JP2009264995A - 薄膜ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成にて電気絶縁層と感知層との応力変化による影響を回避し、マイクロクラックの発生を抑止するようにした薄膜ガスセンサを提供する。
【解決手段】電気絶縁層14と感知層15bとの間に歪超格子と同様に機能する中間バッファ層16を設け、この中間バッファ層16により熱衝撃に起因する電気絶縁層14とガス感知層15bとの応力変化を吸収し、その結果マイクロクラックの発生を抑止するような薄膜ガスセンサ1とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池駆動を念頭においた低消費電力型の薄膜ガスセンサに関する。
一般的にガスセンサは、ガス漏れ警報器などの用途に用いられており、ある特定ガス、例えば、一酸化炭素(CO)、メタンガス(CH)、プロパンガス(C)、エタノール蒸気(COH)等に選択的に感応するデバイスであり、その性格上、高感度、高選択性、高応答性、高信頼性、低消費電力が必要不可欠である。
ところで、家庭用として普及しているガス漏れ警報器には、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガス検知を目的としたもの、燃焼機器の不完全燃焼ガス検知を目的としたもの、または、両方の機能を合わせ持ったものなどがあるが、いずれもコストや設置性(ガス検知が必要であるが電源供給不能の箇所である点)の問題から普及率はそれほど高くない。そこで、普及率の向上を図るべく、設置性の改善、具体的には、電池駆動によるガス漏れ警報器としてコードレス化することが望まれている。
ガス漏れ警報器の電池駆動を実現するためにはガスセンサの低消費電力化が最も重要である。しかしながら、接触燃焼式や半導体式のガスセンサを動作させるためには、ガスセンサのガス感知層を100℃〜450℃の高温に加熱する必要があり、この加熱が電力を消費する要因である。SnOなどの粉体を焼結して作製したガス感知層を有するガスセンサでは、スクリーン印刷等の方法を用いてガス感知層の厚みを可能な限り薄くしてガス感知層の熱容量を小さくしているが、薄膜化には限界があって充分に薄くできない。このため、電池駆動するにはガス感知層の熱容量が大きすぎることとなり、これを高温に加熱するには大きい電力が必要で電池の消耗が大きくなってしまい、ガス感知層を電池駆動するガスセンサは実用化が困難であった。
そこで、微細加工プロセスにより高断熱・低熱容量のダイヤフラム構造として、実用上許容しうる低消費電力の薄膜ガスセンサが開発実用化されて現在に至っている。続いてこのような薄膜ガスセンサについて説明する。図4は、従来技術の薄膜ガスセンサを概略的に示す縦断面図である。
この従来技術の薄膜ガスセンサ10は、シリコン基板(以下Si基板)11、熱絶縁支持層12、ヒーター層13、電気絶縁層14、ガス検出層15を備える。熱絶縁支持層12は、詳しくは、SiO層12a、CVD−SiN層12b、CVD−SiO層12cの三層構造となっている。また、ガス検出層15は、詳しくは、感知電極層15a、感知層15b、ガス選択燃焼層15cを備える。この感知層15bは二酸化スズ層(以下、SnO感知層)であり、ガス選択燃焼層15cはパラジウム(Pd)、白金(Pt)の少なくとも一つを触媒として担持したアルミナ焼結材(以下、触媒担持Al焼結材)である。
感知電極層15aの材料としては各種貴金属材料を用いるのが一般的であるが、ここで説明する従来技術ではPtであるとして説明する。感知電極層15aは、詳しくは接合層を介して形成される。接合層はSiO絶縁層である電気絶縁層14との密着性に優れ、しかも、Ptとも密着性のよいTa、Ti、Cr等が用いられるが、ここで説明する従来技術ではTaであるとして説明する。この接合層を介してPtによる電極を成膜し、感知電極層15aを形成する。そして、一対の感知電極層15a,15aに渡されるように、電気絶縁層14上に感知層15bであるSnO感知層を形成して、薄膜ガスセンサ10としている。
この従来技術の薄膜ガスセンサ10は、様々な気体成分と接触することにより酸化物半導体である感知層15bの電気抵抗(感知層抵抗)が変化する現象を利用している。100℃〜450℃程度に加熱された金属酸化物半導体は導電率がガス濃度により変化する特性を持ち、空気中では酸素を吸着して高抵抗化するが可燃性ガス中では可燃性ガスを吸着して低抵抗化する。
詳しくは、SnO層などのn型金属酸化物半導体であって100℃〜450℃程度に加熱された感知層15bは、空気中では粒子表面に酸素などを活性化吸着するが、酸素は電子受容性が強くて負電荷吸着するため、酸化物半導体粒子表面に空間電荷層が形成され導電率が低下して高抵抗化し、また、可燃性ガスなどの電子供与性の還元性気体が吸着して燃焼反応が起こると表面吸着酸素が消費され、酸素に捕獲されていた電子が半導体内にもどされ、電子密度が増加して導電率が増大して低抵抗化する、というものである。
この感知層15bは、多様なガスの検知が可能である反面、特定のガスを選択的に検知することは困難であった。そこでガス検出層15は、電気絶縁層14、一対の感知電極層15a,15a、および、SnO感知層である感知層15bのそれぞれ表面を、触媒担持Al焼結材で構成されたガス選択燃焼層15cが覆う構造としている。このようにガス検出層15は、感知層15bの全体を触媒を担持した焼結材で構成されたガス選択燃焼層15cで覆うように構成したため、検知する目的ガスよりも酸化活性の強いガスを燃焼させ、検知する目的ガス(特にメタンやプロパン)のみの感度を向上させるとともに、そのセンサ部の大きさや膜厚、ダイヤフラム径との比などを工夫することで、検知したい目的ガスのガス選択性を高め、消費電力の低減化を可能とする。同様な先行技術が特許文献1(特開平5−240820号公報)にも開示されている。
このようなダイヤフラム構造などの超低熱容量構造とした低消費電力薄膜ガスセンサを適用したガス漏れ警報器においても、電池の交換無しで5年以上の寿命を持たすためには薄膜ガスセンサのパルス駆動が必須となる。そして、パルス駆動の薄膜ガスセンサにおいても、更なる低消費電力化のためには、検出温度の低温化、検出時間の短縮、検出サイクルの長期化(通常offにする時間を長くする)が重要である。
薄膜ガスセンサにおける検出温度はガス種に対する検出感度などからCOセンサでは〜100℃、CHセンサでは〜450℃、検出時間はセンサの応答性から〜500msec、検出サイクルはCHセンサでは30秒、COセンサでは150秒とされる。
またoff時間にセンサ表面に付着する水分その他の吸着物を脱離させSnO感知層の表面をクリーニングすることが、電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサの経時安定性を向上する上で重要であり、検出前に一旦センサ温度を〜450℃に加熱(時間から100msec)し、その直後に、それぞれのガスの検出温度でガス検知を行っている。
薄膜ガスセンサはこのようなものである。
さて、このような従来技術であるダイヤフラム構造の薄膜ガスセンサ10では、熱絶縁支持層12、ヒーター層13、電気絶縁層14、感知電極層15a、感知層15b、ガス選択燃焼層15cの積層構造となっている。これら積層した各層の膨張係数は異なっているため、ヒーター層13をパルス駆動させて昇降温を繰り返すと、熱膨張/熱収縮により、数μmであるが、上下に振動する。この振動は微小ではあるが、仮に10秒に1回の検知周期でセンサを6年間駆動させると約2000万回に達する。しかも室温から450℃まで昇温時間50〜100msecで昇温し、また、数100msecという短時間の降温時間で降温するというものであり、SnO感知層である感知層15bには厳しい熱衝撃が加わる。
この熱衝撃と微小な振動とが起こるため、特に感知層15b(SnO感知層)と電気絶縁層14(SiO絶縁層)との間で剥離が生じ、それが感知層15b(SnO感知層)のマイクロクラックへと発展し、センサ抵抗値が上昇するなどの変動を生じることがある。抵抗値によりガス検知を行う薄膜ガスセンサ10においては当然、抵抗値の変動はガス検知精度上大きな問題になる。
図4で示すように薄膜ガスセンサ10における感知層15b(SnO感知層)は、感知電極層15a(Pt/Ta層)と電気絶縁層14(SiO絶縁層)との両方の上に形成されることがわかるが、マイクロクラックのほとんどが電気絶縁層14(SiO絶縁層)上の感知層15b(SnO感知層)において発生することが、本発明者による実験・開発の過程で知見された。
また、僅かではあるが、感知電極層15a(Pt/Ta層)上にある感知層15b(SnO感知層)にマイクロクラックが認められることが確認されたが、このようなマイクロクラックも詳細に調べるとマイクロクラックの起点は電気絶縁層14(SiO絶縁層)上の感知層15b(SnO感知層)にあることも判明している。
さらにまた、感知層15b(SnO感知層)の下地となっている電気絶縁層14(SiO絶縁層)からの剥離部の一部は必ずマイクロクラックで終端していることも判明している。
このようなマイクロクラックが発生する原因としては、感知層15b(SnO感知層)、電気絶縁層14(SiO絶縁層)、または、感知電極層15a(Pt/Ta層)の材質の差異にあると推察される。この点について説明する。まず、次表にSnO、SiO、Ptの線膨張係数を示す。
Figure 2009264995
表1は材料のバルク値である。薄膜ガスセンサ10ではPtはTaを介して下地であるSiOと密着しており単純ではないが、SnOとの線膨張係数の差異から考えるとSnO−Pt間の方がSnO−SiO間より若干大きい。線膨張係数の差異からだけでマイクロクラックが電気絶縁層14(SiO絶縁層)上の感知層15b(SnO感知層)に発生する原因を説明できない。
SnOとの密着性ではSnO−SiOが優れており、下地が硬くかつ強度の高い電気絶縁層14(SiO絶縁層)上では線膨張係数の差異を感知層15b(SnO感知層)にマイクロクラックを発生させることで緩和していると推定される。
また純Ptは比較的柔らかい金属でありSnO−Pt間の線膨張係数の差異をある程度吸収できる点などを考慮した場合、RT⇔450℃の熱衝撃が発生しても、感知電極層15a(Pt/Ta層)上の感知層15b(SnO感知層)では、純Ptが変形することで線膨張係数の差異を吸収しているためマイクロクラックが発生しないと推定される。
これらの点を考慮して、マイクロクラックが電気絶縁層14(SiO絶縁層)上の感知層15b(SnO感知層)に発生するメカニズムを以下のように推定した。
(1)ヒーター層13のON/OFFによる昇温/降温でSnO感知層/SiO絶縁層が熱膨張/熱収縮する。
(2)両者の熱膨張率の差異による応力に伴い、SnO感知層/SiO絶縁層界面の最も弱い部分の結合が切れる。
(3)その部分を起点としてSnO感知層/SiO絶縁層界面の剥離が伝播し、剥離部分が拡大する。
(4)剥離部分の拡大によりSnO感知層へ加わる上下方向のせん断力でマイクロクラックに発展する。
このようにして発生するマイクロクラック対策が必要である。マイクロクラックに関する先行技術について説明する。先に掲げた特許文献1ではアルミナ基板上へ直接酸化錫スラリーを印刷・焼成して電極を形成した厚膜方式での一酸化炭素ガスセンサの製造技術が公開されている。
また、特許文献2(特開平9−210944号公報)では、ヒータと感知部との間に間隙を配置する構成が開示されている。
また、非特許文献1(電学論E,124巻12号、2004年 476,477ページ)にセンサ薄膜と密着性改善などの観点より多結晶アルミナをマイクロブリッジとして、SnOなどのセンサ層を積層した薄膜センサ製造技術が開示されている。
また、非特許文献2(Zhenan Tang et al., Investigation and control of microcracks in tin oxide gas sensing thin-films, Sensors and Actuators B 79 (2001) 39-47)において、センサ薄膜に発生するマイクロクラックの数と、下地薄膜材料との関係を調べた結果が示されている。発生するマイクロクラックの数は、下地薄膜材料がSi>SiO>PSGの順に少なくなることを示している。理由は膜の硬度、平坦性などで説明しているが明確には分かっておらず、SnOセンサ薄膜の下地の物性との相関を示唆しており、SnO/下地層界面に膨張係数差に伴う大きな応力が発生し、SnO薄膜のマイクロクラックの原因になっていることは間違いない。上記先行技術のいずれにおいても、非特許文献2の筆者らが目標としているセンサ性能には達しない。
このように従来技術ではマイクロクラック対策が十分ではない状態であった。
特開平5−240820号公報 特開平9−210944号公報 電気学会論文誌E,124巻12号、2004年 476,477ページ Zhenan Tang et al., Investigation and control of microcracks in tin oxide gas sensing thin-films, Sensors and Actuators B 79 (2001) 39-47
先に述べたように、上記問題の端緒となる感知層15b(SnO感知層)の剥離は、電気絶縁層14(SiO絶縁層)上で発生しており、感知電極層15a(Pt/Ta層)上では発生していない。これは、SnOとPtとの密着性がSnOとSiOとの密着性よりも高く、発生する応力に差が生じるためであると推察される。そこで、SiO絶縁層とSnO感知層との間の応力を緩和して応力差を吸収するようにして、強度を増す必要がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な構成にて電気絶縁層と感知層との応力変化による影響を回避し、マイクロクラックの発生を抑止するようにした薄膜ガスセンサを提供することにある。
このような本発明の請求項1に係る薄膜ガスセンサは、
貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられる中間バッファ層と、
感知層を有し、中間バッファ層上にこの感知層が配置された状態で設けられるガス検出層と、
を備え、
前記中間バッファ層は、電気絶縁層と同じ材料による薄膜と、感知層と同じ材料による薄膜と、を交互に積層した層であることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る薄膜ガスセンサは、
請求項1に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ガス検出層は、
中間バッファ層または電気絶縁層上に設けられる一対の感知電極層と、
一対の感知電極層を渡されるように中間バッファ層上に設けられる感知層と、
感知層を覆うように設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、
を備えることを特徴とする。
このうちガス選択燃焼層は、Pd(パラジウム)および/またはPt(白金)を触媒として担持したAl焼結材による層であることが好ましい。また、感知層は、二酸化スズ層であることが好ましい。
また、本発明の請求項3に係る薄膜ガスセンサは、
請求項1または請求項2に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記電気絶縁層はSiOによる絶縁層であり、
前記感知層はSnOによる感知層であり、
前記中間バッファ層は、SiO薄膜とSnO薄膜とを交互に積層した層であることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る薄膜ガスセンサは、
請求項3に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
一層のSiO薄膜と一層のSnO薄膜とにより一層の薄膜積層を形成し、このような薄膜積層をn層(nは自然数)重ねた薄膜積層構造を(SnO/SiOと定義した場合、前記中間バッファ層は、nが1以上100以下の薄膜積層構造であることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る薄膜ガスセンサは、
請求項3または請求項4に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記中間バッファ層の一層のSiO薄膜の膜厚は1nm以上10nm以下であり、かつ、一層のSnO薄膜は1nm以上10nm以下であることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る薄膜ガスセンサは、
請求項3〜請求項5の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記中間バッファ層のSnO薄膜は、密度90%以上の緻密質な薄膜であることを特徴とする。
以上のような本発明によれば、簡易な構成にて電気絶縁層と感知層との応力変化による影響を回避し、マイクロクラックの発生を抑止するようにした薄膜ガスセンサを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態の薄膜ガスセンサについて図を参照しつつ説明する。図1は本形態の薄膜ガスセンサを概略的に示す縦断面図である。図2は薄膜ガスセンサの形成途中状態を説明する要部縦断面図である。図3は中間バッファ層を説明する説明図である。
本形態の薄膜ガスセンサ1は、図1で示すように、シリコン基板(以下Si基板)11、熱絶縁支持層12、ヒーター層13、電気絶縁層14、ガス検出層15、中間バッファ層16を備える。熱絶縁支持層12は、詳しくは、SiO層12a、CVD−SiN層12b、CVD−SiO層12cの三層構造となっている。また、ガス検出層15は、詳しくは、感知電極層15a、感知層15b、ガス選択燃焼層15cを備える。
この感知層15bは、二酸化スズ層(以下、SnO感知層)であり、ガス選択燃焼層15cはパラジウム(Pd)または白金(Pt)の少なくとも一つを触媒として担持したアルミナ焼結材(以下、触媒担持Al焼結材)である。
ガス検出層15は、一対の感知電極層15a,15aの一部、SnO感知層である感知層15bの表面全体を、ガス選択燃焼層15cが覆う構造としている。
続いて各部構成について説明する。
Si基板11は、シリコン(Si)により、貫通孔を有するように形成される。
熱絶縁支持層12は、この貫通孔の開口部に張られてダイアフラム様に形成されており、Si基板11の上に設けられる。
熱絶縁支持層12は、詳しくは、SiO層12a、CVD−SiN層12b、CVD−SiO層12cの三層構造となっている。
SiO層12aは熱絶縁層として形成され、ヒーター層13で発生する熱をSi基板11側へ熱伝導しないようにして熱容量を小さくする機能を有する。また、このSiO層12aはプラズマエッチングに対して高い抵抗力を示し、後述するがプラズマエッチングによるSi基板11への貫通孔の形成を容易にする。
CVD−SiN層12bは、SiO層12aの上側に形成される。
CVD−SiO層12cは、ヒーター層13との密着性を向上させるとともに電気的絶縁を確保する。CVD(化学気相成長法)によるSiO層は内部応力が小さい。
ヒーター層13は、Ta/PtW/Taヒータであって、熱絶縁支持層12の上面に設けられる。また、図示しない電源供給ラインも形成される。
電気絶縁層14は、電気的に絶縁を確保するSiO絶縁層からなり、熱絶縁支持層12およびヒーター層13を覆うように設けられる。ヒーター層13と感知電極層15aとの間に電気的な絶縁を確保する。
中間バッファ層16は、電気絶縁層14上に設けられ、一層のSnO薄膜と一層のSiO薄膜とを交互に積層した層である。詳しくは、一層のSnO薄膜と一層のSiO薄膜とによる一層の薄膜積層とし、このような薄膜積層をn層重ねた薄膜積層構造を(SnO/SiOと定義した場合、中間バッファ層16はnが1以上100以下であるような薄膜積層構造である。本形態ではSnO薄膜、および、SiO薄膜ともに膜厚は5nmとしてn=3(SiO/SiOとした。このような中間バッファ層16の応力緩衝機能については後述する。
なお、図1では感知電極層15aの下側にも中間バッファ層16を設けているが、感知電極層15aの下側は中間バッファ層16をなくして直接に電気絶縁層14(SiO絶縁層)と接するようにしてもかまわない。換言すれば、中間バッファ層16と、この中間バッファ層16を両側から挟んだ一対の感知電極層15aとが、ともに電気絶縁層14の上に設けられる。いずれにしても、感知電極層15aと電気絶縁層14との間にある中間バッファ層16が応力緩衝を行う。
さて、感知電極層15aは、中間バッファ層16(あるいは電気絶縁層14)の上に設けられる、例えば、Pt膜(白金膜)またはAu膜(金膜)であり、感知層15bの感知電極となるように左右一対に設けられる。この感知電極層15aは、例えば、Ta膜(タンタル膜)またはTi膜(チタン膜)という接合強度を高める機能を有する接合層を感知電極層15aと中間バッファ層16(あるいは電気絶縁層14)との間に介在させるようにしても良い。本形態ではTa膜による接合層を介在させてPt膜を形成した感知電極層15aであるものとして以下に説明する。
ガス検出層15bは、SnO感知層からなり、一対の感知電極層15a,15aの間を渡されるように中間バッファ層16の上に形成される。
ガス選択燃焼層15cは、先に説明したように触媒担持Al焼結材である。主成分であるAlは多孔質体であるため、孔を通過する検知ガスが触媒(Pd,Ptの少なくとも一つ)に接触する機会を増加させて燃焼反応を促進させる。
このような薄膜ガスセンサ1はダイアフラム構造により高断熱,低熱容量の構造としている。薄膜ガスセンサ1の構成はこのようなものである。
続いて、本形態の薄膜ガスセンサ1の製造方法について概略説明する。
まず、板状のシリコンウェハー(図示せず)に対して熱酸化法により表裏両面に熱酸化を施して厚さ0.3μmの熱酸化膜を形成する。一方の面はSiO層12aとなる。
そして、SiO層12aを形成した面にCVD−SiN膜をプラズマCVD法にて堆積して厚さ0.15μmのCVD−SiN層12bを形成する。そして、このCVD−SiN層12bの上面にCVD−SiO膜をプラズマCVD法にて堆積して厚さ1.0μmのCVD−SiO層12cを形成する。これらSiO層12a、CVD−SiN層12b、CVD−SiO層12cは、ダイアフラム構造の支持層となる。
さらに、CVD−SiO層12cの上面にTa/PtW/Taヒータであるヒーター層13を形成する。
ヒーター層13の形成についてであるが、まず、CVD−SiO層12cの上に接合層としてTaを0.05μm形成する。次に、ヒーター層13となるPtW(Pt+4Wt%W)膜を0.5μm形成する。さらに、上側の面にも接合層としてTaを0.05μm形成する。このような、Ta/PtW/Ta層に対して微細加工によりヒータパターンを形成することとなる。ヒータパターンの形成では、ウェットエッチングのエッチャントとしてTaには水酸化ナトリウムと過酸化水素混合液を、また、Ptには王水を、それぞれ90℃に加熱して用いた。
そして、このCVD−SiO層12cとヒーター層13との上面にスパッタSiO膜をスパッタリング法により蒸着して、厚さ1.0μmのスパッタSiO層である電気絶縁層14を形成する。そして、導通の確保とワイヤボンディング性とを向上させるため、微細加工によりヒータの電極パッド部分(図示せず)をHFにてエッチングして窓開け後、上側の接合層であって外界へ露出されているTaを水酸化ナトリウムと過酸化水素混合液とで除去し、ヒーター層13のPtWを外部へ露出させる。
そして、電気絶縁層14上にスパッタにより中間バッファ層16を形成する。具体的には、電気絶縁層14(SiO絶縁層)と感知層15b(SnO感知層)との間に、膜厚5nmのSiO薄膜と膜厚5nmのSnO薄膜とを交互に積層した層を設ける。一層のSiO薄膜と一層のSnO薄膜とにより一層の薄膜積層を形成し、このような薄膜積層をn層(nは自然数)重ねた薄膜積層構造を(SnO/SiOと定義した場合、前記中間バッファ層は、nが3、つまり(SnO/SiOの薄膜積層構造とする。
このような(SnO/SiOの中間バッファ層16の形成手順は以下に説明するようになる。
まず、電気絶縁層14上にレジストを塗布する。
次に、微細加工でSnO感知層である感知層15bおよび感知電極層15a,15a(あるいは感知層15bのみ)を形成する部分のレジストを除去/開口したパターンにレジストを加工する。次に(SnO/SiOによる中間バッファ層をスパッタ成膜により形成する。ターゲットはSiOとSnOとを用い交互に成膜して中間バッファ層を形成した。中間バッファ層の成膜条件は両方の膜ともパワー100W、圧力0.3Pa、Ar+O中、温度100℃で成膜した。先に説明したようにSiO薄膜、および、SnO薄膜ともに膜厚5nmであってn=3とし、薄膜積層構造を(SnO/SiOとした。
なお、SiO薄膜、および、SnO薄膜の膜厚は1nm以上10nm以下であることが好ましい。更に薄膜積層構造の積層数nも100以下であることが好ましい。これら理由については後述する。
次にチャンバーからウェハーを取り出しレジスト剥離液を用いてレジストのリフトオフを行った。これによりレジストとともに不要な中間バッファ層が剥離して、電気絶縁層14に直接成膜されていた箇所の中間バッファ層のみ残り、これが中間バッファ層16となる。
このようにして形成した中間バッファ層16の上(あるいは電気絶縁層14の上)に感知電極層15aを形成する。成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング法によって行う。まず、厚さ0.05μm接合層(Ta)を形成し、この接合層の上に、厚さ0.2μmの感知電極層(Pt)15aを形成する。Pt/taの成膜条件は共に、Arガス(アルゴンガス)圧力1Pa、成膜温度100℃、100Wである。
さらに微細加工により電極パターンを形成する。ウエットエッチングのエッチャントとしてPtには王水をTaには水酸化ナトリウムと過酸化水素混合液、それぞれ90℃に加熱して用いた。
次に、これら一対の感知電極層15a,15aの間に渡されるようにして、中間バッファ層16の上にSnO感知層がスパッタリング法により蒸着され、感知層15bが形成される。
感知層15bは中間バッファ層16の形成と同様にレジストリフトオフ法により形成する。具体的には以下のような工程で形成する。
まず、レジストを全面に塗布する。
次に微細加工で一対の感知電極層15a,15a上およびその一対の感知電極層15a,15a間の感知層15bを形成する部分のレジストを除去/開口する。
次にスパッタ成膜で感知層15b(SnO感知層)をスパッタ成膜により形成する。SnO感知層の成膜条件は100W、1Pa、Ar+O中、成膜温度100℃である。成膜後レジストのリフトオフを行う。リフトオフ後は図2で示すような状態である。
そして一対の感知電極層15a,15aおよび感知層15bの表面には、ガス選択燃焼層15cが形成される。このガス選択燃焼層15cは、触媒(PdまたはPtの少なくとも一つ)を担持したアルミナ粉末、アルミゾルバインダおよび有機溶剤を混合調製した印刷ペーストをスクリーン印刷で印刷し、室温で乾燥後、500℃で1時間焼き付けして約30μm厚の選択燃焼層(触媒フィルター)を形成している。このガス選択燃焼層15cの大きさは、感知層15bを十分に覆えるようにする。このようにスクリーン印刷により厚みを薄くしている。このガス選択燃焼層15cにより、ガスセンサの感度、ガス種選択性、信頼性が向上する。
最後にシリコンウェハー(図示せず)の裏面から微細加工プロセスとしてドライエッチングによりシリコンを除去して貫通孔を形成してSi基板11とし、400μm径の貫通孔および開口部が形成されたダイヤフラム構造の薄膜ガスセンサを形成する。そして、ヒーター層13および感知電極層15aは図示しない駆動・処理部と電気的に接続される。
薄膜ガスセンサ1の製造方法はこのようになる。
続いてこのような薄膜ガスセンサ1における中間バッファ層16の特徴について説明する。
図4の従来技術における薄膜ガスセンサ10では、パルス駆動時の昇降温に伴い、電気絶縁層14(SiO絶縁膜)と感知層15b(SnO感知膜)との間には熱膨張係数の差異による応力が発生する。この応力が電気絶縁層14(SiO絶縁膜)と感知層15b(SnO感知膜)との密着力より大きくなると、界面で膜剥離/クラックなどを生じていた。
一方、本発明の薄膜ガスセンサ10では、図3でも示すように、薄膜の積層構造である(SnO/SiOの中間バッファ層16を介在させている。中間バッファ層16は、SiO薄膜とSnO薄膜を交互に積層している。本形態ではn=3として、3層で積層している。これらSiOとSnOとでは格子定数が異なっており、異なった格子定数を有する十分に薄い薄膜を交互に積層すると、いわゆる歪超格子としての効果が見込める。SiO薄膜とSnO薄膜とによる歪超格子では、一方の材料は面方向に圧縮応力が加わり、他方の材料は面方向に引っ張り応力が加わり、SiO薄膜とSnO薄膜との界面近傍では格子が歪む(つまり格子定数が変化する)。そして本発明ではSiO薄膜とSnO薄膜との膜厚を充分薄くしている。仮に膜厚が厚いとSiO薄膜とSnO薄膜との界面から遠のくにつれて歪は緩和(格子緩和)されていくため一層の薄膜における界面間の中央では通常時の格子定数に近くなって歪超格子としての効果が薄れるが、本発明ではSiO薄膜とSnO薄膜との膜厚を充分薄くして格子緩和が発生しないようにして一層の薄膜の全域で歪んだ状態を維持し、さらに同様な積層を行うことで薄膜積層構造全体で格子が歪ませることにより、大きい格子定数と小さい格子定数との中間の格子定数を有する状態で薄膜積層構造が安定する。これは、格子定数が大きい側から見れば上下方向や左右方向に圧縮応力が、また、格子定数が小さい側から見れば上下方向や左右方向に引張り応力が発生しており、左右方向や上下方向に応力が常時発生した状態である。このような薄膜積層構造では繰り返し応力を吸収する構造となっている。
このような中間バッファ層16の存在により、RT⇔450℃のパルス駆動による熱衝撃が加わって熱膨張時と熱収縮時に発生する上下方向や左右方向の応力は中間バッファ層16の内部に伝わるが、歪みにより内部に常時生じている上下方向や左右方向の応力が相殺する(例えば引張り応力を受けるように歪んでいる層が圧縮応力を受けると元の格子定数に戻るように作用して応力が吸収される)ように働き、その結果、電気絶縁層(SiO絶縁膜)14と感知層(SnO感知膜)15との間に発生する応力は、中間バッファ層16により吸収されることとなる。
なお、中間バッファ層におけるSnO薄膜、および、SiO薄膜ともに膜厚は5nmとしてn=3、つまり(SiO/SiOであると説明したが、これに限定されるものではない。
ここで(SiO/SiOでSnO薄膜の膜厚が<1nmであったり、SiO薄膜の膜厚が<1nmであるような場合は、これら薄膜がアイランド状となり歪超格子とはならず効果がない。
また、SnO薄膜の膜厚が>10nmであったり、SiO薄膜の膜厚が>10nmであるような場合は、格子緩和が起こって歪超格子としての効果が低くなり、2000万回(目標とする回数)の昇降温回数に耐えきれないような薄膜ガスセンサが発生するおそれがあった。
このような理由からSiO薄膜の膜厚は1nm以上10nm以下、および、SnO薄膜の膜厚は1nm以上10nm以下を満たすことが好ましい。
さらに(SiO/SiOでn>100では、中間バッファ層の厚みが>1000nmというように過大な厚さとなる。厚さが増大した場合には熱容量の増加から消費電力が増大したり、また、熱伝導による放熱が無視できなくなることから熱的に不利となるため好ましくない(電池駆動にとって不利となる)。
このような理由から(SiO/SiOによる積層数nは1以上100以下であることが好ましい。
そして、中間バッファ層16のSnO薄膜は、密度90%以上の緻密質な薄膜としている。感知層15bのSnO感知膜は、検知感度を向上するために、ガス拡散を容易にする多孔質構造を採用しているが、中間バッファ層16においては応力を受けても剥離等が生じないようにするためより緻密質なSnOとしている。
このような中間バッファ層16とすることで、応力を吸収する応力緩衝機能を持たせることができる。
続いて本形態の薄膜ガスセンサ1の性能について検証する。本形態の薄膜ガスセンサを素子Aとする。更に比較のため中間バッファ層のない従来技術の薄膜ガスセンサ(図4で示されたもの)を素子Bとする。次表は素子A(本形態)と素子B(従来技術)の諸特性を比較する表である。
Figure 2009264995
素子A(本形態)と素子B(従来技術)を各5個ずつ大気中でパルス通電(試験条件:3V/50mW、通電100msecON/1secOFF(通電時ヒーター温度450℃))を500、1000、2000万回繰り返した後の20℃、60%RHでの2000ppmCH/空気中における感知層15b(SnO感知層であり、センサ温度が450℃である)の抵抗値の変化を示したものである。
表2から示されるように、素子A(本形態)は5個とも2000万回繰り返した後も2000ppmCH/空気中におけるSnO感知層(センサ温度450℃)の抵抗値がほとんど変化していないことが分かる。
一方、素子B(従来技術)の感知層電極の素子においては、センサの抵抗値の変化が大きい素子(素子B4,素子B5など)が発生した。2000万回のon−offを繰り返した後でも、中間バッファ層を設けた素子Aではセンサ抵抗変化がほとんどなく高い信頼性を有することがわかる。
本発明の素子Aと、従来素子のうち抵抗変化が大きく変化した素子Bとについてそれぞれガス選択燃焼層15cを剥離し感知層15b(SnO感知層)を金属顕微鏡で観察した。本発明の素子AではSnO感知層にマイクロクラックが全く観察されなかったが、抵抗値が大きく上昇した従来技術による素子Bでは電気絶縁層14(SiO絶縁層)上に多数のマイクロクラックが認められた。
以上説明した本発明の薄膜ガスセンサ1によれば、SiO絶縁層とSnO感知層との間に中間バッファ層16を設けることで、その応力緩衝機構により、RT⇔450℃というパルス駆動により熱衝撃で発生した応力は、(SnO/SiOという薄膜積層構造の中間バッファ層16で吸収(歪超格子内に発生している上下左右方向の圧縮応力と引張り応力との相殺による応力緩衝)されるため感知層15bへ伝わる応力を小さくして、多孔質化により比較的弱い構造である感知層15bのマイクロクラックの発生が防止される。また、中間バッファ層16は絶縁性が高くしかも比較的熱伝導率も低いため、センサの特性にはなんら影響を与えることがない。従って長時間パルス駆動しても安定したセンサ抵抗/特性が得られ、信頼性の高い薄膜ガスセンサ1を得ることができる。
本発明を実施するための最良の形態の薄膜ガスセンサを概略的に示す縦断面図である。 薄膜ガスセンサの形成途中状態を説明する要部縦断面図である。 中間バッファ層を説明する説明図である。 従来技術の薄膜ガスセンサを概略的に示す縦断面図である。
符号の説明
1:薄膜ガスセンサ
11:Si基板
12:絶縁支持層
12a:SiO
12b:CVD−SiN層
12c:CVD−SiO
13:ヒーター層(Ta/PtW/Taヒータ)
14:電気絶縁層(SiO絶縁層)
15:ガス感知層
15a:感知電極層(Pt/Ta層)
15b:感知層(SnO感知層)
15c:ガス選択燃焼層(触媒担持Al焼結材)
16:中間バッファ層
16a:SnO薄膜
16b:SnO薄膜

Claims (6)

  1. 貫通孔を有するSi基板と、
    この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
    熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
    熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
    電気絶縁層上に設けられる中間バッファ層と、
    感知層を有し、中間バッファ層上にこの感知層が配置された状態で設けられるガス検出層と、
    を備え、
    前記中間バッファ層は、電気絶縁層と同じ材料による薄膜と、感知層と同じ材料による薄膜と、を交互に積層した層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  2. 請求項1に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
    前記ガス検出層は、
    中間バッファ層または電気絶縁層上に設けられる一対の感知電極層と、
    一対の感知電極層を渡されるように中間バッファ層上に設けられる感知層と、
    感知層を覆うように設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、
    を備えることを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
    前記電気絶縁層はSiOによる絶縁層であり、
    前記感知層はSnOによる感知層であり、
    前記中間バッファ層は、SiO薄膜とSnO薄膜とを交互に積層した層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  4. 請求項3に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
    一層のSiO薄膜と一層のSnO薄膜とにより一層の薄膜積層を形成し、このような薄膜積層をn層(nは自然数)重ねた薄膜積層構造を(SnO/SiOと定義した場合、前記中間バッファ層は、nが1以上100以下の薄膜積層構造であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  5. 請求項3または請求項4に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
    前記中間バッファ層の一層のSiO薄膜の膜厚は1nm以上10nm以下であり、かつ、一層のSnO薄膜は1nm以上10nm以下であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  6. 請求項3〜請求項5の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
    前記中間バッファ層のSnO薄膜は、密度90%以上の緻密質な薄膜であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。
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