JP2009249185A - シートの要素を加工する機械の減速装置 - Google Patents

Abstract

【課題】スレーブ形電気制御を行う装置の性能に匹敵する性能を達成でき、純粋に機械的な運動発生を行う装置の欠点を解消できる装置を提案する。
【解決手段】本発明の減速装置は、シートの移動軌道に対して横方向に延び、２つの制限位置の間で移動できる少なくとも１つの減速部材１を有し、前記制限位置の一方は、減速部材の移動軌道がシートの移動軌道に出合う位置であり、前記制限位置の他方は、減速部材がシートの移動軌道から離れて脇に移動される位置である。この減速装置は更に、前記制限位置の間で減速部材を移動させる駆動手段を有し、減速部材１の前記駆動手段が、横方向シャフト５の回りでピボット回転運動するリニアカム４に作用する空気圧アクチュエータ３と、リニアカム４の表面６に沿って転動するローラ７とを備え、ローラ７及び減速部材１が横方向シャフト２の回りでピボット回転運動する支持体８で支持される。
【選択図】図１

Description

本発明は、シートの要素を加工する機械の受入れステーション内の減速装置に関する。

このような機械は、通常、挿入ステーションを有し、この挿入ステーション内にはシートのスタックが置かれ、このスタックの頂部からシートが連続的に取出されて、フィードボードに送られる。各シートは、その横縁部が横方向バー（ピンサー・バーとも呼ばれる）に沿って分散配置された一連の搬送ピンサー（搬送ペンチ）によりグリップされる前に、このフィードボード上に置かれる。ピンサー・バーの両端部は、側方の駆動チェーンに固定されている。これらの搬送ピンサーは、機械の種々の加工ステーションを通してシートを駆動する。これらの加工ステーションは、特に、カッティングステーションでもよい。このカッティングステーションの後には、受入れステーションに到達させるためのカットアウトイジェクションステーションが続く。受入れステーション内で、各シートは、搬送ピンサーにより、クリアランスパレット上に形成されたスタックの頂部上に解放される。

シートが均一に落下することを確保するため、シートは、搬送ピンサーが停止して開いた瞬間に、できる限りフラットになっていなくてはならない。従って、シートは、受入れステーションに到達したとき、後方テーブルにより最初に保持される。シートは、任意により、その後に後退してシートを落下させることができる２つの側方テーブルにより保持することもできる。

カッティング作業およびカットアウトイジェクション作業の後には、もはや脆弱な格子状廃棄物（gratings of waste）以外の何物をも形成しないシートが弱化すること、およびこれらの格子状廃棄物が受入れステーションに到達する速度が高速であることから、横方向ピンサーの減速による減速だけでは、廃棄物の後部に座屈を生じさせる危険があり、またこの座屈によって廃棄物の前部が追いついてしまう傾向が生じる。従って、この格子状廃棄物は、その表面に対して作用するマッチング装置により減速されなくてはならない。

スイス国特許第６８９ ９７７号明細書（特許文献１）にはこの形式の装置が既に提案されている。この装置は、少なくとも１つのフレキシブル減速部材を有し、このフレキシブル減速部材は、シートの移動軌道（トラジェクトリ）に対して横方向に延びている長いブラシを備えている。このブラシは、横方向シャフトの回りでピボット回転運動できるように取付けられており、このため、前記シャフトの回りのブラシの移動軌道（トラジェクトリ）は、前記シートの移動軌道（トラジェクトリ）と交差し、前記フレキシブル減速部材の端部の回転方向は前記シートの移動軌道（トラジェクトリ）と交差する。なぜならば、減速部材の端部の回転方向は、シートの移動方向とは反対方向だからである。この装置は、前記減速手段を、前記シートの長手方向寸法およびこれらのシートの通過頻度に基いて、ピボット回転運動させる駆動手段を有している。

この装置では、減速部材の運動は、連鎖を介して機械の駆動機構に連結されたロータリカムにより制御される。このロータリカムは、垂直運動する水平ランナ（このランナの下流側部分は傾斜上面を有している）を介して減速部材に作用する。減速部材は長手方向に移動可能なフレームに取付けられているので、長い長手方向寸法を有するシートに対する減速部材の移動は一定に維持され、次に減速部材は、フレームが水平ランナの傾斜部分に向かって前進するときに徐々に減速する。

このような装置では、減速ブラシの運動は、定められた１つのシートフォーマットに対しては最適であるが、他のフォーマットに対しては有害である。シートを搬送するピンサーバーが通過すると、減速ブラシが下降できるようになる。このブラシの下降の制御と機械の駆動機構との運動学的連結は、減速ブラシに伝達される加速度に対する制限を形成する。

欧州特許第１ １５３ ８６９号明細書（特許文献２）には、この形式の他の装置が提案されており、この装置は、従前のシステムがもつ問題に対応できるものである。この装置では、減速部材の運動は、スレービング手段に接続された電気機械式アクチュエータにより発生される。この装置は、全体的に満足できるものであるが、コストが嵩む要素を有しており、初級機械にとってコスト高なものとなってしまう。

スイス国特許第６８９ ９７７号明細書 欧州特許第１ １５３ ８６９号明細書

本発明の目的は、初めて購入する機械として適する装置であるが、上記特許文献２に開示されたスレーブ形電気制御を行う装置の性能に匹敵する性能を達成できかつ純粋に機械的な運動発生を行う上記特許文献１に開示された装置の欠点を解消できる装置を提案することにある。

従って、本発明の要旨は、シートの要素を加工する機械の受入れステーション内において、特許請求の範囲の請求項１に記載した特徴をもつ減速装置にある。すなわち、本発明は、シートの要素を加工する機械の受入れステーション内の減速装置であって、シートの移動軌道（トラジェクトリ）に対して横方向に延びておりかつ少なくとも２つの制限位置の間で移動できる少なくとも１つの減速部材を有し、前記制限位置の一方は、減速部材の移動軌道（トラジェクトリ）がシートの移動軌道（トラジェクトリ）に出合う位置であり、前記制限位置の他方は、減速部材がシートの移動軌道（トラジェクトリ）から離れて脇に移動される位置であり、前記制限位置の間で減速部材を移動させる駆動手段を更に有する減速装置において、減速部材の前記駆動手段が、横方向シャフトの回りでピボット回転運動するリニアカムに作用する空気圧アクチュエータと、リニアカムの表面に沿って転動するローラとを有し、ローラおよび減速部材が、横方向シャフトの回りでピボット回転運動する支持体により支持されていることを特徴としている。

格子状廃棄物を最適に減速させることは、詰まりの問題を防止する上で重要なファクタである。詰まりを生じさせることなくこれらの格子状廃棄物を除去できるようにするには、減速ブラシの圧力を低下させて廃棄物の後部がコンベアベルト上に落下できるようにすべく、格子状廃棄物を迅速に一掃し、次の格子状廃棄物を、一掃中の格子状廃棄物上に通過させ、減速ブラシにより格子状廃棄物を挟んで廃棄物を減速させ、かつできる限り迅速に搬送ピンサーから解放させなくてはならない。

本発明の要旨である減速装置によれば、機械の全産出量において、異なる各シートフォーマットに対するこれらの条件を満たすことができると同時に、電気的に制御される運動装置を備えたシステムに匹敵する性能が得られる。

減速力が種々調節されかつ種々の位置の１つにある本発明の減速装置を示す側面図である。 減速力が種々調節されかつ種々の位置の１つにある本発明の減速装置を示す側面図である。 減速力が種々調節されかつ種々の位置の１つにある本発明の減速装置を示す側面図である。 減速力が種々調節されかつ種々の位置の１つにある本発明の減速装置を示す側面図である。

以下の説明をより良く理解できるようにするため、シートの移動方向に関する上流側および下流側の用語は次のように解釈するものとする。すなわち、上流側部分とは、図１から図４の左側にあるステーションの入口を向いた方向をいい、一方、下流側部分とは、これらの図面の右側を向いた方向をいう。

従って、シートは、シートの前縁部を保持してシートを引っ張る複数のピンサーが設けられた横方向バーにより、ちょうど、既存の装置におけるように、より詳しくは上記特許文献２に開示されたようにして左側から右側に移動される。減速部材１（この例ではブラシ）が、横方向シャフト２の回りでピボット回転運動するように取付けられており、この横方向シャフト２の回りで、減速部材１は、図１から図４に示す２つの制限位置の間で移動できる。この横方向ピボットシャフト２の回りで減速部材１を一方向にまたは他方向に駆動するのに、空気圧アクチュエータ３（この例では空気圧シリンダ）が使用される。

ここに説明する例は、ブラシからなる減速部材１に関するが、当業者には、この部材を任意の適当な減速部材で形成できることは明白であろう。

ピンサーバーの通過を検出するのに、上記特許文献２に開示された装置の検出器６と同じ態様の検出器（図示せず）が使用される。横方向ピンサーバーが通過できるようにするには、減速ブラシ１は上昇位置になくてはならないが、一方で、ピンサーバーが通過しかつピンサーがシートを解放するやいなや、減速ブラシ１は下降されて各シートを支持面に対して押付けなくてはならない。

空気圧シリンダ３は、ピンサーバーの通過を検出した後、電気制御により作動される。空気圧シリンダ３の速度は制御できずかつその運動は激しいため、空気圧シリンダ３と減速部材１との直接連結により非常に激しい衝撃が生じる。これにより、シートの後部が上昇され、次のピンサーバーの通過前に再び下降させる時間はない。また、この衝撃によって、カットされたシートの或る弱い部分が破断される虞れがある。

このため、本発明による減速装置では、シリンダ３が、横方向シャフト５の回りでピボット回転運動するリニアカム４およびローラ７が押付けられる表面６に作用する。ローラ７は、横方向シャフト２の回りでピボット回転運動する支持体８により支持されており、支持体８には減速部材１も取付けられている。

ピンサーバーの通過後にシリンダ３が作動されると、シリンダ３は、シャフト５の回りでピボット回転運動するリニアカム４に作用して、ローラ７をリニアカムの表面６に沿って転動させ、これにより、支持体８および減速手段１をピボット回転運動させる。カム４の表面６（この表面６に沿ってローラ７が転動する）は、横方向シャフト２の回りの減速部材１の回転速度を変調させることができ、これにより、シートに加えられる減速部材１の衝撃の激しさを制限できる。

図１および図２では、ピンサーバーが通過できるようにするため、空気圧シリンダ３が後退されかつ減速部材１が上昇されている。図３および図４では、シートがピンサーからひとたび解放たときにシートを減速させるため、空気圧シリンダ３が完全に伸長されかつ減速部材１が下降されている。

図１から図４に示す装置はまた、幾つかの任意の有利な特徴を有している。従って、図１から図４に示す空気圧シリンダ３およびリニアカム４は、支持体９により支持されている。支持体９は、減速手段１が押付けられるシートの平面に対して実質的に垂直な方向に、ガイドバー１０に沿ってスライディング態様で移動できる。この特徴により、減速部材１によりシートに加えられる減速力を、機械的制御手段１１により調節することが可能になる。従って、図１および図３は、最大減速力を発生するように調節された装置を示すのに対し、図２および図４は、最小減速力を発生するように調節された装置を示している。

また、空気圧シリンダ３は、伝達するのが好ましくない、移動の終時の衝撃を発生する。従って、これらの移動の終時の衝撃が機械的連鎖に伝達されないようにするため、リニアカム４の表面６の両端部は、横方向シャフト５（このシャフト５の回りでカム４がピボット回転運動する）に対して一定の半径を有している。

最後に、ピンサーによりシートが解放される速度は、機械の産出量に基いて定められる。この産出量が少ない場合にはシートの速度も小さく、この場合には、より多い産出量に比べ、ピンサーバーの通過後の減速を低下させるのが有利である。従って、任意であるが、本発明による装置には、加工機の産出量に基いて空気圧シリンダ３の作動を遅らせる手段を設けることができる。

１ 減速部材（減速手段、ブラシ）
２ 横方向シャフト
３ 空気圧アクチュエータ（空気圧シリンダ）
４ リニアカム
５ 横方向シャフト
６ リニアカムの表面
７ ローラ
８ 支持体
９ 支持体
１０ ガイドバー
１１ 機械的制御手段

Claims (4)

1. シートの要素を加工する機械の受入れステーション内の減速装置であって、シートの移動軌道に対して横方向に延びておりかつ少なくとも２つの制限位置の間で移動できる少なくとも１つの減速部材（１）を有し、前記制限位置の一方は、減速部材の移動軌道が、シートの移動軌道に出合う位置であり、前記制限位置の他方は、減速部材がシートの移動軌道から離れて脇に移動される位置であり、前記制限位置の間で減速部材を移動させる駆動手段を更に有する減速装置において、
   減速部材（１）の前記駆動手段が、横方向シャフト（５）の回りでピボット回転運動するリニアカム（４）に作用する空気圧アクチュエータ（３）と、リニアカム（４）の表面（６）に沿って転動するローラ（７）とを有し、ローラ（７）および減速部材（１）が、横方向シャフト（２）の回りでピボット回転運動する支持体（８）により支持されていることを特徴とする減速装置。
2. 前記空気圧アクチュエータ（３）およびリニアカム（４）は、少なくとも１つのガイドバー（１０）に沿って、シートの移動軌道に対して実質的に垂直な方向にスライドする支持体（９）により支持されていることを特徴とする請求項１記載の減速装置。
3. 前記リニアカム（４）の表面（６）の両端部は、横方向シャフト（５）に対して実質的に一定の半径を有していることを特徴とする請求項１または２記載の減速装置。
4. 加工機の産出量に基いて、ピンサーバーの通過の検出に対する空気圧アクチュエータ（３）の作動を遅らせる手段を有していることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項記載の減速装置。

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