JP2009262293A - ボルト締付装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ネジ面の摩擦係数そのものを変更することなく、ボルト軸力の高軸力化を図る。
【解決手段】遊星歯車140の回転軸Hと、貫通孔142の円中心L、すなわち、貫通孔142に装着されているソケットレンチ150の回転軸Lと、は偏心されている。よって、ソケットレンチ150は、回転軸Lを回転中心に回転(自転)しながら、ハイポサイクロイド軌道上を移動する。このようなソケットレンチ150の動きにより、ボルトを締め付ける際に、ボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部に付与しつつ回転トルクを付与させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ボルト締付装置に関する。
複数の被締結部品を締結させる方法の一つとして、ボルトを用いて各被締結部品を締結する方法が挙げられる。ボルトを用いて各被締結部品を締結する場合、特に、せん断外力が作用した際における被締結部品間のすべりを締結部品間の摩擦力によって防止又は抑制すべく各被締結部品を締結する場合、ボルトの締め付けによりもたらされるボルト軸線方向の軸力(以降、「ボルト軸力」と称す)を高くし、しかも安定させることが重要となる。
例えば、ボルトの締め付けによりもたらされたボルト軸力が低軸力の場合、各被締結部品間に十分な摩擦力がもたらされないので、被締結部品がせん断外力を受けた場合に被締結部品間にすべりが生じ、その結果、ボルトの弛みを引き起こす可能性が高いとされている。
よって、ボルトの締め付けによってもたらされるボルト軸力を安定させるために、ボルトの雄ネジ部と被締結部品の雌ネジ部との係合面(螺合面)であるネジ面(ネジ部)に、摩擦係数安定剤を付着させることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、複数本のナットをボルトに同時に螺合させて締め付けるナット締付装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平9−40991号公報 特開平5−111880号公報
しかしながら、特許文献1に示されているような摩擦係数安定剤を使用することで、ボルト軸力の安定化を図る場合、ボルト軸力の高軸力化という点に課題が残されている。
すなわち、ボルトを用いて各被締結部品を締結する場合、ボルト締め付け後に容易にボルトが緩むことがないようにする必要があり、少なくともボルト締め付け後において、ネジが自立していなければならない、というネジの自立条件を満たす必要がある。
ここで、「ネジが自立している」との表現は、ボルトの雄ネジ部を、被締結部品の雌ネジ部に鉛直方向から挿入した際に、雄ネジ部と雌ネジ部とが係合(螺合)する面(以降、「ネジ面」と称す)の摩擦係数が小さ過ぎて、ボルト頭部に回転トルクを付与していないにも関わらす、ボルトの自重によりボルトが回転してしまうことがない状態を意図している。
そして、ネジが自立していない状態においては、ボルト頭部に回転トルクを付与してボルトの締め付けを行なっても、ボルト頭部への回転トルクの付与を解除した際に、ボルトの締め付けによってもたらされたボルト軸力により雄ネジ部と雌ネジ部とが相対的に回転移動してしまい、ボルト軸力が低下する。
よって、ボルト軸力の高軸力化を図るべく、潤滑剤などの摩擦係数の極めて小さな摩擦係数安定剤をネジ面に付着させ、ネジ面そのものの摩擦係数を低減させる場合、ボルト締め付け後の上述したネジの自立が問題となる。この問題を解消すべく、摩擦係数安定剤によるネジ面の摩擦係数の低下には、設計条件に応じて、ある一定の制限が課されることになる。したがって、摩擦係数安定剤の使用によるボルト軸力の高軸力化には、ある一定の制限が課せられることになる。
なお、ボルトを用いて各被締結部品を締結する場合、ボルトの締め付けの際にもたらされるボルト軸力が高ければ高いほど、より強固な各被締結部品の摩擦接合がもたらされることになる。
よって、せん断外力が作用した際における被締結部品間のすべりを、被締結部品間の摩擦力によって防止又は抑制すべく各被締結部品を締結する場合においては、ボルトを締め付ける際にもたらされるボルト軸力の高軸力化を図ることが重要である。したがって、ボルト締め付け後のネジの自立という点を考慮する必要がない手段を見出すことが重要な課題である。つまり、摩擦係数安定化剤を用いた場合に、通常、もたらされうるボルト軸力よりも高いボルト軸力をもたらすことが可能な手段を、見出すことが重要な課題である。
本発明は、上記課題を解決すべく成されたもので、ボルトを締め付ける際にもたらされるボルト軸力の高軸力化を図るべく、ネジ面の摩擦係数そのものを変更することなくネジ面の摩擦係数を小さくしたのと同様の効果をもたらすことが可能なボルト締付装置ボルトを提供することが目的である。
請求項1に記載のボルト締付装置は、回転自在に設けられ、内歯が形成された外輪歯車と、前記外輪歯車の中に前記外輪歯車と同軸に回転自在に設けられ、外歯が形成された太陽歯車と、前記外輪歯車と前記太陽歯車との間に回転自在に設けられると共に前記外輪歯車と前記太陽歯車とに噛み合う外歯が形成され、前記外輪歯車及び前記太陽歯車の少なくとも一方が回転駆動されることで回転する遊星歯車と、前記遊星歯車に一体的に設けられると共に、複数の被締結部品を締結するボルトのボルト頭部が先端部に差し込まれ、前記遊星歯車の回転軸と平行且つ偏心した回転軸とされ、前記遊星歯車と一体となって回転し前記ボルト頭部を回転させて前記ボルトを締め込むボルト締付部と、を備えることを特徴としている。
請求項1に記載のボルト締付装置では、遊星歯車と一体となってボルト締付部が回転すする。ボルト締付部が回転すると、先端部に差し込まれたボルト頭部が回転されボルトが締め込まれる。
ここで、ネジ面とは、ボルトのボルト軸部の周面に形成された雄ネジ部と、雄ネジ部に対応する例えば被締結部品に形成されたネジ穴の雌ネジ部と、が係合(螺合)する面を意図する。ボルト座面とは、被締結部品とボルト頭部とが係合(当接)する面を意図している。なお、ボルト頭部と被締結部品との間に、例えば平座金やバネ座金など座金が配置される場合には、座金と被締結部品とが係合(当接)する面を意図する。
ボルト締付部の回転軸は、遊星歯車の回転軸と平行且つ偏心されている。よって、ボルト締付部は、ボルト締付部の回転軸を回転中心として回転(自転)しながら、ボルト締付部(の回転中心)はハイポサイクロイド形の軌跡上を移動する。
このようなボルト締付部の動きにより、ボルトを締め付ける際、ボルト座面に平行な横荷重がボルト頭部に付与されつつ、ボルト頭部に回転トルクが付与され、ボルトが締め込まれる。
よって、ボルトを極めて僅かな角度ではあるが所定の角度を有して傾斜させつつボルトを締め込むことができる。この結果、ボルトを締め込む際にもたらされるネジ面及びボルト座面の面圧を所望の状態に偏らせることが可能となる。
このように、ボルトの締め込みの際にもたらされるネジ面及びボルト座面の面圧を意図的に偏らせることで、ボルトを締め込む際の実際のボルトの回転中心線をボルトの中心軸線からネジ面及びボルト座面の高面圧側方向へ移動させることができる。これにより、ボルトの締め付けに必要な締め付け回転トルクを低減しボルト軸部(ネジ部)に発生する捩じり応力を低減させ、ボルト軸部(ネジ部)の有する引っ張り許容応力を安定して発生し、その結果、ボルト軸力の高軸力化を図ることが可能となる。
すなわち、本発明が適用されたボルト締付装置を用いてボルトを締め付けると、ボルト座面に平行な横荷重がボルト頭部に付与されつつ、ボルト頭部に回転トルクが付与されてボルトが締め込まれ、その結果、ボルト軸力の高軸力化が図られる。
言い換えると、本発明が適用されたボルト締付装置を用いてボルトを締め付けると、ネジ面の摩擦係数そのものを変更することなくネジ面の摩擦係数を小さくしたのと同様の効果をもたらすことができる。
また、外輪歯車と太陽歯車との間に設けられた遊星歯車の回転軸と、この遊星歯車と一体となって回転しボルト頭部を回転させるボルト締付部の回転軸と、を偏心させた簡単な構成で、ボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部に付与しつつ、ボルト頭部に回転トルクを付与してボルトを締め込むことが実現される。
なお、ボルトの締め付けが完了し、ボルト頭部に付与されていた回転トルクが解放された後は、ネジ面そのものの摩擦係数に応じてもたらされる摩擦力により雄ネジ部と雌ネジ部との係合を維持することができる。
この結果、本発明の適用に加え摩擦係数安定剤を併用することで、より高いボルト軸力をもたらすことが可能となる。
請求項2に記載のボルト締付装置は、請求項1に記載の構成において、前記遊星歯車及び前記ボルト締付部が、複数設けられていることを特徴としている。
請求項2に記載のボルト締付装置では、遊星歯車及びボルト締付部が、複数設けられているので、同時に複数のボルトを締め付けることができる。よって、ボルトの締め付け作業効率が向上する。
更に、ボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部へ付与した際の反力を、各遊星歯車が互いに受け合うことが可能とされる。これによって、例えば、場合によって必要とされる反力を受ける反力受け手段が不要とされる(反力受け手段を別途設ける必要がない)。
請求項3に記載のボルト締付装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記外輪歯車及び前記太陽歯車の両方が互いに逆方向に回転駆動され、且つ、前記遊星歯車が前記太陽歯車の回りを周回することなく、その場で回転することを特徴としている。
請求項3に記載のボルト締付装置では、ボルト締付部の先端部にボルト頭部が差し込まれていない状態であっても、外輪歯車及び前記太陽歯車の両方が互いに逆方向に回転し、遊星歯車が太陽歯車の回りを周回(公転)することなく、その場で回転(自転)する。
よって、ボルト頭部が片側へ移動(付勢)されないので、ボルト頭部がスムーズに回転する。
以上説明したように請求項1に記載のボルト締付装置によれば、ボルトを締め付ける際に、ボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部に付与しつつ、ボルト頭部に回転トルクを付与してボルトを締め込むことができ、その結果、ネジ面の摩擦係数そのものを変更することなく、ボルト軸力の高軸力化を図ることができる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載のボルト締付装置によれば、同時に複数のボルトを締め付けることができ、しかも、ボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部へ付与した際の反力を各遊星歯車が互いに受け合うことが可能とすることができる、という優れた効果を有する。
請求項3に記載のボルト締付装置によれば、遊星歯車は移動することなく、その場で回転するので、ボルト頭部をスムーズに回転させることができる、という優れた効果を有する。
先ず、本発明が適用されたボルト締付装置によるボルト締付方法の基本概念について、図1と図2と用いて説明する。なお、図1及び図2では、縦断面を示ししているが、断面を示すハッチングは、見易くするため省略している。
図1に示すように、ボルト10は、六角座付きボルトとされている(図6も参照)。ボルト10のボルト軸部14の上端部には平面視において略六角形状のボルト頭部12が設けられている。ボルト頭部12の下部には、円板状の座金部13が形成されて、座金部13の下面が座面13Aとされる。また、ボルト軸部14の周面には、雄ネジ部16が形成されている。そして、このボルト10によって、積層された板状の被締結部品80と被締結部品90とが締結されている。なお、ボルト軸14の軸心はボルト座面13Aに直交するように構成されている。
図における上側の被締結部品80には、図における上下方向に貫通孔81が形成されている。また、図における下側の被締結部品90には、図における上下方向に貫通したネジ穴82が形成されている。このネジ穴82の内周面には、ボルト10のボルト軸部14の雄ネジ部16と係合(螺合)する雌ネジ部84が形成されている。
なお、ボルト頭部12の座金部13の下面、すなわち座面13Aが被締結部品80と係合(当接)する面とされる。また、ボルト10の雄ネジ部16と被締結部品90の雌ネジ部84とが係合(螺合)する面がネジ面86とされる。更に、被締結部品80と被締結部品90とが当接した面が(被締結部品間の)摩擦接合面92とされる。
また、ボルト締付部としてのソケットレンチ150の先端部には、ボルト頭部12と略同形状(本実施形態では六角形状)の断面形状とされた凹部152が形成されている。そして、ソケットレンチ150の凹部152にボルト頭部12が差し込まれると共に、ボルト頭部12が差し込まれた状態でソケットレンチ150を回転させることで、回転トルクがボルト頭部12に伝達されてボルト頭部12が回転し、ボルト10が締め込まれる。
図2は、ボルト座面13Aと平行な横荷重Fがソケットレンチ150を介してボルト頭部12に付与され、且つ、ソケットレンチ150にボルト頭部12を回転させる回転トルクが付与されたボルト10の状態を示す図である。
この図2に示されるように、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fがボルト頭部12にソケットレンチ150を介して付与されると、ボルト軸線G2が被締結部品側の垂線G2に対して傾斜した状態とされ、且つボルト座面13Aが被締結部品80に対して傾斜した状態とされる。言い換えると、ボルト10全体が角度θ1、傾斜した状態とされる。なお、図2においては、傾斜の状態を明からにすべく、実際よりも大きく傾斜して図示されている。実際には、角度θ1は、例えば、0.01°のような極めて僅かな角度である。
図2のような状態、すなわち、ボルト軸線G2が被締結部品側の垂線G1に対して僅かに傾斜された状態とされ、且つ、ボルト座面13Aが被締結部品80に対して傾斜した状態で、ソケットレンチ150を介して回転トルクがボルト10のボルト頭部12に付与されると、ボルト座面13A及びネジ面86の面圧が偏った状態で、ボルト10が締め込まれることになる。
ここで本出願人は、このように被締結部品側に平行な横荷重Fをボルト頭部12に付与し、ボルト10の締め込みの際にもたらされるボルト座面13A及びネジ面86の面圧を偏らせた状態でボルト10を締め込むことで、実際の回転中心線(「瞬間回転中心線」とも称す)を軸線G1からボルト座面13A及びネジ面86の高面圧側方向へ移動させることができ、これにより、ボルト頭部12に横荷重Fを付与しない場合と比較し、より少ない締め付けトルクでボルト10の締め付けが可能とされると共に、より高いボルト軸力をもたらすことが可能であることを、有限要素法解析(FEM)を用いて見出した(導いた)。
このことを導くにあたり、本出願人は、先ず、ボルトで締結された披締結部品にせん断型荷重を付与した場合の、ボルトの締め込みに必要な回転トルクの挙動についての検証を有限要素法解析により行った。
一般的に、ボルトで締結された被締結部品にせん断荷重を付与すると、ボルトが容易に回転してしまう現象、すなわちボルトの回転緩みが発生することがあることは知られている。そして、この現象は、「ボルト軸線回りの回転方向の摩擦係数の低下に起因するものである」とする説がある。この説によれば、「ネジ面及びボルト座面ともに横すべりが存在する場合には、ボルト軸線回りの回転方向の摩擦係数が0.005〜0.02といった極めて小さな値に低下し、このことがボルトの緩み回転をもたらす」と説かれている。
よって、本出願人は、ボルト座面及びネジ面が本来有する現実的な摩擦係数、例えば0.1程度の摩擦係数を維持するような拘束条件を付した解析モデルを形成し、この説の検証を行った。また、ボルトで締結された被締結部品にせん断型荷重を付与した場合と付与しない場合とにそれぞれ相当する解析モデルで検証した。
その結果、被締結部品にせん断型荷重が付与されたことによりボルト座面及びネジ面の面圧に偏りがもたされている状態では、披締結部品にせん断型荷重が付与されていない場合と比較して、ボルトを回転させるのに必要なトルクが低下することが判明した。言い換えると、ボルト座面及びネジ面の摩擦係数が本来の摩擦係数として維持されているにもかかわらず、すなわちボルト座面及びネジ面の摩擦係数が、0.005〜0.02といった極めて小さな値とされなくとも、ボルトの回転中心線をボルト軸線から高圧面部側の方向へ移動させることにより、ボルトを回転させるのに必要なトルクが低下することが判明した。
このことから本出願人は、「ボルト座面及びネジ面の面圧が偏ることにより、実際のボルトの回転中心線がボルト軸線からボルト座面及びネジ面の高面圧部に近づく方向へ移動し、これによりボルトを回転させるのに必要なトルクが減少する」との基本概念を導いた。
ボルト座面及びネジ面の面圧が偏ることによりもたらされる実際のボルトの回転中心線は、理想的にはボルト座面の高面圧部とネジ面の高面圧部とを結ぶ直線に偏ることが考えられる。何故なら、面圧の高い部分は移動しづらく、高面圧部を回転中心として回転すると考えるのが妥当であるからである。しかしながら、ボルト座面及びネジ面の面圧の偏りは、一点に集中してもたらされることは考えづらく、ある程度の面積にわたり分布を有してもたらされることが一般的である。したがって、ボルト座面及びネジ面の面圧が偏ることによりもたらされる実際のボルトの回転中心線は、ボルト座面の高圧面部に近い部分と、ネジ面の高圧面部に近い部分と、を結ぶ直線となる、と推考することが妥当であると考える。
また、ボルト座面及びネジ面の面圧が偏ることによりもたらされる実際のボルトの回転中心線が、ボルト座面の高面圧部に近い部分とネジ面の高面圧部に近い部分とを結ぶ直線になると考えることで、実際のボルトの回転中心線はボルト軸線から高圧面部に近づく方向へ移動し、実際のボルトの回転中心線から高面圧部までの最短距離が短くなり、これにより、ボルトを回転させるのに必要な回転トルクが小さくなる、という現象の説明を容易に導くことができる。なお、仮に、実際のボルト回転中心線が高面圧部から遠ざかる方向へ移動すると考えた場合には、ボルトの回転中心軸線から高直圧部までの最短距離は長くなり、ボルトを回転させるのに必要なトルクは増大するはずであり、解析結果とそぐわないことになる。
つぎに、本出願人は、ボルト締め付けの際のボルト軸力の高軸力化を図ることを目的として、本基本概念をボルト締め付け方法に適用し得るか否かの検証を行なった。具体的には、図2に示されるように、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12に付与した状態におけるボルト座面13A及びネジ面86の面圧と、この状態でボルト10を回転させるのに必要な回転トルクの挙動と、を、有限要素法解析により検証を行った。
この検証においては、ボルト座面13A及びネジ面86の摩擦係数を0.005〜0.02といった極めて小さな値ではなく、ボルト座面13A及びネジ面86が本来有する現実的な摩擦係数、例えば0.1程度の摩擦係数を維持するような拘束条件を付した解析モデルを形成して検証を行った。また、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12に付与した場合と付与しない場合とに相当する解析モデルで検証を行なった。
その結果、ボルト10で締結された被締結部品80、90にせん断型荷重を付与した場合と同様に、ボルト頭部12に横荷重Fが付与されると、付与されていない場合と比較して、ボルト10を回転させるのに必要な回転トルクが低下することが判明した。言い換えると、ボルト頭部12に横荷重Fが付与されたことによりボルト座面13A及びネジ面86の面圧に偏りがもたされている状態では、ボルト座面13A及びネジ面86の摩擦係数が本来の摩擦係数として維持されているにもかかわらず、すなわちボルト座面13A及びネジ面86の摩擦係数が、0.005〜0、02といった極めて小さな値とされなくとも、ボルト10の回転中心線をボルト軸線G1から高圧面部側方向へ移動させることにより、ボルト10を回転させるのに必要な回転トルクが低下することが判明した。
したがって、本基本概念をボルト締め付け方法に適用することが可能であり、図2に示すように、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12に付与し、ボルト10の締め込みの際にもたらされるボルト座面13A及びネジ面86の面圧を偏らせた状態でボルト10を締め込むことで、ボルト座面13Aとネジ面86の面圧の偏りにより、実際のボルト10の回転中心線をボルト軸線G1から高面圧部側方向へ移動させることができ、これにより、ボルト頭部12に横荷重Fを付与しない場合と比較し、より小さな締め付け回転トルクでボルト10を締め込むことが可能であることが検証されたと考える。
以上のように、上述したボルト10の締め付け方法によれば、摩擦係数そのものを変更するのではなく、締め付け方法を変えて、具体的には、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12に付与し、ボルト座面13A及びネジ面86の面圧に偏りをもたせた状態でボルト10を締め込むことにより、ネジ面86の摩擦係数を小さくしたのと同じ効果を奏する、すなわち、ボルト10を締め込む際のボルト軸力の高軸力化を実現する効果を有する。
また、ボルト10の締め付けが完了し、ボルト頭部12にソケットレンチ150によって付与されていた縮め付け回転トルクが解放された後は、ネジ面86そのものの摩擦係数に応じてもたらされる摩擦力により雄ネジ部16と、被締結部品90のネジ穴82の雌ネジ部84と、の係合(螺合)を維持することができる。
この高いボルト軸力は、各被締結部品80、90間の摩擦接合面92に強固な摩擦接合をもたらし、この強固な摩擦接により、せん断外力が作用した際における名被締結部80、90間のすべりを、より万全に防止又は抑制することができる。よって、各被締結部品80、90間のすべりを回避しボルト10(ネジ面86)の緩みを、より万全に防止又は抑制することが可能となる。
なお、このような方法でボルト10の締め付けが完了した際、ボルト座面13Aと被締結部品80との間には、極めて僅かではあるが隙間が残存する可能性がある。しかしながら、ボルト締め付け完了時に残存する隙間は、ボルト頭部12に付与されていた回転トルクを解放する際に、あるいは、せん断外力が被締結部品80、90に作用した際に、ボルト10自体がバランスを取るように移動し、実質的になくなることが想定され、例えば、メガネのヒンジ部等のような頻繁にボルトに回転トルクが作用するような締結部への適応を除いては、ボルト軸力に対する当該隙間の影響は無視できるものと考える。
また、ボルト締め付けの際、雄ネジ部16(ボルト軸部14)は、対応する雌ネジ部84(ネジ穴82)に対して傾斜して挿入されることになる。よって、その傾斜の度合いによっては、ネジ噛みが問題となる可能性がある。しかし、その場合には、ボルト締め付け後の「ネジの自立」が問題とならない範囲で、ネジ面86に摩擦係数安定剤を付着させることにより、ネジ噛みを緩和することが可能とされる。
つぎに、本発明が適用された、すなわち、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12に付与しながら、ボルト頭部12に回転トルクを付与して、ボルト10を回転させて締め付けるボルト締付装置の実施形態の一例について、図3〜図6を用いて説明する。なお、図3は本実施形態のボルト締付装置100の要部である遊星歯車機構部110の歯車構成を模式的に示す平面図である。図4は、図3に示す遊星歯車機構部110を構成する遊星歯車140を模式的に示す平面図である。図5は、ボルト締付装置100の全体構成を模式的に示す分解斜視図である。図6は、ボルト締付装置100の要部を模式的に示す斜視図である。
図6に示すように、本発明に係る実施形態のボルト締付装置100は、台部102の上に遊星歯車機構部110が設けられている。また、遊星歯車機構部110は、外輪歯車120、太陽歯車130、四つの遊星歯車140が主要な構成部品とされている。
図5に示すように、台部102の上に内歯が形成された外輪歯車120が回転自在に設けられ、この外輪歯車120の中に外歯が形成された太陽歯車130と四つの遊星歯車140とが回転自在に設けられている。
太陽歯車130は、外輪歯車120と同軸に回転自在に設けられている。つまり、外輪歯車120と太陽歯車130とは、同じ回転軸P(図3参照)を回転中心に回転自在とされている。四つの遊星歯車140は、外輪歯車120と太陽歯車130との間に回転自在に設けられると共に外輪歯車120と太陽歯車130とに外歯が噛み合されている。
図3、図5、図6に示すように、各遊星歯車140の略中心部分には円形の貫通孔142が形成されている。図3と図4とに示すように、貫通孔142の円中心Lと遊星歯車140の回転軸H(回転中心)とは、偏心されている。
この貫通孔142には、円柱状のソケットレンチ150(図5、図6参照)が装着されると共に、遊星歯車140とソケットレンチ150は一体となって回転する。前述したように、ソケットレンチ150の先端部には、ボルト10のボルト頭部12と略同形状(本実施形態では六角形状)の断面形状の凹部152が形成され、この凹部152にボルト頭部12が差し込まれる(図1と図2を参照)。ソケットレンチ150の中心は、貫通孔142の円中心Lと一致する。したがって、遊星歯車140の回転軸Hとソケットレンチ150の回転軸Lとは偏心している。
なお、図6に示す台部102には、ソケットレンチ150の先端側が突出され(挿通され)、後述するソケットレンチ150がハイポサイクロイド軌道上(本実施形態では、図7に示す円軌道上R)を移動しても干渉しない孔(図示略)が形成されている。
また、遊星歯車140及びソケットレンチ150は、本実施形態では4つ設けられ、且つ平面視において正方形を構成するように配置されている(図3を参照)。
つぎに、外輪歯車120及び太陽歯車130の両方を、互いに逆方向に回転駆動させる回転駆動手段の一例としての駆動機構200について、図5を用いて説明する。
駆動機構200は、第一歯車210、第二歯車220、第三歯車230、第四歯車240、第五歯車250を有している。なお、第二歯車220が最も小さく且つ歯数が少ないとされている。また、第一歯車210及び第三歯車230は、第四歯車240及び第五歯車250よりも小さく且つ歯数が少ないとされている。
第一歯車210は第五歯車250の上に同軸に配置されている。第三歯車230は第四歯車240の上に同軸に配置され且つ接合されており、第三歯車230と第四歯車240とは一体となって回転する。また、第四歯車240と第五歯車250とは噛み合わされている。更に、第一歯車210と第三歯車230との間に、第一歯車210と第三歯車230とに噛み合う第二歯車220が配置されている。
動力伝達用軸260は、第一歯車210と第五歯車250とに挿入され、且つ先端が太陽歯車130の挿入孔132に挿入される。そして、動力伝達軸260を回転させると第一歯車210と太陽歯車130とが回転する。つまり、動力伝達軸260、第一歯車210、太陽歯車130は一体となって回転する。なお、太陽歯車130の回転軸Pと挿入孔の円中心は一致する。
しかし、第五歯車250は、動力伝達軸260の回転に伴って一緒に回転されない。また、第五歯車250の内側に、外輪歯車120が装着されている(例えば圧入されている)。よって、第五歯車250の回転に伴って外輪歯車120が回転する。つまり、第五歯車250と外輪歯車120とは一体となって回転する。なお、外輪歯車120の回転軸と太陽歯車130の回転軸Pとは一致する。
つぎに、回転機構200の動作について説明する。
動力伝達軸260を、図示しない駆動手段を用いて回転させる。動力伝達軸260を回転させると第一歯車210と太陽歯車130とが回転する。つまり、動力伝達軸260と第一歯車210と太陽歯車130との三つが一体となって回転する。
一方、第一歯車210の回転に伴い第二歯車220が回転し、更に第三歯車230が回転する。第三歯車230と第四歯車240とは接合されているので、第三歯車230が回転すると第四歯車240も一体となって回転する。そして、第四歯車240が回転すると第五歯車250が回転する。第五歯車250の内側には外輪歯車120が装着(例えば、圧入)されているので、第五歯車250の回転に伴って外輪歯車120が回転する。つまり、第五歯車250と外輪歯車120とは一体となって回転する。
ここで、図6に矢印で示すように、第一歯車210が反時計回りに回転すると、第二歯車220は時計回りに回転する。第三歯車230と第四歯車240は、反時計回りに回転する。そして、第五歯車250は、時計回りに回転する。
このように、第一歯車210と第五歯車250とは、互いに逆方向に回転する。したがって、第一歯車210と一体となって回転する太陽歯車130と、第五歯車250と一体となって外輪歯車120と、は互いに逆方向に回転する。
ここで、本実施形態では、遊星歯車機構部110の各遊星歯車140が太陽歯車130の回りを周回(公転)することなくその場で回転(自転)するように、外輪歯車120及び太陽歯車130のギヤ比を考慮した回転数で、外輪歯車120及び太陽歯車130の両方を互いに逆方向に回転駆動される構成とされている。
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図4に示すように、遊星歯車140の回転軸H(回転中心)と、貫通孔142の円中心L、すなわち、貫通孔142に装着されているソケットレンチ150の回転軸Lと、は偏心されている。よって、ソケットレンチ150は、回転軸Lを回転中心に回転(自転)しながら、円軌道上を移動する。
ここで、本実施形態では、ソケットレンチ150が1回転すると、遊星歯車140が1回転する(1周)するように構成されている。したがって、図7に示すように、ソケットレンチ150は、回転軸Lを回転中心として回転(自転)しながら、二点鎖線で示す円軌道R上を移動する。なお、この円軌道Rはハイポサイクロイドの特殊な例である。
このようなソケットレンチ150の動きにより、図2に示すように、ボルト10を締め付ける際に、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12に付与しつつ回転トルク(図7の矢印T)を付与させることができる。
よって、前述したように、ボルト頭部12に伝達された回転トルク(図7の矢印T参照)により雄ネジ部16が回転される際にもたらされるネジ面86及びボルト座面13Aの面圧を意図的に偏らせることとなる。これにより、ボルト10を締め込む際の実際のボルト10の回転中心線をボルト10の中心軸線からネジ面86及びボルト座面13Aの高面圧側方向へ移動させることができ、ボルト10の締め付けに必要な締め付け回転トルクを低減しボルト軸部14(ネジ部)に発生する捩じり応力を低減させる。この結果、ボルト軸部14(ネジ部)の有する引っ張り許容応力を十分に発揮させ、降伏の発生する限界ボルト軸力を高めることができる、つまり、ボルト軸力の高軸力化を図ることが可能となる。
別の観点から説明すると、ボルト頭部12には、図7に示すように、ボルト座面13Aとネジ面86の摩擦力を消費する円軌道Rの接線方向の一方向力Mと回転力Tとの合力Nが摩擦力の限界(二点破線m)を越えることで、ボルト軸力のバラツキが低減され下限値が上昇される(平均化される)。その結果、より少ない締め付けトルクで締め付けが可能とされると共により高いボルト軸力をもたらすことが可能となる。
このように、本発明が適用されたボルト締付装置100を用いてボルトを締め付けると、図2に示すように、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fがボルト頭部12に付与しつつ、ボルト頭部12に回転トルクが付与されてボルト10が締め込まれる。すなわち、ネジ面86及びボルト座面13Aの面圧を意図的に偏らせた状態で、ボルト10を締め込まれる。よって、ネジ面86の摩擦係数そのものを変更することなく、ボルト軸力の高軸力化が実現される。
言い換えると、ボルト10を締め付ける際にもたらされるボルト軸力の高軸力化を図るべく、ネジ面86の摩擦係数そのものを変更することなく、ネジ面86の摩擦係数を小さくしたのと同様の効果がもたらされる。
そして、このようにして得られた高いボルト軸力は、各被締結部品80、90間の摩擦接合面92に強固な摩擦接合をもたらし、この強固な摩擦接合により、せん断外力が作用した際における名被締結部80、90間のすべりを、より万全に防止又は抑制することができる。よって、各被締結部品80、90間のすべりを回避しボルト10の緩みを、より万全に防止又は抑止することが可能となる。
また、本実施形態のような遊星歯車機構200を用いることで、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12に付与しつつ、ボルト頭部12に回転トルクを付与してボルトを締め込むことが、簡単に構成で実現される。
また、遊星歯車140(及びソケットレンチ150)が、複数(本実施形態では4つ)設けられているので、複数の(本実施系では、4つの)ボルト10を同時に締め付けることができる。よって、ボルト10の締め付け作業効率が向上する。
更に、このように遊星歯車140を複数設けて多軸(本実施形態では4軸)とすることで、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12へ付与した際の反力を、各遊星歯車140が互いに受け合う構成となる。よって、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12へ付与した際の反力を受ける反力受手段が不要とされる。
また、前述したように、ボルト10の締め付けが完了し、ソケットレンチ150がボルト頭部12から外れボルト頭部12に付与されていた回転トルクが解放された後は、ネジ面86そのものの摩擦係数に応じてもたらされる摩擦力により雄ネジ部16と、被締結部品90のネジ穴82の雌ネジ部84と、の係合(螺合)を維持することができる(図1参照)。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、遊星歯車機構部110の各遊星歯車140が太陽歯車130の回りを周回(公転)することなくその場で回転(自転)するように、外輪歯車120及び太陽歯車130のギヤ比を考慮した回転数で、外輪歯車120及び太陽歯車130の両方を互いに逆方向に回転駆動させる駆動手段として駆動機構200(図5参照)を一例に説明したが、これに限定されない、どのような駆動機構であってもよい。例えば、遊星歯車機構を応用した駆動機構、例えば、第一歯車を外歯が形成された太陽歯車とし、第五歯車を内歯が形成された外輪歯車とする構成)等であってもよい。
また、例えば、上記実施形態では、遊星歯車機構部110の各遊星歯車140が太陽歯車130の回りを周回することなくその場で回転するように、外輪歯車120及び太陽歯車130のギヤ比を考慮した回転数で、外輪歯車120及び太陽歯車130の両方を互いに逆方向に回転駆動させたがが、これに限定されない。例えば、ソケットレンチ150の先端部の凹部152にボルト頭部12が差し込まれた状態で、太陽歯車130及び外輪歯車120のいずれか一方にのみを回転駆動させてもよい。なお、この場合、回転駆動されない歯車(太陽歯車と外輪歯車のいずれか他方)は、遊星歯車140の回転によって従動回転する。
なお、上記実施形態のように、外輪歯車120及び太陽歯車130の両方を互いに逆方向に回転させ、各遊星歯車140が太陽歯車の回りを周回(公転)することなくその場で回転(自転)させると、太陽歯車130及び外輪歯車120のいずれか一方にのみを回転駆動させる構成と異なり、ボルト頭部12が片側へ移動(付勢)されないので、ボルト頭部12がスムーズに回転する。
なお、太陽歯車130及び外輪歯車120のいずれか一方にのみを回転駆動させる構成の場合は、モーメントアーム長(遊星歯車140の回転軸とピッチ円との距離)を長く設定した方が、ボルト頭部12がスムーズに回転する。
また、例えば、上記実施形態では、遊星歯車140及びソケットレンチ150が、4つ設けられていたが、これに限定されない。5つ以上であってもよいし、3つ以下であってもよい。また、各遊星歯車140に必ずソケットレンチ150を装着する必要はない。例えば、遊星歯車140が四つであっても、締め付けるボルト10が3本の場合は、4つの遊星歯車140のうち3つのみにソケットレンチ150を装着してもよい。
なお、遊星歯車140が一つの場合(1軸の場合)は、ボルト座面13Aに平行な横荷重Fをボルト頭部12へ付与した際の反力を受ける反力受け手段を設けることが必要とされる場合がある。
また、上記実施形態では、円柱状のソケットレンチ150の先端部に形成された凹部152にボルト頭部12が差し込まれ回転トルクを付与する構成であったが、これに限定されない。例えば、ソケットレンチ全体がボルト頭部12と略同形状の断面形状の孔が形成された筒状とされていてもよい。
また、ソケットレンチ150は円柱状とされていたが、これに限定されない。例えば、四角柱状であってもよい(この場合、遊星歯車140の貫通孔も四角形状とされる)。
なお、上記実施形態では、ボルト10は、頭部12に座金部13が形成された六角座付きボルトとされていたが、これに限定されない。ボルト頭部に座金部が形成されていない六角ボルトであってもよい。また、ボルト頭部と被締結部品との聞に、例えば平座金やバネ座金など座金が配置されてもよい。
ボルト座面に平行な横荷重がボルト座面に付与されていない状態のボルトを示す断面図である。 ボルト座面と平行な横荷重がボルト頭部に付与され、更にソケットにボルト頭部を回転させる回転トルクが付与された状態のボルトを示す断面図である。 本発明に係る実施形態のボルト締付装置の要部である遊星歯車機構部の歯車構成を示す平面図である。 図3に示す遊星歯車機構部を構成する遊星歯車を示す平面図である。 本発明に係る実施形態のボルト締付装置の全体構成を模式的に示す分解斜視図である。 本発明に係る実施形態のボルト締付装置の要部を模式的に示す斜視図である。 ソケットレンチが回転軸を回転中心に回転しながら円軌道上を移動することを説明する説明図である。
符号の説明
10 ボルト
12 ボルト頭部
14 ボルト軸部
16 雄ネジ部
80 被締結部品
82 ネジ穴
84 雌ネジ部
86 ネジ面
90 被締結部品
100 ボルト締付装置
110 遊星歯車機構部
120 外輪歯車
130 太陽歯車
140 遊星歯車
150 ソケットレンチ(ボルト締付部)
200 駆動機構

Claims (3)

  1. 回転自在に設けられ、内歯が形成された外輪歯車と、
    前記外輪歯車の中に前記外輪歯車と同軸に回転自在に設けられ、外歯が形成された太陽歯車と、
    前記外輪歯車と前記太陽歯車との間に回転自在に設けられると共に前記外輪歯車と前記太陽歯車とに噛み合う外歯が形成され、前記外輪歯車及び前記太陽歯車の少なくとも一方が回転駆動されることで回転する遊星歯車と、
    前記遊星歯車に一体的に設けられると共に、複数の被締結部品を締結するボルトのボルト頭部が先端部に差し込まれ、前記遊星歯車の回転軸と平行且つ偏心した回転軸とされ、前記遊星歯車と一体となって回転し前記ボルト頭部を回転させて前記ボルトを締め込むボルト締付部と、
    を備えることを特徴とするボルト締付装置。
  2. 前記遊星歯車及び前記ボルト締付部が、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のボルト締付装置。
  3. 前記外輪歯車及び前記太陽歯車の両方が互いに逆方向に回転駆動され、且つ、前記遊星歯車が前記太陽歯車の回りを周回することなく、その場で回転することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のボルト締付装置。
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