JP2009253158A - 可変インダクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】可変インダクタにおいて、スイッチ素子による損失を大きく増大させることなく、インダクタンス値を制御すること。
【解決手段】インダクタ導体4と、インダクタ導体4が配設された領域を含む領域に開口部3及びスリット6を有するグランド導体層2と、スリット6の両側のグランド導体層2間の電気的接続の有無を電気的に選択するスイッチ素子7と、を備える。スイッチ素子7は、グランド導体層2を流れるグランド電流の帰還経路長を変化させて、等価インダクタンス値を変化させる位置に配設される。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変インダクタに関する。
高周波発振器には、通常、LC発振器が使用される。LC発振器の周波数を可変とするために、バラクタの容量変化を使用する構成が通常使用されている。しかしながら、LC共振器の内、キャパシタンスCのみを変化をさせると、LC共振器のQ値(quality factor)も変化する。そこで、Q値を変化させないようにするためには、キャパシタンスCだけでなく、インダクタンスLも可変であることが求められる。
可変インダクタとして、特許文献1では、螺旋状インダクタの下部に開放端を持つループ状の配線層を複数個と、上記開放端を開放/短絡するスイッチとしての電界効果トランジスタと、螺旋状インダクタと配線層との間に絶縁層とを設け、スイッチを開閉してインダクタンス値を可変する可変インダクタが開示されている。この構成では、スイッチが導通状態の場合には、ループ状の配線層が閉ループを形成し、螺旋状インダクタの磁束密度変化を打ち消す方向に磁界が発生する。従って、スイッチが非導通状態の場合に比べて、インダクタンスを小さくすることができる。
また、特許文献2では、導電層の内の一の最厚の層内のコイル軌道に沿った導電性コイル構造と、コイル構造に接続された二つのポートと、少なくとも一つのスイッチを有し、導電層の一の層内のコイル軌道に沿ったコイル構造の複数の特定の位置の一つに、少なくとも一つのポートを選択的に接続し、これにより可変インダクタの対応する選択的なインダクタンス値を前記二つのポート間に与えるスイッチ構成とを有する可変インダクタが開示されている。この構成では、導通状態とするスイッチを選択して、入出力間の経路長を切り替えることにより、インダクタンスを変化させている。
特開平8−162331号公報 特開2007−142418号公報
しかしながら、特許文献1記載の可変インダクタでは、スイッチが導通状態の場合、螺旋状インダクタからの磁界により励起された誘導電流が、ループ(スイッチがオンの場合)に配置されたスイッチを通る。ループは細い導体からなるため、スイッチは局所的に形成されており、高い電流密度の高周波電流が流れる。そのため、スイッチによる損失が大きくなる課題があった。
また、特許文献2記載の可変インダクタでも、同様に、スイッチは、細いインダクタ導体から成る経路内に、局所的に配置されるため、スイッチによる損失が大きくなるという課題があった。
本発明の主な課題は、可変インダクタにおいて、スイッチ素子による損失を大きく増大させることなく、インダクタンス値を制御することである。
本発明の一視点においては、可変インダクタにおいて、インダクタ導体と、前記インダクタ導体が配設された領域の一部又は全体を含む領域に1又は複数の空所を有するグランド導体層と、前記空所の両側の前記グランド導体層間の電気的接続の有無を電気的に選択するスイッチ素子と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、可変インダクタにおいて、スイッチ素子を通過する電流密度を低減することができ、スイッチ素子による損失を大きく増大させることなく、インダクタンス値を制御することができる。
本発明の実施形態に係る可変インダクタでは、インダクタ導体(図1の4)と、前記インダクタ導体(図1の4)が配設された領域の一部又は全体を含む領域に1又は複数の空所(図1の3、6)を有するグランド導体層(図1の2)と、前記空所(図1の6)の両側の前記グランド導体層(図1の2)間の電気的接続の有無を電気的に選択するスイッチ素子(図1の7)と、を備える。
本発明の実施例1に係る可変インダクタについて図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る可変インダクタを備えた基板の構成を模式的に示した(A)部分上面図、(B)X−X´間の断面図、(C)Y−Y´間の断面図である。なお、図1(A)では誘電体基板1を省略している。
実施例1に係る可変インダクタを備えた基板は、誘電体(例えば、ポリイミド)よりなる誘電体基板1の第1面上に、グランド導体層2、インダクタ導体4、信号導体層5a、及びスイッチ素子7が形成された基板である。可変インダクタを備えた基板は、スイッチ素子7によってグランド導体層2に形成された複数のスリット6を迂回又は短絡させることで、グランド導体層2に流れるグランド電流の帰還経路長を変化させて、等価インダクタンス値を変化させる。
グランド導体層2は、誘電体基板1の第1面上に配設された導体(例えば、銅めっき)よりなる層であり、グランド電流が流れる。グランド導体層2は、ベタパターンに形成され、空所となる開口部3を有する。開口部3内の領域には、スパイラル状のインダクタ導体4が配設されている。グランド導体層2は、開口部3の端部(図1(A)の左右方向の端部)から外周に向かって延在した空所となる複数のスリット6が形成されている。各スリット6における開口部3の端部の近傍には、スイッチ素子7が配設されている。グランド導体層2は、開口部3の端部(図1(A)の上下方向の端部)から外周に向かって延在した空所となるスロット5bが形成されている。スロット5b内の領域には、グランド導体層2と所定の間隔をおいて信号導体層5aが形成されている。
インダクタ導体4は、誘電体基板1の第1面上のグランド導体層2の開口部3内の領域に、インダクタとして機能するようにスパイラル状に形成された導体(例えば、銅めっき)である。インダクタ導体4の入出力端子の一端(中心側の端部)は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するようにして配設されたビア10、導体層9、及びビア8を介して信号導体層5aと電気的に接続されている。インダクタ導体4の入出力端子の他端(外周側の端部)は、信号導体層5aと直接的(一体的)に電気的に接続されている。
信号導体層5aは、誘電体基板1の第1面上のスロット5b内の領域に線状に形成された導体(例えば、銅めっき)であり、信号が流れる。信号導体層5aは、グランド導体層2の開口部3内の領域にて、インダクタ導体4と電気的に接続されている。図1(A)の上側の信号導体層5aは、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するようにして配設されたビア10、導体層9、及びビア8を介してインダクタ導体4の入出力端子の一端(中心側の端部)と電気的に接続されている。図1(A)の下側の信号導体層5aは、インダクタ導体4の入出力端子の他端(外周側の端部)と直接的(一体的)に電気的に接続されている。信号導体層5aは、スロット5b及びグランド導体層2とともに、コプレーナ線路5を構成する。
スイッチ素子7は、グランド導体層2の各スリット6における開口部3の端部の近傍に形成されたスイッチである。スイッチ素子7は、制御電圧に応じて、スリット6の幅方向の電気的接続(短絡)を選択する。スイッチ素子7には、例えば、FET等のトランジスタを用いることができる。
ビア8は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、信号導体層5aと導体層9の間を電気的に接続し、誘電体基板1中に埋め込まれている。
導体層9は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、インダクタ導体4とは異なる層の誘電体基板1中に形成されており、ビア10を介してインダクタ導体4の入出力端子の一端と電気的に接続されており、ビア8を介して信号導体層5aと電気的に接続されている。
ビア10は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、インダクタ導体4の入出力端子の一端と導体層9の間を電気的に接続し、誘電体基板1中に埋め込まれている。
次に、本発明の実施例1に係る可変インダクタの動作について説明する。
通常、インダクタ素子においては、信号経路であるインダクタ導体4によるインダクタンス成分が主であるが、帰還経路であるグランド導体層2を通るグランド電流によるインダクタンス成分も存在する。グランド電流は、信号導体層5a(インダクタ導体4を含む)に引き寄せられるため、グランド導体層2におけるインダクタ導体4に近いエッジ部分(開口部3、及び、スリット6に接する部分)に偏在する。
従って、スイッチ素子7がオフの場合(スリット6の幅方向の導体間に電気的接続がない場合)、グランド電流は、図1(A)における太字実線の矢印のようにスリット6を迂回するような経路を通る。一方、スイッチ素子7がオンの場合(スリット6の幅方向の導体間に電気的接続がある場合)、最短経路を流れようとするため、図1(A)における太字点線の矢印のようにスイッチ素子7を通ってスリット6を短絡するような経路を通る。このオン/オフ時のグランド電流経路の差は、等価的にインダクタンスの差と見なせるため、スイッチ素子7のオン/オフにより、可変インダクタを実現することができる。
また、等価インダクタンスの変化は、電流経路長変化に起因するため、スリット6の数、及び、スリットの長さ(深さ)により、インダクタンス可変量を増減できる。例えば、スリット6の数、或いは、スリット長が大きくなると、インダクタンスは増大する。
なお、実施例1の構成では、従来例(特許文献2参照)のようにインダクタンスに直接寄与するインダクタ導体の長さを切り替える構成と比べると、インダクタンス可変量は小さい。一方、スイッチ素子による損失について考えると、従来例(特許文献1、特許文献2参照)ではスイッチ素子が細いインダクタ導体から成る経路に配置されているのに対し、実施例1では幅広のグランド導体層から成る経路に配置されている。従って、実施例1はスイッチ素子7を通過する電流密度が小さくなるため、スイッチ素子7による損失は、従来例(特許文献1、特許文献2参照)よりも小さくなる。
ここで、インダクタンスを効果的に制御するために、図2に示す解析モデルを使用して、スリットの構造パラメータの影響について検討を行った。計算の簡単化のために、インダクタ構造を細い信号導体層5aを持つコプレーナ線路(信号線路幅3μm、グランド間距離100μm)とし、比誘電率εの均質媒体で囲まれていると仮定した。また、スイッチがオフの場合をスリットが有る構造、オンの場合をスリットが無い構造であると仮定した。ここでは、スリット長さLslt、スリット幅Wslt、隣接するスリット間のスリット間隔Sslt、導体層の厚さtをパラメータとして、等価的なインダクタンスの変化と見なせる通過位相の変化を計算した。
スリット幅Wsltと、スリット間隔Ssltに対する通過位相変化率(スリットが無い場合に対する通過位相の変化率)の計算結果を、図3(A)に示す。ここでは、Lslt=150μm、t=2μm、スリット数は3である。なお、インダクタ構造が均質媒体内で囲まれていると仮定しているため、通過位相変化率は、周波数、及び、比誘電率εに依存しない。スリット幅Wslt、スリット間隔Ssltが大きくなるにつれて、どちらも、通過位相変化率は大きくなっている。しかしながら、スリット間隔Ssltでは、変化が小さく緩やかであるのに対して、スリット幅Wsltでは、スリット幅Wsltが小さい領域で急激に変化している。従って、大きな通過位相変化率を得るとともに、製造時におけるスリット幅wsltのばらつきが通過位相変化率へ及ぼす影響を低減するためには、スリット幅Wsltは或る一定以上の値を取ることが望ましいといえる。
導体層の厚さtをパラメータとして、スリット幅Wsltに対する位相変化率を計算した結果を、図3(B)に示す。通過位相変化率が急激に変化する領域は、厚さtが大きくなるにつれて広がっている。これは、厚さtが大きいほど、スリットの両側の導体間で発生する容量が増大し、スリット間隔Wsltが大きい領域でも、高周波グランド電流がスリットを横切って通過し易くなるためである。そこで、急激に変化する領域を厚さtで規格化すると、厚さtの5倍程度以下の領域であるといえる。従って、スリット幅Wsltの変化(ばらつき)に対して、急激な通過位相変化率の変化を避けるためには、スリット幅Wsltは厚さtの5倍以上であることが望ましいといえる。
実施例1によれば、可変インダクタにおいて、電流経路を切り替えるスイッチ素子7を通過する電流密度を低減することができ、スイッチ素子7による損失を大きく増大させることなく、インダクタンス値を制御することができる。
本発明の実施例2に係る可変インダクタについて図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施例2に係る可変インダクタを備えた基板の構成を模式的に示した(A)部分上面図、(B)X−X´間の断面図、(C)Y−Y´間の断面図である。なお、図4(A)では誘電体基板1を省略している。
実施例2に係る可変インダクタを備えた基板は、誘電体(例えば、ポリイミド)よりなる誘電体基板1の第1面上に、グランド導体層2、インダクタ導体4、及び信号導体層5aが形成されるとともに、誘電体基板1の第2面(第1面の反対面)上に、バイパス導体層11a、11b、及びスイッチ素子7が形成された基板である。可変インダクタを備えた基板は、スイッチ素子7によってグランド導体層2に形成された開口部3を迂回又は短絡(バイパス導体層11a、11bを介して短絡)させることで、グランド導体層2に流れるグランド電流の帰還経路長を変化させて、等価インダクタンス値を変化させる。
グランド導体層2は、誘電体基板1の第1面上に配設された導体(例えば、銅めっき)よりなる層であり、グランド電流が流れる。グランド導体層2は、ベタパターンに形成され、空所となる開口部3を有する。開口部3内の領域には、スパイラル状のインダクタ導体4が配設されている。グランド導体層2は、開口部3の端部(図1(A)の上下方向の端部)から外周に向かって延在した空所となるスロット5bが形成されている。スロット5b内の領域には、グランド導体層2と所定の間隔をおいて信号導体層5aが形成されている。
インダクタ導体4は、誘電体基板1の第1面上のグランド導体層2の開口部3内の領域に、インダクタとして機能するようにスパイラル状に形成された導体(例えば、銅めっき)である。インダクタ導体4の入出力端子の一端(中心側の端部)は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するようにして配設されたビア10、導体層9、及びビア8を介して信号導体層5aと電気的に接続されている。インダクタ導体4の入出力端子の他端(外周側の端部)は、信号導体層5aと直接的(一体的)に電気的に接続されている。
信号導体層5aは、誘電体基板1の第1面上のスロット5b内の領域に線状に形成された導体(例えば、銅めっき)であり、信号が流れる。信号導体層5aは、グランド導体層2の開口部3内の領域にて、インダクタ導体4と電気的に接続されている。図4(A)の上側の信号導体層5aは、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するようにして配設されたビア10、導体層9、及びビア8を介してインダクタ導体4の入出力端子の一端(中心側の端部)と電気的に接続されている。図4(A)の下側の信号導体層5aは、インダクタ導体4の入出力端子の他端(外周側の端部)と直接的(一体的)に電気的に接続されている。信号導体層5aは、スロット5b及びグランド導体層2とともに、コプレーナ線路5を構成する。
ビア8は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、信号導体層5aと導体層9の間を電気的に接続し、誘電体基板1中に埋め込まれている。
導体層9は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、インダクタ導体4とは異なる層の誘電体基板1中に形成されており、ビア10を介してインダクタ導体4の入出力端子の一端と電気的に接続されており、ビア8を介して信号導体層5aと電気的に接続されている。
ビア10は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、インダクタ導体4の入出力端子の一端と導体層9の間を電気的に接続し、誘電体基板1中に埋め込まれている。
バイパス導体層11a、11bは、誘電体基板1の第2面上に配設され、グランド導体層2の開口部3の中央をコプレーナ線路5の配線方向に横断するように配された導体(例えば、銅めっき)よりなる層である。バイパス導体層11aとバイパス導体層11bとは、開口部3の領域内で分断されている。バイパス導体層11aは、ビア12を介して一方(図4(A)の上側)のコプレーナ線路5の両側のグランド導体層2と電気的に接続されている。バイパス導体層11bは、ビア13を介して他方(図4(A)の下側)のコプレーナ線路5の両側のグランド導体層2と電気的に接続されている。バイパス導体層11aとバイパス導体層11bの間の分断部14には、スイッチ素子7が形成されている。
ビア12は、バイパス導体層11aと、一方(図4(A)の上側)のコプレーナ線路5の両側のグランド導体層2との間を電気的に接続し、誘電体基板1中に埋め込まれている。
ビア13は、バイパス導体層11bと、他方(図4(A)の下側)のコプレーナ線路5の両側のグランド導体層2との間を電気的に接続し、誘電体基板1中に埋め込まれている。
スイッチ素子7は、バイパス導体層11aとバイパス導体層11bの間の分断部14に形成されたスイッチである。スイッチ素子7は、制御電圧に応じて、バイパス導体層11aとバイパス導体層11bの間の電気的接続(短絡)を選択する。スイッチ素子7には、例えば、FET等のトランジスタを用いることができる。
次に、本発明の実施例2に係る可変インダクタの動作について説明する。
スイッチ素子7がオフの場合(分断部14の両側の導体間に電気的接続がない場合)、グランド電流は、図4(A)における太字実線の矢印のように開口部3を迂回するような経路を通る。一方、スイッチ素子7がオンの場合(分断部14の両側の導体間に電気的接続がある場合)、グランド電流は、最短経路を流れようとするため、図4(A)における太字点線の矢印のようにコプレーナ線路5のグランド導体層2と直接接続するバイパス導体層11a、スイッチ素子7、バイパス導体層11bを通って開口部3を短絡するような経路を通る。このオン/オフ時のグランド電流経路の差により、実施例1と同様に、可変インダクタが実現できる。
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
本発明の実施例3に係る可変インダクタについて図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施例3に係る可変インダクタを備えた基板の構成を模式的に示した(A)部分上面図、(B)X−X´間の断面図、(C)Y−Y´間の断面図である。なお、図5(A)では誘電体基板1を省略している。
実施例3に係る可変インダクタを備えた基板は、誘電体(例えば、ポリイミド)よりなる誘電体基板1の第1面上に、インダクタ導体4、及び信号導体層15aが形成されるとともに、誘電体基板1の第2面(第1面の反対面)上に、グランド導体層16、及びスイッチ素子7が形成された基板である。可変インダクタを備えた基板は、スイッチ素子7によってグランド導体層16に形成されたスロット17を迂回又は短絡させることで、グランド導体層16に流れるグランド電流の帰還経路長を変化させて、等価インダクタンス値を変化させる。
インダクタ導体4は、誘電体基板1の第1面上に、インダクタとして機能するようにスパイラル状に形成された導体(例えば、銅めっき)である。インダクタ導体4の入出力端子の一端(中心側の端部)は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するようにして配設されたビア10、導体層9、及びビア8を介して信号導体層15aと電気的に接続されている。インダクタ導体4の入出力端子の他端(外周側の端部)は、信号導体層15aと直接的(一体的)に電気的に接続されている。
信号導体層15aは、誘電体基板1の第1面上に線状に形成された導体(例えば、銅めっき)であり、信号が流れる。信号導体層15aは、インダクタ導体4と電気的に接続されている。図5(A)の上側の信号導体層15aは、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するようにして配設されたビア10、導体層9、及びビア8を介してインダクタ導体4の入出力端子の一端(中心側の端部)と電気的に接続されている。図5(A)の下側の信号導体層15aは、インダクタ導体4の入出力端子の他端(外周側の端部)と直接的(一体的)に電気的に接続されている。信号導体層15aは、グランド導体層16とともに、マイクロストリップ線路15を構成する。
ビア8は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、信号導体層15aと導体層9の間を電気的に接続し、誘電体基板1中に埋め込まれている。
導体層9は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、インダクタ導体4とは異なる層の誘電体基板1中に形成されており、ビア10を介してインダクタ導体4の入出力端子の一端と電気的に接続されており、ビア8を介して信号導体層15aと電気的に接続されている。
ビア10は、インダクタ導体4のスパイラル部分を迂回するためのものであり、インダクタ導体4の入出力端子の一端と導体層9の間を電気的に接続し、誘電体基板1中に埋め込まれている。
グランド導体層16は、誘電体基板1の第2面上に配設された導体(例えば、銅めっき)よりなる層であり、グランド電流が流れる。グランド導体層16は、ベタパターンに形成され、インダクタ導体4を横切るように形成された空所となる複数のスロット17を有する。スロット17内の中央部には、スイッチ素子7が配設されている。
スイッチ素子7は、グランド導体層16の各スロット17の中央部に形成されたスイッチである。スイッチ素子7は、制御電圧に応じて、スロット17の幅方向の電気的接続(短絡)を選択する。スイッチ素子7には、例えば、FET等のトランジスタを用いることができる。
次に、本発明の実施例3に係る可変インダクタの動作について説明する。
スイッチ素子7がオフの場合(スロット17の両側の導体間に電気的接続がない場合)、グランド電流は、図5(A)における太字実線の矢印のように、インダクタ導体4から離れた領域ではスロット17のエッジ部分に沿って迂回するような経路を通り、インダクタ導体4付近ではインダクタ導体4の真下のグランド導体層16で折り返すような経路を通る。一方、スイッチ素子7がオンの場合(スロット17の両側の導体間に電気的接続がある場合)、グランド電流は、図5(A)における太字点線の矢印のようにマイクロストリップ線路15のグランド導体層16間を直接接続するスイッチ素子7、グランド導体層16(スロット17間の部分)、スイッチ素子7、グランド導体層16(スロット17間の部分)、スイッチ素子7を通って各スロット17間を短絡するような経路を通る。このオン/オフ時のグランド電流経路の差により、実施例1と同様に、可変インダクタが実現できる。
実施例3によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
なお、実施例1〜3では、インダクタ導体4として、スパイラルインダクタの例を示したが、メアンダラインや所望のインダクタンスが得られるような長さを持つ導体を使用しても構わない。
また、実施例1〜3では、スイッチ素子7として、トランジスタの例を示したが、MEMS(micro electro mechanical systems)スイッチ等、電気的な接続をオン/オフすることができる素子であればよい。
また、実施例1〜3では、インダクタ導体4及びグランド導体層2、16を主に誘電体基板1の両面又は片面に形成した構成を示したが、もちろん、多層配線プロセス(CMOSプロセス等)を使用した構成でもよい。この場合、インダクタ導体、グランド導体、スイッチ素子等をそれぞれ異なる層に形成してもよく、インダクタ導体、グランド導体を複数の層にまたがって構成してもよい。
また、グランド電流は、基本的に最短経路を通るため、大きな変化量が得られるように、インダクタの入出力線路の位置を離すこと(図1、図4、図5のように一方の線路5、15(図の上側の線路)と他方の線路5、15(図の下側の線路)とがインダクタ導体4を挟んで対向する配置に配置すること)が望ましい。
本発明の実施例1に係る可変インダクタを備えた基板の構成を模式的に示した(A)部分上面図、(B)X−X´間の断面図、(C)Y−Y´間の断面図である。 インダクタの通過位相変化率を計算するための解析モデルである。 解析モデルに係るインダクタの通過位相変化率の計算結果であり、(A)はスリット幅wsltとスリット間隔ssltに対する通過位相変化率の変化、(B)は導体層の厚さtに対する通過位相変化率の変化である。 本発明の実施例2に係る可変インダクタを備えた基板の構成を模式的に示した(A)部分上面図、(B)X−X´間の断面図、(C)Y−Y´間の断面図である。 本発明の実施例3に係る可変インダクタを備えた基板の構成を模式的に示した(A)部分上面図、(B)X−X´間の断面図、(C)Y−Y´間の断面図である。
符号の説明
1 誘電体基板
2 グランド導体層
3 開口部
4 インダクタ導体
5 コプレーナ線路
5a 信号導体層
5b スロット
6 スリット
7 スイッチ素子
8、10 ビア
9 導体層
11a、11b バイパス導体層
12、13 ビア
14 分断部
15 マイクロストリップ線路
15a 信号導体層
16 グランド導体層
17 スロット

Claims (9)

  1. インダクタ導体と、
    前記インダクタ導体が配設された領域の一部又は全体を含む領域に1又は複数の空所を有するグランド導体層と、
    前記空所の両側の前記グランド導体層間の電気的接続の有無を電気的に選択するスイッチ素子と、
    を備えることを特徴とする可変インダクタ。
  2. 前記スイッチ素子は、前記グランド導体層を流れるグランド電流の帰還経路長を変化させて、等価インダクタンス値を変化させる位置に配設されることを特徴とする請求項1記載の可変インダクタ。
  3. 前記インダクタ導体は、誘電体層の第1面に形成され、
    前記グランド導体層は、前記誘電体層の第1面、又は、前記第1面の反対側の第2面に形成され、
    前記空所は、前記インダクタ導体を含む領域に配された開口部と、前記開口部の端部から外周に向かって延在した1又は複数のスリットとを含み、
    前記スイッチ素子は、前記スリットの両側の前記グランド導体層間の電気的接続の有無を電気的に選択することを特徴とする請求項1又は2記載の可変インダクタ。
  4. 前記スリットは、複数個形成されており、
    前記スリットの幅は、前記グランド導体層の厚さの5倍以上であることを特徴とする請求項3記載の可変インダクタ。
  5. 前記空所は、前記開口部の端部から外周に向かって延在したスロットを含み、
    前記インダクタ導体は、前記スロット内に形成された信号導体層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項3又は4記載の可変インダクタ。
  6. 前記インダクタ導体は、誘電体層の第1面に形成され、
    前記グランド導体層は、前記誘電体層の前記第1面に形成され、
    前記空所は、前記インダクタ導体を含む領域に配された開口部を含み、
    前記グランド導体層は、前記誘電体層の前記第1面の反対側の第2面に配設されたバイパス導体に電気的に接続され、
    前記バイパス導体は、前記開口部を横断するように配置されるとともに、中間で分断された分断部を有し、
    前記スイッチ素子は、前記分断部の両側の前記バイパス導体間の電気的接続の有無を電気的に選択することを特徴とする請求項1又は2記載の可変インダクタ。
  7. 前記空所は、前記開口部の端部から外周に向かって延在したスロットを含み、
    前記インダクタ導体は、前記スロット内に形成された信号導体層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項6記載の可変インダクタ。
  8. 前記インダクタ導体は、誘電体層の第1面に形成され、
    前記グランド導体層は、前記誘電体層の前記第1面の反対側の第2面に形成され、
    前記空所は、前記インダクタ導体を横切るように配された1又は複数のスロットを含み、
    前記スイッチ素子は、前記スロットの両側の前記グランド導体層間の電気的接続の有無を電気的に選択することを特徴とする請求項1又は2記載の可変インダクタ。
  9. 前記スロットは、複数個形成されており、
    前記スロットの幅は、前記グランド導体層の厚さの5倍以上であることを特徴とする請求項8記載の可変インダクタ。
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