JP2009257916A - 静電容量型圧力センサ及び静電容量の補償信号の提供方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストを増大させることなく、温度特性及び空乏層の寄生容量による検出精度の低下を抑制する。
【解決手段】半導体基板11の一部分として形成されたダイアフラム15と、絶縁性部材13上にダイアフラムと対向して設けられた電極膜17との間の静電容量変化を検出する静電容量型圧力センサであって、半導体基板にそれぞれ離間して設けられた第1及び第2拡散配線層21及び23を具える。そして、第1拡散配線層は、電極膜17に接触して設けられている。また、第2拡散配線層は、電極膜に対して非接触の状態で、かつ第1拡散配線層と同一の形状及び寸法で設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】半導体基板11の一部分として形成されたダイアフラム15と、絶縁性部材13上にダイアフラムと対向して設けられた電極膜17との間の静電容量変化を検出する静電容量型圧力センサであって、半導体基板にそれぞれ離間して設けられた第1及び第2拡散配線層21及び23を具える。そして、第1拡散配線層は、電極膜17に接触して設けられている。また、第2拡散配線層は、電極膜に対して非接触の状態で、かつ第1拡散配線層と同一の形状及び寸法で設けられている。
【選択図】図1
Description
この発明は、半導体基板の一部分として形成されたダイアフラムと、絶縁性部材上にダイアフラムと対向して設けられた電極膜との間の静電容量変化を検出する静電容量型圧力センサ、及び検出する静電容量の補償信号の提供方法に関する。
従来から、半導体基板を利用した静電容量型圧力センサが周知である(例えば、特許文献1参照)。この静電容量型圧力センサは、半導体基板の一部分を、例えばエッチング等の技術を用いて他の領域よりも薄膜とすることによって形成された、ダイアフラムを具えている。また、半導体基板の表面に密着して絶縁性部材が設けられている。そして、ダイアフラムが形成された領域において、これら半導体基板と絶縁性部材とによって密閉された空間、すなわち密閉室が形成される。更に、静電容量型圧力センサは、絶縁性部材上にダイアフラムと対向して設けられた電極膜を具えている。
特許文献1に開示の静電容量型圧力センサでは、外圧が印加されていない場合の密閉室内の圧力を基準圧力、及びダイアフラム及び電極膜間の静電容量を基準容量とする。なお、ダイアフラム及び電極膜間の静電容量を密閉室内の静電容量と称することもある。そして、外圧が印加されたとき、密閉室内の外側の圧力変化に応じてダイアフラムが変形することよって、ダイアフラム及び電極膜間の離間距離が変化する。その結果、これらダイアフラム及び電極膜間の静電容量が基準容量から変化する。静電容量型圧力センサでは、この静電容量の変化量から密閉室内の圧力の変化量を算出し、求められる変化量を用いてダイアフラムに加わる圧力を決定している。
また、上述の静電容量型圧力センサは、半導体基板に電極膜と接触して配線、すなわち拡散配線層が設けられている。電極膜が拡散配線層としての配線を経て、パッドと接続されている。密閉室内の静電容量は、このパッドにおいて出力される電気信号、例えば電圧に反映されている。このパッドにおいて検出された電気信号から、当該静電容量型圧力センサの外部で密閉室内の静電容量が求められる。そして、この静電容量から、基準容量からの変化量が求められ、この変化量から圧力が決定されている。
ところで、このような構造を具えた静電容量型圧力センサの検出精度は、密閉室及び拡散配線層の温度特性に依存する。すなわち、密閉室においては、この密閉室を封止する半導体基板、ダイアフラム、及び絶縁性部材の各熱膨張係数の差に起因して、ある温度下で、それぞれが各々の熱膨張において異なる変形を起こす。その結果、検出される容量に誤差が生じ、そのため、検出精度が低下するという問題が生じる。
また、密閉室及び拡散配線層間においても、同様に、互いの温度特性の差から、検出精度が低下するという問題が生じる。すなわち、検出すべき密閉室内の静電容量は、この密閉室と温度特性が異なる拡散配線層を経由して、パッドで出力される電気信号に反映されている。そのため、温度特性に起因して電気信号に誤差が生じ、検出される静電容量に誤差が生じる。
また、半導体基板と、この半導体基板に作り込まれた拡散配線層との間に逆バイアスが印加されるので、半導体基板中の拡散配線層下部には、pn接合による空乏層が形成される。そのため、検出すべき密閉室の静電容量に、この空乏層の寄生容量が加わることによって、検出される静電容量に誤差が生じるという問題がある。
これら温度特性及び空乏層の寄生容量による検出精度の低下を防止するために、以下のような構造の静電容量型圧力センサが周知である。
例えば、密閉室内の静電容量の温度依存性を抑制するために、熱膨張係数が同程度である材料によって半導体基板、ダイアフラム、及び絶縁性部材を形成する構造が周知である(例えば、特許文献2参照)。半導体基板、ダイアフラム、及び絶縁性部材を熱膨張係数が同程度である材料によって設けることによって、これら半導体基板のダイアフラム、及び絶縁性部材の各熱膨張係数の差に起因した検出精度の低下を抑制することができる。
また、外圧によって容量が変化するアクティブ容量部と、外圧によって容量が変化しない基準容量部とを具え、これらの容量の差または比から外圧を検出する容量型圧力センサが提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
また、特許文献3に開示の容量型圧力センサでは、基準容量部及び基板間に誘電体を設けることによって、寄生容量を低減させている。また、特許文献2に開示の容量型圧力センサでは、アクティブ容量部に設けられたダイアフラムに、熱膨張差を緩和させるための応力緩和膜を形成し、アクティブ容量部における熱膨張係数の差による検出精度の低下を抑制している。
また、ゲージの抵抗変化から圧力を検出する、いわゆる抵抗型圧力センサについて、上述した温度依存による誤差を補正するための構造が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この特許文献4に開示の抵抗型圧力センサでは、圧力不感部に、圧力検知部であるゲージと同一構造の温度補償用ゲージを形成する。そして、温度補償用ゲージからの出力を以て、圧力検知部であるゲージの温度依存性に起因した誤差の補正を行っている。
特開平1−253627号公報
特開2000−214035号公報
特開2000−121472号公報
特開昭56−145327号公報
しかしながら、特許文献2及び3に開示の容量型圧力センサは、アクティブ容量部と基準容量部とをそれぞれ独立して形成する構造であるため、容量型圧力センサのチップ面積が大きくなる。そのため、特許文献2及び3に開示の容量型圧力センサの構造では、単位ウエハ当たりに形成可能なチップの個数が減少するため、製造コストの増大に繋がる。
また、特許文献2及び3に開示の容量型圧力センサでは、アクティブ容量部と基準容量部とが、それぞれ異なる構造または形状で形成されている。その結果、アクティブ容量部及び基準容量部の比誘電率が異なるため、これらアクティブ容量部及び基準容量部間において温度特性に差異が生じ、検出精度に誤差が生じる。そして、この誤差を解消する場合には、アクティブ容量部及び基準容量部のそれぞれに対して、温度特性の補正を行う必要があるため、製造コストの増大に繋がる。
また、特許文献4に開示の抵抗型圧力センサでは、圧力検知部であるゲージ及び温度補償用ゲージの、各周辺構造の違いから、これらのゲージはそれぞれ異なる温度条件化に存在する。その結果、各々の温度特性、抵抗値、及び抵抗安定性に差異が生じ、検出精度に誤差が生じる。従って、誤差を解消するために、温度特性の補正を行う場合があり、製造コストの増大に繋がる。
この発明の目的は、製造コストを増大させることなく、温度特性及び空乏層の寄生容量による検出精度の低下を抑制することができる静電容量型圧力センサ、及び検出される静電容量の補償信号の提供方法を提案することにある。
上述の目的の達成を図るため、発明者らは、鋭意研究した結果、静電容量型圧力センサの構造を、空乏層の寄生容量及び温度特性に起因して生じる静電容量の誤差を補償できる電気信号を生成する構造とすることによって、圧力を決定するための所要の電気信号を精度良く提供できることを見出した。そこで、この発明による静電容量型圧力センサは、以下の特徴を有する。
すなわち、静電容量型圧力センサは、半導体基板の一部分として形成されたダイアフラムと、絶縁性部材上にダイアフラムと対向して設けられた電極膜との間の静電容量変化を検出する静電容量型圧力センサであって、半導体基板にそれぞれ離間して設けられた第1及び第2拡散配線層を具える。そして、第1拡散配線層は、電極膜に接触して設けられている。また、第2拡散配線層は、電極膜に対して非接触の状態で、かつ第1拡散配線層と同一の形状及び寸法で設けられている。
また、この発明による静電容量の補償信号の提供方法は、上述の静電容量型圧力センサを用いて静電容量を検出するに当たり、第1拡散配線層を経て検出される、ダイアフラムと電極膜との間の第1静電容量の、第1拡散配線層を経ることによる誤差分を、第2拡散配線層を経て検出される第2静電容量によって補償するために、誤差分を含む第1静電容量が反映された第1電気信号と、第2静電容量が反映された第2電気信号とを出力させる。
この発明による静電容量型圧力センサは、第1拡散配線層に係る温度特性からの誤差、及び寄生容量が加わることによる誤差を補償するために、第2拡散配線層を具えている。この第2拡散配線層は、第1拡散配線層と同一の形状及び寸法で設けられているため、第1拡散配線層と同様の寄生容量及び温度特性を有する。そして、第2拡散配線層は、電極膜に対して非接触の状態で形成されている。そのため、この発明による静電容量型圧力センサによれば、第1拡散配線層としての配線を経て第1電気信号に反映している第1静電容量を提供できるとともに、検出すべき静電容量に加わる、第1拡散配線層の寄生容量及び温度特性に起因する誤差分としての第2静電容量のみが反映した第2電気信号を、第2拡散配線層を経て出力して提供することができる。従って、静電容量型圧力センサの外部において適切な処理回路によって、提供された第1電気信号に反映されている第1静電容量を、提供された第2電気信号に反映されている第2静電容量を以て補償することが可能となり、よって、圧力検出時に、拡散配線層の寄生容量及び温度特性に起因した静電容量、従って検出すべき圧力の検出精度の低下を抑制することができる。
また、第1拡散配線層と同一の形状及び寸法の第2拡散配線層を設けるのみで、静電容量の誤差の補償を行うことができるため、製造コストの増大を抑えることができる。
以下、図面を参照して、この発明に係る静電容量型圧力センサについて説明する。なお、各図は、この発明が理解できる程度に、各構成要素の形状、大きさ、及び配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、この発明の構成は、何ら図示の構成例にのみ限定されるものではない。
〈第1の実施の形態〉
第1の実施の形態では、寄生容量及び温度特性に起因の検出精度の低下を防止するに当たり、検出誤差を補償するために2つの拡散配線層を具えた静電容量型圧力センサについて説明する。なお、以下の説明において、静電容量型圧力センサを単にセンサと称する場合もある。
第1の実施の形態では、寄生容量及び温度特性に起因の検出精度の低下を防止するに当たり、検出誤差を補償するために2つの拡散配線層を具えた静電容量型圧力センサについて説明する。なお、以下の説明において、静電容量型圧力センサを単にセンサと称する場合もある。
図1及び図2は、この発明の第1の実施の形態による静電容量型圧力センサの説明に供する図である。そして、図1は第1の実施の形態による静電容量型圧力センサを説明する部分的平面図である。また、図2は図1に示すI−I線における切り口をI−I線に付した矢印方向から見た端面図である。
第1の実施の形態による静電容量型圧力センサは、半導体基板11及び絶縁性部材13を具える。そして、半導体基板11には、この半導体基板11の一部分としてダイアフラム15が形成されている。
ダイアフラム15は、例えば周知のフォトリソ技術及びエッチング技術を用いて、半導体基板11を、半導体基板11の表面11a及び表面11aと対向する裏面11bの両側から薄膜化することにより形成されている。
また、絶縁性部材13上、すなわち絶縁性部材13の表面13aには、電極膜17が設けられている。ここで、電極膜17が設けられた絶縁性部材13の表面13aは、平坦面である。そして、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサでは、半導体基板11の表面11aまたは裏面11bと、絶縁性部材13の表面13aとが密着して接合される。なお、この第1の実施の形態では、半導体基板11の表面11aに絶縁性部材13の表面13aが密着して設けられた構成例について、図2に示すとともに説明する。このように、半導体基板11及び絶縁性部材13の各表面11a及び13aを密着して配設することによって、半導体基板11のダイアフラム15が形成された領域では、半導体基板11の表面11aと絶縁性部材13の表面13aとが離間し、かつ半導体基板11及び絶縁性部材13によって密閉された空間、すなわち密閉室19が形成される。また、電極膜17は、密閉室19内において、ダイアフラム15と互いに対向して設置される。
第1の実施の形態による静電容量型圧力センサでは、密閉室19内の静電容量、すなわち密閉室19内のダイアフラム15と電極膜17との間の静電容量を基準容量とする。ダイアフラム15は、図2に矢印で示した圧力pがセンサ外から加わることにより撓むため、外圧に応じてダイアフラム15及び絶縁性部材13間の離間距離が変化する。その結果、ダイアフラム15と電極膜17との間の静電容量、すなわち密閉室19内の静電容量は、基準容量から変化する。第1の実施の形態による静電容量型圧力センサは、本来は、このダイアフラム15と電極膜17との間の、基準容量に対する静電容量変化が反映された電気信号を提供することが望ましい。そして、このセンサ外部の適切な処理回路において、この電気信号から静電容量の変化量を算出することによって、圧力が決定される。
そこで、密閉室19を封止する半導体基板11、ダイアフラム15、及び絶縁性部材13の各熱膨張係数の差に起因した、検出精度の低下を抑制するために、ダイアフラム15を含む半導体基板11及び絶縁性部材13の材料として、同程度の熱膨張係数を有する材料を用いるのが好ましい。例えば、半導体基板11としてSi(シリコン)基板を用いたときには、絶縁性部材13として、例えば、Siと熱膨張係数が同程度であるパイレックス(登録商標)ガラスを用いるのが好ましい。
また、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサでは、ダイアフラム15の可動性を考慮し、ダイアフラム15を例えば20μmの厚みに設定し、また、密閉室19内において、ダイアフラム15と電極膜17とからキャパシタを形成し、可変容量部として機能させるために、ダイアフラム15及び電極膜17間の離間距離を例えば3μmに設定するのが好ましい。また、電極膜17として例えばAu(金)、Ti(チタン)、Cr(クロム)等の金属を用いるのが好ましい。
また、半導体基板11は、p型またはn型の不純物が導入された、導電性を有した半導体基板を用いる。ここで、この第1の実施の形態による静電容量型圧力センサでは、好ましくは、p型の導電性を有した半導体基板を用いるのが好適である。この理由については後述する。そこで、この実施の形態では、導電性を有した半導体基板11として、例えばB(ホウ素)イオン等の不純物が導入されたp型の導電性Si基板を用いるのが好ましい。
また、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサは、半導体基板11にそれぞれ離間して設けられた第1拡散配線層21及び第2拡散配線層23を具えている。
第1拡散配線層21は、密閉室19内の静電容量を検出する際の配線として機能する。そのために、第1拡散配線層21は、電極膜17に接触して設けられている。そして、第1拡散配線層21を配線として機能させるために、密閉室19の外側の半導体基板11の表面11aであって、第1拡散配線層21上には、この第1拡散配線層21上に検出用の第1電極としての第1パッド25が設けられている。
第1拡散配線層21は、上述した半導体基板11に導入されている不純物と逆の導電型の不純物を、表面11aから導入することによって形成されている。ここで、既に説明したように、この実施の形態による静電容量型圧力センサでは、p型の半導体基板11を用いるのが好ましい。そこで、第1拡散配線層21は、p型の半導体基板11中に、逆の導電性を有するn型の不純物領域として形成する。
このように各導電性を設定することで、半導体基板11と絶縁性部材13とを密着させて接合する際に、半導体基板11中のp型領域とn型の第1拡散配線層21とのpn接合面26の特性劣化を抑制することができる。より詳細には、例えばパイレックス(登録商標)ガラス等の絶縁性部材13は、周知の陽極接合技術を用いて半導体基板11に接合される。この接合のとき、半導体基板11側を陽極とし、また絶縁性部材13側を陰極として高電圧が印加される。そのため、半導体基板11中のp型領域とn型の第1拡散配線層21との間には強いバイアス電圧が加わる。このとき、上述したようなp型の半導体基板11にn型の第1拡散配線層21を形成する構成としておくことによって、これらのpn接合面26では、バイアス電圧は順方向となる。その結果、このpn接合面26の劣化を抑制することができる。
また、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサでは、第1拡散配線層21を電極膜17及び第1パッド25間の配線として機能させるために、例えばP(リン)等のn型の不純物を、半導体基板11の表面11aから0.2〜1.0μm程度の深さで導入することによって形成している。また、第1パッド25を、例えばAl(アルミニウム)を材料として形成している。
ところで、静電容量型圧力センサの作動時に、半導体基板11中のp型領域とn型の第1拡散配線層21とのpn接合面26に形成される空乏層の寄生容量と、その温度特性とに起因して、検出すべき静電容量に誤差が発生する。
この実施の形態では、静電容量の誤差を補償する目的で第2拡散配線層23を設けている。
そのために、第2拡散配線層23を電極膜17に対して非接触の状態で、かつ第1拡散配線層21と同一の形状及び寸法で設けている。従って、第2拡散配線層23は、第1拡散配線層21と同じ不純物、例えばP(リン)等のn型の不純物が、半導体基板11の表面11aから0.2〜1.0μm程度の深さで導入されることによって形成されている。このように、第1拡散配線層21と同様の構成で第2拡散配線層23を設けることによって、これら第1及び第2拡散配線層21及び23は、同様の温度特性を示すとともに、それぞれにバイアス電圧が印加されたときに発生する、空乏層に起因する寄生容量が等しくなる。
従って、静電容量型圧力センサの作動時に、基準電位点、例えばグラウンドと第1拡散配線層21との間に印加したバイアス電圧と等しいバイアス電圧を、グラウンドと第2拡散配線層23との間に印加することによって、補償すべきpn接合面26に形成される空乏層の寄生容量と温度特性とに起因する静電容量の誤差の大きさ、すなわち変化量を知ることができる。
この第1の実施の形態では、この容量の誤差の大きさ、すなわち変化量を検出するために、半導体基板11の表面11aであって、第2拡散配線層23上に、第2電極としての第2パッド27を設けている。第2パッド27は、上述した第1パッド25と同様に、例えばAlを材料として形成されている。
また、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサは、動作時に、すなわち第1パッド25との間で第1拡散配線層21へ、また第2パッド27との間で第2拡散配線層23へ同一の電圧をそれぞれ与えるための基準点として、グラウンドとして機能するアース電極、すなわち第3パッド29を具えている。この第3パッド29を、第1及び第2パッド25及び27と同様に例えばAlを材料として形成している。そして、第3パッド29は、半導体基板11上に、第1及び第2拡散配線層21及び23とは非接触の状態で設けられている。また、第1の実施の形態では、第1パッド25、第2パッド27、及び第3パッド29を、それぞれ半導体基板11の表面11a上に、絶縁膜31を介して設けるのが好ましい。その場合には、絶縁膜31の第1パッド25、第2パッド27、及び第3パッド29のそれぞれの設置領域を開口し、この開口部においてこれら第1パッド25、第2パッド27、及び第3パッド29と半導体基板11の表面11aとが接する構造とする。なお、図1及び2の構成例では、一例として第1パッド25、第2パッド27、及び第3パッド29に対して、共通の連続的な絶縁膜31を設けた場合を示している。
次に、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサを用いて、検出すべき静電容量を補償する方法について説明する。図3(A)及び(B)は、第1の実施の形態による静電容量の検出方法を説明する図であり、図3(A)は、静電容量型圧力センサにおける、第1電極すなわち第1パッド25、及びアース電極すなわち第3パッド29間に形成される等価回路を概略的に示した図である。また、図3(B)は、第2電極すなわち第2パッド27、及び第3パッド29間に形成される等価回路を概略的に示した図である。通常、圧力を検出するためには、第1パッド25と第3パッド29との間に、例えば矩形波変圧を一定周期で印加して、圧力による静電容量変化に基づくその応答特性、従って第1及び第3パッド25及び29間に生じた第1電気信号の波形の変化を検出する。上述したように、この静電容量に誤差が生じている場合には、検出された第1電気信号の補償を行う必要がある。
そこで、第1の実施の形態による静電容量の補償方法では、電源の正極を第1パッド25に、また負極を第3パッド29にそれぞれ接続して(図3(A)参照)、電圧を印加すると、半導体基板11中のp型領域とn型である第1拡散配線層21との間に逆のバイアス電圧が印加される。その結果、第1拡散配線層21は、電極膜17に接続された配線として機能する。また、この逆のバイアス電圧の印加によってpn接合面26に空乏層が形成され、この空乏層を媒体とした静電容量、すなわち寄生容量C2が形成される。この寄生容量C2は、第1パッド25及び第3パッド29間において、ダイアフラム15と電極膜17との間の静電容量C1と並列に接続される。従って、第1パッド25及び第3パッド29間では、ダイアフラム15と電極膜17との間の静電容量C1、及び第1拡散配線層21の寄生容量C2の和、すなわち合成静電容量C1+C2が存在することになる。この合成静電容量C1+C2は、第1拡散配線層21としての配線を経て第1パッド25と第3パッド29との間で提供すなわち検出され、第1電気信号に反映されるため、この合成静電容量には第1拡散配線層21の温度特性に起因の誤差が含まれている。
一方、電源の正極を第2パッド27に、また負極を第3パッド29にそれぞれ接続して(図3(B)参照)電圧を印加することよって、半導体基板11中のp型領域とn型である第2拡散配線層23との間に逆方向のバイアス電圧が印加される。この逆バイアス電圧の印加によって、これらp型領域とn型である第2拡散配線層23との間に空乏層が形成され、この空乏層を媒体とした静電容量、すなわち寄生容量C3が形成される。
既に説明したように、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサでは、第1及び第2拡散配線層21及び23は、同一の形状及び寸法で、かつ同一の不純物が導入されて設けられている。従って、第1拡散配線層21へ印加するバイアス電圧、及び第2拡散配線層23へ印加するバイアス電圧を等しく設定することによって、第1拡散配線層21の寄生容量C2、及び第2拡散配線層23の寄生容量C3は、等しくなる。更に、第2拡散配線層23は、第1拡散配線層21の温度特性と同様の温度特性を有する。従って、第2拡散配線層23を経ることによって、第2パッド27及び第3パッド29間で提供すなわち検出される第2電気信号に反映される寄生容量C3には、第1パッド25及び第3パッド29間で検出される合成静電容量C1+C2と同様の、温度特性に起因の誤差が含まれる。従って、第2パッド27及び第3パッド29間に検出される寄生容量C3は、第1パッド25及び第3パッド29間において検出すべき正規の静電容量C1に含まれる誤差、すなわち第1拡散配線層21の寄生容量C2が加わることによる誤差、及び第1拡散配線層21の温度特性に起因の誤差に相当する静電容量である。
従って、第1の実施の形態による静電容量の補償方法によれば、第1及び第3パッド25及び29間と第2及び第3パッド27及び29間とに、それぞれ同一の矩形波電圧信号を一定周期でそれぞれ同じタイミングで印加する。これら電圧が印加されているときに、外圧Pがセンサに加わって、ダイアフラム15と電極膜17との間の距離が変化して、これらダイアフラム15と電極膜17との間の静電容量が基準容量から変化すると、これら印加電圧に対する応答特性も変化する。それぞれの応答特性は、第1及び第2電気信号としての電圧信号に表れるので、第1及び第3パッド25及び29間に提供される応答信号としての第1電気信号と、第2及び第3パッド27及び29間に提供される第2電気信号とをそれぞれ検出する。これら検出された第1及び第2電気信号をセンサ外部の任意好適な処理回路において電気的処理を行えば、配線としての第1拡散配線層21を経て、第1パッド25及び第3パッド29間に検出される第1電気信号に反映される第1静電容量、すなわち合成静電容量C1+C2を、第2拡散配線層23を経て、第2パッド27及び第3パッド29間に検出される第2電気信号すなわち補償信号に反映される第2静電容量、すなわち寄生容量C3を以て補償することができる。これによって、誤差が補償された、ダイアフラム15と絶縁性部材17との間の正規の静電容量C1を検出することが可能となる。
第1の実施の形態よる静電容量型圧力センサでは、ダイアフラム15と絶縁性部材13とを、同程度の熱膨張係数の材料で形成することによって、これらダイアフラム15及び絶縁性部材13の温度特性の差に起因する静電容量の検出精度の誤差を抑制することができる。
また、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサは、第1拡散配線層21に係る温度特性に起因の誤差、及び寄生容量が加わることによる誤差を補償するために、第2拡散配線層23を具えている。この第2拡散配線層23は、第1拡散配線層21と同一の形状及び寸法で形成されているため、同一の不純物を導入して形成することによって、第1拡散配線層21と同様の寄生容量及び温度特性を有する。そして、第2拡散配線層23は、電極膜17に対して非接触の状態で形成されている。そのため、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサでは、検出すべき正規の静電容量に加わる、第1拡散配線層21の寄生容量及び温度特性に起因の誤差分のみを、第2拡散配線層23を利用して検出することを可能にする電気信号を提供できる。従って、第1の実施の形態による静電容量型圧力センサから提供された電気信号を用いて、第1拡散配線層21を配線として検出した第1静電容量を、第2拡散配線層23を経て検出した第2静電容量を以て補償することにより、拡散配線層の寄生容量及び温度特性に起因の精度低下を抑制することができる。
11:半導体基板
13:絶縁性部材
15:ダイアフラム
17:電極膜
19:密閉室
21:第1拡散配線層
23:第2拡散配線層
25:第1パッド
27:第2パッド
29:第3パッド
31:絶縁膜
13:絶縁性部材
15:ダイアフラム
17:電極膜
19:密閉室
21:第1拡散配線層
23:第2拡散配線層
25:第1パッド
27:第2パッド
29:第3パッド
31:絶縁膜
Claims (5)
- 半導体基板の一部分として形成されたダイアフラムと、絶縁性部材上に前記ダイアフラムと対向して設けられた電極膜との間の静電容量変化を検出する静電容量型圧力センサであって、
前記半導体基板にそれぞれ離間して設けられた第1及び第2拡散配線層を具え、
該第1拡散配線層は、前記電極膜に接触して設けられており、
前記第2拡散配線層は、前記電極膜に対して非接触の状態で、かつ前記第1拡散配線層と同一の形状及び寸法で設けられている
ことを特徴とする静電容量型圧力センサ。 - 請求項1に記載の静電容量型圧力センサであって、
前記半導体基板と前記絶縁性部材とは、同程度の熱膨張係数を有する材料で形成されている
ことを特徴とする静電容量型圧力センサ。 - 請求項1または2に記載の静電容量型圧力センサであって、
前記第1拡散配線層上に設けられた第1電極と、
前記第2拡散配線層上に設けられた第2電極と、
前記半導体基板上に、前記第1及び第2拡散配線層とは非接触の状態で設けられたアース電極とを具える
ことを特徴とする静電容量型圧力センサ。 - 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の静電容量型圧力センサを用いて静電容量を検出するに当たり、
前記第1拡散配線層を経て検出される、前記ダイアフラムと前記電極膜との間の第1静電容量の、前記第1拡散配線層を経ることによる誤差分を、前記第2拡散配線層を経て検出される第2静電容量によって補償するために、
前記誤差分を含む前記第1静電容量が反映された第1電気信号と、前記第2静電容量が反映された第2電気信号とを出力する
ことを特徴とする静電容量の補償信号の提供方法。 - 請求項4に記載の静電容量の補償信号の提供方法であって、
前記第1電気信号を前記第1電極から、また前記第2電気信号を前記第2電極から出力させる
ことを特徴とする静電容量の補償信号の提供方法。
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JP2008106939A JP2009257916A (ja) | 2008-04-16 | 2008-04-16 | 静電容量型圧力センサ及び静電容量の補償信号の提供方法 |
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- 2008-04-16 JP JP2008106939A patent/JP2009257916A/ja active Pending
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