JP2004273926A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変化があってもレチクルやウエハの位置測定を正確に行うことができ、精度よく回路パターンを露光転写することができてチップの不良率を低減し、また高性能のデバイスを作成することができる露光装置を提供すること。
【解決手段】この露光装置1は、レチクル4の位置を、レチクル4を保持するレチクルチャック9上であって、レチクルチャック9に保持されたレチクル4の範囲内に相当する位置に設けられた基準面9aに基づいて測定し、測定結果に応じてレチクルチャック9を移動させることによりレチクル4の位置を調整して露光を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】この露光装置1は、レチクル4の位置を、レチクル4を保持するレチクルチャック9上であって、レチクルチャック9に保持されたレチクル4の範囲内に相当する位置に設けられた基準面9aに基づいて測定し、測定結果に応じてレチクルチャック9を移動させることによりレチクル4の位置を調整して露光を行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスを製造するために用いられる露光装置に係り、更に詳細には特にEUV光(極紫外光)等の真空紫外線を用いて露光を行う露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体メモリや論理回路などの微細な半導体素子を製造するための焼付け(リソグラフィ)方法として、紫外光を用いた縮小投影露光が行われている。この縮小投影露光においては、転写できる最小寸法は転写に用いる光の波長に比例し、投影光学系の開口数に反比例する。このため、より微細な回路パターンを転写するために使用する光の短波長化が進められ、水銀ランプi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)と、使用される紫外光(紫外線)の波長は短くなってきている。
【0003】
しかし、半導体素子は急速に微細化しており、紫外光を用いたリソグラフィでは転写可能な寸法に限界がある。そこで0.1μm以下の微細な回路パターンの焼付けを効率よく行うために、紫外線よりも更に波長が短い10nm〜20nm程度の波長の極紫外光(EUV光)を用いた縮小投影露光装置が開発されている。
【0004】
EUV光の波長領域においては物質による光の吸収率が高くなる。したがって、EUV光を用いた光学系に光の透過や屈折を利用するレンズ光学系(可視光や紫外光の波長領域で一般によく用いられるもの。)を使用すると、光学系内でEUV光が吸収されてしまい不都合である。したがって、EUV光を使用した露光装置では一般に反射光学系が用いられる。この場合、回路パターンが形成された投影原版としてのレチクル(マスク)にも、透過型レチクルでなく反射型レチクルがよく用いられる。この反射型レチクルは、ミラー上に吸収体によって転写すべきパターンを形成したものである。
【0005】
EUV光を用いた露光装置を構成する反射型光学素子としては、多層膜ミラーと斜入射全反射ミラーとがある。EUV光の波長領域では屈折率の実部は1より僅かに小さいので、入射角を大きくして反射面に近い角度から斜めにEUV光を入射する斜入射で用いれば全反射が起きる。通常、反射面から数度以内の角度の斜入射では数10%以上の高い反射率が得られる。しかし光学設計上の自由度が小さく、この斜入射全反射ミラーを投影光学系に用いることは難しい。
【0006】
比較的小さな入射角で用いるEUV光用のミラーとしては、光学定数の異なる2種類の物質を交互に積層した多層膜ミラーが用いられることが多い。この多層膜ミラーは、精密な面形状に研磨されたガラス基板の表面に例えばモリブデンとシリコンとが交互に積層されたものであり、例えば、モリブデン層の厚さは2nm、シリコン層の厚さは5nm程度とされ、積層数は20層対程度とされている。ここで2種類の物質の層(モリブデン層、シリコン層)の厚さを加えたものを膜周期とよぶ。上記例では膜周期は2nm+5nm=7nmとなる。
【0007】
このような多層膜ミラーにEUV光を入射すると、入射EUV光のうち特定の波長のものが反射される。入射角をθ、EUV光の波長をλ、膜周期をdとすると近似的にはブラッグの式、2×d×sinθ=λ、の関係を満足するようなλを中心とした狭いバンド幅(波長幅)のEUV光だけが効率よく反射される。このときのバンド幅は0.6nm〜1nm程度である。反射されるEUV光の反射率は最大でも0.7程度であり、反射されなかったEUV光は多層膜中あるいは基板中で吸収され、そのエネルギーの大部分が熱になる。
多層膜ミラーは可視光のミラーに比べて光の損失が大きいので、多層膜ミラーをリソグラフィのための露光装置の光学系として用いる際には、ミラーの枚数を最小限に抑えることが望ましい。少ない枚数のミラーで広い露光領域を実現するためには、光軸から一定の距離だけ離れた細い円弧状領域(リングフィールド)の光だけを用いて、レチクルとウエハを同時に走査して広い面積を転写する走査露光(スキャン露光)による方法が好ましい。したがって、EUV光を用いた露光装置(EUV露光装置)においては、一般に走査露光(スキャン露光)による方法が用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以下、従来のEUV光を用いた露光装置に存していた問題を説明する。
【0009】
EUV光はガスによって吸収される性質を有する。例えば、10Paの気圧で空気が満たされた空間を波長13nmのEUV光が1mの距離伝播すると、その約50%が吸収されてしまう。したがって、ガスによる吸収を避けるために、EUV光が伝播する空間の気圧は少なくとも10−1Pa以下、望ましくは10−3Pa以下となっている必要がある。
【0010】
また、光学素子が配置された空間に炭化水素等の炭素を含む分子が残留していた場合、EUV光の照射によってその光学素子表面に炭素が次第に付着し、この付着した炭素がEUV光を吸収するために反射率が低下してしまうという問題がある。この炭素付着を防止するためには、EUV光が照射される光学素子が配置される空間の気圧は少なくとも10−4Pa以下、望ましくは10−6Pa以下となっている必要がある。
【0011】
このように、波長13nm〜14nm近傍のEUV光はレンズ等の透過や空気中の伝播によって大きく吸収される性質であるため、EUV光を用いるEUV露光装置では従来の露光装置に用いられている透過型レチクルではなく、反射型レチクルが用いられ、かつ、EUV光が通過する照明光学系及び投影光学系内のすべての光学素子が真空中に配置される構成となる。
【0012】
反射型のレチクルは、EUV光を反射する部分と吸収する部分との反射光強度の差によって回路パターンの情報を構成する。したがって、部分的に光を吸収するため、EUV用の反射型レチクルは従来の透過型レチクルに比較して、照明光(露光光源からの光)を受けた際の発熱が大きくなってしまう。さらに、反射型レチクルは真空中に構成されているため、その発熱は周囲空間に殆ど放熱されず、レチクルを保持しているレチクルチャックを経由して伝熱によって放熱されるのみであり、放熱効率が悪い。
【0013】
周囲が真空であるので、レチクルチャックのレチクル保持方法として従来用いられていた真空吸着方法が使用できず、静電吸着方法を用いることとなる。この方法を用いることにより、従来に比較して次のような不都合な点が生じる。まず静電吸着力を充分に得るためにレチクルチャックの材質が限定される。したがって、レチクルチャックの材質として必ずしも理想的な低熱膨張材を使用することができない場合がある。
【0014】
また、静電吸着部では漏れ電流が発生し、その漏れ電流が発熱源となり静電吸着部がわずかに発熱することがある。そのために、EUV光を用いた露光装置ではレチクルチャックはわずかながら熱膨張することになる。レチクルチャックはレチクルを略全面で吸着するため、その保持面はレチクルと同等かそれ以上の面積を持つ構成となっている。レチクルには、回路パターンが形成された部分の周囲に位置決め情報のためのスペースや搬送の際に搬送用のロボットで掴むためのスペース等が設けられているので、レチクル全体としての面積は、実際に露光に使用される部分の面積よりも大きいものとなっている。
【0015】
前述のように、EUV露光装置には、一般に走査露光が用いられる。そして、レチクルとウエハの位置測定はレーザ干渉計によって行われる。図7(a)及び(b)に、従来の露光装置(露光光としてEUV光を用いない露光装置)におけるレチクル位置測定の例を示す。レチクル101の位置測定は、図に示すようにレチクル101を保持するためのレチクルチャック102に被測定点(被測定面)としての基準面103を設け、その基準面103の位置を測定することによって行う。
【0016】
この基準面103は、レチクルチャック102の副走査方向の位置を測定するために、レチクルチャック102の短側面102aに設けられている。また、レチクルチャック102の主走査方向の位置を測定するために、レチクルチャックの長側面102bにも基準面(図示せず)が設けられている。ここでレチクル面内又はウエハ面内での副走査方向(すなわち走査移動する方向)をX軸方向、主走査方向(すなわち、レチクル面内又はウエハ面内においてX軸に直交する方向)をY軸方向、レチクル面又はウエハ面に垂直な方向をZ軸方向とする。
【0017】
従来の露光装置においては、光がレチクルに吸収されることは少なく、レチクルの発熱は殆ど発生しなかった。また、多少の発熱がある場合であっても、その熱が周囲の気体中へ放出され拡散されていたため、熱が大きな問題とはなっていなかった。さらに、レチクルチャック101の吸着方式として真空吸着方式が用いられていたために、レチクルチャック101自体が漏れ電流等により発熱することもなかった。
【0018】
しかしながら、EUV露光装置においては反射型レチクルが光を吸収し発熱してしまう。また、レチクルチャックに静電吸着方式を用いると、レチクルチャック自体も漏れ電流により発熱してしまう。さらに、それらが真空中に構成されることとなるので熱の拡散も少なく、冷却効果も殆ど発揮されないので、レチクル及びレチクルチャックが高温となってしまう。
【0019】
この場合、図7(a),(b)に示す従来の構成においては、レチクル101及びレチクルチャック102が熱膨張してしまい、その熱膨張によりレチクル101及び基準面103の位置がシフトする。例えば図に示すように、レチクル101と基準面103とが離間していると、レチクル101と基準面103の熱膨張による位置シフト量が異なってしまい、温度変化により基準面103の位置とレチクル101の位置との対応がとれず、レチクル101の位置測定に誤差を生じてしまう。その測定誤差が原因となり、結果的にレチクルステージ104を走査移動させて露光を行う際に、レチクル上の回路パターンをウエハ上に正確に転写できず、チップの不良率が高くなってしまうという問題があった。レチクルチャックの吸着方式として静電吸着方式を用いることにより、その材質も低熱膨張率の材質を用いることができない場合があり、その場合は、熱膨張の問題は特に顕著なものとなってしまっていた。
【0020】
本発明は上記の事情に鑑みて為されたもので、温度変化があってもレチクルやマスクの位置測定を正確に行うことができ、精度よく回路パターンを露光転写することができてチップの不良率を低減し、また高性能のデバイスを作成することができる露光装置を提供することを例示的目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記例示的目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、光源からの光を物体に導く光学系と、物体を保持する保持部材と、保持部材に設けられた基準面を利用して保持部材の位置を測定する装置とを有し、基準面は、保持部材に保持された物体の範囲内に相当する位置に設けられていることを特徴とする。
【0022】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る露光装置1の露光部全体の構成を模式的に示す概略図である。この露光装置1は、露光光源にEUV光を用いた走査露光方式の縮小投影露光装置であり、EUV光源2・照明光学系3・反射型レチクル(以下、単にレチクルという。)4・レチクルステージ5・投影光学系6・位置測定装置7・アライメント光学系8・真空系17等を有して大略構成される。
【0024】
EUV光源2としては、例えばレーザプラズマ光源2aが用いられる。このレーザプラズマ光源2aは、励起用パルスレーザ2b、集光レンズ2c、ターゲット供給装置2dを有して大略構成される。このレーザプラズマ光源2aは、真空容器中のターゲット材に励起用パルスレーザ2bによって高強度のパルスレーザ光を照射し、高温のプラズマを発生させ、そこから放射される例えば波長13.4nm程度のEUV光を利用するものである。
【0025】
ターゲット材としては金属薄膜・不活性ガス・液滴等が用いられ、ガスジェット等のターゲット供給装置2dによって真空容器内に供給される。励起用パルスレーザ2bのレーザ照射の繰り返し周波数が高い方が、放射されるEUV光の平均強度が高くなり、通常励起用パルスレーザ2bは数kHzの繰り返し周波数で運転される。
【0026】
照明光学系3は、EUV光源2からのEUV光を露光原版としてのレチクル4に導くためのものであり、複数のミラー3a・オプティカルインテグレータ3b等を有して大略構成される。ミラー3aとしては、多層膜ミラーや斜入射ミラーが用いられる。
【0027】
初段の集光ミラー3a’はEUV光源2から略等方的に放射されるEUV光を集光し、平行光とするためのものである。オプティカルインテグレータ3bはレチクル4を所定の開口数で均一に照明するためのものである。また照明光学系3におけるレチクル4と共役な位置には、レチクル4の表面にEUV光が照明される領域を円弧状に制限するためのアパーチャ3cがレチクル4と実質的に共役な位置に設けられている。
【0028】
レチクル4は、ウエハ上に投影される回路パターンが表面に形成された露光原版である。レチクル4の周辺を拡大した模式図を図2に示す。図2は、この露光装置1の要部としてのレチクル4周辺を拡大して示したもので、図2(a)はレチクル4の側面側から見た側面図を、図2(b)はレチクル4の表面側から見た正面図を示す。
【0029】
このレチクル4は、ウエハ上に転写すべきパターンを、タングステン等の吸収体によって多層膜ミラー上に形成したもので、EUV光を反射する部分と吸収する部分との反射光強度の差によって回路パターンの情報を構成している。レチクル4は、保持部材としてのレチクルチャック9に保持されている。レチクル4は、そのX軸方向(副走査方向)の略中央に相当する位置を基準として、その位置がレチクルチャック9のX軸方向(副走査方向)の略中央に相当する位置に固定されている。したがって、レチクル4のX軸方向中央とレチクルチャック9のX軸方向中央とは、X軸方向において一致する位置となっている。この実施の形態においては、このレチクル4は真空中に配置されているので、静電吸着方式のレチクルチャック9が用いられている。レチクルチャック9は、レチクルステージ5上に載置されている。
【0030】
このレチクルステージ5は、露光の際にレチクル4を副走査方向(X軸方向)に沿って精密に走査移動させるためのものである。レチクルステージ5としては、例えばサーボモータと精密送り機構とによる精密ステージや、リニアモータ等を用いた高精度走査移動及び高精度位置決め機構が用いられる。また、レチクルステージ5には、X軸方向(副走査方向)、Y軸方向(主走査方向)、Z軸方向(レチクル4の面に垂直な方向)、及び各軸回りの回転方向に微動可能な微動機構(図示せず)が設けられ、レチクル4の精密な位置決めができるようになっている。
【0031】
レチクルチャック9には基準面9aが設けられている。この基準面9aは、レチクル4の位置を測定するための基準となる面であり、レチクル4の範囲内に相当する位置に設けられている。ここで、レチクル4の範囲内に相当する位置とは、図中X軸方向の位置測定においてはレチクル4の側面4aのX軸方向位置から側面4bのX軸方向位置までの範囲内に相当する位置を意味する。また、図中Y軸方向の位置測定においてはレチクル4の側面4cのY方向位置から側面4dのY方向位置までの範囲内に相当する位置を意味する。
【0032】
本実施の形態においては、基準面9aはレチクル4の内部であって、レチクル4のX軸方向略中央に相当する位置、すなわちレチクル4のX軸方向中心線4e上に対応する位置に設けられている。レチクル4は寸法に個体ばらつきを有するので、レチクル4を複数準備したような場合には個々のレチクル4の寸法は精密な視点から見ると異なっている。しかし、レチクルチャック9に保持される際にはその中心位置を基準として保持固定されるので、レチクル4の中心とレチクルチャック9の中心とは略一致することとなる。このため、基準面9aの位置測定を行うことは、レチクル4の略中心位置の位置測定を行うことと同様の結果となる。
【0033】
レチクル4の位置と基準面9aとの位置が近接していることから、レチクル4の熱膨張による位置ずれに対応して基準面9aが位置ずれを生じることとなる。したがって、レチクル4及びレチクルチャック9が高温となり、熱膨張による位置ずれが発生したとしても、レチクル4の位置ずれ量と基準面9aの位置ずれ量とは殆ど同じ量となり、基準面9aの位置とレチクル4の位置との関係に誤差が生じることがない。
【0034】
位置測定装置7の一部としてのレーザ測長器10は、レチクル4の位置を測定する測定光を照射する測定光源である。レーザ測長器10からのレーザ光(測定光)10aは、レチクルチャック9に形成された光路としての穴部9bを通って基準面9aに向けて照射される。基準面9aにはキューブミラー9dが取り付けられており、レーザ光10aは、そのキューブミラー9dによって反射される。
【0035】
反射されたレーザ光10aは、穴部9bを通って検出手段としての干渉計11へと導かれる。この干渉計11(位置測定装置7の一部)は、基準面9aからの反射光に基づいてレチクル4の位置を検出するためのもので、レーザ測長器10からの参照光と基準面9aで反射された反射光との光干渉に基づいて、基準面9aの位置を高精度に測定することができる。この位置測定結果に応じて、微動機構によりレチクルステージ5及びレチクルチャック9が移動し、レチクル4の高精度な位置調整が行われるようになっている。
【0036】
このレチクルチャック9は、レチクルステージ5によってX軸方向に一次元的な走査移動を行う。本実施の形態においては、穴部9bがX軸方向と平行に形成されているので、レチクルチャック9が走査移動しても、レーザ測長器10からの測定光が遮られたり、基準面9aに届かなくなってしまったりするようなことはない。また、基準面9aからの反射光が干渉計11に届かなくなってしまうようなこともない。
【0037】
投影光学系6は、レチクル4によって反射されたEUV光をウエハ12上に導くための光学系であり、複数のミラー6a〜6d及びアパーチャ6eを用いて構成される。この投影光学系6においては、ミラー枚数が少ない方がEUV光の利用効率が高いが、収差補正が難しくなる。収差補正に必要なミラー枚数は例えば4枚から6枚程度であり、ミラー6a〜6dの反射面の形状は凸面又は凹面の球面又は非球面である。
【0038】
ミラー6a〜6dは、低膨張率ガラスやシリコンカーバイド等の高剛性、高硬度、低熱膨張率の材料からなる基板表面を研削又は研磨して所定の反射面形状を創成した後、その反射面にモリブデン/シリコン等の多層膜を成膜したものである。前述のブラッグの式から明らかなように、膜周期一定の多層膜ミラーにおいてはミラー面内の位置によって光の入射角が異なってしまうと高反射率となるEUV光の波長もその位置に応じて異なってしまう。そこでミラー面内で一定波長のEUV光が効率よく反射されるために、膜周期が分布を持つように構成される。
【0039】
ウエハ12はウエハステージ13上に設けられた保持部材としてのウエハチャック14に保持される。ウエハステージ13はレチクルステージ5と同様にX軸方向(副走査方向)に高速移動する機構を有している。このウエハステージ13とレチクルステージ5とは、露光投影の縮小倍率に比例した速度比で同期して走査する走査移動機構を有している。また、ウエハステージ13にはX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及び各軸回りの回転方向に微動可能な微動機構(図示せず)が設けられ、ウエハ12の精密な位置決めができるようになっている。
【0040】
ウエハステージ13の位置と姿勢は、レチクルステージ5の場合と同様に、図示しない位置測定装置(レーザ測長器と干渉計とを有して構成される位置測定装置)によって測定され、その位置測定結果に応じて、微動機構によりウエハステージ13及びウエハチャック14が移動してウエハ12の高精度な位置調整が行われるようになっている。
【0041】
アライメント光学系8を有するアライメント検出手段は、レチクル4の位置と投影光学系6の光軸との位置関係、及びウエハ12の位置と投影光学系6の光軸との位置関係を検出するためのものである。その検出結果に基づいて、レチクル4の投影像がウエハ12の所定の位置に一致するようにレチクルステージ5及びウエハステージ13の位置と角度とが設定されるようになっている。
【0042】
フォーカス位置検出手段16は、ウエハ12表面のフォーカス位置(すなわちZ軸方向位置)を検出するためのもので、ウエハステージ13の位置及び角度が制御されることにより、露光中のウエハ12面が、常に投影光学系6による結像位置に保たれるようになっている。
【0043】
この露光装置1においては、露光光源としてEUV光源2を用いている。このEUV光は、上述のように空気によっても吸収されて光の強度が低下する。したがって、この露光装置1において照明光学系3、レチクル4、投影光学系6、ウエハ12を含み、EUV光の光路に相当する部分は、全て真空系17によって真空中に配されている。
【0044】
次に、この露光装置1の動作について説明する。
【0045】
レチクル4をレチクルチャック9に保持させ、ウエハ12をウエハチャック14に保持させて、この露光装置1による露光を開始する。EUV光源2からのEUV光が照明光学系3を経てレチクル4の表面に導かれ、その後、投影光学系6を経てウエハ12表面に至り、レチクル4表面上の回路パターンをウエハ12表面に転写することによって露光が行われる。
【0046】
この露光装置1は、走査露光方式によって回路パターンの露光を行う。すなわち、アパーチャ3cによってスリット状とされたEUV光をレチクル4の表面に照射しつつ、レチクルステージ5とウエハステージ13とを投影光学系6の縮小倍率に比例した速度比で同期させつつX軸方向に走査移動を行って露光を行う。露光に際しては、アライメント検出手段によりレチクル4とウエハ12とのアライメントが調整され、フォーカス位置検出手段16によりウエハ12のフォーカス位置が調整されて、レチクル4上の回路パターンが正確にウエハ12上の所望の位置へと転写されていく。
【0047】
ウエハ12上で副走査方向へのスキャン露光(走査露光)が終わると、ウエハステージ12はX軸方向,Y軸方向にステップ移動して次の走査露光開始位置に移動する。そして、レチクルステージ5及びウエハステージ12の走査移動速度が投影光学系6の縮小倍率に比例した速度比となるように、再びX軸方向への同期走査移動が行われる。
【0048】
このようにして、レチクル4の縮小投影像がウエハ12上に結像した状態で、レチクル4とウエハ12との同期走査露光が繰り返され、レチクル4上の回路パターン像がウエハ12上に像形成されていく。この一連の動作をステップ・アンド・スキャンといい、このステップ・アンド・スキャンによって、ウエハ全面にレチクルの回路パターンが転写される。
【0049】
この走査露光において、EUV光が照射されることにより、その光を吸収してレチクル4が高温となる。また、本実施の形態においては、レチクルチャック9は静電吸着方式とされているので、その漏れ電流によってレチクルチャック9も高温となる。そのうえ、レチクル4とレチクルチャック9とは、真空系17によって真空環境中に配置されているので、空中への放熱は殆どなく熱が蓄積してさらに高温となる。
【0050】
高温となることによって、レチクル4とレチクルチャック9とは熱膨張を生じるが、基準面9aがレチクル4のX軸方向中心線4e上に設けられているので、レチクル4の熱膨張によるX軸方向の位置ずれと基準面9aの熱膨張によるX軸方向の位置ずれとは略同じ量となる。したがって、レチクル4やレチクルチャック9が温度変化しても、レチクル4と基準面9aとのX軸方向の位置の対応関係は殆ど変化しない。基準面9aの位置測定により正確にレチクル4の位置を把握することができ、その測定結果に誤差を生じることはない。
【0051】
次に、図3及び図4を参照して、上述の露光装置1を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図3は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウエハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウエハ(被処理体)を製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0052】
図4は、ステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置1によってマスクの回路パターンをウエハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施例の製造方法によれば従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
【0053】
なお、レチクル4とレチクルチャック9の基準面9aとは、本実施の形態の構成によれば基準面9aがレチクル4のX軸方向中心線4e上から離間すればするほど熱膨張による位置の相対関係に誤差を生じることとなる。したがって、本実施の形態においては基準面9aをレチクル4のX軸方向中心線4e上に設けているが、この構成に限らず、基準面9aがレチクル4のX軸方向の範囲内、すなわち側面4aのX軸方向位置と側面4bのX軸方向位置との間に設けられていれば、殆ど問題は生じない。
【0054】
また、一般にレチクル4はX軸方向での寸法が大きく、Y軸方向での寸法が小さい。そのため、Y軸方向(主走査方向)におけるレチクル4の熱膨張による位置ずれは、X軸方向(副走査方向)における位置ずれに比べて小さく、あまり問題となることはない。
【0055】
しかしながら、レチクル4のY軸方向(主走査方向)における位置ずれをも検出する場合は、レチクルチャック9上の、レチクル4のY軸方向の範囲内、すなわち、側面4cのY軸方向位置と側面4dのY軸方向位置との間(例えば、望ましくはレチクル4のY軸方向中心線上近傍)にレチクル4のY軸方向位置を測定するための基準面が設けられていればよい。
【0056】
本実施の形態においては、レチクル4の場合を例にとって説明したが、もちろんウエハ12の場合であってもこの発明は適用可能である。すなわち、ウエハチャック14のウエハ12の範囲内、望ましくはウエハ12の略中央に相当する位置に基準面を設け、その基準面に基づいてウエハ12の位置測定を行うことにより、ウエハ12及びウエハチャック14が熱膨張しても、ウエハ12の位置測定を正確に行うことができる。その構成は、レチクル4及びレチクルチャック9の場合と略同様であるので説明を省略する。
【0057】
また、この露光装置1の光源はEUV光に限られることなく、可視光・紫外光・X線・電子線等露光可能な光源であればいずれでもよいことはもちろんである。さらに、この露光装置1の露光方式も本実施の形態にて説明したような走査露光方式(ステップ・アンド・スキャンタイプ)に限られず、ステップ・アンド・リピートタイプの露光方式であってももちろんよい。
【0058】
[実施の形態2]
レチクル4のX軸方向(副走査方向)の位置測定に加え、Y軸方向(主走査方向)の位置測定をも行うための構成を以下に説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係る露光装置のレチクル4周辺を拡大した図である。図5(a)はレチクル4を表面側から見た正面図であり、図5(b)はレチクル4を側面側から副走査方向(X軸方向)に沿って見た側面図である。
【0059】
この実施の形態において、バーミラー21は露光装置本体側に固定されている。符号22,23はそれぞれレーザ測長器、干渉計であり、これらはレチクル4のY軸方向位置を測定するための位置測定装置を構成する。レーザ光路のためにレチクルチャック9にL字型の溝部(光路)24が形成されている。この溝部24は、レチクルチャック9のレチクル4との接触面でない方の面、すなわち底面9cに形成されている。図に示すように、そのL字型の角部に相当するレチクルチャック12内部の位置(すなわち、レチクル4のY軸方向の略中央に相当する位置)に干渉計23が設けられ、この干渉計23が、レチクル4のY軸方向位置測定のための基準面として機能する。
【0060】
レチクル4の位置測定のための被測定面としてのバーミラー21は走査露光における走査長さに相当する長さを必要とする。したがって、バーミラー21をレチクルステージ5上に設けると、長いバーミラー21が必要となり不都合である。このため、X軸方向(副走査方向)と直交するY軸方向(主走査方向)のレチクル4の位置測定においては、このバーミラー21を露光装置本体側に設けて固定し、基準面として機能する干渉計23をレチクルチャック9内のY軸方向の略中央の位置に設けている。
【0061】
このように構成することにより、レチクル4及びレチクルチャック9が高温となることによって熱膨張を生じても、レチクル4の位置測定に殆ど誤差を生じることはなく、正確にレチクル4の位置を把握することができる。
【0062】
なお、本実施の形態においては、レチクルチャック9の底面9cにL字型の溝部24を形成したが、もちろんこれに限られるものではない。溝部24と穴部9bとが互いに干渉せずに異なる光路となっていればよく、溝部24は、レチクルチャック9のレチクル4と接触する側の面上に形成されていてもよい。
【0063】
[実施の形態3]
実施の形態1において2つの基準面9aにおいてそれぞれ位置測定を行えば、それらの測定結果の差分情報に基づいてレチクル4のXY面内における回転位置ずれを測定することができる。すなわち、本来2つの基準面9aのX軸方向位置は一致しているはずであるが、その位置が異なる場合は、レチクルステージ9がXY面内で回転していることを示す。したがって、その2つの位置測定結果の差分情報に基づいて、レチクル4のXY面内での回転位置ずれ量を測定することができる。
【0064】
この回転位置ずれ量の測定は、実施の形態1に示すような構成においても実現できるが、図6に示すように、レチクル4の位置測定のための基準面9aがレチクルチャック9の側面4c,4d上に形成された構成とすることにより、その測定精度をさらに向上させることができる。図6は、本発明の実施の形態3に係る露光装置のレチクル4周辺を拡大した図である。
【0065】
この基準面9aは、レチクルチャック9の側面4c,4d上であってレチクル4のX軸方向中心線4e上に設けられている。X軸方向中心線4e上に設けられているので、レチクル4やレチクルチャック9が高温となっても基準面9aのX軸方向位置とレチクル4のX方向位置との対応関係は殆ど変化しない。したがって、基準面9aの位置測定により正確にレチクル4の位置を把握することができ、その測定結果に誤差を生じることはない。
【0066】
2つの基準面9aがレチクルチャック9においてY軸方向に最も離間した側面4c,4d上に設けられているので、レチクルチャック9がXU面内で回転すれを生じると、これらの基準面9aは、そのX軸方向位置が大きく異なるものとなってしまう。したがって、それぞれの基準面9aの位置測定を行うことによりレチクル4のXY面内における回転位置ずれを精度よく測定することができる。
【0067】
本実施の形態3における構成によれば、レチクルチャック9の内部に穴部9bや溝部24を設けることなくレチクル4の位置測定が可能であるため、レチクル4が反射型の場合のみならず、透過型のレチクルの場合であっても適用可能である。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【0069】
本出願は、更に以下の事項を開示する。
【0070】
[実施態様1] 光源からの光を物体に導く光学系と、該物体を保持する保持部材と、該保持部材に設けられた基準面を利用して該保持部材の位置を測定する装置と、を有し、
前記基準面は、前記保持部材に保持された前記物体の範囲内に相当する位置に設けられていることを特徴とする露光装置。
[実施態様2] 前記基準面は、前記保持部材に保持された前記物体の略中央に相当する位置に設けられていることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0071】
[実施態様3] 前記物体の略中央に相当する位置は、前記保持部材の略中央に相当する位置に固定されることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0072】
[実施態様4] 前記物体は、レチクルであることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0073】
[実施態様5] 前記物体は、ウエハであることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0074】
[実施態様6] 前記保持部材は、静電吸着により前記物体を保持することを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0075】
[実施態様7] 前記物体を走査させつつ走査露光を行うことを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0076】
[実施態様8] 前記光源は、EUV光源であることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0077】
[実施態様9] 物体の位置を、該物体を保持する保持部材の前記物体の範囲内に相当する位置に設けられた基準面に基づいて測定し、該測定結果に応じて前記物体の位置を調整し、該物体に光源からの光を導いて露光を行うことを特徴とする露光方法。
【0078】
[実施態様10] 実施態様1から実施態様8のうちいずれか一に記載の露光装置によって被処理体を投影露光する工程と、前記投影露光された被処理体に所定のプロセスを行う工程とを有するデバイスの製造方法。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、物体(レチクル、ウエハ)の位置を測定するための基準面が、保持部材(レチクルチャック、ウエハチャック)に保持された物体(レチクル、ウエハ)の範囲内に相当する位置に設けられている。したがって、物体や保持部材が高温となって熱膨張を生じた場合であってもその熱膨張による影響を殆ど受けることなく、基準面に基づいて物体(レチクル、ウエハ)の位置を正確に測定することができる。その結果、レチクル上の回路パターンを精度よくウエハ上に転写することができ、チップの不良率を低減することができる。
【0080】
基準面を物体の範囲内、望ましくは物体の略中央に設ければ、物体から基準面までの距離を短くすることができるので、熱膨張による測定誤差をより一層低減することができる。
【0081】
また、保持部材内であって物体の主走査方向略中心に相当する位置に基準面として機能する干渉計を設けることにより、副走査方向のみならず、主走査方向についての物体の位置測定をも高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る露光装置の露光部全体の構成を模式的に示す概略図である。
【図2】図1に示す露光装置の要部としてのレチクル周辺を拡大した模式図であり、(a)はレチクルの側面側から見た側面図であり、(b)はレチクルの表面側から見た正面図である。
【図3】図1に示す露光装置による露光工程を有するデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3に示すステップ4の詳細なフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2に係る露光装置の要部としてのレチクル周辺を拡大した模式図であり、(a)はレチクルを表面側から見た正面図であり、(b)はレチクルを側面側から副走査方向に沿って見た側面図である。
はレチクルの側面側から見た側面図を示し、(b)はレチクルの表面側から見た正面図を示す。
特定ショットの走査方向における詳細な平面情報を取得するための計測の一例を示すウエハの概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る露光装置の要部としてのレチクル周辺を拡大した模式図である。
【図7】従来の露光装置におけるレチクル位置測定の例を示す図であって、(a)は、その要部としてのレチクル周辺をレチクルの表面側から見た正面図であり、(b)はその要部としてのレチクル周辺をレチクルの側面側から見た側面図である。
【符号の説明】
1:露光装置
2:EUV光源(露光光源)
2a:レーザプラズマ光源
4:反射型レチクル(物体)
5:レチクルステージ
7:位置測定装置
9:レチクルチャック(保持部材)
9a:基準面
10,22:レーザ測長器(測定光源、位置測定装置の一部)
10a:レーザ光(測定光)
11,23:干渉計(検出手段、位置測定装置の一部)
12:ウエハ(物体)
13:ウエハステージ
14:ウエハチャック(保持部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスを製造するために用いられる露光装置に係り、更に詳細には特にEUV光(極紫外光)等の真空紫外線を用いて露光を行う露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体メモリや論理回路などの微細な半導体素子を製造するための焼付け(リソグラフィ)方法として、紫外光を用いた縮小投影露光が行われている。この縮小投影露光においては、転写できる最小寸法は転写に用いる光の波長に比例し、投影光学系の開口数に反比例する。このため、より微細な回路パターンを転写するために使用する光の短波長化が進められ、水銀ランプi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)と、使用される紫外光(紫外線)の波長は短くなってきている。
【0003】
しかし、半導体素子は急速に微細化しており、紫外光を用いたリソグラフィでは転写可能な寸法に限界がある。そこで0.1μm以下の微細な回路パターンの焼付けを効率よく行うために、紫外線よりも更に波長が短い10nm〜20nm程度の波長の極紫外光(EUV光)を用いた縮小投影露光装置が開発されている。
【0004】
EUV光の波長領域においては物質による光の吸収率が高くなる。したがって、EUV光を用いた光学系に光の透過や屈折を利用するレンズ光学系(可視光や紫外光の波長領域で一般によく用いられるもの。)を使用すると、光学系内でEUV光が吸収されてしまい不都合である。したがって、EUV光を使用した露光装置では一般に反射光学系が用いられる。この場合、回路パターンが形成された投影原版としてのレチクル(マスク)にも、透過型レチクルでなく反射型レチクルがよく用いられる。この反射型レチクルは、ミラー上に吸収体によって転写すべきパターンを形成したものである。
【0005】
EUV光を用いた露光装置を構成する反射型光学素子としては、多層膜ミラーと斜入射全反射ミラーとがある。EUV光の波長領域では屈折率の実部は1より僅かに小さいので、入射角を大きくして反射面に近い角度から斜めにEUV光を入射する斜入射で用いれば全反射が起きる。通常、反射面から数度以内の角度の斜入射では数10%以上の高い反射率が得られる。しかし光学設計上の自由度が小さく、この斜入射全反射ミラーを投影光学系に用いることは難しい。
【0006】
比較的小さな入射角で用いるEUV光用のミラーとしては、光学定数の異なる2種類の物質を交互に積層した多層膜ミラーが用いられることが多い。この多層膜ミラーは、精密な面形状に研磨されたガラス基板の表面に例えばモリブデンとシリコンとが交互に積層されたものであり、例えば、モリブデン層の厚さは2nm、シリコン層の厚さは5nm程度とされ、積層数は20層対程度とされている。ここで2種類の物質の層(モリブデン層、シリコン層)の厚さを加えたものを膜周期とよぶ。上記例では膜周期は2nm+5nm=7nmとなる。
【0007】
このような多層膜ミラーにEUV光を入射すると、入射EUV光のうち特定の波長のものが反射される。入射角をθ、EUV光の波長をλ、膜周期をdとすると近似的にはブラッグの式、2×d×sinθ=λ、の関係を満足するようなλを中心とした狭いバンド幅(波長幅)のEUV光だけが効率よく反射される。このときのバンド幅は0.6nm〜1nm程度である。反射されるEUV光の反射率は最大でも0.7程度であり、反射されなかったEUV光は多層膜中あるいは基板中で吸収され、そのエネルギーの大部分が熱になる。
多層膜ミラーは可視光のミラーに比べて光の損失が大きいので、多層膜ミラーをリソグラフィのための露光装置の光学系として用いる際には、ミラーの枚数を最小限に抑えることが望ましい。少ない枚数のミラーで広い露光領域を実現するためには、光軸から一定の距離だけ離れた細い円弧状領域(リングフィールド)の光だけを用いて、レチクルとウエハを同時に走査して広い面積を転写する走査露光(スキャン露光)による方法が好ましい。したがって、EUV光を用いた露光装置(EUV露光装置)においては、一般に走査露光(スキャン露光)による方法が用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以下、従来のEUV光を用いた露光装置に存していた問題を説明する。
【0009】
EUV光はガスによって吸収される性質を有する。例えば、10Paの気圧で空気が満たされた空間を波長13nmのEUV光が1mの距離伝播すると、その約50%が吸収されてしまう。したがって、ガスによる吸収を避けるために、EUV光が伝播する空間の気圧は少なくとも10−1Pa以下、望ましくは10−3Pa以下となっている必要がある。
【0010】
また、光学素子が配置された空間に炭化水素等の炭素を含む分子が残留していた場合、EUV光の照射によってその光学素子表面に炭素が次第に付着し、この付着した炭素がEUV光を吸収するために反射率が低下してしまうという問題がある。この炭素付着を防止するためには、EUV光が照射される光学素子が配置される空間の気圧は少なくとも10−4Pa以下、望ましくは10−6Pa以下となっている必要がある。
【0011】
このように、波長13nm〜14nm近傍のEUV光はレンズ等の透過や空気中の伝播によって大きく吸収される性質であるため、EUV光を用いるEUV露光装置では従来の露光装置に用いられている透過型レチクルではなく、反射型レチクルが用いられ、かつ、EUV光が通過する照明光学系及び投影光学系内のすべての光学素子が真空中に配置される構成となる。
【0012】
反射型のレチクルは、EUV光を反射する部分と吸収する部分との反射光強度の差によって回路パターンの情報を構成する。したがって、部分的に光を吸収するため、EUV用の反射型レチクルは従来の透過型レチクルに比較して、照明光(露光光源からの光)を受けた際の発熱が大きくなってしまう。さらに、反射型レチクルは真空中に構成されているため、その発熱は周囲空間に殆ど放熱されず、レチクルを保持しているレチクルチャックを経由して伝熱によって放熱されるのみであり、放熱効率が悪い。
【0013】
周囲が真空であるので、レチクルチャックのレチクル保持方法として従来用いられていた真空吸着方法が使用できず、静電吸着方法を用いることとなる。この方法を用いることにより、従来に比較して次のような不都合な点が生じる。まず静電吸着力を充分に得るためにレチクルチャックの材質が限定される。したがって、レチクルチャックの材質として必ずしも理想的な低熱膨張材を使用することができない場合がある。
【0014】
また、静電吸着部では漏れ電流が発生し、その漏れ電流が発熱源となり静電吸着部がわずかに発熱することがある。そのために、EUV光を用いた露光装置ではレチクルチャックはわずかながら熱膨張することになる。レチクルチャックはレチクルを略全面で吸着するため、その保持面はレチクルと同等かそれ以上の面積を持つ構成となっている。レチクルには、回路パターンが形成された部分の周囲に位置決め情報のためのスペースや搬送の際に搬送用のロボットで掴むためのスペース等が設けられているので、レチクル全体としての面積は、実際に露光に使用される部分の面積よりも大きいものとなっている。
【0015】
前述のように、EUV露光装置には、一般に走査露光が用いられる。そして、レチクルとウエハの位置測定はレーザ干渉計によって行われる。図7(a)及び(b)に、従来の露光装置(露光光としてEUV光を用いない露光装置)におけるレチクル位置測定の例を示す。レチクル101の位置測定は、図に示すようにレチクル101を保持するためのレチクルチャック102に被測定点(被測定面)としての基準面103を設け、その基準面103の位置を測定することによって行う。
【0016】
この基準面103は、レチクルチャック102の副走査方向の位置を測定するために、レチクルチャック102の短側面102aに設けられている。また、レチクルチャック102の主走査方向の位置を測定するために、レチクルチャックの長側面102bにも基準面(図示せず)が設けられている。ここでレチクル面内又はウエハ面内での副走査方向(すなわち走査移動する方向)をX軸方向、主走査方向(すなわち、レチクル面内又はウエハ面内においてX軸に直交する方向)をY軸方向、レチクル面又はウエハ面に垂直な方向をZ軸方向とする。
【0017】
従来の露光装置においては、光がレチクルに吸収されることは少なく、レチクルの発熱は殆ど発生しなかった。また、多少の発熱がある場合であっても、その熱が周囲の気体中へ放出され拡散されていたため、熱が大きな問題とはなっていなかった。さらに、レチクルチャック101の吸着方式として真空吸着方式が用いられていたために、レチクルチャック101自体が漏れ電流等により発熱することもなかった。
【0018】
しかしながら、EUV露光装置においては反射型レチクルが光を吸収し発熱してしまう。また、レチクルチャックに静電吸着方式を用いると、レチクルチャック自体も漏れ電流により発熱してしまう。さらに、それらが真空中に構成されることとなるので熱の拡散も少なく、冷却効果も殆ど発揮されないので、レチクル及びレチクルチャックが高温となってしまう。
【0019】
この場合、図7(a),(b)に示す従来の構成においては、レチクル101及びレチクルチャック102が熱膨張してしまい、その熱膨張によりレチクル101及び基準面103の位置がシフトする。例えば図に示すように、レチクル101と基準面103とが離間していると、レチクル101と基準面103の熱膨張による位置シフト量が異なってしまい、温度変化により基準面103の位置とレチクル101の位置との対応がとれず、レチクル101の位置測定に誤差を生じてしまう。その測定誤差が原因となり、結果的にレチクルステージ104を走査移動させて露光を行う際に、レチクル上の回路パターンをウエハ上に正確に転写できず、チップの不良率が高くなってしまうという問題があった。レチクルチャックの吸着方式として静電吸着方式を用いることにより、その材質も低熱膨張率の材質を用いることができない場合があり、その場合は、熱膨張の問題は特に顕著なものとなってしまっていた。
【0020】
本発明は上記の事情に鑑みて為されたもので、温度変化があってもレチクルやマスクの位置測定を正確に行うことができ、精度よく回路パターンを露光転写することができてチップの不良率を低減し、また高性能のデバイスを作成することができる露光装置を提供することを例示的目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記例示的目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、光源からの光を物体に導く光学系と、物体を保持する保持部材と、保持部材に設けられた基準面を利用して保持部材の位置を測定する装置とを有し、基準面は、保持部材に保持された物体の範囲内に相当する位置に設けられていることを特徴とする。
【0022】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る露光装置1の露光部全体の構成を模式的に示す概略図である。この露光装置1は、露光光源にEUV光を用いた走査露光方式の縮小投影露光装置であり、EUV光源2・照明光学系3・反射型レチクル(以下、単にレチクルという。)4・レチクルステージ5・投影光学系6・位置測定装置7・アライメント光学系8・真空系17等を有して大略構成される。
【0024】
EUV光源2としては、例えばレーザプラズマ光源2aが用いられる。このレーザプラズマ光源2aは、励起用パルスレーザ2b、集光レンズ2c、ターゲット供給装置2dを有して大略構成される。このレーザプラズマ光源2aは、真空容器中のターゲット材に励起用パルスレーザ2bによって高強度のパルスレーザ光を照射し、高温のプラズマを発生させ、そこから放射される例えば波長13.4nm程度のEUV光を利用するものである。
【0025】
ターゲット材としては金属薄膜・不活性ガス・液滴等が用いられ、ガスジェット等のターゲット供給装置2dによって真空容器内に供給される。励起用パルスレーザ2bのレーザ照射の繰り返し周波数が高い方が、放射されるEUV光の平均強度が高くなり、通常励起用パルスレーザ2bは数kHzの繰り返し周波数で運転される。
【0026】
照明光学系3は、EUV光源2からのEUV光を露光原版としてのレチクル4に導くためのものであり、複数のミラー3a・オプティカルインテグレータ3b等を有して大略構成される。ミラー3aとしては、多層膜ミラーや斜入射ミラーが用いられる。
【0027】
初段の集光ミラー3a’はEUV光源2から略等方的に放射されるEUV光を集光し、平行光とするためのものである。オプティカルインテグレータ3bはレチクル4を所定の開口数で均一に照明するためのものである。また照明光学系3におけるレチクル4と共役な位置には、レチクル4の表面にEUV光が照明される領域を円弧状に制限するためのアパーチャ3cがレチクル4と実質的に共役な位置に設けられている。
【0028】
レチクル4は、ウエハ上に投影される回路パターンが表面に形成された露光原版である。レチクル4の周辺を拡大した模式図を図2に示す。図2は、この露光装置1の要部としてのレチクル4周辺を拡大して示したもので、図2(a)はレチクル4の側面側から見た側面図を、図2(b)はレチクル4の表面側から見た正面図を示す。
【0029】
このレチクル4は、ウエハ上に転写すべきパターンを、タングステン等の吸収体によって多層膜ミラー上に形成したもので、EUV光を反射する部分と吸収する部分との反射光強度の差によって回路パターンの情報を構成している。レチクル4は、保持部材としてのレチクルチャック9に保持されている。レチクル4は、そのX軸方向(副走査方向)の略中央に相当する位置を基準として、その位置がレチクルチャック9のX軸方向(副走査方向)の略中央に相当する位置に固定されている。したがって、レチクル4のX軸方向中央とレチクルチャック9のX軸方向中央とは、X軸方向において一致する位置となっている。この実施の形態においては、このレチクル4は真空中に配置されているので、静電吸着方式のレチクルチャック9が用いられている。レチクルチャック9は、レチクルステージ5上に載置されている。
【0030】
このレチクルステージ5は、露光の際にレチクル4を副走査方向(X軸方向)に沿って精密に走査移動させるためのものである。レチクルステージ5としては、例えばサーボモータと精密送り機構とによる精密ステージや、リニアモータ等を用いた高精度走査移動及び高精度位置決め機構が用いられる。また、レチクルステージ5には、X軸方向(副走査方向)、Y軸方向(主走査方向)、Z軸方向(レチクル4の面に垂直な方向)、及び各軸回りの回転方向に微動可能な微動機構(図示せず)が設けられ、レチクル4の精密な位置決めができるようになっている。
【0031】
レチクルチャック9には基準面9aが設けられている。この基準面9aは、レチクル4の位置を測定するための基準となる面であり、レチクル4の範囲内に相当する位置に設けられている。ここで、レチクル4の範囲内に相当する位置とは、図中X軸方向の位置測定においてはレチクル4の側面4aのX軸方向位置から側面4bのX軸方向位置までの範囲内に相当する位置を意味する。また、図中Y軸方向の位置測定においてはレチクル4の側面4cのY方向位置から側面4dのY方向位置までの範囲内に相当する位置を意味する。
【0032】
本実施の形態においては、基準面9aはレチクル4の内部であって、レチクル4のX軸方向略中央に相当する位置、すなわちレチクル4のX軸方向中心線4e上に対応する位置に設けられている。レチクル4は寸法に個体ばらつきを有するので、レチクル4を複数準備したような場合には個々のレチクル4の寸法は精密な視点から見ると異なっている。しかし、レチクルチャック9に保持される際にはその中心位置を基準として保持固定されるので、レチクル4の中心とレチクルチャック9の中心とは略一致することとなる。このため、基準面9aの位置測定を行うことは、レチクル4の略中心位置の位置測定を行うことと同様の結果となる。
【0033】
レチクル4の位置と基準面9aとの位置が近接していることから、レチクル4の熱膨張による位置ずれに対応して基準面9aが位置ずれを生じることとなる。したがって、レチクル4及びレチクルチャック9が高温となり、熱膨張による位置ずれが発生したとしても、レチクル4の位置ずれ量と基準面9aの位置ずれ量とは殆ど同じ量となり、基準面9aの位置とレチクル4の位置との関係に誤差が生じることがない。
【0034】
位置測定装置7の一部としてのレーザ測長器10は、レチクル4の位置を測定する測定光を照射する測定光源である。レーザ測長器10からのレーザ光(測定光)10aは、レチクルチャック9に形成された光路としての穴部9bを通って基準面9aに向けて照射される。基準面9aにはキューブミラー9dが取り付けられており、レーザ光10aは、そのキューブミラー9dによって反射される。
【0035】
反射されたレーザ光10aは、穴部9bを通って検出手段としての干渉計11へと導かれる。この干渉計11(位置測定装置7の一部)は、基準面9aからの反射光に基づいてレチクル4の位置を検出するためのもので、レーザ測長器10からの参照光と基準面9aで反射された反射光との光干渉に基づいて、基準面9aの位置を高精度に測定することができる。この位置測定結果に応じて、微動機構によりレチクルステージ5及びレチクルチャック9が移動し、レチクル4の高精度な位置調整が行われるようになっている。
【0036】
このレチクルチャック9は、レチクルステージ5によってX軸方向に一次元的な走査移動を行う。本実施の形態においては、穴部9bがX軸方向と平行に形成されているので、レチクルチャック9が走査移動しても、レーザ測長器10からの測定光が遮られたり、基準面9aに届かなくなってしまったりするようなことはない。また、基準面9aからの反射光が干渉計11に届かなくなってしまうようなこともない。
【0037】
投影光学系6は、レチクル4によって反射されたEUV光をウエハ12上に導くための光学系であり、複数のミラー6a〜6d及びアパーチャ6eを用いて構成される。この投影光学系6においては、ミラー枚数が少ない方がEUV光の利用効率が高いが、収差補正が難しくなる。収差補正に必要なミラー枚数は例えば4枚から6枚程度であり、ミラー6a〜6dの反射面の形状は凸面又は凹面の球面又は非球面である。
【0038】
ミラー6a〜6dは、低膨張率ガラスやシリコンカーバイド等の高剛性、高硬度、低熱膨張率の材料からなる基板表面を研削又は研磨して所定の反射面形状を創成した後、その反射面にモリブデン/シリコン等の多層膜を成膜したものである。前述のブラッグの式から明らかなように、膜周期一定の多層膜ミラーにおいてはミラー面内の位置によって光の入射角が異なってしまうと高反射率となるEUV光の波長もその位置に応じて異なってしまう。そこでミラー面内で一定波長のEUV光が効率よく反射されるために、膜周期が分布を持つように構成される。
【0039】
ウエハ12はウエハステージ13上に設けられた保持部材としてのウエハチャック14に保持される。ウエハステージ13はレチクルステージ5と同様にX軸方向(副走査方向)に高速移動する機構を有している。このウエハステージ13とレチクルステージ5とは、露光投影の縮小倍率に比例した速度比で同期して走査する走査移動機構を有している。また、ウエハステージ13にはX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及び各軸回りの回転方向に微動可能な微動機構(図示せず)が設けられ、ウエハ12の精密な位置決めができるようになっている。
【0040】
ウエハステージ13の位置と姿勢は、レチクルステージ5の場合と同様に、図示しない位置測定装置(レーザ測長器と干渉計とを有して構成される位置測定装置)によって測定され、その位置測定結果に応じて、微動機構によりウエハステージ13及びウエハチャック14が移動してウエハ12の高精度な位置調整が行われるようになっている。
【0041】
アライメント光学系8を有するアライメント検出手段は、レチクル4の位置と投影光学系6の光軸との位置関係、及びウエハ12の位置と投影光学系6の光軸との位置関係を検出するためのものである。その検出結果に基づいて、レチクル4の投影像がウエハ12の所定の位置に一致するようにレチクルステージ5及びウエハステージ13の位置と角度とが設定されるようになっている。
【0042】
フォーカス位置検出手段16は、ウエハ12表面のフォーカス位置(すなわちZ軸方向位置)を検出するためのもので、ウエハステージ13の位置及び角度が制御されることにより、露光中のウエハ12面が、常に投影光学系6による結像位置に保たれるようになっている。
【0043】
この露光装置1においては、露光光源としてEUV光源2を用いている。このEUV光は、上述のように空気によっても吸収されて光の強度が低下する。したがって、この露光装置1において照明光学系3、レチクル4、投影光学系6、ウエハ12を含み、EUV光の光路に相当する部分は、全て真空系17によって真空中に配されている。
【0044】
次に、この露光装置1の動作について説明する。
【0045】
レチクル4をレチクルチャック9に保持させ、ウエハ12をウエハチャック14に保持させて、この露光装置1による露光を開始する。EUV光源2からのEUV光が照明光学系3を経てレチクル4の表面に導かれ、その後、投影光学系6を経てウエハ12表面に至り、レチクル4表面上の回路パターンをウエハ12表面に転写することによって露光が行われる。
【0046】
この露光装置1は、走査露光方式によって回路パターンの露光を行う。すなわち、アパーチャ3cによってスリット状とされたEUV光をレチクル4の表面に照射しつつ、レチクルステージ5とウエハステージ13とを投影光学系6の縮小倍率に比例した速度比で同期させつつX軸方向に走査移動を行って露光を行う。露光に際しては、アライメント検出手段によりレチクル4とウエハ12とのアライメントが調整され、フォーカス位置検出手段16によりウエハ12のフォーカス位置が調整されて、レチクル4上の回路パターンが正確にウエハ12上の所望の位置へと転写されていく。
【0047】
ウエハ12上で副走査方向へのスキャン露光(走査露光)が終わると、ウエハステージ12はX軸方向,Y軸方向にステップ移動して次の走査露光開始位置に移動する。そして、レチクルステージ5及びウエハステージ12の走査移動速度が投影光学系6の縮小倍率に比例した速度比となるように、再びX軸方向への同期走査移動が行われる。
【0048】
このようにして、レチクル4の縮小投影像がウエハ12上に結像した状態で、レチクル4とウエハ12との同期走査露光が繰り返され、レチクル4上の回路パターン像がウエハ12上に像形成されていく。この一連の動作をステップ・アンド・スキャンといい、このステップ・アンド・スキャンによって、ウエハ全面にレチクルの回路パターンが転写される。
【0049】
この走査露光において、EUV光が照射されることにより、その光を吸収してレチクル4が高温となる。また、本実施の形態においては、レチクルチャック9は静電吸着方式とされているので、その漏れ電流によってレチクルチャック9も高温となる。そのうえ、レチクル4とレチクルチャック9とは、真空系17によって真空環境中に配置されているので、空中への放熱は殆どなく熱が蓄積してさらに高温となる。
【0050】
高温となることによって、レチクル4とレチクルチャック9とは熱膨張を生じるが、基準面9aがレチクル4のX軸方向中心線4e上に設けられているので、レチクル4の熱膨張によるX軸方向の位置ずれと基準面9aの熱膨張によるX軸方向の位置ずれとは略同じ量となる。したがって、レチクル4やレチクルチャック9が温度変化しても、レチクル4と基準面9aとのX軸方向の位置の対応関係は殆ど変化しない。基準面9aの位置測定により正確にレチクル4の位置を把握することができ、その測定結果に誤差を生じることはない。
【0051】
次に、図3及び図4を参照して、上述の露光装置1を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図3は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウエハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウエハ(被処理体)を製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0052】
図4は、ステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置1によってマスクの回路パターンをウエハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施例の製造方法によれば従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
【0053】
なお、レチクル4とレチクルチャック9の基準面9aとは、本実施の形態の構成によれば基準面9aがレチクル4のX軸方向中心線4e上から離間すればするほど熱膨張による位置の相対関係に誤差を生じることとなる。したがって、本実施の形態においては基準面9aをレチクル4のX軸方向中心線4e上に設けているが、この構成に限らず、基準面9aがレチクル4のX軸方向の範囲内、すなわち側面4aのX軸方向位置と側面4bのX軸方向位置との間に設けられていれば、殆ど問題は生じない。
【0054】
また、一般にレチクル4はX軸方向での寸法が大きく、Y軸方向での寸法が小さい。そのため、Y軸方向(主走査方向)におけるレチクル4の熱膨張による位置ずれは、X軸方向(副走査方向)における位置ずれに比べて小さく、あまり問題となることはない。
【0055】
しかしながら、レチクル4のY軸方向(主走査方向)における位置ずれをも検出する場合は、レチクルチャック9上の、レチクル4のY軸方向の範囲内、すなわち、側面4cのY軸方向位置と側面4dのY軸方向位置との間(例えば、望ましくはレチクル4のY軸方向中心線上近傍)にレチクル4のY軸方向位置を測定するための基準面が設けられていればよい。
【0056】
本実施の形態においては、レチクル4の場合を例にとって説明したが、もちろんウエハ12の場合であってもこの発明は適用可能である。すなわち、ウエハチャック14のウエハ12の範囲内、望ましくはウエハ12の略中央に相当する位置に基準面を設け、その基準面に基づいてウエハ12の位置測定を行うことにより、ウエハ12及びウエハチャック14が熱膨張しても、ウエハ12の位置測定を正確に行うことができる。その構成は、レチクル4及びレチクルチャック9の場合と略同様であるので説明を省略する。
【0057】
また、この露光装置1の光源はEUV光に限られることなく、可視光・紫外光・X線・電子線等露光可能な光源であればいずれでもよいことはもちろんである。さらに、この露光装置1の露光方式も本実施の形態にて説明したような走査露光方式(ステップ・アンド・スキャンタイプ)に限られず、ステップ・アンド・リピートタイプの露光方式であってももちろんよい。
【0058】
[実施の形態2]
レチクル4のX軸方向(副走査方向)の位置測定に加え、Y軸方向(主走査方向)の位置測定をも行うための構成を以下に説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係る露光装置のレチクル4周辺を拡大した図である。図5(a)はレチクル4を表面側から見た正面図であり、図5(b)はレチクル4を側面側から副走査方向(X軸方向)に沿って見た側面図である。
【0059】
この実施の形態において、バーミラー21は露光装置本体側に固定されている。符号22,23はそれぞれレーザ測長器、干渉計であり、これらはレチクル4のY軸方向位置を測定するための位置測定装置を構成する。レーザ光路のためにレチクルチャック9にL字型の溝部(光路)24が形成されている。この溝部24は、レチクルチャック9のレチクル4との接触面でない方の面、すなわち底面9cに形成されている。図に示すように、そのL字型の角部に相当するレチクルチャック12内部の位置(すなわち、レチクル4のY軸方向の略中央に相当する位置)に干渉計23が設けられ、この干渉計23が、レチクル4のY軸方向位置測定のための基準面として機能する。
【0060】
レチクル4の位置測定のための被測定面としてのバーミラー21は走査露光における走査長さに相当する長さを必要とする。したがって、バーミラー21をレチクルステージ5上に設けると、長いバーミラー21が必要となり不都合である。このため、X軸方向(副走査方向)と直交するY軸方向(主走査方向)のレチクル4の位置測定においては、このバーミラー21を露光装置本体側に設けて固定し、基準面として機能する干渉計23をレチクルチャック9内のY軸方向の略中央の位置に設けている。
【0061】
このように構成することにより、レチクル4及びレチクルチャック9が高温となることによって熱膨張を生じても、レチクル4の位置測定に殆ど誤差を生じることはなく、正確にレチクル4の位置を把握することができる。
【0062】
なお、本実施の形態においては、レチクルチャック9の底面9cにL字型の溝部24を形成したが、もちろんこれに限られるものではない。溝部24と穴部9bとが互いに干渉せずに異なる光路となっていればよく、溝部24は、レチクルチャック9のレチクル4と接触する側の面上に形成されていてもよい。
【0063】
[実施の形態3]
実施の形態1において2つの基準面9aにおいてそれぞれ位置測定を行えば、それらの測定結果の差分情報に基づいてレチクル4のXY面内における回転位置ずれを測定することができる。すなわち、本来2つの基準面9aのX軸方向位置は一致しているはずであるが、その位置が異なる場合は、レチクルステージ9がXY面内で回転していることを示す。したがって、その2つの位置測定結果の差分情報に基づいて、レチクル4のXY面内での回転位置ずれ量を測定することができる。
【0064】
この回転位置ずれ量の測定は、実施の形態1に示すような構成においても実現できるが、図6に示すように、レチクル4の位置測定のための基準面9aがレチクルチャック9の側面4c,4d上に形成された構成とすることにより、その測定精度をさらに向上させることができる。図6は、本発明の実施の形態3に係る露光装置のレチクル4周辺を拡大した図である。
【0065】
この基準面9aは、レチクルチャック9の側面4c,4d上であってレチクル4のX軸方向中心線4e上に設けられている。X軸方向中心線4e上に設けられているので、レチクル4やレチクルチャック9が高温となっても基準面9aのX軸方向位置とレチクル4のX方向位置との対応関係は殆ど変化しない。したがって、基準面9aの位置測定により正確にレチクル4の位置を把握することができ、その測定結果に誤差を生じることはない。
【0066】
2つの基準面9aがレチクルチャック9においてY軸方向に最も離間した側面4c,4d上に設けられているので、レチクルチャック9がXU面内で回転すれを生じると、これらの基準面9aは、そのX軸方向位置が大きく異なるものとなってしまう。したがって、それぞれの基準面9aの位置測定を行うことによりレチクル4のXY面内における回転位置ずれを精度よく測定することができる。
【0067】
本実施の形態3における構成によれば、レチクルチャック9の内部に穴部9bや溝部24を設けることなくレチクル4の位置測定が可能であるため、レチクル4が反射型の場合のみならず、透過型のレチクルの場合であっても適用可能である。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【0069】
本出願は、更に以下の事項を開示する。
【0070】
[実施態様1] 光源からの光を物体に導く光学系と、該物体を保持する保持部材と、該保持部材に設けられた基準面を利用して該保持部材の位置を測定する装置と、を有し、
前記基準面は、前記保持部材に保持された前記物体の範囲内に相当する位置に設けられていることを特徴とする露光装置。
[実施態様2] 前記基準面は、前記保持部材に保持された前記物体の略中央に相当する位置に設けられていることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0071】
[実施態様3] 前記物体の略中央に相当する位置は、前記保持部材の略中央に相当する位置に固定されることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0072】
[実施態様4] 前記物体は、レチクルであることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0073】
[実施態様5] 前記物体は、ウエハであることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0074】
[実施態様6] 前記保持部材は、静電吸着により前記物体を保持することを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0075】
[実施態様7] 前記物体を走査させつつ走査露光を行うことを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0076】
[実施態様8] 前記光源は、EUV光源であることを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0077】
[実施態様9] 物体の位置を、該物体を保持する保持部材の前記物体の範囲内に相当する位置に設けられた基準面に基づいて測定し、該測定結果に応じて前記物体の位置を調整し、該物体に光源からの光を導いて露光を行うことを特徴とする露光方法。
【0078】
[実施態様10] 実施態様1から実施態様8のうちいずれか一に記載の露光装置によって被処理体を投影露光する工程と、前記投影露光された被処理体に所定のプロセスを行う工程とを有するデバイスの製造方法。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、物体(レチクル、ウエハ)の位置を測定するための基準面が、保持部材(レチクルチャック、ウエハチャック)に保持された物体(レチクル、ウエハ)の範囲内に相当する位置に設けられている。したがって、物体や保持部材が高温となって熱膨張を生じた場合であってもその熱膨張による影響を殆ど受けることなく、基準面に基づいて物体(レチクル、ウエハ)の位置を正確に測定することができる。その結果、レチクル上の回路パターンを精度よくウエハ上に転写することができ、チップの不良率を低減することができる。
【0080】
基準面を物体の範囲内、望ましくは物体の略中央に設ければ、物体から基準面までの距離を短くすることができるので、熱膨張による測定誤差をより一層低減することができる。
【0081】
また、保持部材内であって物体の主走査方向略中心に相当する位置に基準面として機能する干渉計を設けることにより、副走査方向のみならず、主走査方向についての物体の位置測定をも高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る露光装置の露光部全体の構成を模式的に示す概略図である。
【図2】図1に示す露光装置の要部としてのレチクル周辺を拡大した模式図であり、(a)はレチクルの側面側から見た側面図であり、(b)はレチクルの表面側から見た正面図である。
【図3】図1に示す露光装置による露光工程を有するデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3に示すステップ4の詳細なフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2に係る露光装置の要部としてのレチクル周辺を拡大した模式図であり、(a)はレチクルを表面側から見た正面図であり、(b)はレチクルを側面側から副走査方向に沿って見た側面図である。
はレチクルの側面側から見た側面図を示し、(b)はレチクルの表面側から見た正面図を示す。
特定ショットの走査方向における詳細な平面情報を取得するための計測の一例を示すウエハの概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る露光装置の要部としてのレチクル周辺を拡大した模式図である。
【図7】従来の露光装置におけるレチクル位置測定の例を示す図であって、(a)は、その要部としてのレチクル周辺をレチクルの表面側から見た正面図であり、(b)はその要部としてのレチクル周辺をレチクルの側面側から見た側面図である。
【符号の説明】
1:露光装置
2:EUV光源(露光光源)
2a:レーザプラズマ光源
4:反射型レチクル(物体)
5:レチクルステージ
7:位置測定装置
9:レチクルチャック(保持部材)
9a:基準面
10,22:レーザ測長器(測定光源、位置測定装置の一部)
10a:レーザ光(測定光)
11,23:干渉計(検出手段、位置測定装置の一部)
12:ウエハ(物体)
13:ウエハステージ
14:ウエハチャック(保持部材)
Claims (1)
- 光源からの光を物体に導く光学系と、該物体を保持する保持部材と、該保持部材に設けられた基準面を利用して該保持部材の位置を測定する装置と、を有し、
前記基準面は、前記保持部材に保持された前記物体の範囲内に相当する位置に設けられていることを特徴とする露光装置。
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