JP2009256945A - フラップ扉付キャビネット - Google Patents

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理 吹本
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Abstract

【課題】扉の回動軌跡を小とすることができるとともに、支持アームに屈曲部を設けることなく、開扉時に支持アームと天板との干渉を避けることができ、しかも、天板の前端と扉との間に間隙が形成されるのを可及的に減少しうるようにしたフラップ扉付キャビネットを提供する。
【解決手段】キャビネット本体7における両内側板9bに、左右方向を向く枢軸である段付きねじ13をもって基端部が枢着され、かつ先端部が、扉8の後面における両側下部に固着されて、扉8を枢軸を中心として回動自在に支持する左右1対の支持アーム12における前部上縁に、開扉時に、キャビネット本体7における天板7bの前端部が進入しうるようにした凹入部12aを設け、この凹入部12aの前縁を、枢軸を中心とする円弧状またはそれに近似する形状とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、前面開口部を閉塞するフラップ扉を、上方に回動させて開くようにしたフラップ扉付キャビネットに関する。
オフィスなどの執務空間においては、収納効率を向上させるため、机その他の什器の上方に、低寸のキャビネットを配設することが多い。
このようなキャビネットには、前面開口部を開閉する扉として、下端部を前上方に持ち上げて開くフラップ扉が多く用いられている。
この種のフラップ扉付キャビネットには、扉を安定して開閉できるようにするため、前面が開口する箱状のキャビネット本体における両側板に、左右1対の支持アームの基端部を、左右方向を向く枢軸をもって枢着し、この両支持アームの先端部を、扉の後面における両側下部に固着し、両支持アームにより、扉を枢軸を中心として回動自在に支持するようにしたものがある(例えば特許文献1および2参照)。
これらのフラップ扉付キャビネットにおいては、扉を開いたとき、両支持アームがキャビネット本体の天板と緩衝しないようにするため、両支持アームを側面視L字状等に適宜折曲したものが多い。
特開2003−106036号公報 特開2007−154584号公報
しかし、従来のこの種のフラップ扉付キャビネットにおいては、支持アームの中間部が屈曲しているので、そこに応力が集中して、破損しやすく、また、扉を開いたとき、その支持アームの屈曲部に他物が当接して、他物を傷付ける等のおそれがあり、さらに、閉扉時または開扉時に、キャビネット本体における天板の前端と扉の後面とが離間し、その間隙から塵埃がキャビネット本体内に進入したり、体裁が悪くなったりするおそれがある。
また、扉の後面や、支持アームの前端部が、天板の前端部と干渉しないようにするため、開扉時に、支持アームの前端部を、キャビネット本体の前面の開口より前方に大きく突き出さなければならず、そのため、扉の回動軌跡が大となって、キャビネット周辺に大きな専有スペースを必要とするという問題もある。
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、扉の回動軌跡を小とすることができるとともに、支持アームに屈曲部を設けることなく、開扉時に支持アームと天板との干渉を避けることができ、しかも、天板の前端と扉との間に間隙が形成されるのを可及的に減少しうるようにしたフラップ扉付キャビネットを提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1) キャビネット本体における前面開口部を開閉する扉を、上下方向を向く閉止位置から、下端部を前上方に持ち上げて開くようにしたフラップ扉付キャビネットにおいて、キャビネット本体における両側板に、左右方向を向く枢軸をもって基端部が枢着され、かつ先端部が、前記扉の後面における両側下部に固着されて、前記扉を枢軸を中心として回動自在に支持する左右1対の支持アームにおける閉扉時の前部上縁に、開扉時に、キャビネット本体における天板の前端部に嵌入しうるようにした凹入部を設け、この凹入部の前縁を、前記枢軸を中心とする円弧状、またはそれに近似する形状とする。
このような構成とすると、扉を開いたとき、支持アームの凹入部に、天板の前端部が相対的に進入することにより、支持アームと天板との干渉を避けることができ、そのとき、凹入部の前縁は、枢軸を中心とする円弧状、またはそれに近似する形状をなしているので、その前縁と天板の前端との間隔は、扉の開閉時に変動することがなく、常時微小な値に維持することができる。
したがって、扉の回動軌跡を小とすることができるとともに、天板の前端と扉との間に間隙が形成されるのを可及的に減少することができる。
また、支持アームの上縁に、天板の前端部に嵌入する凹入部を設けたことにより、支持アームの前端における扉の後面への固着部分の上下寸法を大として、扉を安定して支持することができるとともに、支持アームの中間部に屈曲部を設ける必要がなくなり、扉を開いたとき、従来のように、そのような屈曲部が前方に露呈することがなく、そこに他物が当接するおそれもない。
(2) 上記(1)項において、凹入部の後縁を、扉の全開時に、キャビネット本体の天板の下面とほぼ平行をなす直線状に形成する。
このような構成とすると、支持アームの上縁の形状を簡素化することができ、支持アームを容易に製造することができるとともに、支持アームの体裁をよくすることができる。
(3) 上記(1)または(2)項において、扉の後面上部に、閉扉時に、扉の後面と天板の前端との間隙を閉塞する閉塞部材を設け、この閉塞部材の後面を、枢軸を中心とする円弧面、またはそれに近似する形状とする。
このような構成とすると、閉塞部材の後面と天板の前端との間隔は、扉の開閉時に変動することがなく、常時微小な値に維持することができる。
したがって、閉塞部材の後面と天板の前端との間隙を、可及的に小とすることができ、その間隙から塵埃がキャビネット本体内に進入するのを防止することができるとともに、側面視の体裁をよくすることができる。
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、キャビネット本体における天板の前端面を、枢軸を中心とする円弧面またはその弦をなす傾斜面とする。
このような構成とすると、支持アームにおける凹入部の前縁、および閉塞部材の後面(上記(3)項の構成)を、天板の前端面に近接させることができ、それらの間隙を小さくすることができる。
(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、キャビネット本体に、扉を開く方向に向かって付勢する付勢手段を設け、かつ支持アームの上縁における凹入部より枢軸寄りの部分に、枢軸と直交する方向を向く当接部を設け、扉の全開時に、前記当接部が当接して、扉を全開位置に停止させるとともに、当接時の衝撃を緩和するようにしたダンパーを、キャビネット本体に設ける。
このような構成とすると、扉が全開位置に達したとき、支持アームに余計な応力が発生することなく、安定して、扉を停止させることができるとともに、そのときの衝撃を、効果的に緩和することができる。
本発明によると、扉の回動軌跡を小とすることができるとともに、支持アームに屈曲部を設けることなく、開扉時に支持アームと天板との干渉を避けることができ、しかも、天板の前端と扉との間に間隙が形成されるのを可及的に減少しうるようにしたフラップ扉付キャビネットを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を備えるキャビネット付デスクの斜視図である。
このデスク1は、左右1対の側脚2、2と、両側脚2、2上に設けられた天板3と、各側脚2の上部後端に連結された左右方向を向く横連結材4とを備えており、天板2の後端と横連結材4との間には、OA機器等の配線収容用の配線ダクト4aが形成されるとともに、この配線ダクト4a内の左右両側部には、左右1対の支柱5、5が立設され、両支柱5、5によってフラップ扉付キャビネット6が支持されている。なお、図示の例では、1個のキャビネット6を両支柱5、5によって支持しているが、複数のキャビネットを左右方向に並べて両支柱5、5によって支持することもある。
このキャビネット6は、左右方向に長い横長箱状のキャビネット本体7と、キャビネット本体7の前面開口部を開閉するフラップ式の扉8とを備えている。この扉8は、後述するような構成により、上下方向を向く閉止位置から、下端を前上方に持ち上げて開くようになっている。
キャビネット本体7における左右の側板9、9は、外側板9aと内側板9bとからなる中空の二重壁構造をなし、その中空部には、扉8を開閉自在に支持する支持アームおよびバランス機構が収容されている。
図2は、右側の側板9の内部の構造を示す分解斜視図、図3は、左右の支持アームとラッチレバーとを示す分解斜視図、図4は、外側板を外し、かつ扉を閉じたときの側面図、図5は、同じく扉を開いたときの側面図、図6は、ラッチレバーの左部の拡大分解斜視図、図7は、同じく組み付けた状態の拡大分解斜視図である。
図2〜図5に示すように、各内側板9bにおける中心よりやや後上方に寄った位置には、ボス10が外向きに突設され、このボス10には、付勢手段である大径のねじりコイルばね11が遊嵌され、またボス10の先端面中央には、扉8の各側端部を支持する支持アーム12の回動中心が、枢軸をなす段付ねじ13をもって枢着されている。
扉8は、左右1対の支持アーム12、12の前端部を、扉8の両側下部の後面に当接して、複数のタッピンねじ14をもって固着することにより、図4に示すように、キャビネット本体7の前面開口部を閉止する閉止位置と、図5に示すように、キャビネット本体7の上方にはね上げられた全開位置との間を、枢軸である段付ねじ13を中心として回動しうるようにキャビネット本体7に枢支されている。
キャビネット本体7の前上部には、扉8を短い回動半径で大きく開くことができるようにするための面取り状の切欠き7aが設けられており、扉8の後面上部には、閉扉時に、この切欠き7aを閉塞する、すなわち、扉8の後面と天板7bの前端との間隙を閉塞するための側面視ほぼ楔状の閉塞部材15が固着されている。
この閉塞部材15の後面は、段付ねじ13を中心とする円弧面、またはそれに近似する形状としてある。図4および図5に示す例では、閉塞部材15の円弧状の後面上部に、後方に向かってわずかに突出する左右方向の突条15aを設け、閉扉時における天板7bの前端との間隙を可及的に減小しうるようにしてある。
左右の支持アーム12、12の前部上縁には、扉8が全開位置まで開いたとき、キャビネット本体7の天板7bの前端部に嵌入するようにした凹入部12aが設けられている。
この凹入部12aの前縁は、枢軸である段付ねじ13を中心とする円弧状、またはそれに近似する形状とし、凹入部12aの後縁は、扉8の全開時に、キャビネット本体7の天板7bの下面と平行をなす直線状としてある。
図4および図5に示す例では、凹入部12aの前縁は、段付ねじ13を中心とする円弧の弦をなす直線状としてある。なお、この凹入部12aの前縁は、閉塞部材15の後面と同一の曲率半径の円弧面、またはそれに近似する形状とするのが望ましい。
このような構成とすることによっても、扉8を短い回動半径で大きく開くことができる。なお、切欠き7aが設けられた内側板9bの上部前縁および天板7bの前端面は、枢軸である段付ねじ13から扉8までの最短距離を半径とする円弧に近接する円弧または弦とするのが好ましい。
各支持アーム12における凹入部12aの後縁より連続する直線部分における段付ねじ13側の端部には、ほぼ直角をなして段付ねじ13に向かう当接部12bが形成されている。
この当接部12bは、段付ねじ13の中心軸線と直交する方向を向き、扉の全開時に、後述するダンパー20に当接するようになっている。
扉8は、閉止位置のとき、キャビネット本体7における底板16の前端に当接するようになっており、この底板16の前端下部には、閉止位置のときの扉8の下端から後下向きになだらかに傾斜する傾斜面16aが設けられ、またその傾斜面16aの後方における底板16の下面前部には、上方に向かって凹入する左右方向の凹入溝16bが設けられている。
ねじりコイルばね11は、線材を螺旋状に巻回した巻回部11aと、その巻回部11aから線材の両端部を接線方向に延出させた両延出部11b、11cとからなり、その一方の延出部11bの先端部を、巻回部11aの中心から離れる方向に向けて折曲した折曲端部11dを、内側板9bに固着した微調整金具17の上面の前端から後方に向けて設けたガイド溝17aに嵌合し、かつ他方の延出部11cの先端部を外側板9a側に向けて折曲した折曲端部11eを、支持アーム12における段付きねじ13を中心とする同一円周上に設けた複数の係止孔18のいずれかに選択的に嵌合することにより、扉8を開く方向に付勢している。
微調整金具17は、その上下方向の中央部が外側方に向かって断面コ字状に突出し、その突出部分の後端壁に設けた前後方向を向くねじ孔(図示略)に調整ねじ19が後方より螺合し、この調整ねじ19の前端をねじりコイルばね11の折曲端部11dに当接させ、この調整ねじ19を回転させることにより、折曲端部11dをガイド溝17aに沿って前方に押し出し、ねじりコイルばね11の初期付勢力を大としたり、調整ねじ19を緩めて、折曲端部11dを後方に移動させ、ねじりコイルばね11の初期付勢力を弱めたりすることができるようになっている。
ガイド溝17aの方向は、図示の例では、前後方向を向くようにしてあるが、それに沿ってねじりコイルばね11の折曲端部11dが移動することにより、ねじりコイルばね11の初期付勢力が変動しうるような方向であれば、どのような方向でもよい。
さらに、ねじりコイルばね11の折曲端部11eを、下方の係止孔18に嵌合することにより、ねじりコイルばね11の初期付勢力を大とすることができ、上方の係止孔18に嵌合することにより、初期付勢力を弱めることができる。
なお、図示の実施形態においては、複数の係止孔18を、段付きねじ13を中心とする同一円周上に、1列として設けてあるが、段付きねじ13を中心とする半径の異なる複数の円周に沿って複数列として設けてもよい。
この場合は、折曲端部11eを、半径の大きい円周上に設けた下方の係止孔18に嵌合することにより、ねじりコイルばね11の初期付勢力を大とすることができる。
このように、ねじりコイルばね11の初期付勢力を大幅に、しかも微細に調節できることにより、重量の異なる種々の扉8に対応することができるとともに、この扉8の重量にねじりコイルばね11の付勢力をバランスさせて、扉8を軽力で開閉できるようにしたり、ねじりコイルばね11の付勢力を扉8の重量より大として、後述ラッチレバーを解除操作すると、扉8がねじりコイルばね11の付勢力により、全開位置まで自動的に開くようにしたりすることができる。
特に、扉8の左右方向の長さは、キャビネット本体7の左右方向の長さとともに、デスク1の左右幅等に合わせて種々異なったものを用意しなければならず、その都度、ねじりコイルばね11の線径や巻数等の異なったものを設計していたのでは、設計が煩雑となるが、ねじりコイルばね11を同一として、その取付け方を変えるだけで、重量の異なる種々の扉8に対応できるようになると、設計が楽になるとともに、異種製品間の部材の共通化を図り、トータル的なコストの低減に寄与することができる。
なお、微調整金具17を支持アーム12に設け、複数の係止孔18を内側板9bに設けてもよく、また、微調整金具17と複数の係止孔18とのいずれか一方を省略して実施することもある。
内側板9bの後上部には、扉8が全開位置に達する直前に、支持アーム12の中間部上縁に設けた当接部12bが当接して、そのときの衝撃を緩和するとともに、支持アーム12が全開位置を越えて回動するのを阻止するようにしたダンパー20が設けられている。このダンパー20は、内蔵したばね(図示略)等の付勢力により、常時は前方に向かって突出し、扉8が全開位置に達する直前に、支持アーム12の当接部12bが当接して後退させられるようにしたダンパーピン21を備えている。
キャビネット本体7の前下部には、扉8を閉止位置において係止したり、その係止状態を解除したりするラッチレバー22が設けられている。
このラッチレバー22は、左右の内側板9b、9bを貫通して、その両側方に突出する左右方向を向く回動軸23と、その回動軸23の両端部に筒部24aが嵌合されて固着され、筒部24aの外端から底板16を越えて下方に向かって側面視扇形に広がる左右1対の回動レバー24、24と、この左右の回動レバー24、24の下端部に両側端が固着され、底板16の下面に設けられた凹入溝16b内において、前後方向に回動可能として配設され、さらに、キャビネット本体の左右方向のほぼ全長に亘る左右方向の角管により形成された操作杆(操作部)25と、内側板9bと回動レバー24における筒部24aとの間において回動軸23に枢着されるとともに、筒部24aと所要の遊びをもって連係され、かつ先端部に、支持アーム12の前端部外側面に突設した被係合部である係止ピン26と係脱しうるフック状の係止部27aを有する係止部材27とを備えている。
回動レバー24における筒部24aの内端面と、それに対向する係止部材27の対向面とのいずれか一方(図示の例では係止部材27)には、回動軸23を中心とする円弧状の長孔28が設けられ、また他方の対向面(図示の例では筒部24aの内端面)には、長孔28に嵌合するピン29が突設されている。
この長孔28とピン29との係合により、係止部材27は、筒部24aと所要の遊びをもって、すなわち、回動軸23回りに所定角度相対回動可能として連係されている。
内側板9bと係止部材27との間における回動軸23回りには、係止部材27の付勢手段であるねじりコイルばね30が外嵌されている。このねじりコイルばね30における巻回部30aから接線方向に延出する線材の一方の延出部30bは、底板16の上面に当接され、同じく線材の他方の延出部30cは、適宜折曲されて、係止部材27の後上縁に係止され、係止部材27は、このねじりコイルばね30により、その係止部27aが閉止位置における扉8側の係止ピン26に係合する、図4および図5に実線で示す係止位置に向かって付勢されている。
係止部材27の先端部には、扉8が閉止位置まで閉じる直前に、係止ピン26に摺接して、係止部材27が、ねじりコイルばね30の付勢力に抗して、係止部27aが係止ピン26から完全に離脱する、図4および図5に2点鎖線で示す係止解除位置まで回動させられるようにした傾斜縁27bが設けられている。
図4および図5に実線で示すように、操作杆25が、回動軸23の真下に位置する不作動位置に位置しているときは、回動レバー24の内側面に突設したストッパピン31が、底板16の上面に当接して、操作杆25の後方への回動が阻止され、このとき、底板16の凹入溝16b内における操作杆25の後方には、指を挿入しうる操作用の空間が、同じく操作杆25の前方には、操作杆25が前方に移動するための空間が形成されている。
また、このとき、ピン29は、図7に示すように、係止位置に位置している係止部材27の長孔28の上端縁に当接するかまたは近接しており、この状態から、操作杆25を、図5に2点鎖線で示す作動位置まで前方に回動させると、ピン29が長孔28の上端縁を、図7における時計回りに回動させ、係止部材27を、ねじりコイルばね30の付勢力に抗して、係止解除位置まで回動させ、その係止部27aを係止ピン26から離脱させることができる。
このときの操作は、底板16の前端における傾斜面16aの下部に親指を当て、人差し指およびその他の指を操作杆25の後面に当てて、傾斜面16aの下部と操作杆25とを摘むようにすることにより、楽な操作で操作杆25を作動位置まで回動させることができる。
また、操作杆25と凹入溝16bとは、キャビネット本体7の左右方向のほぼ全長に亘って設けられているので、左右方向のどのような位置においても、同様の操作で、ラッチレバー22を簡単に解除操作することができる。
ラッチレバー22が解除操作され、係止部材27の係止部27aが係止ピン26から離脱した後、扉8を、ねじりコイルばね11の付勢力により補助されて、軽力で全開位置まで開くことができる。または、ねじりコイルばね11の付勢力のみにより、扉8を全開位置まで開くこともできる。
扉8が全開位置まで開く直前に、支持アーム12の当接部12bがダンパー20のダンパーピン21に当接し、このダンパーピン21がダンパー20内に押し込まれることにより、衝撃が緩和されつつ、扉8は全開位置まで開き、全開位置まで開いたとき、ダンパーピン21がダンパー20内に完全に没入させられて、当接部12bがダンパー20のケースに当接して、停止させられる。
扉8を、ねじりコイルばね11の付勢力に抗して、全開位置から閉止位置まで下向きに回動させることにより、扉8を閉じることができ、閉止位置に到達する直前に、係止ピン26が、係止部材27の傾斜縁27bに摺接して、係止部材27を、ねじりコイルばね30の付勢力に抗して、一旦係止解除位置まで回動させた後、係止部材27の係止部27aに係合し、扉8は、次にラッチレバー22が解除操作されるまで、閉止位置に保持される。このときの係止部材27の回動動作は、前述したように、ラッチレバー本体32側に伝達されることはない。
以上から明らかなように、この実施形態においては、キャビネット本体7の両側板9に、左右方向を向く段付きねじ13をもって基端部が枢着され、かつ先端部が、扉8の後面における両側下部に固着されて、扉8を段付きねじ13を中心として回動自在に支持する左右1対の支持アーム12、12における閉扉時の前部上縁に、開扉時に、キャビネット本体7における天板7bの前端部に嵌入しうるようにした凹入部12aを設け、この凹入部12aの前縁を、段付きねじ13を中心とする円弧状としてあるので、扉8を開いたとき、支持アーム12の凹入部12aに、天板7bの前端部が相対的に進入することにより、支持アーム12と天板7bとの干渉を避けることができる。
そのとき、凹入部12aの前縁は、段付きねじ13を中心とする円弧状をなしているので、その前縁と天板7bの前端との間隔は、扉8の開閉時に変動することがなく、常時微小な値に維持することができる。
したがって、扉8の回動軌跡を小とすることができるとともに、天板7bの前端と扉8との間に間隙が形成されるのを可及的に減少することができる。
また、支持アーム12の上縁に、天板7bの前端部が進入する凹入部12aを設けたことにより、支持アーム12の前端における扉8の後面への固着部分の上下寸法を大として、扉8を安定して支持することができるとともに、支持アーム12の下縁に屈曲部を設ける必要がなくなり、扉8を開いたとき、従来のように、そのような屈曲部が前方に露呈することがなく、そこに他物が当接するおそれもない。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、幾多の変形した態様での実施が可能である。
本発明の一実施形態を備えるキャビネット付デスクの斜視図である。 同じく、キャビネットの外側板を外して、その内部構造を示す分解斜視図である。 同じく、左右の支持アームとラッチレバーとの分解斜視図である。 同じく、外側板を外したときのキャビネットの閉扉時の状態を示す側面図である。 同じく、扉を全開位置まで開いたときの側面図である。 図3におけるA部の拡大分解斜視図である。 同じく、組付状態の拡大分解斜視図である。
符号の説明
1 デスク
2 側脚
3 天板
4 横連結材
4a配線ダクト
5 支柱
6 キャビネット
7 キャビネット本体
7a切欠き
7b天板
8 扉
9 側板
9a外側板
9b内側板
10 ボス
11 ねじりコイルばね(付勢手段)
11a巻回部
11b、11c 延出部
11d、11e 折曲端部
12 支持アーム
12a凹入部
12b当接部
13 段付ねじ(枢軸)
14 タッピンねじ
15 閉塞部材
15a突条
16 底板
16a傾斜面
16b凹入溝
17 微調整金具
17aガイド溝
18 係止孔
19 調整ねじ
20 ダンパー
21 ダンパーピン
22 ラッチレバー
23 回動軸
24 回動レバー
24a筒部
25 操作杆
26 係止ピン
27 係止部材
27a係止部
27b傾斜縁
28 長孔
29 ピン
30 ねじりコイルばね
30a巻回部
30b、30c 延出部
31 ストッパピン
32 ラッチレバー本体

Claims (5)

  1. キャビネット本体における前面開口部を開閉する扉を、上下方向を向く閉止位置から、下端部を前上方に持ち上げて開くようにしたフラップ扉付キャビネットにおいて、
    キャビネット本体における両側板に、左右方向を向く枢軸をもって基端部が枢着され、かつ先端部が、前記扉の後面における両側下部に固着されて、前記扉を枢軸を中心として回動自在に支持する左右1対の支持アームにおける閉扉時の前部上縁に、開扉時に、キャビネット本体における天板の前端部に嵌入しうるようにした凹入部を設け、この凹入部の前縁を、前記枢軸を中心とする円弧状、またはそれに近似する形状としたことを特徴とするフラップ扉付キャビネット。
  2. 凹入部の後縁を、扉の全開時に、キャビネット本体の天板の下面とほぼ平行をなす直線状に形成した請求項1記載のフラップ扉付キャビネット。
  3. 扉の後面上部に、閉扉時に、扉の後面と天板の前端との間隙を閉塞する閉塞部材を設け、この閉塞部材の後面を、枢軸を中心とする円弧面、またはそれに近似する形状とした請求項1または2記載のフラップ扉付キャビネット。
  4. キャビネット本体における天板の前端面を、枢軸を中心とする円弧面またはその弦をなす傾斜面とした請求項1〜3のいずれかに記載のフラップ扉付キャビネット。
  5. キャビネット本体に、扉を開く方向に向かって付勢する付勢手段を設け、かつ支持アームの上縁における凹入部より枢軸寄りの部分に、枢軸と直交する方向を向く当接部を設け、扉の全開時に、前記当接部が当接して、扉を全開位置に停止させるとともに、当接時の衝撃を緩和するようにしたダンパーを、キャビネット本体に設けた請求項1〜4のいずれかに記載のフラップ扉付キャビネット。
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