JP2009119577A - ボルト締め付け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネジ面の摩擦係数そのものを変更することなく、ボルトを締め付ける際にもたらされるボルト軸力の高軸力化を図ることが可能なボルト締め付け装置を提供すること。
【解決手段】本発明のボルト締め付け装置は、回転トルクをボルト頭部に伝達すると共に、ボルト頭部に伝達された回転トルクにより雄ネジ部が回転される際にボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部に付与する横荷重付与手段を具備し、該横荷重付与手段は、円形状の貫通穴部であって該貫通穴部の壁部に内歯を有する貫通穴部を備える本体部と、該貫通穴部内に配設され且つ外歯を有する第1歯車であって自身が回転すると貫通穴部の内歯に沿って移動するように貫通穴部内に構成配置された円形状の第1歯車と、該第1歯車が貫通穴部から脱落しないようにする脱落防止手段と、本体部のボルト座面に対する相対的な動きを阻止する反力受け手段とを有する。
【選択図】図3
【解決手段】本発明のボルト締め付け装置は、回転トルクをボルト頭部に伝達すると共に、ボルト頭部に伝達された回転トルクにより雄ネジ部が回転される際にボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部に付与する横荷重付与手段を具備し、該横荷重付与手段は、円形状の貫通穴部であって該貫通穴部の壁部に内歯を有する貫通穴部を備える本体部と、該貫通穴部内に配設され且つ外歯を有する第1歯車であって自身が回転すると貫通穴部の内歯に沿って移動するように貫通穴部内に構成配置された円形状の第1歯車と、該第1歯車が貫通穴部から脱落しないようにする脱落防止手段と、本体部のボルト座面に対する相対的な動きを阻止する反力受け手段とを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ボルトを用いて各被締結部品を締結する際に使用するボルト締め付け装置に関し、特に、せん断外力が被締結部品に作用した際における被締結部品間のすべりを各被締結部品間の摩擦接合により防止すべく各被締結部品を締結する際に使用するボルト締め付け装置に関する。
複数の被締結部品を相互に締結させる方法の一つに、ボルトを用いて各被締結部品を相互に締結する方法がある。ボルトを用いて各被締結部品を相互に締結させる場合、特に、せん断外力が作用した際における被締結部品間のすべりを各被締結部品間の摩擦接合により防止すべくボルトを用いて各被締結部品を相互に締結させる場合、ボルトの締め付けによりもたらされるボルト軸線方向の軸力(以下、ボルト軸力と称す)を高く安定させることが重要となる。ボルトの締め付けによりもたらされたボルト軸力が低軸力の場合、各被締結部品間に十分な摩擦接合がもたらされず、被締結部品がせん断外力を受けた場合に被締結部品間にすべりが生じ、このことは、ボルトの緩みを引き起こす可能性が高い。
ボルトの締め付けによりもたらされるボルト軸力を常に安定させるべく、ボルトのネジ部に摩擦係数安定剤を付着させることは知られている(特許文献1参照)。特許文献1においては、摩擦係数安定剤をネジ部品等の締結材に付着させることにより、そのネジ部品の締結時の摩擦係数を安定化させ、尚かつ任意の摩擦係数値を付与することができ、ネジ部品のような締結材の緩みや破断等の問題点を解消できることが示されている。
しかしながら、特許文献1において示されているような、摩擦係数安定剤を使用することでボルト軸力の安定化を図る場合においては、ボルト軸力の高軸力化という点において課題が残されていると考える。
ボルトにより各被締結部品を相互に締結する場合、ボルト締め付け後において容易にネジ部が緩むことがないようにする必要があり、少なくとも、ボルト締め付け後において、ネジ部が自立していなければならないという条件を満たす必要があると考える。
ここで、”ネジ部が自立している”という表現は、ボルトの雄ネジ部を、雌ネジ部に鉛直方向から挿入した際に、雄ネジ部と雌ネジ部とが係合する面(以下、ネジ面と称す)の摩擦係数が小さ過ぎて、ボルト頭部に回転トルクを付与していないにもかかわらず、ボルトの自重のみによりボルトが回転してしまうようなことがない状態を意図している。
ネジ部が自立していない状態においては、ボルト頭部に回転トルクを付与しボルトの締め付けを行っても、ボルト頭部への回転トルクの付与を解除した際に、ボルトの締め付けによりもたらされたボルト軸力により雄ネジ部と雌ネジ部が相対的に回転移動してしまい、ボルト軸力が低下しまうことが考えられる。
ボルト軸力の高軸力化を図るべく、摩擦係数の極めて小さな潤滑剤をネジ部に付着させネジ面そのものの摩擦係数を低減させる場合、ボルト締め付け後の上記の述べたネジ部の自立が問題となり、この問題を解消すべく、摩擦係数安定剤によるネジ面の摩擦係数の低減には、設計条件に応じて、ある一定の制限が課せられることになることが考えられる。よって、摩擦係数安定剤の使用による、ボルト軸力の高軸力化には、ある一定の制限が課せられることになると考える。
ボルトを用いて各被締結部品を相互に締結させる場合、ボルト締め付けの際にもたらされるボルト軸力が高ければ高いほど、より強固な各被締結部品間の摩擦接合がもたらされることとなる。
従って、せん断外力が作用した際における各被締結部品間のすべりを各被締結部品間の摩擦接合により防止すべくボルトを用いて各被締結部品を相互に締結させる場合においては、ボルトを締め付ける際にもたらされるボルト軸力の高軸力化を図ることが可能な手段であって、ボルト締め付け後のネジ部の自立という点を考慮する必要がない手段を見出すこと、つまり、摩擦係数安定剤を用いた場合にもたらされうるボルト軸力よりも高いボルト軸力をもたらすことが可能な手段を見出すことが一つの重要な課題であると考える。
本発明は上記課題に鑑み、ボルトを締め付ける際にもたらされるボルト軸力の高軸力化を図るべく、ネジ面の摩擦係数そのものを変更することなくネジ面の摩擦係数を小さくしたのと同様の効果をもたらすことが可能なボルト締め付け装置であって、作業性が良く容易に実施可能なボルト締め付けを実現するボルト締め付け装置を、提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、ボルト頭部と、雄ネジ部を備えるボルト軸部とを有するボルトを用いて、被締結体を締結する際に使用するボルト締め付け装置において、前記雄ネジ部を回転させる回転トルクを付与する締め付け回転トルク付与手段と、前記締め付け回転トルク付与手段により付与された回転トルクを前記ボルト頭部に伝達すると共に、前記ボルト頭部に伝達された回転トルクにより前記雄ネジ部が回転される際に、もたらされるネジ面およびボルト座面の面圧を意図的に偏らせるべく、前記ボルト座面に平行な横荷重を前記ボルト頭部に付与する横荷重付与手段とを具備し、前記横荷重付与手段は、円形状の貫通穴部であって該貫通穴部の壁部に内歯を有する貫通穴部を備える本体部と、該貫通穴部内に配設された第1歯車であって外歯を有する第1歯車と、該第1歯車が前記貫通穴部から脱落しないようにする脱落防止手段と、前記本体部の前記ボルト座面に対する相対的な動きを阻止する反力受け手段とを有し、前記第1歯車の形状は円形状とされ、前記第1歯車の外歯は前記貫通穴部の内歯と係合し、前記第1歯車は自身が回転すると前記貫通穴部の内歯に沿って移動するように前記貫通穴部内に構成配置され、前記第1歯車は、該第1歯車の回転中心を形成する回転軸部であって、ボルトを締付ける際に前記締め付け回転トルク付与手段により回転トルクが付与され前記第1歯車を回転させると共に前記ボルト頭部に該回転トルクを伝達し前記雄ネジを回転させる回転軸部を有し、前記ボルトを締付ける際には、前記第1歯車が前記ボルト座面に対して平行になるように前記横荷重付与手段の前記本体部は配置され、前記締め付け回転トルク付与手段による回転トルクを前記回転軸部に付与することにより、該回転トルクを前記ボルト頭部に伝達し前記雄ネジ部を回転させると共に、前記ボルト座面に平行な前記第1歯車の動きをもたらし前記ボルト座面に平行な横荷重を前記回転軸部を介して前記ボルト頭部に付与する、ことを特徴とするボルト締め付け装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明では、雄ネジ部を回転させる回転トルクを付与する締め付け回転トルク付与手段と、締め付け回転トルク付与手段により付与された回転トルクをボルト頭部に伝達すると共に、雄ネジ部が回転される際に、もたらされるネジ面およびボルト座面の面圧を意図的に偏らせるべく、ボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部に付与する横荷重付与手段とをボルト締め付け装置が有することで、ボルトを用いて被締結体を締結する際に、ネジ面およびボルト座面の面圧を偏らせた状態で、ボルトの雄ネジ部を回転させる回転トルクをボルト頭部に付与して、ボルトを締め込むことが可能となる。
請求項1の発明の横荷重付与手段によれば、ボルトを締付ける際には、外歯を有する第1歯車がボルト座面に対して平行になるように横荷重付与手段の本体部は配置され、締め付け回転トルク付与手段による回転トルクを回転軸部に付与することにより、該回転トルクをボルト頭部に伝達し雄ネジ部を回転させると共に、ボルト座面に平行な第1歯車の動きをもたらしボルト座面に平行な横荷重を第1歯車の回転軸部を介してボルト頭部に付与することが可能となる。
ボルト座面に平行な所定の横荷重をボルト頭部に付与しつつ、ボルト頭部に回転トルクを付与してボルトを締め込むことにより、ボルト軸線をボルト座面の垂線に対して極めて僅かな角度ではあるが所定の角度を有して傾斜させつつ、また、ボルト頭部をボルト座面に対して極めて僅かな角度ではあるが所定の角度を有して傾斜させつつ、ボルトを締め込むことができ、よって、ボルトを締め込む際にもたらされるネジ面およびボルト座面の面圧を所望の状態に偏らせることを可能とする。
ボルトの締め込みの際にもたらされるネジ面およびボルト座面の面圧を意図的に所望の状態に偏らせることで、ボルトを締め込む際の実際のボルトの回転中心線をボルトの中心軸線からネジ面およびボルト座面の高面圧側方向へ移動させることができ、これにより、ボルトの締め付け回転トルクを低減しネジ部に発生する捩じり応力を低減させ、ネジ部の有する引っ張り許容応力を十分に発揮させて降伏の発生する限界ボルト軸力を高めることができ、ボルト軸力の高軸力化を図ることが可能となる。
また、ボルトの締め付けが完了し、ボルト頭部に付与されていた回転トルクが解放された後は、ネジ面そのものの摩擦係数に応じてもたらされる摩擦力により雄ネジ部と雌ネジ部との係合を維持することができる。これにより、ボルト軸力の高軸力化を図るべく摩擦係数のみを減少させる場合に問題となるネジの自立による高軸力化の制限を受けることはなく、摩擦係数安定剤を併用した場合、より高いボルト軸力をもたらすことが可能となる。
ここで、ネジ面とは、ボルトの雄ネジ部と該雄ネジ部に対応する雌ネジとが係合する面を意図する。ボルト座面とは、被締結体とボルト頭部とが係合する面を意図しており、また、ボルト頭部と被締結体との間に、例えば平座金やバネ座金など座金が配置される場合には、該座金と被締結体とが係合する面を意図する。
請求項2に記載の発明によれば、前記横荷重付与手段は、外歯を有する第2歯車及び第3歯車であって前記貫通穴部に配設された円形状の第2歯車及び第3歯車と、前記第1歯車、前記第2歯車及び前記第3歯車が前記貫通穴部から脱落しないようにする脱落防止手段とを有し、前記第1歯車の外歯及び前記第3歯車の外歯は前記貫通穴部の前記内歯と係合し、前記第2歯車は前記第1歯車と前記第3歯車との間に配設され前記第2歯車の外歯は前記第1歯車の外歯及び前記第3歯車の外歯と係合するように、前記第1歯車、前記第2歯車及び前記第3歯車は前記貫通穴部内に配設される、ことを特徴とする請求項1に記載のボルト締め付け装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、前記第1歯車の前記回転軸部の回転中心は、円形状の前記第1歯車の形状中心と一致している、ことを特徴とする請求項1に記載のボルト締め付け装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、前記第1歯車の前記回転軸部の回転中心は、円形状の前記第1歯車の形状中心から離間されている、ことを特徴とする請求項1に記載のボルト締め付け装置が提供される。
各請求項の記載の発明によれば、ネジ面およびボルト座面の面圧を意図的に偏らせた状態で、ボルトを締め込むことが可能とされ、ネジ部の摩擦係数そのものを変更することなく、ボルト軸力の高軸力化が実現されるという、共通の効果を奏する。
従って、各請求項の発明によれば、ボルト軸力の高軸力化を図るべく摩擦係数のみを減少させる場合に問題となるネジの自立による高軸力化の制限を受けることはなく、摩擦係数安定剤を併用した場合、より高いボルト軸力をもたらすことが可能となる。
従って、各請求項の発明によれば、ボルト軸力の高軸力化を図るべく摩擦係数のみを減少させる場合に問題となるネジの自立による高軸力化の制限を受けることはなく、摩擦係数安定剤を併用した場合、より高いボルト軸力をもたらすことが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1および図2を参照して本発明のボルト締付け装置によるボルト締め付け方法の基本概念について説明する。
先ず、図1および図2を参照して本発明のボルト締付け装置によるボルト締め付け方法の基本概念について説明する。
図1は、ボルト頭部にボルト座面に平行な横荷重が付与される前のボルトの一状態を示す図である。図1において、1はボルト、2はボルト頭部、3はボルト軸部、4はボルト軸部3に設けられた雄ネジ部、5は各被締結部品、6は雄ネジ部と係合する雌ネジ部、7はボルト頭部2に回転トルクを伝達するソケット、8はボルト頭部2と被締結部品5とが係合する面となるボルト座面、9は雄ネジ部4と雌ネジ部6とが係合する面となるネジ面、10は各被締結部品間の摩擦接合面、をそれぞれ示す。
図2は、図1に示された状態から、ボルト座面8と平行な横荷重がボルト頭部2に付与され、さらにソケット7にボルト頭部2を回転させる回転トルクが付与された際のボルトの状態を示す図である。
図2に示されるように、ボルト座面8に平行な横荷重がボルト頭部2にソケット7を介して付与されると、ボルト軸線11はボルト座面の垂線12に対して傾斜し、また、ボルト頭部2はボルト座面8に対して傾斜した状態とされる。但し、図2においては、これらの傾斜の状態を明らかにすべく図示されているが、実際には、これらの傾斜の有する角度θ1は、例えば0.01°のような極めて僅かな角度である。
このような状態、すなわち、ボルト軸線11がボルト座面の垂線12に対して傾斜され、また、ボルト頭部2がボルト座面8に対して傾斜された状態で、ソケット7を介して回転トルクがボルト頭部2に付与されると、ボルト座面8およびネジ面9の面圧が偏った状態で、ボルトが締め込まれることになる。
本出願人は、ボルト座面8に平行な横荷重をボルト頭部2に付与し、ボルト1の締め込みの際にもたらされるボルト座面8およびネジ面9の面圧を偏らせた状態で、ボルト1を締め込むことで、ボルト座面8とネジ面9の面圧の偏りに起因して、実際のボルトの回転中心線(瞬間回転中心線とも称す)をボルト軸線11からネジ面9およびボルト座面8の高面圧側方向へ移動させることができ、これにより、ボルト頭部2に横荷重を付与しない場合と比較し、より少ない締め付けトルクで、より高いボルト軸力をもたらすことが可能であることを、有限要素法解析(FEM)により見出した。
このことを導くにあたり、本出願人は、先ず、ボルトで締結された被締結部品にせん断型荷重を付与した場合の、ボルトの締め込みに必要な回転トルクの挙動についての検証を有限要素法解析により行った。
ボルトで締結された被締結体にせん断型荷重を付与すると、ボルトが容易に回転してしまう現象すなわちボルトの回転緩みが発生することがあることは知られている。そして、この現象はボルト軸線回りの回転方向の摩擦係数の低下に起因するものである、とする説がある。この説によれば、ネジ面およびボルト座面ともに横すべりが存在する場合には、ボルト軸線回りの回転方向の摩擦係数が0.005〜0.02といった極めて小さな値に低下し、このことが、ボルトの緩み回転をもたらす、と説いている。
本出願人は、ボルトで締結された被締結体にせん断型荷重を付与した場合および付与しない場合に相当する解析モデルであって、ボルト座面およびネジ面の摩擦係数については、その値が0.005〜0.02といった極めて小さな値ではなく、ボルト座面およびネジ面が本来有する現実的な摩擦係数、例えば0.1程度の摩擦係数を維持するような拘束条件を付した解析モデルを形成し、この説の検証を行った。
その結果、被締結体にせん断型荷重が付与されたことによりボルト座面およびネジ面の面圧に偏りがもたされている状態では、ボルト座面およびネジ面の摩擦係数が本来の摩擦係数として維持されているにもかかわらず、すなわちボルト座面およびネジ面の摩擦係数が、0.005〜0.02といった極めて小さな値とされなくとも、ボルトの回転中心線をボルト軸線から高圧面部側の方向へ移動させることにより、被締結体にせん断型荷重が付与されていない場合と比較して、ボルトを回転させるのに必要なトルクが低下することが判明した。
このことから、本出願人は、ボルトで締結された被締結体にせん断型荷重を付与した状態でボルトが容易に回転してしまう現象は、ボルト軸線回りの回転方向の摩擦係数が低下したためではなく、せん断型荷重が付与されたことによるボルト座面およびネジ面の面圧の偏りによりもたらされるものであり、また、ボルト座面およびネジ面の面圧が偏ることにより、実際のボルトの回転中心線がボルト軸線からボルト座面およびネジ面の高面圧部に近づく方向へ移動し、これにより、ボルトを回転させるのに必要なトルクが減少する、との基本概念を導いた。
ボルト座面およびネジ面の面圧が偏ることによりもたらされる実際のボルトの回転中心線は、理想的にはボルト座面の高面圧部とネジ面の高面圧部とを結ぶ直線となることが考えられる。何故なら、面圧の高い部分は移動しづらく、高面圧部を回転中心として回転すると考えるのが妥当であるからである。しかしながら、ボルト座面およびネジ面の面圧の偏りは、一点に集中してもたらされることは考えづらく、ある程度の面積にわたり分布を有してもたらされることが一般的である。従って、ボルト座面およびネジ面の面圧が偏ることによりもたらされる実際のボルトの回転中心線は、ボルト座面の高圧面部に近い部分と、ネジ面の高圧面部に近い部分とを結ぶ直線となる、と推考することが妥当であると考える。
また、ボルト座面およびネジ面の面圧が偏ることによりもたらされる実際のボルトの回転中心線がボルト座面の高圧面部に近い部分とネジ面の高圧面部に近い部分とを結ぶ直線となると考えることで、実際のボルトの回転中心線はボルト軸線から高面圧部に近づく方向へ移動し、実際のボルトの回転中心線から高面圧部までの最短距離が短くなり、これにより、ボルトを回転させるのに必要な回転トルクが小さくなるという現象の説明を容易に導くことができる。仮に、実際のボルト回転中心線が高面圧部から遠ざかる方向へ移動すると考えた場合には、ボルトの回転中心軸線から高面圧部までの最短距離は長くなり、ボルトを回転させるのに必要なトルクは増大するはずであり、解析結果とそぐわないことになる。
次に、本出願人は、ボルト締め付けの際のボルト軸力の高軸力化を図ることを目的として、本基本概念をボルト締め付け方法に適用し得るか否かの検証をすべく、ボルト頭部2にボルト座面8に平行な横荷重を付与した状態における、ボルト座面8およびネジ面9の面圧およびボルト1を回転させるのに必要な回転トルクの挙動を、有限要素法解析により検証を行った。
この検証においては、ボルト頭部2にボルト座面8に平行な横荷重を付与した場合および付与しない場合に相当する解析モデルであって、ボルト座面8およびネジ面9の摩擦係数については、その値が0.005〜0.02といった極めて小さな値ではなく、ボルト座面8およびネジ面9が本来有する現実的な摩擦係数、例えば0.1程度の摩擦係数を維持するような拘束条件を付した解析モデルを形成し検証を行った。
その結果、ボルトで締結された被締結体にせん断型荷重を付与した場合と同様に、ボルト頭部2に横荷重が付与されたことによりボルト座面8およびネジ面9の面圧に偏りがもたされている状態では、ボルト座面8およびネジ面9の摩擦係数が本来の摩擦係数として維持されているにもかかわらず、すなわちボルト座面8およびネジ面9の摩擦係数が、0.005〜0.02といった極めて小さな値とされなくとも、ボルトの回転中心線をボルト軸線11から高圧面部側方向へ移動させることにより、ボルト頭部2に横荷重が付与されていない場合と比較して、ボルト1を回転させるのに必要なトルクが低下することが判明した。
従って、本基本概念をボルト締め付け方法に適用することが可能であり、ボルト座面8に平行な横荷重をボルト頭部2に付与し、ボルト1の締め込みの際にもたらされるボルト座面8およびネジ面9の面圧を偏らせた状態で、ボルト1を締め込むことで、ボルト座面8とネジ面9の面圧の偏りで、実際のボルトの回転中心線をボルト軸線11から高面圧側方向へ移動させることができ、これにより、ボルト頭部2に横荷重を付与しない場合と比較し、より小さな締め付け回転トルクでボルトを締め込むことが可能であることが、検証されたと考える。
次に、ボルトを締め込む際に必要となる締め付け回転トルクを減少させることで、ボルトを締め込む際にもたらされるボルト軸力の高軸力化を図ることが可能となることについて説明する。
ボルト締め付け時、ボルト軸部にはボルトの締め付け回転トルクに対応した捩じり応力τと、ボルト軸力に対応した引っ張り応力σとが作用する。この組み合わせ後の等価応力σeは、一般的に、σe 2=(σ2+3τ2)の楕円の式で表され、ボルト材料の降伏点σyに達するまで弾性変形として扱える。
従って、ボルトが降伏する限界ボルト軸力を高めるためには、ボルトの締め付けの際に発生する捩じり応力τを減少させればよいことになる。ボルトを締め込む際に必要となる回転トルクが減少することは、ボルトの締め付けの際に発生する捩じり応力τを減少させることとなり、ボルト軸力に対応した引っ張り応力σの許容範囲が広がり、このことは、ボルトが降伏する限界ボルト軸力を高めることになり、ボルト頭部2に横荷重を付与しない場合と比較し、より高いボルト軸力をもたらすことが可能となる。
以上のように、本発明のボルト締付け装置によるボルトの締め付け方法によれば、摩擦係数そのものを変更するのではなく、締め付け方法を変えて、具体的には、ボルト座面8およびネジ面9の面圧に偏りをもたせた状態でボルトを締め込むことにより、ネジ面9の摩擦係数を小さくしたのと同じ効果を奏する、すなわち、ボルト1を締め込む際のボルト軸力の高軸力化を実現する効果を奏する。
また、ボルト1の締め付けが完了し、ボルト頭部2に付与されていた締め付け回転トルクが解放された後は、ネジ面9そのものの摩擦係数に応じてもたらされる摩擦力により雄ネジ部と雌ネジ部との係合を維持することができる。
これにより、ボルト軸力の高軸力化を図るべく摩擦係数のみを減少させる場合に問題となるネジの自立による高軸力化の制限を受けることはなく、摩擦係数安定剤を併用した場合、より高いボルト軸力をもたらすことが可能となる。
より高いボルト軸力は、各被締結部品間の摩擦係合面10に強固な摩擦接合をもたらし、該強固な摩擦接合により、せん断外力が作用した際における各被締結部品間のすべりを、より万全の防止することができ、よって、各被締結部品間のすべりを回避しネジの回転緩みを、より万全に防止することが可能となる。
尚、本発明のボルト締付け装置によるボルト締め付け方法においては、ボルトの締め付けが完了した際に、ボルト頭部2とボルト座面8との間には、極めて僅かではあるが隙間が残存する可能性がある。しかしながら、このボルト締め付け完了時に残存する隙間は、ボルト頭部2に付与されていた回転トルクを解放する際に、あるいは、せん断外力が被締結部品に作用した際に、その際にボルト自体がバランスを取るように移動し実質的になくなることが想定され、例えばメガネのヒンジ部等のような頻繁にボルトに回転トルクが作用するような締結部への適応を除いては、ボルト軸力に対する当該隙間の影響は無視できるものと考える。
また、本発明のボルト締付け装置によるボルト締め付け方法においては、ボルト締め付けの際、雄ネジ部は、対応する雌ネジ部に対して傾斜して挿入されることになるが、その傾斜の度合いによってはネジ噛みが問題と可能性がある。その場合には、ボルト締め付け後のネジの自立が問題とならない範囲でネジ面に摩擦係数安定剤を適用することにより、ネジ噛みを緩和することが可能となる。
次に、本発明のボルトの締め付け装置の一実施形態を以下に説明する。
図3は、本発明のボルトの締め付け装置の一実施形態の全体斜視図を示す図である。図中において、21は締め付け回転トルク付与手段、22は横荷重付与手段、23は本体部、24は貫通穴部、25は第1歯車、26は第2歯車、27は第3歯車、28は回転軸部、29は脱落防止手段、30は反力受け部をそれぞれ示す。
図3は、本発明のボルトの締め付け装置の一実施形態の全体斜視図を示す図である。図中において、21は締め付け回転トルク付与手段、22は横荷重付与手段、23は本体部、24は貫通穴部、25は第1歯車、26は第2歯車、27は第3歯車、28は回転軸部、29は脱落防止手段、30は反力受け部をそれぞれ示す。
図3に示される実施形態においては、ボルト1は、ボルト頭部2と、雄ネジ部を備えるボルト軸部とを有するボルト、例えば六角頭付きボルトである。締め付け回転トルク付与手段21は、ボルト1の雄ネジ部を回転させる回転トルクを付与する役割を果すものである。横荷重付与手段22は、締め付け回転トルク付与手段21により付与された回転トルクをボルト頭部2に伝達すると共に、ボルト頭部2に伝達された回転トルクによりボルト1の雄ネジ部が回転される際に、もたらされるネジ面およびボルト座面8の面圧を意図的に偏らせるべく、ボルト座面8に平行な横荷重をボルト頭部2に付与する役割を果すものである。
横荷重付与手段22は、円形状の貫通穴部であって該貫通穴部の壁部に内歯を有する貫通穴部24を備える本体部23と、該貫通穴部24内に配設された第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27の3つの外歯歯車を有する。横荷重付与手段22は更に、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27が貫通穴部24から脱落しないようにする脱落防止手段29と、本体部22のボルト座面8に対する相対的な動きを阻止する反力受け部30とを有する。
第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27の形状は円形状とされ、第1歯車25の外歯及び第3歯車27の外歯は貫通穴部24の内歯と係合し、第2歯車26は第1歯車25と第3歯車27との間に配設され第2歯車26の外歯は第1歯車25の外歯及び第3歯車27の外歯と係合するように、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27は貫通穴部24内に配設される。
第1歯車25は、該第1歯車25の回転中心を形成する回転軸部28であって、ボルトを締付ける際に回転トルク付与手段21により回転トルクが付与され第1歯車25を回転させると共にボルト頭部2に該回転トルクを伝達しボルトの雄ネジを回転させる回転軸部28を有する。
ボルトを締付ける際には、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27がボルト座面8に対して平行になるように横荷重付与手段22の本体部23は配置され、締め付け回転トルク付与手段21による回転トルクを回転軸部28に付与することにより、該回転トルクをボルト頭部2に伝達しボルトの雄ネジ部を回転させると共に、ボルト座面8に平行な第1歯車25の動きをもたらしボルト座面8に平行な横荷重を回転軸部28を介してボルト頭部2に付与する。
尚、図3に示す実施形態においては、第1歯車25が自身の回転より貫通穴部24の内歯に沿って移動できるように、外歯を有する第2歯車26及び第3歯車27が貫通穴部24内に配設されるように構成されているが、第1歯車25が自身の回転より貫通穴部24の内歯に沿って移動できるように貫通穴部24内に構成配置されればよく、これに限定されることはない。
また、図3に示す実施形態における脱落防止手段29は、第1歯車25の回転軸部28に固定され、ボルト締付けの際に該回転軸部28と共に動くことで第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27が貫通穴部24から脱落しないようにする板部材で構成される。しかしながら、脱落防止手段は、これに限定されることはなく、ボルトを締付ける際にもたらされる回転軸部28の動きを阻害することなく、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27が貫通穴部24から脱落しないようにするものであればどのような構成されてもよい。
更に、図3に示す実施形態においては、本体部22のボルト座面8に対する相対的な動きを阻止する反力受け手段として反力受け部30が備えられている。しかしながら、本体部23自体の重量により、あるいは各第1歯車25の各回転軸部28のそれぞれの動きを個別に制御することなどにより、本体部22のボルト座面8に対する相対的な動きを阻止することが可能である場合は、本体部23自体が反力受け手段となり、あるいは各第1歯車25の各回転軸部28のそれぞれの動きを個別に制御する機構などが反力受け手段となり、反力受け部30は不要となる。
更に、図3に示された実施形態においては、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27が配設された4つの貫通穴部24が本体部24に備えられているが、これに限定されることはなく、1つのみの貫通穴部が本体部23に備えられるように構成されてよく、設計仕様に応じて貫通穴部の数や大きさは決定される。
図4は、貫通穴部24内における第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27の構成の第一の実施形態を示す図である。図5は、貫通穴部24内における第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27の構成の第二の実施形態を示す図である。図4及び図5中において、31は第1歯車25の形状中心、32は第2歯車26の形状中心、33は第3歯車27の形状中心、35は第1歯車の回転軸部28の回転中心(第1歯車の回転中心)、36は貫通穴部24の形状中心をそれぞれ示す。
図4に示される第一の実施形態においては、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27は円形状とされ、該各円形状の中心となる各形状中心が貫通穴部24の直径方向に一列に整列されるように第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27は貫通穴部24内に配設される。また、第1歯車25の回転軸部28の回転中心35すなわち第1歯車25の回転中心は、第1歯車25の形状中心31と一致している。
図5に示される第二の実施形態においては、図4に示される第一の実施形態と同様に、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27は円形状とされ、該各円形状の中心となる各形状中心が貫通穴部24の直径方向に一列に整列されるように第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27は貫通穴部24内に配設される。しかしながら、図5示される第二の実施形態においては、第1歯車25の回転軸部28の回転中心35すなわち第1歯車25の回転中心は、図4に示される第一の実施形態とは異なり、第1歯車25の形状中心31から離間されている。
以下に、図4に示される第一の実施形態のように第1歯車、第2歯車及び第3歯車が構成された横荷重付与手段の動作について説明する。
先ず、ボルト1を締付ける作業を開始するに当たってのセッティング作業として、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27がボルト座面8に対して平行になるように横荷重付与手段22の本体部23が配設され、第1歯車25の回転軸部28がボルト頭部2と係合される。そして、締め付け回転トルク付与手段21の回転トルク出力部37と回転軸部28とが係合される。
先ず、ボルト1を締付ける作業を開始するに当たってのセッティング作業として、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27がボルト座面8に対して平行になるように横荷重付与手段22の本体部23が配設され、第1歯車25の回転軸部28がボルト頭部2と係合される。そして、締め付け回転トルク付与手段21の回転トルク出力部37と回転軸部28とが係合される。
上記のようなセッティング作業が完了すると次に、締め付け回転トルク付与手段21による回転トルクを回転軸部28に付与する。第2歯車26は第1歯車25と第3歯車27との間に配設され第2歯車26の外歯は第1歯車25の外歯及び第3歯車27の外歯と係合するように配設されているので、回転軸部28に回転トルクが付与されると、第1歯車25が回転軸部の回転中心まわりに回転し、この回転に伴い第2歯車26及び第3歯車27が回転する。例えば、第1歯車25が時計方向に回転すると、第2歯車26は反時計方向に回転し、第3歯車27は時計方向に回転する。そして、第1歯車25の外歯及び第3歯車27の外歯は貫通穴部24の内歯と係合するように配設されているので、第1歯車25は、自身が回転しつつ、貫通穴部24の内歯に沿って円形状の貫通穴部24の形状中心36まわりにボルト座面8に対して平行移動する。
このような第1歯車25の動きにより、ボルト1を締付ける際に、ボルト座面8に平行な横荷重を回転軸部28を介してボルト頭部2に付与しつつ、ボルト1を締付ける際に、締め付け回転トルク付与手段21による回転トルクをボルト頭部2に伝達しボルト1の雄ネジ部を回転させることができ、ボルト頭部2に伝達された回転トルクにより雄ネジ部が回転される際に、もたらされるネジ面およびボルト座面8の面圧を意図的に偏らせることが可能となる。これにより、ボルトを締め込む際の実際のボルトの回転中心線をボルトの中心軸線からネジ面およびボルト座面の高面圧側方向へ移動させることができ、ボルトの締め付けに必要な締め付け回転トルクを低減しネジ部に発生する捩じり応力を低減させ、ネジ部の有する引っ張り許容応力を十分に発揮させて降伏の発生する限界ボルト軸力を高めることができ、ボルト軸力の高軸力化を図ることが可能となる。
図5に示される第二の実施形態のように第1歯車、第2歯車及び第3歯車が構成された横荷重付与手段の動作は、ボルト1が締め付けられる際にもたらされるボルト頭部2の中心のボルト座面8に対する動きの軌跡が異なる点を除いては、図4に示される第一の実施形態と同様の動作をし、同様の作用効果をもたらす。
図6は、図4に示された第一の実施形態におけるボルト頭部2の中心のボルト座面8に対する動きの軌跡の一例を示す図である。図7は、図5に示された第二の実施形態におけるボルト頭部2の中心のボルト座面8に対する動きの軌跡の一例を示す図である。図6及び図7から理解され得る如く、第1歯車25の回転軸部28の回転中心35が第1歯車の形状中心31と一致している場合と、第1歯車25の回転軸部28の回転中心35が第1歯車25の形状中心31から離間されている場合とでは、ボルト頭部2の中心のボルト座面8に対する動きの軌跡は異なる。しかしながら、いずれの場合においても、ボルト1を締付ける際にもたらされる第一歯車25及び回転軸部28の動きにより、ボルト頭部2を回転させつつ、ボルト座面8に対して強制的に平行移動させることができ、ボルト1を締付ける際に、ボルト座面8に平行な横荷重をボルト頭部2に付与しつつ、締め付け回転トルク付与手段21による回転トルクをボルト頭部2に伝達しボルト1の雄ネジ部を回転させることが可能となる。
図4及び図5に示された第一及び第二の実施形態においては、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27は円形状とされ、該各円形状の中心となる各形状中心が貫通穴部24の直径方向に一列に整列されるように第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27は貫通穴部24内に配設されるように構成される。しかしながら、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27の形状が円形状とされ、第1歯車25の外歯及び第3歯車27の外歯が貫通穴部24の内歯と係合し、第2歯車26が第1歯車25と第3歯車27との間に配設され第2歯車26の外歯が第1歯車25の外歯及び第3歯車27の外歯と係合するように、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27が貫通穴部24内に配設される構成される横荷重付与手段22によれば、上記で述べたような第一及び第二の実施形態における同様の作用効果がもたらされる。よって、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27の各形状中心が貫通穴部24の直径方向に一列に整列されなくともよい。また、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27のそれぞれの径寸法も設計仕様により適宜決定することができる。
図8は、貫通穴部24内における第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27の構成の第三の実施形態を示す図であり、第1歯車25、第2歯車26及び第3歯車27の各形状中心が貫通穴部24の直径方向に一列に整列されていない場合の一実施形態を示す図である。
以上、本発明のボルト締付け装置によるボルト締め付けによれば、ボルトを締付ける際に、ボルト座面に平行な横荷重をボルト頭部に付与しつつ、締め付け回転トルク付与手段による回転トルクをボルト頭部に伝達しボルトの雄ネジ部を回転させることが可能となる。これにより、ネジ面およびボルト座面の面圧を意図的に偏らせた状態で、ボルトを締め込むことが可能とされ、ネジ部の摩擦係数そのものを変更することなく、ボルト軸力の高軸力化が実現される。
1 ボルト
2 ボルト頭部
8 ボルト座面
21 締め付け回転トルク付与手段
22 横荷重付与手段
23 本体部
24 貫通穴部
25 第1歯車
26 第2歯車
27 第3歯車
28 回転軸部
2 ボルト頭部
8 ボルト座面
21 締め付け回転トルク付与手段
22 横荷重付与手段
23 本体部
24 貫通穴部
25 第1歯車
26 第2歯車
27 第3歯車
28 回転軸部
Claims (4)
- ボルト頭部と、雄ネジ部を備えるボルト軸部とを有するボルトを用いて、被締結体を締結する際に使用するボルト締め付け装置において、
前記雄ネジ部を回転させる回転トルクを付与する締め付け回転トルク付与手段と、
前記締め付け回転トルク付与手段により付与された回転トルクを前記ボルト頭部に伝達すると共に、前記ボルト頭部に伝達された回転トルクにより前記雄ネジ部が回転される際に、もたらされるネジ面およびボルト座面の面圧を意図的に偏らせるべく、前記ボルト座面に平行な横荷重を前記ボルト頭部に付与する横荷重付与手段とを具備し、
前記横荷重付与手段は、円形状の貫通穴部であって該貫通穴部の壁部に内歯を有する貫通穴部を備える本体部と、該貫通穴部内に配設された第1歯車であって外歯を有する第1歯車と、該第1歯車が前記貫通穴部から脱落しないようにする脱落防止手段と、前記本体部の前記ボルト座面に対する相対的な動きを阻止する反力受け手段とを有し、
前記第1歯車の形状は円形状とされ、前記第1歯車の外歯は前記貫通穴部の内歯と係合し、前記第1歯車は自身が回転すると前記貫通穴部の内歯に沿って移動するように前記貫通穴部内に構成配置され、
前記第1歯車は、該第1歯車の回転中心を形成する回転軸部であって、ボルトを締付ける際に前記締め付け回転トルク付与手段により回転トルクが付与され前記第1歯車を回転させると共に前記ボルト頭部に該回転トルクを伝達し前記雄ネジを回転させる回転軸部を有し、
前記ボルトを締付ける際には、前記第1歯車が前記ボルト座面に対して平行になるように前記横荷重付与手段の前記本体部は配置され、前記締め付け回転トルク付与手段による回転トルクを前記回転軸部に付与することにより、該回転トルクを前記ボルト頭部に伝達し前記雄ネジ部を回転させると共に、前記ボルト座面に平行な前記第1歯車の動きをもたらし前記ボルト座面に平行な横荷重を前記回転軸部を介して前記ボルト頭部に付与する、ことを特徴とするボルト締め付け装置。 - 前記横荷重付与手段は、外歯を有する第2歯車及び第3歯車であって前記貫通穴部に配設された円形状の第2歯車及び第3歯車と、前記第1歯車、前記第2歯車及び前記第3歯車が前記貫通穴部から脱落しないようにする脱落防止手段とを有し、
前記第1歯車の外歯及び前記第3歯車の外歯は前記貫通穴部の前記内歯と係合し、前記第2歯車は前記第1歯車と前記第3歯車との間に配設され前記第2歯車の外歯は前記第1歯車の外歯及び前記第3歯車の外歯と係合するように、前記第1歯車、前記第2歯車及び前記第3歯車は前記貫通穴部内に配設される、
ことを特徴とする請求項1に記載のボルト締め付け装置。 - 前記第1歯車の前記回転軸部の回転中心は、円形状の前記第1歯車の形状中心と一致している、ことを特徴とする請求項1に記載のボルト締め付け装置。
- 前記第1歯車の前記回転軸部の回転中心は、円形状の前記第1歯車の形状中心から離間されている、ことを特徴とする請求項1に記載のボルト締め付け装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007298008A JP2009119577A (ja) | 2007-11-16 | 2007-11-16 | ボルト締め付け装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007298008A JP2009119577A (ja) | 2007-11-16 | 2007-11-16 | ボルト締め付け装置 |
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JP2009119577A true JP2009119577A (ja) | 2009-06-04 |
Family
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JP2007298008A Withdrawn JP2009119577A (ja) | 2007-11-16 | 2007-11-16 | ボルト締め付け装置 |
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JP (1) | JP2009119577A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104959959A (zh) * | 2015-07-20 | 2015-10-07 | 隋建华 | 用于轮轴间辅助固定的键加固装置 |
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CN105729367A (zh) * | 2016-05-07 | 2016-07-06 | 王萍 | 旋转调节式轮胎扳手 |
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2007
- 2007-11-16 JP JP2007298008A patent/JP2009119577A/ja not_active Withdrawn
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