JP2009262969A - 合成樹脂製キャップ、閉止装置、および飲料入り閉止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる合成樹脂製キャップを提供する。
【解決手段】天板部2と、その周縁部から垂下した筒部3と、天板部2の内面2aに形成されて容器20の口元部21内に嵌入される環状の内側シール突起12とを備えた合成樹脂製キャップ1。内側シール突起12は、内面に形成された薄肉化凹部15により薄肉化された複数の薄肉部16と、薄肉部16より厚く形成された複数の厚肉部17とが周方向に交互に形成されて構成されている。薄肉部16は、少なくとも内側シール突起の基端部31を含む位置に形成されている。
【選択図】図1
Description
このため、再栓後に容器内圧が高くなった際に、容器内のガスを外部に排出し、容器内圧を低くすることができる技術が要望されていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、容器内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる合成樹脂製キャップ、閉止装置、および飲料入り閉止装置を提供することを目的とする。
前記薄肉部は、前記内側シール突起の周方向にほぼ一定間隔ごとに形成されていることが好ましい。
前記薄肉部は、前記容器の内面に接する最大外径部より基端側に、前記最大外径部より薄くされた部分を有することが好ましい。
本発明の飲料入り閉止装置は、容器と、その口元部に装着される合成樹脂製キャップとを備えた閉止装置内に飲料が充填された飲料入り閉止装置であって、前記合成樹脂製キャップが、上述のものであることを特徴とする。
このため、天板部の膨出変形により内側シール突起に加えられる力により生じた歪みは薄肉部に集中し、ここで変形が起きやすくなる。
内側シール突起が変形しやすい構造を有することから、先端が内方に移動する方向の変位が起こりやすくなる。
よって、内側シール突起を全周にわたって薄肉化した場合よりも、容器内のガスの排出が起こりやすくなる。
また、薄肉部は、内側シール突起の基端部を含む位置に形成されているので、基端部付近も薄肉化されていることから、内側シール突起の内方変位が起こりやすい。
従って、再栓後に容器の内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる。
図1に示す閉止装置は、容器20と、その口元部21に装着されるキャップ1とから構成されている。
なお、以下の説明において、内方および外方とはキャップ1の径方向の内方および外方を意味し、上下方向はキャップ1の軸方向である。
容器20は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂、ガラス、金属などからなるものを使用することができる。
筒部3は、水平スコア6(弱化線)によって上部の主部8と、多数の細いブリッジ7によって主部8の下端に連結されたタンパーエビデンスリング部(TEリング部)9とに区画されている。
主部8の内面には、容器口元部21の外面21cに形成された雄ネジ22に螺合するネジ部10が形成されている。
TEリング部9の内壁面には、キャップ1を開栓する際に容器口元部21の膨出段部23に係止してTEリング部9の移動を阻止する係止手段であるタブ11が設けられている。タブ11は、起伏可能な板状に形成されている。
図3に示すように、内側シール突起12は、基端部31から略下方に延出する主部32と、主部32の下端から外径が小さくなりつつ略下方に延出するガイド部33とを有する。
主部32は、ほぼ一定外径の基部32aと、基部32aの下端から略下方に延出する拡径部32bとを有する。拡径部32bの外面は先端に向けて拡径方向に傾斜している。
最大外径部18の外径は、容器口元部21内径より若干大きくなるように設定するのが好ましい。
薄肉部16の形成数は、2〜6(好ましくは2〜4)が好ましい。図示例では、4つの薄肉部16と4つの厚肉部17が周方向に交互に形成されている。
図3に示すように、厚肉部17の内面17aは、主部32では基端部31から先端に向けて拡径方向に傾斜している。ガイド部33では上下方向に沿って形成されている。
薄肉化凹部15は、少なくとも基端部31を含む位置に形成されている。図示例では、薄肉化凹部15はほぼ一定の幅(周方向距離)とされ(図1参照)、基端部31から主部32の下端にかけて形成されている。
なお、薄肉化凹部15は、内側シール突起12の基端部31から先端にわたって形成することもできる。
薄肉化凹部15が上記形状であるため、薄肉部16は、主部32の基部32aの下部において最も薄く(以下、この部分を薄化部分19という)、最大外径部18において最も厚く形成される。
薄肉部16は薄化部分19において変形が生じやすくなるため、後述する内側シール突起12の内方変位が起こりやすくなる。
キャップ1を構成する合成樹脂材料としては、ポリプロピレンまたはポリエチレンを含む材料を挙げることができる。
内溶液を充填した容器20の口元部21に、キャップ1を装着する。この際、内側シール突起12を容器口元部21内に挿入する。
内側シール突起12は、最大外径部18において容器20内面に当接し、この部分をシールする。これによって容器20が密封される。
TEリング部9に設けられたタブ11は、雄ネジ22の直下に設けられた環状の膨出段部23を乗り越え、膨出段部23の下方に達する。
この際、TEリング部9内面に設けられたタブ11が膨出段部23下部に係止することから、主部8は回転に従って上昇する一方、TEリング部9は上方への移動が阻止される。その結果、キャップ1の主部8とTEリング部9とを連結しているブリッジ7に引張力が作用し、ブリッジ7が破断され、TEリング部9が主部8から切り離される。このTEリング部9の切り離しによって、キャップ1が開栓されたことが明示される。
容器20内の圧力が上昇すると、この容器内圧によって、天板部2に対し上方への力が加えられる。
これによって、内側シール突起12には内方への力が加えられ、内側シール突起12は、少なくとも一部において先端が内方に移動する方向に変位し、最大外径部18が容器内面から離れ、この隙間を通して、容器20内のガスが外部に排出される。
このため、天板部2の膨出変形により内側シール突起12に加えられる力により生じた歪みは薄肉部16に集中し、ここで変形が起きやすくなる。
このように、内側シール突起12が変形しやすい構造を有することから、先端が内方に移動する方向の変位が起こりやすくなる。
よって、内側シール突起12を全周にわたって薄肉化した場合よりも、容器20内のガスの排出が起こりやすくなる。
薄肉部16は、内側シール突起12の基端部31を含む位置に形成されているので、基端部31付近も薄肉化されていることから、内側シール突起12の内方変位が起こりやすい。
従って、再栓後に容器20の内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる。
Claims (5)
- 天板部(2)と、その周縁部から垂下した筒部(3)と、天板部(2)の内面(2a)に形成されて容器(20)の口元部(21)内に嵌入される環状の内側シール突起(12)とを備え、
前記内側シール突起は、内面に形成された薄肉化凹部(15)により薄肉化された複数の薄肉部(16)と、この薄肉部より厚く形成された複数の厚肉部(17)とが周方向に交互に形成されて構成され、
前記薄肉部は、少なくとも内側シール突起の基端部(31)を含む位置に形成されていることを特徴とする合成樹脂製キャップ(1)。 - 前記薄肉部は、前記内側シール突起の周方向にほぼ一定間隔ごとに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製キャップ。
- 前記薄肉部は、前記容器の内面に接する最大外径部(18)より基端側に、前記最大外径部より薄くされた部分(19)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の合成樹脂製キャップ。
- 容器と、その口元部に装着される合成樹脂製キャップとを備えた閉止装置であって、
前記合成樹脂製キャップが、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のものであることを特徴とする閉止装置。 - 容器と、その口元部に装着される合成樹脂製キャップとを備えた閉止装置内に飲料が充填された飲料入り閉止装置であって、
前記合成樹脂製キャップが、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のものであることを特徴とする飲料入り閉止装置。
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