JP2009260871A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 露光時間の長期化や温度が変化する環境にあっても、黒潰れ、黒浮き及び白傷などによる画質劣化を防止することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮像装置は、撮像素子と、切替部と、制御部とを備える。撮像素子は、アドレス指定読み出しが可能な受光素子を配列した受光面を有し、被写体の画像を撮像する撮像領域と受光素子が遮光部材で覆われるとともに暗電流成分の信号を出力するオプティカルブラック領域とを受光面に設ける。切替部は、受光面に光束が入射する第1状態と受光面への光束の入射を妨げる第2状態とを切り替える。制御部は、第1状態で本画像を撮像した後、第2状態でダーク画像を撮像するときにオプティカルブラック領域における部分領域毎の信号レベルを読み出して、本画像の対応位置の信号レベルと順次比較し、その比較結果に応じてダーク画像の露光時間を制御する。
【選択図】 図5
【解決手段】 撮像装置は、撮像素子と、切替部と、制御部とを備える。撮像素子は、アドレス指定読み出しが可能な受光素子を配列した受光面を有し、被写体の画像を撮像する撮像領域と受光素子が遮光部材で覆われるとともに暗電流成分の信号を出力するオプティカルブラック領域とを受光面に設ける。切替部は、受光面に光束が入射する第1状態と受光面への光束の入射を妨げる第2状態とを切り替える。制御部は、第1状態で本画像を撮像した後、第2状態でダーク画像を撮像するときにオプティカルブラック領域における部分領域毎の信号レベルを読み出して、本画像の対応位置の信号レベルと順次比較し、その比較結果に応じてダーク画像の露光時間を制御する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、長時間露光時に発生するノイズを除去するノイズリダクション処理機能を備える撮像装置に関する。
近年、撮像素子を備えた電子カメラには、ノイズリダクション(NR)モードを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このノイズリダクション(NR)モードでは、通常、本画像が撮影された直後に、電子カメラが撮像素子を遮光した状態で本画像の露光時間と同じ露光時間でダーク画像撮影を行う。続いて、電子カメラ内部では、ダーク画像のデータを用いて本画像のデータの補正処理を行う。この補正処理により、撮像素子において発生する暗電流ノイズや撮像素子固有の画素欠陥による微少な傷(例えば、点キズ)等の画質劣化が低減される。
特開2005−79948号公報
しかしながら、ノイズリダクション(NR)モードには以下の問題点がある。暗電流は熱により発生するものであり、撮像素子の温度が変化すると同じ露光時間でも暗電流量は異なる(7〜10℃の温度上昇で2倍)。そのため、本露光時と暗露光時に温度の差があるとそれぞれの暗電流成分の間に誤差が生じる。露光時間が長くなるにしたがって温度の変動が大きくなり、暗電流差も大きくなる傾向にある。
通常、本露光から暗露光へと連続して撮像素子を使用した場合、暗露光時の方が撮像素子の温度上昇を招く。これに伴い暗電流も増加する。そのため、補正処理において、暗電流を引き過ぎて黒潰れなどを招くという問題が生じる。
また、撮像素子のライブ映像を液晶モニタに表示するライブビューモードを長時間使用した後の長時間露光では、ライブビュー動作により温度が飽和温度まで上昇した状態から長時間露光を開始する。この場合、長時間露光中はスタンバイモードに移行するため、消費電力も小さく温度が急激に下がっていくことになる。そのため、通常とは逆に本露光よりも暗露光の方が暗電流は少なくなる。この場合、補正処理において、補正量が不足して黒浮きを招くという問題が生じる。
また、長時間露光時には白傷などの暗電流ノイズも発生することが知られている。この場合、本露光時と暗露光時とで暗電流量が異なると白傷が残ってしまうという問題も生じる。
ここで、特許文献1に開示されたノイズリダクション(NR)モードでは、予め定めた露光時間を経過すると温度上昇が起きるものと推定している。しかしながら、実際に予測される温度上昇が起きていない場合には、十分に補正できない点でなお改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑み、露光時間の長期化や温度が変化する環境にあっても、黒潰れ、黒浮き及び白傷などによる画質劣化を防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
第1の発明に係る撮像装置は、撮像素子と、切替部と、制御部とを備える。撮像素子は、アドレス指定読み出しが可能な受光素子を配列した受光面を有し、被写体の画像を撮像する撮像領域と受光素子が遮光部材で覆われるとともに暗電流成分の信号を出力するオプティカルブラック領域とを受光面に設ける。切替部は、受光面に光束が入射する第1状態と受光面への光束の入射を妨げる第2状態とを切り替える。制御部は、第1状態で本画像を撮像した後、第2状態でダーク画像を撮像するときにオプティカルブラック領域における部分領域毎の信号レベルを読み出して、本画像の対応位置の信号レベルと順次比較し、その比較結果に応じてダーク画像の露光時間を制御する。
第2の発明は、第1の発明において、制御部は、所定時間毎にオプティカルブラック領域の信号レベルをライン単位で読み出して、本画像の対応するラインの信号レベルと比較する。
第3の発明は、第1の発明において、制御部は、ダーク画像の露光時に読み出した信号レベルの値が、本画像のオプティカルブラック領域の信号レベルと同一の場合を含む許容範囲内の値になったときにダーク画像の露光を終了する。
第4の発明は、第1の発明において、制御部は、ダーク画像のデータを用いて本画像のデータの補正処理を行う。
本発明の撮像装置によれば、ダーク画像を撮像するときに撮像素子のオプティカルブラック領域の信号レベルと本画像の対応位置の信号レベルとを順次比較し、その比較結果に応じてダーク画像の露光時間を制御する。これにより、本発明の撮像装置は露光時間の長期化や温度が変化する環境にあっても、黒潰れ、黒浮き及び白傷などによる画質劣化を防止することができる。
<電子カメラの構成の説明>
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本実施形態の電子カメラの構成を説明するブロック図である。図1に示す通り電子カメラ1には、撮影光学系10と、メカニカルシャッタ11と、撮像素子12と、タイミングジェネレータ(TG)13と、アナログフロントエンド部(以下、「AFE」という)14と、画像処理部15と、RAM(Random Access Memory)16と、記録インターフェース(記録I/F)17と、表示部18と、操作部19と、CPU(Central processing Unit)20と、ROM(Read Only Memory)21と、バス22とが備えられる。このうち画像処理部15、RAM16、記録インターフェース(記録I/F)17、表示部18、CPU20及びROM21は、バス22を介して互いに接続されている。また、操作部19は、CPU20に接続されている。
撮影光学系10は、フォーカスレンズやズームレンズを含む複数のレンズ群で構成されている。なお、簡単のため、図1では、撮影光学系10を1枚のレンズとして図示する。この撮影光学系10は、不図示のレンズ駆動装置によって制御される。
メカニカルシャッタ11は、撮像素子12に光束が入射する第1状態と撮像素子12への光束の入射を妨げる第2状態とを開閉により切り替える。この切り替えは、CPU20の指示に応じてメカニカルシャッタ駆動部(不図示)により行われる。
撮像素子12は、その撮像面に形成された被写体像を光電変換することにより、本画像の画像信号(アナログ信号)を生成する。なお、本実施形態では、撮像素子12にXYアドレス方式のCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)を用いている。この撮像素子12の受光面には、マトリックス状に配列された複数の受光素子が配備されている。これらの受光素子は、CPU20の指示によりアドレス指定読み出しが可能である。また、この撮像素子12の受光面は、画像を撮像する撮像領域とオプティカルブラック領域(以下、「OB領域」という)とで構成される。このOB領域は、受光素子がアルミなどの遮光部材で覆われるとともに暗電流成分の信号を出力する。
タイミングジェネレータ(TG)13は、CPU20からの指示に従い撮像素子12及びAFE14の各々へ向けて駆動信号を送出し、それによって両者の駆動タイミングを制御する。
AFE14は、撮像素子12が生成する画像信号に対して信号処理を施すアナログフロントエンド回路である。このAFE14は、画像信号のゲイン調整や、画像信号のA/D変換などを行う。このAFE14が出力する画像信号(デジタル信号)は、本画像のデータやダーク画像のデータとして画像処理部15へ入力される。
画像処理部15は、AFE14が出力する本画像のデータをRAM16のフレームメモリに記憶させる。また、画像処理部15では、後述のダーク画像撮影時に所定間隔毎に1ラインずつ読み出されたOB領域の信号レベルをRAM16のラインメモリに記憶させる。また、画像処理部15は、後述する補正処理された後の本画像のデータに対してホワイトバランス、階調変換処理など各種の画像処理を施す。
記録インターフェース(記録I/F)17は、本画像の画像データを記録媒体23に記録できるように通信インターフェースを提供する。
表示部18は、CPU20の指示に応じて各種画像を表示する。また、上述のライブビューモードでは撮像素子12のライブ映像を表示する。
操作部19は、レリーズボタン、コマンドダイヤルなどであり、ユーザによる操作内容に応じてCPU20へ信号を与えるものである。例えばユーザは、レリーズボタンを全押しすることにより撮影の指示をCPU20へ与えることができる。
CPU20は、電子カメラ1の統括的な制御を行うプロセッサである。CPU20は、ROM21に予め格納されたシーケンスプログラムを実行することにより電子カメラ1の各部を制御する。
また、CPU20は、上述のノイズリダクション(NR)モードがオンに設定されている場合、いわゆる2回撮りNR撮影を行う。すなわち、本画像撮影を行った後、CPU20はダーク画像撮影を実行する。この際、従来のノイズリダクション(NR)モード(本画像及びダーク画像の露光時間が同じ)の2回撮りNR撮影とは異なり、CPU20は、ダーク画像の露光時間の制御を行う。そして、CPU20は、ダーク画像のデータを用いて本画像のデータの補正処理を行う(詳細は後述する)。
<電子カメラの動作説明>
次に、本実施形態における電子カメラのノイズリダクション(NR)モードでの動作例を説明する。図2は、2回撮りNR撮影の処理のフローチャートである。なお、以下の説明では、ノイズリダクション(NR)モードがオンに設定されている状態を前提として説明を行う。
次に、本実施形態における電子カメラのノイズリダクション(NR)モードでの動作例を説明する。図2は、2回撮りNR撮影の処理のフローチャートである。なお、以下の説明では、ノイズリダクション(NR)モードがオンに設定されている状態を前提として説明を行う。
ステップS101:CPU20は、レリーズボタンが半押しされたか否かを判別し、レリーズボタンが半押しされた場合は(ステップS101:Yes)、ステップS102に移行する。一方、レリーズボタンが半押しされていない場合は(ステップS101:No)、ステップS101を繰り返す。
ステップS102:CPU20は、自動焦点調節や自動露出制御などを行い、本画像の撮影に用いる撮影条件を設定する。
ステップS103:CPU20は、レリーズボタンが全押しされたか否かを判別する。レリーズボタンが全押しされていない場合は(ステップS103:No)、ステップS103を繰り返す。レリーズボタンが全押しされた場合は(ステップS103:Yes)、ステップS104へ移行する。
ステップS104:CPU20は、ステップS102で設定された撮影条件の下で2回撮りNRを開始し、先ず本画像の画像データの取得を行う。すなわちCPU20は、メカニカルシャッタ11を開状態とし、タイミングジェネレータ13を駆動させる。これにより、本画像の画像データを取得する。なお、この撮影で取得された本画像のデータは、AFE14を通過してから画像処理部15によりRAM16のフレームメモリに記憶される。
ステップS105:CPU20は、本画像の撮影に続いてNR用ダーク画像撮影による露光時間制御のサブルーチンを実行する(詳細は後述する)。
ステップS106:CPU20は、ステップS105によりダーク画像の露光終了を受けつけた後、画像処理部15に対してダーク画像のデータの読み出しの指示を出す。すると、画像処理部15はAFE14を介してダーク画像のデータを読み出す。続いて、画像処理部15はRAM16のフレームメモリにダーク画像のデータを記憶させる。CPU20は、RAM16のフレームメモリに既に記憶されている本画像の画像データからダーク画像のデータを減算する処理を行う。
ステップS107:画像処理部15は、ステップS106にて減算処理された後の本画像のデータに対して、ホワイトバランス、階調変換処理など各種の画像処理を施す。
ステップS108:CPU20は、ステップS107にて画像処理が施された本画像のデータを圧縮処理し、記録媒体23に保存する。そして、この処理ルーチンを終了する。
次に、図2のNR用ダーク画像撮影による露光時間制御(ステップS105)のサブルーチンについて図3、図4及び図5を参照して説明する。
本実施形態では2回撮りNR撮影のうちNR用ダーク画像撮影において、CPU20は、ダーク画像のOB領域(1ライン)毎に暗電流成分の信号レベルを読み出して、本画像の対応するOB領域の信号レベルと順次比較する。そして、比較結果に応じて露光時間を制御する。以下、概要を述べた後、NR用ダーク画像撮影による露光時間制御のサブルーチンについて説明する。
図3は、暗電流成分の信号レベルの平均値の比較処理を説明するための図である。図3(a)は露光中の撮像素子12におけるダーク画像のOB領域のアドレス指定の順序を表しており、図3(b)は本画像撮影後にRAM16に記憶されている本画像のOB領域のアドレス指定の順序を表している。ここで各画素の位置(X、Y)は、水平走査用のXアドレスと垂直走査用のYアドレスとで指定される。簡単のため、図3において、撮像領域の右側上端の位置をXYアドレスの基点とし、Yアドレスは、撮像領域からOB領域に番号がシーケンスに割り当てられているものとする。そして、OB領域開始のYアドレスをスタートラインアドレスk(OB領域開始アドレス)とする。スタートラインアドレスkから1行ずつインクリメントされることにより、ダーク画像のOB領域における1ラインの信号レベルが順次読み出される。また、スタートラインアドレスkの1ラインの読み出す時刻を読み出し開始時刻tとする。そして、スタートラインアドレスkから1行ずつインクリメントして、1ラインの信号レベルを読み出す周期を読み出し周期sとする。
図3においてTは露光時の蓄積時間であり、ダーク画像の場合(図3(a))は読み出し開始時刻tからの蓄積時間を表している。本画像の場合(図3(b))は、本画像露光時間(S)に対応するため各ラインはT=Sになっている。また、Ak+nは、ダーク画像のOB領域における暗電流成分の信号レベルの平均値を表しており、Bk+nは、本画像のOB領域における暗電流成分の信号レベルの平均値を表している(nは0からの整数とする)。
CPU20は、ダーク画像撮影開始後、ダーク画像のOB領域の1ライン(Y=k+nアドレス、n=0)を指定する。続いて、CPU20は、そのラインにおける各画素の暗電流成分の信号レベルをRAM16のラインメモリから読み出し、1ラインの平均値Akを算出する。上記読み出しからs秒経過後、CPU20は次行のOB領域の1ラインの各画素の暗電流成分の信号レベルをRAM16のラインメモリから読み出し、平均値Ak+1を算出する。CPU20は、この動作をs秒毎に1ラインずつずらしながら繰り返す。これにより、CPU20はs秒毎の1ラインの暗電流成分の信号レベルの平均値(Ak、Ak+1、Ak+2、、、Ak+n)を順次得ることができる。この場合、1ラインの各画素の暗電流成分の信号レベルから平均値を求めるが、1ラインの各画素に対してメディアンフィルタをかけてもよい。なお、1ライン毎に暗電流成分の信号レベルの平均値を求めるのは一例であって、これに限定されるものではない。
また、上記処理においてCPU20は、ダーク画像のOB領域(1ライン)の平均値(Ak+n)を算出する毎に、既に取得済みの本画像の同アドレスのOB領域(1ライン)の平均値(Bk+n)と比較していく。本実施形態では、以下の条件を満たしたときにダーク画像の露光を終了する。
|1―((Ak+n)/(Bk+n))|≦ 0.05 (1)
一方、上記式(1)を満たしていない場合には、次のアドレスにおけるダーク画像のOB領域(1ライン)の平均値(Ak+n)と本画像の同アドレスの平均値(Bk+n)とを比較対象とする。なお、この条件は、一例であってこれに限定されるものではない。
一方、上記式(1)を満たしていない場合には、次のアドレスにおけるダーク画像のOB領域(1ライン)の平均値(Ak+n)と本画像の同アドレスの平均値(Bk+n)とを比較対象とする。なお、この条件は、一例であってこれに限定されるものではない。
図4は、暗電流の温度による影響を説明するための図である。図4(a)は、本画像露光時における暗電流の時間変化の一例を示す図である。露光時間(T)がS秒のときに、CPU20は露光を終了する。このときの温度がα[℃]とする。
図4(b)〜(d)は、ダーク画像露光時における暗電流の時間変化の一例を示す図である。図4(b)は、本画像露光時の温度とダーク画像露光時の温度が同じ(α[℃])場合を表している。図4(b)で示すように、ダーク画像のOB領域(1ライン)の平均値(Ak+n)と本画像のOB領域(1ライン)の平均値(Bk+n)とは、露光時間(T)がS秒のときにほぼ同じになる。この場合、本画像及びダーク画像の露光時間を同じに設定しても、暗電流ノイズが除去されるため問題は起こらない。
図4(c)は、ダーク画像露光時の温度上昇の割合が本画像露光時に比べて大きい場合の例を表している。図4(c)で示すように、ダーク画像のOB領域(1ライン)の平均値(Ak+n)は本画像の露光時間(T=S)に比べて早く本画像のOB領域(1ライン)の平均値(Bk+n)に到達する。この場合、本画像及びダーク画像の露光時間を同じに設定すると、ダーク画像の暗電流量が本画像の暗電流量よりも多くなる。そのため、減算処理において暗電流を引き過ぎて黒潰れや白傷などを招くという問題が生じる。しかしながら、本実施形態では、CPU20は上記(1)の条件に基づいて平均値(Ak+n)が平均値(Bk+n)にほぼ等しくなったときに露光を終了するため、黒潰れや白傷などを招くという問題が生じないで済む。
図4(d)は、ライブビューモード後の長時間露光の例を表している。図4(d)で示すように、ダーク画像露光時の温度上昇の割合が本画像露光時に比べて小さくなる。そのため、ダーク画像のOB領域(1ライン)の平均値(Ak+n)は本画像の露光時間(T=S)に比べて遅く本画像のOB領域(1ライン)の平均値(Bk+n)に到達する。この場合、本画像及びダーク画像の露光時間を同じに設定すると、ダーク画像の暗電流量が本画像の暗電流量より少なくなる。そのため、減算処理において補正量が不足して黒浮きを招くという問題が生じる。しかしながら、本実施形態では、CPU20は上記(1)の条件に基づいて平均値(Ak+n)が平均値(Bk+n)にほぼ等しくなったときに露光を終了するため、黒浮きなどを招くという問題が生じないで済む。
以下、具体的にサブルーチンの各ステップの処理について説明する。図5は、ノイズリダクション(NR)モードにおける露光時間制御のサブルーチンである。
ステップS201:CPU20は、ダーク画像のOB領域におけるスタートラインアドレスkの読み出し開始時刻(t)を設定する。
ステップS202:CPU20は、読み出し周期(s)を設定する。なお、読み出し開始時刻(t)や読み出し周期(s)は予めプログラムなどで本画像の露光時間に応じて設定されているものとする。
ステップS203:CPU20は、ノイズリダクション(NR)用ダーク画像の蓄積を行う。すなわちCPU20は、メカニカルシャッタ11を閉状態のままとし、タイミングジェネレータ13を駆動させる。これにより、ダーク画像の画像データの蓄積を開始する。
ステップS204:CPU20は、読み出しラインとしてOB領域のYアドレス(Y=k+n)を撮像素子12に設定する。
ステップS205:CPU20は、画像処理部15に対して撮像素子12のOB領域のYアドレス(Y=k+n)からOBライン(1ライン)をs秒毎に読み出すように指示を出す。画像処理部15は、AFE14を介して指定されたYアドレス(Y=k+n)からOBライン(1ライン)の暗電流成分の信号レベルを読み出してRAM16のラインメモリに記憶させる。
ステップS206:CPU20は、RAM16のラインメモリに記憶されている1ラインにおける各画素の暗電流成分の信号レベルを読み出して、平均値Ak+nを算出する。
ステップS207:CPU20は、RAM16のフレームメモリに記憶されている本画像データの同アドレスのOBライン(1ライン)を指定する。続いて、CPU20は、そのラインにおける各画素の暗電流成分の信号レベルを読み出して、平均値Bk+nを算出する。
ステップS208:CPU20は、|1―((Ak+n)/(Bk+n))|の値が0.05以下を満たすか判定する。この判定条件が満たされない場合には(ステップS208:No)、ステップS209に進み、CPU20はn=n+1の処理を行った後、再度ステップS204に戻る。一方、この判定条件が満たされた場合には(ステップS208:Yes)、ステップS210へ移行する。
ステップS210:CPU20は、ダーク画像撮影の露光を終了するとともにノイズリダクション(NR)用ダーク画像の蓄積も終了する。そして、このサブルーチンの処理は終了し、図2のステップS106に戻る。以上で、図5のサブルーチンの説明を終了する。
なお、CPU20は、ダーク画像撮影開始後から任意の時間(例えば、本露光の半分の時間)経過後から読み出すようにしてもよい。これは、本露光の半分の時間経過後から読み出すのは、最初のうちはダーク画像の露光(暗露光)における暗電流量が本露光の暗電流量に比べて少ないことに基づく。
以下、本実施形態の作用効果を述べる。本実施形態の電子カメラは、メカニカルシャッタ11により撮像素子の受光面に光束が入射する第1状態と受光面への光束の入射を妨げる第2状態とを切り替える。CPU20は、ダーク画像を撮像するときに撮像素子12のオプティカルブラック領域の信号レベルと本画像の対応位置の信号レベルとを順次比較し、その比較結果に応じてダーク画像の露光時間を制御する。
これにより、本実施形態の電子カメラは、露光時間の長期化や温度が変化する環境にあっても、黒潰れ、黒浮き及び白傷などによる画質劣化を防止することができる。また、従来例のように、温度上昇を推定する処理などをする必要もなく、精度良く画質劣化を防止することができる。さらに温度センサを設ける必要もなく上記補正処理を行うことができる。
1・・・電子カメラ、11・・・メカニカルシャッタ、12・・・撮像素子、15・・・画像処理部、16・・・RAM、20・・・CPU
Claims (4)
- アドレス指定読み出しが可能な受光素子を配列した受光面を有し、被写体の画像を撮像する撮像領域と前記受光素子が遮光部材で覆われるとともに暗電流成分の信号を出力するオプティカルブラック領域とを前記受光面に設けた撮像素子と、
前記受光面に光束が入射する第1状態と前記受光面への光束の入射を妨げる第2状態とを切り替える切替部と、
前記第1状態で本画像を撮像した後、前記第2状態でダーク画像を撮像するときに前記オプティカルブラック領域における部分領域毎の信号レベルを読み出して、前記本画像の対応位置の信号レベルと順次比較し、前記比較結果に応じて前記ダーク画像の露光時間を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御部は、所定時間毎に前記オプティカルブラック領域の信号レベルをライン単位で読み出して、本画像の対応するラインの信号レベルと比較することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記ダーク画像の露光時に読み出した信号レベルの値が、前記本画像のオプティカルブラック領域の信号レベルと同一の場合を含む許容範囲内の値になったときに前記ダーク画像の露光を終了することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記ダーク画像のデータを用いて前記本画像のデータの補正処理を行うことを特徴とする撮像装置。
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