JP2009245481A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、洗浄工程におけるガラス基板へのパーティクルの付着を防止することにより、洗浄後のガラス基板の表面状態のバラツキを低減することが可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することである。
【解決手段】 ガラス基板の洗浄工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、洗浄工程は、洗浄処理と乾燥処理と測定処理を含み、洗浄処理は、洗浄液にガラス基板を浸漬して洗浄する処理であり、乾燥処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体を蒸気にし、蒸気を洗浄したガラス基板に接触させることによって、ガラス基板を乾燥させる処理であり、測定処理は、乾燥処理における液体の電気抵抗値を測定し、電気抵抗値が所定値以下であった場合に、液体に含まれるパーティクルの含有量が許容値を超えていると判定する処理であることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法に関するものである。
近年、情報化技術の高度化に伴い、情報記録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩している。磁気記録媒体のひとつであるHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気記録媒体用基板として、磁気ディスクの小型化、薄板化、および高密度記録化に伴い、従来多く用いられてきたアルミニウム基板に代えて基板主表面の平坦性及び基板強度に優れたガラス基板が用いられるようになってきている。
また、磁気ディスクには高記録密度化が要求されており、近年、磁気ディスクの情報記録密度は200Gbit/inch程度までの高記録密度化が達成されている。この高記録密度化に伴い、磁気ヘッドの方も薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきていて、磁気ヘッドの基板(磁気ディスク)からの浮上量が20nmから5nm程度にまで狭くなってきている。このように、磁気ヘッドの磁気ディスクからの浮上量(磁気的スペーシング)を低浮上量化することによって、スペーシングロスを改善してSN比(シグナルノイズ比)を向上させることができ、更なる高記録密度化を達成することが可能となっている。
上記の磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドには固有の障害としてヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害を引き起こす場合がある。ヘッドクラッシュとは、磁気ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突することによって物理的に損傷する障害である。サーマルアスペリティ障害とは、磁気ディスク面上の微小な凸或いは凹形状上を磁気ヘッドが浮上飛行しながら通過するときに、空気の断熱圧縮または接触により磁気抵抗効果型素子が加熱されることにより、読み出しエラーを生じる障害である。
従って、磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドに対しては、磁気ディスク表面は極めて高度な平滑度および平坦度が求められる。また塵埃や異物が付着したまま磁性層を形成すると凸部が形成されてしまうため、ガラス基板には、塵埃や異物を完全に除去する高度な洗浄が求められている。
磁気ディスク用のガラス基板は安価に大量生産するため、数十枚〜数百枚のガラス基板を一つのホルダに収納した状態で運搬し、そのまま洗浄槽に浸漬して洗浄する。複数の洗浄槽を用いて洗浄を行う場合にも、ホルダに収容したままで各槽を順に移動して洗浄を行う。このように物品を流しつつ一定の処理時間(タクト時間)単位で処理を行う方式をタクト方式という。
ガラス基板を洗浄する工程において、洗浄によってガラス基板に付着している塵埃や異物を除去しても、洗浄液からガラス基板を取り出すとき、洗浄液に残留する塵埃や異物がガラス基板に再付着することがある。従って洗浄工程では、ガラス基板から塵埃を除去するのみではなく、再付着を防止するために洗浄液に含まれる塵埃や異物の数を低減する必要があった。かかる洗浄液は資源の有効利用のため通常は循環して利用しており、循環供給の際に洗浄液を濾過し、塵埃や異物を捕捉していた。
洗浄液中のパーティクルの数を把握する技術としては、例えば特許文献1には、一定間隔で洗浄液の液中パーティクル数を測定し、その測定したパーティクル数を線形演算することによって、ハードディスク基板に付着するパーティクル数を求めるパーティクル数の推定方法の技術が開示されている。特許文献1によれば、外観試験装置を新たに設置せずとも、ハードディスク基板に付着しているパーティクル数を推定することができるとしている。
また特許文献2には、洗浄液を循環供給させ、かつ循環供給の際に濾過する方法において、洗浄処理前又は洗浄処理中に混入する粒子の量をパーティクルカウンタにて検出し、検出された粒子の量によって所定量内又は所定量以上の検知信号を発する技術も公開されている。特許文献2によれば、オペレータに洗浄不適切状態を知らせることができ、洗浄液を洗浄適正状態に管理することができるので、洗浄性能の向上及び歩留まりの向上を図ることができるとしている。
特開2005−185973号公報 特開平11−233478号公報
洗浄工程においては、上述のように洗浄液にガラス基板を浸漬して洗浄した後に、水溶性溶剤を主成分とする液体の蒸気をガラス基板に接触させることによってガラス基板を乾燥させている。ガラス基板は、この乾燥処理の前に複数の洗浄液によって洗浄されているため、乾燥処理後のガラス基板はパーティクルが付着していない、もしくは、その付着量は極めて微量であると考えられていた。
しかしながら、乾燥後のガラス基板を検査したところ、パーティクルの付着が確認された。またその付着量には、ガラス基板が収納されているホルダごとにバラつきがあることがわかった。このようにガラス基板にパーティクルが付着していると、かかるガラス基板を用いて製造した磁気ディスクにおいても主表面の平滑度および平坦度にバラつきが発生してしまい、品質を安定させることが困難となる。
本発明は、このような課題に鑑み、洗浄工程におけるガラス基板へのパーティクルの付着を防止することにより、洗浄後のガラス基板の表面状態のバラツキを低減し、品質を安定させることが可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法を提供することを目的としている。
本願発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、洗浄工程における洗浄処理の後の乾燥処理におけるガラス基板へのパーティクルの付着に着眼した。そして、さらに検討したところ、乾燥処理に用いられる、水溶性溶剤を主成分とする液体中にパーティクルが存在することに想到した。したがって、かかる液体中のパーティクル量を適切に制御し、パーティクルのガラス基板への付着を防止することが、ガラス基板の良品率を向上させる、ひいては磁気ディスクの良品率を向上させるために効果的であると考えた。
しかし、乾燥処理は水溶性溶剤(例えばイソプロピルアルコール)の蒸気をガラス基板に接触させることによって乾燥させる処理であり、蒸気中のパーティクルを計測することは極めて困難である。そこでさらに検討を重ねたところ、ガラス基板のパーティクル付着量(残留量)と水溶性溶剤の導電率とが一定の比例関係にあることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の代表的な構成は、ガラス基板の洗浄工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、洗浄工程は、洗浄処理と乾燥処理と測定処理を含み、洗浄処理は、洗浄液にガラス基板を浸漬して洗浄する処理であり、乾燥処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体を蒸気にし、蒸気を洗浄したガラス基板に接触させることによって、ガラス基板を乾燥させる処理であり、測定処理は、乾燥処理における液体の電気抵抗値を測定し、電気抵抗値が所定値以下であった場合に、液体に含まれるパーティクルの含有量が許容値を超えていると判定する処理であることを特徴とする。
上記の構成により、液体をサンプリングして検査する等の操作をすることなく、液体中のパーティクルの含有量を簡便に把握することができる。洗浄処理においては、複数の洗浄槽にて複数の種類の洗浄液を用いてガラス基板を洗浄している。このため、洗浄後のガラス基板を乾燥させる乾燥処理において、ガラス基板およびガラス基板が収納されているホルダに付着している、洗浄処理での洗浄液が、乾燥処理に用いられる液体(以下、「乾燥用溶剤」と称する)に混入してしまう。かかる洗浄液には、研磨工程時に削られた微小な塵埃や研磨剤等のパーティクルが含まれているため、乾燥処理を行うにつれ、乾燥用溶剤にはパーティクルが蓄積され、許容値を超えてしまう。ここで、許容値とは、乾燥用溶剤に含まれるパーティクルの含有量の許容される値の上限値である。
上記のようにパーティクルが蓄積した乾燥用溶剤を蒸気化すると、蓄積されているパーティクルがその蒸気と共に上昇し、洗浄後のガラス基板に再付着し、ガラス基板を汚染してしまう。特に、かかる乾燥用溶剤に含まれるパーティクルの含有量が許容値を超えている場合、洗浄後のガラス基板に再付着するパーティクルの量が多いため、ガラス基板表面の平坦度および平滑度が著しく低下し、品質基準を満たせなくなる。これにより、ガラス基板の良品率が低下し、かかるガラス基板を用いて磁気ディスクを製造すると、最終製品の品質が不安定になる。したがって、乾燥用溶剤に含まれるパーティクルの含有量を適切に把握し、適宜乾燥用溶剤を交換する必要性が生じる。
ここで、乾燥用溶剤に含まれるパーティクルにはそれぞれ固有の電気伝導率(電気抵抗値の逆数)を有するため、乾燥用溶剤の電気抵抗値は、かかる乾燥用溶剤中にパーティクルが蓄積されると値が変化する。したがって、乾燥用溶剤の電気抵抗値を測定することにより、その測定値の変化量から乾燥用溶剤に含まれるパーティクルの含有量を把握することが可能となる。これにより、電気抵抗値が所定値以下となった場合に、乾燥用溶剤に含まれるパーティクルの含有量が許容値を超えていると判定することができ、乾燥用溶剤を適宜交換することが可能になる。
上記の所定値は、300MΩ・cmであるとよい。このように所定値を設定することにより、乾燥用溶剤中のパーティクルが許容値を超えているか否かを容易に判定することができる。電気抵抗値が所定値300MΩ・cm以下である乾燥用溶剤は、パーティクルの含有量が許容値を超えているため、そのような乾燥用溶剤を用いてガラス基板の乾燥処理を行うと、洗浄後のガラス基板に再付着するパーティクルの量が増加してしまう。
上記の洗浄工程は、当該磁気ディスク用ガラス基板の最後の研磨工程の後に行われる工程であるとよい。
ガラス基板は製造工程において複数回洗浄される。しかし、最後の研磨工程後の洗浄工程以外の洗浄においては、乾燥処理は行われない。これは、製造工程途中でガラス基板を乾燥させてしまうと、研磨によって削られた微小な塵埃や研磨剤等のパーティクルがガラス基板に強固に付着してしまい、その後の製造工程に悪影響を及ぼすからである。したがって、ガラス基板の最後の研磨工程の後に行われる洗浄工程、すなわち、乾燥処理が含まれる洗浄工程において、本発明は特に効果的である。
上記の水溶性溶剤は、イソプロピルアルコールであるとよい。
イソプロピルアルコール(IPA)は沸点が低いため、水よりも低い温度で蒸気化することができる。また、イソプロピルアルコールは親水性が高いため水に溶解しやすく、その蒸気が水と接触すると、水−アルコール混合物となる。したがって、共沸によって水の沸点が降下するため、イソプロピルアルコールの蒸気をガラス基板に接触させることによって、ガラス基板に付着している水を容易に乾燥させることが可能となる。
本発明にかかる磁気ディスクの製造方法は、上記のいずれかの製造方法を用いて製造した磁気ディスク用ガラス基板の表面に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする。
本発明を適用して製造した磁気ディスク用ガラス基板は平坦度および平滑度が極めて良好であるため、かかるガラス基板を用いて製造した磁気ディスクにおいても平滑度および平坦度が良好となる。従って、記録密度を高め磁気ヘッドの浮上量の小さな垂直磁気ディスクの場合でも、信号の読み取りエラーを防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、乾燥処理に用いられる液体(乾燥用溶剤)の電気抵抗値を測定することによって、液体中に含まれるパーティクルの含有量を適切に把握することができる。そして、これに基づいて、パーティクルの含有量を制御することにより、洗浄工程におけるガラス基板へのパーティクルの付着を防止することができる。したがって、洗浄後のガラス基板の表面状態のバラツキを低減し、品質を安定させることが可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
まず、本実施形態にかかる磁気ディスク用ガラス基板について説明し、次に洗浄工程について説明する。図1は、本実施形態にかかる磁気ディスク用ガラス基板を説明する図であり、図1(a)は磁気ディスク用ガラス基板の斜視図である。磁気ディスク用ガラス基板100は、円板形状をしていて、その中心には内孔が形成されている。主表面110は、情報を記録再生するための領域であるため、記録ヘッドが浮上走行するために実質的に平滑になっている。
図1(b)は、図1(a)のX−X断面図である。磁気ディスク用ガラス基板100は、情報の記録再生領域となる主表面110と、当該主表面110に対して直交している端面120と、当該主表面110と端面120との間に介在している面取面130とを備えている。なお、後述する端面研磨工程により端面120と面取面130との境界が不明瞭となる場合もあるため、本実施形態は端面120とその両側の面取面130があわせて1つの曲面を構成する場合も含むものとする。
磁気ディスクの成膜工程前に磁気ディスク用ガラス基板100、特にその主表面110にパーティクルや異物が付着すると、成膜工程においてガラス基板に平滑な磁性層を形成することができず、最終製品である磁気ディスクの良品率が低下する。
図2は、ガラス基板が収納されるホルダおよび洗浄槽の概観図である。図2に示すように、ガラス基板100は、ホルダ200に複数枚並べられ、アーム202に吊り下げられた状態でホルダ200ごと、洗浄液220が供給されている洗浄槽210に浸漬される。そして、洗浄槽210内の洗浄液220の水流と、洗浄槽210の律動部(図示せず)による運動によって、ガラス基板100に付着しているパーティクルが除去される。なお、図2には図示していないが、洗浄槽210に超音波振動装置を備え、超音波振動を印加して洗浄を行うことにより、ガラス基板100付着しているパーティクルをより効果的に除去することができる。
図3は、洗浄工程の詳細を説明する図である。図3に示すように、洗浄工程は、洗浄処理、乾燥処理、測定処理の3つの処理に大分される。なお、本実施形態においては、5つの洗浄槽210を使用した5種類の洗浄液での洗浄処理を例に挙げているが、これに限定されるものではない。また、洗浄工程において、ガラス基板100は複数枚ホルダ200に収納されているが、理解を容易にするため、図3中ではホルダ200およびアーム202の図示は省略している。
上記の5つの洗浄槽210(210a〜210e)には、洗浄の目的に応じてそれぞれ異なる洗浄液220(220a〜220e)が洗浄液供給部(図示せず)およびIPAタンク280から供給されている。洗浄処理において当該洗浄槽210を複数備えることにより、各洗浄槽ごとに少なくとも成分の異なる2種類以上の洗浄液を用いて順に洗浄することが可能となる。
洗浄液220は、硫酸や有機酸、アルカリ性水溶液、中性水溶液、界面活性剤、キレート剤、蒸留水(純水)、イソプロピルアルコール(以下、「IPA」と称する)等を使い分けることができる。図3においては、酸洗浄槽210aには酸性溶液220aが、純水洗浄槽210bには純水220bが、中性洗剤洗浄槽210cには中性洗剤溶液220cが、純水洗浄槽210dには純水220dが、IPA洗浄槽210eにはIPA220eが、洗浄液220として供給されている。
洗浄液220は、ガラス基板に付着している塵埃を除去し、洗浄液中に浮遊させる。なお、洗浄液供給部から供給される洗浄液220は濾過または蒸留して再利用しつつ、適宜新しいものを補充しながら用いられる。
特に乾燥処理に用いられる乾燥用溶剤240(IPA)は、使用後に脱水蒸留され循環させて再利用している。また、IPA洗浄槽210eにおいて使用しているIPA220eも同様に再利用される。使用後のIPAは、まず、廃液タンク260に排出される。この使用後のIPAにおける含水量(IPAに含まれる水分量)は5wt%程度である。かかるIPAは、脱水蒸留装置270に給送され、脱水蒸留により再生処理をされる。この再生処理後のIPAの含水量は、0.5wt%以下となっていることが好ましい。そして、再生処理後のIPAはIPAタンク280に供給され、当該IPAタンク280からIPA洗浄槽210eおよび乾燥処理槽230に供給される。このとき、IPAの含水量は1wt%以下であることが好ましい。
上記のIPAタンク280には、IPA貯槽290から未使用のIPAも供給され、再生処理後のIPAだけでは不足している分を補充する。この未使用のIPAの含水量は0.1wt%以下となっている。このように、洗浄処理および乾燥処理に使用したIPAを再利用することにより、IPAにかかるコストを削減することができる。
洗浄処理において、複数のガラス基板100はホルダ200(図示せず)に並べて収納され、まず、酸洗浄槽210aに投入され、酸性溶液220a中で一定時間洗浄される。そして、洗浄が終了したら、酸洗浄槽210aからガラス基板100をホルダ200(図示せず)ごと純水洗浄槽210bに移動する。そして上記と同様に洗浄を行い、純水洗浄槽210bでの洗浄が終了したら、中性洗剤洗浄槽210cに移動する。中性洗剤洗浄槽210cおよび純水洗浄槽210d、IPA洗浄槽210eにおいても上記と同様に洗浄を行う。なお、5つの洗浄槽210には各洗浄槽210ごとに超音波振動装置(図示せず)が備えられており、各洗浄槽210での洗浄処理では超音波振動を印加して洗浄している。
上記の5つの洗浄槽210にて洗浄され、洗浄処理を終えたガラス基板100はホルダ200(図示せず)ごと、乾燥処理を行う乾燥処理槽230へ移動する。乾燥処理槽230には、水よりも沸点の低い水溶性溶剤であるIPAを主成分とする乾燥用溶剤240がIPAタンク280から供給されている。そして、乾燥処理槽230に備える加熱装置(図示せず)によって乾燥用溶剤240の温度をその沸点付近まで上昇させ、乾燥用溶剤240を蒸気化している。また、乾燥処理槽230には抵抗測定装置250が接続されている。
乾燥処理において、ガラス基板100は、乾燥処理槽230上部の蒸気化された乾燥用溶剤240と接触する。ここで、ガラス基板100およびガラス基板100が収納されているホルダ200には洗浄処理での洗浄液220が付着している。かかる洗浄液220と、蒸気化された乾燥用溶剤240とが接触すると水−アルコール混合物となる。したがって、共沸によって水の沸点は降下し、ガラス基板100に付着している洗浄液220を容易に乾燥させることができる。
特に、上記のように、乾燥用溶剤240の主成分である水溶性溶剤がIPAであると、その沸点が水より低いため、水を沸点よりも低い温度で蒸気化することができる。また、IPAは親水性が高いため水に溶解しやすく、IPAの蒸気をガラス基板100に接触させた際に、水−アルコール混合物になりやすいという利点もある。
上記の乾燥処理において、ガラス基板100およびガラス基板100が収納されているホルダ200に付着している洗浄処理での洗浄液220が乾燥する前に滴下してしまうと、乾燥処理槽230内の乾燥用溶剤240に混入してしまう。かかる洗浄液220には、研磨工程時に削られた微小な塵埃や研磨剤等のパーティクルが含有されているため、これらが乾燥用溶剤240に混入し、乾燥処理を行うにつれ乾燥用溶剤240にはパーティクルが蓄積されてしまう。
上記のようにパーティクルが蓄積した乾燥用溶剤240を蒸気化すると、蒸気化した乾燥用溶剤240と共にパーティクルも上昇し、ガラス基板100に再付着してしまう。その結果、ガラス基板100の表面の平坦度および平滑度が低下し、当該ガラス基板100を用いて製造した磁気ディスクにおいても表面の平坦度および平滑度が低下してしまう。このため、乾燥処理に用いる乾燥用溶剤240に含まれるパーティクルの含有量を適切に把握し、適宜乾燥用溶剤を交換する必要性がある。
したがって、測定処理において、抵抗測定装置250によって乾燥用溶剤240の電気抵抗値を測定する。抵抗測定装置250は、抵抗値測定部250a、所定値設定部250b、所定値判定部250c、所定値報知部250dを備えていてもよい。かかる構成により、所定値設定部250bに電気抵抗値の所定値をあらかじめ設定し、抵抗値測定部250aが乾燥用溶剤240の電気抵抗値を測定し、その測定値が所定値以下であるかを所定値判定部250cが判断し、所定値以下であった場合には所定値報知部250dが音声等によって報知するというように、測定処理を円滑に行うことができる。
乾燥用溶剤240に混入するパーティクルは、大部分が研磨工程で使用した研磨剤および研磨によって削られた微小な塵埃であると考えられる。これらのパーティクルはそれぞれ固有の電気伝導率(電気抵抗値の逆数)を有するため、乾燥用溶剤240の電気抵抗値は、パーティクルの含有量によって変化する。
そこで、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量の許容値を設定し、その許容値における乾燥用溶剤240の電気抵抗値をあらかじめ測定し、その値を所定値として所定値設定部250bに設定する。例えば、本実施形態においては、かかる所定値を300MΩ・cmと設定している。これは、洗浄工程後のガラス基板を検査したところ、ガラス基板の品質を維持するためには、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量を13000個程度以内とする必要がある、すなわち許容値は13000個であり、このときの電気抵抗値が300MΩ・cmだからである。なお、かかる所定値は、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量の許容値、すなわちガラス基板に求められる品質に応じて適宜設定を変更することが可能である。
そして、洗浄工程における乾燥処理時に、抵抗値測定部250aが乾燥用溶剤240の電気抵抗値を測定する。所定値判定部250cはかかる電気抵抗値が300MΩ・cm以下であった場合には乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量が許容値を超えており、300MΩ・cmを超えていた場合にはパーティクルの含有量が許容値以内であると判定することができる。
かかる測定の結果、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量が許容値を超えていた場合には、所定値報知部250dは、画面表示や音などによって警告を報知する。作業員は電気抵抗値を監視することにより乾燥用溶剤240の交換時期が近づいていることを事前に察知することができ、また警告が報知された場合には遅滞なく交換を行うことができる。
上記の構成により、乾燥処理槽230内の乾燥用溶剤240をサンプリングして検査する等の操作をせずに、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量を簡便に把握することができ、乾燥用溶剤を適宜交換することが可能になる。なお、当該測定処理は、例えば常時測定してもよいし、間欠的に、または所定のタイミングで測定してもよい。また、パーティクルの含有量に対する電気抵抗値の所定値を複数設定することにより、パーティクルの含有量を段階的に把握することもできる。
また、上記の洗浄工程は、磁気ディスク用ガラス基板の最後の研磨工程の後に行われるとよい。後述するように、ガラス基板100は製造工程において複数回洗浄されているが、最後の研磨工程後の洗浄工程以外の洗浄では乾燥処理は行われない。製造工程途中でガラス基板100を乾燥させてしまうと、パーティクルがガラス基板100に強固に付着してしまい、その後の製造工程に悪影響を及ぼすからである。なお、当該洗浄工程の洗浄処理に関しては、第1研磨工程や化学強化工程の後の洗浄としても適用可能である。
以上説明したように、本発明にかかる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、洗浄工程におけるガラス基板へのパーティクルの付着を防止することにより、洗浄工程後のガラス基板の表面状態のバラツキを低減でき、当該ガラス基板の品質を安定させることが可能となる。
また、本発明を適用して製造した磁気ディスク用ガラス基板は平坦度および平滑度が極めて良好であるため、かかるガラス基板を用いて製造した磁気ディスクにおいても平滑度および平坦度が良好である。したがって、当該磁気ディスクへの書き込みの際の磁気ヘッドの浮上安定性が向上し、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害が低減され、磁気ヘッドの低浮上量化を実現できるため、高記録密度化の実現に資することができる。
(実施例)
以下に、本発明を適用した磁気ディスクの製造方法について実施例を説明する。この磁気ディスク用ガラス基板100および磁気ディスクは、0.8インチ型ディスク(内径6mm、外径21.7mm、板厚0.381mm)、1.0インチ型ディスク(内径7mm、外径27.4mm、板厚0.381mm)、1.8インチ型磁気ディスク(内径12mm、外径48mm、板厚0.508mm)などの所定の形状を有する磁気ディスクとして製造される。また、2.5インチ型ディスクや3.5インチ型ディスクとして製造してもよい。
(1)形状加工工程および第1ラッピング工程
本実施例においてガラス基板100の材質としてはソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、結晶化ガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。アルミノシリケートガラスは、平滑かつ高剛性が得られるので、磁気的スペーシング、特に、磁気ヘッドの浮上量をより安定して低減できる。また、アルミノシリケートガラスは化学強化により、高い剛性強度を得ることができる。
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラスを得た。なお、アルミノシリケートガラスとしては、化学強化用のガラスを使用した。ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円板状の磁気ディスク用ガラス基板100を得てもよい。なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
次に、この板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とした。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から円板状のガラス基板を切り出した。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板100とした(コアリング)。そして内周端面および外周端面120をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(フォーミング)。
(3)第2ラッピング工程
次に、得られたガラス基板100の両主表面110について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行なうことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面110に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(4)端面研磨工程
次に、ガラス基板100の外周の端面研磨を行なう。まず端面120については、面取面130に先立ち、単独で研磨を行なう。研磨の方法は、例えば複数枚のガラス基板100を同時にブラシにて研磨する方法でもよいが、取代が多くなってしまう。そこで、例えば枚葉式の研磨方法を用いてよい。
続いて面取面130については、鏡面研磨を行った。これにより、1枚のガラス基板100の面取面130の、外周の全周における表面粗さの差は、0.001μm以下の範囲になった。そして、端面研磨工程を終えたガラス基板100を水洗浄した。この端面研磨工程により、ガラス基板100の端面120は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止できる鏡面状態に加工された。
なお、本実施例では端部の研磨を行った後に面取面130の研磨を行なうよう説明した。しかしこの順序については任意であって、面取面130の研磨を先に行ってから端面120の研磨を行ってもよい。
次に、内周端面については、多数枚積層したガラス基板ブロックを形成し、面取りした内周端部をブラシロールにて同時に研磨してよい。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
(5)主表面研磨工程
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面110に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
この第1研磨工程を終えたガラス基板100を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
次に、主表面研磨工程として、第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は、主表面110を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の鏡面研磨を行った。研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いた。
(6)洗浄工程
この第2研磨工程を終えたガラス基板100を、酸洗浄槽210a、純水洗浄槽210b、中性洗剤洗浄槽210c、純水洗浄槽210d、IPA洗浄槽210eに順次浸漬して、酸性溶液220a、純水220bおよび220d、中性洗剤溶液220c、IPA220eにて洗浄処理を行った。なお、各洗浄槽210には、超音波を印加した。そして、ガラス基板100を、乾燥処理槽230上部の蒸気化された乾燥用溶剤240と接触させ、乾燥処理を行った。
なお、上記の乾燥処理を行う乾燥処理槽230には抵抗測定装置250が接続されており、乾燥処理槽230中の乾燥用溶剤240の電気抵抗値を所定の間隔で間欠的に測定している。そして、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量の許容値に対する電気抵抗値をあらかじめ設定しておくことにより、測定した電気抵抗値が所定値以下であった場合は、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量は許容値を超えていると判断することができる。なお、上記の所定値は300MΩ・cmであることが好ましい。これは、所定値が300MΩ・cm以下のときに、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量が許容値を超えてしまうからである。かかる所定値は、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量の許容値に応じて設定することが可能である。
上記の構成により、乾燥処理槽230内から乾燥用溶剤240をサンプリングして検査する等の操作をせずに、乾燥用溶剤240中のパーティクルの含有量を簡便に把握することができる。したがって、パーティクルが許容量以上に蓄積した乾燥用溶剤240を適宜交換することができ、洗浄工程の乾燥処理時におけるガラス基板100へのパーティクルを低減することが可能となる。
[評価]
以上の工程によって製造された磁気ディスクにおける本実施形態の有効性について説明する。図4は、実施例および比較例における、抵抗値と乾燥用溶剤中のパーティクル数の関係を示す図である。ここで、実施例には、電気抵抗値が2680.0MΩ・cmで所定値(300MΩ・cm)を超えている乾燥用溶剤240を用い、比較例には、電気抵抗値が184.0MΩ・cm(所定値300MΩ・cm以下)である乾燥用溶剤240を用いた。なお、かかる乾燥溶剤中のパーティクル数は、実施例および比較例に使用した乾燥溶剤を、レーザーパーティクルカウンター(LPC)を用いて測定した。
図4に示すように、実施例に用いた乾燥用溶剤240は、電気抵抗値が2680.0MΩ・cmであり、パーティクル数が2918.0個であった。これに対し、比較例に用いた乾燥用溶剤240は、電気抵抗値が184.0MΩ・cmであり、パーティクル数が13646.2個であった。このことから、乾燥用溶剤240の電気抵抗値とパーティクル数は反比例の関係であることがわかる。これにより、乾燥用溶剤240の電気抵抗値を測定することにより、乾燥用溶剤240中のパーティクル数を把握可能であることが理解できる。
したがって、洗浄工程においては、乾燥用溶剤240に含まれるパーティクルの含有量を適切に把握し、かかる含有量が許容値(乾燥用溶剤に含まれるパーティクルの含有量の許容される値の上限値)を超えたときは乾燥用溶剤240を交換する必要がある。これにより、洗浄工程中にガラス基板100に付着するパーティクルの量を低減し、平坦度と平滑度が高い高品質のガラス基板100を製造することができる。
(7)化学強化工程
次に、前述のラッピング工程および研磨工程を終えたガラス基板100に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400℃に加熱しておくとともに、洗浄済みのガラス基板100を300℃に予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、ガラス基板100の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板100が端面120で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板100の表層のリチウムイオンおよびナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板100が強化される。ガラス基板100の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100μm乃至200μmであった。
化学強化処理を終えたガラス基板100を、20℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。そして、急冷を終えたガラス基板100を、約40℃に加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス基板100を純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
上記の如く、第1ラッピング工程、切り出し工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、第1および第2研磨工程、ならびに化学強化工程を施すことにより、平坦で平滑な、高剛性の磁気ディスク用ガラス基板100を得た。
(8)磁気ディスク製造工程(成膜工程)
上述した工程を経て得られたガラス基板100の両面に、ガラス基板100の表面にCr合金からなる付着層、CoTaZr基合金からなる軟磁性層、Ruからなる下地層、CoCrPt基合金からなる垂直磁気記録層、水素化炭素からなる保護層、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を順次成膜することにより、垂直磁気記録ディスクを製造した。なお、本構成は垂直磁気ディスクの構成の一例であるが、面内磁気ディスクとして磁性層等を構成してもよい。
このように、最終製品である磁気ディスクを、平坦度と平滑度が高い当該ガラス基板100を用いて製造することにより、かかる磁気ディスクも高い平坦度と平滑度を得ることができた。したがって、かかる磁気ディスクへの書き込みの際の磁気ヘッドの浮上安定性を向上させることが可能となった。これにより、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害を低減させ、磁気ヘッドの低浮上量化を実現できるため、高記録密度の実現に資することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法に利用することができる。
本実施形態にかかる磁気ディスク用ガラス基板を説明する図である。 ガラス基板が収納されるホルダおよび洗浄槽の概観図である。 洗浄工程の詳細を説明する図である。 実施例および比較例における、抵抗値とパーティクル数の関係を示す図である。
符号の説明
100…ガラス基板、110…主表面、120…端面、130…面取面、200…ホルダ、202…アーム、210…洗浄槽、210a…酸洗浄槽、210b…純水洗浄槽、210c…中性洗剤洗浄槽、210d…純水洗浄槽、210e…IPA洗浄槽、220…洗浄液、220a…酸性溶液、220b…純水、220c…中性洗剤溶液、220d…純水、220e…IPA、230…乾燥処理槽、240…乾燥用溶剤、250…抵抗測定装置、250a…抵抗値測定部、250b…所定値設定部、250c…所定値判断部、250d…所定値報知部、260…廃液タンク、270…脱水蒸留装置、280…IPAタンク、290…IPA貯槽

Claims (5)

  1. ガラス基板の洗浄工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
    前記洗浄工程は、洗浄処理と乾燥処理と測定処理を含み、
    前記洗浄処理は、洗浄液に前記ガラス基板を浸漬して洗浄する処理であり、
    前記乾燥処理は、
    水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体を蒸気にし、前記蒸気を洗浄した前記ガラス基板に接触させることによって、該ガラス基板を乾燥させる処理であり、
    前記測定処理は、
    前記乾燥処理における液体の電気抵抗値を測定し、
    前記電気抵抗値が所定値以下であった場合に、前記液体に含まれるパーティクルの含有量が許容値を超えていると判定する処理であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記所定値は、300MΩ・cmであることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記洗浄工程は、当該磁気ディスク用ガラス基板の最後の研磨工程の後に行われる工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記水溶性溶剤は、イソプロピルアルコールであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造した磁気ディスク用ガラス基板の表面に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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