JP2000286191A - 露光装置および露光方法ならびにデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置および露光方法ならびにデバイス製造方法

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JP2000286191A
JP2000286191A JP9431799A JP9431799A JP2000286191A JP 2000286191 A JP2000286191 A JP 2000286191A JP 9431799 A JP9431799 A JP 9431799A JP 9431799 A JP9431799 A JP 9431799A JP 2000286191 A JP2000286191 A JP 2000286191A
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Kazuya Ota
和哉 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像のディストーションや誤差を補正して、露
光精度を向上させることのできる露光装置および露光方
法ならびにデバイス製造方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 露光装置のレチクルホルダRHにレチク
ル表面変形機構RTを備え、投影光学系を介してウエハ
上に転写される像のディストーションを計測手段で計測
し、その計測結果に基づいて、レチクルホルダRHで保
持したレチクルRのパターン面の、ディストーションが
生じている部分で吸着ピン37を駆動させ、レチクルR
をZ軸方向に変形させる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置および露
光方法ならびにデバイス製造方法に係り、更に詳しく
は、例えば半導体素子や液晶表示素子等の回路デバイス
をリソグラフィ工程で製造する際に用いられる露光装置
および露光方法ならびにデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体デバイスの製造現場では、
波長365nmの水銀ランプのi線を照明光とした縮小
投影露光装置、所謂ステッパを使って最小線幅が0.3
〜0.35μm程度の回路デバイス(64M(メガ)ビ
ットのD−RAM等)を量産製造している。同時に、2
56Mビット、1G(ギガ)ビットD−RAMクラスの
集積度を有し、最小線幅が0.25μm以下の次世代の
回路デバイスを量産製造するための露光装置の導入が始
まっている。
【0003】その次世代の回路デバイス製造用の露光装
置として、KrFエキシマレーザ光源からの波長248
nmの紫外パルスレーザ光、或いはArFエキシマレー
ザ光源からの波長193nmの紫外パルスレーザ光を照
明光とし、回路パターンが描画されたマスク又はレチク
ル(以下、「レチクル」と総称する)と感応基板として
のウエハを縮小投影光学系の投影視野に対して相対的に
1次元走査することで、ウエハ上の1つのショット領域
内にレチクルの回路パターン全体を転写する走査露光動
作とショット間ステッピング動作とを繰り返す、ステッ
プアンドスキャン方式の走査型露光装置の開発が行われ
ている。
【0004】ところで、半導体デバイスの集積度は、将
来的に更に高集積化し、1Gビットから4Gビットに移
行することは間違いがなく、その場合のデバイスルール
は0.1μmすなわち100nmL/S程度となり、上
記の波長193nmの紫外パルスレーザ光を照明光とし
て用いる露光装置により、これに対応するには技術的な
課題が山積している。
【0005】最近になって、波長5〜15nmの軟X線
領域の光(本明細書では、この光を「EUV(Extreme
Ultra Violet)光」とも呼ぶ)を露光光として用いるE
UV露光装置の開発が開始されるに至っており、かかる
EUV露光装置が最小線幅100nmの次次世代の露光
装置の有力な候補として注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の露光装置および露光方法ならびにデバイ
ス製造方法には、以下のような問題が存在する。このよ
うに厳しい精度が要求される露光装置において、誤差の
生じる要因としては、レチクルとウエハの位置合わせ精
度(アライメント精度)や、いわゆるステッピング精度
を含むウエハステージの位置決め精度、投影光学系のデ
ィストーション等があり、いずれの要因についても一層
の改善が常に要求されている。
【0007】このうち、投影光学系のディストーション
は、レンズやミラー等の光学素子の加工精度、投影光学
系の組立精度等に起因する。ディストーションを改善す
るには、従来通常の透過型投影光学系を備えた露光装置
においては、レチクルに近い場所に、平板状のガラスか
らなるディストーション補正板を配置し、このディスト
ーション補正板を研磨する等して、投影光学系を構成す
る全ての光学素子のトータルでのディストーション補正
を行っていた。
【0008】ところが、EUV露光装置においては、使
用される光の波長(5〜15nm)では吸収なく効率的
に光を透過する物質が存在しないため、レチクルも反射
型であり、また投影光学系も反射型光学素子から構成さ
れている。このため、レチクルの近傍等にディストーシ
ョン補正板を配置すること自体が困難である。したがっ
て、一枚一枚の反射型光学素子(ミラー)の形状精度を
上げる以外にディストーションを所望のレベル以下にす
る方法がなかった。具体的には、レチクルおよび投影光
学系からなる結像光学系のディストーションを、例えば
±5nm以下に抑えるためには、結像光学系を構成する
例えば4〜6枚の光学素子の全て(中には直径400m
mにもなるものがある)を、平面度0.05nm@rm
s以下に仕上げなければならない。
【0009】このように、EUV露光装置においては、
ディストーションを抑えるのが非常に困難であり、また
ディストーション以外にも、レチクルに形成されたパタ
ーンの描画誤差や、レチクルの表面形状による誤差、ウ
エハの歪みによる誤差等も、誤差の補正がいずれも困難
である。本発明は、以上のような点を考慮してなされた
もので、像のディストーションや誤差を補正して、露光
精度を向上させることのできる露光装置および露光方法
ならびにこれら露光装置や露光方法を適用することによ
り安定して高品質なデバイスを製造することのできるデ
バイス製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
反射型のマスク(R)に形成されたパターンを露光光
(EL)で照明し、前記マスク(R)側においては非テ
レセントリックである投影光学系(PO)を介して基板
(W)上に転写する露光装置(10)であって、前記マ
スク(R)を保持する保持機構(12)に、前記マスク
(R)のパターン面側を部分的に変形させる変形手段
(RT)が備えられていることを特徴としている。
【0011】変形手段(RT)で、マスク(R)をパタ
ーン面に直交する方向に変形させると、基板(W)上で
結像する像が動く。これは、マスク(R)が反射型であ
るために、必然的にマスク(R)に対する露光光(E
L)は斜めから照射しなければならず、マスク(R)の
パターン面に直交する方向の変位が、基板(W)上では
倍率変化あるいは位置変化として表れるからである。こ
のように変形手段(RT)でマスク(R)を部分的に変
形させ、基板(W)上での像を部分的に移動させること
によって、ディストーション等を補正することができる
のである。
【0012】請求項8に係る発明は、反射型のマスク
(R)に形成されたパターンを、前記マスク(R)側に
おいては非テレセントリックである投影光学系(PO)
を介して基板(W)上に転写する露光方法において、前
記マスク(R)を保持する保持機構(12)に、前記マ
スク(R)のパターン面側を部分的に変形させる変形手
段(RT)を備えておき、該変形手段(RT)で前記パ
ターン面を部分的に変形させることによって、前記基板
(W)上に転写される像を補正することを特徴としてい
る。
【0013】このように、マスク(R)のパターン面側
において、ディストーション等が生じている部分に対応
した部分を変形手段(RT)で部分的に変形させ、基板
(W)上での像を部分的に移動させることによって、デ
ィストーション等を補正することができる。
【0014】請求項13に係る発明は、請求項1から7
のいずれかに記載の露光装置(10)を用いて、デバイ
スパターンを感光基板(W)上に転写する工程を含むこ
とを特徴としている。
【0015】請求項14に係る発明は、請求項8から1
2のいずれかに記載の露光方法を用いて、デバイスパタ
ーンを感光基板(W)上に転写する工程を含むことを特
徴としている。
【0016】このようにしてデバイスを製造することに
より、変形手段(RT)でマスク(R)を部分的に変形
させてディストーション等が補正され、マスク(R)本
来の精度を維持した状態で、デバイスパターンが感光基
板(W)上に転写されることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る露光装置およ
び露光方法ならびにデバイス製造方法の実施の形態の一
例を、図1ないし図14を参照して説明する。
【0018】図1には、本実施の形態に係る露光装置1
0の全体構成が概略的に示されている。この露光装置1
0は、露光光として波長5〜15nmの軟X線領域、例
えば波長13.4nmまたは11.5nmの光であるE
UV光ELを用い、ステップアンドスキャン方式により
露光動作を行う投影露光装置である。本実施形態では、
後述するように、マスクとしてのレチクルRからの反射
光束をウエハ(基板、感光基板)W上に垂直に投射する
投影光学系POが使用されているので、以下において
は、この投影光学系POからウエハWへのEUV光EL
の投射方向を投影光学系POの光軸方向と呼ぶととも
に、この光軸方向をZ軸方向、これに直交する面内で図
1における紙面内の方向をY軸方向、紙面に直交する方
向をX軸方向として説明するものとする。
【0019】この露光装置10は、マスクとしての反射
型レチクルRに描画された回路パターンの一部の像を投
影光学系POを介して基板としてのウエハW上に投影し
つつ、レチクルRとウエハWとを投影光学系POに対し
て1次元方向(ここではY軸方向)に相対走査すること
によって、レチクルRの回路パターンの全体をウエハW
上の複数のショット領域の各々にステップアンドスキャ
ン方式で転写するものである。
【0020】露光装置10は、EUV光ELをY方向に
沿って水平に射出する光源装置12、この光源装置12
からのEUV光ELを反射して所定の入射角θ(θはこ
こでは約50mradとする)でレチクルRのパターン
面(図1における下面)に入射するように折り曲げる折
り返しミラーM(照明光学系の一部)、レチクルRを保
持するレチクルステージ(マスクステージ)RST、レ
チクルRのパターン面で反射されたEUV光ELをウエ
ハWの被露光面に対して垂直に投射する反射光学系から
成る投影光学系PO、ウエハWを保持するウエハステー
ジ(基板ステージ)WST、フォーカスセンサ(14
a,14b)及びアライメント光学系ALG等を備えて
いる。
【0021】前記光源装置12は、図2に示されるよう
にレーザプラズマ光源16と照明光学系の一部(PR
M、IM、30)とから構成される。レーザプラズマ光
源16は、例えば半導体レーザ励起によるYAGレーザ
やエキシマレーザ等の高出力レーザ20と、この高出力
レーザ20からのレーザ光Lを所定の集光点に集光する
集光レンズ22と、この集光点に配置された銅テープ等
のEUV光発生物質24とを備えている。
【0022】このような光源装置12では、高出力レー
ザ20からのレーザ光Lが集光レンズ22の集光点に配
置されたEUV光発生物質24に照射されると、このE
UV光発生物質24がレーザ光のエネルギで高温にな
り、プラズマ状態に励起され、低ポテンシャル状態に遷
移する際にEUV光ELを放出する。なお、レーザプラ
ズマ光源16は、テープターゲットに限られるものでは
なく、ガスジェットターゲット等、他の方式であっても
良い。また、レーザプラズマ光源16の代わりにSOR
を用いても良い。
【0023】このようにして発生したEUV光ELは全
方位に発散するため、これを集光する目的で、光源装置
12内には放物面鏡PRMが設けられており、この放物
面鏡PRMによってEUV光ELは集光されて平行光束
に変換されるようになっている。この放物面鏡PRMの
内表面にはEUV光を反射するためのEUV光反射層が
形成されており、その裏面には冷却装置26が取り付け
られている。冷却装置26としては冷却液体を用いるも
のが冷却効率の点からは好ましいが、これに限定される
ものではない。放物面鏡PRMの素材は熱伝導の点から
金属が適している。放物面鏡PRMの表面に形成されて
いるEUV光反射層として、2種類の物質を交互に積層
した多層膜を用いることにより、特定の波長の光のみを
反射することが知られている。例えば、モリブデンMo
と珪素Siを数十層コーティングすると波長約13.4
nmのEUV光を選択的に反射し、モリブデンとベリリ
ウムとを交互に数十層コーディングした多層膜は波長約
11.5nmのEUV光を選択的に反射することが知ら
れている。反射されない波長の光は多層膜等により吸収
されて熱に変わるため、放物面鏡PRMの温度が上昇す
る。この放物面鏡PRMを冷却するために、前記冷却装
置26が必要となるのである。放物面鏡PRMによって
平行光に変換されたEUV光ELは、その光軸に垂直な
断面形状が円形で、強度分布が一様な平行光である。
【0024】光源装置12内には、更に、上記の平行光
に変換されたEUV光ELを反射して図1の折り返しミ
ラーMの方向に向けて偏向する照明ミラーIMと、この
照明ミラーIMのEUV光ELの進行方向後方側(図2
における紙面右側)に配置された波長選択窓30とが設
けられている。照明ミラーIMは、EUV光ELが照射
される側の面が曲面とされ、その曲面の表面には、二種
類の物質を交互に積層(例えば、モリブデンMoと珪素
Siを数十層コーティング)した多層膜から成る反射層
が形成され、この反射層で反射されたEUV光がレチク
ルR上で丁度細長いスリット状になるよう設計されてい
る。
【0025】図2の紙面内上下方向が後述するレチクル
Rのパターン面を照明する後述する所定面積を有する円
弧状の照明領域(リング状照明領域の一部を取り出した
ような形状の照明領域)の長手方向に直交する方向に対
応し、レチクルRのパターン面が丁度焦点面となってい
る。この場合、EUV光ELの発光源が有限の大きさを
持つため、レチクルRのパターン面が焦点面になってい
るといってもその焦点面上ではEUV光ELは1mmか
ら10mm程度の幅を有する。従って、円弧状の照明領
域を照明するのに細すぎるということは無い。照明ミラ
ーIMの反射面の裏面側には、前述した冷却装置26と
同様の冷却装置28が設けられている。
【0026】前記波長選択窓30は、ここでは、可視光
をカットする目的で設けられている。これは、多層膜か
ら成るEUV反射膜は、EUV光近辺の波長に対しては
かなり鋭い波長選択性を持ち、露光に用いる特定の波長
のみを選択的に反射するが、可視光や紫外光なども同様
に反射してしまう。これをレチクルRや投影光学系PO
に導いたりすると、余計なエネルギーのためにレチクル
Rや投影光学系POを構成するミラー(これらについて
は後述する)が発熱したり、最悪の場合にはウエハW上
に不要な光が転写されて像の劣化を招くおそれもあるた
め、かかる事態の発生を防止しようとするものである。
【0027】図3には、図2に示される光源装置12を
Y方向一側(図2における左側)から見た状態が示され
ている。この図3においては、紙面の奥側に図1に示し
た折り返しミラーMがある。照明ミラーIMの反射面は
図3には表れていないが、図3の紙面奥側からみた場合
に長方形状をしている。すなわち、図2では凹曲面、こ
の左側面図である図3では長方形であるから、照明ミラ
ーIMの反射面は、円筒の内周面の一部と同様の形状を
していることになる。この場合、EUV光ELは、図2
の紙面内では収束されるが、図3の紙面内では平行光の
ままであるから、図3中の左右方向の長さが後述する円
弧状照明領域の長手方向の長さとなる。なお、平行と言
っても前述の通り光源の大きさが有限であるため、空間
的コヒーレンシーがゼロと言うわけではない。
【0028】図1に戻り、前記レチクルステージRST
は、図1では図示が省略されているが、実際には図4に
示されるように、XY平面に沿って配置されたレチクル
ステージベース32上に配置され、磁気浮上型2次元リ
ニアアクチュエータ(駆動装置)34によって該レチク
ルステージベース32上に浮上支持されている。このレ
チクルステージRSTは、磁気浮上型2次元リニアアク
チュエータ34によってY方向に所定ストロークで駆動
されるとともに、X方向及びθ方向(Z軸回りの回転方
向)にも微小量駆動されるようになっている。また、こ
のレチクルステージRSTは、磁気浮上型2次元リニア
アクチュエータ34によってZ方向、及びXY面に対す
る傾斜方向(X軸、Y軸回りの回転方向)にも微小量だ
け駆動可能に構成されている。
【0029】レチクルステージRSTの周辺部の底部に
は、永久磁石(図示省略)が設けられており、この永久
磁石とレチクルステージベース32上にXY2次元方向
に張り巡らされたコイル34aとによって前記磁気浮上
型2次元リニアアクチュエータ34が構成されており、
制御装置(図示なし)によってコイル34aに流す電流
を制御することによってレチクルステージRSTの6次
元方向の位置及び姿勢制御が行われるようになってい
る。
【0030】レチクルステージRSTは、図4に拡大し
て示されるように、レチクルRをレチクルステージベー
ス32に対向して保持するレチクルホルダ(保持機構)
RHと、レチクルホルダRHの周辺部を保持するステー
ジ本体35と、ステージ本体35の内部でレチクルホル
ダRHの背面側(上面側)に設けられ該レチクルホルダ
RHの温度をコントロールするための温度制御部36と
を備えている。前記レチクルホルダRHとしては、静電
チャック式のレチクルホルダが用いられている。これ
は、EUV光ELを露光光として用いる関係から、本実
施形態の露光装置10は、実際には、不図示の真空チャ
ンバ内に収容されており、このため真空チャック式のレ
チクルホルダは使用できないからである。レチクルホル
ダRHの素材は低膨張ガラスやセラミックなど従来のD
UVまたはVUV露光装置で使用されている物で差し支
えない。
【0031】レチクルホルダRHのレチクル吸着面に
は、複数の温度センサ38が所定間隔で配置されてお
り、これらの温度センサ38によってレチクルRの温度
が正確に測定され、この測定温度に基づいて温度制御部
36でレチクルRの温度を所定の目標温度に保つような
温度制御を行う。この温度制御部36を構成する冷却装
置としては、外部からフレキシブルなチューブを介して
冷却液体を引き込む形の液冷式や、ペルチェ素子のよう
な電子素子を用いる方式、さらにはヒートパイプ等の熱
交換器を用いる方式などが採用できる。
【0032】レチクルRの表面(パターン面)には、E
UV光を反射する反射膜が形成されている。この反射膜
は、例えば2種類の物質を交互に積層させた多層膜であ
る。ここでは、モリブデンMoと珪素Siの多層膜を用
いて波長13.4nmのEUV光に対して反射率約70
%の反射膜を形成している。かかる反射膜の上にEUV
光を吸収する物質を一面に塗布し、パタニングする。多
層膜のような反射物体をパタニングすると失敗した時の
修復が不可能であるのに対し、吸収層を設けてパタニン
グする方法だとやり直しが可能になるのでパターン修復
が可能になる。実在する大部分の物質がEUV光を反射
しないため、吸収層に用いることができる。本実施形態
では、後述するように、レチクルRのZ方向位置を計測
するために、レーザ干渉計(RIFZ1〜RIFZ3)
が用いられるため、これらのレーザ干渉計からの測定ビ
ーム(可視領域の光)に対して前記反射層と同程度の反
射率が得られるような物質により吸収層が形成されてい
る。この他、この吸収層形成材料の選択の基準としてパ
タニングのし易さ、反射層への密着性、酸化などによる
経年変化が小さいなどが挙げられる。
【0033】図5には、レチクルRの一例が示されてい
る。図中の中央にある長方形の領域がパターン領域PA
である。斜線が施された円弧状の領域が露光光であるE
UV光ELが照射される円弧状照明領域IAである。こ
こで、円弧状の照明領域を用いて露光を行うのは、後述
する投影光学系POの諸収差が最も小さい領域のみを使
用できるようにするためである。また、レチクルRのパ
ターン領域PAのX方向両端部には、Y方向に沿って所
定間隔で位置合わせマークとしてのレチクルアライメン
トマークRM1〜RM6が形成されている。レチクルア
ライメントマークRM1とRM4、RM2とRM5、R
M3とRM6は、それぞれほぼX方向に沿って配置され
ている。
【0034】図5から明らかなように円弧状の照明領域
IAを用いる場合には、一括露光(静止露光)を行うの
は現実的でないため、本実施形態では後述するようにし
て走査露光が行われる。
【0035】レチクルRは、前述したようにその表面に
反射層が形成されるため、レチクルRそのものの素材は
特に問わない。レチクルRの素材としては、例えば低膨
張ガラス、石英ガラス(例えば、ショット社のゼロデュ
ア(商品名)、コーニング社のULE(商品名)、フッ
素がドーピングされた合成石英なども含む)、セラミッ
クス、シリコンウエハなどが考えられる。この素材の選
択の基準として、例えばレチクルホルダRHの素材と同
一の素材をレチクルRの素材として用いることが挙げら
れる。かかる場合には、露光用のEUV光ELの照射等
による温度上昇に起因してレチクルRやレチクルホルダ
RHに熱膨張が生じるが、両素材が同一であれば同一量
だけ膨張するので、両者の間にずれようとする力(熱応
力)が働かないというメリットがある。これに限らず、
異なる物質であっても同じ線膨張率を持った物質をレチ
クルRとレチクルホルダRHとの素材として用いれば、
同じ効果が得られる。例えば、レチクルRにシリコンウ
エハ、レチクルホルダRHにSiC(炭化珪素)を用い
ることが考えられる。レチクルRの素材としてシリコン
ウエハを用いると、パターン描画装置やレジスト塗布装
置、エッチング装置などのプロセス装置などがそのまま
使用できると言う利点もある。本実施形態では、かかる
理由により、レチクルRの素材としてシリコンウエハを
用い、レチクルホルダRHをSiCによって形成してい
る。
【0036】そして、図6に示すように、前記レチクル
ホルダRHのレチクル吸着面には、レチクル表面変形機
構(変形手段)RTが備えられている。レチクル表面変
形機構RTは、レチクル表面に沿った面内に多数配列さ
れた吸着ピン37から構成されている。各吸着ピン37
は、レチクルRの背面を静電吸着するものであり、これ
は、例えばピエゾ素子等のアクチュエータ(図示なし)
によって、Z軸方向、つまりレチクルRの表面に略直交
した方向に進退駆動されるようになっている。これによ
り、レチクル表面変形機構RTは、多数の吸着ピン37
でレチクルRを背面側で保持するとともに、一部の吸着
ピン37をアクチュエータ(図示なし)でZ軸方向に駆
動させることによって、レチクルRのパターン面をZ軸
方向に部分的に変形させることができる構成となってい
る。
【0037】また、各吸着ピン37は、レチクルRの表
面と平行な方向にも微動可能となっている。
【0038】レチクル表面変形機構RTで吸着ピン37
をZ軸方向に駆動させてレチクルRの一部分のみを変形
させると、投影光学系POがレチクルR側において非テ
レセントリックであるため、図7に示すように、変形に
よりZ軸方向に変位した部分においては、円弧状照明領
域IAに対応するウエハW上における円弧状の露光領域
SA(図13参照)での転写位置が、円弧状の領域の中
心に対して放射方向にシフトする(ずれる、移動する)
ことになる。これは、EUV光ELが投影光学系POの
諸収差の最も小さい領域のみを使用できるように、投影
光学系POを構成する光学素子(ミラー)の中心から同
心円上位置(光学的特性が均一に設計される)を介して
照明されるよう、円弧状照明領域IAが設定されている
からである。
【0039】ここで、レチクル表面変形機構RTによる
レチクルRの変形と、転写位置のシフトとを検討してみ
ると、例えば、図8において、入射角θ(=出射角θ)
を50mradとすれば、レチクルRのパターン面のZ
方向の変位ΔZに対するレチクルRに描かれた回路パタ
ーンの横ずれεは次式(1)で表わされる。 ε=ΔZ・tanθ ……(1) この式(1)から、例えばレチクルRが図8の上下方向
(Z方向)に1μm変位した場合、レチクルパターン面
における像の横ずれは約50nmとなり、投影光学系P
Oの投影倍率を例えば4:1とすると、ウエハW上で
は、その4分の1の12.5nmの像シフトが生ずるこ
とがわかる。レチクル表面変形機構RTではこの像シフ
トを用いて像補正を行うのである。
【0040】図4に示したように、レチクルRの下方
(EUV光の入射側)には可動式ブラインド42と、視
野絞りとしてのスリット板44とが、レチクルステージ
ベース32の内部に、レチクルRに近接して配置されて
いる。
【0041】スリット板44は、円弧状の照明領域IA
を規定するもので、投影光学系POに対して固定されて
いても勿論良いが、本実施形態においては、このスリッ
ト板44は、モータ等を含む切替機構としての駆動機構
46によって駆動可能に構成されている。図9には、こ
のスリット板44及びその駆動機構46の平面図が示さ
れている。スリット板44には、露光光としてのEUV
光ELが照射されるレチクルR上の円弧状の照明領域
(第1照明領域)IAを規定する第1開口としての第1
スリット44aと、図5に示したレチクルRのパターン
領域PAの両側に形成されたアライメントマークRM1
とRM4(あるいは、RM2とRM5、RM3とRM
6)部分に露光用のEUV光ELが照射される第2照明
領域を規定する第2開口としての第2スリット44bと
を有する。
【0042】図4に戻り、前記可動式ブラインド42
は、同一レチクルR内に描かれた冗長回路パターンをウ
エハWに転写したくない場合、その冗長回路部分が照明
領域IA内に含まれるのを防止するためのもので、本実
施形態では、駆動機構46によってレチクルステージR
STのY方向の移動と同期してそのY方向の移動が制御
されるようになっている。この場合において、可動式ブ
ラインド42の始動は、レチクルRが走査し始めてから
レチクルRと同じように走査し始めても良いし、目標の
隠すべきパターンが差し掛かるのに合わせて動き始めて
も良い。
【0043】図1に戻り、前記投影光学系POは、前記
の如く、複数枚、例えば3〜6枚程度の反射光学素子
(ミラー)のみから成り、像面側のみがテレセントリッ
クな反射光学系が使用されており、ここでは、投影倍率
1/4倍のものが使用されている。従って、レチクルR
によって反射され、レチクルRに描かれたパターン情報
を含むEUV光ELは、投影光学系POによって4分の
1に縮小されてウエハW上に照射される。
【0044】ここで、投影光学系POについて図10を
用いてより詳細に説明する。投影光学系POは、レチク
ルRで反射されたEUV光ELを順次反射する第1ミラ
ーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3、第4ミラー
M4の合計4枚のミラー(反射光学素子)と、これらの
ミラーM1〜M4を保持する鏡筒PPとから構成されて
いる。前記第1ミラーM1及び第4ミラーM4の反射面
は非球面の形状を有し、第2ミラーM2の反射面は平面
であり、第3ミラーM3の反射面は球面形状となってい
る。各反射面は設計値に対して露光波長の約50分の1
から60分の1以下の加工精度が実現され、RMS値
(標準偏差)で0.2nmから0.3nm以下の誤差し
かない。各ミラーの素材は低膨張ガラスあるいは金属で
あって、表面にはレチクルRと同様の2種類の物質を交
互に重ねた多層膜によりEUV光に対する反射層が形成
されている。
【0045】この場合、第1ミラーM1で反射された光
が第2ミラーM2に到達できるように、第4ミラーM4
には穴が空けられている。同様に第4ミラーM4で反射
された光がウエハWに到達できるよう第1ミラーM1に
は穴が設けられている。勿論、穴を空けるのでなく、ミ
ラーの外形を光束が通過可能な切り欠きを有する形状と
しても良い。
【0046】図1に戻り、前記ウエハステージWST
は、XY平面に沿って配置されたウエハステージベース
60上に配置され、磁気浮上型2次元リニアアクチュエ
ータ(駆動装置)62によって該ウエハステージベース
60上に浮上支持されている。このウエハステージWS
Tは、前記磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ62
によってX方向及びY方向に所定ストロークで駆動され
るとともに、θ方向(Z軸回りの回転方向)にも微小量
駆動されるようになっている。また、このウエハステー
ジWSTは、磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ6
2によってZ方向、及びXY面に対する傾斜方向(X
軸、Y軸回りの回転方向)にも微小量だけ駆動可能に構
成されている。
【0047】ウエハステージWSTの底面には、永久磁
石(図示省略)が設けられており、この永久磁石とウエ
ハステージベース60上にXY2次元方向に張り巡らさ
れたコイル(図示省略)とによって前記磁気浮上型2次
元リニアアクチュエータ62が構成されており、後述す
る制御装置(図示なし)により前記コイルに流す電流を
制御することによってウエハステージWSTの6次元方
向の位置及び姿勢制御が行われるようになっている。
【0048】ウエハステージWSTの上面には、静電チ
ャック方式の不図示のウエハホルダが載置され、該ウエ
ハホルダによってウエハWが吸着保持されている。ま
た、このウエハステージWSTの図1におけるY方向他
側の側面には鏡面加工が施され、可視領域の光に対する
反射面74aが形成されている。また、図1では図示が
省略されているが、図11に示されるように、ウエハス
テージWSTのX方向一側の側面にも鏡面加工が施さ
れ、可視領域の光に対する反射面74bが形成されてい
る。
【0049】ウエハステージWST上面の一端部には、
レチクルRに描画されたパターンがウエハW面上に投影
される位置と、アライメント光学系ALGの相対位置関
係の計測(いわゆるベースライン計測)等を行うための
空間像計測器FMが設けられている。この空間像計測器
FMは、従来のDUVまたはVUV露光装置、すなわ
ち、KrFエキシマレーザ又はArFエキシマレーザを
用いる露光装置の基準マーク板に相当するものである。
【0050】図12(a)、(b)には、この空間像計
測器FMの平面図、縦断面図がそれぞれ示されている。
これらの図に示されるように、空間像計測器FMの上面
には、開口としてのスリットSLTが形成されている。
このスリットSLTは、ウエハステージWSTの上面に
固定された所定厚さの蛍光発生物質63の表面に形成さ
れたEUV光の反射層64にパターンニングされたもの
である。なお、反射層64に代えてEUV光の吸収層を
設け、この吸収層に開口を形成してもよい。
【0051】前記スリットSLTの下方のウエハステー
ジWSTの上面板には、開口66が形成されており、こ
の開口66に対向するウエハステージWSTの内部に
は、フォトマルチプライヤ等の光電変換素子PMが配置
されている。従って、投影光学系POを介して上方から
空間像計測器FMにEUV光ELが照射されると、スリ
ットSLTを透過したEUV光が蛍光発生物質63に到
達し、該蛍光発生物質63がEUV光に比べて波長の長
い光を発する。この光が光電変換素子PMによって受光
されその光の強度に応じた電気信号に変換される。この
光電変換素子PMの出力信号も制御装置(図示なし)に
供給されるようになっている。
【0052】この露光装置10では、図11に示したよ
うな干渉計システム70によって、投影光学系POに対
するその位置が正確に測定されるようになっている。こ
の干渉計システム70は、レチクルステージRSTのX
Y面内の位置を計測する4つのレーザ干渉計RIFX
1、RIFX2、RIFY1、RIFY2と、ウエハス
テージWSTのXY面内の位置を計測する4つのレーザ
干渉計WIFX1、WIFX2、WIFY1、WIFY
2とを含んで構成されている。
【0053】干渉計RIFX1、RIFX2、RIFY
1、RIFY2、WIFX1、WIFX2、WIFY
1、WIFY2は、レチクルステージRSTの反射面4
0a、40bあるいはウエハステージWSTの反射面7
4a、74bに、計測ビーム(図中、干渉計の符号の末
尾に「M」を付した符号を付してある。例えば干渉計R
IFX1の計測ビームは符号「RIFY1M」)を投射
するとともに、投影光学系POの鏡筒PPに取り付けら
れた固定鏡(参照鏡)72a(図1参照)、72b、7
6a、76bに、参照ビーム(計測ビームと同様、干渉
計の符号の末尾に「R」を付してある。例えば干渉計R
IFX1の参照ビームは符号「RIFY1R」)を投射
し、それぞれの反射光を受光することにより、その計測
ビームの投射位置での固定鏡72a、72b、76a、
76bに対するレチクルステージRSTあるいはウエハ
ステージWSTのY方向、X方向の相対位置を計測す
る。そして、これら干渉計RIFX1、RIFX2、R
IFY1、RIFY2、WIFX1、WIFX2、WI
FY1、WIFY2の計測値に基づき、レチクルステー
ジRSTあるいはウエハステージWSTの位置および回
転角を計測する。そして、干渉計システム70での計測
結果に基づき、レチクルステージRSTおよびウエハス
テージWSTの姿勢制御を自動的に行うのである。
【0054】図1に戻り、上記8つの干渉計の全ての計
測の基準となる投影光学系POの鏡筒PPには、レチク
ルRのZ方向(第1軸方向)の位置を計測する計測装置
としてのレチクル面測定用レーザ干渉計RIFZが設け
られている。このレーザ干渉計RIFZは、実際には、
図11に示されるように、レーザ干渉計RIFZ1、R
IFZ2、RIFZ3の3つが所定間隔で配置され、鏡
筒PPに固定されているが、図1(及び図4)では、こ
れらが代表的にレーザ干渉計RIFZとして示されてい
る。
【0055】図1に示したように、これらのレーザ干渉
計RIFZ1〜RIFZ3からの測定ビームは、折り返
しミラーMを介して所定の入射角θでレチクルRのパタ
ーン面に投射される露光用のEUV光ELの照射領域、
すなわち円弧状の照明領域IA内の異なる3点に、露光
用のEUV光ELの入射光路と出射光路(反射光路)の
中心となるZ方向と平行な光路を通ってレチクルRのパ
ターン面に投射されるようになっている(図1及び図4
参照)。このため、レーザ干渉計RIFZ1、RIFZ
2、RIFZ3は、レチクルRのパターン面に所定の入
射角θで斜めから入射し、入射角と同一の出射角で反射
される露光用のEUV光ELに影響を及ぼすことなく、
かつ露光用のEUV光ELによって干渉計測定ビームが
影響を及ぼされることなく、高精度(例えば、数nm〜
1nm以下の精度)でレチクルRのZ方向位置を計測す
ることが可能になっている。
【0056】そして、レチクル面測定用レーザ干渉計R
IFZ1、RIFZ2、RIFZ3の少なくとも1つに
より計測された所定の調整用位置情報に基づいて、露光
中(レチクルパターンの転写中)の投影光学系POとレ
チクルRのパターン面との間隔が常に一定に保たれるよ
うに、図4に示した磁気浮上型2次元リニアアクチュエ
ータ34を制御してレチクルRの投影光学系POの光軸
方向(第1軸方向、Z方向)の位置を調整しつつ、レチ
クルステージRSTと基板ステージWSTとをY軸方向
(第2軸方向)に沿って同期移動させるようになってい
る。
【0057】この一方、図1に示したように、鏡筒PP
を基準とするウエハWのZ方向位置は、投影光学系PO
に固定された斜入射光式のフォーカスセンサ14によっ
て計測されるようになっている。このフォーカスセンサ
14は、鏡筒PPを保持する不図示のコラムに固定さ
れ、ウエハW面に対し斜め方向から検出ビームFBを照
射する送光系14aと、同じく不図示のコラムに固定さ
れ、ウエハW面で反射された検出ビームFBを受光する
受光系14bとから構成される。このフォーカスセンサ
としては、例えば特開平6−283403号公報等に開
示される多点焦点位置検出系が用いられている。このフ
ォーカスセンサ14(14a、14b)は鏡筒PPと一
体的に固定されることが重要である。このフォーカスセ
ンサ(14a、14b)によって、ウエハW表面と投影
光学系POの間隔、XY平面に対する傾斜が計測され、
それに基づいて磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ
62を介してウエハW表面と投影光学系POとの間隔、
平行度が常に一定になるようにウエハステージWSTが
制御されるようになっている。
【0058】さらに、本実施形態では、投影光学系PO
の側面に、前記アライメント光学系ALGが固定されて
いる。このアライメント光学系ALGとしては、ブロー
ドバンド光をウエハW上のアライメントマーク(または
空間像計測器FM)に照射し、その反射光を受光して画
像処理方式によりマーク検出を行う結像式アライメント
センサ、レーザ光を格子マークに照射して回折光を検出
するLIA(Laser Interferometric Alignment)方式
のアライメントセンサやAFM(原子間力顕微鏡)のよ
うな走査型プローブ顕微鏡等種々のものを用いることが
できる。
【0059】次に、上述のようにして構成された本実施
形態に係る露光装置10による露光工程の動作について
説明する。
【0060】まずは、投影光学系POのディストーショ
ンを計測手段で計測する。ここで用いる計測手段として
は、ウエハステージWST上に設けられた空間像計測器
FMがある。この空間像計測器FMでディストーション
を計測するには、駆動機構46によりスリット板44を
露光用のEUV光ELが第2スリット44bを照射可能
な位置(第2位置)へ切り替える。次いで、磁気浮上型
2次元リニアアクチュエータ62、34を介してウエハ
ステージWST及びレチクルステージRSTの位置を制
御して、レチクルR上に描画されたレチクルアライメン
トマークRM1,RM4、RM2,RM5、RM3,R
M6を順次各2つ露光用のEUV光ELで照射するとと
もに、レチクルアライメントマークRM1,RM4、R
M2,RM5、RM3,RM6のウエハW面上への投影
像を空間像計測器FMで検出することにより、レチクル
パターン像のウエハW面上への投影位置を求める。そし
て、レチクルアライメントマークRM1,RM4,RM
2,RM5,RM3,RM6の投影像の位置と、それぞ
れの設計位置との比較(差)によって、ディストーショ
ンを計測する。
【0061】これ以外にも、計測手段として、レチクル
R上のレチクルアライメントマークRM1,RM4,R
M2,RM5,RM3,RM6をダミーウエハ上に試し
焼きし、そのウエハを現像して得られるレジストパター
ンの位置を計測し、レチクルRと比較することでディス
トーションを定量的に求める方法も採用可能である。
【0062】このようにして計測したディストーション
に基づき、レチクルRにおける補正すべき部分とその補
正量を決定する。そして、その補正量に応じて、レチク
ル表面変形機構RTの所定の位置の吸着ピン37をZ軸
方向に駆動させ、レチクルRにおいて補正すべき一部分
のみを変形させる。
【0063】このとき、各吸着ピン37は、レチクルR
の表面と平行な方向にも微動可能となっているので、レ
チクルRの変形により、その背面に吸着している吸着ピ
ン37が横方向に微小寸法引っ張られることになるが、
これを許容することができ、レチクルRのズレ等を防止
できるようになっている。なお、吸着ピン37の駆動に
よりレチクルRの一部分を変形させるときには、変形さ
せる部分よりもレチクルRの外周側に位置する他の吸着
ピン37における静電吸着を一旦解除し、駆動の完了後
に再吸着させるようにしても良い。これにより、変形時
にレチクルRが横に引っ張られることもなく、精度良く
レチクルRを変形させることができる。さらに言えば、
吸着ピン37でレチクルRを変形させるときには、レチ
クルRの中心部から外周側に向けて順次吸着ピン37を
駆動させるようにし、このとき、前記したように、駆動
すべき吸着ピン37の外周側に位置する吸着ピン37に
おいては一旦静電吸着を解除するようにしても良い。
【0064】一方、レチクルRのZ方向位置を計測する
レーザ干渉計RIFZ1,RIFZ2,RIFZ3にお
いて、レチクルRが所定量だけ変位したかどうかの検証
を行い、フィードバック制御を行う。
【0065】このようにしてレチクルRを補正した状態
で、EUV光ELで露光を行う。すると、レチクルRが
Z軸方向に変位した部分においては、円弧状照明領域I
Aに対応するウエハW上での円弧状の露光領域SA(図
13参照)での転写位置が、円弧状の領域の中心から放
射方向に沿った方向にシフトするため、ウエハW上にお
ける投影像のディストーションが補正された状態で、露
光が行われることになる。この露光工程をより具体的に
説明すると、前記干渉計システム70からの位置情報を
モニタしつつ、磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ
62を介してウエハステージWSTを第1ショットの走
査開始位置に位置決めするとともに、磁気浮上型2次元
リニアアクチュエータ34を介してレチクルステージR
STを走査開始位置に位置決めして、その第1ショット
の走査露光を行う。この走査露光に際し、制御装置(図
示なし)では磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ3
4、62を介してレチクルステージRSTとウエハステ
ージWSTとの速度比が投影光学系POの投影倍率に正
確に一致するように両ステージの速度を制御し、両ステ
ージのかかる速度比の等速同期状態にて露光(レチクル
パターンの転写)が行われる。こうして第1ショットの
走査露光が終了すると、ウエハステージWSTを第2シ
ョットの走査開始位置へ移動させるショット間のステッ
ピング動作を行う。そして、その第2ショットの走査露
光を上述と同様にして行う。この場合、レチクルステー
ジRSTを戻す動作を省略してスループットの向上を図
るべく、第1ショットと第2ショットとの走査露光の方
向は反対向きで、すなわち第1ショットの露光がY軸上
の一側から他側の向きで行われた場合には第2ショット
の露光は他側から一側の向きで行われる。すなわち交互
スキャンが行われる。このようにして、ショット間のス
テッピング動作とショットの走査露光動作とが繰り返さ
れ、ステップアンドスキャン方式でウエハW上の全ての
ショット領域にレチクルRのパターンが転写される。図
13には、このようにして、レチクルパターンがウエハ
W上の複数ショット領域Sに転写される様子が示されて
いる。図13の場合は、1枚のウエハから効率良く完全
な形のショットが得られるよう、一行内に収めるショッ
ト数を適宜偶数、奇数としている。なお、走査方向に関
するレチクルパターンの転写像とショット(既に形成さ
れているパターン)との倍率誤差を補正する場合は、走
査露光中のレチクルステージRSTとウエハステージW
STとの速度比を、投影光学系POの投影倍率と異なら
せることもある。
【0066】上述した露光装置10および露光方法で
は、レチクルホルダRHにレチクル表面変形機構RTを
備え、投影光学系POを介してウエハW上に転写される
像のディストーションを、例えば空間像計測器FM等の
計測手段で計測し、その計測結果に基づいて、レチクル
ホルダRHで保持したレチクルRのパターン面の、ディ
ストーションが生じている部分をZ軸方向に変形させる
構成となっている。これにより、略円弧スリット状の円
弧状照明領域IAの放射方向に像が変位し、ウエハW上
での像をディストーションを打ち消す方向に移動させる
ことができ、ディストーションが生じている部分のみを
補正することができる。したがって、結果的に重ね合わ
せ精度を向上させることが可能となる。
【0067】また、上記露光装置10および露光方法で
は、露光光を略円弧スリット状のEUV光ELとし、反
射型のレチクルRおよび反射型光学素子のみからなる投
影光学系POを介してウエハWにレチクルRのパターン
を転写する構成となっており、レチクルステージRST
とウエハステージWSTとを投影光学系POの倍率に応
じた速度比で同期移動させることによって、スキャンア
ンドリピート方式で露光を行う構成となっている。この
ような露光装置10において上記誤差補正機能を備える
ことにより、非常に微細なパターン、例えば100nm
またはそれ以下のL/Sパターンの高精度な転写が十分
に可能となる。
【0068】さらに、レチクル表面変形機構RTが、レ
チクルRを保持する複数の吸着ピン37と、各吸着ピン
37をZ軸方向に進退駆動させる例えばピエゾ素子等の
アクチュエータとを備えた構成となっている。これによ
り、レチクルRの一部のみをZ軸方向に変形させること
が可能となり、ディストーション補正を確実に行うこと
が可能となる。また、このように複数の吸着ピン37か
らなる、いわば剣山状のレチクル表面変形機構RTを用
いることにより、高い空間周波数帯のディストーション
等も確実に補正することが可能となる。
【0069】そして、上記露光方法では、予め、ウエハ
W上に転写される像のディストーションを空間像計測器
FM等の計測手段で計測し、その結果に基づいてレチク
ル表面変形機構RTで像を補正した後、パターンをウエ
ハW上に転写する構成となっている。このように、露光
装置10の設置時等に、投影光学系POのキャリブレー
ションを行うことにより、以降の露光を精度良く行うこ
とができる。
【0070】また、上記したような構成の露光装置10
および露光方法では、投影光学系POのディストーショ
ンだけでなく、レチクルRの描画誤差を補正することも
可能である。一般にレチクルRのパターン描画は電子ビ
ームによって行われるが、電子ビームは温度変化等によ
りビームの位置が時間とともに変動するため、その近傍
のパターンは位置ズレする可能性が高い。このようなレ
チクルRの描画誤差についても、上記ディストーション
補正と同様に補正を行うことが可能である。この他、レ
チクルRはレチクルホルダRHにおいて背面側でチャッ
クされるため、レチクルRの厚さの分布がそのままレチ
クルR表面の平面度の誤差として表れるが、この誤差に
よる像のズレも、同様に補正することができる。さら
に、ウエハWは、パターンを重ね焼きする場合、熱処理
時にウエハWが変形し、これによってウエハW上の像が
変形することもあるが、この像に重ね合わせて露光を行
うに際し、変形した像に合わせてレチクルR側を変形さ
せて補正することも可能である。
【0071】これ以外にも、ウエハWは、一つのパター
ン中におけるパターン密度の疎密により、ウエハWの膜
が受けるストレスの分布が異なり、その結果、高い空間
周波数帯の歪みが起きることがある。このウエハWの歪
みをアライメント光学系(検出手段)ALGで検出し、
検出結果に基づいてレチクル表面変形機構RTでレチク
ルRを変形させ、補正を行うこともできる。
【0072】この他、レチクル表面変形機構RTでレチ
クルRを変形させたときには、レーザ干渉計RIFZ
1,RIFZ2,RIFZ3において、レチクルRが所
定量だけ変位したかどうかの検証を行い、フィードバッ
ク制御を行うようにしたので、補正をより確実に行うこ
とができる。
【0073】また、上記レチクル表面変形機構RTにお
いて、全ての吸着ピン37を一様にZ軸方向に変位させ
ればレチクルRの投影倍率を変動させることが可能であ
るため、これをレチクルステージRSTにおける倍率補
正機構として用いることも可能である。
【0074】加えて、上述したような露光装置10及び
露光方法を用い、ウエハWにレチクルRのパターン(デ
バイスパターン)を転写してデバイスを製造することに
より、レチクルRが補正されて本来の精度を維持した状
態で、デバイスパターンがウエハWに転写されることに
なる。したがって、所定の品質のデバイスを安定して製
造することが可能となる。
【0075】なお、上記実施の形態では、吸着ピン37
を駆動するアクチュエータとしてピエゾ素子を一例に挙
げたが、応答性に優れ、かつレチクルRを上記したよう
な例えば1μmといった精度で駆動することができるの
であれば、適宜他のものを採用しても良い。また、多数
本の吸着ピン37に代えて、長方形の吸着面を有する吸
着部材を複数本並べて配設する構成としても良い。この
場合、吸着部材は、円弧状照明領域IAの短手方向に長
辺が延在するようにする。露光装置10では、走査露光
を行うときに円弧状照明領域IAの短手方向に沿ってレ
チクルRが走査されるため、前記長方形の吸着部材によ
っても上記と同様にしてディストーション補正を行うこ
とが可能である。
【0076】なお、上記実施の形態において、以下のよ
うな構成とすることも可能である。すなわち、図14に
示すように、露光時に、レチクルステージRSTでレチ
クルRのパターン面をEUV光ELに対して移動させつ
つ、EUV光ELが照射されている円弧状照明領域IA
において、レチクルRをレチクル表面変形機構RTで順
次変形させるのである。より具体的には、EUV光EL
が照射されるまでは各吸着ピン37を原位置あるいは所
定の位置に固定しておき、EUV光ELの照射の直前
に、所定の吸着ピン37のみをZ軸方向に変位させてレ
チクルRを部分的に変形させ、EUV光ELが通り過ぎ
て円弧状照明領域IAから外れた時点で、吸着ピン37
を元の位置に戻す。このような露光方法においても、上
記と同様の効果を得ることが可能である。
【0077】また、上記実施の形態においては、EUV
光ELを円弧状照明領域IAにおいて照明する構成とし
たが、例えば投影光学系POを構成するミラーの枚数を
増やす等すれば、矩形状の照明領域を得ることが可能で
あり、このような場合にも上記と同様の構成が適用可能
である。しかしながら、実際には、ミラー枚数を増やす
と投影光学系POトータルでの反射率が低下するのでス
キャンを遅くしなければならず、スループットの低下に
つながり、したがって最小限のミラー枚数で投影光学系
POを構成するのが好ましい。
【0078】例えば、露光装置10として走査型のもの
を例に挙げたが、投影光学系がレチクルR側において非
テレセントリックであるならば、例えばステップアンド
リピート型の露光装置にも本発明の技術を同様に適用す
ることができる。さらに、投影光学系POも、レチクル
R側において非テレセントリックであるならば、全反射
系、全屈折系、反射屈折系のいずれでも良く、その倍率
は、縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれであっ
ても良い。加えて、投影光学系POは像面側のみがテレ
セントリックであるものとしたが、物体面及び像面の両
方がテレセントリックな光学系であっても良い。また、
投影光学系POの視野の形状も任意でよい。そして投影
光学系POの開口数は、露光波長が13.4nmである
ときには、N.A.≧0.1、望ましくはN.A.≧
0.12、露光波長が11.5nmであるときには、
N.A.≧0.8、望ましくはN.A.≧0.1である
と良い。
【0079】また、露光装置10で露光光として用いる
光源についても、投影光学系POがレチクルR側におい
て非テレセントリックであるならば、EUV光ELに限
らず、ArFエキシマレーザー(193nm)、KrF
エキシマレーザー(248nm)、F2レーザー(15
7nm)、Ar2レーザーあるいはYAGレーザーや金
属蒸気レーザーの高調波、さらにはイオンビーム等の荷
電粒子線を用いることもできる。また、露光装置の種類
としては半導体製造用のものに限定されることなく、例
えば、角形のガラスプレートに液晶表示素子、又はプラ
ズマディスプレイ等のデバイスパターンを転写する液晶
用の投影露光装置や、薄膜磁気ヘッドや撮像素子(CC
D)、さらにはレチクル又はマスク等を製造するための
露光装置等にも本発明の技術を広く適用することが可能
である。
【0080】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また
上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものと
しても良いのは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る露
光装置によれば、マスクを保持する保持機構に、前記マ
スクのパターン面側を部分的に変形させる変形手段が備
えられた構成となっている。これにより、変形手段でマ
スクを部分的に変形させてウエハ上での像を、ディスト
ーションを打ち消す方向に移動させることによって、デ
ィストーションを補正することができ、結果的に重ね合
わせ精度を向上させることが可能となる。
【0082】請求項2に係る露光装置によれば、変形手
段が、マスクを保持する複数のピンと、各ピンをパター
ン面に略直交する方向に進退駆動させる駆動手段とを備
えた構成となっている。これにより、マスクを部分的に
変形させることが可能となる。また、このようないわば
剣山状の変形手段を用いることにより、高い空間周波数
帯のディストーションも確実に補正することが可能とな
る。
【0083】請求項3に係る露光装置によれば、マスク
ステージと基板ステージとを、駆動装置で投影光学系の
倍率に応じた速度比で同期移動させる構成となっている
ので、露光装置では走査露光を行うことができる。ま
た、請求項4に係る露光装置によれば、投影光学系が反
射光学系で、かつ露光光が略円弧スリット状である構成
となっている。そして、請求項5に係る露光装置によれ
ば、露光光をExtreme Ultra Violet光とする構成となっ
ている。これにより、露光装置が、略円弧スリット状の
EUV光に対してマスクを走査させることによって、マ
スクのパターンが反射光学素子のみからなる投影光学系
を介して基板上に転写される構成となり、したがって、
非常に微細なパターン、例えば100nmまたはそれ以
下のL/Sパターン、さらには70nmまたはそれ以下
の孤立パターンの高精度な転写が可能となる。
【0084】請求項6に係る露光装置によれば、基板上
に転写される像の誤差を計測手段で計測し、その結果に
基づいて変形手段でパターン面を変形させることによ
り、ディストーションを精度良く補正することができ
る。
【0085】請求項7に係る露光装置によれば、投影光
学系の光軸方向に関するパターン面の位置情報を検出す
る検出手段を備え、変形手段では検出された位置情報に
基づいてパターン面を変形させる構成となっており、こ
れによってもディストーション補正を精度良く行うこと
ができる。
【0086】請求項8に係る露光方法によれば、マスク
のパターン面を部分的に変形させて基板上に転写される
像を補正する構成となっている。また、請求項9に係る
露光方法によれば、基板上に転写される像のディストー
ションを計測手段で計測し、その結果に基づいて変形手
段で像を補正する構成となっている。これにより、ディ
ストーション等が生じている部分に対応した部分を変形
手段で部分的に変形させ、ウエハ上での像をディストー
ション等を打ち消す方向に移動させることによって、デ
ィストーション等が生じている部分のみを補正すること
ができる。したがって、結果的に重ね合わせ精度を向上
させることが可能となる。
【0087】請求項10に係る露光方法によれば、基板
上に転写される像の誤差を予め計測しておき、その結果
に基づいて変形手段で像を補正した後にパターンを基板
上に転写する構成となっている。このように、露光装置
の設置時等に、投影光学系のキャリブレーションを行う
ことにより、以降の露光を精度良く行うことができる。
【0088】請求項11に係る露光方法によれば、露光
光に対してパターン面を移動させつつ、変形手段で、露
光光がパターン面に照射されている部分を順次変形させ
る構成となっている。これにより、走査露光を行う場合
に、走査しながらのレチクルの変形補正を行うことがで
きる。
【0089】請求項12に係る露光方法によれば、投影
光学系を反射光学系とし、かつ露光光を略円弧スリット
状とし、変形手段でパターン面を変形させることによ
り、パターン面に対する略円弧スリット状の露光光の照
射位置を、円弧スリットの中心部に対し放射方向に変化
させる構成となっている。これにより、特にEUV等、
レチクル側で非テレセントリックで、反射型光学素子を
用いる露光時に、ディストーションの補正を行うことが
できる。
【0090】請求項13に係るデバイス製造方法によれ
ば、請求項1から7のいずれかに記載の露光装置を用い
て、デバイスパターンを感光基板上に転写する工程を含
む構成となっている。このような露光装置でデバイスを
製造することにより、補正によりマスク本来の精度を維
持した状態で、デバイスパターンが感光基板上に転写さ
れることになる。したがって、所定の品質のデバイスを
安定して製造することが可能となる。
【0091】請求項14に係るデバイス製造方法によれ
ば、請求項8から12のいずれかに記載の露光方法を用
いて、デバイスパターンを感光基板上に転写する工程を
含む構成となっている。このような露光方法を用いてデ
バイスを製造することにより、補正されてマスク本来の
精度を維持した状態で、デバイスパターンが感光基板上
に転写されることになる。したがって、所定の品質のデ
バイスを安定して製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る露光装置および露光方法ならび
にデバイス製造方法の実施形態における露光装置の構成
を概略的に示す図である。
【図2】 図1の光源装置の内部を構成を示す図であ
る。
【図3】 図2の光源装置の左側面図である。
【図4】 図1のレチクルステージ近傍の構成各部を詳
細に示す図である。
【図5】 レチクルの概略平面図である。
【図6】 レチクルステージに備えたレチクル表面変形
機構を示す図であって、前記機構を下方から見た状態で
の斜視図および断面図である。
【図7】 前記変形機構による像の変位を示す図であ
る。
【図8】 前記像の変位が生じる理由を説明するための
図である。
【図9】 図1のスリット板及びその駆動機構の一例を
示す平面図である。
【図10】 図1の投影光学系の内部構成を概略的に示
す図である。
【図11】 レチクルステージとウエハステージのXY
平面内の位置を計測する干渉計システムの構成を説明す
るための図である。
【図12】 (a)は空間像計測器を示す平面図、
(b)は(a)の空間像計測器を示す側面図である。
【図13】 レチクルパターンがウエハ上の複数ショッ
ト領域に転写される様子を示す図である。
【図14】 前記レチクル表面変形機構における他の露
光方法を示す図である。
【符号の説明】
10 露光装置 34,62 磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ
(駆動装置) ALG アライメント光学系(検出手段) EL EUV光(露光光) FM 空間像計測器(計測手段) PO 投影光学系 R レチクル(マスク) RH レチクルホルダ(保持機構) RST レチクルステージ(マスクステージ) RT レチクル表面変形機構(変形手段) W ウエハ(基板、感光基板) WST ウエハステージ(基板ステージ)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射型のマスクに形成されたパターンを
    露光光で照明し、前記マスク側においては非テレセント
    リックである投影光学系を介して基板上に転写する露光
    装置であって、前記マスクを保持する保持機構に、前記
    マスクのパターン面側を部分的に変形させる変形手段が
    備えられていることを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 前記変形手段が、前記マスクの背面側を
    保持する複数のピンと、前記各ピンを前記パターン面に
    略直交する方向に進退駆動させる駆動手段とを備えて構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の露光装
    置。
  3. 【請求項3】 前記マスクを保持するマスクステージ
    と、前記基板を保持する基板ステージとを、前記投影光
    学系の光軸と略直交する定められた方向に沿って、前記
    投影光学系の倍率に応じた速度比で同期移動させる駆動
    装置が備えられていることを特徴とする請求項1または
    2記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記投影光学系が反射光学系とされ、か
    つ前記露光光が略円弧スリット状であることを特徴とす
    る請求項3記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記露光光がExtreme Ultra Violet光で
    あることを特徴とする請求項4記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記基板上に転写される像の誤差を計測
    する計測手段が備えられ、前記変形手段では前記計測手
    段での計測結果に基づいて前記パターン面を変形させる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の露
    光装置。
  7. 【請求項7】 前記投影光学系の光軸方向に関する前記
    パターン面の位置情報を検出する検出手段を更に備え、
    前記変形手段は前記検出された位置情報に基づいて前記
    パターン面を変形させることを特徴とする請求項1から
    6のいずれかに記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 反射型のマスクに形成されたパターン
    を、前記マスク側においては非テレセントリックである
    投影光学系を介して基板上に転写する露光方法におい
    て、前記マスクを保持する保持機構に、前記マスクのパ
    ターン面側を部分的に変形させる変形手段を備えてお
    き、該変形手段で前記パターン面を部分的に変形させる
    ことによって、前記基板上に転写される像を補正するこ
    とを特徴とする露光方法。
  9. 【請求項9】 前記基板上に転写される像のディストー
    ションを計測手段で計測し、その結果に基づいて前記変
    形手段で前記像を補正することを特徴とする請求項8記
    載の露光方法。
  10. 【請求項10】 前記基板上に転写される像の誤差を予
    め計測しておき、その結果に基づいて前記変形手段で前
    記像を補正した後に、前記パターンを前記基板上に転写
    することを特徴とする請求項8または9記載の露光方
    法。
  11. 【請求項11】 前記マスクを前記パターン面に沿った
    方向に駆動させることによって前記露光光に対して前記
    パターン面を移動させつつ、前記変形手段で、前記露光
    光が前記パターン面に照射されている部分を順次変形さ
    せることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記
    載の露光方法。
  12. 【請求項12】 前記投影光学系を反射光学系とし、か
    つ前記露光光を略円弧スリット状としておき、 前記変形手段で前記パターン面をこれに略直交した方向
    に変形させることにより、前記パターン面に対する略円
    弧スリット状の露光光の照射位置を、前記円弧スリット
    の中心部に対し放射方向に変化させることを特徴とする
    請求項8から11のいずれかに記載の露光方法。
  13. 【請求項13】 請求項1から7のいずれかに記載の露
    光装置を用いて、デバイスパターンを感光基板上に転写
    する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8から12のいずれかに記載の
    露光方法を用いて、デバイスパターンを感光基板上に転
    写する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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