち、各突起形成領域41〜44のうち最も径方向内側に位置する略円形状の第1突起形成領域41は、レチクルRのうち第1突起形成領域41に保持される部分の熱量がレチクルRにおいて最も多いことから、単位面積あたりの突起部40の数が最も多くなるように形成されている。また、第1突起形成領域41の外側に位置する略円環状の第2突起形成領域42は、レチクルRのうち第2突起形成領域42に保持される部分の熱量がレチクルR内において二番目に多いことから、単位面積あたりの突起部40の数が二番目に多くなるように形成されている。
また、第2突起形成領域42の外側に位置する略円環状の第3突起形成領域43は、レチクルRのうち第3突起形成領域43に保持される部分が第2領域61に対応する部分のうち最も第1領域60に対応する部分に近い領域であることから、単位面積あたりの突起部40の数が三番目に多くなるように形成されている。さらに、第3突起形成領域43の外側に位置する略円環状の第4突起形成領域44は、レチクルRのうち第4突起形成領域44に保持される部分が第2領域61に対応する部分のうち最も第1領域60に対応する部分に遠い領域であることから、単位面積あたりの突起部40の数が最も少なくなるように形成されている。
そして、静電チャック21にてレチクルRを保持する場合、該レチクルRの第1領域60は、静電チャック21の第1突起形成領域41及び第2突起形成領域42に保持されると共に、レチクルRの第2領域61は、静電チャック21の第3突起形成領域43及び第4突起形成領域44に保持される。したがって、本実施形態では、第1突起形成領域41及び第2突起形成領域42により第1の支持部位36が構成されると共に、第3突起形成領域43及び第4突起形成領域44により第2の支持部位37が構成されている。
そして、本実施形態の静電チャック21に保持されるレチクルRに対して露光光ELが照射されると、レチクルRのうち第1領域60からは、第1突起形成領域41及び第2突起形成領域42の各突起部40を介して静電チャック21側に熱が伝達される。また、レチクルRのうち第2領域61に対応する部分には、該部分で発熱した熱と、第1領域60に対応する部分から移動してきた熱とが溜まる。そして、第2領域61に対応する部分内の熱の一部は、第3突起形成領域43及び第4突起形成領域44の各突起部40を介して静電チャック21側に熱が伝達される。この際、第3突起形成領域43及び第4突起形成領域44は、第1突起形成領域41及び第2突起形成領域42に比して単位面積あたりの突起部40の数が少ない、即ちレチクルRとの接触率が低い。そのため、レチクルRの第2領域61に対応する部分には、第1領域60に対応する部分に比して熱が溜まりやすい。
その結果、レチクルRにおいて、第2領域61に対応する部分の温度は、第2の支持部位37が第1の支持部位36と同等の構成である場合に比して第1領域60に対応する部分の温度に接近する。すなわち、レチクルR全体の温度分布の均一化が図られる。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(3)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(4)レチクルRの第2領域61に対向する第3突起形成領域43及び第4突起形成領域44は、第1領域60に対向する第1突起形成領域41及び第2突起形成領域42に比して互いに隣り合う突起部40同士の間隔が広くなるように構成されている。そのため、レチクルRと第3突起形成領域43及び第4突起形成領域44との接触率は、レチクルRと第1突起形成領域41及び第2突起形成領域42との接触率に比して低くなる。その結果、レチクルRのうち第2領域61に対応する部分には、第1領域60に対応する部分に比して熱が溜まりやすい分だけ、第2領域61に対応する部分の温度を第1領域60に対応する部分に接近させることができる。したがって、レチクルR全体の温度分布の均一化に貢献できる。
(5)第1の支持部位36では、レチクルRのうち露光光ELの照射量が最も多い径方向中央部分に対応する第1突起形成領域41が、第2突起形成領域42よりも単位面積あたりの突起部40の数が多くなるように構成されている。すなわち、レチクルRのうち第1領域60に対応する部分のうち熱量が比較的少ない部分に対応する第2突起形成領域42には、第1突起形成領域41よりもレチクルRからの熱が放熱されにくい。したがって、レチクルRのうち第2突起形成領域42に保持される部分の温度を、レチクルRのうち第1突起形成領域41に保持される部分の温度に接近させることができるため、レチクルR全体の温度分布の均一化により貢献できる。
(6)また、第2の支持部位37では、レチクルRの第1領域60に対応する部分から径方向において離間するに連れて単位面積あたりの突起部40の数が少なくなるように構成されている。そのため、第4突起形成領域44には、第3突起形成領域43よりもレチクルRからの熱が放熱されにくいため、レチクルRにおいて第4突起形成領域44に保持される部分の温度低下が良好に抑制される。したがって、レチクルRのうち第4突起形成領域44に保持される部分の温度を、レチクルRのうち第3突起形成領域43に保持される部分の温度に接近させることができるため、レチクルR全体の温度分布の均一化により貢献できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図6に従って説明する。なお、第3の実施形態は、レチクルR及び静電チャック21の各構成が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。なお、図6では、明細書の説明理解の便宜上、後述する突起部56の大きさや突起部56同士の間隔などが誇張して描かれている。
図6に示すように、本実施形態のレチクルRは、低膨張ガラスなどの板状のレチクル本体50と、該レチクル本体50の第1面51(図5では上面)側に形成された導電層52と、第2面53(図1では下面)側に形成された反射層54と、該反射層54上に形成された吸収層55とを備えている。そして、吸収層55の径方向中央部、即ちパターン領域には、電子デバイス用の回路パターン等の所定のパターンPが形成されている。なお、レチクルRの裏面Rbのうち、パターン領域の大部分に対応する領域(図6にて一点鎖線よりも内側の領域)が第1領域60であると共に、パターン領域の外縁部及び非パターン領域を含む他の領域に対応する領域が第2領域61である。
また、導電層52には、後述するリソグラフィ処理及びエッチング処理を含む各種プロセス処理を施すことによって、+Z方向側(図5における上側)に延びる円柱形状の突起部56が複数形成されている。具体的には、レチクルRは、その第1領域60における単位面積あたりの突起部56の数が第2領域61における単位面積あたりの突起部56の数に比して多くなるように形成されている。
そのため、本実施形態のレチクルRを保持する静電チャック21の吸着面35が、突起部40や凹部38が形成されていない略平坦面であったとしても、第2領域61と静電チャック21との接触率は、第1領域60と静電チャック21との接触率に比して低くなる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(7)レチクルRにおける第2領域61から静電チャック21への熱の伝達効率は、第1領域60から静電チャック21への熱の伝達効率よりも低い。すなわち、レチクルRの表面Raのうち他の領域に露光光ELがほとんど照射されなくても、レチクルRのうち第1領域60に対応する部分と第2領域61に対応する部分との間の温度差が小さくなる。そのため、レチクルRの熱膨張に起因した所定のパターンPの形状の複雑な変形及び複雑な位置変化が抑制される。すなわち、レチクルRのパターンの形状の変形は、相似的に拡大する。そのため、パターンの像の倍率成分を推定し、該推定結果に基づいて、投影光学系16の光学特性、即ち、投影光学系16の倍率を調整することにより、ウエハWに対してパターンに基づくパターンの像を適切に投影できる。
(8)本実施形態では、レチクルRは、第1領域60から静電チャック21への放熱効率と第2領域61から静電チャック21への放熱効率とが互いに異なるように構成されている。そのため、静電チャック21を、レチクルRの第1領域60に接触する第1の支持部位36の熱の伝達効率と、レチクルRの第2領域61に接近する第2の支持部位37の熱の伝達効率とが互いに異なるように構成する必要がない。したがって、静電チャック21の構成の複雑化を抑制できる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第3の実施形態において、レチクルRの第1領域60を、径方向中央領域と該径方向中央領域の外周領域とで静電チャック21との接触率を変更させるように構成してもよい。同様に、レチクルRの第2領域61を、第1領域60から離間するに連れて静電チャック21との接触率が低くなるように構成してもよい。
・第3の実施形態において、レチクルRを、第2領域61における単位面積あたりの突起部56の数が第1領域60における単位面積あたりの突起部56の数が同等となるように形成してもよい。この場合、第2領域61の突起部56を、第1領域60の突起部56よりも細く形成することが望ましい。このように構成しても、第2領域61における静電チャック21との接触率を、第1領域60における静電チャック21との接触率よりも低くできる。
・第3の実施形態において、レチクルRには突起部56を設けなくてもよい。この場合、レチクルRの第2領域61において静電チャック21と対向する面には、凹部を設けることが望ましい。このように構成しても、第2領域61における静電チャック21との接触率を、第1領域60における静電チャック21との接触率よりも低くできる。
・第2の実施形態において、第1の支持部位36を、互いに隣り合う突起部40同士の間隔が全て等間隔になるように構成してもよい。同様に、第2の支持部位37を、互いに隣り合う突起部40同士の間隔が全て等間隔になるように構成してもよい。
・第2の実施形態において、静電チャック21を、各突起形成領域41〜44における単位面積あたりの突起部40の数が全て同等となるように構成してもよい。この場合、第1突起形成領域41の各突起部40を最も太くする共に、第2突起形成領域42の各突起部40を二番目に太くすることが望ましい。さらに、第3突起形成領域43の各突起部40を三番目に太くすると共に、第4突起形成領域44の各突起部40を最も細くすることが望ましい。このように構成しても、レチクルRとの接触率を、突起形成領域44毎に変更できる。
・第2の実施形態において、静電チャック21に形成される各突起部40は、任意の形状(例えば突条や多角柱)をなすものであってもよい。
・第1の実施形態において、第2の支持部位37には、凹部38を設けなくてもよい。この場合、第2の支持部位37を、第1の支持部位36を構成する材料よりも伝熱効率の低い材料にて構成することが望ましい。
・各実施形態において、レチクルステージ15は、レチクルRを保持可能な保持部材を備えた構成であればよく、レチクルRを吸着可能な部材(即ち、静電チャック21)を備えない構成であってもよい。
・各実施形態において、露光装置11は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置11は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
・各実施形態の露光装置11は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパ、及び、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式のステッパを問わず適用することができる。
・各実施形態において、EUV光を出力可能な露光光源13として、放電型プラズマ光源を用いてもよい。
・各実施形態において、露光装置11は、EB(Electron Beam )を露光光ELとして用いる露光装置であってもよい。
・各実施形態において、露光光源13は、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Fレーザ(157nm)、Krレーザ(146nm)、Arレーザ(126nm)等を出力可能な光源であってもよい。また、露光光源13は、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を出力可能な光源であってもよい。
次に、本発明の実施形態の露光装置11によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図7は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図8は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)おいては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置11)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
第1の実施形態における露光装置を示す概略構成図。 レチクルの裏面側を示す概略平面図。 第1の実施形態における静電チャックの概略平面図。 第2の実施形態における静電チャックの概略平面図。 図4の5−5線矢視断面図。 第3の実施形態におけるレチクルの概略断面図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
符号の説明
11…露光装置、13…露光光源、15…マスク保持装置としてのレチクルステージ、16…投影光学系、17…基板保持装置してのウエハステージ、21…保持部としての静電チャック、21A…保持領域としての吸着領域、36…第1の支持部位、37…第2の支持部位、38…凹部、40…突起部、50…マスク本体としてのレチクル本体、51…第1面、53…第2面、56…突起部、60…第1領域、61…第2領域、EL…放射ビームとしての露光光、P…所定のパターン、R…マスクとしてのレチクル、Ra…一方面としての表面、Rb…他方面としての裏面、W…基板としてのウエハ。

Claims (16)

  1. 一方面及び該一方面の反対側に位置する他方面を有し、且つ前記一方面に所定のパターンが形成されたマスクを保持するマスク保持装置であって、
    前記マスクの他方面において前記マスクの中央領域に対応する第1領域を支持する第1の支持部位と、
    前記マスクの他方面において前記第1領域とは異なる第2領域を支持する第2の支持部位とを備え、
    該第2の支持部位は、前記マスクからの熱の伝達効率が前記第1の支持部位による前記マスクからの熱の伝達効率よりも低くなるように形成されたマスク保持装置。
  2. 前記第2の支持部位における前記マスクとの接触率は、前記第1の支持部位における前記マスクとの接触率よりも低い請求項1に記載のマスク保持装置。
  3. 一方面及び該一方面の反対側に位置する他方面を有し、且つ前記一方面に所定のパターンが形成されたマスクを保持するマスク保持装置であって、
    前記マスクの他方面において前記マスクの中央領域に対応する第1領域を支持する第1の支持部位と、
    前記マスクの他方面において前記第1領域とは異なる第2領域を支持する第2の支持部位とを備え、
    該第2の支持部位は、前記マスクとの接触率が前記第1の支持部位における前記マスクとの接触率よりも低くなるように形成されたマスク保持装置。
  4. 前記第2の支持部位には、凹部が形成されている請求項2又は請求項3に記載のマスク保持装置。
  5. 前記第1の支持部位及び前記第2の支持部位のそれぞれは、複数の突起部を有し、該各突起部の先端が前記マスクの他方面に当接する請求項2又は請求項3に記載のマスク保持装置。
  6. 前記第2の支持部位は、前記第1の支持部位に比して互いに隣り合う前記突起部同士の間隔が広くなるように形成されている請求項5に記載のマスク保持装置。
  7. 前記第2の支持部位の単位面積あたりの前記突起部の数は、前記第1の支持部位における単位面積あたりの前記突起部の数よりも少ない請求項6に記載のマスク保持装置。
  8. 一方面及び該一方面の反対側に位置する他方面を有し、且つ前記一方面に所定のパターンが形成されたマスクを保持するマスク保持装置であって、
    前記マスクの他方面を保持する保持領域を備え、
    該保持領域は、複数の突起部を有する第1の支持部位と、該第1の支持部位の外側に形成され、且つ複数の突起部を有する第2の支持部位とに区画されており、
    該第2の支持部位は、前記第1の支持部位に比して互いに隣り合う前記突起部同士の間隔が広くなるように形成されたマスク保持装置。
  9. 前記第2の支持部位における単位面積あたりの前記突起部の数は、前記第1の支持部位における単位面積あたりの前記突起部の数に比して少ない請求項8に記載のマスク保持装置。
  10. 第1面及び該第1面の反対側に位置する第2面を有する板状のマスク本体と、前記第1面側に形成された所定のパターンとを備え、前記第2面側がマスク保持装置に対向するマスクにおいて、
    前記第2面側は、前記マスク本体の中央領域に対応する第1領域における前記マスク保持装置への放熱効率より、前記第1領域とは異なる第2領域における前記マスク保持装置への放熱効率のほうが低くなるように形成されたマスク。
  11. 前記第2領域における前記マスク保持装置との接触率は、前記第1領域における前記マスク保持装置との接触率よりも低い請求項10に記載のマスク。
  12. 前記第2面側には、複数の突起部が形成されている請求項11に記載のマスク。
  13. 前記第2領域における単位面積あたりの前記突起部の数は、前記第1領域における単位面積あたりの前記突起部の数よりも少ない請求項12に記載のマスク。
  14. 請求項10〜請求項13のうち何れか一項に記載のマスクを保持する保持部を備えたマスク保持装置。
  15. 請求項1〜請求項9及び請求項14のうち何れか一項に記載のマスク保持装置と、
    該マスク保持装置に保持された前記マスクのパターンの像を感光性材料が塗布された基板上に投影するための投影光学系と、
    前記基板を保持する基板保持装置と
    を備えた露光装置。
  16. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程は、請求項15に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
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