JP2009255380A - 複合成形体 - Google Patents

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【課題】ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と金属材料からなる複合化用部材とを一体成形してなり、前記重合体と前記複合化部材との間の密着力が向上された複合成形体を提供すること。
【解決手段】ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させて得られる重合体と、金属材料からなる複合化用部材と、を一体成形してなり、前記複合化用部材は、前記重合体との接触界面のうちの少なくとも一部が下記式(1)で表されるカップリング剤で処理されている複合成形体。
(上記式(1)中、Rは、ノルボルネン構造を有する置換基、R、Rは、エーテル基またはエステル基を含有しても良い炭素数1〜3のアルキル基および/またはアシル基、Xはハロゲン原子、kは2〜10の整数、m、nは0〜3の整数(ただし、m+n≦3)である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させることにより得られる重合体と、金属材料からなる複合化用部材とを一体成形してなる複合成形体に関する。
ノルボルネン系モノマーなどのシクロオレフィンモノマーを含む重合性単量体を、メタセシス重合触媒存在下で重合させて得られるシクロオレフィン重合体は、電気特性、機械的特性、耐衝撃特性、耐熱性、耐候性などに優れるため、幅広い分野の成形体について実用化が進められている。
このようなシクロオレフィン重合体は、剛性を向上させるために、ガラス補強材などを添加して用いられる場合があるが、シクロオレフィン重合体は極性が極めて低く、そのため、ガラス補強材などの無機材料との密着性が悪いという問題がある。これに対し、たとえば、特許文献1では、シクロオレフィン重合体に特定のシランカップリング剤を添加して、シクロオレフィン重合体とガラス補強材との密着性の改善が図られている。
一方で、シクロオレフィン重合体は、その優れた電気特性や耐熱性から、たとえば、プリント配線板や電子部品の端子電極などの電気絶縁材料として好適に用いられている。特に、このようなプリント配線板の配線層をはんだなどを利用して形成する場合には、これを絶縁する電気絶縁材料や、このようなプリント配線板に実装される電子部品の端子電極を封止するために用いられる電気絶縁材料には、電気特性に加えて、はんだ耐熱性が必要とされるため、このような電気絶縁材料として、シクロオレフィン重合体が好適に用いられている。
しかしながら、このようなシクロオレフィン重合体は極性が極めて低いため、上述のガラス材料の場合と同様に、金属材料との密着性も低く、そのため、プリント配線板などの電気絶縁材料として用いた場合において、プリント配線板や電子部品の端子電極を構成する金属との間の密着性が低く、信頼性が不十分となるという問題があった。
特開平2−185558号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させることにより得られるノルボルネン系重合体と、金属材料からなる複合化用部材とを一体成形してなる複合成形体において、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と複合化用部材との間の密着力が向上された複合成形体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させて得られる重合体と、金属材料からなる複合化用部材とを一体成形してなる複合成形体において、金属材料からなる複合化用部材の、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体との接触界面のうちの少なくとも一部を、所定のカップリング剤で処理することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、ノルボルネン系モノマーを型内で塊状開環重合させて得られる重合体と、金属材料からなる複合化用部材と、を一体成形してなる複合成形体であって、前記複合化用部材は、前記重合体との接触界面のうちの少なくとも一部が下記式(1)で表されるカップリング剤で処理されていることを特徴とする複合成形体が提供される。
Figure 2009255380
(上記式(1)中、Rは、ノルボルネン構造を有する置換基、R、Rは、互いに独立に、エーテル基またはエステル基を含有しても良い炭素数1〜3のアルキル基および/またはアシル基、Xはハロゲン原子、kは2〜10の整数、m、nは0〜3の整数(ただし、m+n≦3)である。)
好ましくは、前記Rが下記式(2)で表される置換基である。
Figure 2009255380
(上記式(2)中、R〜R14は、互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはケイ素原子を含む官能基;またはハロゲン原子もしくは前記官能基を含有しても良い炭素数1〜20の炭化水素基であり、R12〜R14は、互いに結合して環を形成していても良い。pは0または正の整数である。)
好ましくは、前記複合成形体は、前記複合化用部材を配置した型内に、前記ノルボルネン系モノマーを含有する反応液を注入して塊状重合させることによって得られるものである。
また、前記複合成形体が、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させて得られる重合体と金属材料との積層体であることが好ましい。
本発明によれば、複合成形体を構成する重合体を、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させることにより得られる重合体としているため、電気特性、機械的特性、耐衝撃特性、耐熱性および耐候性に優れた複合成形体を提供することができる。しかも、本発明においては、金属材料からなる複合化用部材の、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体との接触界面のうちの少なくとも一部を、上記所定のカップリング剤で処理しているため、重合前のノルボルネン系モノマーを含有する重合性組成物と、金属材料からなる複合化用部材との間のぬれ性を向上させることができ、これにより、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と、金属材料からなる複合化用部材との間の反応点を増やすことができる。そして、結果として、得られる複合成形体における、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と、金属材料からなる複合化用部材との間の密着性を向上させることができ、これにより信頼性の高い複合成形体、特に積層体を提供することができる。
本発明の複合成形体は、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させて得られる重合体と、金属材料からなる複合化用部材とを一体成形してなる複合成形体であって、金属材料からなる複合化用部材の、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体との接触界面のうちの少なくとも一部が、後述する所定のカップリング剤で処理されていることを特徴とする。
重合性組成物
本発明に係るノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させることにより得られる重合体は、ノルボルネン系モノマーと、重合触媒と、を含有する重合性組成物を用いて、これを塊状開環重合させることにより得られる重合体である。
まず、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体を形成するために用いられる重合性組成物に含有される各成分について説明する。
ノルボルネン系モノマーとしては、ノルボルネン環構造を有する化合物であれば良く、特に限定はされないが、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロペンタジエン(シクロペンタジエン二量体)、ジヒドロジシクロペンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;シクロペンタジエン四量体等の七環体;等を挙げることができる。
これらのノルボルネン系モノマーは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;エチリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール等の置換基を有していてもよく、さらに、これらのノルボルネン系モノマーは、エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子等の極性基を有していてもよい。
このようなノルボルネン系モノマーの具体例としては、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−メチルシクロペンタジエン共二量体、5−エチリデンノルボルネン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−シクロヘキセニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン、エチレンビス(5−ノルボルネン)等が挙げられる。
ノルボルネン系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ノルボルネン系モノマーのうちでは、入手が容易であり、反応性に優れ、得られる複合成形体を耐熱性に優れたものとすることができる点から、三環体、四環体または五環体のノルボルネン系モノマーが好ましい。
また、塊状重合により生成する開環重合体が熱硬化型となることが好ましく、そのためには、上記ノルボルネン系モノマーの中でも、対称性のシクロペンタジエン三量体等の、反応性の二重結合を二個以上有する架橋性モノマーを少なくとも含むものを用いることが好ましい。このような架橋性モノマーの割合は、全ノルボルネン系モノマー中に、2〜30重量%であることが好ましい。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、ノルボルネン系モノマーと開環共重合し得るシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン等を、コモノマーとして用いてもよい。
重合性組成物に含有させる重合触媒としては、メタセシス重合触媒が好ましい。
メタセシス重合触媒は、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオンおよび/または化合物が結合してなる錯体である。遷移金属原子としては、周期表(長周期型周期表、以下同じ)第5、6および8族の原子が使用される。このような遷移金属原子としては、特に限定されないが、第5族の原子としては、たとえばタンタルが挙げられ、第6族の原子としては、たとえばモリブデンやタングステンが挙げられ、第8族の原子としては、たとえばルテニウムやオスミウムが挙げられる。
これらの中でも、第8族のルテニウムやオスミウムの錯体をメタセシス重合触媒として用いることが好ましく、ルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムカルベン錯体は、触媒活性に優れるため重合性組成物の開環重合反応率を高くすることができ、生産性に優れるという利点を有する。また、得られる重合体における未反応の環状オレフィンに由来する臭気を低減することができる。さらに、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも生産が可能であるという利点も有する。
ルテニウムカルベン錯体としては、下記式(3)または(4)で表される錯体化合物が好ましい。
Figure 2009255380
Figure 2009255380
上記式(3)および(4)において、R15、R16は、それぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;または、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子もしくはケイ素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基;である。また、X、Xは、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子であり、L、Lはそれぞれ独立して、ヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物である。R15、R16、X、X、LおよびLは、それぞれ組み合わせは任意であり、互いに結合して多座キレート化配位子を形成していてもよい。
なお、ヘテロ原子とは、周期表第15族および第16族の原子を意味し、具体的には、N、O、P、S、As、Se原子などを挙げることができる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N、O、P、S原子などが好ましく、N原子が特に好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、カルベン炭素の両側にヘテロ原子が隣接して結合しているものが好ましく、さらにカルベン炭素原子とその両側のヘテロ原子とを含むヘテロ環が構成されているものがより好ましい。また、カルベン炭素に隣接するヘテロ原子には嵩高い置換基を有していることが好ましい。
このようなヘテロ原子含有カルベン化合物としては、下記式(5)または(6)で示される化合物が好ましい。
Figure 2009255380
Figure 2009255380
上記式(5)および(6)において、R17〜R20は、それぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;または、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子もしくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基;である。また、R17〜R20は、それぞれ組み合わせは任意であり、互いに結合して多座キレート化配位子を形成していてもよい。
上記式(3)および(4)において、アニオン性配位子X、Xは、中心金属から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、たとえば、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子;ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基などを挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
また、中性の電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよく、たとえば、カルボニル、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類、エーテル類およびピリジン類が好ましく、トリアルキルホスフィンがより好ましい。
上記式(3)または(4)で表される錯体化合物の具体例としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾル−2−イリデン][ 3−メチル−2−ブテニリデン]ルテニウムジクロライド、などのL、Lがそれぞれヘテロ原子含有カルベン化合物および中性の電子供与性化合物であるルテニウム錯体化合物;ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどのL、Lともに中性電子供与性化合物であるルテニウム化合物;ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリドなどのL、Lともヘテロ原子含有カルベン化合物であるルテニウム錯体化合物;などが挙げられるが、これらの中でも(I)L、Lがそれぞれヘテロ原子含有カルベン化合物および中性の電子供与性化合物であるルテニウム錯体化合物、または、(II)L、Lともヘテロ原子含有カルベン化合物であるルテニウム錯体化合物が好ましい。
また、上記式(5)および(6)で表される化合物の具体例としては、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。さらに、上記式(5)および(6)で表される化合物の他に、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデンなどのヘテロ原子含有カルベン錯体化合物なども使用できる。
なお、これらのルテニウム錯体化合物は、たとえば、Org.Lett.,1999年,第1巻,953頁、Tetrahedron.Lett.,1999年,第40巻,2247頁などに記載された方法によって製造することができる。
メタセシス重合触媒の量は、触媒中の金属原子:ノルボルネン系モノマーのモル比で、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒を使用する際には、必要に応じて、少量の不活性溶剤に溶解または懸濁して使用することができる。このような溶媒としては、特に限定されないが、たとえば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、トリシクロデカン、シクロオクタンなどの飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、工業的に汎用な芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素、飽和脂環式炭化水素の使用が好ましい。また、メタセシス重合触媒としての活性を低下させないものであれば、液状の老化防止剤、液状の可塑剤、液状のエラストマーなど、得られる重合体の性能に寄与する機能性液状化合物を溶剤として用いてもよい。
さらに、重合性組成物には、メタセシス重合触媒の重合活性を制御したり、重合反応率を向上させたりする目的で、重合活性剤(共触媒)や重合遅延剤を重合性組成物中に配合してもよい。重合活性剤としては、有機アルミニウム化合物、有機亜鉛化合物、または有機スズ化合物などが挙げられる。
重合活性剤の具体例としては、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。
重合遅延剤としては、たとえば、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、(シス,シス)−2,6−オクタジエン、(シス,トランス)−2,6−オクタジエン、(トランス,トランス)−2,6−オクタジエンなどの鎖状ジエン化合物;(トランス)−1,3,5−ヘキサトリエン、(シス)−1,3,5−ヘキサトリエン、(トランス)−2,5−ジメチル−1,3,5−ヘキサトリエン、(シス)−2,5−ジメチル−1,3,5−ヘキサトリエンなどの鎖状トリエン化合物;トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィンなどのホスフィン類;アニリンなどのルイス塩基;などが挙げられる。
重合活性剤や重合遅延剤の量は、使用する化合物や目的に応じて任意に設定されるが、「メタセシス重合触媒中の遷移金属原子:重合活性剤または重合遅延剤」のモル比で、通常1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
また、本発明で用いる重合性組成物には、任意成分として、充填材を配合してもよい。充填材としては、種々の充填材を用いることができ、特に限定されないが、アスペクト比が5〜100の繊維状充填材やアスペクト比が1〜2の粒子状充填材からなる無機充填材を用いることが好ましい。充填材のアスペクト比とは、充填材の平均長軸径と50%体積累積径との比をいう。ここで、平均長軸径は、光学顕微鏡写真で無作為に選んだ100個の充填材の長軸径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均長軸径である。 また、50%体積累積径は、X線透過法で粒度分布を測定することにより求められる値である。
繊維状充填材と粒子状充填材とはそれぞれ単独で用いることができるが、両者を混合して用いてもよい。繊維状充填材と粒子状充填材とを混合して用いる場合における、これらの含有重量比率(繊維状充填材/粒子状充填材)は、好ましくは95/5〜55/45であり、より好ましくは80/20〜60/40である。これらの比率を上記範囲内とすることにより、得られる複合成形体における、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と、複合化用部材との間の密着性のさらなる向上を図ることができる。
上記繊維状充填材としては、5〜100のアスペクト比を有するものであることが好ましく、10〜50のアスペクト比を有するものであることがより好ましい。繊維状充填材の50%体積累積径は、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは1〜30μmである。50%体積累積径が小さすぎても、また大きすぎても、密着性の向上効果が低くなる傾向にある。
このような繊維状充填材の具体例としては、ガラス繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、ゾノライト、塩基性硫酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、テトラポッド型酸化亜鉛、石膏繊維、ホスフェート繊維、アルミナ繊維、ウィスカー状炭酸カルシウム、ウィスカー状ベーマイト等を挙げることができる。中でも、塊状重合を阻害せず、密着性の向上効果を少ない使用量で高めることができるウォラストナイトおよびウィスカー状炭酸カルシウムが好ましい。
また、上記粒子状充填材は、1〜2のアスペクト比を有するものであることが好ましく、1〜1.5のアスペクト比を有するものであることがより好ましい。粒子状充填材の50%体積累積径は、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは1〜30μm、特に好ましくは1〜10μmである。50%体積累積径が小さすぎても、また大きすぎても、密着性の向上効果が低くなる傾向にある。
このような粒子状充填材の具体例としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、グラファイト、酸化アンチモン、赤燐、各種金属粉、クレー、各種フェライト、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。中でも、塊状重合反応を阻害しないので、炭酸カルシウムおよび水酸化カルシウムが好ましい。
上記充填材は、その表面を疎水化処理したものであることが好ましい。疎水化処理した充填材を用いることにより、重合性組成物中における充填材の凝集・沈降を防止でき、また、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体中における充填材の分散を均一にすることができる。そして、結果として、得られる複合成形体における、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と、複合化用部材との間の密着性の向上効果のさらなる向上が可能となる。疎水化処理に用いられる処理剤としては、ビニルシラン等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ステアリン酸等の脂肪酸、油脂、界面活性剤、ワックス等を挙げることができる。充填材の疎水化処理は、重合性組成物を調製する際に、疎水化処理剤を同時に混合することによっても可能であるが、予め疎水化処理を行なった充填材を用いて重合性組成物の調製を行なうことが好ましい。
本発明において、充填材の量は、ノルボルネン系モノマーおよび触媒の合計量100重量部に対して、5〜55重量部であることが好ましく、10〜45重量部であることがより好ましい。充填材の量が多すぎると、密着性が低下してくる場合がある。一方、少なすぎると、充填材の添加効果が得難くなる。
また、重合性組成物には、上記以外の各種添加剤を含有させてもよい。このような添加剤としては、改質剤、酸化防止剤、着色剤、光安定剤、難燃剤などが例示される。
改質剤としては、たとえば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びこれらの水素化物などのエラストマーなどが挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、アミン系などの各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤などが挙げられる。
着色剤としては、染料、顔料などが用いられる。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。また、顔料としては、たとえば、カーボンブラック、黒鉛、黄鉛、酸化鉄黄色、二酸化チタン、酸化亜鉛、四酸化三鉛、鉛丹、酸化クロム、紺青、チタンブラックなどが挙げられる。
光安定剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オギザニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物系難燃剤などが挙げられる。
これらの添加剤の量は、用途に応じた量とすれば良いが、ノルボルネン系モノマー100重量部に対して、それぞれ0.001〜1000重量部の範囲とすることが好ましい。
複合化用部材
本発明で用いる複合化用部材は、金属材料から構成され、上述の重合性組成物を塊状開環重合させることにより得られるノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と一体成形されるものである。
複合化用部材を構成する金属材料としては、特に限定されないが、鉄、銅、ニッケル、金、銀、白金、パラジウム、コバルト、亜鉛、鉛、スズ、チタン、クロム、アルミニウム、マグネシウム、マンガンおよびこれらの合金などの各種金属材料を挙げることができる。
また、複合化用部材の形状も、特に限定されないが、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と積層体を形成することができることから、板状又は薄膜状のものが好ましい。板状又は薄膜状の場合、その厚みは、好ましくは0.001〜100mm、より好ましくは0.1〜50mm、特に好ましくは0.5〜40mmである。
複合化用部材は、金属箔であっても良いし、さらには、プリント配線板の製造用基板等の基板や、各種電子部品の端子電極などでも良い。特に、複合化用部材を、各種電子部品の端子電極とし、これらとノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体とを一体成形することにより、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体を、封止材として用いることができる。
カップリング剤
本発明の複合成形体は、上述の重合性組成物を塊状開環重合させて得られるノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と、上述の金属材料からなる複合化用部材とを一体成形してなる複合成形体であり、金属材料からなる複合化用部材の、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体との接触界面のうちの少なくとも一部が、以下に説明する所定のカップリング剤で処理されてなるものである。なお、接触界面のうちの50%以上、好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上が所定のカップリング剤で処理されてなることが好ましい。
以下、本発明で用いられるカップリング剤について説明する。
本発明で用いられるカップリング剤は、下記式(1)で示される化合物である。
Figure 2009255380
上記式(1)中、Rは、ノルボルネン構造を有する置換基、R、Rは、互いに独立に、エーテル基またはエステル基を含有しても良い炭素数1〜3のアルキル基および/またはアシル基、Xはハロゲン原子、kは2〜10の整数、m、nは0〜3の整数(ただし、m+n≦3)である。
上記式(1)において、Rは、ノルボルネン構造を有する置換基であれば良いが、本発明の効果がより一層顕著になることから、下記式(2)で表される置換基が好ましい。
Figure 2009255380
(上記式(2)中、R〜R14は、互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはケイ素原子を含む官能基;またはハロゲン原子もしくは前記官能基を含有しても良い炭素数1〜20の炭化水素基であり、R12〜R14は、互いに結合して環を形成していても良い。pは0または正の整数である。)
上記式(2)において、酸素原子を含む官能基としては、たとえば、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、カルボニル、ヒドロキシカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、酸無水物等が挙げられる。窒素原子を含む官能基としては、たとえば、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ等が挙げられる。酸素原子および窒素原子を含む官能基としては、たとえば、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル等が挙げられる。硫黄原子を含む官能基としては、たとえば、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ等が挙げられる。ケイ素原子を含む官能基としては、たとえば、シリル、アルキルシリル、アリールシリル等が挙げられる。酸素原子およびケイ素原子を含む官能基としては、たとえば、アルコキシシリル、アリールオキシシリル等が挙げられる。
このような上記式(2)で表される置換基の具体例としては、ビシクロヘプテニル基(ノルボルネニル基)、ジシクロペンタジエニル基、テトラシクロドデセニル基、トリシクロペンタジエニル基等の置換基が挙げられる。
上記式(1)中、R、Rは、エーテル基またはエステル基を含有しても良い炭素数1〜3のアルキル基および/またはアシル基であり、R、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、アセトキシ基、プロピル基などが挙げられる。また、上記式(1)中、Xはハロゲン原子であり、F、Cl、Br、Iなどが挙げられる。
上記式(1)中、kは2〜10の整数であり、好ましくは2〜6の整数である。kの値が小さすぎると、すなわち、ノルボルネン構造を有する置換基とSiとの間の炭素数が少なすぎると、重合前のノルボルネン系モノマーを含有する重合性組成物と、上述の金属材料からなる複合化用部材とのぬれ性が低下し、結果として、複合成形体とした場合における、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と、上述の金属材料からなる複合化用部材との密着性が低下してしまう。一方、kの値が大きすぎると、すなわち、ノルボルネン構造を有する置換基とSiとの間の炭素数が多すぎると、螺旋構造となるため密着性が低下してしまう。また、m、nは0〜3の整数(ただし、m+n≦3)であれば良い。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、ビシクロヘプテニルエチルトリエトキシシラン、ビシクロヘプテニルプロピルトリエトキシシラン、ビシクロヘプテニルブチルトリエトキシシラン、ビシクロヘプテニルヘキシルトリエトキシシランなどのm=3かつn=0で表されるもの;ビシクロヘプテニルエチルトリエチルシラン、ビシクロヘプテニルプロピルトリメチルシラン、ビシクロヘプテニルブチルトリプロピルシラン、ビシクロヘプテニルヘキシルトリエチルシランなどのm=0かつn=0で表されるもの;ビシクロヘプテニルエチルトリクロロシラン、ビシクロヘプテニルプロピルトリブロモシランなどのm=0かつn=3で表されるもの;が挙げられるが、本発明の効果がより一層顕著になることから、m=3かつn=0で表されるものが好ましい。
このようなカップリング剤を用いて、金属材料からなる複合化用部材の表面を処理する方法としては、特に限定されないが、たとえば、以下に説明する浸漬処理法が挙げられる。
浸漬処理法は、カップリング剤を水または有機溶剤に溶解させた溶液を用い、金属材料からなる複合化用部材を、好ましくは0.1〜120分間、より好ましくは3〜30分間浸漬することにより、金属材料からなる複合化用部材に対して表面処理を行う方法である。これにより、金属材料からなる複合化用部材の表面に、上述のカップリング剤を付着させることができる。浸漬処理法に用いる溶液中におけるカップリング剤の濃度は、特に限定されず、複合化用部材を構成する金属材料の種類や、浸漬処理時間などに応じて適宜調整すれば良いが、好ましくは0.5〜300mmol/L、より好ましくは5〜200mmol/L、特に好ましくは10〜100mmol/Lである。また、浸漬処理を行う際における溶液の温度は、複合化用部材を構成する金属材料の種類や、溶液中のカップリング剤の濃度、さらには溶液を調製する際に用いる溶媒の種類に応じて適宜調整すれば良い。
さらに、浸漬処理法により表面処理を行った後に、必要に応じて、金属材料からなる複合化用部材に対して、熱処理を行ってもよい。熱処理を行うことにより、金属材料からなる複合化用部材の表面に、上述のカップリング剤をより確実に固定させることができ、上述の重合性組成物と、上述の金属材料からなる複合化用部材とのぬれ性をより向上させることができ、これにより、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と、金属材料からなる複合化用部材との密着性の更なる向上を図ることができる。
上記熱処理温度は、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、90℃以上が特に好ましい。また、熱処理温度の上限は、250℃以下が好ましく、150℃以下が特に好ましい。
なお、熱処理時間は、好ましくは10秒〜100分、より好ましくは1〜50分、特に好ましくは2〜20分である。
複合成形体
本発明の複合成形体は、上述の重合性組成物を、上述の複合化用部材に塗布する方法などにより、重合性組成物と複合化用部材とを一体化させ、次いで、重合性組成物中に含有されるノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させ、これらを一体成形することにより製造される。なお、この際において、複合化用部材の表面のうち、上述のカップリング剤で表面処理された面の少なくとも一部が、重合性組成物と接するような状態で、これらを一体化する。このような状態とすることにより、上述のシランカップリング剤を用いた効果を十分に発揮させることができ、結果として、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と複合化用部材との密着性の向上を図ることができる。
重合性組成物と複合化用部材とを塗布法により一体化させる場合には、たとえば、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の塗布方法を採用することができる。
また、重合性組成物を塊状開環重合させる方法としては、特に限定されないが、重合性組成物と複合化用部材とを一体化させた状態で、加熱し、これにより塊状開環重合させることが好ましい。塊状開環重合させるための加熱温度は、通常、30〜250℃、好ましくは50〜210℃である。また、重合時間は、適宜選択すればよいが、好ましくは、10秒〜20分である。
重合性組成物を所定温度に加熱することにより重合反応が開始する。この重合反応は発熱反応であり、一旦反応が開始すると、組成物の温度が急激に上昇し、短時間(例えば、10秒から5分程度)でピーク温度に到達する。
なお、本発明においては、上述した方法の他、重合性組成物を2以上の反応原液(たとえば、(1)ノルボルネン系モノマーと重合触媒とを含有する反応原液と、(2)ノルボルネン系モノマーと重合活性剤とを含有する反応原液と、の2つの反応原液)に分け、反応射出成形(RIM)により、これらを、上述の複合化用部材を配置した型内に別々に注入し、型内で塊状重合させることにより製造しても良い。この場合において、反応射出成形(RIM)装置として公知の衝突混合装置を用いることができる。
以上のようにして本発明の複合成形体を製造することができる。このようにして製造される本発明の複合成形体は、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させることにより得られる重合体を用いているため、電気特性、機械的特性、耐衝撃特性、耐熱性および耐候性に優れたものである。しかも、本発明の複合成形体は、複合化用部材の、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体との接触界面のうちの少なくとも一部を、所定のカップリング剤で処理してなるものであるため、重合前のノルボルネン系モノマーを含有する重合性組成物と、上述の金属材料からなる複合化用部材とのぬれ性が高く、これにより、本発明の複合成形体は、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と、複合化用部材との間の密着性が高く、高い信頼性を有するものである。
特に、複合化用部材を、プリント配線板の製造用基板や各種電子部品の端子電極とし、これらとノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体とを一体成形して得られる複合成形体、より具体的には、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体を、プリント配線板の製造用基板や各種電子部品の端子電極と一体成形させて封止材として用いた場合においても、これらは高い密着性および耐熱性を有するため、融点が比較的高い鉛フリーはんだを用いても、剥離することはなく、十分な信頼性を確保することできる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
まず、(a)ノルボルネン系モノマーとしてのジシクロペンタジエン90部およびトリシクロペンタジエン10部を混合したモノマー56部と、(b)ジシクロペンタジエン90部およびトリシクロペンタジエン10部を混合したモノマー76部に、ウォラストナイト75部および炭酸カルシウム25部を混合してなるRF−0501F液(RIMTEC社製)44部とを用意し、(a)と(b)を混合することにより反応原液を得た(反応原液中の無機充填剤含有量は25部)。次いで、メタセシス重合触媒としてのトリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾル−2−イリデン][3−メチル−2−ブテニリデン]ルテニウム(IV)ジクロライド(アルドリッチ社製)7部をトルエン93部に溶解させることにより、触媒液を得た。そして、メタセシス重合触媒とノルボルネン系モノマーとの比率がモル比で1:20,000となるように、得られた反応原液100重量部に対して、触媒液を0.43重量部添加し、撹拌・撹拌・混合することにより、重合性組成物を調製した。
一方で、上記とは別に、長さ150mm×幅25mm×厚さ1mmの鉄板を2枚準備し、これらの鉄板をアルカリ洗浄し、次いで、これら2枚の鉄板について、下記式(7)で表されるビシクロヘプテニルエチルトリエトキシシランで表面処理を行った。なお、表面処理は、濃度18mmol/Lのビシクロヘプテニルエチルトリエトキシシランのエタノール溶液を調整し、この溶液に2枚の鉄板を10分間浸漬した後取り出し、次いで、110℃、10分の条件で加熱処理することにより行った。
Figure 2009255380
そして、上記にて調製した重合性組成物を、表面処理を行った鉄板のうち1枚の鉄板の一方の面に塗布することにより重合性組成物層を形成し、次いで、重合性組成物層の表面に、もう1枚の鉄板を重ねることにより、鉄板/重合性組成物層/鉄板の三層からなる積層構造体を得た。なお、本実施例では、積層構造体は、鉄板と重合性組成物層とが重なり合う面積が12.5mm×25.0mmとなるような構成とし、一対の鉄板は、長さ方向の一方の端部側で互いに重なるようにするとともに、長さ方向の他方の端部が反対側となるように配置した。また、重合性組成物層の厚みは、塊状開環重合後の厚みが1mmとなるように調整した。
次いで、積層構造体を、200℃、10分加熱することにより、塊状開環重合反応を行い、鉄板/ノルボルネン系モノマーの塊状重合体/鉄板の三層からなる複合成形体を得た。
そして、得られた複合成形体について、引張り剪断接着強度測定およびぬれ性の評価を行った。引張り剪断接着強度測定は、引張り試験機を用い、引張り速度5mm/min.の条件とした。
また、ぬれ性の評価は、引張り試験後の、鉄板から剥離したノルボルネン系モノマーの塊状重合体表面を観察し、基材としての鉄板と密着せず、成形収縮により表面が窪んでいる部分を、重合性組成物層を形成した際におけるぬれていない部分と判断し、ノルボルネン系モノマーの塊状重合体と、基材としての鉄板との接触面積に対する、密着している部分の面積比を求め、これを「ぬれている部分の面積比」とした。なお、ぬれている部分の面積比が多いほど、反応前の重合性組成物と基材としての鉄板とのぬれ性は高いものと判断することができる。結果を表1に示す。
実施例2,3
一対の鉄板の代わりに、それぞれ、一対のアルミ板(実施例2)、および一対のステンレス(SUS304)板(実施例3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、複合成形体を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
シランカップリング剤として、ビシクロヘプテニルエチルトリエトキシシランの代わりに、下記式(8)で表されるビシクロヘプテニルヘキシルトリエトキシシランを使用した以外は、実施例1と同様にして、複合成形体を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009255380
実施例5,6
一対の鉄板の代わりに、それぞれ、一対のアルミ板(実施例5)、および一対のステンレス(SUS304)板(実施例6)を使用した以外は、実施例4と同様にして、複合成形体を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
シランカップリング剤として、ビシクロヘプテニルエチルトリエトキシシランの代わりに、下記式(9)で表されるビシクロヘプテニルトリエトキシシランを使用した以外は、実施例1と同様にして、複合成形体を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009255380
比較例2,3
一対の鉄板の代わりに、それぞれ、一対のアルミ板(比較例2)、および一対のステンレス(SUS304)板(比較例3)を使用した以外は、比較例1と同様にして、複合成形体を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009255380
表1に示すように、所定のシランカップリング剤を用いた場合には、重合前のノルボルネン系モノマーを含有する重合性組成物と金属材料からなる複合化用部材とのぬれ性(ぬれている部分の面積比)が高く、これにより、得られる複合成形体の、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と金属材料からなる複合化用部材との間の密着性が高くなる結果となった(実施例1〜6)。
一方、カップリング剤として、ビシクロヘプテニル基とSiとの間の炭素数が0(すなわち、上記式(1)において、k=0)であるカップリング剤を用いた場合には、重合前のノルボルネン系モノマーを含有する重合性組成物と金属材料からなる複合化用部材とのぬれ性(ぬれている部分の面積比)が悪く、得られる複合成形体の、ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合体と金属材料からなる複合化用部材との間の密着性も低くなる結果となった(比較例1〜3)。

Claims (4)

  1. ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させて得られる重合体と、金属材料からなる複合化用部材と、を一体成形してなる複合成形体であって、
    前記複合化用部材は、前記重合体との接触界面のうちの少なくとも一部が下記式(1)で表されるカップリング剤で処理されていることを特徴とする複合成形体。
    Figure 2009255380
    (上記式(1)中、Rは、ノルボルネン構造を有する置換基、R、Rは、互いに独立に、エーテル基またはエステル基を含有しても良い炭素数1〜3のアルキル基および/またはアシル基、Xはハロゲン原子、kは2〜10の整数、m、nは0〜3の整数(ただし、m+n≦3)である。)
  2. 前記Rが下記式(2)で表される置換基である請求項1に記載の複合成形体。
    Figure 2009255380
    (上記式(2)中、R〜R14は、互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはケイ素原子を含む官能基;またはハロゲン原子もしくは前記官能基を含有しても良い炭素数1〜20の炭化水素基であり、R12〜R14は、互いに結合して環を形成していても良い。pは0または正の整数である。)
  3. 前記複合成形体は、前記複合化用部材を配置した型内に、前記ノルボルネン系モノマーを含有する反応液を注入して塊状重合させることによって得られる請求項1または2に記載の複合成形体。
  4. 前記複合成形体が、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させて得られる重合体と金属材料との積層体である請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形体。
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